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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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旬のガガンボダマシ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/13(Sun) 17:15:15 No.4173  引用 
先月半ばに,水戸市の市街地にある自宅の庭で採集した体長5.5mmのガガンボです.

16時ぐらいになると,柚子の枝先などで群舞しており,少し離れた枝先では,斑紋のないやや小型な種類の群舞も同時に見られます.

翅脈などからガガンボダマシ科Trichoceridae の1種のようです.

Tokunaga(1938)New or little-known Trichocridae from Japan, Nakamura(1995), Nakamura&Saigusa(1996)等を調べてみたのですが,Trichosera属の1種らしいとまでしか判りませんでした.

11月の達磨様のお話では,日本産のTrichoceridaeも60〜100種ぐらいになるだろうとのお話でしたので,種まで落ちないかもしれませんが,判りましたらよろしくお願い致します.


Re: 旬のガガンボダマシ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/13(Sun) 17:16:07 No.4174  引用 
同,交尾器です.

Re: 旬のガガンボダマシ 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/13(Sun) 23:19:25 No.4175  引用 
Trichocera maculipennis Meigen, 1818 ウスモンガガンボダマシですね。翅の模様が特徴的です(写真)。
この模様に加えてA1脈の先と、r2, r3, r4室の真ん中あたりに斑紋が出るのがT. pictipennis。Gonostylus基部内側の小さなでっぱりがないのがT. sapporensisです。


Re: 旬のガガンボダマシ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/14(Mon) 12:23:05 No.4178  引用 
達磨様.

3種類のガガンボダマシを解説して頂きありがとうございます.
写真だけで,種まで辿り着けるとは思っていませんでしたので,非常にうれしいです.(交尾器は,肉眼では細かく見えているのですが,上手く写真に写らないので,歯痒い限りです.)

他のガガンボダマシも探して見ます.
今後ともよろしくお願い致します.

クロヒメガガンボの仲間でしょう... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/05(Sat) 19:16:23 No.4163  引用 
5月に渓流の岸辺をたくさん飛んでいた体長12mm程のガガンボです.(茨城県城里町 標高約70m)
面白いことに,体に花粉が多数付着しています.

日本産水生昆虫の検索で調べると,ヒゲナガガガンボ属Hexatoma(Eriocera)にたどり着きました.

Eriocera亜属は,日本から17種記録されていると記されていますが,ヒゲナガガガンボ属としては例外的に♂の触角が短いようなので結構絞り込めるのではないでしょうか?

また,属名を頼りに色々と図鑑をめくっていたところ,日本昆虫図鑑改訂版に載っていたホシクロガガンボEriocera longifurcaの記述にほぼ合致しましたが,合ってますでしょうか?

よろしくお願い致します.


Re: クロヒメガガンボの仲間でし... 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/13(Sun) 23:33:38 No.4176  引用 
ホシクロガガンボの原記載と照らしても特に食い違うところはないようですが、この属はまだ調べていないので自信を持ってお答えできません。

Re: クロヒメガガンボの仲間でし... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/14(Mon) 12:17:26 No.4177  引用 
達磨様,コメントありがとうございます.

これでまた1種,ホシクロガガンボの仲間程度まで絞り込めるようになりました.
今後も,日本産水生昆虫の検索を利用して,属までたどり着けるよう精進したいと思います.

今後もよろしくお願い致します.

ファネルトラップ 投稿者: 投稿日:2008/01/12(Sat) 11:49:28 No.4171  引用 
ケンセイです。

双翅目談話会BBSで話題にしたファネルトラップの画像を貼り付けます。この方法だと雨が降ってもほとんどトラップに水は入りませんでした。


Re: ファネルトラップ 投稿者: 投稿日:2008/01/12(Sat) 11:50:31 No.4172  引用 
続いて狭山丘陵に設置した奴の画像です。

ケヅメ・・・じゃないのね・・・ 投稿者: 投稿日:2008/01/12(Sat) 11:12:42 No.4169  引用 
この前の同定会の時、北海道にもケヅメカトリバエいましたという話をちらっとしましたが、その後、ケヅメに混ざってこんなモノも出てきました。

うちわ状のパルプは、まあいいとして、、、
前脚付節の指状突起が妙に立派で、脛節が黒っぽくて、後脚のかかとにえらく目立つ毛塊がある・・・?


Re: ケヅメ・・・じゃないのね・... 投稿者: 投稿日:2008/01/12(Sat) 11:14:15 No.4170  引用 
でもって、cerciの形をみると・・・うぁ、ケヅメと全然違うじゃないの〜!!

というわけで、ただのカトリバエ Lispe tentaculata (De Geer, 1776) でございました。

Nephrotoma(ホソガガンボ属)の... 投稿者: 投稿日:2007/12/24(Mon) 18:10:03 No.4111  引用 
ケンセイです。

双翅目図鑑用のガガンボ画像をアップします。

キイロホソガガンボ Nephrotoma virgata
全形図
2007年5月10日 東京都江東区 1♂


Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2007/12/24(Mon) 18:13:59 No.4112  引用 
キイロホソガガンボの♂交尾器の拡大画像です。

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2007/12/24(Mon) 18:16:04 No.4113  引用 
続いてエゾホソガガンボです。

エゾホソガガンボ Nephrotoma cornicina
全形図
2007年6月6日 東京都江東区 1♂


Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2007/12/24(Mon) 18:17:14 No.4114  引用 
エゾホソガガンボの♂交尾器の拡大画像です。

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/24(Mon) 20:03:28 No.4115  引用 
ケンセイ様.

Nephrotoma属は,Oosterbroek(1985)The Nephrotoma species of JapanやTangelder(1984)The species of the Nephrotoma dorsalis-group in the Palaearcticに,検索表や交尾器が出ているので,ガガンボ入門編に良いかもしれません.

達磨様.
2編の論文に記されていない日本産Nephrotoma属の注意点がありましたら,御教授頂ければ幸いです.

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2007/12/25(Tue) 10:37:22 No.4116  引用 
市毛様、コメントありがとうございます。

Nephrotoma(ホソガガンボ属)は、ぱっと見は良く似ていますが、♂交尾器などが種特異性が高いため、Oosterbroek(1985)The Nephrotoma species of Japanを用いれば案外簡単に種に落とせる場合が多いように思われます。種によっては♀交尾器も特徴的な奴がいますし、私には同定の流れがニクバエ的で楽しいガガンボのグループの一つです。

とりあえず、普通種と考えられるキイロホソガガンボとエゾホソガガンボをアップしましたが、実は両種ともまったく同じ場所で得たものです。発生時期が1ヶ月程度ずれているのは、何か生態的な違いがあるのかなあとちょっと生態的な部分も気になったりしています。

これから、暇を見ては他のホソガガンボ属もアップしていこうと思っています。

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2007/12/26(Wed) 09:48:36 No.4119  引用 
昨年の同定会を土壇場でキャンセルして皆さんにご迷惑をおかけしましたが、あの時、Nephrotoma属をまとめたP. Oosterbroekさんのいる博物館に研修に行っておりました。どうやって集めたのかと思うほど、世界中のNephrotomaが一堂に会しておりました。お話を伺ったところ、↑の論文をまとめるときに日本のいろいろな方から送っていただいたNephrotomaにはAlexanderやSavchenkoが触れてもいない種がいくつも見つかって驚いたとのこと。まだまだいるだろうとの印象だったそうです。
Nephrotomaに似たものでNigrotipulaというのがいます(Oosterbroekさんにいわせると実質的に同じもの)。ヨーロッパでは普通で、極東ロシアまで分布していますが、日本ではまだ見つかっていません。翅脈はNephrotomaに似ていて全身こげ茶色(チョコレート色)、後胸の背板が黒くて太い剛毛に覆われます。こいつの発見には懸賞をつけたいところです。

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/27(Thu) 12:29:29 No.4123  引用 
達磨様,ありがとうございます.

やはり,Nephrotoma属にも未記載種がいそうなのですね.

Nigrotipulaについては,極東の昆虫の検索によると,N. nigraの基亜種がヨーロッパからアムール州まで,亜種のN. nigra liguliferaが南沿海州に分布しているようですね.

日本初記録の属を見つけてみたいものです.

Re: Nephrotoma(ホソガガンボ属... 投稿者: 投稿日:2008/01/10(Thu) 12:42:22 No.4167  引用 
達磨様、ご教示ありがとうございます。

以前岐阜県高山市で採集したNephrotoma属の同定にとても悩んだことを思い出しました。どうもOosterbroek(1985)の記述とあわないところがあり結局リストはsp.で逃げました。

標本は残っていますので、そのうち見直したいと思います。Nephrotoma vana nigrovanaに良く似た種だったと思います。

Nigrotipulaについても注意したいと思います。わかりやすい全形図のようなものがあると有り難いですのですが・・・・

エゾホソガガンボは東京都未記録... 投稿者: 投稿日:2008/01/10(Thu) 12:47:35 No.4168  引用 
ケンセイです。

先日何気なく自分も参加しているTKM(東京都本土部昆虫目録)を見ていたら、何とエゾホソガガンボが東京都未記録種であることが判明しました。他にも狭山丘陵などでいろいろガガンボを採集しているので、少し標本を見直さねばと思っています。そのためには膨大な文献と標本を整理しないと・・・・

このガガンボは何でしょう 投稿者:ひよどり 投稿日:2007/12/19(Wed) 22:27:52 No.4091  引用 
 はじめまして。福岡県に住む高校生です。自然観察はまだ始めたばかりなのでなかなか虫の種類の特定が出来ず、ましてや、ガガンボとなると難しくて・・・

 撮影地も福岡県で、シナサワグルミの木に留まっています。
 どうかご解答お願いします。


Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/12/20(Thu) 02:32:59 No.4092  引用 
ひよどりさん>ようこそ 管理人のハエ男です。

私たちもできるだけわかる範囲でお答えしたいと思いますが、質問する際の留意事項がありますので、「上の方にあります留意事項をお読みの上投稿をお願いします。」

双翅(ハエ)目の同定(種名を調べる事)は結構大変な作業です。なぜなら良く似た種類が多くてぱっと見では決定できない場合がほとんどなのです。よほど特徴的で、近縁な種が少ないグループでないと生態画像からの同定はかなり難しいといわざるを得ません。

双翅目の場合は、撮影→採集して現物を確保→翅脈や♂交尾器をはじめとして体の各部分の形質の検討→種名が決定といった流れになります。

また昆虫の同定のはじめの一歩として「昆虫は硬い甲羅状の皮膚の内側に筋肉を持つ外骨格の昆虫であり、♂と♀の交尾器がカギと錠の関係になっていて、その形は種によって固有である」という考え方があります。(つまり、模様が似てても交尾器の形が違えば別種であるということです。)

双翅目は大変種類数が多く、約120科、種数では5000種は軽く超えている大きな分類群なので、外見が良く似ている物が大変多いのです。模様だけでなく、体の剛毛、刺毛、軟毛などの状況や♂交尾器の形状がわからないと正確な種が特定できない場合が大変多いのです。

調べる側として、絶対に欠かせない情報があります。それは採集(撮影)データです。いつ、どこで撮影したかという情報は昆虫の種名候補を絞り込んでいく上で大変重要な情報なので、それらについては必ず書き込んでくださいね。

記事No4050のAclelisさんの一連の投稿のような感じで投稿していただくのが理想的といえると思います。

それでようやく本題ですが・・・ガガンボ類は種類数が大変多く、また未記載種(新種とも呼ぶ)や日本未記録種も大変多い分類群なので、一方向のみの画像では同定は難しいと思われます。ガガンボは双翅目を普段追いかけてる私たちですら難しい分類群です。達磨さん(ガガンボの師匠)のご登場をお待ちしませう・・・

ついでに文献の調べ方 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/12/20(Thu) 02:41:16 No.4093  引用 
昆虫を調べていくのに文献集めは欠かせません。そのやり方については下記サイトをご参照ください。

http://matumusi.afz.jp/bunken1.html

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者: 投稿日:2007/12/20(Thu) 09:28:19 No.4096  引用 
待たれて登場。達磨です。

ハエ男さんのおっしゃるように通常は生態写真から種を特定するのは難しいことなのです。特徴を示す部分の写真があってもわからないことも多いんですけどね。

しかし、今回の場合、見当がつきました。この個体は後脚の基部近くに白い部分が一か所あり、フ節の大部分が黒いので、Tipulodina joana (Alexander, 1919)の♀だろうと思います。
この種にはまだ和名がありません。Joanaという名前はAlexander博士の母(Ms Jane Paker Alexander)に献名されたものです。
幼虫は木の洞の水たまりにすみ、成虫はその木の周りをまとわりつくように飛び回ります。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ひよどり 投稿日:2007/12/31(Mon) 11:24:42 No.4128  引用 
 大変遅くなりまして、すみません。

 留意事項を読まず、普段からの「掲示板には情報を書きすぎてはいけない」といった勝手な考えだけで投稿しご迷惑をおかけして、大変申し訳ありません。

 まずはその掲示板のルールを知ってから書き込むということ、今後気をつけます(他の板にいく時も)

 ハエ男さん、達磨さん、大変参考になりました。僕らには「同じ種類」としか見えないものであっても、実際に双翅目を判別するとなると非常に細かいところで判別しなければならないということが身にしみるように感じました。

 今更、と思われるかもしれませんが、この写真は2007年3月31日、福岡県小郡市にて撮影したものです。

 「和名がない」と聞き、大変驚きました。そんな種類もあるのですね。一度、外国の蛍で和名がないものは聞きましたが、日本にいるもので和名がないというのも・・・なんか不思議な感じです。

 いきなり失礼なことをしてしまいましたが、今後もどうかよろしくお願いします。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:達磨 投稿日:2007/12/31(Mon) 14:23:17 No.4129  引用 
ひよどりさん
そんなにお気になさらないようにしてください。

>「和名がない」と聞き、大変驚きました。
>そんな種類もあるのですね。一度、外国の蛍で
>和名がないものは聞きましたが、日本にいるもので
>和名がないというのも・・・なんか不思議な感じです。

和名は付けたほうがいいですかね。ガガンボだけでも500種以上名付けないといけないので二の足を踏んでいますが、やはりあったほうが便利でしょうね。皆さんどうお考えですか。
いったん付けた名前はその後しばらくは使われ続けることを考えると、変な名は付けられず、結構苦しいものです。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ひよどり 投稿日:2007/12/31(Mon) 20:20:24 No.4130  引用 
 和名はあったほうが便利とは思いますけどねぇ。いちいち学名で言うのも大変ではないですか?・・・

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/31(Mon) 21:52:17 No.4131  引用 
ひよどり様.

ハナアブ屋の市毛です.

ハナアブ科の場合,日本産の9割を越す種類に和名がついていますが,仲間内では学名で呼ぶことが結構あります.

実は,私たちが普段読んでいる文献のほとんど(9割以上)が外国語で書かれているので,和名に触れる機会が殆どありません.
したがって,同定会などでラベルを書くとき等に,和名が思い出せずに困ることが良くあります(^_^;)

また,ハナアブ科の場合でも,新しく見つかる種類は似通っている場合が多く,外見的な特徴で和名を考えることが困難な場合が多く,毎回難儀しています.(全国に広く分布している種類に地名を付けるのはおかしいですし,人の名前もやたらに使えません.)

私の場合は,人より記憶力が悪いので,普段使わない和名を言われてもわからない時があったりして,意外と和名のほうが不便です.
学名の場合は,○○ △△(属名+種名)という形で使う場合が多いので,種名がわからない場合でも,○○属の仲間であると絞りこめるので便利です.

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ひよどり 投稿日:2007/12/31(Mon) 22:47:19 No.4132  引用 
 それもまた驚きです。僕は野鳥から始めたほうなので、和名が主流なので・・・

 それなら和名はなくてもよさそうですねぇ。。。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:達磨 投稿日:2007/12/31(Mon) 23:19:45 No.4133  引用 
確かに和名で言われても何のことだか咄嗟には分からないって時はありますね。
美しい名前をつけるとその名前使いたくなりますが、何百もいる虫にそれはつらいことなのです。和名を付けたもののセンスが問われることもあります。誰が名付け親か知りませんが、スミナガシとかサビキコリ、カネタタキ、カマドウマなんていい名前ですよ。今更、種名の語幹に「ガガンボ」がつかない名前をガガンボにつけたらひんしゅくを買うでしょうね。ガガンボって濁音が3つもついているから、虫を知らない一般の人にはあまり印象がよろしくないようです。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ひよどり 投稿日:2008/01/01(Tue) 22:48:50 No.4137  引用 
 確かに。

 野鳥でも「ヒタキ」と書いているのにツグミ科とか、「ツリスガラ」と書いているのにカラ科ではないなど、違和感を感じるところがあって・・・。

 そしてまた、印象がよくないといえば、「アホウドリ」。正式名称なのがかわいそう。。。

 和名のネーミングも難しいところがありますね。
 その点ではやはり2つ(3つ)の節で名前をつけられる学名も便利ですね。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ハンマー 投稿日:2008/01/05(Sat) 17:19:03 No.4160  引用 
一段落ついたスレッドを上げて申し訳ありません。

ひよどりさんの写真と達磨さんの「幼虫は木の洞の水たまりにすみ」という解説をみて、以前撮った写真を思い出しました。

写真は2006年4月30日、兵庫県三田市で撮影しました。コナラの洞内に産卵しているガガンボです。水たまりというよりはフレークに産卵しているようでしたが、形態的にも生態的にも一致しているように思えます。
ひよどりさんの写真と同じ種と考えてよろしいでしょうか?


Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/06(Sun) 11:42:53 No.4165  引用 
上の書き込みで「この個体は後脚の基部近くに白い部分が一か所あり」としましたが、「この個体は後脚の『脛節の』基部近くに白い部分が一か所あり」とするべきところ、言葉足らずで失礼しました。
ハンマーさんの写真も本種と考えていいと思います。
しかし、日本から記録のある2種のTipulodinaは原記載時にどの特徴も図示されることがなかったので、もっとも特徴的である脚の模様の記載を頼りに同定しています。あまり多くの種が分布しているとは思えないのですが、実際脚の模様で区別できる2種しかいないのかどうか、今後の調査が必要です(雌は産卵するところをよく目にしますが、どういうわけか雄がなかなか得がたい)。本属は東洋区を中心に多くの種が知られていて、日本でも暖かい地方では種の追加が見込まれます。奄美大島と石垣島で本属の個体を得ていますが、雌ばかりなのと、何点かは採集が荒かったために脚が残っておらず、今後追加の材料が集まるのを待っているような状態です。

Re: このガガンボは何でしょう 投稿者:ハンマー 投稿日:2008/01/06(Sun) 17:50:54 No.4166  引用 
達磨さん、どうもありがとうございます。
私のような素人にとっては属が分かるだけでもすごいことです。今後もよろしくお願いします。

正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:23:34 No.4139  引用 
これも,8月に茨城県北部の山間部(標高800m程)の薄暗い沢沿いで採集した,体長9mm程のガガンボです.

北隆館の大図鑑を見ると,オオキマダラガガンボに該当するのではないかと思います.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:24:19 No.4140  引用 
オオキマダラガガンボと思われる個体の交尾器です.

Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:31:50 No.4141  引用 
これも,7月下旬に栃木県境の八溝山中腹(標高800m程)の沢沿いで採集した,体長8mm程のキマダラガガンボの1種と思われます.

前種に比べ翅の暗色部が多く,中胸背の前半が赤褐色です.
恐らく,北隆館の大図鑑に載っている,キマダラガガンボEpiphragma (Epiphragma) trichomeraに該当するのではないかと思います.

こちらは,Alexanderの原記載に交尾器が載っていますが,同属のsubfascipennisとsubinsignisの原記載を持っていないので,違いが判りません.

よろしくお願い致します.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:32:54 No.4142  引用 
キマダラガガンボと思われる後者の交尾器です.

よろしくお願い致します.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/01/02(Wed) 22:27:51 No.4153  引用 
市毛様、皆さん、今年も宜しくお願い致します。

 実は私もガガンボの画像をいくつか準備していてこれから少しずつ聞こうかと思っていました。
 市毛さんのオオキマダラガガンボの画像にそっくりな画像もちょうどありましたので、併せて見てもらえたらありがたいです。
 翅の模様はピッタリに見えますがいかがでしょうか?
 ご教示いただけましたら ありがたいです。
 宜しくお願い申し上げます。


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/05(Sat) 00:04:05 No.4159  引用 
達磨です。
Epiphragmaの和名はちょっと混乱しています。
解説すると、もともとは(江崎、日本昆虫図鑑(北隆館)や昆虫界などでは)E. subinsignisをキマダラヒメガガンボ、E. subfascipennisをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいたのが、後の(北隆館)原色昆虫大図鑑IIIでは、E. trichomeraをキマダラヒメガガンボ、E. evanescensをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいます。九州大学でまとめた日本産昆虫総目録では後者の呼び方を採用しています。なぜこんな面倒なことが起こったのかは分かりません。
日本のEpiphragmaにはこの4種のほか、北海道にE. ocellare(ロシアと共通種、未発表)、奄美、沖縄、石垣にそれぞれ別と思しき種(ちゃんと調べていません)などが容易に区別されるので、少なくとも10種程度はいるものと推察されます。本土のものもちゃんと見ていないので、かなりいい加減な推測です。
添付したのは九大の標本箱に合った命名者C.P.Alexanderによって同定された3種の翅の図です。覚え書き程度に描きとめたラフな図なので、脈の長さなどのバランスはいい加減ですが、模様の特徴はつかめると思います。個体変異が大きいのでその点もご注意。
これに照らし合わせると、最初のオオキマダラではないかというのがE. evanescens、キマダラではとお尋ねのものが、E. subinsignisでしょう。


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/05(Sat) 18:55:31 No.4162  引用 
達磨様,ありがとうございました.
これで,多少Epiphragmaが判るようになりました.

和名についても解説して頂きありがとうございました.
確かに,江崎氏により日本昆虫図鑑(1932, 北隆館)でE. subinsignisやE. subfascipennisに新称として和名が付けられ,1950年版の改訂版に引き継がれましたが,高橋氏が執筆した原色昆虫大図鑑III(1965, 北隆館)で別種の和名に変わってしまっていますね.

時折このようなことがあるので,和名と学名は併記しないと怖いですね.ハナアブ科の場合も,同様なことが起きている種類があり,悩んだことがありました.

ありがとうございました.

Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/05(Sat) 23:24:00 No.4164  引用 
市毛さんが朽木性双翅類に関心をお持ちなので,横から飛び入りで.Epiphragamaの幼虫も水辺の朽木中に生息していて,しばしばかなりの個体が朽木から羽化してきます.前胸呼吸突起がやや湾曲してその先端が鋭く尖っているので,クチキカなどの脱皮殻から区別できます.

はじめまして、よろしくお願いし... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 17:57:42 No.4145  引用 
はじめまして。mushizukiと申します。

写真の虫のことが知りたくて、どの掲示板にお尋ねすればよいものやら迷っていました。こちらでハエのことを扱っているのを知り、投稿させていただきました。(写真の虫がハエの仲間でなかったら済みません)

この虫は何というハエなのか教えていただけますでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

(自分は最初、この虫をイトトンボだと思っていました)


Re: 無題 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 18:01:29 No.4146  引用 
情報の追加があります。

この虫は蚊のようなものを直接捕らえて食べていました。
見つけたのは茨城県の小美玉市(旧美野里町)です。池の近くにある竹薮のなかを飛んでいました。撮影したのは昨年の6月下旬です。大きさは12〜13ミリだったように記憶しています。

どうぞよろしくお願いいたします。


Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/01/02(Wed) 18:20:04 No.4147  引用 
ようこそmushizukiさん>

画像ではちょっと種までの識別はは難しいそうな気がします。
とりあえず、ムシヒキアブ科のホソムシヒキ(Leptogaster)属の一種であろうと思われます。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:39:27 No.4151  引用 
ハエ男さん、こんばんは。新年早々お返事いただきありがとうございます。

さっそく「ホソムシヒキ」で検索してみました。似た虫の画像が出てきたので、その仲間であることが予想できました。種名までわかればスッキリするのですが、素人なのでホソムシヒキという名前が分かっただけで十分です。ありがとうございます。

身の周りにはこんな虫もいるんだぁ…と分かるだけでも楽しいです。また質問させていただくことがあるかもしれません。そのときは、どうぞよろしくお願いいたします。

余談ですが、野山を歩いているとたくさん見知らぬハエを見ます。かなり気になっているのですが、こちらでは「このハエはなに?」といったレベルの質問も受け付けていただけるのでしょうか? ハエに関するお尋ねができる掲示板は無いに等しいので、こちらで教えていただけるととても嬉しいです。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/01/03(Thu) 16:07:29 No.4155  引用 
mushizukiさん>わからないことがあれば遠慮なく質問を投稿してください。わかる範囲でお答えしたいと思います。

ただ、双翅(ハエ)目は種類数が大変多く、外見では区別できずに解剖して♂交尾器を見ないと種名がわからない場合も大変多いのです。また生き生きした画像と同定可能な画像というのは別物で、見るべき場所が写っていないと、どんな専門家でも同定ができませんので、画像同定の質問の場合は出来るだけ多くのアングルからの撮影された画像を入れて入れていただき、また撮影日時、場所などの撮影データ、撮影されたときの状況や生息環境の情報をわかる範囲で、書き込んでいただけると調べる側としましてはありがたいです。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/05(Sat) 17:56:47 No.4161  引用 
ハエ男さん、こんばんは。

質問投稿の件、ありがとうございます。またお世話になることがあると思います。そのときはどうぞよろしくお願いいたします。

描画用微小材料のアングル固定 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 15:23:10 No.4144  引用 
二つ目,描画の方法です.交尾器などを顕微鏡下でスケッチする場合に方眼ミクロメーターを使って方眼紙に描いていきます.その際にエタノールのシャーレに入れて観察するのが像としてはいいのですが,難しい構造の場合には描画に時間がかかり,時間につれて蒸発して液面が下がって像が視野の中で動きます.水やグリセリンはその心配が少ないか全くないので,私は最近グリセリンを使っています(難点は埃が液面に浮くことです.エタノールでは沈みます;中性洗剤を少量入れると解決するかもしれません).それでも交尾器を期待するアングル(真横とか左右対称の背面とか)に保つのはなかなかうまくいきません.従来は脱脂綿やガーゼをシャーレの底に敷いて,その繊維に材料を絡ませて動かないようにしていましたが,微小な材料の場合は繊維のほうが太すぎて繊維の間に沈んでしまったりしてうまくありません.一時は眼鏡拭き用の超極微細繊維の布を切って繊維を毛羽立てて使っていましたが,あまり感心しません.最近到達したのは,やはり超微細繊維ですが,布ではなくて薄い紙状(?)にしたクロス素材です.これを適当な大きさに切って,尖ったピンセットの先などで繊維をほぐして毛羽立て,これをシャーレの底に動かないように敷いたペフ板に微針などで固定しておきます.これにグリセリンを満たして,グリセリン保存の交尾器などをこの素材の繊維に絡ませると驚くほど安定が良くて,微小な交尾器などでも全く動かないでアングルを保てます.安心して描画が出来るので大変便利です.この素材はたまたま携帯クリーナーとして町角で配布されていたのを用いた結果です.素材が入手できたら是非試みることをお薦めします.描画に限らず写真撮影でももちろん使えます.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:20:54 No.4149  引用 
アノニモミイア様.

私も交尾器の固定には苦労しました.
色々と試行錯誤を重ねた結果,現在はグリセリンゼリー(glycerin jelly)を使用しています.

ホールスライドグラスに,数種類の隙間でカバーガラスを掛けたセットをあらかじめ用意しておき,目的の交尾器よりやや大きめの隙間のセットを少し暖めて交尾器を滑り込ませ,実体顕微鏡下で交尾器の角度を調整しながら冷やした後,描画や撮影をしています.
(ある程度調整した後,きれいに拭いた鉄板などの上に載せてやると早く固定出来ます)

また,このカバーガラスとの隙間を左右で異なるように設定しておくと,殆ど変形させずにカバーガラス直下に交尾器をセット出来ますので,400倍での検鏡もある程度可能です.(私は,Bioquipのプラスチックスペーサーを使用して,1.0-0.75, 0.75-0.5, 0.5-0.25, 0.25-0等の隙間のセットを作ってスライドグラスボックスに保管してます.)

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/01/02(Wed) 22:25:06 No.4152  引用 
アノニモミイア様、市毛様

貴重なテクニック情報ありがとうございます。

実は、私も最近グリセリンゼリーを試みてみようと思っていたところでした。私の場合、ハエの幼虫をアルカリで処理して、さまざまな方向から観察するのに際して、特に終気門の形質を幼虫を倒立させて観察するのに、粘性の高い媒体がよさそうだと思ってグリセリンゼリーを考え始めていたのです。

なお、私の古巣の海洋生物の分野ですと、二枚貝の浮遊幼生時代の貝殻をグリセリンゼリーの中に保持して保存・観察を行います。

節足動物分野ですと、昆虫では市毛様以外にグリセリンゼリーを使っておられる方を寡聞にして知らないのですが、ミズダニの標本では通常の封入剤が適せず、グリセリンゼリーで永久プレパラートを作るのが通例です。

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/03(Thu) 06:13:45 No.4154  引用 
市毛さん,グリセリンジェリーの方法,有難うございました.試みてみたいと思います.実体顕微鏡で観察する限りでは,私が示した方法は簡便で,どなたでも容易に入手できるとは思いますが,グリセリンジェリーの方法は光学顕微鏡(透過光の一般的な)での観察の際の材料固定には非常に有効だと推察します.ネットでみると花粉のマウントにはグリセリンジェリーが一般的に使われているようですね.それで二つ質問です.宜しくお願いします.

1.グリセリンジェリーとは何ですか.またその入手方法は.
2.あなたの記述の3番目のパラグラフの部分をより具体的に分りやすく説明してください.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/03(Thu) 22:21:25 No.4156  引用 
1.
 グリセリンゼリーは,市販の家庭用粉末ゼラチンを水に溶かしたものにグリセリン を加えたものです.
防腐剤としてフェノールを少し加えています.

下記HPの,11.グリセリン・ゼラチンの一番上の方法で作っています.
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gen-yu/recipe.html#B10

ろ過がうまく出来なかったので,繊維状の異物が多少混じっていますが,あまり気にせずに使用してます.

2.
 3番目のパラグラフの部分は,"左右で異なる"ではなく"手前と奥側とで異なる"でした.

 図のようにスライドグラスとカバーガラスの間に入れるスペーサーを,意図的に手前と奥側の高さを違えたものを用意しておくということです.
しかし,これはユーパラルで固定していた時代の名残で,グリセリンゼリーだと非常に短時間で硬化するので,硬化中に交尾器があまり動かないので必要ないようです.

以前は,ユーパラルで硬化中に交尾器が動いてしまう時に,カバーガラスの高さを違えたものに変えてみると,手前と奥とでホールの傾斜等が異なるためか,何箇所か位置をずらしてみると上手く固定できることが何度もあったので,習慣的に使っていました.

当然,カバーガラス直下に交尾器が位置するように固定出来ますので,作動距離の短い40倍の対物レンズでも交尾器の広い範囲を観察できます.
(通常の40倍対物レンズは作動距離が0.65mm程ですので,交尾器の上側から約0.48mmの位置までが観察可能)

上手く固定出来るなら,このようなおかしなものは必要ないようです.


Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/04(Fri) 16:00:12 No.4157  引用 
市毛様,詳細なご説明有難うございました.実際に使ってみればわかることも多々あるかと思いますので,先ずは試みてみます.それにしても,ご紹介いただいたサイトには多様な封入方法が説明されていて,いずれも参考になります.水あめ法というのもあって,これについては以前に私もハチミツに封入したらどうか,などと考えたことがあるので,納得です.

生物顕微鏡での描画については,安定した角度のものをデジカメで撮影して,この画像をもとにして外形などアウトラインを描いて,それからじっくり細部を観察しながら記入していく,という方法をとっていました.ホールスライドの底面の傾斜とカバーグラスの間隔を適宜利用して,最善のアングルをとるようにしても,どうしても10分,20分とたつと動いてしまうので,上記のようにしていました.

今回の方法ですと,最善なアングルの状態でグリセリンジェリーをどのようにして冷やし,固めるかにテクニックが必要かなと想像しています.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/04(Fri) 18:47:05 No.4158  引用 
ウミユスリカ様.

確かに,日本では昆虫などの固定にグリセリンゼリーを使用している例は聞いたことがなく,この方法にたどり着くまで色々と試行錯誤しました.

海外のMicroscope-UK等を見ると,結構使われているようです.
http://www.microscopy-uk.org.uk/mag/artaug03/wdpart4.html


アノニモミイア様.

グリセリンゼリーを使うようになってからは,描画中に交尾器が動いてしまうことはかなり減りました.

しかし,夏場は室温が高いためか冷却不足となって動く頻度が上がりますので,アイスノンにタオルを巻いた物の上に乗せて十分冷やしてから描画するようにしてました.

また,半ば固まった状態でも多少動かせる場合が多いので,これを利用して微妙な角度を調整する場合もあります.調整後に急冷する必要がある場合があります.

一度,描画を中断して翌日に続きを描いたこともありますが,あまり問題なく描けたような気がします.

KOH処理 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 12:23:08 No.4143  引用 
新しい年が始まりましたが,旧年より少しはましな年になってもらいたいという思いで元旦を迎えました.旧年はこの掲示板で双翅目について多くの未知の知見をみなさんから学ぶことが出来まして,感謝しています.昨暮まで北隆館の大図鑑第3巻改訂にほぼ半年を費やし,現在は東海大出版の日本産水生昆虫の改訂に忙殺されています.それでパグリッチさんのEpicyptaなどへのレスなどもできないでいます.しかし忙中閑ありで,テクニックの一つ.

以前たしか市毛さんから色の黒い交尾器などの脱色法についての問合せにお答えしたと思います.これとの関連で.私は交尾器のKOH処理は次ぎのようにしています.図はバイオ関係で使うスチロールの容器です.これは24穴のものですが,他にもいろいろの穴のサイズがあります.これと,20×30×15cmくらいのアイスクリームなどの輸送に使う発泡スチロール保冷容器です.穴に深さ1ccほど15%KOHをいれてそれに処理すべき交尾器や虫本体をいれて蓋をします.初めにKOH溶液をいれておいてから虫などをいれます.逆にすると静電気で交尾器など小さいものははね飛ばされることがあります.沸騰した熱湯を保冷容器に半分ほどいれて,これに前記したKOH処理用のスチロール処理具を浮かせます.ふたをして通常は10分でKOH処理が完了します.この方法ですと火の心配はないし,沸騰・湯煎処理での毛の変形もないし,しかも多数を間違えることなく(もちろん注意が必要ですが)処理できます.難点は沸騰したビーカーなどの湯煎に比べると急激に処理が行われないのでKOHによる筋肉の軟化膨大で骨化部が破損することがあるのと,材料内の気泡が抜けにくい点です(これは沸騰湯煎でもある程度おこりますが).この方法であと30分から1時間処理を続けると暗く着色して構造が分りにくいものでもかなりの脱色が行われます.数時間も処理するとすっかり色がなくなることがあるので要注意です.色がなくなりすぎて構造が逆に分りにくい時にはデラフィールドヘマトキシリンで着色すると骨化部が鮮明な青に染められます(染め過ぎたら10%くらいの酢酸で退色(弁色)可能です).

KOH処理が終わったら,シャーレなどの水中である程度汚れやKOHを洗い流し,同じタイプの容器に水を入れておいて,同じ位置の穴に移します.10-20分ほどしてから,3番目の容器の水に移し,これに10%くらいの酢酸溶液(酢でもいい)を一滴おとしてKOHの中和をします(これをしっかりやらないと数年するうちに材料は退色が進んで無色透明になる).次に第4の容器に水を入れてこれで酸を洗い流し,第5の容器に80%くらいのグリセリンをいれておいて,これに移してすべての処理が完了.後は観察するのみです.

6個以内の材料ですと,1個の容器に4列6個の穴があるので,上からKOH,水,酢酸溶液,水の順に入れておけば後は別の容器のグリセリンに移せます.4個以内なら左側をKOHにすれば,グリセリンまで1個の容器で処理できます.このスチロール容器は観察が終わった材料のグリセリン中での保存にも適しています.

KOH処理用のスチロール容器は理科器具店から何人かで纏めて買えば安いものです.


Re: KOH処理 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 20:54:03 No.4148  引用 
アノニモミイア様,今年もよろしくお願い致します.

恐らく,セルカルチャープレートと呼ばれる容器と同じかと思われます.
確かに,一度にたくさんの交尾器を処理出来,便利そうですね.

Re: KOH処理 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:25:02 No.4150  引用 
市毛さんの言うとおりセルカルチャー用のプレートです.私はデンマークのNUNCtm社の24穴(カタログNO.143982)と12穴(カタログNo.150628)を主に用いていますが,大型のもの(ガガンボなどの脚の長いものの全体処理)には6穴,単に交尾器のみを保存するのには96穴のもあります.

以前は試験管を使ってビーカーで湯煎で処理していましたが,上記の方法を採ると多数を一気に処理できます.ただし,材料の混同が起らないような細心の注意が必要です.また,KOH溶液の使いまわしがあまり利かない点があります.短時間の処理では蓋をしないほうが良いようです.

材料内に入った気泡を水に溶解させて消えさせる方法(1,2日かかっても良いという余裕がある場合)では,一度沸騰した湯冷ましを使うと気泡の水への溶存が早いようです.(急ぎでは注射器を使った減圧法もあります)

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