ハムシさん。画像のオドリバエはClinoceraシブキバエ属の1種です。この属の種は一般にTrichoclinoceraケミャクシブキバエ属の種より小型で、より一層緩慢な流れや細流、あなたが撮影されたような岩清水で生活しています。日本に少なくとも数種はいるのですが、未研究です。現在Trichoclinocera属の研究が終わって出版段階にきているので、その後本属の研究に移ることになっています。いずれもカナダのClinocerinae亜科の専門家であるSinclair博士との共同研究です。
昆虫と自然の2005年9号に「岩清水に棲む昆虫たち」の特集がありその中でもこの生息環境に特異的に生活する双翅類が紹介されています。 山地の細流には、多分あなたが撮影された種より大型の種や同様に大型で翅に多くの短条紋を表わす種などがいます。 Clinocera属とKowarziaマツゲシブキバエ属の間では、後者が顔面の眼縁に繊細な刺毛を生じることが検索の特徴になっていますが、日本産の有毛の種は交尾器の構造から判断するとヨーロッパの真のKowarziaとは異なり、Clinoceraのようです。 岩清水性の種はほぼ年間を通じて現れ、岩清水が氷結していても部分的には活動するものもあります。
アノニモミイア様.
コメントありがとうございます.Clinoceraの1種とのことで,今後の研究に使ってもらえるよう標本を蓄積しておきたいと思います. 昆虫と自然の特集号も読んでみます. ありがとうございました. |
マエグロシギアブRhagio costimacula (Matsumura, 1916)です。詳細はあなたの別のスレッドに示してあります。
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知人からこのサイトを教えていただきました。4月15日に鹿児島市の自宅の玄関にとまっていたアブです。シギアブの一種だろうと教えていただきましたが,写真から名前がわかるようでしたらよろしくお願いいたします。
画像のシギアブは、マエグロシギアブRhagio costimacula (Matsumura, 1916)です。日本産のRhagioシギアブ属としては色彩斑紋の豊かな種です。決して稀な種ではありませんが、市街地には普通は生息していません。林や森のある場所に生息しています。
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Brachycara yukawai Nagatomi, 1977をインターネットで調べておりましたら,Synonym of Brachycara latifrons James, 1960 とあるのを見つけました.日本昆虫目録第8巻にはB.yukawaiと出ています.いつどこでシノニム扱いとなったのか私にはわかりません.目録が間違っているのでしょうか?
田中川様.
恐らく,下記のカタログだと思います. Woodley, N.E. (2001) A World Catalog of the Stratiomyidae (Insecta: Diptera). Backhuys Publishers, Leiden, 473 pp. ハワイに分布するB. latifronsのシノニムというのも思い切ったものです.
茨城@市毛様
お調べいただきありがとうございます. 10年以上も前にシノニム扱いされていたにも関わらず,そのような情報をわれわれアマチュアが入手することは容易ではありません.たとえば昆虫目録執筆担当者の方々から双翅目談話会の会誌に,そのような新しい情報を提供していただけると助かるのですが.
田中川様.
中々,専門家といえどもすべての情報に目を通すのは困難と思われます. 昨今,大学図書館での学会誌の購読停止が相次いでいますので,今後増々困難になると思われます. また,今回のようなケースでは,収録漏れでない場合もあります.単純に言えば,研究者の見解の相違です. これだけは,難しいですね. |
久しぶりに投稿します。愛媛大の標本を使ったと言うことで、下記のPDFを貰いました。
Nihei, S. S. (2015) Systematic revision of the ormiine genera Aulacephala Macquart and Phasioormia Townsend (Diptera, Tachinidae). Zootaxa 3931 (1): 1–26. Aulacephala hervei Bequaertが再記載されています。和名を調べようと日本昆虫目録を見ましたが和名はありませんでした。目録では命名者がカッコ内に入れられていて、今回の論文と異なります。属のシノニムリストを見ると”Aulacocephala”が”Unjustified emendation”としてリストアップされており、その名前の下で記載されたようです。 この場合は、属名が単なるスペルミス(というか不正な修正)ということで命名者をカッコ内に入れないものでしょうか。関係する論文やICZNを再検討する前に、ここに書き込んでおきます。
吉富様.
これは,日本昆虫目録側の誤記です. 原記載は,Aulacephala herveiとなっています. Hertingのカタログが間違っているので,そのまま転記してしまったと思われます.
市毛様
ご返答ありがとうございました。理解しました。 |
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