やまちゃん様.
写真のハエは,ハモグリバエではなく,キモグリバエ科Chloropidaeの仲間です. 恐らく,Dicraeus phyllostachyusオオササノミモグリバエではないかと思われます.
これは早速にどうもありがとうございました。検索表を見ながら考えたつもりですが、なかなか難しいですね・・・。もっと修業が必要ですが、またご教示をよろしくお願いいたします。
キモグリバエ科はどちらかと言えば無弁翅類のなかでも一番識別しやすい科です。
1)Sc脈の発達が悪い。 2)R1脈が前縁に達する少し手前に顕著な前縁の切れ目がある。 3)後(第二)基室と中央室の境の脈が消えて,両室が合一する。 4)上記合一した室の後縁になる脈がやや手前でわずかではあるが特徴的に弱いカーブを示す。 5)頭頂に通常は無毛で光沢のある大型の単眼三角部がある。 6)翅にcua室(伝統的な臀室)を欠く。 とくに,4と5は重要な特徴です。
アノニモミイア様:
これはご丁寧な解説を、どうもありがとうございました。よく覚えておきまして、これから活用したいと存じます。いつもご親切なご教示を賜りまして、お礼申し上げます。 |
お世話になります。
沖縄県国頭村西銘岳(2014.12)で夜間灯火で採集しました。体長は6mmです。 三枝氏のオドリバエ図解検索表で検索した結果、Phyllodromia 属にたどりつきました。 検索の経過は以下の通りです。 1.前脚は捕獲脚に変形している→54.翅にR4脈を欠く→57.翅は中室を欠く→58.翅のM2脈はその基部が存在し、M1脈と分岐する。 顔が細長く、複眼も細長いです。また、腹端の形状から雌だと思われます。 同定・ご教示、よろしくお願いします。
残念ながら,これはオドリバエ科ではありません。触角を見れば分かるように長角亜目のケバエ科の雌です。Bibio属ですが,この時期に沖縄で発生するのはBibio ryukyuensis Hardy et Takahashi, 1960でしょう。色彩の記載は画像に良く合います。本種は1月から3月まで採集されていますが,原記載に用いた標本はRyukyu Is.だけで,正確な産地は分かっていません。原記載の後脚の図では後脛節が今回の画像よりやや先に向かって肥大し,付節もかなり太目です。しかし,原記載の後脚の図の性が示されていないので,あるいは図は雄で,雌は今回の画像のように細いのかもしれません。
オドリバエ科の触角は第1,2節が短く,第3節は長さが多様で,その先には糸状ないし筆状の触角刺毛が付いています。ケバエでは第1,2節の先には少なくとも数節以上に分節した鞭節が付いているので,長角亜目のものと分かります。 新訂原色昆虫大図鑑第3巻の双翅目の概説にこの目の成虫の形態の概要と,科の検索表があるので参照されたらいかがですか。
アノニモミイア 様
早速、触角を実体顕微鏡で観察しました。この個体の触角は、ご教示のように鞭節がついています。オドリバエ科とケバエ科の触角の説明は大変勉強になりました。 ご教示ありがとうございます。
昆虫の触角について,私が2種類の名称体系を混用したので誤解があるようです。
一つは,根元から第1(触角)節(1st antennal segment,1st segment,以下同様),第2(触角)節,第3(触角)節と順次番号を付ける名称。 もう一つは,根元から,柄節(scape:第1触角節に相当),梗節(pedicel:第2触角節に相当),鞭節(flagellum:第3触角節から先端まで)の形態学用語があります。なお,鞭節はそれ自体が一つの節と考えられ,それがほとんどの昆虫のように多数の小節に分節しています。鞭節が分節した一つ一つが鞭小節(flagellomere)です。 ですから,第3(触角)節は通常は第1鞭小節(1st flagellomere)に相当しますが,触角の形態進化上では基部にある複数の鞭小節が融合して単一の節に見える場合もあります。 オドリバエでは,第1(触角)節(柄節),第2(触角)節(梗節)の先に第3(触角)節(第1鞭小節)があり,その先に触角刺毛(antennal aristaまたは単にarista)または触角筆節(antennal style)と呼ばれる2小節から構成された構造があります。オドリバエの触角刺毛または触角筆節の基部の節を第2鞭小節,先の部分を第3鞭小節とみることができます。環縫類(ハナアブやさらに高等ないわゆるハエ類)では触角刺毛(これらの群では触角筆節の形状を取ることは稀)は3節から構成されています。 ケバエなどの長角亜目では,柄節,梗節のさきに多数の鞭小節に分節した鞭節が続きます。ガガンボやキノコバエなどのように鞭小節が細長くてそれぞれの境界が分かりやすいものと,今回のケバエやブユ,ニセケバエ,などのように鞭小節が大変短くて鞭節が全体として圧縮されたように見える群もあります。 一方,短角亜目の中でも,オドリバエや環縫類に含まれる多くの高等ハエ類のように鞭節が大型の第1鞭小節(第3触角節,第3節)とその先の触角刺毛に変形している場合はわかりやすいのですが,多くのアブ類のように数個の鞭小節が圧縮(さらに部分的融合)された触角筆節を形成しているものや,キアブ,クシツノアブのように,外観は長角亜目の触角とほとんど違わないように,多数の同形の鞭小節から構成されているものもあります。 ですから,オドリバエ科でもケバエ科でも梗節(第2触角節,または第2節)の先に鞭節が付いていることは同じですが,鞭節の構造が異なるということです。あなたが「鞭節がついています」と書き込まれたので,誤解がないように詳しく説明しました。更に詳しくは新訂原色昆虫大図鑑第3巻等の双翅目の概説を参照ください。
アノニモミイア 様
触角についての詳細な解説、ありがとうございます。大変勉強になりました。これからは、触角の観察を怠らないようにします。そのためにも、新訂原色昆虫図鑑第3巻を何とか入手したいと思います。 ご教示ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 |
KTさん。ガガンボを始め双翅目長角亜目の昆虫は,全形のはっきりした画像があると大よその科の同定はできます。しかし,属またはそれより下の種などの同定を行うためには多くの場合に翅脈相が決め手になります。
ですから,生態画像では概して属などの同定は難しいものです。また,今回のように標本になっているのなら,先端をとがらせてピンセット2本を用いて,翅を基部から切断して,できれば2枚のスライドグラス(なければ透明なプラ板)で挟んで,バックを白にして撮影した画像を投稿されることをお勧めします。 今回の画像は,あるいはガガンボ類の専門家ではある程度同定ができるのかもしれませんが,左右の翅が重なっていて,翅脈もまた特徴的な斑紋も不明瞭になってしまっています。
アノニモミイア様
ありがとうございます。挑戦して撮影してみます。 その際は、色々とご教示くださいませ。
先端をとがらせたピンセットと書き込みました。私は志賀昆虫普及社のカタログでNo.208の製作用ステンレス製3C最高級先尖り 11cm(¥1,987)というのを使っています。釣り道具屋で釣り針を尖らすためのやすりを売っていますし,DIYの店でもやや高価ですがダイヤモンド粉末などを付けた小型の砥石を売っています。これらの砥石ややすりを使って先端を尖らせます。最後の仕上げはサンドペーパーの目の細かいのを使います。尖らせた先端は堅いものに当たるとすぐ折れ曲がるので,大切にあつかい,使わないときにはペフ板の小片を挿しておきます。
翅の写真は脈相も斑紋もほぼ分かると思います。ガガンボの専門家の達磨さんに返信をお願いしていますので,その内にレスがあるかと思います。
ヒメガガンボ科Limoniidaeトゲアシヒメガガンボ亜科LimnophilinaeのDicranophragma属の一種です。翅の斑紋で、種の判別ができそうなものですが、お恥ずかしいことに、当方怠けていてこの仲間の標本を整理していないので、種の特定はできません。
アノニモミイア様、お手数をおかけしありがとうございました。
達磨様、お忙しい中、ありがとうございます。属まで判明し嬉しく思います。 今後ともご指導よろしくお願いいたします。 |
こんばんは。またお世話になります。
この夏、里山の雑木林でミズナラの樹液酒場に来ていたハエです。 8月上旬・山形県 左右の翅を同時に根元からぐるぐる回し続けているのが面白く思いました。 腹端に黒く長いヘラのような産卵管を持つ♀と、そのような構造を持たない個体が居たのですけど、交尾行動などは見られませんでした。 動画と追加の写真がありますので、宜しければブログの方をご覧ください。
無責任なコメント。
ハネフリバエ科UlidiidaeのOtitinae亜科の1種ではないでしょうか(Otitidaeは現在Ulidiidaeの亜科として扱われています)。 Die Fliegenの翅の図版だけで絵合わせをすれば,Myennis millepunctata Hennig, 1939 にほとんど完全に一致しています。 本種は1927年6月15日にStackelbergによってUssuriのSutschanのSt. Sizaで採集された1雌によって新種として記載されたものです(Die Fliegen, Otitidae, p. 73, Taf. V, Fig. 60)。お尋ねのハエがこの種に一致するかどうかは,写真では原記載と照合できない形質が多々ありますので,わかりません。 本種はThe key to the insects of Russian Far East, Vol.6, part 2, p. 160では,Pseudotephritis属に移され,分布はアムール地方が含まれています。また,ussurica N. Krivosheina et M. Krivosheinaがこの種のシノニムとされています。この種,ussuricaはEnt. Oboz.1997の671-678のRevision of the Palaearctic species of the genus Pseudotephritis(原題はロシア語)で記載されたものでしょう。属が移されたので,学名はPseudotephritis millepunctata (Hennig, 1939)になるでしょう。 日本昆虫目録第8巻双翅目では本亜科には,Ceroxys sp.,Melieria crassipennis(Fabricius)の2種が掲載されています。後者の斑紋はDie Fliegenで見る限りあなたのハエとは翅の斑紋が一致していません。他にもHerina属の種が日本にいますが,これとは異なります。
しぐま様,アノニモミイア様.
Pseudotephritis millepunctataについては, "Han, Ho-Yeon. 2013. A Checklist of the Families Lonchaeidae, Pallopteridae, Platystomatidae, and Ulidiidae (Insecta: Diptera: Tephritoidea) in Korea with Notes on 12 Species New to Korea. Anim. Syst. Evol. Divers. 29(1):56-69" に生態写真が載っています. 同氏の説明では,"This species is clearly distinguishable from any other species of Ulidiidae by the numerous dark dots on its body."と記されており,しぐまさんの写真にも同様な暗色斑が多数あります. "A Checklist of the Families Lonchaeidae, Pallopteridae"で検索すると,ネットでPDFが見られます.
おはようございます。
アノニモミイアさん、茨城@市毛さん、詳細な回答ありがとうございました。 Pseudotephritis millepunctataと正体が判明して嬉しいです。 ハネフリバエ科というのは本当に初耳で、まさに名は体(行動)を表すのですね。 この翅の動きにはどんな意味があるのか、とても興味があります。 ご紹介のあった文献に目を通してから返信しようと思っていたら、急にバタバタと雑用が忙しくなりました。 取り急ぎお礼申し上げます。
灯台下暗し,で私の標本のチェックをしていましたら本種,Pseudotephritis millepunctataの雌の標本がありました.2011年6月9日に熊本県水上村市房山キャンプ場のハルニレの樹液に飛来していたのを採集した個体です.画像を貼っておきます.
あけましておめでとうございます。
貴重な標本写真を披露して下さってありがとうございます。 実は同じ樹液酒場で後日(8月中旬)、同種♂も採集しました。 アノニモミイアさんの美しい標本写真の後ではお恥ずかしいゴミみたいな死骸の写真なので、ここに貼るのは自重しておきます。(私の拙ブログ記事には追加で載せてあります) 今年も私は動画の方で頑張ります。 年賀状代わりとして、個人的に思い入れがある2014年ベストショット(双翅目部門)はこれです。 https://www.youtube.com/watch?v=gIU0SbU67I8 「寄主モンスズメバチの巣の近くに産卵?するムツボシベッコウハナアブ♀」 以前こちらで推薦してもらった『ハエ学』を読んだらとても面白く勉強になりました。 ぜひ続編として『アブ学』を企画出版して頂けるよう、関係者各位に熱望します。
どこかで見覚えのある気がしておりましたが、私も2頭標本を持っていました。鈴鹿山系にいました。1頭は2014.6.22三重県四日市市宮妻峡で灯火採集で得ました(写真の個体です)。もう1頭はいただきものですが、菰野町湯森谷林道で2012.8.31バナナトラップで得たものです。
皆さんのおかげで三重県産双翅目が1種増えました。
田中川さんお久しぶりです。Pseudotephritis millepunctataを三重県で採集しているとのご投稿,興味深いものです。山形と熊本,それに末吉昌宏博士の示唆によると草間・玉木(2004)が新潟県から記録したCeroxys sp.も本種であるとのことです。これら地域の間の三重県で発見されたのは納得のいく記録です。
面白いのは山形と熊本では樹液で採集されていますが,田中川さんのは灯火への飛来とバナナトラップとのことです。新しい生態情報になります。 樹液やバナナトラップに飛来する双翅類はもっぱらショウジョウバエ科が注目されますし,トラップは主にこの科の調査などに用いられているので,他の双翅類の記録が少ないのかもしれません。これからはもっと樹液に注目したいと思います。 なお,バナナトラップの個体の性はわかりますか?
三枝様、あらたに本種の新潟県からの記録情報を教えていただきありがとうございます。分布域が立体化してきましたね。
バナナトラップで得た個体は♀です。
田中川さん。バナナトラップの個体も♀でしたか。草間・玉木の個体も♀です。この個体は写真がでていて,同定も性も間違いありません。
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オドリバエについては,大概は三枝先生のオドリバエ科の絵解き検索で属まで判るようになっています.
http://diptera.jp/fly/dl/etoki-empididae.pdf また,属より細かな同定については,雄腹部末端にある交尾器が見える写真が必要となります. 過去ログを参考にして撮影してみてください. P.S. 双翅目の科までの検索は,新訂大図鑑等色々な文献があります. ネットでは,田中和夫(2000)屋内害虫の同定法 双翅目の科の検索表 が無料公開されています. http://ci.nii.ac.jp/naid/110007724383
市毛様
いつも貴重なご教示ありがとうございます。 ご教示いただいた、三枝氏と田中氏の検索表をダウンロードし、 検索にチャレンジしてみます。
検索結果を楽しみにしています.
市毛 様、 三枝 様
ご教示いただいた資料を基に検索しました。採集標本は三角紙で保管していましたが、写真撮影時よりもかなりいたんでいます。 まず、田中氏の検索表で検索した結果、オドリバエ科と推測されました。検索表(4)の図31bの翅脈の形状とよく似ています。画像の翅脈の名称は、それを参考に記入しました。 次に、三枝様の図解検索表で検索しました。その結果、Rhamphomyia属にいきつきました。以下に検索で少し悩んだ箇所を書きます。 検索NO.3は3本に少し悩みました。NO.26の口吻の長さは少し悩みましたが長いにしました。NO.28は観察に少し時間が掛かりましたが、検索図を参考に判断しました。NO.29の亜前縁脈(Sc)は見づらかったので数回観察しました。また、平均棍は脱落していたので、平均棍基部らしき場所の前方を観察しました。やや長い毛が9本ほど生えています。以上です。 ご教示よろしくお願いします。
HYさん:
投稿された画像のハエは,あなたが同定されたようにオドリバエ科のRhamphomyia属の種です。正解でした。この属には多数の亜属があって,お使いになった私の検索表にはそれら亜属は示してありません。Die Fliegenなどに示されているFreyの亜属の分類はヨーロッパの種を対象にしているので,アジアや北米の種に適用するのはかなり難しいところがあります。 画像の種はRhamphomyiaのPararhamphomyia亜属の中で暖温帯性のciliatopoda群に属する種です。この群は日本では主に秋に成虫が発生します。本州から沖縄,台湾,中国大陸全般,インドシナ半島北部に広く分布しています。 沖縄からRhamphomyia (Pararhamphomyia) yasumatsui Saigusa, 1963が知られていて,この種は1960年11月13日に沖縄本島の与那で採集された標本に基づいて記載したものです。Sieboldia,3(1): 147-148, fig. 9 が原記載(原公表)です。同時に奄美大島から記載されたR. (P.) ciliatopoda Saigusa, 1963があります。 あなたが画像の個体を採集した国頭村(比地など)では、yasumatsuiに加えてこの群の種が他に2種生息していて,いずれも晩秋に活動します。林間の空間で非常に大きな群飛集団を形成します。国頭村の3種の雄はかなり類似していて,雄交尾器の形態で識別できます。投稿された画像では交尾器の形状があまりはっきりしないので,これら3種のどれかは即断できません。琉球列島のciliatopoda群の♂交尾器の鉛筆画のラフスケッチを載せておきますので,それと比較してみてください(画像の作成がうまくいかないので,後ほど試みます)。 R. ciliatopoda群は,多くは脚が黄褐色で,中脛節の中ほどの前腹面に1本の長い剛毛を生じることが特徴です。
三枝 様
貴重なご教示、ありがとうございます。 早速、中脚節を観察しました。中脚節のやや長い剛毛の2倍の長さの長い剛毛が1本見られました。 色は白っぽい感じがします。また、この個体は国頭村(伊湯岳入口)で採集しました。 この採集個体はRhamphomyia sp. として記録しておきたいのですがよろしいでしょうか。
沖縄本島北部のciliatopoda群は3種で,それらの雄交尾器の概略の図は添付の上段の3種です。右がyasumatsuiでして,残りの2種は未記載です。中央の種が最も普通です。
これらの図と標本を比較してみて,左と中央の二つのいずれかに相当したら,Rhamphomyia (Pararhamphomyia) sp.(ciliatopoda group) として同定されたらいいと思います。 右の図に一致したら,それはRhamphomyia (Pararhamphomyia) yasumatsuiに相当します。 以上の同定で記録されたらいかがでしょうか。
三枝 様
貴重なご教示ありがとうございます。 採集した個体は、写真撮影後、腹部がとれてなくなっています。とても残念です。 それで、実体顕微鏡にデジタルカメラをくっつけて撮影した写真がありましたので、それを拡大して検索しました。 画像も粗く、毛なども判別できないのですが、全体の形態から三枝様のスケッチの上段右端に似ているように見えます。 粗い画像判定ですが、Rhamphomyia (Pararhamphomyia) yasumatsui と記録してよろしいでしょうか。
私も初めはyasumatuiと同定したのですが,画像がやや不鮮明なので疑問符付きの回答になりました。しかし,3種の内では交尾器のかたちからyasumatsuiである可能性が最も高いと思います。本種の雄交尾器では尾角突起が小型で深く抉られず,背板葉が小型で先端が細長く伸びず,挿入器の基半部がソーセージ状に太くなるのが特徴です。今回の写真にはこれらの特徴,特に挿入器の特徴がよく出ています。
腹部が無くなったとのこと。沖縄にお住まいなら,この仲間は秋にはいくらでも採集できます。比地渓谷のゲートから入ってトイレなどがある場所の林縁(大きなギョボクの周囲)や与那の琉大の亜熱帯センターの横から与那川沿いに山に入っていく果樹園の周囲の場所などには,11月から12月にかけて大きな群飛が5-8m上空にいくつも観察できます。配偶行動や求愛餌の種類などを観察するのも面白いと思います。 沖縄本島南部にも当然生息しているはずで,そこにどのような種が分布しているか興味あるところです。
三枝 様
貴重なご教示ありがとうございます。 また、交尾器の図までご提示いただき、感激しています。 この採集個体は、Rhamphomyia (Pararhamphomyia) sp. (R (P).yasumatsui の可能性がある)としておきます。次回(秋になるかもしれませんが)は、是非、交尾器の観察ができればと思います。 それから、昨年の12月に西銘岳で夜間灯火採集をしました。その時、今回の種とは異なるオドリバエを2種ほど採集しました。写真撮影をして、また、投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。 本当に、ありがとうございました。 |
これはツヤホソバエ科のSepsis属の1種でしょう.日本産の種の検索表はJapanese Journal of Entomology, 63(4):781-797のIwasa, 1995. Revisional notes on the Japanese Sepsidae.を参照すれば,30倍程度の双眼実体顕微鏡があれば同定できると思います.
上記文献はネットでCiNiiを検索して,CiNii Articlesを開いて,論文検索で,上記の論文名を入力してクリックし,その後で,CiNii PDF オープンアクセスをクリックすれば,少し時間を置いてこの論文のpdfがみれます.論文末に他の岩佐さんの参考文献が出ているので,関連のを同様の方法で探すことができます. なお,Sepsidaeはその概観からして一般の図鑑類でも見当がつくハエですから,一先ず自助努力と言いましょうか,ご自分で図鑑類などを当たって,その結果に基づいて更なる見解を掲示板に求めるようにしたらいかがですか。そうされた方が,ご自分の勉強になると思います。
アノニモミイア様:
早速に、3件ともに大変詳しいご指導を頂きまして、どうもありがとうございました。先生方の奥深い同定力とご親切さに、頭が上がりません・・・。自助努力につきましては、確かに仰せのとおりでして、私もそのように感じて参りましたが、なにしろ系統が違っても素人目には一見よく似たものが多く、全容を把握していないととんでもない間違いをしてしまいそうで、ついつい皆様におんぶしっ放しでした。しかし、確かにいつまでもこれではいけませんので、今後はもう少し努力をしたく存じます・・・。どうぞよろしくお願いいたします。 |
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