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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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腐肉トラップに来たハエ 投稿者:なみは 投稿日:2014/12/04(Thu) 14:21:03 No.9086  引用 
皆様
ご無沙汰しております。
新潟県の平地の湿地で行った腐肉トラップに来たハエです。採集は8月中旬です。
5mm程度の大きさで翅に2つの黒斑があります。腹部の末端節は黄色の縁取りになっています。
科すら判りません。
ご教授お願いします。


Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2014/12/14(Sun) 10:43:04 No.9099  引用 
なみはさん:

返信の書き込みがないので,一先ず連絡します。

私もこれまでかなりの数の双翅類を採集していますが,この画像に相当するハエを採集したことがありません。残念ながら画像だけでは私には科の同定も出来ません。標本をお送りいただければこの年末年始の時間に調査して結果をお知らせできると思います。

Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:なみは 投稿日:2014/12/14(Sun) 23:08:04 No.9103  引用 
三枝豊平様
お忙しい中、ご返信ありがとうございます。
サンプルを送付させていただきます。

ただ、画像はアルコールに入っていた物を少し乾燥させて撮影した物です。液浸のままお送りすればよろしいでしょうか?乾燥させた方がよろしければ、乾燥させてから送付させていただきます。

Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2014/12/18(Thu) 08:05:17 No.9106  引用 
なみはさん:

標本は液浸のままお送りください.容器の中になるべく空気の入っているスペースを小さくしておくと,輸送中に材料があまり動かずに傷みが少なくなります.

Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:namiha 投稿日:2014/12/24(Wed) 09:53:07 No.9117  引用 
三枝豊平様
連絡が遅くなり、申し訳ありません。
ご指示通り、液浸にて送付させていただきます。
よろしくお願いします。

Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2014/12/29(Mon) 07:57:11 No.9121  引用 
なみはさん:

投稿されたハエの標本をお送りいただいて,同定ができました.ハネフリバエ科UlidiidaeのEuxesta属の1種です.従来,本掲示板に出ているE. pechumaniとは翅の斑紋や腹部,脚などの色彩に相違がありまして,日本昆虫目録第8巻にリストアップされているE. notataにかなり類似しています.本種はこれまで植物防疫所でも外国からの野菜類から出ているそうですので,この種の可能性が高いと思います..

Re: 腐肉トラップに来たハエ 投稿者:なみは 投稿日:2015/01/08(Thu) 13:51:48 No.9149  引用 
三枝豊平様
別途に詳細な解説を頂き、勉強になりました。ありがとうございました。
ハネフリバエ科に属する種であるとのこと、ハエの奥深さを改めて思い知りました。
今後ともご教授よろしくお願いします。

名前がわかりません 投稿者:ちゃわんむし 投稿日:2014/12/31(Wed) 22:34:40 No.9139 ホームページ  引用 
はじめて投稿させていただきます。
写真は津久井湖城山公園の園路の手摺にいたハエ?です。体長は4.2mm程度です。前肢を広げて、周囲を探るような面白い歩き方をしてました。ハエ目である事しか分かりません。なんという名前でしょうか。宜しくお願いします。
撮影日時:2014/12/30 13:20
撮影場所:津久井湖城山公園・湖畔展望園路


Re: 名前がわかりません 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2015/01/01(Thu) 00:25:08 No.9140  引用 
画像の双翅類はブユ科の1種の雄でしょう。属や種までは私にはわかりません。なお、蚊と同じように雄は吸血しません。

Re: 名前がわかりません 投稿者:ちゃわんむし 投稿日:2015/01/01(Thu) 07:27:43 No.9141 ホームページ  引用 
あけましておめでとうございます
アノニモミイアさん、初めましてちゃわんむしと申します。
ブユ科でしたか。これまで色々な昆虫の写真を撮ってきましたが、ブユ科は初めてです。ブユ科の中にも結構綺麗な種がいるのですね。ブユのイメージが変わりました。
元旦から早速の回答、有難うございます。
本年もよろしくお願いいたします。

同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/30(Tue) 18:48:59 No.9122  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
12月29日に静岡県御殿場市で採集したハエについてご教示いただけますでしょうか。
体長は3ミリ程度です。
よろしくお願いいたします。


Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/30(Tue) 18:50:09 No.9123  引用 
追加の画像です。

Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/31(Wed) 09:23:24 No.9127  引用 
HMさん:分類形質が十分に現れていない画像ですが,投稿のハエはハモグリバエ科の1種で,中央室が矮小になっていますが,閉じられているので,Napomyza等の仲間でしょう.この画像から私に言えるのは以上で,ハモグリバエ科の1種ということです.ハモグリバエ科は膨大な種が生息し,同定には交尾器を含む詳細な形態の検討が必要でしょう.

Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/31(Wed) 17:41:38 No.9137  引用 
アノニモミイア様
不鮮明な画像で申し訳ありません。
どうしたら他の方々のように鮮明な画像が撮れるのか、勉強しなければと思っております。
ハモグリバエ科の1種であることがわかり、うれしく思っています。年末のお忙しい時にありがとうございました。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。

無題 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:18:26 No.9128  引用 
今年撮影したハエの中ので、未同定の種がいくつかあります。ぜひ同定をお願いします。不鮮明で、角度も限られていますので、完全に同定とはいかないかもしれませが、せめて、何の仲間か分かれば幸いです。

まずはこちらのハエです。ヤドリバエの仲間でしょうか。5月25日岐阜県各務原市


Re: 無題 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:19:48 No.9129  引用 
別角度です

Re: 無題 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:54:11 No.9136  引用 
前に投稿されたのと同様にヤドリバエ科の事は確実ですが,それ以上は私にはわかりません.残念ながら本科の分類学の専門家はこの掲示板には投稿していただいていません.
かなり顕著な種ですから,専門家でなくてもどなたか大よその見当をつけて頂けるかもしれません.

同定お願いします 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:34:54 No.9132  引用 
引き続き、お願いします。おそらくヤドリバエの仲間だと思います。金色っぽい地色に黒の筋です。11月15日岐阜県各務原市。

Re: 同定お願いします 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:35:48 No.9133  引用 
別角度です。

Re: 同定お願いします 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:36:38 No.9134  引用 
さらに別角度です。

Re: 同定お願いします 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:53:07 No.9135  引用 
ヤドリバエ科の事は確実ですが,それ以上は私にはわかりません.残念ながら本科の分類学の専門家はこの掲示板には投稿していただいていません.
かなり顕著な種ですから,専門家でなくてもどなたか大よその見当をつけて頂けるかもしれません.

同定お願いします。 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:27:09 No.9130  引用 
引き続き、お願いします。こちらは岐阜県と長野県の境の富士見台高原で撮れたガガンボです。ネット上では、似た種が見つかりませんでした。6月23日撮影。まずは単独です。

Re: 同定お願いします。 投稿者:シバさん 投稿日:2014/12/31(Wed) 11:28:04 No.9131  引用 
交尾です。

キイロヤドリイエバエ 投稿者: 投稿日:2014/12/31(Wed) 07:55:38 No.9124  引用 
去年の年末にはヒメヤドリイエバエ属の投稿をしましたが,
今回はヤドリイエバエ属です.
採集したのは半年前ですが2014年6月27日,岐阜県海津市南濃町,12.5mmです.
曇りの日に林床を飛んでいるのを見て,とまったところをすくいました.
見たのは一回のみです.
以前の書き込みで次は採集したいと書いたものとは違うものです.


Re: キイロヤドリイエバエ 投稿者: 投稿日:2014/12/31(Wed) 07:56:32 No.9125  引用 
やはり後気門の下には不規則な毛があります.

たまたまR2+3脈の先端が小さく分岐しています.
以前教えていただいたように,C脈がどこまで伸びているかは微妙だと思いました.
R4+5で止まってはいません.
しかしiaは0+2なのでSyngamopteraでいいと思います.

種の検索表では,
胸部は完全に黒色ではなく,第1腹板には刺毛がない.
オスの額は狭く,前額帯は黒色か暗褐色.
少なくとも腿節は完全に黄色.
小盾板,胸部側板,前胸腹板,中胸気門はオレンジから黄色.
これでキイロヤドリイエバエ Syngamoptera flavipes (Coquillett, 1898) になります.

日本のイエバエ科でも日本昆虫目録でも,見ると最初はSpilogaster属というものだったことがわかるのですが,
Coquillett(1898)の334ページを見ると,それはハナバエ科だったようです.
http://biostor.org/cache/pdf/55/2e/f4/552ef480a450a07ed447f42274110e28.pdf
CuA+CuP脈が紛らわしいからなのかどうかは分かりませんが,科が違ったようです.


未採集のヤドリイエバエ属 投稿者: 投稿日:2014/12/31(Wed) 07:57:45 No.9126  引用 
本当は狙っていたのはこれなのです.
同じく岐阜県海津市南濃町で,撮影日は2011年5月8日です.
こちらは大きさはもっと小さいです.
見通しの良い開けた所にいたので周囲の環境も違います.
色からしてカノウヤドリイエバエかもしれないと思うのですが,来年は確保して確かめたいです.



皆様今年もありがとうございました.
よいお年を.

同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/23(Tue) 23:28:12 No.9113  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
12月23日に採集したハエの画像を見ていただけますでしょうか。イエバエ科かと思いましたが、いかがでしょうか。
体長は約7ミリ、採集場所は静岡県御殿場市です。
よろしくお願いいたします。


Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/23(Tue) 23:29:16 No.9114  引用 
追加の画像です。

Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/23(Tue) 23:31:37 No.9115  引用 
もう一枚、追加の画像です。

Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/24(Wed) 02:38:33 No.9116  引用 
HMさん,これらの画像からだけの判断ですから,間違っているかもしれませんが,ヒメイエバエ科FanniidaeのFanniaの1種ではないでしょうか.

この確認のためには,翅の基半部の後半をチェックする必要がありますが,どの画像でもそれが現れていません.FanniaではCuA+CuP脈(いわゆる臀脈)の後方からの脈状構造が,前脈を取り囲むような湾曲を示します.

Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/24(Wed) 20:47:52 No.9118  引用 
アノニモミイア様
ご教示ありがとうございます。
改めてCuA+CuP脈の周辺の画像を撮ってみたのですが、いかがでしょうか。もしFanniaだとすると「日本昆虫目録第8巻双翅目」の53種の中の1種ということになりますでしょうか。
合わせてご教示のほど、よろしくお願いいたします。
                     


Re: 同定のお願い 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/25(Thu) 08:48:40 No.9119  引用 
投稿のハエはFanniaの1種であることは間違いないと思います.
CuA+CuP脈(いわゆる臀脈)の後方からこの脈を取り囲むように湾曲している状態が画像で示されています.

「53種の中の1種ということになりますでしょうか。」とのことですが,Fanniaの同定は主に♂を使って,中脚脛節の状態や交尾器の構造が重要です.

 ご参考になるかどうかわかりませんが,種の同定には♂の腹部(少なくとも後半部)を苛性カリや苛性ソーダなどのアルカリの10-15%の液につけて10分ほど湯煎した後に,水洗して,水中やエタノール80%液等の中で双眼実体顕微鏡の下で解剖しなければなりません.もちろんNishida,Chillcott, Hennigなどの関係論文を参照することは必須です.解剖には砥石などで先端を鋭く尖らせた鋼鉄製のピンセットの1−2セットが必要です.解剖等が終わった材料は10%程度の酢酸または酢につけてアルカリを中和させたのちに水洗,80%程度のグリセリン(浣腸液も使える)を入れた小容器に保存すれば半永久的に保存できます.アルカリ溶液はタンパク質を溶解するので,肌,目,ウールの着衣などには決してつけないように注意が必要です.衣類などについたら薄い酢などで中和した後に水洗しておきます.グリセリンで保存すると保存液が蒸発乾燥することがほとんどないのでエタノール等より確実で,フォルマリンのような毒性はありません.

Re: 同定のお願い 投稿者:HM 投稿日:2014/12/26(Fri) 05:42:21 No.9120  引用 
アノニモミイア様
コメントをありがとうございました。
Fanniaの1種であることがわかりうれしく思っています。
同定の仕方までご教示いただき、たいへん恐縮しております。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。

お尋ねします 投稿者:Ponchan 投稿日:2014/12/20(Sat) 14:17:23 No.9107  引用 
お尋ねします。
12/7 東京西部郊外の道端の菊の花にいたアブです。
虫を捕えてました、種名が分かれば教えて下さい。
別の掲示板に投稿したところ種名が確認出来ず、こちらの掲示板をご案内戴きました。
種名が分かるでしょうか。


Re: お尋ねします 投稿者:Ponchan 投稿日:2014/12/20(Sat) 14:30:29 No.9108  引用 
もう一枚、上が攻撃してるアブ、下の虫も種名はわかりません。

Re: お尋ねします 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/20(Sat) 17:41:02 No.9109  引用 
Ponchanさん.
お尋ねの虫はフンバエ科のヒメフンバエScathophaga stercorariaです.フンバエ科はアブの仲間ではなくて,ハエの仲間です(厳密にアブの仲間にもオドリバエのようにハエの語尾のものもあるし,また厳密にハエの仲間でもハナアブのようにアブの語尾があるのもあるので,あまりこの区別を気にすることはありません).フンバエ科はイエバエ(イエバエ科),キンバエ(クロバエ科)などと共に広い意味で最も蠅らしい仲間ですが,この種のように体がやや細長いのでアブとまちがえてしまうでしょう.

フンバエ科の成虫のほとんどは捕食性で他の小さなハエ類などをとらえて食べます.この場面もおそらくハナアブ(ヒラタアブ)の1種を捕えて食べているところです.フンバエ科の幼虫の食性はさまざまですが,上記のヒメフンバエは名前の通り家畜などの糞を食べます.成虫はしばしば糞の上にいますが,産卵や交尾のために来ていることもあるし,そこで他のハエを捕食することもあるでしょう.

ヒメフンバエは秋から早春など比較的涼しい季節に多いものです.

Re: お尋ねします 投稿者:Ponchan 投稿日:2014/12/20(Sat) 20:22:31 No.9110  引用 
アノニモミイア さん、早々とご返事有難うございました。
最初は虫(アブ)を捕食していたので、ムシヒキアブの仲間かと思い、WEBで探して見たのですが、体形が合わず悩んでました。
ヒメフンバエと言うのですか、生態から言うとあまり衛生的な昆虫では無さそうですね。初めて知りました。
これをご縁に今後とも宜しくお願い致します。

Re: お尋ねします 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/21(Sun) 00:59:33 No.9111  引用 
ムシヒキアブは真にアブの仲間で,口吻が長く,かつ前方を向いています.また触角は多くの種では長く,頭部の長さの1/2位はあります.画像で見てもわかるようにヒメフンバエの口器は短くて下を向いているし,触角は短く,とくに3番目の節(第1鞭小節)はほぼ円形で,その先に毛状の触角刺毛が生じています.これらの点でムシヒキアブ類とは顕著に異なります.なお,下の画像で翅の先の方に達している3本の翅脈の内の中央の1本がムシヒキアブでは分岐しています.

Re: お尋ねします 投稿者:Ponchan 投稿日:2014/12/21(Sun) 10:04:34 No.9112 ホームページ  引用 
アノニモミイア さん  詳細な分類学的な面からのご指導有難うございます。大変参考になりました。難しいですが同定には写真撮影もシヤスピンで多角的に撮る必要があること痛感しました。有難うございました。

カエデの葉で作られたクモの巣の... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/11(Thu) 22:21:54 No.9095  引用 
いつもご指導ありがとうございます。
12月11日にカエデの葉で作られたクモの巣を採集したところ、中から何十という数のハエが出てきました。体長は2ミリ程度です。その中に1個体だけ他の個体と異なる体色のものがいました。この個体についてはどのように考えればよろしいでしょうか。ご教示いただけますと幸いです。
採集場所は静岡県御殿場市です。
よろしくお願いいたします。


Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/11(Thu) 22:22:59 No.9096  引用 
追加の画像で、ハエが出てきた巣の画像です。

Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/11(Thu) 22:23:49 No.9097  引用 
追加の画像で、他の個体の様子です。

Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/14(Sun) 08:27:42 No.9098  引用 
HMさん:ご質問の主旨が良く分からないのですが,このハエの名前をお聞きしたいのでしょうか。それともそれは分かっているから,「1個体だけ他の個体と異なる体色のものについてはどのように考えればよろしいでしょうか」と言う質問でしょうか?

1.まずこのハエの名前については以下の通りです。キモグリバエ科のヤドリキモグリバエ属Pseudogauraxの1種です。本属はクモ類の卵嚢に寄生します。日本からは,櫂歌書房発行の日本昆虫目録第8巻双翅目第2部には,P. boninensis Kanmiya, 1989ムニンヤドリキモグリバエとP. chiyokoae Kanmiya, 1972オニグモヤドリキモグリバエの2種が記録されています。前種は小笠原諸島,後種は北海道から九州,更にマレーシアまで広く分布しています。
本属の概形は,Genus Pseudogaurax - Parasitic Chloropid Fly - BugGuide.Net とネットで検索すればカラー写真も出ています。

2.最初の画像の個体が,他の個体と色が異なる個体と言う意味でしょうか。ハエ類にはある程度の個体変異や性的二型などがありますし,また羽化後の時間や日数で色彩が暗化して本来の色になるのが大部分です。異なる個体が最初の写真かどうか,あなたの文章ではわかりませんので,この点について,問題の個体と他の個体の色の違いがはっきりわかる画像をもう一度撮影して投稿してください。

本掲示板の皆様へ:
前述の,日本昆虫学会発行の「日本昆虫目録第8巻双翅目」を是非ご購入下さい。本年9月1日発行で,日本の双翅目の名称などがでている最新の著作です。学名,和名,最初に発表された文献(原記載または原公表の文献引用),地理的分布や必要に応じて備考もついています。2部に分かれて全部で1000頁あまりの大著です。福岡市の櫂歌書房の発行で,各部が13,000円(本体),合計26,000円ですが,価格を十分に上回る価値があることは間違いありません。本掲示板をご利用の双翅目に関心のある方には必携の図書です。年末で出費が多いかと思いますが,この際ボーナスなどで是非購入してみてください。櫂歌書房で検索すればわかると思います。

Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/14(Sun) 13:08:06 No.9100  引用 
アノニモミイア様
質問の仕方に不備があり、たいへん失礼いたしました。
名前も知りたかったので、先ずはそのことを明記するべきでした。ご教示いただき、感謝申し上げます。
色の異なる個体について改めて画像を添付させていただきます。
左側の黄色い個体が他と異なる体色の個体で、スレッド9095に添付した個体と同一個体です。他の個体は右側の体色でした。ご教示のほど、よろしくお願いいたします。


Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2014/12/14(Sun) 14:28:24 No.9101  引用 
HMさん:今回の画像に出ている2個体は確かに胸部側板の斑紋や脚の色彩で相違が見られます.残念ながら本土にいるP. chiyokoaeの記載では脚の色の記載が行われていません(普通は記載するものですがネ).あなたが多くの個体と言うのは前脚や後脚の脛節が暗色に見えますし,唯一の個体は脚がかなり全面的に黄色です.画像を見た限りではこの相違が別種の違いか,同種の変異課は判断不可能です.

私はキモグリバエの分類学を専門としていませんが,これらが同一種か否かの判断は標本を見ればかろうじて可能かと思います.この点をかなりお知りになりたいのであれば標本を送ってもらえば時間がある時に見ることは可能です.その場合は色の違う1個体とその他多くの個体の数頭以上の個体を検する必要があるでしょう.

Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/14(Sun) 22:11:39 No.9102  引用 
アノニモミイア様
画像を見ていただき、ありがとうございます。
別種の可能性があるとわかっただけで、非常にうれしく思っております。ありがとうございました。
申し訳ありませんが、もう一つだけ、質問をさせてください。
上宮博士のA SYSTEMATIC STUDY OF THE JAPANESE CHLOROPIDAEではP.chiyokoaeについて、Head entirely yellowとありますが、「多くの個体」は頭部全体が黄色とは言い難いように感じます。「多くの個体」の生態画像を添付しますので、これがentirely yellowと表現できる範囲内か、ご教示いただけますと幸いです。


Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2014/12/15(Mon) 12:18:23 No.9104  引用 
脇からおじゃまします。
オニグモヤドリキモグリバエについては、横浜で9月に撮られ、上宮博士に見ていただいた背面画像があります。「オニグモヤドリキモグリバエ 横浜」で検索してみてください。
その個体は、前胸背にあるはずの4本の黒条のうち、中央2条が淡い褐色なので、おそらく(羽化後まもなくで発色不十分の)テネラルと思われます。これと較べてみると、頭の縦横比、小楯板の縦横比、翅脈前縁の部分比などが違って見えます。ご参考までに。

Re: カエデの葉で作られたクモの... 投稿者:HM 投稿日:2014/12/15(Mon) 22:49:50 No.9105  引用 
ezo-aphid様
コメントありがとうございました。
画像拝見しました。とても美しい画像で感動しました。撮影の腕の違いも大いに関係していると思いますが、同じ種とは思えません。翅脈も異なっているように、確かに感じられます。添付画像の赤線部分に特に違いを感じました。

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