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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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フトクロハラナガ?! 投稿者:pakenya 投稿日:2007/10/04(Thu) 16:03:55 No.3915  引用 
こんにちは。関東は久しぶりに日射が出て暑いです。

ハラナガハナアブの不明種を標本箱から見つけました。
3609のニセヨコモンハナアブ(はなあぶ24号に投稿中)と同じ山形県米沢市の吾妻連峰で今年の6月に採集したものです。

クロハラナガChalcosyrphus longus (Coquilett,1898)と同じように、広葉樹の枯木に飛来したものを採集しておりました。
クロハラナガと思い込んで標本箱に並べたら・・・

全然違うじゃん!

翅の曇りが少なく、腹部が太くて波を打ち、前中腿節も強く膨れています。後脛節末端にはトゲ状突起もありません。

日本のハナアブにも市毛さんのHPにも同じものは無いようですね。


Re: フトクロハラナガ?! 投稿者:pakenya 投稿日:2007/10/04(Thu) 16:05:44 No.3916  引用 
胸部を下側から撮影したものです。

たくましい脚部です。


Re: フトクロハラナガ?! 投稿者:pakenya 投稿日:2007/10/04(Thu) 16:12:24 No.3917  引用 
交尾器の側面です。

Ch. longusのsurstylusはこの角度から見ると長方形に見えますが、この個体は丸く膨れています。

Surstylusの先端が棍棒状に膨らむ種には、ambiguusやjaponicusがありますが、それより短めです。何より他の特徴が全く違います。

でっかくって、かっちょいいのに、同定できないのは寂しいです。教えてください。ちなみに体長はlongusと同じか少し大きいぐらいです。


Re: フトクロハラナガ?! 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/04(Thu) 18:37:13 No.3920  引用 
pakenya様.

今のところ,Chalcosyrphusの未記載種としています.
茨城〜近畿地方にかけて分布しています.

Chalcosyrphusは種類が多く,腹部が赤色と黒色の2型になる種類が幾つかあり意外と難しいです.

極東の昆虫の検索で収録されている種類のうち,半分ぐらいの種類しか比較標本がないので,詳細不明の種類が意外とあります.

では,また.

Re: フトクロハラナガ?! 投稿者:pakenya 投稿日:2007/10/05(Fri) 09:09:52 No.3925  引用 
市毛様。

ご教示ありがとうございます。
未記載種ということは、極東の昆虫の検索にも収録されていないんですね。これほどの大型種で未知の種がいるとは驚きです。

山形県は奥只見地区と同様に宝の山のようです。

Re: フトクロハラナガ?! 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/05(Fri) 12:43:32 No.3926  引用 
pakenya様.

私が把握していない未記載種も結構あるようです.
(まだまだ,7年目の会員ですから;^_^)

Xylotiniはまとまって採れない種類が多いので,個体変異かどうか判断出来ずに放置してあるようです.

斑紋が無いハナアブは,普通の人には判別できないのが多いので,放置されてしまうのです.近似種が多いグループも同様です.

以前から,標本の持ち寄りを提言しているのですが,普通種がしっかり同定出来る資料が無いので,なかなか話が進みません.

東北地方も未解明ですが,九州や四国も未記載種の実情がわかりません.
九州は,長崎以外の情報は熊本のリストしか無いようですし,四国も面河渓以外は小田深山ぐらいしかまとまっていません.

まだまだ,あちこちに宝の山があるようです.

水際のハエ 投稿者:タロ 投稿日:2007/10/04(Thu) 02:13:16 No.3909 ホームページ  引用 
以前はありがとうございました。
またお手数おかけいたします。

池の水際で見かけたハエ2種です。
何という名前のハエでしょうか?

どうぞ宜しくご教授下さい。


水際のハエ2 投稿者:タロ 投稿日:2007/10/04(Thu) 02:14:14 No.3910 ホームページ  引用 
もう一種の方です。

Re: 水際のハエ 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/10/04(Thu) 02:42:58 No.3912  引用 
2枚目の画像はミギワバエ科の一種だと思われます。変な顔のやつなので・・(別に差別してるわけではないのですが、このアゴの張った顔の様子から考えるとDryxoやParalimnaなどのハエっぽくない頭部のやつだとおもうんですよね・・
頭部側面か、正面からのアングルがあるともう少し絞り込めるのですが・・・

あと、質問される時は画像の撮影場所、撮影日時(標本の場合は採集データ)を入れるようにしてください。

画像のみの双翅目の同定は本来はかなり無理がある作業なのですが、画像から読み取れる形質や候補の分布域や発生時期などの情報からいろいろと絞り込んでいく場合が多いので、それらの情報をぜひ入れるようにしてください。(多分、他の投稿者の方々も、そういうデータは入れてくれていると思いますのでよろしくお願いいたします。)

Re: 水際のハエ 投稿者:タロ 投稿日:2007/10/04(Thu) 03:05:37 No.3913 ホームページ  引用 
ハエ男さん、本当に失礼致しました。
今後注意致します。
1枚目、2枚目とも埼玉県さいたま市にて今年の9月19日に撮影しました。
また2枚目のハエの方はもう一枚あるので添付いたします。
どうぞ宜しくお願い致します。


Re: 水際のハエ 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/10/04(Thu) 10:24:12 No.3914  引用 
だいたいの大きさはわかりますか?

Re: 水際のハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/10/04(Thu) 17:29:48 No.3918  引用 
1枚目はアシナガバエ科の1種ですが,この背面からの画像では属の見当もなかなか付きにくいですね.おそらくDolichopodinaeのDolichopus,Hercostomus,Tachytrechusあたりの種でしょうけれど,確信はもてません.あるいはHydrophorinaeのThinophilus属かもしれません.この辺りは,顔面の溝とか,触角第1節の毛の状態とか,後脚の跗節の剛毛の状態などの微細な構造をみないと亜科も属もわかりません,ハエの仲間は他の昆虫と違って,側面からしか観察できない形質が多いので,名前の見当をつけるためには背面と側面両方からの撮影が必須です.

Re: 水際のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/10/04(Thu) 22:07:34 No.3922  引用 
タロさん、こんちは。

 1枚目の種は、この画像からは属がはっきりわかりませんが、アノニモミイアさんの仰るように、Dolichopus,Hercostomus あたりではないかと思います。

 2-3枚目は、ミギワバエ科のParalimna opacaに見えます。
 大型の特徴的なミギワバエです。さいたま市でしたら、普通に見られると思います。
 水際だけでなく、水辺から離れた雑木林の水溜りでも見かけることがあります。

Re: 水際のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/10/04(Thu) 22:09:12 No.3923  引用 
写真添付忘れました。
手持ちのParalimna opacaの画像です。


Re: 水際のハエ 投稿者:タロ 投稿日:2007/10/05(Fri) 00:58:52 No.3924 ホームページ  引用 
ハエ男さん、アノニモミイアさん、バグリッチさん、
今晩は。そして、どうもありがとうございます。

ハエ男さん、大きさは両方とも5mm前後ではなかったかと思います。

アノニモミイアさん、このハエについては、写真は1枚しかないのですが、次回から背面、側面から撮るようにします。ピントがいっぱいいっぱいでなかなか大変でした。

バグリッチさん、2−3枚目は、Paralimna opacaという大型のミギワバエの画像と本当によく似ていますね。

体長3mm程のRhamphomyia属の1種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/03(Wed) 20:26:33 No.3907  引用 
4月に茨城県水戸市周辺の里山で採集した,体長3mm程のオドリバエで,Rhamphomyia属の1種と思われます.

♂複眼が合眼的で,acrとdcがそれぞれ1列,R4脈を欠き,後脚基付節が肥大しています.

よろしくお願い致します.


Re: 体長3mm程のRhamphomyia属の... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/03(Wed) 20:27:29 No.3908  引用 
同,交尾器です.

Re: 体長3mm程のRhamphomyia属の... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/10/04(Thu) 17:55:10 No.3919  引用 
写真の個体はRhamphomyia (Pararhamphomyia) parvula Frey, 1955の雄です.本種はDie Fliegenで交尾器の図をつけないで記載されていて,同定が難しいものですが,美ヶ原と志賀高原から記載されたsyntypesに基づくと,写真の個体は間違いなく本種です.近似種がありますが,雄交尾器の尾角突起が細長く,背板葉を越え,挿入器も単純であることが特徴です.

本種は本州中部の低地から山地に極めて普通で,深い森林と言うよりも雑木林のような環境に多く,林内の空地の地上2-3mの空間でランダム飛翔に近いような大きい群飛集団を形成します.成虫は4月上・中旬に発生するようです.♀は脚に羽状剛毛が発達しています.

Re: 体長3mm程のRhamphomyia属の... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/04(Thu) 18:45:37 No.3921  引用 
アノニモミイア様.

Rhamphomyia属は交尾器に特徴があるので,図ばかり目が行ってしまいました.
来年は,♀が得られるように注意してみます.

ありがとうございました.

教えてください 投稿者:mitue@熱海 投稿日:2007/09/30(Sun) 06:38:53 No.3897  引用 
ハエ男さんには他所のBBSでお世話になりましたがこちらにははじめてお伺いいたしました。
07/06/30沼津の海岸の草むらに何十匹もむれていました。web検索で絵合わせしただけですがシロツルギアブというのが似ていましたがヒット数も少なくよく解りません。よろしくおねがいいたします。


Re: 教えてください 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/09/30(Sun) 12:39:07 No.3898  引用 
白系のツルギアブでよく見るのがショウジツルギアブとシロツルギアブなのですが、画像では決めかねます。

ツルギアブ科の同定は画像のみでは困難です。パット見でわかる種独自の色彩や斑紋が見られないためと、♂♀で色彩が異なる事も大きな原因です。(検索表にもそう記述されてます。)日本産はとりあえず9属14種が記録されているのですが、図鑑には1種程度しか出ていない場合が多く、図鑑による同定は無理があります。

♂交尾器の形状や前胸腹板の毛の生え方などをつかわないとツルギアブのほとんどの種類で同定はできません。

双翅目の場合は撮影した後に採集をして現物をキープしておかないと同定できない場合が非常に多いです。

Re: 教えてください 投稿者:mitue 投稿日:2007/10/02(Tue) 02:50:06 No.3905  引用 
ハエ男さん、いつも丁寧におしえてくださりありがとうございます。
ツルギアブ科はとくに海岸を住みかにしてというわけではないのでしょうか?このときにくさむらに沢山のホソヘリカメムシと思われる幼虫がいました。

Re: 出張帰り 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/10/04(Thu) 02:31:56 No.3911  引用 
レスが遅くなりすみません。
確かに海岸でも良く見ますが、河原などでも結構見かけるので、海云々というよりは砂地である事の方が重要なのではないでしょうか?

ツルギアブ科の生活史についてはまだまだ不明な部分が多いです(というか・・私はそれについて書かれた資料をまだ見たことがありません。)

交尾器が小さいRhamphomyia属の1... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/01(Mon) 23:36:46 No.3901  引用 
 4月に茨城県の里山で採集した,体長5.5mm程のオドリバエで,Rhamphomyia属の1種と思われます.

 新潟県のオドリバエ科に書かれている,Rhamphomyia(Collinaria) japonicaと思われますが,如何でしょうか?

よろしくお願い致します.


Re: 交尾器が小さいRhamphomyia... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/01(Mon) 23:37:32 No.3902  引用 
同,交尾器付近です.

Re: 交尾器が小さいRhamphomyia... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/10/02(Tue) 00:09:37 No.3904  引用 
同定されたとおりRhamphomyia japonica Freyです.本種はDie FlietenではCollinariaに含めていますが(原記載でも同様),この亜属の模式種とはまったく別の群で,R. arakawae MatsumuraやR. calcarifera Saigusaなどと共にRhamphomyia属の中でも特異な1群を構成しています.特に♂交尾器の挿入器がテープ状に細く扁平になっている点とメスの腹端がほとんど裁断状で,第9腹節が極めて短く,尾角も短い点です.この群は東アジア-北米型隔離分布をするものでして,日本列島には上記のほかに後4種ほど未記載種が棲息しています.R. japonicaは翅がガラス様透明で,基部が黄色味を帯びる点で他の種から簡単に識別できます.

なお,本種は函館の♂に基づいて記載され,記載文はよく写真の標本の種と一致し,また後にDie Fliegenに図示された♂交尾器の図もほぼこの種の交尾器に合致します.しかし,holotypeを見ていないのと,北海道の標本を持たないので、同定に一抹の不安はあります.道南で早春に採集してみれば本種が函館周辺にいるかどうかわかるのですが.

Re: 交尾器が小さいRhamphomyia... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/03(Wed) 18:05:40 No.3906  引用 
アノニモミイア様.

毎回詳細に回答して頂きありがとうございます.

今後ともよろしくお願い致します.

胸背後部が金色のHybos 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/10/01(Mon) 23:10:26 No.3900  引用 
茨城県北部山地で8月に採集した,体長4mm程のHybosの1種です.

当間山のオドリバエを見ると,Hybos auriferとして記されているものと同種と思えますが,如何でしょうか?


Re: 胸背後部が金色のHybos 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/10/01(Mon) 23:48:13 No.3903  引用 
同定されたとおりHybos aurifer Saigusa, 1963です.本種に類似した種は東南アジアにかなり生息していますが,日本列島の場合は私が知る限り本種だけですので,前小楯板域が金色に光るのはこれと同定して間違いないと思います.夏性のHybosでして,各地に普通です.

何というハエですか? 投稿者:まゆみ 投稿日:2007/09/29(Sat) 22:47:23 No.3886  引用 
今日、タデ科のミゾソバの葉っぱに3mmくらいの小さな変わった形のハエみたいなのがいました。
何という名前ですか?
広島市佐伯区湯来町です。
よろしくお願いします!(^_^)/


Re: 何というハエですか? 投稿者:まゆみ 投稿日:2007/09/29(Sat) 22:49:09 No.3887  引用 
横からです。

Re: 何というハエですか? 投稿者:まゆみ 投稿日:2007/09/29(Sat) 22:50:21 No.3888  引用 
上からです。

Re: 何というハエですか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/29(Sat) 23:17:18 No.3890  引用 
これは以前に笹川満廣先生が確か京都から記録されたシマバエ科Lauxaniidaeの1種ではないかと思います.学会で発表されたのか,論文として発表されたのか,記憶が定かではありません.翅が甲虫のように腹部を覆うように曲がっているものだと思います(ショウジョウバエ科のSteganaカブトショウジョウバエのように).あまりはっきりした回答にはなりませんが,どなたか上記笹川先生の記録をご存知の方があったら詳細を示してください.いずれにしてもそれほど普通の種ではありません.

Re: 何というハエですか? 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/09/30(Sun) 00:10:21 No.3891  引用 
埼玉県昆虫誌や「はなあぶ」No.4 1997に玉木長寿さんがかかれてるSteganopsis sp.2にあたると思います。

過去の記事ではNo.1937-1942あたりにこの種の関連のカキコミが出ていますのでご参照ください。

Re: 何というハエですか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/30(Sun) 00:47:49 No.3892  引用 
Steganopsis sp. 2の標本写真を2枚だしておきます.

Re: 何というハエですか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/30(Sun) 00:49:19 No.3893  引用 
もう一枚です.別個体.2個体とも宮崎県小林市.

Re: 何というハエですか? 投稿者:まゆみ 投稿日:2007/10/01(Mon) 10:25:35 No.3899  引用 
アノニモミイアさん!ハエ男さん!
シマバエ科のSteganopsis sp.2なのですね。
小さくて最初、形からカスミカメかと思いましたが、こんなハエがいるのですね。
ありがとうございました♪<(_ _)>

カマキリナガレオドリバエの1種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/29(Sat) 10:43:15 No.3880  引用 
茨城県北部山地で6月に採集した,体長3.5mm程のカマキリナガレオドリバエの1種です.

Hilara(Ochtherohilara) mantispa Frey, 1955か,その近縁種と思われますが,如何でしょうか?


Re: カマキリナガレオドリバエの... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/29(Sat) 14:20:35 No.3884  引用 
Ochtherohilara亜属は日本列島に私の手元の材料だけに基づいても約40種生息しています.ほかに中国,韓国,沿海州,北米にも分布していますが,これらの地域での分化はとても日本には及びません.宮崎県南部山地では同一場所に6種棲息しています.そして,既知種はH.(O.) mantis FreyとH. (O.) mantispa Freyの2種だけです.

前種は,大型種で♂の胸背と腹背がかなり明るい灰色粉で覆われおり,R4脈先端がR2+3脈とM1脈の先端のほぼ中間で終わり,メスの腹部が銀白色に光るので容易に他の種から区別できます(分布:広域分布種;本州,四国,九州).

一方,H. (O.) mantispaの方は小形で類似種が多く,識別が困難です.本種は一般的に言えるのは腹部が細長くて,真っ黒で光沢があり,翅はほとんどガラス様透明で,雄交尾器が腹部の体軸に対して,乾燥標本ではやや下に傾く,と言う傾向があります.本種は飛騨山脈のものですが,これに似たのが他の地域にも少数ありますので要注意です.本物のmantispaは飛騨山脈に限らず長野,山梨の山地には局所的ですが分布しているようです.

というわけで,写真の種はmantispaではないと思います.
本亜属は雄交尾器にわずかの相違しかでませんので,交尾器を解剖しないと種に分類はできません.

一度書いたことがありますが,mantisの♂をもっぱら♀への餌にする近似種があります.やや大型で,♂の腹部の前半が乳白色,後半が真っ黒の種でして,これは同一水面を同時期に探餌行動をとるmantis♂をもっぱら狩って♀の求愛餌にします.この種は本州中部山岳にいて,個体数は当然のことながら,mantisよりかなり少ないものです.

Re: カマキリナガレオドリバエの... 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/30(Sun) 06:31:07 No.3896  引用 
アノニモミイア様.

Ochtherohilara亜属が,日本だけで40種程分布しているとは驚きでした.もっとも,以前Hilara属が300種と書かれていましたから,当然かもしれませんね.

実は,Ochtherohilara亜属がどの程度記載されているのか,旧北区のカタログを見たのですが,カタログではHilara属を亜属で分けていないので全く予想が出来ませんでした.(ざっと見たところmantisとmantispaの2種だけ?)

また,BioSystematic Databaseを見ると,Hilara属は世界で500種ほどが記載され,Ochtherohilaraを独立した属として考えている研究者もいるのですね.(Ochtherohilara basiflava Yang & Wang, 1998)

色々と,勉強になります.
ありがとうございました.

オドリバエ Platypalpus 2種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/29(Sat) 11:16:28 No.3881  引用 
Platypalpus属と思われる2種類です.

体長2.5mmと体長1.8mm,共に7月に茨城北部山地で採集しました.


Re: オドリバエ Platypalpus 2種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/29(Sat) 11:20:10 No.3882  引用 
体長1.8mmの個体です.

おそらく,種名は判らないでしょうが,日本のPlatypalpus属の現状でもお聞かせ願えれば幸いです.


Re: オドリバエ Platypalpus 2種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/29(Sat) 22:58:04 No.3889  引用 
日本にはPlatypalpus属の種は60種以上棲息しています.既知種はPlatypalpus itoi Frey1種のみです.これらは頭頂部の刺毛,触角第3節の形や色,胸背の刺毛配列,中腿節の形と腹面の棘,翅脈相,などをもとに分類されています.もちろん♂交尾器は決定的です.ベルギーのGrootaertさんが一緒に研究できないかと言ってきていますが,私の材料も全部は整理し終えていませんので,直ちに研究に着手できる状態ではありません.せめて普通種だけでも一先ず名前をつけなければとは思っています.それで,今回の写真の種について決定的なことが私には言えません.

Re: オドリバエ Platypalpus 2種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/30(Sun) 05:55:41 No.3895  引用 
アノニモミイア様.

やはり,かなりの種類が日本にいるのですね.

ありがとうございました.

オドリバエ Trichopezaの1種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/29(Sat) 11:23:45 No.3883  引用 
7月に茨城北部山地で採集した,体長5mm程のオドリバエです.

恐らく,Trichopezaの1種と思われます.

前3種も含め,よろしくお願い致します.


Re: オドリバエ Trichopezaの1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/09/29(Sat) 22:44:49 No.3885  引用 
Trichopeza属は日本本土に3種分布しています.1種はすでに先日(19日)バグリッチさんがお尋ねになったTrichopeza albocinctaです.残りの2種は未記載種で(世界のこの仲間のrevisionは8分どおり仕上がっているのですが,その後中国から新しい種の材料が入って,いささか力尽きて頓挫しています)です.1種(未記載種1)はalbocinctaに類似して,小形のもの,もう1種(未記載種2)は大きくて,♂の中腿節腹面に扁平になった剛毛が2列生えているので簡単に区別できます.♀は少しややこしいので,検索表と後脚の簡単なスケッチをつけてありますので,これで同定してみてください.

1.後腿節腹面に顕著な刺毛を生じる;中脛節背面1/4に各1本の前背,後背長刺毛あり;触角刺毛白色・・・・・2
  後腿節腹面に顕著な毛を欠き,白い微軟毛が密生する;中脛節背面に2本の前背長刺毛とその間に1本の後背長刺毛あり;触角刺毛黒色・・・・・未記載種2(♂中腿節に扁平剛毛あり)
2.後脛節腹面の基部近くに1本の長刺毛あり・・・・albocincta
後脛節腹面には基部近くと中央近くに各1本の長刺毛あり・・・・未記載種1.albocinctaに似た別種

図はメスの左脚前面図で上のが未記載種1,albocincta類似種,中が未記載種2,♂中腿節に扁平剛毛列を持つ種,下がalbocinctaです.

写真で見る限り,♂中腿節に扁平剛毛列を持つ種のようにもみえます.実物を上記検索表と図で同定してみてください.


Re: オドリバエ Trichopezaの1種 投稿者:茨城@市毛 燃え尽き中;^_^) 投稿日:2007/09/30(Sun) 05:52:46 No.3894  引用 
アノニモミイア様.

標本を調べたところ,御指摘どおり未記載種2でした.

ありがとうございました.

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