以前話題になったオビヒラタアブ属を調べ、ある程度まとまってきたので一度写真をupします。
写真のように、これがオビヒラタアブ属?というような種類もあるのですが、今の分類体系ではとりあえずこの属に入れるしかないようです。 腹部斑紋が黄色主体のグループは、ある程度方向が見えてきたですが、黒色主体のグループは標本の絶対数が少ないため、個体変異かどうか不明なものが多く、まだまだ遠い道程になりそうです。 この掲示板だとサイズが小さいので、別にhttp://www.syrphus.atz.jp/test/PC280101-03Mod.jpg に大きな写真があります。 手持ちの標本を調べてみたいというかたには、暫定検索表を差し上げます。 また、もっと標本を見る必要があるので、貸出・寄贈をお願い致します。(このグループ以外のハナアブも時間を頂けるのなら調べます。)
年末の休暇に入ったので、黒色主体の斑紋のグループを改めて見始めたら、以前作った形質表の表現がまちまちだったことに気づきました。腹部黒色主体のグループはもう一度やり直しです。
黄色主体の斑紋のグループは、これで良いと思います。
市毛様、管理人様、BBSをご覧の皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
Epis. angustifasciataと思われる標本を撮影したのでアップします。軟化が余りうまくできなかった上に、撮影準備中に針が台から抜けて転倒させてしまい、悲惨な標本になってしまいました。 胸背は弱い青色光沢があり、腹部第3背板の黄帯は背板長の1/5程度です。頭幅は胸部の1.3倍ほどあります。翅の2bcは半分以上が無毛です。
pakenya様。
やはり、胸背の青色光沢は大分弱いようですね。 Syrphinaeは、デシケータ等で軟化して交尾器を引き出すのはあまりお勧めしません。交尾器から突出しているaedeagal tube(=aedeagus, tube, etc)が破損したり、脱落したりするからです。(先日はこの破損している交尾器で騙されました(^_^;) また、破損のリスクに対し、引き出しただけでは殆ど同定の役に立つ形質は見えません。 最低限、KOH等で処理をして、tube基部のpyxisやapodemが見える状態で観察する必要があります。 検索表は別便でお送りします。
市毛様
DMで検索表ほかをご提供いただき、ありがとうございます。 Hippaの文献もじっくり読んでみます。 さて、2831に画像を添付した個体を早速検索してみました。 1>3>4>5>と来るのですが、翅のbr,bmは広く無毛で、cupやdmも部分的に無毛なのですが、額が暗色なのでainoではない。5のアンチテーゼ:br,bmは少なくとも前方が無毛、cupも一部無毛となることもは拡大解釈すれば一致するので>6に進み、胸背の斑紋は不明瞭なのですが後脚の特徴が一致するので sp.E (edashige)となりました。2878のsp.Eの画像ともそっくりですね。あとは、geniで最終確認をしなくては・・・ ところで、エダシゲオビヒラタアブという和名が、はなあぶ特別号の祝,2003に使われていますが、この論文ではエダシゲはshibakawaeに該当するとされています。sp.Eのedashigeとは何か関連があるのでしょうか。
pakenya様。
確かに祝さんの2003年版補足に、紛らわしいことが書いてありますね。困ったなー(^_^;) edashigeというのは、Fauna Japonica Syrphidae Iで記載される予定だった種類です。両種は翅の微毛の分布状態が違う別種です。 恐らく、祝さんは当初の原稿でエダシゲとした種類がEpis. shibakawaeの間違いであったと書いたつもりなのかもしれません。 しかし、彼の検索表は翅の微毛を見ていないので、両種が混じっているかもしれませんね。手元に奄美大島産のE.sp(edashige)が複数あります。 ここら辺もSyrphdiae Iが出版されていれば、問題が少なかったはずなのですが………… 交尾器を殆ど調べなかった素木氏と、Syrphini全種の交尾器を描こうとした福原氏。 結局、途中で福原氏が共著から降りてしまいましたが、どのような内容の第1巻だったのか……… 昨年末段階の暫定検索表は、高山や北海道を除いてほとんど確実に落ちると考えています。 |
ただいま福岡で飛行機待ちのワシです。
ヤドリバエ科の一種ですね〜・・ 今回の双翅目国際会議でもヤドリバエ科の専門の方にもお会いしましたが、やはり一方向面からの画像では同定は無理とのことでした。(ヤドリバえについては日本ではこの方に逆らえる方はいないほどの方の言ですので・・ワシではとてもできそうもありません。) でも、いつかなんとかしたいものですね〜〜・・・
今回は一応、茶髪くんを確保してあるのですが、どのあたりを撮影するとよいのでしょうか。ちなみにフィルムケースのなかでかなりバタバタして、翅の先のほうはボロボロになってしまっています。
頭部の側面からと正面からの剛毛配列がわかるような画像、
各脚の剛毛配列がわかるような画像、 胸部側面の剛毛がわかるような画像、 交尾器の画像 があれば、もしかしたらヤドリバエの専門家が見て答えてくれるかもしれませんが、本当にしゃれにならないくらい種類が多いので、何に寄生していたのかを見て、現物を完璧に保管して、標本処理して、専門家に見てもらう以外に方法はないと思います。(つまり実際にはそこまで出来ませんのでほとんど無理ってことですね・・)
あと、日本でのヤドリバエ科のまとまった文献はないので、ワシは中国蝿類を頼りにしてるのですが、これにもかなりの問題があるとのことで、そうなってしまうと本当に素人にはどうしようもない、手も足も出せないグループということになってしまいます。
アノニモミイアさんにお訊ねして、Calozenillia tamaraという種類だと教えていただきました。
Calozenillia tamaraの同定者は,新進のTachinidaeの研究者である九州大学熱帯農業研究センター所属の舘 卓司博士です.私の方は,無職できままな生活をしていますから,オドリバエ上科やキノコバエと糸角類のマイナーな群の御投稿には極力分かる範囲でおこたえするようにしていますが,ヤドリバエ科の分類と同定はかなり難しいので,私も特別の必要がない限り彼にもヤドリバエの同定をお願いしていません.特に名称を知る必要がある方は,このサイトに投稿されて,たまたま彼の眼にふれ,かつ投稿された画像などで分かりやすい種ならば,彼が気軽に同定してくれるかも知れません.
それにしても,日本産の双翅目のせめて属までの検索図鑑の必要性が高いですね. |
おっと、タイトルが誤植ですが、これはこれで生き物屋らしいのでそのままにしておきます。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 今年はWeb図鑑の方も一気に進めていきたいところですね。 皆様ぜひご協力お願いいたします。 また、ハナアブネット、ニクバエネットの方で各地の記録データも募集してますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。 |
アトわずかで2006年が終わろうとしております。皆様良いお年をお迎え下さい。
2007年の皆様のDiptera的発展?をお祈りしております。 |
文献検索に便利なサイトであるCiNiiのシステムがまた変わったようです。
以前は検索して出てきた結果の「本文有り」をクリックして、もうひとつ別窓がひらき、さらに抄録が出て、その中にPDFを選ぶようになっていたので、DLできたのですが、今日やってみたら検索結果からいきなりPDFが表示されるようになっていました。便利なようですが、DLして保存は出来なくなってしまったようです。(昆虫学会&衛生動物学会) |
バグリッチさんの同定の通りオドリバエ科のHemerodromia属の1種ですが,この時期に東京で活動しているというのは非常に意外でして,興味ある記録です.属としては正式に記録されていませんが,私の整理した標本についてみると日本には12種以上が棲息しています.多くは中胸の背板は一様に黒褐色かあるいは一様に黄色です.写真のように暗条を表す種はごく少数です.そのようなわけで,ちょっと珍しい種ですから,宜しかったら詳細な撮影場所を教えていただければ幸いです.
この属の種は幼虫が流れの淡水性で,小型の水生昆虫の幼虫などを捕食しています.成虫は流れの岸のイネ科などの草本の上に多く,やはり小型の双翅類などを前脚で捕獲して食べます.ですから,岸の草を掬うことで採集できます.体が細く,色が黄白色のものが多く,しかも捕虫網の中であまり活発に動かないので,良く眼を凝らさないと見逃します. 再び同じ場所に行かれるのでしたら是非上記の方法で採集してみてください. なお,この属より一般に大型で,翅に中室があるChelifera属もほぼ同じ生態ですが,個体数も種数もHemerodromiaより少ないです.また,これら2属と同じように前脚が鎌形の捕獲脚に変形したオドリバエに,Chelipoda属,Phyllodromia属があり,両属あわせて日本に10種足らず棲息しています.これらは,腹部がHemerodromiaのように,長くなく,触角刺毛がかなり長く,また翅にR4脈がありません.これらの属は,幼虫が水生ではないようで,流れの近くより,山道や山腹の草むらを低く掬うと採集できます.
アノニモミイア様
詳細な解説ありがとうございました。撮影した場所は、八王子市の長池公園という場所で、下記のURLにアクセスマップなども掲載されています。 http://www.pompoco.or.jp/nagaike/index.htm 公園の中の撮影した場所は下記にマークした場所です。 http://biodb.i.hosei.ac.jp/nagaike/FMPro?-DB=NagPhoto.fp5&-Lay=page&-Format=photopage.html&-Max=1&NagP=NagP03605&-Find 撮影した場所は水際から10mほど離れたシラカシの葉の裏側で、アノニモミイアさんの解説にあるように、動きは緩慢でストロボを20回近く焚いても、同じ葉に止まったままで飛び立つことはありませんでした。 というわけで、撮影した個体は今、止まっていたカシの葉ごとフィルムケースに収まり手元にあります。メールでご連絡いただければ、アノニモミイアさんに送付させていただきます。 |
前便はtosakaさんの「ハエでしょうか?」の返信のつもりでしたが,無題で投稿してしまいました.文面から「はえでしょうか?」への返信であることはご理解いただけたと思います.
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