このような写真で同定するのは,科のレベルでも無理です.私が前にケバエで,あなたの本掲示板上での同定について書きましたし,またハエ男さんも書いているように,双翅類の同定は現物があっても特にハエ型類では決して容易な事ではありません.こう言ったらなんですが,日本の双翅目の職業的研究者あるいはその退職者で,日本産の双翅類の標本に基づいて即座に科の名称が同定できる人は恐らく数人といないのではないかと愚考しています.ましてや,写真になると検索上重要な形質があまり表わされていません.私の場合は本掲示板上での同定の依頼に対応でいるのは,
1.形質が良く表わされていて,かつ鮮明な写真であること. 2.同定の必要性をかなりはっきりお書きいただくこと. をお願いしたいと思います.漫然と撮影した不鮮明で形質が判然としない写真での同定依頼には,快く応じるのは難しいことをご了承ください. しかし,どちらかと言えばあまりポピュラーでない昆虫群の双翅目について多くのかたがたが興味を抱き,いろいろな情報を寄せられることは,双翅類の知見を深める上で大変重要なことと自覚しています.ですから,写真の状態や問いかけの具合でどうしても掲載者の態度を判断して,それに応じての回答と言うことになりがちです. 改めて申し上げますが,今回のような翅が全面的に反射していて,脈相が全く分らない上に,頭部や胸部の刺毛状態も分らない写真に基づく同定依頼の掲載は,回答の対象にはなりがたいといわざるをえません.たとえイエバエ科であったとしても,この写真に対する情報をあなたがどのように用いるかについて,全く判断いたしかねるものです. 掲載する写真はできれば背面と側面,翅脈相がなるべくわかるもの,細部が詳細に撮影されているもの,を期待したいとおもいます.それと撮影年月日,撮影場所は必須で,できれば生態情報も欲しいところです.また,同定結果を掲載者がどのような目的に用いられるかも,付記すべきではないでしょうか. 本来同定と言う作業は1種の労働でして,多くのアセス関係では1種の同定に数千円から時には2−3万円を価格として設定しています.これは諸外国でも同様でして,英国の場合には科まではいくら,属はいくら,種はいくら,と分類階級ごとにかなりの同定料の基準をもうけています.例えば骨董品などの鑑定料をお考え下さい.同定できる知識をうるための投資は文献や経験などかなりのものを行っているわけで,その点から同定は1種の労働である,と記したわけです. 本掲示板上での同定は本来は有償であるものを,あくまでボランティアとして行われていると言うことを配慮いただきたいと思います.
ハエ男さんがハナアブ科やムシヒキアブ科について予備的な知識をえてから投稿されたら,と言う趣旨のことをお書きになっています.
1.先ず第1に撮影したハエなどの個体を確実に採集して,適切な標本作製をされること.これによって,生態写真に加えて,私が前便で述べたように背面と側面の写真撮影が可能になります. 2.顕微鏡などをお持ちでなければ,ハエではニコンのファーブルシリーズの簡便な双眼実態顕微鏡が販売されています.30倍くらいですので,キイロショウジョウバエくらいを限度にあまり微小でない限り,ハエの形質をかなり良く観察できます. 3.双翅目の科までの検索ですと,近刊の北隆館発行の新訂原色昆虫大図鑑第三巻には双翅類の形態と日本産の科の検索表が掲載されています.この部分だけでも図書館などでコピーして参照されると,科を同定する練習にはなると思います.この他,いくつかの双翅目の科の検索表については,同書でも紹介されています. 前便では私の考えを述べましたが,もちろん私より快く同定をしていただける専門家の方々もおられるかと思いますので,これからもレスが受けやすいような投稿をされたらと思います. |
以前日本産カバエ属Sylvicolaの種の検索表を示しました.そこではSylvicola japonicusについて原記載の記述と付図が異なる種であるから,この学名は原記載の記述にあう種,すなわち中胸楯板に3本の縦条を持つ種に適用しておきました.しかし,その後,本種の北大の模式標本の検討を行ったところ,北大に残っているsyntypeは原記載の記述とは異なるもので,原記載で図示されているのに相当する個体だけでした.そのために,現状では中胸楯板に4本の縦条が明瞭に現われる図示されたもの(検索表で未同定種種2としたもの)に,japonicusの学名を当てざるをえないことになりました.これも残念ながら暫定処置で,原記載の記述に一致する標本があるいはどこかに残されているかもしれません.無理に今残されている標本を後模式標本(lectotype)に指定してしまうのはまだ時期尚早と思われます.最近発行の北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第三巻の392ページでもこのような分類学的処理がなされていますので,皆さんの注意を喚起します.
なお,同書の双翅目の追加分の写真や記述は,同定しようとする標本が所載の種であるか否か,所載されているならば,あくまでも「種あるいは属に確実に同定できること(例えばAus busとか Cus sp.とか)が図鑑の使命である」とするプリンシプルに基づいていると言えます. |
かわかみさま、こんにちは。
ハナアブ勉強中のpakenyaといいます。よろしくお願いいたします。 画像のハナアブは、複眼が密に細毛で覆われており、腹部の模様も青味のある光沢を有しているので、クロヒラタアブ属Betasyrphusに間違いありません。ですが、この属にはクロヒラタアブB. serariusとニッポンクロヒラタアブB. nipponensisの2種があり、互いによく似ています。確実な同定には♂の交尾器を見なければいけません。♀の場合、小楯板の基部の毛の色で区別できるようなのですが、美しく撮られているこの画像でも、毛の色まで識別できませんね。
かわかみさま、横から失礼します。
クロヒラタアブとニッポンクロヒラタアブの♀の区別についてですが、先日東北地方の業務の同定をしていて、クロヒラタアブ類の♀を小楯板の基部の毛の色で同定したところすべてニッポンクロヒラタアブになったために、これは怪しいと思い同所的に得られたクロヒラタアブ類の♂の交尾器を見てみるとすべてクロヒラタアブになりました。ということで、クロヒラタアブ類の♀を小楯板の基部の毛の色で同定するのは非常に危険だと思われます。 したがって、現状ではクロヒラタアブ類の同定は♂交尾器でしか同定できないのではないかと考えています。♀の同定はもしかすると解剖すればわかるかも知れませんが、今のところ交尾個体の♂の同定から類推するくらいしかないのではないかと・・・・ なお、環境調査では、私はクロヒラタアブ類はなるべく♂を採集するように心がけています。 余談ですがニクバエ類も♀での同定は困難なので、なるべく♂を採集するようにしています。ムシヒキアブ類もグループによっては♂を採集するようにしています。ガガンボ類も同様です。双翅目の同定を考えた場合♂交尾器などの形質が重要なグループは多いと思われます。 ケンセイ@アブ科は♂では同定が困難です
ケンセイさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。 生態画像からは、クロヒラタアブ属までということですね。
かわかみさま、どうもです。
>生態画像からは、クロヒラタアブ属までということですね。 そうなります。 ただし、中部関東東北地方では、私が知る限りほとんどニッポンクロヒラタアブは記録されていないので、ほぼクロヒラタアブでも良いように思います。 ちなみに、ニッポンクロヒラタアブは四国と九州、南西諸島に分布する種であり、今までの本州からの記録は島根県、福井県、大阪府、和歌山県などごく一部に限られているようです。私はニッポンクロヒラタアブを上述の島根県で確認しています(はなあぶに掲載済み)。関東地方ではまだ採れていないように思います。 ということで参考になれば幸いです。 ケンセイ@関東地方のニッポンクロヒラタアブをゲットしたいので、かなりの数のクロヒラタアブ類の♂を採集同定していますが、未だに記録できずにおります。
コメントありがとうございます。
ニホンクロヒラタアブは、本州では限定的だということでしたので、クロヒラタアブの可能性が高いと思っていましたが、 あくまでも可能性ですね。
かわかみさま、ケンセイさま、こんにちは。
ニッポンクロヒラタの分布ですが、北海道からは確実に記録されていますので(はなあぶ6、18、23号)、本州の東側にもいても良いように思うんですよね。 小楯板の毛の色では識別できないとなると、雄に頼らざるを得ないですね。 わたしも採りまくっていますが、クロヒラタばかりです。
pakenyaさま、コメントありがとうございます。
確かに札幌周辺で採れているので、本州の東側にも分布している可能性は高いと私も思うのですが、なぜかクロヒラタアブばかりですね。もしかしたら市毛ハナアブ大王さまは採集してるかも・・・・^^;;;;; |
胸部の色彩のみではオオクロバエとケブカクロバエの識別は結構大変だと思います。
この画像は拡大すると胸部の剛毛配列がきれいにうつっていますので、同定可能でした。(ケブカクロバエになります。)
コメントありがとうございます。
オオクロバエとケブカクロバエ の胸部の画像がありますので、 拡大して比較してみます。
??拡大してみると、両方ともケブカクロバエのように見えます。
胸部の横溝という線の前の剛毛列の中に横溝前翅内剛毛と呼ばれる剛毛があるのですが、画像では両方ともその剛毛が無いように見えます。(あるのが普通はオオクロバエ類、ないのがケブカクロになります。) あと、♂♀ともに複眼の間がケブカクロバエの方が広いです。 某BBSでは画像の拡大機能がないので、その辺が確認し難く、同定にはかなり苦労しました(あっちの同定はあくまでも多分って形にしかならないんですよね。)
ご検討ありがとうございました。
オオクロバエの胸部の写真を撮影し、 両者の違いをわかるようにする 必要がありますね。
♂の腹部末端を腹側から見ると一発なんですけどね・・・
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双翅目の名称などをお尋ねになる場合は,いま少しピントの合ったシャープな写真を掲載してください.少し前のショウジョウバエ(?)の方の写真も本来は同定不能ですが,なぜかハエ男さんが久しぶりに寛容な態度でDrosophilaではないだろうか,などとお答えになっていますが,この写真では実際のところショウジョウバエ科であるというキーキャラクターは全く見えていないといえます.それとハエ男さんがおりおり注文をされていますが,双翅目の同定には体の剛毛の数,配列,方向などや,翅脈の詳細が必要で,さらに撮影された場所や年月日も参考になります.種のレベルでの同定には♂の交尾器などの詳細な構造を見る必要もしばしばです.掲示板で同定を依頼される場合は,答える人は標本を見ることができないので,なるべく詳細な写真やデータがあればより詳しい同定が可能になります.
前置きが長くなりましたが,今回の写真は全体の印象からケバエ科であろうと思います.これもケバエ科のキーキャラクターは写真では全くでていませんが,多くの標本を見てきた経験から全体的な印象として,おそらく,あるいは確実にケバエ科であろう,といえるわけです.多分,ハエ男さんもショウジョウバエの質問には,このような考えでお答えになっていることと思います. なお,不鮮明な写真ですが,前脚の脛節の先端に刺があるようにみえますので,この形質があるとすれば,ケバエ科のBibio属ということになります.
アノニモミイアさん、こんばんは。
ピンボケの写真にもかかわらず、ご検討ありがとうございました。
前にも別の掲示板や当BBSでも書いたのですが、同定できる画像と生き生きした画像は全く別物で、見るべき場所が見えないとどんな専門家でも同定は出来ないということになります。
では「見るべき場所はどこなんだ」ということになりますが、それは「その種が新種として発表されたときに書かれた記載論文の各形質の部位を見る」または「検索表として出されたものに出ている形質の場所を見る」ということになります。 しかし、現在一般向けに普通に販売されている図鑑やガイドブック等ではこれらの情報はほとんどわからないというのが現状です。 チョウやクワガタなどで行うパっと見的絵合わせ同定ノウハウは双翅目ではほとんど使えないと考えて良いと思います。(毛の数や毛の向きで同定するなんてことはチョウやクワガタでは考えられない話ですし・・) とりあえず、背面、頭部背面、頭部正面、脚、翅脈などがわかるようになっていると画像のみでも種までの同定できる可能性が高くなります(♂交尾器を見ないと同定できない種も多いので、生態画像では出来ない場合も多いので注意が必要です。) また専門家の方々にお願いですが、まだまだ双翅目の同定ノウハウは一般の方々には浸透、理解されていないというのが現状だと思いますので、いろいろなところでそういう話を出していただけますと、双翅目への理解や楽しみ方も深まってくるのではないかと思います。 かわかみさん>当BBSは双翅目の専門家もかなりの数の方が見てくれていますので、時にはちょっとこわい表現もあるかもしれませんが、また投稿してください。 研究者側も一般の方々の撮影した画像にとてつもなく重要ものがある場合があり、これらの情報に注目していて、時には学術上重要な発見になる場合があります。 当BBSはそういう意味でも、一般の方々と専門家の仲立ちが出来ればよいなあと考えています。 (同定に関する元凶は昔の怪獣TVで怪獣や怪しげな生物を本を見てパッと名前を調べちゃうえらい先生方なのではないかと思ってます。これで、生き物は種名がすぐわかるものだと勘違いされてる方がすごく多くなった気がしてますし・・・)
ハエ男さん、こんばんは。昆虫についてはチョウやトンボのような図鑑で分類できるグループと、そうでないグループがあって、多様性が大きく、形態が似たものについては、専門家(プロ)とアマチュア、素人の間に、大きなギャップがあるように
感じられます。 一般の人が、個別の記載論文を集めて見分けるのはまず困難なので、こうした専門家と一般の人々をつなぐサイトは、ネット時代に可能になった、新しい方向性(可能性)だと思います。 昆虫の生きた姿をできるだけ美しく撮影したいというのが願いですが、撮影された被写体が誰なのか、すなわち、名前はたいへん重要です。名前がつくとそれで検索していくと生態情報などこれまでの知見が集められるようになります。生態写真から種まではわからなくても、属レベル、場合によっては科のレベルでもどういう生き物なのかある程度はわかります。種までわかるグループ、属まで、あるいは科までなのかといった情報自体、市販されている図鑑などからは読め取れないことがあります。ハエ男さんなど、詳しい方にコメントをいただいて、少しずつですが、昆虫の世界がわかってきました。これからも投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。
双翅目関連の情報についてはネット検索という方法はよほど気をつけないとガセネタ(誤同定による誤った情報)をつかまさることになります。(個人のサイトやブログなどでは交尾器を見ないと同定できないはずの種でも、種名が堂々と出てますし・・)
きちんとしたサイトは必ず参考文献を明記してあります。(しかし一般的な保育社や北隆館、学研、などの図鑑だけしかでていないような場合はかなり怪しい・・同定精度に難ありと考えた方が良いですね。)同定に使用した文献の明記または同定者氏名が明記されているサイトは、もし怪しい点、間違い等があっても、それを追跡検証できるので、かなり信用度は高く、参考にすることは出来ます。 現在のネット上では、このガセネタを検索して、引用、参考にして、間違った情報が公開されてしまうという悪循環が起こっているので困っています。 |
本日19時過ぎぐらいまでサーバーでトラブルが発生したようでご覧になれなかったと思います。申し訳ありません。
CGIプログラムはこちらではいじっていなかったのですが、アクセスするためのプログラム属性が変更されてしまっていました。(とりあえず修正しましたので、現在は見れるようになっています。) ハエ系掲示板にサイバーテロか???ちょっと注意しながら経過を見てみますね・・・ |
ハエの主な剛毛にはそれぞれに名前がついています。(それを覚えるまでがめんどくさいのですが・・・)
画像をみると横溝前翅内剛毛という毛が無い様に見えますのでケブカクロバエで良いと思います。 |
ショウジョウバエ科であるとは思います。
ショウジョウバエ科の同定はかなり細かなところまで見なければならないので、1方向のみの画像からでは難しいというのが現状です。 北海道大学のサイト方で一部の種については検索できるようになっています(日本産ショウジョウバエ(一部))を選択すると画像が出てきます。)ので、これを参照され、どの部分を見なければならないのかをご理解いただき、その部分を撮影していただければある程度の同定はできるかと思います。 http://biokey.museum.hokudai.ac.jp/Classification/Top?lang=ja また発生時期の情報も同定するのに参考になりますので、撮影(採集)された時の日時も添えていただきたく思います。 また目の色はあくまでも目安程度にされると良いと思います。(変異で目が赤くないやつも時々見ますので・・・) ![]() ショウジョウバエとわかれば十分なのですが、また撮影してみました。顔部分です。 ちなみに、りんごジュースを開けてから入ったものと思います。発見場所は新潟県、1/15に発見しました。
液に入ってたものを取り出して撮影するとどうしても毛が寝てしまってわかりにくくなるのが問題なのですよね。
とりあえず、胸部背面の毛の並んでいる様子を見る限りではDrosophila属になるのではないかと思います。(もっとも普通に見られる属です。) |
最近,気になっているのですが,国有林などで採集を行う場合,営林署に入林届けを出しているのでしょうか?
私は,採集は山菜採りやキノコ採りのようなものだから,届出がいらないと思っていたので,出したことはありません. ところが,営林署によって違いがあるようですが,原則的には届出をしないといけないような話です. 甲虫学会等の剣山?の採集会の案内で,入林届けの話が記されており,剣山は面倒な山なのだなと思っていましたが,どこでも届出が必要となると困ったことになります. 色々と,御意見をいただければ幸いです.
とりあえず南信州の国有林(特にアカマツ林を除く)では入林届けは今のところ必要ないそうです。アカマツ林に関してはいわゆるマツタケ採取の権利云々である時期には入林が制限される場合がありますが、南木曽、大鹿などにある国有林では昆虫採集にかんする入林届けの指定はありません。(基本的に国有林はそういう制限はないことになっています。・・・ただし熊が多数で目撃されている場合、入山、入林が制限される場合もあります。)
ただ、最近は山菜なども乱獲される傾向にあるので、山菜の時期やキノコの時期には制限される場合があるとも聞いています。 採集は山菜やキノコ採りのようなものだからと届出はいらないという考えは産地ではあてはまらず、むしろ入山・入林の届けが必要になることも考えられます。(山菜採りやキノコ採りに対する規制が最近厳しくなりつつあります。)
古い本ですが「新しい昆虫採集案内I」のP.5には「国有林には許可証のない者は立入りできない」というような記述があります。しかし一般登山者は許可なく入林している訳で理屈があいません。
Webで「国有林 入林許可」で検索をかけてみるといろんなケースがあることがわかりました。 例えば関東森林管理局では次のような目的で入林される場合は事前に申請等が必要だそうです。(ttp://www.kanto.kokuyurin.go.jp/works/nyuurin/index.html) ・入林の目的 (1)踏査・測量・調査等 (2)測量・有害鳥獣捕獲等(地方公共団体が行うもの) (3)狩猟 これは「特定の行為を行う場合は許可が必要」ということですね。他の地域では学校行事、林道工事、学術研究を許可対象にしている例もありました。あと層雲峡のペンションが黒いオオイチモンジの採集者に入林許可証の取得を呼びかけている例とかがありました。 個人的な虫とりはともかく、剣山のように学会や同好会での調査は(1)に該当しそうです。 他に、地域によっては国有林での林産物(山菜、キノコ等)の採取のための入林許可を市町村が代行する制度があるようです。また知床や白神山地など特別な保護指定制度があるところでは登山だけでも許可が必要な例がありました。 その一方レクリエーションのため国有林の利用を促すHPは多く、そこには入林許可のことなど書いてありませんので、「国有林に入る時はどんな場合も許可を取れ!」という訳でもないようです。 結局、『場所と目的によっては許可が必要な場合がある』ということではないでしょうか。あらかじめ関係機関に相談するか、文句を言われてから対応するかのどちらかですね。マレーズトラップの常設とかは当然許可がいりそうですね。
ハエ男様.
南信州は大丈夫そうですね. TKM事務局様. その入林目的の「調査」というのが曲者です. 採集の目的が,虫を集めて分布や分類を調べるためという場合,「調査」に該当するのではないかと危惧しています. 屁理屈を言えば,採集した結果珍しい虫を見つけたので,雑誌や同好会誌に投稿した段階で,「無許可入林」になるのでは? 単なるコレクションのため採集し,成果を一切公表しないのであれば,大半の国有林での許可は要らないという屁理屈も成り たちそうです. 現在,とある保護地での採集許可申請を交渉していおり,研究実績を示すことで門前払いは避けられたようです. 申請書自体の記入内容は簡素だったのですが,申請書や図面以外に,「研究計画書」や「捕獲調査を行う必要性」の文書の提出を求められました. 文書に「公益上の必要性?」や「捕獲対象の動物がその保護地で絶滅の恐れが無い動物であること」を入れなければならないとのことで頭を抱えています. 調査地の選定理由として,過去に今回の保護地の周辺で行った採集結果などを引用しようと思ったのですが,結果として国有林への無許可入林とクレームを付けられるのではないかと,ヒヤヒヤしています;^_^) 当然,今回は調査になりますので,各営林署にも届出を出さなければなりません. その他に,層雲峡のペンションの人が書いている入林許可の話も気になっていました. 実は,大雪湖周辺等の林道?際でネットを振り回して採集しているときに,営林署の車と何回も合いましたが,全く何も言ってきませんでしたので,今頃になってこのような記述を見つけて冷汗をかいているところでした. また,トラップなども,普通無届で仕掛けていると思いますが,これなども常々やばいと思っています. たしか,利尻岳のトイレにトラップに使用したコップが捨てられているという記事を見た覚えがあります. 地元の八溝山でオサムシの新種?が出た後は,あちこちに放置された?トラップがかなり目立ちました. 以前,近郊のとある公園でトラップ調査をした時に,公園管理者に届出をしましたが,設置場所の細かい図面や,保存液の説明などかなり面倒でしたね. 保存液がアルコールや洗剤だったので,受け入れてもらえましたが,特殊な薬品だと有害性とか環境に与える影響とかで揉めそうですね. 学会などで,このような採集等についての統一した指針や書式などを作ってくれればと思います. 大学等で調査したことがある人だけが知っている門外不出の情報なのですかね? とりあえず,ありがとうございました.
市毛様、どうもです。
プライベートでは入林許可の届け出をだしたことはほとんどありませんが、環境調査の業務の際にはほぼ間違いなく入林許可証を発行してもらい、それを携行するように言われています。 したがって、任意採集ならいざしらず、ベイトやライト、マレーズなどを行う場合は何かあったときの保険として入林許可の届け出を出した方が無難ではないかと思われます。 |
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