いつもお世話になっております。
10月29日に神戸市の湿った草地で採集した種です。体長2mmほどで、パッと見どの科かよくわかりませんでした。 写真ではよく見えませんが、背面にうっすらと縦縞が入っていることなどから、今のところイエバエ科の可能性が強いと思いますが、いかがでしょうか。 もしわかる方がいらっしゃれば、よろしくお願い致します。
おそらくショウジョウバエ科の1種でしょう。Scaptomyzaあたりが怪しいかも知れません。
アノニモミイア様
ショウジョウバエ科のScaptomyzaを調べてみたところ、確かによく似た印象を受けました。ご教示下さりありがとうございます。しかしこの属は種数が多いようで、種まで絞り込むのはなかなか難しそうな印象を受けます。 下の話題でも科の同定が難しいとの書き込みがありましたが、自分で採集した種を見ていても本当にそのとおりだと痛感しているところです。 まだ双翅目(どころか昆虫全般)を真面目に勉強し始めて1年も経たないので、今回のように見当はずれな書き込みをすることもあるかと思いますが、今後ともいろいろと勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
双翅目の同定には科のレベルでも双眼実体顕微鏡での検鏡を必要とするものが多く、とくにハエ型の仲間、その中でも無弁翅類(今回のショウジョウバエ科などが入る)の科は基本的には検鏡しないと識別形質が見えません。数万円レベルのニコンのファーブルから10-20万円レベルの顕微鏡をそろえる必要があります。私たちはこのような検鏡に基づく経験から、検鏡しなくても肉眼で見ておおよその科の判定は可能ですが、この経験を持たない初心者の場合には、双眼実体顕微鏡での経験を積むことは必須だと思います。
Scaptomyzaの種についても言及されていますが、双翅目では種レベルになるとしばしば♂♀の交尾器、産卵器等の構造を実体顕微鏡や通常の光学顕微鏡で調べないと同定ができないのが一般的です。 不景気な世の中ですが、年末のボーナスでもいくばくかもらえる同好者は、思い切って双眼実体顕微鏡を購入されることをお勧めします。昆虫に限らず細かなものを検鏡するのに大変便利です。ニコンや今物議をかもしているオリンパスなどの大手メーカーのもの以外に格安で高倍率の物も販売されているようです。
アノニモミイア様
貴重なアドバイスを下さり、ありがとうございます。やはり腰をすえてやるには設備投資が必要ですね。 実体顕微鏡は、一応古い型のもの(ニコンがまだ日本光学だった頃のものです)を譲り受けたものがあるにはありますが、微小種になると細かい所が見えづらいと感じる程度の倍率ですので、光学顕微鏡とあわせてもう少し細かく見れるものが欲しいと思っておりました。何倍に見えているのかはわかりませんが、大体3-4mmのハエが視野いっぱいに見える程度までは拡大できます。20-40倍くらいはあるのでしょうか。 交尾器の観察経験もほとんど無いので、とりあえずより高倍率の顕微鏡を入手して試行錯誤しようと思ってはいるものの、主に予算の面で停滞しておりました。 なにぶん私はまだボーナスも何も出ない貧乏学生ですので、特に10−20万円レベルの顕微鏡となると、なかなか簡単に買えないのが悩みどころです。ちなみに専攻は生物学ですが、昆虫学ではなく植物学を専門にしています。栽培していた植物に寄ってきた双翅目に惹かれて、気づいたら自分の研究分野の論文をろくに読まず、双翅目の文献を読み漁っている始末です(笑) 来年から一応社会人(非研究職)になりますので、とらぬ狸の皮算用ですが、より高価な機材はその時のボーナスを当てにして購入できれば…と思っています。
Campsicn様
安価な実体顕微鏡と言えば、以下のマイクロネット社のものが良いかも知れません。見るだけならば「ずん太2」、写真撮影も考えているなら「三太2」あたりが良いかと思います。なによりも購入する前にデモ機を貸してもらえるので、しばらく使ってみてから買う買わないを決められるので便利です。 http://www.microscope-net.com/products/microscope/ ちなみに、私の会社のバッタ屋Gさんは比較的大型昆虫であるバッタ類の形質が見られれば良いので「ずん太2」を購入して愛用しています。 私はずいぶん前に会社のボーナスで奮発して購入したオリンパスを今も使っています。 私の会社のキバガ屋Uさんは、ライカが欲しくて自分の車を売って購入したそうです。 実体顕微鏡は一生使える道具なのでじっくり検討して購入するのが良いと思います。 私は今から選べるのならば・・・・やはりライカが欲しいですね^^;;;; ケンセイ@実体顕微鏡は中古でも良品があります
ケンセイ様
実体顕微鏡のご紹介ありがとうございます。たしかにこの価格でこの性能はお買い得ですね。有力候補にしたいです。 大事に使えば一生ものと考えると、下手に妥協するよりかは納得の行くものを手に入れるべきかも知れませんね。中古の掘り出し物がでてこないかもマメにチェックしようと思います。 しかしライカのために自分の車を売るというのはすごいですね。強い熱意が感じられます。 今の実体顕微鏡で基本的な観察眼を鍛えつつ、将来的にずっと使えそうなものをじっくり選んで手に入れたいと思います。マイクロネット社のレンタルも利用してみたいです。 ありがとうございます。
Campsicn様.
中古の掘り出し物という言葉が気になったので,老婆心ながら中古品事情を説明しておきます. 注意点として,顕微鏡のような純粋な光学機器は古くなってもそれほど価格は下がりません.つまり,光学系に曇り等が生じていない限り,結構高い価格となります. また,オークションなどで安く売られている顕微鏡は,ハズレを引く確率がかなりあります.実際,日本唯一の顕微鏡専門店である浜野顕微鏡店には,オークションで購入した顕微鏡等の修理問い合わせが結構あるそうです.(大概,重傷で修理不可と言っていたような(^_^;) 中古顕微鏡であれば,浜野顕微鏡なりイーマイクロ顕微鏡リサイクルセンターのような専門店での購入をお勧めします. 私も,光学顕微鏡は浜野顕微鏡で中古の現物を覗いたうえで購入しています.(新品価格が約50万円のオリンパス製を約30万円で購入し,描画装置や接眼レンズを追加して使用しています.) ライカが良いのは,光学性能だけではなく,新型・旧型との互換性や旧型の部品供給体制などがしっかりしているためです.私が使っていたNikonの実体顕微鏡は,購入後数年でモデルチェンジした為部品の互換性が無くなり,描画装置が入手出来ずに泣く泣く買い替えました.(その前のオリンパスの実体顕微鏡も,光学系のバルサム剥離で修理不能となり,買い換えました)
茨城@市毛様
中古の顕微鏡事情についてのご説明ありがとうございます。確かに、オークションサイトを見ても、定価から極端に下がっていることもほとんど無いようですし、あってもジャンクとなっていることが多いですね。それにしても中古顕微鏡の専門店があるとは思っていませんでした。大変参考になります。 なるほど、ライカなら旧型になってもメンテナンスがしやすいというのは重要なところですね。単純に安さだけでなく、長期的に使っていくことを考えて選ぶべきですね。貴重なアドバイスありがとうございます。よく考えて購入を決めたいと思います。 |
達磨様、どうもです。
私はこいつを見ると「ぼよんぼよん星人」と呼んでしまいます^^林縁などをふわふわ飛ぶ姿は何ともユーモラスですね。 ただし、ネットに入れたとたんにボロボロになってしまうのできれいな標本を作製するのは相当困難な種ではないかと思っています。 ケンセイ@今はガガンボダマシのシーズンですね^^
ぽよんぽよん、いいかも。昔なんとかトゲトゲというはむしがいましたから、エサキフワフワなんて和名はどうでしょう?
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レスがないので、達磨さんが落胆していてはと一言。
Mecoptera型の祖先から進化した双翅類では、例えばバナナバエのように前脚で胸部背面を掃除する芸当もあるのですが、シリアゲモドキにはその能がないのでしょう。 前脚の基節基部の周囲の膜質部(とくに腹中線側)が広くないと、基節を垂直に上にあげることができないのでしょう。 他人事ではありませんが、私も手先を肩甲骨の間までは伸ばすことができないので、この辺りが痒いと難儀します。写真のシリアゲモドキに同情。 投稿には場所とともに年月日を。
確かに、レスポンスがないと寂しいものですね。
フィルムカメラの時代と違って写真と一緒に勝手に撮影日が記録されるので、私のようなものにはありがたい時代となりました。知り上げもどきの写真は今年の7月17日。エサキヒメコシボソガガンボは7月の26日でした。 アノニモ先生、今度のクリスマスに孫の手でも送りましょうか?わたしも、「もしや?」と思い、トライ。何と、いつの間にか両手が背中で届かなくなっていました。固くなったのか、背油がのりすぎているのか。焦り、焦り。 |
せっかくの写真ですが、この二枚は焦点深度が浅い(ピントが甘い)、照明の方向が不適当、のために科の見当が決定的には付けられません。クロバエ科ではM1脈が中ほどで強く前方に屈曲するのですが、それも写真では不明瞭です。
しかし、全体の感じではイエバエ科のシロマキバイエバエMyospila argentataに似ていますね。南西諸島と東京では皇居で採集されたと、篠永先生の「日本のイエバエ科」には記述、図示されています。参照してみたらいかがですか。 なお、写真についてですが、2枚目は胸部背面に光が当たっていないので、この部分の模様が分からない。それと、やはり翅の形質は双翅目では必須の場合が多いので、このような標本写真では撮影しにくいでしょうが、翅の全面にピントが合った画像が必要です。もう一度上記示唆に従って撮影してみたらどうでしょうか。
アノニモミイア様
貴重なご示唆をありがとうございました。 早速、『日本のイエバエ科』を注文致しました。 撮影も再挑戦してみます。 アドバイスに心より感謝申し上げます。 FS
翅の写真からクロバエ科ではなくてイエバエ科のことは間違いありません(M1脈が直線状、CuA+CuP脈(いわゆる臀脈A1脈)が翅の縁に達していないなど)。
私はイエバエ科について詳しくないので確信は持てませんが、篠永先生の本では、新しいい画像の胸部背面の色彩斑紋からもシロマキバイエバエの可能性が大きいと思います。 正しい同定をされるのなら、同書を参照しながら、記載と合わせる必要があるでしょう。
アノニモミイア様
返信ありがとうございました。 たいへん勉強になりました。 篠永先生の本でさらに同定を試みてみたいと思います。 ありがとうございました。 |
KT様.
キノコバエ科の仲間と思われます.
市毛様、ありがとうございます。キノコバエ科というのが分かって嬉しいです。
キノコバエ科のシワバネキノコバエ属Allactoneuraの1種です。このキノコバエについては、本掲示板で検索してみてください。
アノニモミイア様、ありがとうございます。やはりシワバネキノコバエの仲間でしたか。この間、採集して、この掲示板で
確認していただいたのですが。今回は明るい林縁でしたので違うかもしれないと思っておりました。またひとつ、私の記憶のページに一つ引き出しができました、ありがとうございます。 |
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