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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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ベッコウバエ科質問 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/04/30(Wed) 21:02:01 No.4495 ホームページ  引用 
新訂昆虫大図鑑を見ていて,以前から思っていた疑問を思い出しました.

ベッコウバエは,従来Drymyza属とされていましたが,Ozerov(1987)でベッコウバエ科の再検討がなされ,属が大幅に変更されました.

旧北区の双翅目マニュアルや極東の昆虫の検索を見ると,ベッコウバエはNeuroctena formosaとなり,Kurahashi(1981)で記載された種類も全てNeuroctena属となるようです.

さて,ベッコウバエ科については,倉橋氏が「はなあぶ」No.10で日本初記録の2種類を紹介していますが,カラープレートの写真は腿節腹面の剛毛などから上下逆だと思うのですが,訂正などの情報は出ていませんか?
(おそらく,上2枚がNeuroctena analis,下2枚がParadryomyza spinigera.)

ついでに,極東の昆虫の検索では,ハクサンベッコウバエ Neuroctena melanacmeが,エゾベッコウバエNeuroctena analisのシノニムとされていますが,情報不足で妥当性が不明です.

Re: ベッコウバエ科質問 投稿者:三枝豊平 投稿日:2008/04/30(Wed) 23:46:17 No.4496  引用 
ベッコウバエの学名に対する市毛さんの指摘ありがとうございました.

市毛さんの指摘をみて,本種の担当が私であることに改めて気付いた,というようなわけで,無責任といわれればその通りということになります.他にもこのような不完全・不十分の箇所がままあることと思います.お気づきの点は是非ご遠慮なくご指摘いただければありがたいです.

言い訳がましいのですが,これまでもほかで指摘しましたとおり,本書の編集過程はどさくさというか,泥縄の代物もいいところで,いつの間にかベッコウバエ科までも(しかも本種は同一図版のほかのハエから見てもとても私の範疇ではないのに)私の担当ということになっているようです.

もし,私がコメントしたとすれば(全く記憶してないのですが,どさくさでファックスで旧版コピーを送ってファックスで即返事が欲しいというような頼み方をしてきたこともあったので,その時かも),さしあたり学名や分布が九大農昆虫の目録に適合していたらそれで良し,とするくらいの時間的余裕のない状況での結果ということになります.

同書の双翅目(ハエ目という名称は末尾に示すとおり私は絶対反対:双翅目談話会はハエ目談話会にならないで下さい)の概説にしても,初めはっきりと私には頼まないと編集が明言しておいて,そのうち誰も引き受け手がなくなって,いよいよ原稿締切をとっくに過ぎてから私のところに泣きついてきました.本来断ってもよかったのだけれど,形態名などがかなり変遷していることもあり,仕方なしに無理して引き受けざるを得なかったというのが実情です.

終わりに,同書で双翅目をハエ目となっている点ですが,全体の統一方針ということであえて反対はしませんでした(賛成ということではありません).どの世界をみてもDipteraをFly order(英)とか,Ordre Mouche(仏)とか,Ordnung Fliegen(独)とか,Otryad Myxa(露)とか,蝿目(中国;台湾)とか言っているところはありません(これらのスペルにはちょっと自信なし).Order Diptera, Ordre Dipteres, Ordnung Zweifluegler, Otryad Dvukriylye, 双翅目(中),雙翅目(台湾)と自国語で呼んでいて,Dipteraを原語かそれぞれの言語に訳して本来の意味が通るように使っています.日本の文部省とそれに追随する軽薄な一部の御用学者がハエ目とかチョウ目とか勝手に決めていて(日本昆虫学会にさえも相談なし),しかもコウチュウ目といわずに甲虫目を使う輩さえも現われています.なんともセンスのない馬鹿げた話です.このチョウ目,ハエ目,などは私の知る範囲ではもともと大阪自然史博の日浦勇さんが通俗的な意味で用いていたものであって,いくら分りやすいと言っても,子供用ではまだしも官製「学術」用語にこれを使うというのは,思考放棄をさらけだしたようなものです.

私は片仮名を反対しているのではありません.私はBlattariaやEphemeridaをあえて難しい漢字ーーここにはかかないけれど読めばヒレンモクとフユウモクーーで書かなくてもblattaとephemeraがそれぞれゴキブリのラテン語,カゲロウのギリシャ語であるから,これはゴキブリ目とカゲロウ目でもいいと思います(系統的に極めて近縁なゴキブリ類とカマキリ類をまとめた”目”Dictyopteraは網翅目が妥当な和名で,官製幼稚名愛好者はどのようにするのでしょか.ゴキブリとカマキリのどちらを目名に採用しても相手からクレイムが来るでしょう).

序でに言わせていただければ(前にも書いたけれど),maxillary palpusを小顎肢とするように北隆館編集から強く要請されたけれど,これは小顎鬚で押し通しました. MaxillaがAppendage of maxillary segmentが(頭部を構成する)小顎節の付属肢,すなわち小顎肢であって,これはcardo, stipes, maxillary palpus, galea, lacinia等で構成されていて,maxillary palpusはこの付属肢(肢)の1構成要素に過ぎず,あくまでもpalpusは鬚(ひげ)なのであって肢(あし)全体ではないのです.

こんな簡単明快な形態学の基礎も省みずに,鬚の字が難しいからどこかで中根猛彦先生が肢を使っていたから,これを採用した,というのが訳の分らない事情のようです.難しいのであれば,目の名称さえも片仮名書きがお好きなのだから,「こあごひげ」または「小顎ひげ」とすればいいのです.大体平嶋先生たちが著した「昆虫分類学」でもこの幼稚な官製用語を目名にして,九大農昆虫の目録でもこれを採用するから,多くの事情を知らない人々がこれに追随してしまうのです.

目に対するこんな局所短絡的な名称では,全体の有力形質が消えてしまいます.ハエのほかにガガンボ,ブユ,アブ,メマトイ(そしてマクナギ)など双翅目に属する昆虫にはハエ以外がたくさんあるわけですし,チョウ目に至っては日本人は英語圏と同様に蝶(butterfly)と蛾(moth)をかなり明確に区別しています.(カイコの成虫を,養蚕をしていた私の母などは「チョウ」とも呼んでいましたが).カメムシ目もひどいもので,セミ,ヨコバイ、ウンカ,アワフキムシ,カイガラムシ,コナジラミ,アメンボ,タイコウチ,タガメ,ミズカマキリ,カメムシなど枚挙にいとまない実態です.ハチ目,コウチュウ目,トビケラ目などは全体像(主要形質ではない)が見えても,ハエ目,チョウ目,バッタ目,カメムシ目はとてもいただけません.

長くなりましたが,この図鑑の刊行には晴らしがたい鬱憤がずいぶんとずっと貯まっています.

Re: ベッコウバエ科質問 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/05/01(Thu) 21:46:58 No.4497 ホームページ  引用 
三枝様.

私もDipteraは双翅目と表記すべきだと思っております.

比較的大きな種類や斑紋などを備えた特徴的な種類だけでも同定出来ないか,自力で文献などを集めていますが,文献を集めるということが如何に時間と手間がかかるか染み染み感じております.
また,日本産の双翅目に関連する文献でも,日本国内に所蔵されていない雑誌等が多数あり,海外の図書館からの複写は桁違いに費用が掛かりたいへんです.

実は,フンバエ科でも真偽不明のシノニム処置がされているらしい情報を見つけたのですが,出典であるDipterologica Bohemoslovacaという雑誌が日本に収蔵されていないため放置してます.

下記のFauna Europaeaのデータベースによると,ササカワフンバエParallelomma sasakawaeやギボシフンバエモドキP. hostaeがParallelomma vittatumのシノニムと書かれています.

http://www.faunaeur.org/full_results.php?id=142806

Sifner, F. 1978. La revision synonymique des especes du genre Americina Malloch, 1923 (Diptera, Scatophagidae) Dipterologica Bohemoslovaca 1: 283-302

トゲベッコウバエ 投稿者: 投稿日:2008/04/27(Sun) 22:03:17 No.4488 ホームページ  引用 
昨年の3月ごろに市毛さんが質問で出していた
トゲベッコウバエSteyskalomyza hasegawai Kurahashi1982
と思しきものを群馬県川古温泉で捕まえました。
新潟の三国峠でも見つかっているというので、これだと思いますが、お見立ていかがでしょうか。
ペットボトルでスズメバチを取るトラップがありますが、あれの昨年から吊るしっぱなしのがありまして、中の虫が腐っていたのでしょう、その中に何匹か新たに捕まってぶんぶんやっていました。


Re: トゲベッコウバエ 投稿者: 投稿日:2008/04/27(Sun) 22:04:17 No.4489 ホームページ  引用 
こちら横からの写真

Re: トゲベッコウバエ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/04/27(Sun) 23:07:28 No.4490 ホームページ  引用 
達磨様,こんばんは.

確かに,腿節末端が黒いことや,かすかですが全体に長いトゲがあるのが見えるので,同じ種類のようです.
http://homepage3.nifty.com/syrphidae1/diptera_web/cyclorrhapha/Steyskalomyza_hasegawaiM.jpg

結構広く分布しているようなので,ハネカ同様茨城でも探して見たいと思います.

Re: トゲベッコウバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/04/28(Mon) 01:15:11 No.4491  引用 
北海道,岩手,山形の本種の標本を持っています.同定の参考に先ず雌の写真.

Re: トゲベッコウバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/04/28(Mon) 01:16:11 No.4492  引用 
次は雄の側面.

Re: トゲベッコウバエ 投稿者: 投稿日:2008/04/28(Mon) 23:48:42 No.4494 ホームページ  引用 
昨日の今日で嘘のようですが、今朝、愛犬の糞を片付けていて、それにたかるトゲベッコウバエのオスを発見、採集しました。庭にいるとは灯台下暗しです。私の中で、この虫の株が下がったのはいうまでもありません。

市毛さん、アノニモミイア先生ご連絡ありがとうございました。写真の個体と比べると、脚の剛毛の状態などの雰囲気がかなり異なるのが気になります。庭にいることが分かったので、ちょっと数を集めてみようと思います。
←日光市田母沢産 雄

エゾホソルリミズアブでしょうか 投稿者:平群庵 投稿日:2008/04/22(Tue) 15:12:04 No.4483  引用 
お世話になります。
写真は私の住んでいる地域で大発生し、一週間くらい前からいたる所で見られるミズアブです。
体長8mm前後 写真左と中は♂で、右は♀です。(2008年4月 奈良県平群町で撮影)
以前このサイトでの質問で

無題 投稿者:Xespok 投稿日:2005/04/16(Sat) 21:57 No.1143
Do you know what is this species?

として登場したものと同じだと思います。(BBSのワード検索"Actina"で出ます) その時のハエ男さんのコ

メントは『複眼周りの毛の長さが長いのがActina』とありましが、今回、毛の写真が撮れました。
該当しそうなものにエゾホソルリミズアブがありますが北隆館図鑑で、エゾホソルリミズアブActina

ezoensis は体長6.5mm内外となっていて、大きさが違います(平群産が揃って生育がよいのかもしれません

が)。
あと、Actina nigripes というのがあるようですがどんなものか判りません。

どうかご教授ください。


Re: エゾホソルリミズアブでしょ... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/04/22(Tue) 22:41:50 No.4484  引用 
平群庵様.

側面からの写真に写っている長毛は,額や顔の長毛です.♂の複眼が離眼的なことや顔の長毛から,恐らくActina属と思われます.

Actina属だとすると,脚の色彩などからエゾホソルリミズアブ Actina jezoensis と思われます.

Actina属の3種の違いについては,下記の文献に書かれております.A. nigripesは,後脚の基付節全体が暗色となります.

http://nels.nii.ac.jp/els/contents_disp.php?id=ART0008228450&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=Z00000016288980&ppv_type=0&lang_sw=&no=1208870190&cp=

Re: エゾホソルリミズアブでしょ... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/04/22(Tue) 22:45:27 No.4485  引用 
Nagatomi, A. and Tanaka, A.の日本産ActinaとAllognostaの論文のActina関係のkeyの部分をPDFにして添付しました.参考にしてください.多数採れるのならお送りいただければ交尾器などは検査できます.この論文のA. japonicaは今はA. deidamia Lindner, 1936のシノニムになっています.

添付:4485.pdf (93KB)

Re: エゾホソルリミズアブでしょ... 投稿者:平群庵 投稿日:2008/04/23(Wed) 23:11:37 No.4486  引用 
市毛様、アノニモミイア様、ありがとうございます。
おかげさまで一問解決しました。
しかし、その間にも見知らぬ虫に出くわします。
またその節はよろしくお願いします。

これがキリウジガガンボ? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/04/19(Sat) 23:34:25 No.4472  引用 
こんちは。

 3月に埼玉の田んぼで採ったガガンボです。
 たぶん、キリウジガガンボではないかと思いましたが、確定したことが無いので、自信がありません。
 画像で おわかりになる範囲で ご教示いただけましたら幸いです。

 いかがでしょうか?


Re: これがキリウジガガンボ? 投稿者: 投稿日:2008/04/19(Sat) 23:58:20 No.4473 ホームページ  引用 
違うんでないかな。
腹部第9節の背板の後縁の形だけ描きとってもらえればわかるとおもいます。

Re: これがキリウジガガンボ? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/04/21(Mon) 22:10:19 No.4482  引用 
達磨様、こんにちは。

 いつもありがとうございます。
 早速、描いて見ましたが、この部分でよろしいでしょうか?

 ちなみに、同一個体でなく、同種と思われる別個体です。

 背板の正中線上の末端部分が角ばって描かれていますが、毛が多くてはっきり形状は見えませんでしたので、ちょっと違っているかもしてません。

 描く場氏が違っていましたら、ご指摘お願い致します。

ミズバショウに訪花するハナバエ 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/04/20(Sun) 23:03:18 No.4474  引用 
今日、札幌市郊外の西岡水源池で、ミズバショウの花粉媒介をしているらしいハエを採集してきました。以前からハナバエ科なのではないかと予想していたのですが、採集してみると、やはり予想が正しかったようです。これから同定を試みてみます。

Re: ミズバショウに訪花するハナ... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/04/21(Mon) 20:52:40 No.4480  引用 
こんちは。

 一見、ヤチバエ科に思えますが、有弁類でしたでしょうか?

 印象だけではハナバエっぽくないように見えますが、もちろん 私が違っているかもしれません。

 間違っていたらすいません。

Re: ミズバショウに訪花するハナ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/04/21(Mon) 21:30:51 No.4481  引用 
>  一見、ヤチバエ科に思えますが、有弁類でしたでしょうか?

これは大失態でした!今顕微鏡で触角をチェックしてみましたら、触角第2節に縦溝がありません。β脈が翅の縁まで達していたので、ついうっかりハナバエ科にしてしまいました。

>  印象だけではハナバエっぽくないように見えますが、もちろん 私が違っているかもしれません。

いえいえ、疲労が出ると持病(線維筋痛症)の痛みで頭が朦朧としてきますので、判断がいい加減になることがあります。ご指摘ありがとうございました。いや、穴があったら入りたい!

沖縄のマガリケムシヒキ 投稿者: 投稿日:2008/04/21(Mon) 18:36:49 No.4478  引用 
こんにちは

沖縄県名護市で今年3月に採集したNeoitamusマガリケムシヒキ属です。
新訂大図鑑の検索では、翅の前縁部に微毛を欠く部分があること、前腿節末端はオレンジ色なのでN. angusticornisナミマガリケに行き着くのですが、他の特徴が一致しません。もっとも、既知の5種の分布域に沖縄が入っていません。

これは、未記載種3種のうちのどれかになるのでしょうか?


Re: 沖縄のマガリケムシヒキ 投稿者: 投稿日:2008/04/21(Mon) 18:41:21 No.4479  引用 
画像の順番を間違えました。

Geniは、ナミマガリケよりsurstylusが長めです。
ナミは第8背板の末端が鈍角に切れ込みますが、この種には切れ込みがありません。

unknown diptera 投稿者:てる 投稿日:2008/04/21(Mon) 10:15:43 No.4477  引用 
個人的に少し探しているハエがあります。写真のバルト琥珀のハエが少なくともその属でないことは判るのですが、やや類似した形質があって気になっています。

たいした根拠はないのですが、羽脈からPlatypezidae系の祖先的なもの(たとえばOpetia)かその特殊なもの(たとえばLonchopteridae)かな??などと直感的に思いました。それは違うぞ、と判定できる方がおられましたら、ぜひコメントお願いします。

実物はないので、写真以上のことはわかりません。上の範疇のものである可能性があれば、入手して、検分したいと考えています。

ニクバエ雌の同定 投稿者: 投稿日:2008/04/15(Tue) 21:25:06 No.4438  引用 
最近、今までに採集してあったニクバエの雌の腹部をKHOで処理して解剖し、同定を試みています。いくつかどうしてもわからないものもあるのですが、まじめに解剖すれば、かなりの個体がFauna Japonicaの生殖器の図で同定できそうです。

成熟した卵を持っている個体や産仔をひかえた個体だと蔵卵数も出せるので、生態学的に興味深い数値も得られてなかなかに面白いものです。たとえばシリタカニクバエですと最大22卵程度なのに対して、ナミニクバエだと同等のサイズなのに60を超えます。この差はすごい。センチニクバエは文献によると50ほど産むらしいので、人里で害虫化する種類は産仔数が多いのでしょうかね。

Re: ニクバエ雌の同定 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/04/20(Sun) 23:09:02 No.4475  引用 
これがシリタカニクバエの雌ゲニタリアです。

Re: ニクバエ雌の同定 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/04/20(Sun) 23:13:19 No.4476  引用 
そして、これが乾燥標本の解剖で得られた成熟卵です。この個体は19個の成熟卵を保有していました。子宮内の卵が完全に発育して幼虫になっていると殺虫管の中で死ぬときに幼虫の一部を産出してしまうことが多いのですが、成熟卵の段階ではあまりそういうことはないため、体内で保有している成熟卵の実数をあらわしていると思われます。

クチナガガガンボの一種 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/04/16(Wed) 23:23:55 No.4452  引用 
こんちは。

 昨年の秋に千葉の雑木林で採ったクチナガガガンボ類と思われる種です。

 ゲニの図で、種まで行きますでしょうか?

 ご教示いただけましたら ありがたく存じます


Re: クチナガガガンボの一種 投稿者: 投稿日:2008/04/18(Fri) 22:15:23 No.4468 ホームページ  引用 
達磨です。
おそらく、これはElephantomyia hokkaidensis Alexander, 1924 "the"クチナガガガンボです。
原記載文を読むと大変よく似ているものにE. takachihoi Ito, 1948というのがいますが、まだ両種をよく勉強していないので、これまでえられている写真のようなガガンボは皆hokkaidensisと仮に同定しています。
秋にキク科植物(特にアザミ類)に集まり吸蜜するので、しばしば写真で紹介されます。

Re: クチナガガガンボの一種 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/04/19(Sat) 23:28:11 No.4471  引用 
達磨さま

 いつも、ご教示ありがとうございます。
 クチナガガガンボElephantomyia hokkaidensisとして、記録させていただきます。
 確かに、秋に キク科植物の花に集まっています。
 特徴的なので、以前から気になっていました。

 引き続き宜しくいお願申し上げます。
 

ロクロウヒラズムシヒキ...多分... 投稿者:なんくろ 投稿日:2008/04/18(Fri) 00:03:41 No.4464  引用 
佐賀県の海浜で4月15日に撮影したものです。
tgwさんのムシヒキアブ図鑑で検索、図版確認(交尾器等)してみるとロクロウヒラズムシヒキに落ちました...が、今のところ本種は本州産の記録のみのようです。
ゴヘイニクバエがいないかな?と思って浜辺をうろついたのですが、海浜植生のある場所では、この種ばかりが見られました。雄雌共に多く、交尾行動も見られました。
福岡県の海浜ではありますが、3月18日に浜辺をうろついたときにはこの種を見かけることはありませんでした。
また、昨年の秋には見られなかったので、今頃、春の海浜で見られる種なのかな?
原記載は群馬県の伊香保ですので、砂地が好きなのかも知れません。


Re: ロクロウヒラズムシヒキ...... 投稿者: 投稿日:2008/04/18(Fri) 16:33:16 No.4467  引用 
なんくろ様、こんにちは。

え〜と、これはLasiopogon属の未記録種の可能性が高いです。おそらく、私が新潟で観察しているものと同種か近似種でしょう(昨年のNo.3406〜の記事をご覧下さい)。こちらでは、桜が咲く頃から5月末頃まで見られます。

ちなみに、ロクロウヒラズムシヒキは河川で見られるものらしく、春季に海浜で見られるのは別種だそうです(聞きかじり)。

日本産のLasiopogon属については、現在、UTSUKI氏が研究中です。多めに採集して、標本を提供していただければと思います。できれば、DNA解析用に無水エタノール液浸標本もあるとなお良いでしょう。

Re: ロクロウヒラズムシヒキ...... 投稿者:なんくろ 投稿日:2008/04/19(Sat) 01:35:58 No.4470  引用 
猫又さま

おぉ、そうだったんですね。
違和感があったのですが、氷解いたしました。
感謝、感謝です。
乾燥標本としては多少採集しています。
最近はいつもDNA分析用にアセトンを入れた容器を持ち歩いているので、今度見かけたときはアセトン漬けにしておきたいと思います。

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