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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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赤茶のHilara 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/18(Mon) 21:55:43 No.4797  引用 
こんちは。

 [ No.4527 ]のアノニモミイアのコメントに出てくる『複眼が赤みを帯びるHilaraは日本にこのほかの種群で数種あります』とされた種の仲間ではないかと思います。
 ゲニの剛毛が非常に長いのが特徴的でした。

 7月初めに 埼玉県の山地(alt1200m程度)でライトトラップに来ました。

 『新潟県のオドリバエ』にHilara tricolorという記述を見つけましたが、決め手がありませんでした。
 このあたりの種は、どの程度の解明度なのでしょうか?
 ある程度 種に近づけるものでしょうか?

 ヒントなどご教示いただけましたら幸甚です。
 


Re: 赤茶のHilara 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/08/19(Tue) 00:27:34 No.4798 ホームページ  引用 
バグリッチ様.

Hilara tricolorについては,No.3032から始まる「Hilara tricolorでしょうか?」というスレッドを参照してください.
http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=3032#3032

Re: 赤茶のHilara 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/19(Tue) 21:39:37 No.4800  引用 
市毛さま

 Hilaraで検索したのですが、後ろの方を全部を見切っていなかたようです。
 No.3032から始まる「Hilara tricolorでしょうか?」というスレッドを確認しました。

 触角第3節は暗褐色(〜黒色)でしたので、アノニモミイアのコメントに沿って、Hilara tricolor Frey, 1955 [F205, F187, F230]と同定しておくことと致します。

 過去ログをしっかり見ないと ダメですねぇ。

 市毛さん、ご教示 ありがとうございました。
 

繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:06:35 No.4757 ホームページ  引用 
先日貼ったケヅメカと同じ倒木にいた幼虫です。

集団で粘液の膜をはり、白い菌膜(?)を食べているようです。
本掲示板の過去スレッド(http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4696#4696)でアノニモミイア様の解説を思い出して、「粘液のハンモックにぶらさがる蛹!」を見たいと思い、持ちかえることにしました。(ケヅメカは実はその副産物です。)

2008年7月27日 キノコ付き樹皮採集
兵庫県神戸市須磨区(標高約100m)


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:08:39 No.4758 ホームページ  引用 
結局くだんの幼虫はハンモックを作らずに、溶けかけたオブラートを丸めたような楕円形の繭をこしらえて蛹になりました。

ハエが繭!?


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:10:38 No.4759 ホームページ  引用 
で月曜日、容器を見るとすでに羽化して交尾している個体が、、、
2008年8月4日羽化


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:11:46 No.4760 ホームページ  引用 
♂標本

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:12:52 No.4761 ホームページ  引用 
♂背面
Y字模様があります。


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:13:56 No.4762 ホームページ  引用 
♀標本

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:15:44 No.4763 ホームページ  引用 
翅脈スケッチ

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:23:19 No.4764 ホームページ  引用 
♂交尾器
長々と失礼しました。
翅脈と触角の特徴からツノキノコバエ科のKeroplatus属だと思うのですが、既知の種なのでしょうか?

p.s.この属の幼虫は光る種(いわゆるグロウワーム)がいるそうですが、これは短い観察期間では光りませんでした。


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/14(Thu) 19:11:29 No.4773  引用 
Aclerisさん.
この種はもちろんKeroplatidaeですが,Keroplatus群の属についてはMatileの総説でかなり詳しい検討があります.ここのところフィールドの仕事が多くてゆっくり検討できません.いま少しお待ちください.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/17(Sun) 03:34:38 No.4782  引用 
Aclerisさん.

これはKeroplatus nipponicus Okadaだと思います.私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.そのうちの1種は本州中部からのもので,雄交尾器のgonostylus基部の突起がD. nipponicusのように細長くなくて,幅広い板状,もう1種は全身黄褐色でgonostylusが著しく細長いものです.写真で見る限り,背面として示されている交尾器の写真では,gonostylus基部の突起が細長く見えます.この点からD. nipponicusかと思います.しかし,この構造は見る方向でやや形状を変えますので,標本を解剖して検討する必要があるでしょう.なお,D. biformisは初めD. testaceusのformとして記載されたものですが,ヨーロッパのtestaceusとは別種です.

おそらく,D. nipponicusの生態の記録はないと思いますので,是非論文にして発表されることをお薦めします.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/17(Sun) 10:37:38 No.4786  引用 
4782で
「私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.」としたのは,
「私のところには,日本産のものとしては本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種があります.」の誤記です.

なお,K. nipponicusに類似したgonostylusの基部突起が幅広い種は,翅の先が1/4ほど暗色になります.D. nipponicusでは前縁の先端部近くのみが暗色になる傾向があります.両種ともに胸部背面にV字型の暗条を現すのが一般的です.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/19(Tue) 05:35:59 No.4799 ホームページ  引用 
アノニモミイア様、迅速な対応をしていただいていたのに、御礼が遅れて申し訳ありません。
Keroplatus nipponicus Okadaの可能性が極めて高いとのこと、後ほど交尾器をはずして確認をしたいと思います。
生態報告については、門外漢の断片的な観察ですので、ちょっと気後れしてしまいます。スイマセン。私の情報は、ネット上の話題提供程度と思っていただければ幸いです。

しかし、地元のマイナーな虫について、少しずつ理解が深まっていくのは楽しいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。

ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/08/17(Sun) 09:26:55 No.4783 ホームページ  引用 
今年の7月18日に東京都世田谷区の西部で撮ったミバエです。
このミバエの翅の模様はクロハスジハマダラミバエとよく似ており、Anomoiaの1種だと思うのですが、クロハスジとは体色が随分違います。また、このクロハスジハマダラミバエに関して調べてみると色々と判断に苦しむことが出て来ましたので、お伺いを立てる次第です。
先ず第一に、このミバエはクロハスジハマダラミバエでしょうか。
次に、このクロハスジハマダラミバエの和名ですが、九大の目録を見ると他のAnomoiaの和名はみな○○○ハススジハマダラミバエとなっています。このミバエだけが、「ス」が一字しかないクロハスジハマダラミバエで正しいのでしょうか。
また、学名の方は九大の目録ではAnomoia permundaとなっています。しかし、外国のサイトと参照すると非常に良く似たA. purmundaと言う種類が沢山出て来ます。permundaはpurmundaのmiss spellingだと書いているサイトもありますが、別種の様に書いているサイトもあります。A. permundaとA. permundaは別種なのでしょうか、それとも、どちらかがmiss spellingなのでしょうか。
皆様、かき入れ時で御多忙を極めて居られると思いますが、何卒宜しく御回答下さる様お願い申し上げます。


Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/08/17(Sun) 09:27:42 No.4784 ホームページ  引用 
前から

Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/08/17(Sun) 09:28:49 No.4785 ホームページ  引用 
斜め前から

Re: ミバエの1種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/08/17(Sun) 12:40:02 No.4787 ホームページ  引用 
アーチャーン様.

第1前縁室に透明な部分が見えるので,クチジロハススジハマダラミバエA. leucochilaの可能性があります.

学名の件については,旧北区のカタログを見てもAnomoia permunda (Harris,1776)となっています.
和名の件を含め,ここらへんは歴史的な経緯を知っている専門家に聞かないと難しそうです.

 現在まとめているハナアブ科でも,論文の元となっている文献を調べていったら,図版の学名が間違っているのを見つけ,この間違いが原因で個体変異が新種として記載された種類を見つけました.
分類は,古い文献をどれだけ集めて読んでいるかで,見解が異なることもありえる難しい学問ですね;^_^)

Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/08/17(Sun) 16:30:12 No.4793 ホームページ  引用 
市毛様

早速の御回答有難う御座います。
九大の目録でAnomoiaを参照すると、本州に産するAnomoiaはクロハスジ(A.permunda)、クチジロハススジ(A.leucochila)、チャイロハススジ(A.vulgaris)、ツマモンハススジ(A.apicalis)、オスグロハススジ(A.okinawaensis)の5種となっています。写真のミバエを見ると口の辺りが白いので、それではクチジロハススジではないだろうかと冗談で言っていたのですが、冗談からコマが出た感じです。
また、permunda、purmundaを科学用語の語源に関するラテン語辞典で調べてみますと、permundaはper(非常に)+mundus(ギリシャ語起源:綺麗な、清潔な)で意味が通りますが、purmundaは意味付けが出来ません(地名の可能性はありますが・・・)。九大の目録に従ってA.permundaとすることにしておきます。

追記:宛名が間違っておりました。大変失礼しました。お詫び申し上げます。

Re: ミバエの1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/18(Mon) 00:47:40 No.4794  引用 
本種の学名のpermundaとpurmundaは紛らわしい上に研究者によって使い方が異なり,簡単ではないですね.

本種は英国Kentから記載された種です.その英国で出版されているHandbooks for the identification of British insectsのシリーズでKloet & Hincks (1976)のA check list of British Insectsでも,White (1988)のTephritid Fliesでも,purmundaを用いています.このほか,Shiraki (1933)のA systematic study of Trypetidae in the Japanese Empireでは本種の原記載の出典を引用しながらPhagocarpus purmundusを用いています.中国のSing-Jian Wang (1996)のThe fruit flies of the East Asian Regionでも,本種の原記載の原綴をMusca purmunda Harrisとして,種の項目でもAnomoia purmunda (Harris)としていますが,それでもRemarksの中で,『The Eastern Palaearctic specimens of A. permunda usually have・・・・」と多分うっかりpermundaを使っています.1988にBishop Museumが中心に編集したオーストラリア・大洋州のDipteraのカタログでも,属の模式種としてMusca purmundus Harrisを使っています.

一方,permunda派はHawaii Universityが1977年に出版した東洋区のカタログではAnomoiaやRhagocarpusの模式種として,Musca permunda Harrisを用いています.また伊藤先生(1984)のDie Japanischen Bohrfliegen, Liefrung 2では本種の項で,本種の原記載出典を示して,模式種としてMusca permunda Harris, 1776を示しています.また,旧北区のカタログでは市毛さんが指摘している通り,種の項でも属の模式種の項でも本種の種名にpermundaを使っていますが,種のところでシノニムの項にはpurmundaが全く示されておらず,著者がこれら二つの学名をどのように考えているかがわかりません.

なお,ラテン語の形容詞purusにはcleanの意味があるようで,同様にラテン語のmundusにはworld, earthの意味のほかに,nice, neatの意味があります. 

Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/08/18(Mon) 17:26:25 No.4795 ホームページ  引用 
アノニモミイア様

色々と情報有難う御座います。1776年では、原著記載論文を入手するのも、国立の研究機関でないと難しいと思います。
イチョウの学名Ginkgo bilobaの様に、ぎんなん->銀杏->ギンキョウ->Ginkyo->Ginkgoと、誤読誤記が重なって意味不明の奇妙な文字列になってしまった例もある位で、当初の学名が何処かで2通りになってしまったのかも知れません。
何時も詳細な情報を有難う御座います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

名前を教えてください 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/15(Fri) 20:29:28 No.4776  引用 
山地の草地(標高400m)、アザミの葉上、大きさ1cmくらい。ミバエの仲間かな。名前を教えて下さい。

Re: 名前を教えてください 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/08/17(Sun) 12:48:53 No.4789 ホームページ  引用 
ティプラ様.

これも,過去ログやネットでよく見かけるキイロケブカミバエと思われます.
一応,過去ログを調べてからの投稿をお願い致します.

Re: 名前を教えてください 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/17(Sun) 13:32:38 No.4792  引用 
 茨城@市毛さん、同定有り難うございます。
なにぶん、関心持ちはじめて日が浅いもので、もっと修行を積みたいと思います。キイロケブカミバエXyphosia punctigera(ミバエ科)アザミに寄生とある。有り難うございます。

名前を教えて下さい 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/15(Fri) 20:35:47 No.4777  引用 
 東北地方、南部、海岸に近い林の下草の葉上で見る小さい
(大きさ、8mm位)ハエの1種かな。名前を教えて下さい。


Re: 名前を教えて下さい 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/08/17(Sun) 12:46:57 No.4788 ホームページ  引用 
ティプラ様.

図鑑やネットでよく見かけるミスジミバエと思われます.

Re: 名前を教えて下さい 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/17(Sun) 13:23:25 No.4791  引用 
 茨城@市毛さん、初めまして、今日は。同定有り難うございます。さっそく調べました。ミスジミバエZeugodacus scutellatus (ミバエ科)幼虫はカラスウリの雄花の中で育つ。
普通種。初対面のミバエなので、うれしいです。

教えて下さい 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/15(Fri) 20:12:43 No.4775  引用 
 山地の薄暗い湿地(標高400m)、大きい(体長3.5cm)、美しいカガンボの1種を見る。図鑑を見ると、マダラカガンボに
見えるが自信がない。名前を教えて下さい。


Re: 教えて下さい 投稿者: 投稿日:2008/08/17(Sun) 01:07:44 No.4781 ホームページ  引用 
体は大きいですが、これはヒメガガンボ科のキバラガガンボEutonia satsuma (Westwood, 1876)の雌。

湿地環境に普通です。

Re: 教えて下さい 投稿者:ティプラ 投稿日:2008/08/17(Sun) 12:54:52 No.4790  引用 
達磨さん、同定有り難うございます。
美しいヒメカガンボ、キバラカガンボがすっかり好きになりました。

ケヅメカの一種? 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/01(Fri) 01:09:28 No.4730 ホームページ  引用 
皆様、ご無沙汰してます。

私のお散歩コースの谷筋に、2005年に倒れたコナラの風倒木があるのですが、いい感じで腐ってキノコが生えてきたりしています。

で、これにヒロズコガや、コヤガの類の幼虫がついていたので、樹皮をいくつかめくって持ち帰りました。

すると、この樹皮からあまり見たことのない双翅が出てきたので、ご質問に伺いました。

北隆館の改訂大図鑑の検索では、ケヅメカ科に行き着きました。
私の同定は、はたして合っているのでしょうか?
この画像で判るようでしたら、ご教授をお願いいたします。

2008年7月27日 キノコ付き樹皮採集
兵庫県神戸市須磨区(標高約100m)
同年7月29日 羽化

まずは横から


Re: ケヅメカの一種? 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/01(Fri) 01:11:31 No.4731 ホームページ  引用 
背面図
単眼はあります。


Re: ケヅメカの一種? 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/01(Fri) 01:12:49 No.4732 ホームページ  引用 
翅脈のスケッチ
M脈基幹は無いようです。


Re: ケヅメカの一種? 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/01(Fri) 01:14:29 No.4733 ホームページ  引用 
おまけ。

樹皮に開いた穴に入っていた蛹の殻です。
耳付き〜〜^^;
(呼吸角でしたっけ?)
おそらくこの種の蛹だと思います。

連貼り失礼しました。
よろしくお願いします。


Re: ケヅメカの一種? 投稿者:三枝豊平 投稿日:2008/08/01(Fri) 10:06:59 No.4739  引用 
Aclerisさん.三枝豊平です.

大変面白い画像を拝見しました.写真では断定的な判断はできませんが,胸部背面の斑紋と翅脈の図から判断しますと,もし小腮鬚が1節でしたらAsioditomyia japonicaの可能性があります.

いずれにしましても,本属の幼生期は未知ですし,蛹殻は本科の系統を論じるうえで重要な形質です.また,同定は交尾器を検する必要があります.

本亜科の系統を研究中です.もし,宜しければ蛹殻共に借用させていただければ幸いです.

810-0035 福岡市中央区梅光園2-7-1-402 三枝豊平

Re: ケヅメカの一種? 投稿者: 投稿日:2008/08/01(Fri) 19:12:56 No.4741 ホームページ  引用 
三枝先生、コンニチワ。
ケヅメカであっていましたか。ホッ。
属の検討までしていただいてありがとうございます。

>本亜科の系統を研究中です.もし,宜しければ蛹殻共に借用させていただければ幸いです.

私は、特に標本を持っておく必要を感じないので、喜んでさしあげたいと存じます。
来週早々にでも送付したいと思います。
日曜日が休みなら、また行ってきます。
追加個体が採れればよいのですが、、、、、

写真の虫は、乾燥して台紙貼りにしたのですが、
双翅目の場合、グループによって望ましい標本形態があると思うのですが、どうなんでしょう?
液浸の方がよかったのでしょうか?
微針に刺すだけでよいとか?

1週間経ってますので、採れるかどうかは判りませんが、リクエストがあったらおっしゃって下さい。
メールアドレスを記入しておきました。

Re: ケヅメカの一種? 投稿者:三枝豊平 投稿日:2008/08/02(Sat) 17:22:34 No.4745  引用 
Acrelisさん.標本をお送りくださるとのこと有難うございます.

ケヅメカ科のなかで,Symmerusはかなり硬い朽木の表層近くに通常は材の長軸にほぼ平行の坑道を掘って生活し,羽化の時には朽木の表面を坑道直径に沿って円形に切り取り線をいれて,ここを押し開けて蛹が前半身を乗り出して羽化します.Ditomyiaはキノコ類から,Asioditomyia japonicaはLenzitesのキノコからえられています.しかしこの属の幼生期の形態の記録は見当たりません.もし,今回の種が本種ですと,同一場所ではさらにキノコ類から得られる可能性があります.私は本種をすべてスイーピングで採集していますので,その生態についてはこれまで観察したことがありませんでした.

本科の蛹は顕著な呼吸突起を持っていて,その形状がかなり多様です.写真で見ますと,このような丸みを帯びた呼吸管はSummerusには見当たりません.

Symmerusはキノコバエ類としては珍しく昼行性で,雄は発生木の朽木の周囲を,これにかなり接近して飛翔しながら雌の羽化を待ちます.飛んでいる状況はキノコバエ類としてはかなり飛翔速度が速く,小形のヒメバチかベッコウバチが低く飛翔しているような印象を受けます.DitomyiaやAsioditomyiaの行動は観察したことがありません.

Dipteraの標本のことですが,私の標本はほとんどすべて乾燥標本の貼り付けです.三角台紙への貼り付けもありますが,おおくは志賀昆虫普及社の微針を短く切断して,その頭に木工ボンドで胸部右側面を貼り付けて,それを4号針に挿した賽の目のペフ板片に挿すダブルマウントを行なっています.
かなり大型の場合は直接胸部背面のやや右側を貫通するように細い針または微針で挿した,針挿し標本にしています.

液浸標本がいいのかどうか,と言う議論は世界の双翅学者の間で一時論議されました.液浸のデメリットは保存液によって特にエタノールの場合は数年以上経つと明らかに脱色が起こって,色彩斑紋の識別が困難になる点です.おそらく何らかの前処理をして60-80%のグリセリンに保存すれば褪色はかなり避けられると思いますが,今度は材料が硬化すると言う批判があります.それと,液浸標本の場合はデータの異なる標本を同一瓶に保存できないこと,同一データでも種ごとに瓶を替える必用があること,瓶の整理や保存場所をとることなどの難点があります.栓が不完全であると,液漏れが生じ,最終的には乾燥ないしカビが生えます.液浸でいいことと言えば,良く保存されている場合に形の崩れがないこと,交尾器や口器の概形がそのままで観察できることなどではないかと思います.徳永雅明先生のユスリカの液浸標本はほとんど脱色されているとか言われています.一方,北上四郎先生のアミカの液浸標本のかなりの数の瓶で液の乾燥が起こって,これからこれらの標本をどのように扱うかが大きな課題です.

キノコバエの場合は,多くの種が同時に多数個体が採集されますので,乾燥標本と液浸標本を両方作っておくと,概形や斑紋で両標本の同一性を判断し,液浸標本で交尾器などをKOH処理をしなくても概形を観察する,ということが可能かと思います.

なお,三角台紙などにマウントする場合には,右側面に糊付けすることによって,頭部が左,腹端が右,背面が向こう側,腹面が手前となり,多くの作図では頭部や交尾器などが左側面を描いていますので,それとの比較が容易になります.コウチュウやハチのように左側面に糊付けして,針の左側に標本が来るように台紙を挿し,頭部が向こう側,腹端が手前側,背面が左(外)側にくるようにすると,右手で針を持つと扱いやすい面があるので,一部の人はこのようなマウントをされています.

Re: ケヅメカの一種? 投稿者:三枝豊平 投稿日:2008/08/16(Sat) 16:54:47 No.4779  引用 
Aclerisさんから標本を送っていただいて,雄交尾器などを検討した結果,Ditomyiaの1種であることがわかりました.本属は日本からは既知種は1種D. claripennis Saigusaだけで,このほかに2種が生息していることを知っています.今回の種はこれら2種とは異なり,ロシア極東の沿海州から記載されたDitomyia carinata Zeitzevとほぼ雄交尾器の形状が一致するので,この種またはこれに極めて近似した種ということになりました.神戸市の低地のようなところでこのような種が得られたことは驚きです.

本科はなかなか成虫が採集しにくいもので,今回のようにキノコから飼育して羽化させることで,今後も新しい種が得られる可能性が高いと思います.

今回の標本の雄交尾器を掲載しておきます.


Re: ケヅメカの一種? 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/16(Sat) 22:48:24 No.4780 ホームページ  引用 
三枝先生、お忙しいところ、詳細な検討ありがとうございます。
また、標本状態についてのご教授ありがとうございます。
やはり、保存性の点で乾燥標本がベストと言うことですね。

しかし、神戸のような都会で、まだ未記録種が採れるというのは、双翅目はふところが深いです。
材から出るような双翅目は、甲虫屋さんなどが材採集で目にする機会も多いと思うのですが、何かネットを通じて連携が取れるようなことが出来るとイイですね。

別スレッドのKeroplatusも含めて全く急ぎませんので、お時間の取れるときによろしくお願いします。

同定の依頼には基礎データを! 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/16(Sat) 00:57:30 No.4778  引用 
以前もどなたかの指摘があったところですが,同定などの依頼を含む場合は,特に秘匿にする必要がない限り詳細な観察(採集,撮影)場所とその年月日(と必要なら時間)を示してもらいたいと思います.これらのデータによって,同定がより正確になると共に,その種の分布記録としての価値がはじめて生まれることになります.昆虫の標本でも,データラベル(採集地,採集年月日,採集者)は一つ一つの標本に必須のものでして,この原則は観察記録や撮影記録などの他の記録にも必要なことです.

Ochtherohilara sp. 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/07(Thu) 22:56:04 No.4767  引用 
こんちは。

 埼玉の山地で採ったOchtherohilaraと思われる種です。

 似た別種も採れましたが、コシアキタイプでしたので、ある程度 種が絞られるかも知れない、と思い アップしてみました。

 多少は前に進めますでしょうか?


Re: Ochtherohilara sp. 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/14(Thu) 18:58:51 No.4770  引用 
バグリッチさん.
Ochtherohilaraは日本列島に約40種ほど生息しています.本亜属については私の3884にやや詳細に述べてあります.Ochtherohilaraで検索してみてください.私の怠慢もあって,これらのほとんどは未記載種で,H. (O.) mantisとH. (O.) mantispaのみが既知種となっています.写真の種はコシアキ型の2種のうちの小形種で,山梨県の山地(1500m前後)で7月中旬から8月にかけて採集されています.メスの腹部はほぼ全面的に銀白色を呈します.本種とはコシアキ型という点で類似しているだけで,系統的には離れていると思われる大型種は,6月上旬頃に本州から九州にかけて分布し,これはmantisの雄をnuptial giftにするものです.これらの他に,腹部が広範囲に淡色で,翅も白色味を帯びたものが数種あります.

Re: Ochtherohilara sp. 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/14(Thu) 21:05:15 No.4774  引用 
アノニモミイア様
 ご教示ありがとうございます。

 3884の詳細コメント、他一連のコメントを確認いたしました。
 また、小型の方のOchtherohilaraとのご教示 了解いたしました。
 日本列島Ochtherohilaraが約40種であれば、簡単にはわからないと感じます。
 採集しながら 勉強していきたいと思います。
 
 引き続き宜しくお願い致します。
 

この虎模様のガガンボ同定お願い... 投稿者:山本 投稿日:2008/07/06(Sun) 20:48:12 No.4678  引用 
はじめまして、山本といいます。
昨日(7月5日)に京都で撮影したガガンボの写真ですが、種名が分かりません。だれかガガンボに詳しい方教えてください。


Re: この虎模様のガガンボ同定お... 投稿者: 投稿日:2008/07/06(Sun) 23:41:59 No.4679 ホームページ  引用 
Pselliophora bifascipennis ホリカワクシヒゲガガンボ♀です。体色に変異があり、この個体よりかなり黒いものもいます。

Re: この虎模様のガガンボ同定お... 投稿者:山本 投稿日:2008/07/07(Mon) 09:15:06 No.4680  引用 
達磨さん、同定ありがとうございました。

次はこの蚊の種名を教えてくださ... 投稿者:山本 投稿日:2008/07/09(Wed) 03:05:32 No.4689  引用 
先ほど僕の腕に止まってきた蚊ですが、いつも
の蚊とは違ったので調べてみたのですが、よく
分かりません。


立て続けですが・・・ 投稿者:山本 投稿日:2008/07/09(Wed) 03:26:53 No.4690  引用 
立て続けにすみません。
ついでにこの虫の同定もお願いします。


Re: 立て続けですが・・・ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/07/09(Wed) 08:15:23 No.4691  引用 
1.双翅目(ハエ目)の同定は,外観の画像でおおよその見当が付く蝶や蛾,あるいは甲虫類などとは違って,翅にある翅脈の細かな走り具合(翅脈相)や,体に生じている毛(刺毛,剛毛),触角の細かな特徴などを顕微鏡で観察して,その形態学的形質を把握しないと,正確を期すことはできません.

2.双翅目の同定ができる一般的な図鑑類はほとんど皆無です.そのために双翅目のそれぞれの科などの専門家が,その学識に基づいてボランティア的に同定に協力することになりますが,日本では専門家の数が著しく少なく,かつこのサイトでの同定に協力している専門家はごく少数で,限定された科に留まっています.たとえば3番目のユスリカ科の場合では2,3名しかこの科全般の専門家はいなくて,いずれもこのサイトには登場されていません.

3.このような状況ですので,ハナアブ科のように非職業的研究者の協力が得られやすい少数の科を除いて,かなり同定を依頼する目的がはっきりしていないと,回答があまり期待できないと思います.デジカメの発達によって片っ端から写真を撮って,ご自分で図鑑類などでの予備的な調査を行わずに,尋ねられても,蝶や蛾のように簡単に回答が得られる可能性は少ないと思います.

4.それと,1で述べたように,双翅目の同定には細かな形態の顕微鏡での観察などを必用とするので,同定を強く期待するのであれば,必ず撮影した虫体そのものを標本として採集,保存しておくことが必須です.採集道具がない場合は手で軽くつぶして紙包みにしておいたものでも,参考になる場合があります.

5.以上の点を考慮して,ご自身でせめて科までは同定して,その上でさらに詳細な同定を依頼する,というのがご自身にとっても勉強になるし,また双翅類に対する興味が一層増すのではないかと思います.科までの検索表は日本でもいくつか出ています.最近のものでは北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻に日本産の双翅目の科の検索表があります.これは20倍くらいのルーペや双眼実体顕微鏡(たとえばニコンのファーブルシリーズなど3−5万円台の簡易のものもあります)を用いれば検索可能です.

6.それと双翅目の多くの科では,2で述べたように研究者が少なく分類学の研究が大変遅れていて,日本に生息する種の半分以上がまだ学界に未発表の未記載種(発表されたばあいに新種となる)や未記録種があります.このような種が,双翅目では特に珍しいものではなくて,人家の庭に普通に生息している種の場合さえも稀ではありません.ですから,ハネカクシ科などを除く甲虫類の多くや,小蛾類の一部の科を除く鱗翅目のように,普通に接する昆虫がほとんど名称を持っている,というようなことは双翅目では一般的ではありません.日本におそらく数百種は生息すると推定されるアシナガバエ科の場合でも,庭先や近隣の低山の路傍の湿地などにいるものの,ほとんどは名称がないか日本未記録の種です.このような点も他の昆虫の同定とは違った困難さがあります.

7・最近のtumumasiさんの4647の同定依頼に対する6月27日の市毛さんの4649の投稿も参照下さい.

Re: 立て続けですが・・・ 投稿者: 投稿日:2008/07/09(Wed) 11:34:09 No.4692 ホームページ  引用 
アノニモミイアさんの仰る通り、写真で種が特定できるのはたまたまよく調べられている種か、よほど特徴的な種だけです。承知しておいてください。

上の蚊は胸部の模様からすると、シロカタヤブカAedes nipponicus だと思いますが、写真情報のみによる同定は参考程度とお考えください。

Re: 立て続けですが・・・ 投稿者:エリユスリカ 投稿日:2008/07/22(Tue) 21:25:22 No.4709  引用 
ユスリカ科、モンユスリカ亜科、ダンダラヒメユスリカ属、ダンダラヒメユスリカAblabesmyia moniliformis Fittkau, 1962の雌です。

Re: 立て続けですが・・・ 投稿者:エリユスリカ 投稿日:2008/08/08(Fri) 16:33:44 No.4768  引用 
ユスリカ科は現在まで、訳1100種程が報告されています。この種数はおそらく600から700種程度に整理されるでしょう。しかし、日本列島の豊富な環境から考えて、また私自身の採集等から考えて最終的には2000種を超えると考えています。また、屋久島の北琉球から八重山に至る南琉球までにおそらく1000種を超すユスリカが分布していると思います。我々の身近にも相当な週が見いだせますが、ある程度は写真だけでも見当のつく種もいます。

Re: 立て続けですが・・・ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/14(Thu) 19:08:51 No.4772  引用 
エリユスリカさん.ユスリカについて,翅に斑紋があったり,顕著な体の色彩・斑紋の種などについて,画像から種とまではいかなくても,属や属群などについて同定して回答していただけると,これからこの場に投書する人が多いかと思います.宜しくお願いします.

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