ワシントンのスミソニアン博物館に来ています。
以前、No.4159に書き込んだ内容にちょっとした間違いが判明したので、訂正しておきます。4159の書き込みは九大に保存されているAlexander博士の同定標本をもとにしたものですが、種が記載された年と標本が同定された年とのからみで、果たして正しいものかなと、一抹の不安があったのですが、やはり同定ミスがあったようです。こちらで日本産4種全てのホロタイプを見ることができましたので、その写真と一緒にご報告。
まず、1種目。Epiphragma subinsignis 褐色の模様が濃い褐色で縁取られることと、脈の分岐や横脈の前後が一様に褐色である特徴があります。No. 4159でP. evanescensとしたものがこれです。
2種目。E. subfascipennis。
関東などにも多い、体の大きなやつです。褐色の模様が縁取られるのは前種と同じですが、脈の分岐や横脈の前後に小さな透明な部分(褐色の模様に穴があいている)があるので簡単に区別できるものです。
3種目。P. evanescens 。唯一タイプ産地がお隣の中国のもの。翅の褐色模様は縁取られずに一様に暗褐色です。分岐や横脈の前後に小さな透明の部分があるのは前種と一緒。帰ってから手持ちの標本を調べなくちゃなりませんが、これにドンピシャの標本をお持ちの方はありますか?
翅の模様には個体差も大きいので、その点、ご注意ください。
また、この属の種小名を記載時と異なり、subfascipenne, subinsigneとすることがありますが、この属のジェンダーについては文献を調べきれていないので、ここでは棚上げしておきます。(もちろん、目録出版までには片付けます)
やはりタイプを見ないと分からないことが多々ありますね.ワシントンでのAlexander博士の標本の検討ご苦労様です.本属はかなりきれいなガガンボである上に,ニセヒメガガンボとの翅斑の類似からつい注目してしまいます.半分渓流に浸かった朽木から多数羽化させたことがあります.
E. evanescensのように翅に蛇の目模様があるのは,何度か採集したことがありますね.それが日本なのか中国など外国なのかは定かでありません,
このスレッドのまとめとなる,Epiphragma属についての総説が最近出たようです.
Kato, D., Nakamura, T. & T. Tachi, 2020. Taxonomic study of the genus Epiphragma of Japan (Diptera: Limoniidae). Acta Entomologica Musei Nationalis Pragae, 60(2): 449-461. https://www.biotaxa.org/AEMNP/article/view/63726/62661 |
芋虫のつぶやき 様.
アメイロオオフンバエ Norellisoma agrionと思われます.
市毛 様
早速の同定、ありがとうございました。 アメイロオオフンバエ、了解であります。 今後ともよろしくお願いいたします。 |
>take さま
M1、M2とMの柄部の比率から、お考えの通りだと思います。その他にも、下の写真ではMの基部とr-m、R4+5がほぼ一直線になっているという点もクロバネキノコバエであることを支持しています。あと、クロバネキノコバエでは一部の種を除いて左右の複眼が一部相接する構造(複眼橋)が見られますので、少しわかりにくいかもしれませんが確認してみてください。
inaensis様
早速ご教授いただきありがとうございます。 双眼実体顕微鏡の性能があまりよくないのですが、複眼橋を確認してみたいと思います。ありがとうございました。 また、色々教えていただけると幸いです。 |
>茨城@市毛 さま
大変お世話になっております。 双翅学会への入会を考えているのですが、入会方法がわかりません。会の連絡先や入会方法等についてご存知でしたら、恐れ入りますがご教示頂けますか。よろしくお願いいたします。
inaensis様.
双翅学会総務担当の中村剛之氏(craneflyheaven [at] ybb.ne.jp)に連絡して下さい.
>茨城@市毛 さま
ご連絡先お教えいただきありがとうございます。早速連絡してみたいと思います。 |
Yanasanae 様.
ミズアブ科のPtecticus sinchangensisヒメキイロコウカアブと思われます.
市毛さま
早速、回答いただきましたありがとうございました。 すっきりです。 |
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