お世話になっております.
11月に茨城県の平野部で採集した体長3.5mm程のシマバエです. 旧北区のマニュアルでは,Sciasminettia属となりました. 今のところ,日本産のSciasminettia属はS. dichaetophora 1種とされていますが,これがS. dichaetophoraなのでしょうか? |
なんくろさま、いつもお世話になっております。
ハマダラハルカは幼虫がネムの朽木に穿孔するんでしたっけ。
ウミユスリカ様
こちらこそいつもお世話になっております。 2004年に三枝先生が昆虫と自然に書かれた文章では、福岡県では専らネムノキから確認されているが、大分県でカシ類の枯れ木からも採集されているとの事です。 この画像のハマダラハルカは、他の個体も含めいろいろな樹木や石などに止まっては移動し、止まっては移動しを繰り返していました。 他の場所でも見かけているのですが、沢の近くなど水分条件が良さそうな場所で見るような気がします。ネムノキが川岸に生育するからか、朽木が柔らかく産卵しやすいからなのか、それともたまたまか(笑)
> 2004年に三枝先生が昆虫と自然に書かれた文章では、福岡県では専らネムノキから確認されているが、大分県でカシ類の枯れ木からも採集されているとの事です。
なるほど。Cercusからも出るんですね。材の性質がずいぶん違っていそうですが、案外レンジが広いんですね。 > 他の場所でも見かけているのですが、沢の近くなど水分条件が良さそうな場所で見るような気がします。ネムノキが川岸に生育するからか、朽木が柔らかく産卵しやすいからなのか、それともたまたまか(笑) ネムノキはマメ科ですから、窒素含有量が多いんじゃないかなって思っていまして、それが関係しているのかな、と勝手に考えてました。だから、同じように川辺に出るサイカチとか、移入種のニセアカシアでは同なのかなって妄想していた次第であります。
近縁種のウスリーハルはエンジュ,アメリカのCramptonomyiaはハンノキのそれぞれ朽木に発生するようです.
アノニモミイア先生
> 近縁種のウスリーハルはエンジュ,アメリカのCramptonomyiaはハンノキのそれぞれ朽木に発生するようです. エンジュもハンノキも、どちらも窒素固定共生系を持つものばかりですね。非常に興味深い情報、ありがとうございます。 |
沖縄シリーズです。
やんばるの山中で、ミミズの死体に群れていたやつです。 一見、ダイズコンリュウバエに似ていますが、m脈にも斑紋があります。各脚の腿節はオレンジですが脛節と付節はほぼ黒色です。全長約7mm。 体型や大きな口器はヒロクチバエ科かな?と思うのですが、よく判りません。 よろしくお願いいたします。
pakenya様.
ツマグロホソナガヒロクチバエElassogaster hilgendorfiに一票. (see はなあぶ 17:1)
とりあえず、"Manual of Nearctic Diptera"の検索表でElassogasterに至るキーを略式で紹介しますので、たどり着けるかどうか見てください。
R脈基部の背面は小剛毛に覆われない(R1脈はh脈より先端で小剛毛に覆われる) ↓ 前腿節には顕著に発達した剛毛はない ↓ postfronsは中央部に瘤を持たない;触角は顔より長くならない;上前側板(中胸側板)剛毛は存在する ↓ 眼縁剛毛を欠く;mesoscutumは縦長で両側は平行;M脈は翅の先端部で前方に曲がる;翅の斑紋は単純で通常先端部に暗色の紋、横脈ごとに暗色の着色、subcostal cellには暗色の縁紋がある ↓ Elassogaster
ちなみに、ダイズコンリュウバエなどが含まれるRivellia属の場合、最後のキーのところで分岐して
1〜2本の眼縁剛毛がある;ほかの形質は多様 ↓ Lower calypter は幅が狭い ↓ Rivellia となります。
どの程度役に立つか正直よくわからないのですが、
以前見つけたオーストラリアのヒロクチバエ科のReviewです。 http://www.amonline.net.au/pdf/publications/1327_complete.pdf 属の検索表には、総目録の時点で日本から記録されている属は一応一通り載っています。 その後追加されたProsthiochaetaはないようですが。
市毛様、ウミ様、Arge様、情報をありがとうございます。
レスが遅れて申し訳ありません、先ほど今月の沖縄出張から戻りました。 ウミ様ご教示の検索keyを確認してみたところ、矛盾は無いようで、Elassogasterのようです。 はなあぶ17号にはE. hilgendorfiのメスの写真が載っていますね。なるほど、同じ顔、同じ色彩です。目録に載っている本属の種は本種のみなので、あたり!のようです。分布も問題ないようですし。 今月の出張中にも、沖縄島南部の豊見城城址公園でも採集してきました。沖縄では各地に普通のようです。 皆様、ご教示ありがとうございました。
属の検索が符合していたようで安心いたしました。
写真は雌でしょうか。 ミミズの死体に集まっていた個体の性比がどうなっていたのか気になります。やはり卵巣成熟に必要なタンパク質を摂取していたのでしょうか。
投稿画像は♂個体で、geniを引き出してあります。
♀も採集しておりますが、雌雄の比率は確認していませんでした。 採集時、ミミズにはオビキンバエの類が黒山(金緑山)にたかっており、その隙間を窺っていたようで、あぶれたヤツ?が周囲の草に多数静止していました。採集したのは交尾していた1ペアのみです。 周囲に静止していたのがみんな♂だとしたら、栄養摂取に飛来する♀を♂が待っていたのかもしれませんが、未確認です。機会があったら確認してみたいと思います。
> 投稿画像は♂個体で、geniを引き出してあります。
ヒロクチバエ科独特の長い鞭状突起のあるaedegusが見えていなかったので、広げてある生殖節を雌の産卵管の先端部と誤認してしまいました。確かにcercusとsurstylusが見えてますね。失礼いたしました。 > 採集時、ミミズにはオビキンバエの類が黒山(金緑山)にたかっており、その隙間を窺っていたようで、あぶれたヤツ?が周囲の草に多数静止していました。採集したのは交尾していた1ペアのみです。 オビキンバエ属のほうが体にボリュームがあるので確かに細身のヒロクチバエ科では太刀打ちできなさそうですね。南西諸島ですからオビキンバエ、ホホグロ、ホホジロの3種全部が出そうですが、何が来ていたのでしょう。 > 周囲に静止していたのがみんな♂だとしたら、栄養摂取に飛来する♀を♂が待っていたのかもしれませんが、未確認です。機会があったら確認してみたいと思います。 多くのハエで、卵巣の成熟に雌がタンパク質摂取を必要とするのはもちろんなのですが、オスも精巣の成熟にタンパク質が必要となりそうなフシがなきにしもあらずなんですよ。いくつかの私信からの類推なのですが。ゆとりがあったら確かめてみたい事項の一つです。 ですから、タンパク源の周囲への雄の飛来は、雌目当てと、自らの摂食のための、2つの可能性が考えられるんです。 |
末吉氏のクチキバエ科の論文が下記のURLでダウンロード可能となっていることに気が付きました.
http://zoologie.umh.ac.be/asef/pdf/2006_42_01/full/Sueyoshi_ASEF_2006_42_1_1_26_full.pdf Sueyoshi, M. 2006. Species Diversity of Japanese Clusiidae (Diptera: Acalyptrata) with description of 12 new species. TKMネタも載っているかも知れません? 彼が書いた論文拾って見ると,茨城産の双翅目が結構増えました. 36基ものマレーズトラップを掛けていたので,論文以外のデータも相当有りそうですが,彼が茨城を離れてしまっているのでもったいないです.
市毛様
興味深い文献の紹介ありがとうございました。さっと目を通したあとテキスト検索をかけて見ましたが残念ながら東京の記録はないようです。 茨城のデータがずいぶん多いようですが、これは当然、茨城が特別クチキバエが豊富なわけではなく採る人がいないだけの話ですね。時折、末吉さん本人以外の採集者名が出てきますが、この人なら採るよな、と妙に納得させられる例が多いです。 |
これはコンボウハバチの仲間です。
友達が「蜂が好き」というホームページをやっているので、そっちで訪ねると何かしら教えてくれるだろうと思いますよ。
達磨さん
ありがとうございます。 教えていただいたサイトでお尋ねしてみます。 |
先ほど文献検索していたら、「森林総合研究所研究報告」の2007年号で、『森林総合研究所多摩森林科学園の双翅目昆虫相』という報文が出ているのに気がつきました。
「 東京都本土部昆虫目録作成プロジェクト」にとっても重要そうな文献ですね。 http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/402-9.pdf
よく見たら、謝辞にここの常連さんで東京都本土プロジェクトのメンバーの方の名前も・・・。
紹介するまでもなかったかもしれませんね。
ウミ様、ご無沙汰です。
多摩森林科学園のMさんより同定依頼がありまして、一部の双翅目は自分が同定をしております^^;; 東京都は山地の双翅目のデータが非常に少ないので、このような報文は大変有り難いです。TKMにもとても貢献しています。 自分のところにも狭山丘陵などのたくさんの未同定標本が家に眠っていますがなかなか手がつけられない状況です・・・ 時間が欲しい〜 ケンセイ@仕事が多すぎて自分の標本整理などがなかなか出来ない状況が続いています・・・・ |
かりしうす様
これはキモグリバエ科のRhodesiella属と思います。
こんちは。
家の近所でも、冬にはRhodesiella と思われる種が、たくさん採れます。 市毛さんの書かれた ヤマギシモリノキモグリバエ Rhodesiella yamagishiiに非常によく似ています。 近似種は たくさんいるのでしょうか? 近所に多い種名不明種のひとつですので、気になります。
バグリッチ様.
赤坂御用地のキモグリバエを見ると,東京周辺に4種ぐらい分布しているようです. 上宮健吉,2005,赤坂御用地のキモグリバエ科(CiNiiでダウンロード可能)と,以前お送りした日本産のキモグリバエのモノグラフを調べると判ると思います.
市毛様
いつもありがとうございます。 早速、赤坂御用地のキモグリバエで、調べてみたいと思います。
皆様ご教示ありがとうございます。夜のおさんぽ調査の仲間達も喜ぶことと思います。
アホなことに投稿してから記憶喪失になり、今頃レスを拝見しました。年度末前後って、どうしてこうもくそったれ忙しいんでしょうね。 |
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