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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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カラカネナガハナアブGet! 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/07/02(Mon) 00:03:01 No.7780  引用 
6/23と6/30に日光でカラカネナガハナアブPseudopocota stakerbelgi (Violovitsh, 1957)♀をズミの花で採集しました.
日本での2例目の採集となります.

原記載では6-7月にシモツケ属とスイカズラ属のブッシュで採集となっているので,今月もまだ採集出来る可能性があります.飛来している姿はタカオハナアブそっくりです.

なお,この写真は三枝先生の紹介したGainexpressのGX860という高輝度LED照明で撮影しました.


Re: カラカネナガハナアブGet! 投稿者:pakenya 投稿日:2012/07/02(Mon) 17:36:35 No.7781  引用 
をををををーー!!!
やりましたね!おめでとうございます。

一度は見てみたい思っていました。

是非、秋の同定会には見せびらかしに持参してくださいネ。


ところで、はなあぶ17号に載ったときから変に感じているのですが、P. stakelbergiのミススペルではないでしょうか?

Re: カラカネナガハナアブGet! 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2012/07/02(Mon) 17:53:01 No.7782  引用 
Aleksandr Aleksandrovich Stackelbergさんに献名された種だと思うのですが・・・・・。

Re: カラカネナガハナアブGet! 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/07/02(Mon) 20:26:41 No.7783  引用 
pakenya様,ezo-aphid様.

思いっきり間違えていますね(^_^;)
はなあぶ17号を見てみたら,タイトルで間違えていて,本文ではstackelbergiと正しく書いています.

ネットでもコピー・ペーストばかりしているので,間違いに気が付きませんでした.

ついでに,次号用の原稿も間違っていました(^_^;)

ありがとうございます.

交尾中のオドリバエ 投稿者:しぐま 投稿日:2012/06/28(Thu) 21:31:10 No.7776 ホームページ  引用 
オドリバエの交尾を最近初めて観察しました。
5月下旬@山形県・山間部渓流沿いの潅木
未採集・未採寸ですが、駄目元でお尋ねします。
もし写真で名前が絞り込めるようでしたら教えてください。

交尾しながら獲物を食べている♀だけが脚の毛が黒々と発達している点が興味深く思いました(性的二型)。
ネット検索の画像を眺めていると、素人目にはアシブトオドリバエっぽいかな?と思いました。(当てずっぽう)

ブログに追加の写真と動画がありますので、よろしければご覧ください。
http://sigma-nature-vlog.blogspot.jp/2012/06/blog-post_26.html
被写界深度が浅いため、完璧な一枚という写真が撮れてないのです。
よろしくお願いします。


Re: 交尾中のオドリバエ 投稿者:しぐま 投稿日:2012/06/28(Thu) 21:32:45 No.7777 ホームページ  引用 
交尾直後の♀です。

Re: 交尾中のオドリバエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2012/06/29(Fri) 10:04:41 No.7778  引用 
あなたの撮影したオドリバエは,Empis (Polyblepharis)の1種で,未記載種です.同じ亜属のE. (P.)comsogyneに近似した種です.この掲示板のワード検索でPolyblepharisで検索すれば,私が示した本亜属の検索表があるので,検索を試みてみたらいかがですか.

なお,以前に撮影された画像をみました.これは別属のRhamphomyia (Vockerothempis) arakawae Matsumura, 1915の交尾中のものです.本亜属の配偶行動は私はこれまで観察したことがなかったので興味深く見せてもらいました.本亜属の♀の腹端部はPolyblepharisにみられるような細長くなっていないので,交尾器の結合状態は興味があるのですが,残念ながら画像では♀の翅で隠れてみえません.求愛餌はケバエ科のBibio属の1種です.

なお,引用されている岩波の生物学辞典の記事は,一部に誤解を招く部分があります.

「動物が求愛またはつがい維持期間中において相手に食物を与える行動.(中略)オドリバエ科のEmpis, Hilara属や,ガガンボモドキの一種では配偶行動において雄は雌に適当な餌を与え,雌がその餌を摂食中に交尾を行う.雌はある程度以上の餌を与えられた場合しか交尾を許さず,また餌の大きさと交尾時間の長さとは比例する.この場合の餌は雌の卵形成に直接の影響を及ぼし,ナプシャルギフト(nuptial gift婚姻贈呈)と呼ばれることもある.
(『岩波生物学辞典』より)」

引用文ではnuptialgiftを婚姻贈呈としていますが,これは求愛餌でしょう.行動そのものは求愛給餌行動,求愛餌を送ることが婚姻贈呈でしょう.
また,「雌はある程度以上の餌を与えられた場合しか交尾を許さず,」もこのような場合があるかもしれませんが,求愛餌の大小で交尾が決まるとも思えません.♂は極端に小さいような求愛餌を通常は携えません.

Re: 交尾中のオドリバエ 投稿者:しぐま 投稿日:2012/06/29(Fri) 23:19:09 No.7779 ホームページ  引用 
三枝豊平さま
こんばんは。
お忙しいところ、いつも懇切丁寧な回答をありがとうございます。

>Empis (Polyblepharis)の1種で,未記載種です
恥ずかしながら亜属というものに馴染みがなくて、この書き方だと「昔はPolyblepharis属だったものが現在ではEmpis属とされている」とつい今まで間違った理解を勝手にしてました。
二名法を復習して「Empis属(Polyblepharis亜属)」という意味だと今ようやく分かりました…。(汗
Empis sp.とリネームしておきます。

形態学は色々と勉強不足でして、正直言って検索表は用語がちんぷんかんぷんで使いこなせないでいます。
実体顕微鏡も必要みたいですね。

>以前に撮影された画像をみました.これは別属のRhamphomyia (Vockerothempis) arakawae Matsumura, 1915の交尾中のものです.
http://sigma-nature-vlog.blogspot.jp/2012/06/blog-post_22.html
一つずつお尋ねするつもりでいたのですが、これも正体が判明して嬉しいです。
おまけに獲物の方まで写真鑑定していただいて感激です。

『岩波生物学辞典』の記述の不備についても勉強になりました。

今後ともよろしくご指導願います。

Acartophthalmidae 投稿者:heheman 投稿日:2012/06/26(Tue) 20:45:27 No.7768  引用 
長野県菅平高原で5月下旬に採集したものです。調べてみるとAcartophthalmidaeで間違いなさそうです。新訂原色昆虫大図鑑3巻の検索表ではまだ日本で発見されていないとのことですが、現在は発見例はあるのでしょうか。

Re: Acartophthalmidae 投稿者:三枝豊平 投稿日:2012/06/27(Wed) 02:17:02 No.7770  引用 
新訂原色昆虫図鑑の検索表は私が作成したのですが,本科がその後日本で記録されているかは把握していません.採集された標本は本科らしいのですが,画像では細部がわからないので,何とも言えません.標本を一度見せていただければ確実な同定ができると思います.なお,北米の双翅目のマニュアルにある本科の概形図をご参考までに添付しておきます.

Re: Acartophthalmidae 投稿者: 投稿日:2012/06/27(Wed) 11:44:13 No.7775  引用 
三枝豊平様
返信ありがとうございます。ぜひとも標本を見て頂きたいのですが、差支えございませんでしたら連絡先を教えていただけないでしょうか。Eメールを公開しますのでよろしければこちらへよろしくお願いいたします。

ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/26(Tue) 01:05:52 No.7764  引用 
先日教えていただいたキゴシガガンボに似ていて,胸部がオレンジ色をしているのでヤノキゴシガガンボではと思いますが,いかがでしょうか.四国と九州から発見されていると図鑑に出ていたので違うんでしょうか.体長は約20ミリ.
2012.6.23三重県四日市市の鈴鹿山脈にて


Re: ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/26(Tue) 01:07:21 No.7765  引用 
別角度から

Re: ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/27(Wed) 09:01:04 No.7771  引用 
その通りだと思います。本州にもいるんですね。四国の標本が手元にありますが,これはまだ自分で捕まえたことのない虫の一つです。

Re: ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/27(Wed) 09:04:55 No.7772  引用 
もし,頻繁に行く場所でしたら少し標本を採っておいて頂けないでしょうか。

Re: ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/27(Wed) 10:08:42 No.7773  引用 
達磨さん,ありがとうございます.
ヤノキゴシガガンボを探しにまた山へ出かけてみます.

Re: ヤノキゴシガガンボでは 投稿者: 投稿日:2012/06/27(Wed) 10:14:26 No.7774  引用 
鈴鹿山脈には両種が一緒にいるということでしょうか。発生地にでもあたらないとなかなか複数個体を得ることの難しい虫ですが,どうぞよろしくお願いいたします。

口から 投稿者: 投稿日:2012/06/21(Thu) 11:49:24 No.7743  引用 
初めて投稿いたします。
朝、ハエの口から水滴のようなものが。
調べていたらこのサイトにたどり着きました。
これはいわゆる消化液でしょうか?
よろしくお願いいたします。


Re: 口から 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/23(Sat) 09:55:04 No.7751  引用 
このような単独での行動はハナバチやハエの仲間で時折観察されます.ずっと見ているとそのうちに飲み込んで,さらに再び出すことがあります.決して吐き出して捨ててしまうのではありません

想像ですが,おそらくそ嚢cropに飲み込んだ液体を,外気にさらして濃縮しているのだろうと思います.
チョウ類などでは,湿った地面に止まって吸水しますが,この場合は長時間吸水する過程で,肛門から次々と水滴をぽたぽたと落としています.この行動の解釈は,体温を下げているというのと,吸収する必要がある成分を吸収したのちに残りの残液を排泄している,とがあります.この行動がしばしば♂に限られていることから,前説はやや疑問がります.♂だけということは,多分生殖に関係して,例えば交尾中に雌の交尾嚢に♂が形成する精包の材料をえているのでは,というようなことが考えられます.

ハエなどはそ嚢に液体をいっぱい吸収すると,それをただちに中胃に送り出すのではないようですから,多くの栄養成分を得るためにそ嚢の中身を蒸発して,そ嚢の容積を有効につかっているのか,と思います.あくまでも想像ですから,事実とは信じないでください.

Re: 口から 投稿者:taro 投稿日:2012/06/23(Sat) 22:35:56 No.7755  引用 
アノニモミイアさんありがとうございます。確かに、何度も吸って出してを繰り返していました。5分くらいして、最終的には飲み込んで飛んでゆきました。その際、水滴が小さくなったかどうか、、、次回はそこも見てみたいと思います。ありがとうございました。

Re: 口から 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/24(Sun) 17:45:24 No.7757  引用 
taroさん.

今後このような行動をほかのハエでも観察されたら,詳しく経過を見てください.
それにしても,鮮明な画像ですね.撮影機材など教えていただければありがたいです.

Re: 口から 投稿者:しぐま 投稿日:2012/06/24(Sun) 19:46:01 No.7758 ホームページ  引用 
横から失礼します。
私も同様の行動を見たことがあります。
動画に撮りましたのでよろしければご覧ください。
http://sigma-nature-vlog.blogspot.jp/2011/01/blog-post_2772.html
最後に水滴を吐き出したかどうか、残念ながら見そびれてしまいました。
この行動にどんな意味があるのか長年の疑問に対して、今回専門家のご意見(仮説)をお聞きして勉強になりました。

ついでに、あつかましいのですが動画のハエの名前がもし分かるようであれば教えてください。
(写真は撮れていません)
◯◯科、だけでも助かります。
ここで以前教えてもらったハクサンベッコウバエと素人目には似ている気がします。

Re: 口から 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/26(Tue) 19:13:03 No.7766  引用 
しぐまさん.興味深い動画をありがとうございました.このベッコウバエはNo.6667のスレッドで書き込みをしておきましたように,ハクサンベッコウバエでよろしいと思います.本種の学名(種名,種小名)については,あのスレッドの最後あたりに書き込みましたが,現在melanacmeとanalisの関係がどうなっているかは調べていません.

Re: 口から 投稿者:しぐま 投稿日:2012/06/26(Tue) 22:50:03 No.7769 ホームページ  引用 
コメントありがとうございます。
蝿の名前も分かって嬉しいです。

アノニモミイアさんの仮説をどうやったら実証できるか考えてみたのですが、蝿の口元の水滴を注射器でサンプリングして時間経過とともに成分を分析するぐらいしか思い付きませんでした。
単に水滴が小さくなっただけでは一部を飲み込んだのか蒸発したのか分かりませんよね。
野外では間違いなく逃げられてしまいそうですし、果たして飼育下で吐き戻しを再現してくれるか難しそうですね。
冷却効果の有無については、虫の体温をサーモグラフィーで見てみたいものです。

キクイムシのフラスの近くにいま... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/22(Fri) 20:47:50 No.7749  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
6月4日にハンノキキクイムシのフラスの近くで双翅目の昆虫の写真を撮りました。翅も体型も独特だと感じました。画像を見ていただけますでしょうか。よろしくお願い致します。FS

 採集日  2012.06.04
 採集場所 静岡県裾野市 標高約200メートル
 体長   8ミリ

 
 


Re: キクイムシのフラスの近くに... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/22(Fri) 20:49:00 No.7750  引用 
追加の画像です。 FS

Re: キクイムシのフラスの近くに... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/23(Sat) 10:04:34 No.7752  引用 
Craspedometopon frontale Kertesz, 1909 ネグロミズアブというミズアブ科の1種です.それほど珍しい種ではありません.

Re: キクイムシのフラスの近くに... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/23(Sat) 21:29:32 No.7753  引用 
アノニモミイア様

ご教示ありがとうございました。勉強になりました。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。

                       FS

Re: キクイムシのフラスの近くに... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/06/23(Sat) 21:49:09 No.7754  引用 
アノニモミイア様,FS様.

余談ですが,日本本土に分布するCraspedometoponは,Craspedometopon basale (MATSUMURA, 1915)という学名に変更されました.
C. frontaleは沖縄以南に分布する種類だそうです.

Ref. ROZKOSNY R.& KOVAC D., 2007, Palaearctic and Oriental species of Craspedometopon Kertész (Diptera, Stratiomyidae). Acta Zool. Acad. Sci. Hung., 53: 77-92.

Re: キクイムシのフラスの近くに... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/24(Sun) 17:43:07 No.7756  引用 
市毛さん
ネグロミズアブの学名についてご指摘いただき,ありがとうございました.この論文はまだ見ていませんでした.

山地のガガンボ 投稿者: 投稿日:2012/06/22(Fri) 01:18:02 No.7745  引用 
こんばんは.
標高300mあたりの鈴鹿山脈の渓谷で,5月27日に公衆トイレの壁面にぶら下がっておりました.体長は約25ミリ.何ガガンボでしょうか?


Re: 山地のガガンボ 投稿者: 投稿日:2012/06/22(Fri) 01:19:46 No.7746  引用 
腹部の拡大です

Re: 山地のガガンボ 投稿者: 投稿日:2012/06/22(Fri) 09:10:05 No.7747  引用 
これはガガンボ科のキゴシガガンボ(=こふきががんぼ)Leptotarsus (Longurio) pulverosus (Matsumura, 1916)です。

Re: 山地のガガンボ 投稿者: 投稿日:2012/06/22(Fri) 16:51:36 No.7748  引用 
達磨様,同定ありがとうございます.
あこがれの美麗種にようやく出会えました.感激です.

同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/03(Sun) 23:22:23 No.7720  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
栗畑近くのヨウシュヤマゴボウの葉上にいたアブを同定していただけますでしょうか。
今日だけで多数目撃しました。
採集日  2012.06.03
採集場所 静岡県裾野市
体長   9ミリ
よろしくお願い致します。

                  FS


Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/03(Sun) 23:23:41 No.7721  引用 
追加の画像です。 FS

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/03(Sun) 23:24:40 No.7722  引用 
追加の画像です。 FS

Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/04(Mon) 08:44:11 No.7723  引用 
 写真のアブはシギアブ科のRhagio属の1種です.このように翅の半分が暗色で腹部が黄褐色ないし橙黄色で黒紋のあるRhagioは,少なくとも日本からはフタモンキイロシギアブR. itoi Nagatomi,キイロシギアブR. flavomedius Coquillett,ヨツモンキイロシギアブR naganensis Nagatomiの3種がわかっています.これらのシギアブの論文を見ても,腹部の斑紋の状態が写真に適合するものがありません.

 私もシギアブを専門に研究している者ではないので,これ以上詳しいことはわかりません.シギアブを研究していた故永冨昭先生の標本は大阪市立自然史博物館に保管されています.これらを調べれば写真のシギアブの名前がわかるかもしれません.
 永冨先生が日本産のRhagio属を総括した論文をお書きにならなかったし,まだ日本から記録されていない種もあるので,この仲間の同定をするのには,上記博物館の標本を調査するしかないのが現状です.同定の必要性が高い場合は同博物館にお尋ねになるのも一法でしょう.

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/04(Mon) 18:30:30 No.7724  引用 
アノニモミイア様

たいへん丁寧に解説をしていただき心より感謝申し上げます。
今日もたくさんの同じ種のシギアブを見ました。
これからも関心を持ち続けていきたいと思っております。
ありがとうございました。

                       FS

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/09(Sat) 16:51:29 No.7727  引用 
6月3日におたずねしたシギアブについて追加の質問をさせていただきます。
同種の個体の採集を試み続けていたところ、6月7日に同じ場所で別のシギアブ(体長8ミリ)を採集しました。画像のシギアブがそれにあたります。腹部の斑紋の状態は6月3日のものと明らかに違うように思います。以下の三つの点についてご教示いただけましたら幸いです。
1.7日の個体は北隆館の原色昆虫大図鑑の記載を見るかぎりではフタモンキイロシギアブの可能性があるのかとも思いましたが、いかがでしょうか。
2.3日の個体と7日の個体は別種と判断してよろしいでしょうか。
3.3日の個体は日本未記録種の可能性があると考えてよろしいでしょうか。

ある事情があって、できれば可能な限り同定したいと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。
                         FS

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/09(Sat) 16:53:42 No.7728  引用 
7日の個体の画像です。FS

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/09(Sat) 17:01:30 No.7729  引用 
コメントの中で言及した図鑑の文章です。
「〜〜とも」のあとは「に本州に産する」と続きます。
                      FS


Re: 同定のお願い 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/06/09(Sat) 20:36:15 No.7730  引用 
FS様.

 シギアブ科については,専門家であった鹿児島大学の永富昭先生が多数の論文を書いていますが,初期に書かれたRhagio属についてはアノニモミイア氏が書かれているように検索表も無く,同定にかなり戸惑うグループです.
生前永富先生と交流があった人の話では,Rhagio属についてはもう一度検討し直して,総説を書きたいと話していたそうです.

 FS様の種名を知りたいという気持ちは解りますが,検索表のような目安になる情報がない種類を同定するためには,個体変異などを考慮しながら多数の標本を調べて自分なりの検索表を作るというかなりの努力が必要となります.

>1.7日の個体は北隆館の原色昆虫大図鑑の記載を見るかぎりではフタモンキイロシギアブの可能性があるのかとも思いましたが、いかがでしょうか。

 北隆館の記載には,「腹部第1・2節は黄色,中央に黒紋をもち」と記されていますが,7日の個体にこの特徴が写っていませんので,私もアノニモミイア氏同様に別種の可能性が高いと思います.また,R. itoiは胸背や胸側部に灰粉を装い,写真のシギアブとはかなり色彩が異なります.
正確に調べるためには,Rhagio属の分類にどのような特徴が重要なのかという,基本的なことから調べ,腹部斑紋などの個体変異の幅を把握しなければ同定は出来ません.

>2.3日の個体と7日の個体は別種と判断してよろしいでしょうか。

フタモンキイロシギアブR. itoi NagatomiとヨツモンキイロシギアブR naganensis Nagatomiの原記載論文である”Nagatomi, A., 1952, New Rhagio-species from Japan (1), Mushi, 24(3):7-12.”を読んでもらえばわかるように,両種とも雌雄で腹部斑紋が異なります.また,両種とも長野県上高地で同日に採集した標本で記載されています.僅かに生息環境が異なるのか,2種が混生するのかは不明です.

>3.3日の個体は日本未記録種の可能性があると考えてよろしいでしょうか。

7723でアノニモミイア氏が書かれているように,未記載種である可能性もありますし,既知種の個体変異という可能性もあります.

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/10(Sun) 21:05:07 No.7731  引用 
茨城@市毛様
たいへん詳しくご教示いただき心より感謝申し上げます。
個体変異の幅の把握というのは、非常に困難な作業なのだと推測いたします。
標本の数を増やそうと今日も同じ場所を散策しましたが、採集にはいたりませんでした。地道に努力を続けていきたいと思います。ありがとうございました。
                        FS

Re: 同定のお願い 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/06/19(Tue) 06:47:27 No.7738  引用 
先日,永富先生の弟子的な立場の知人から電話があり,シギアブについて色々と話を伺いました.

そこで伺った内容としては,
・永富コレクションのキイロシギアブには同定ラベルが付いないと記憶している.
・シギアブは色彩などの個体変異が大きいので,最終的には体の各部を計測して種の範囲を決定する方向に向かっていた.
とのことでした.

したがって,日本各地に普通に分布していると思われるキイロシギアブR. flavomediusについては,1種なのか複数種に分かれるのかが未定のまま永富先生が亡くなってしまったので,今後このグループを研究する人が出てこない限りは写真のようなシギアブについてはキイロシギアブと思われるとのコメント以上の回答は出来ないとの結論になります.

Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/20(Wed) 05:04:54 No.7739  引用 
キイロシギアブのタイプ標本はおそらくワシントンスミソニアン博物館群の一つ,米国国立自然史博物館に所蔵されているはずです.日本から米国にはるか昔に寄贈された標本です.

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/20(Wed) 21:09:52 No.7740  引用 
茨城@市毛様
コメントをありがとうございました。
縁あって関心を持ったキイロシギアブについて研究史を知ることができ、たいへんうれしく思っております。
先人のご努力に敬意を表しつつ関心を持ち続けてまいりたいと思います。
                        FS

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/20(Wed) 21:14:57 No.7741  引用 
アノニモミイア様

貴重な情報をありがとうございました。
遠くアメリカの地にあるタイプ標本を想像し、はるかな思いにひたりました。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
                        FS

Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/21(Thu) 00:04:33 No.7742  引用 
FS様 シギアブの行動については,よくわかっていないことが多く,1種でもいいですから多産地で時間をかけて行動をじっくりと観察することによって,いろいろとわかってくるのでは,と思っています.RhagioやChrysopilusなどについては,樹幹や杭など,葉上に静止していて,人が近づくと飛んでまた近くに止まる,という程度の現場での経験しかありません.配偶行動,摂食など見たことがありません.このような面にもぜひ目を向けてみてください.

Re: 同定のお願い 投稿者:FS 投稿日:2012/06/21(Thu) 20:52:10 No.7744  引用 
アノニモミイア様
ご教示に心より感謝申し上げます。
これから何年もの時間をかけて観察を続けていきたいと思います。
6月3日にあれだけたくさん見られたRhagio属がここ数日は全く姿が見られません。発生時期にも特徴がありそうな気がします。
今後ともご指導よろしくお願い致します。
                        FS

シギアブ科Rhagio属の翅脈につい... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/17(Sun) 09:08:01 No.7732  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
再度になりますが、シギアブ科Rhagio属について質問させていただきます。
7720、7727でうかがったRhagio属の個体と6月13日に静岡県裾野市で採集した個体の翅脈を比較してみたところ、少しずつ違いが見られました。(たとえば○印をつけた部分)このような違いは個体変異ととらえるべきでしょうか。それとも種の違いの可能性を示唆するものでしょうか。初歩的な質問で恐縮ですが、ご教示願えましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
1.6月3日採集
2.6月7日採集
3.6月13日採集

                        FS

Re: シギアブ科Rhagio属の翅脈に... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/17(Sun) 09:09:22 No.7733  引用 
1.6月3日採集のものです。FS

Re: シギアブ科Rhagio属の翅脈に... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/17(Sun) 09:10:27 No.7734  引用 
2.6月7日採集のものです。FS

Re: シギアブ科Rhagio属の翅脈に... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/17(Sun) 09:11:44 No.7735  引用 
3.6月13日に採集したものです。FS

Re: シギアブ科Rhagio属の翅脈に... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2012/06/17(Sun) 15:52:51 No.7736  引用 
双翅目の翅脈の相対長,曲がり具合,他脈となす角度,翅縁での位置,翅脈相互の間隔などは概してかなり安定した重要な分類形質です.しかし,それでもある程度の個体変異はあります.その幅が近似種における変異幅とどのような関係にあるかは,実のところ個々のケースで異なっています.

それぞれの分類群で多くの種について個体変異を研究することによって,はじめてその関係がわかってくるものと思います.シギアブ科の翅脈相を詳細に調べた経験がないのではっきりしたことは言えませんが,かつてBolbomyiaの翅脈相を多数の個体についてかなり調べたことがあります.その経験では今回の程度の変異は個体変異の範囲にふくまれるかな,という印象を持っています.

多くの個体で調査して変異の状況をつかむとともに,ほかの形質を調査して,研究した個体群が同一種に入るかどうかを検討し,その上で問題の変異について判断を下すことが大事ではないでしょうか.

Re: シギアブ科Rhagio属の翅脈に... 投稿者:FS 投稿日:2012/06/17(Sun) 22:38:30 No.7737  引用 
アノニモミイア様
詳しくご教示いただき心より感謝申し上げます。
何を念頭において調査を進めるべきなのかが、よくわかりました。できるだけ多くの個体を採集して比較を試みたいと思います。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
                        FS

オオオビヒラタアブ? 投稿者:Hepota 投稿日:2012/05/27(Sun) 23:08:33 No.7719  引用 
こんばんは。
2012年5月26日、八ヶ岳の南にある天女山付近(標高1600mぐらい)で撮影しました。大きさは不明、花はトウゴクミツバツツジです。腿節が黒く、ハナアブ写真集で見るとオオオビヒラタアブかと思ったのですが、いかがでしょうか?


Re: オオオビヒラタアブ? 投稿者:pakenya 投稿日:2012/06/05(Tue) 11:45:07 No.7725  引用 
Hepotaさん、こんにちは。

画像のハナアブはMegasyrphus erraticusオオオビヒラタアブのメスです。この属は翅のr4+5脈が弱く波曲することが大きな特徴なのですが、この画像では見えませんね。ですが、複眼が有毛であること、腹部腹板にも明瞭な横縞模様があること、翅の前縁の基部側が広く濃色であることから本種と解ります。

平地ではめったに見られませんが、八ヶ岳周辺では普通に見かけるハナアブのようです。

Re: オオオビヒラタアブ? 投稿者:Hepota 投稿日:2012/06/06(Wed) 08:17:49 No.7726  引用 
pekenyaさま、ご教示ありがとうございます。
翅脈の特徴というのは、図の矢印の部分かと思います。これなら私にも同定できそうです。機会があれば、翅脈のわかる写真を撮ってみたいと思います。

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