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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/25(Mon) 22:06 No.2713  引用 
以前投稿したのと同じ茶髪のハエを見つけたので投稿します。

Re: また茶髪のハエ 投稿者:ハエ男 投稿日:2006/09/26(Tue) 09:53 No.2714  引用 
ただいま福岡で飛行機待ちのワシです。

ヤドリバエ科の一種ですね〜・・
今回の双翅目国際会議でもヤドリバエ科の専門の方にもお会いしましたが、やはり一方向面からの画像では同定は無理とのことでした。(ヤドリバえについては日本ではこの方に逆らえる方はいないほどの方の言ですので・・ワシではとてもできそうもありません。)

でも、いつかなんとかしたいものですね〜〜・・・

Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/26(Tue) 22:47 No.2716  引用 
今回は一応、茶髪くんを確保してあるのですが、どのあたりを撮影するとよいのでしょうか。ちなみにフィルムケースのなかでかなりバタバタして、翅の先のほうはボロボロになってしまっています。

Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/27(Wed) 14:03 No.2717  引用 
頭部の側面からと正面からの剛毛配列がわかるような画像、
各脚の剛毛配列がわかるような画像、
胸部側面の剛毛がわかるような画像、
交尾器の画像

があれば、もしかしたらヤドリバエの専門家が見て答えてくれるかもしれませんが、本当にしゃれにならないくらい種類が多いので、何に寄生していたのかを見て、現物を完璧に保管して、標本処理して、専門家に見てもらう以外に方法はないと思います。(つまり実際にはそこまで出来ませんのでほとんど無理ってことですね・・)

Re: 頭痛い問題 投稿者: 投稿日:2006/09/28(Thu) 12:53 No.2719  引用 
あと、日本でのヤドリバエ科のまとまった文献はないので、ワシは中国蝿類を頼りにしてるのですが、これにもかなりの問題があるとのことで、そうなってしまうと本当に素人にはどうしようもない、手も足も出せないグループということになってしまいます。

Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/30(Sat) 23:28 No.2720  引用 
一応撮影してみたので、添付させていただきます。
その1:側面


Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/30(Sat) 23:29 No.2721  引用 
その2 正面

Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2006/09/30(Sat) 23:31 No.2722  引用 
その3 脚

Re: また茶髪のハエ 投稿者: 投稿日:2007/01/03(Wed) 00:02 No.2883  引用 
アノニモミイアさんにお訊ねして、Calozenillia tamaraという種類だと教えていただきました。

Re: また茶髪のハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/01/03(Wed) 15:04 No.2884  引用 
Calozenillia tamaraの同定者は,新進のTachinidaeの研究者である九州大学熱帯農業研究センター所属の舘 卓司博士です.私の方は,無職できままな生活をしていますから,オドリバエ上科やキノコバエと糸角類のマイナーな群の御投稿には極力分かる範囲でおこたえするようにしていますが,ヤドリバエ科の分類と同定はかなり難しいので,私も特別の必要がない限り彼にもヤドリバエの同定をお願いしていません.特に名称を知る必要がある方は,このサイトに投稿されて,たまたま彼の眼にふれ,かつ投稿された画像などで分かりやすい種ならば,彼が気軽に同定してくれるかも知れません.
それにしても,日本産の双翅目のせめて属までの検索図鑑の必要性が高いですね.

菌が信念 投稿者: 投稿日:2007/01/01(Mon) 21:52 No.2881  引用 
おっと、タイトルが誤植ですが、これはこれで生き物屋らしいのでそのままにしておきます。

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今年はWeb図鑑の方も一気に進めていきたいところですね。
皆様ぜひご協力お願いいたします。

また、ハナアブネット、ニクバエネットの方で各地の記録データも募集してますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。

あとわずか 投稿者: 投稿日:2006/12/31(Sun) 23:23 No.2880  引用 
アトわずかで2006年が終わろうとしております。皆様良いお年をお迎え下さい。

2007年の皆様のDiptera的発展?をお祈りしております。

CiNiiが変わった? 投稿者: 投稿日:2006/12/26(Tue) 22:00 No.2875  引用 
文献検索に便利なサイトであるCiNiiのシステムがまた変わったようです。

以前は検索して出てきた結果の「本文有り」をクリックして、もうひとつ別窓がひらき、さらに抄録が出て、その中にPDFを選ぶようになっていたので、DLできたのですが、今日やってみたら検索結果からいきなりPDFが表示されるようになっていました。便利なようですが、DLして保存は出来なくなってしまったようです。(昆虫学会&衛生動物学会)

無題 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/12/24(Sun) 17:38 No.2872  引用 
バグリッチさんの同定の通りオドリバエ科のHemerodromia属の1種ですが,この時期に東京で活動しているというのは非常に意外でして,興味ある記録です.属としては正式に記録されていませんが,私の整理した標本についてみると日本には12種以上が棲息しています.多くは中胸の背板は一様に黒褐色かあるいは一様に黄色です.写真のように暗条を表す種はごく少数です.そのようなわけで,ちょっと珍しい種ですから,宜しかったら詳細な撮影場所を教えていただければ幸いです.
この属の種は幼虫が流れの淡水性で,小型の水生昆虫の幼虫などを捕食しています.成虫は流れの岸のイネ科などの草本の上に多く,やはり小型の双翅類などを前脚で捕獲して食べます.ですから,岸の草を掬うことで採集できます.体が細く,色が黄白色のものが多く,しかも捕虫網の中であまり活発に動かないので,良く眼を凝らさないと見逃します.
再び同じ場所に行かれるのでしたら是非上記の方法で採集してみてください.
なお,この属より一般に大型で,翅に中室があるChelifera属もほぼ同じ生態ですが,個体数も種数もHemerodromiaより少ないです.また,これら2属と同じように前脚が鎌形の捕獲脚に変形したオドリバエに,Chelipoda属,Phyllodromia属があり,両属あわせて日本に10種足らず棲息しています.これらは,腹部がHemerodromiaのように,長くなく,触角刺毛がかなり長く,また翅にR4脈がありません.これらの属は,幼虫が水生ではないようで,流れの近くより,山道や山腹の草むらを低く掬うと採集できます.

Hemerodromia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/12/24(Sun) 23:07 No.2874  引用 
アノニモミイア様
詳細な解説ありがとうございました。撮影した場所は、八王子市の長池公園という場所で、下記のURLにアクセスマップなども掲載されています。
http://www.pompoco.or.jp/nagaike/index.htm
公園の中の撮影した場所は下記にマークした場所です。
http://biodb.i.hosei.ac.jp/nagaike/FMPro?-DB=NagPhoto.fp5&-Lay=page&-Format=photopage.html&-Max=1&NagP=NagP03605&-Find
撮影した場所は水際から10mほど離れたシラカシの葉の裏側で、アノニモミイアさんの解説にあるように、動きは緩慢でストロボを20回近く焚いても、同じ葉に止まったままで飛び立つことはありませんでした。
というわけで、撮影した個体は今、止まっていたカシの葉ごとフィルムケースに収まり手元にあります。メールでご連絡いただければ、アノニモミイアさんに送付させていただきます。

無題 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/12/24(Sun) 17:40 No.2873  引用 
前便はtosakaさんの「ハエでしょうか?」の返信のつもりでしたが,無題で投稿してしまいました.文面から「はえでしょうか?」への返信であることはご理解いただけたと思います.

ハエでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/12/23(Sat) 17:30 No.2869  引用 
12月23日に八王子市で、シラカシの葉の裏側でヨコバイを探していたときに見つけました。頭の先から羽の先端までの長さは約3.2mm。カマキリのような太い前足をしています。
名前が分かれば教えていただきたいのですが。
よろしくお願いします。


Re: ハエでしょうか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2006/12/23(Sat) 18:16 No.2870  引用 
こんちは。

 画像の種は、オドリバエ科カマオドリバエ亜科のHemerodromia sp.でよいのではないかと思います。
 添付の画像はHemerodromia sp.ですが、tosakaさんの画像とは胸部背面の色彩が異なって見えますので、別種の可能性が高いですね。
 小さいですが、カマ型の前脚は興味深いです。

 ではまた。


Re: ハエでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/12/23(Sat) 19:11 No.2871  引用 
バグリッチさん、どうもありがとうございます。横から見た画像を貼り付けようとしたら、もうコメントをしていただいておりました。カマオドリバエという名前は初めて聞きました。

ついでにサービス 投稿者: 投稿日:2006/12/02(Sat) 21:46 No.2815  引用 
久々なので、まとめてあと1種。

Rhamphomyia(Calorhamphomyia) complicansと思います。

体長約7mm。茨城県北部の標高約600mのブナ林で、5月下旬の採集です。
交尾器のpenis後面に竜骨突起があります。

現在、長年宿題をさぼっていたMelangyna属を調べていますが、Rhamphomyiaのように交尾器に明瞭な差が出ていると楽しいのですが・・・・

よろしくお願い致します。


Re: ついでにサービス 投稿者: 投稿日:2006/12/02(Sat) 21:47 No.2816  引用 
かっこいい交尾器ですね。

Re: ついでにサービス 投稿者: 投稿日:2006/12/03(Sun) 02:50 No.2817  引用 
アノニモミイアさんは12/7くらいまで八重山だそうです。

Re: ついでにサービス 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/12/20(Wed) 14:26 No.2865  引用 
同定されたとおりRhamphomyia (Calorhamphomyia) complicans Frey, 1953の雄です.本種は東北,関東ー中部,近畿ー中国の3群に雄交尾器のペニスの竜骨状突起と湾曲の具合で分かれます.北関東のものはその点では境界域なので面白い場所です.なお,本亜属のペニスは様々な屈曲や湾曲,付属突起を出していますが,これらは決して柔らかいものではなくて,硬く骨化したものであって,変形しません.
本種は林間の空き地で斜めに向かう楕円軌道の大群飛を行います.上端は10m程です.R. complicans群には,本種より1ヵ月早く出現する別種があります.
Calorhamphomyia亜属は日本に約50種いますが,まだ未調査地域(北関東,房総,東海,紀伊半島,四国山地)などからは未発見の種がいる可能性があります.台湾の山地や朝鮮半島,あるいは中国西部などで本亜属が発見されると面白いのですが,今のところ日本列島と北米東部の固有亜属です.

Re: ついでにサービス 投稿者: 投稿日:2006/12/21(Thu) 08:35 No.2868  引用 
アノニモミイア様。

詳細なコメントありがとうございます。
どの種類をたずねても、地方変異や生態面の情報を把握しておられるようで、頭が下がるばかりです。

また、早春や秋口はオドリバエにはほとんど注意していなかったので、来年からは注意して採集してみます。

今後ともよろしくお願い致します。

水辺のハエ 投稿者:のらじ 投稿日:2006/12/19(Tue) 12:37 No.2856  引用 
こんにちは。
よく池や水溜りの水面に群れてとまっている小さなハエの名前を教えていただきたく書き込みしました。
よく見かけるので、専門書ではないですがいろいろと図鑑を当たってみましたがわかりません。
アメンボのように上手に水面にいつも浮いていているので不思議です。
埼玉県松伏町、11月9日の撮影です。

Re: 水辺のハエ 投稿者:のらじ 投稿日:2006/12/19(Tue) 12:40 No.2857  引用 
写真添付を忘れました。

Re: 水辺のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2006/12/19(Tue) 22:42 No.2861  引用 
こんちは。

 この種は、ミギワバエ科のBrachydeutera sp.でよいと思います。(この添付画像Brachydeutera sp.と比較してください)
 種名は画像からではわかりませんが、地域から推定するとB.ibariかB.argentataの可能性があると思います。

 ミギワバエ科はおそらく みんな 水の上を歩けるようですが、この属は、オープンな水面が特に好きなようですので、アメンボに似た印象があります。

 小さくて地味なdipteraは、やっかいですが、良く見ると面白いです。
 ではまた。
 


Re: 水辺のハエ 投稿者:のらじ 投稿日:2006/12/20(Wed) 14:40 No.2866  引用 
バグリッチさま
ご回答ありがとうございました。
参考写真もありがとうございます。ミギワバエのなかまが水の上を歩けるというのもおもしろいです。
身近な生きものなのに、すぐに調べられないのがもどかしい虫たちです。
丁寧にありがとうございました。もう一度調べてみます。

しばらくぶりのオドリバエ 投稿者: 投稿日:2006/12/02(Sat) 21:10 No.2813  引用 
しばらく、オドリバエです。

Rhamphomyia(Pararhamphomyia) setulosaと思われます。

体長約4mm。茨城県北部の標高約600mのブナ林で、5月下旬の採集です。

よろしくお願い致します。


Re: しばらくぶりのオドリバエ 投稿者: 投稿日:2006/12/02(Sat) 21:11 No.2814  引用 
同じく交尾器です。

顕微鏡用のデジカメが調子悪いのでデジタルズームです。
低倍率ですみません。


Re: しばらくぶりのオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/12/20(Wed) 14:13 No.2864  引用 
同定されたとおりR. (Pararhamphomyia) setulosa Saigusa, 1964の雄です.本種はPararhamphomyiaの中に近縁種が見当たらないもので,本州から九州,更に朝鮮半島にも分布しています.やや発生期が遅く,春というより初夏の種です.雌は未記録ですが,翅が著しく暗褐色で,雄と共に採集できるほかのRhamphomyiaにはこのような雌はないので,識別は容易です.

本種よりずっと遅く8月中・下旬に中部地方の亜高山帯に現われるのがR. (Pararhamphomyia) rotundicaudaです.これはciliatopoda群に入ります.本群は更に遅く10月下旬に本州から九州にかけて1未記載種が発生します.ほかに,奄美大島のciliatopoda,沖縄本島のyasumatuiがあります.琉球列島には他にも数種未記載種があり,まだ今後も新しい種が出る可能性があるので,10日ほど調査にでましたが,ほとんど連日雨でした.しかし,沖縄本島ではyasumatsuiのほかに2種未記載種が混生しているのには驚きました.もう本土ではシーズンオフですが,秋のEmpisやRhamphomyiaは結構面白い種がいるようです.

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