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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:N.Yamada 投稿日:2009/06/17(Wed) 10:56:17 No.5608 ホームページ  引用 
初めて投稿させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。
ご存知の方があればご教示いただきたいのですが、
「ワイモンヒメヒロクチバエ(仮称)」
(ヒロクチバエ科ヒメヒロクチバエ属)
という和名が載っている論文をご覧になったことがある方、いらっしゃいますでしょうか。

仮称を発表された方はどなたなのか、この名称がどの程度通用しているものか、文献中では標本写真と共に掲載されているのか、等、できることなら知りたいと思っております。

※参考URLは 東奥日報社のWEB「あおもり昆虫記」です

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/06/17(Wed) 18:36:33 No.5612  引用 
N.Yamada様.

確かに「あおもり昆虫記」には,不思議な和名が出てきますね.

私もワイモンヒメヒロクチバエやニセフトスジヒメヒロクチバエの正体が気になっていました.

斑紋で絵合わせすると,ニセフトスジヒメヒロクチバエはRivellia alini, ワイモンヒメヒロクチバエはRivellia cestoventrisかR. nigroapicalisではないかと思っています.

なお,出典を含めたこれらの点については,もしかすると青森の市田氏が御存知ではないかと思います.

というのは,はなあぶNo.5の「市田忠夫 青森県から既知の双翅目の種類数」には,市田(1994)にヒロクチバエ科に2種のsp.があり,和名が付いていると記されています.

残念ながらこの報文には引用文献リストがないのですが,この市田(1994)は「市田忠夫 1994.その他の昆虫.青森市雲谷周辺の自然.p167-264.」の可能性が高いと思われます.

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:N.Yamada 投稿日:2009/06/17(Wed) 20:49:26 No.5613  引用 
ありがとうございます、茨城_市毛様。
文献について色々と教えていただきありがとうございます。

私は当初ワイモンとされる種について海外既知種ではないかと考えたため、海外WEBを対象にRivellia属で画像を探してみたのですが、見た限りではいずれもはん紋が異なり、腹部の模様も少し違っていました。(Rivellia nigroapicalisは近かったのですが、これも少し異なりました)
文献について、これはと思うものも1つあったのですが↓
ヒメヒロクチバエ属(新称)の日本産1新種と極東アジア産既知種について
National Science Museum 27,155-164,19941201
翅のはん紋がほぼぴったりでした。
しかし和名キアシヒメヒロクチバエで、ワイモンではありませんでした。
(そもそも脚だけでなく全身が黄色いのでこれは違うだろうと。)

「市田忠夫 1994.その他の昆虫.青森市雲谷周辺の自然.p167-264.」を閲覧してみたいですが、当方まったくの一般人ですので難しそうですね。


Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:市田忠夫 投稿日:2009/06/19(Fri) 22:35:22 No.5628  引用 
すみません「不思議な和名」の震源地です。知人に教えられて、ここにやって来ました。

ワイモンヒメヒロクチバエとニセフトスジヒメヒロクチバエの和名は私の発明ではなく、
この科を研究されていた原秀穂さんによる仮称です。
少なくとも1994年当時には未記載種であると伺っていましたが、その後のことは知りません。

市毛さんのご賢察のとおり、和名初出は市田(1994)かと思われますが、これには名称と採集地点の記号を載せているだけで、
形態・生態の記述はおろか、採集月日などの記載もありませんので、探してまで見る必要はありません。

写真の種は腹部背板に黒い横縞があるようですし、ワイモンではありません。
青森では未確認の暖地性の種で、千葉県の標本などを見たことがあります。
こちらも原さんからは未記載種と聞いておりましたが、その後原さんはヒロクチバエの研究に裂ける時間がないようですので、
少なくとも原さん自身がこれらの種を記載したりはしていないと思います。

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:N.Yamada 投稿日:2009/06/20(Sat) 21:45:57 No.5634 ホームページ  引用 
市田先生、わざわざのお出でをありがとうございます。
写真の種はワイモンではないとのご確認、そして文献の内容についての情報、重ねてありがとうございます。
「未確認の暖地性の種」とのこと了解いたしました。
ヒメヒロクチバエの1種とするしかないようですね。
あおもり昆虫記の写真を拡大して見た時、腹部背板に同様の縞があるように思い違いをしたようです。

補足ですが、岐阜大の理科教材データベースの未同定ミバエの画像にとても近いので、ミバエの仲間かとも考えていました。
(参照URLに該当の画像ページを入れております)
本当にお忙しい中ありがとうございます。貴重な情報をいただき助かりました。

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/06/21(Sun) 07:51:09 No.5635  引用 
市田様.
 コメントありがとうございます.

N.Yamada
 岐阜大の写真を見てみましたが,胸部と腹部の黒色斑を含めRivellia cestovetirsの原記載にかなり合致しており驚きました.
まだまだ,色々な種類が日本にいるようですね.

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:N.Yamada 投稿日:2009/06/26(Fri) 13:02:18 No.5660  引用 
下げ進行できればよいのですが上に上がってしまうことと思います。記事が古くなりましたのに返信申し訳ありません。
茨城_市毛様、市田忠夫様、管理人の古田様、この度はありがとうございました。
自分のブログに今回のやりとりに基づいた内容で未確認種として掲載しようと思います。

最後に別角度からの画像を1枚、大サイズでお送りして終わりにいたします。何かの折にこの画像が必要になることがあれば(明瞭でないのでご不要とは思いますが)、ご自由にお使い下さい。撮影地は大阪府豊中市、2009年6月9日の撮影となります。


Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:yohbo 投稿日:2009/06/27(Sat) 20:51:42 No.5663  引用 
話題のハエと近似と思われます。クズの葉にいました。 
分布等の参考になればと…。

データ:2009年6月27日 対馬市峰町志多賀


Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/06/27(Sat) 21:32:27 No.5664  引用 
yohbo様.

 この写真も,Byun(2001)A systematic study of Rivellia R.-D. in Koreaに掲載されているRivellia cestoventirsに胸背・腹部と翅の斑紋共に合致しています.(胸背部の黒色斑紋は変異が多いと記されています.)

 また,上記論文の注記にも「寄主植物は不明であるが,多数の個体をPueraria thunbergiana(クズ)の葉のスィーピングでえた」と書かれています.

採ってみたいものです.

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:N.Yamada 投稿日:2009/06/28(Sun) 00:39:25 No.5666  引用 
私の撮影した個体について追加情報です。
葉の上にいたわけではないので参考にならないかもしれませんが念のため、撮影場所の真下には確かにクズが茂っています。(他にも色々と生えてはいますが。)

Re: ワイモンヒメヒロクチバエ 投稿者:yohbo 投稿日:2009/06/28(Sun) 06:41:09 No.5667  引用 
茨城_市毛 様

ご教示ありがとうございます。 今後,注意を払いたいと思います。

N.Yamada 様

撮るきっかけを作っていただきました。 感謝です。

砂浜で見つけました 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/24(Wed) 00:22:51 No.5656  引用 
ハマボウフウなどの海浜植物が生える砂浜で小さなハエを見つけました。体長は5ミリくらいに思えました。この角度からしか撮れませんでした。すぐにどこかへ行ってしまい見失いました。今までに見たことの無いハエです。
何ハエでしょうか。
2009.6.23 曇り空の夕方 三重県津市


Re: 砂浜で見つけました 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/24(Wed) 01:10:21 No.5657  引用 
ムシヒキアブ科です。「むしひきあぶ図鑑」をネットで検索して、その画像を比較されれば同定できるでしょう。

Re: 砂浜で見つけました 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/24(Wed) 02:06:30 No.5658  引用 
三枝豊平さま、ありがとうございます。
ハマベコムシヒキ Stichopogon infuscatus
やっとのことで、たどり着きました。
ひょっとしたら居るのではないかと前から思っていた種だったのですが、ハマベコムシヒキで検索しても何の画像も出てこなかったので、イメージ出来ずにおりました。
また会いに行ってきます。

小型Hilaraの群れです。 投稿者: 投稿日:2009/06/23(Tue) 23:06:07 No.5653  引用 
小型Hilaraと教えていただいた群れが沢縁を飛んでいました。
雌が多く思えます。1枚目の左上の一匹は合成貼り付けました。
これと、右の雄は何かを抱えているように見えるのですが、これも求愛餌でしょうか。あと、2枚のせます。


Re: 小型Hilaraの群れです。 投稿者: 投稿日:2009/06/23(Tue) 23:08:20 No.5654  引用 
2枚目です。

Re: 小型Hilaraの群れです。 投稿者: 投稿日:2009/06/23(Tue) 23:10:04 No.5655  引用 
3枚目です

クチナガイソアシナガバエの仲間 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/18(Thu) 13:39:04 No.5615  引用 
岩場のある海岸。何種類ものイソアシナガバエが同じ場所で暮らしています。
このハエはフジツボを食べているように見えました。
翅に、何と説明してよいのか不思議な紋があります。
種名は判りますでしょうか。
2009.6.13 三重県津市


Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/18(Thu) 13:42:18 No.5616  引用 
この日は翅に同じ斑紋を持つハエばかりを追いかけました。

Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/18(Thu) 13:47:06 No.5617  引用 
別角度から

Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/18(Thu) 14:52:37 No.5618  引用 
写真で見る限り、Conchopus convergens Takagiクロスジクチナガイソアシナガバエの♂の可能性が高いと思います。

採集して、北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻の検索表を引いて確認する必要があります。

Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/18(Thu) 15:22:05 No.5619  引用 
三枝豊平さま、早々に見ていただきありがとうございます。
検索表の解読はなかなか捗りません。
同じ科でも翅脈の様子が異なりますと、どれが何脈やら何室やら、こんがらがってきます。
クロスジクチナガイソアシナガバエ♂と思われる個体の翅脈図をいろんな図鑑類を参考にして試作してみました。どうも間違っているように思います。間違いを指摘していただきますようお願いします。


Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/19(Fri) 01:27:32 No.5623  引用 
あなたの図で、

M1脈はM1+2脈
M2脈はM3+4脈
CuA1脈はM3+4脈の中央節(middle section)
A1脈はCuA+CuP脈
R脈はR1脈
M1室はM1+2室

です。

なお、細部については添付した図を参照ください。これはConchopus signatus近似種の翅の基部です。これと北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻の269ページのLispeの図と比較してみるともっとはっきりします。なお、この図で破線で示しているM3+4脈の基部は、アシナガバエ科ではほとんど消失してしまい、ごく先端部が痕跡的にかろうじて認められます。その結果第2基室と中室は合体しています。CuP脈は途中がほとんど消えて、更に先の方でCuA脈と融合しています。

この脈相の相同性(名称のシステム)は従来のものと異なっています。これは私やWoottonらの新しい解釈です。これも新訂原色昆虫大図鑑に詳述してあります。

なお、あなたが図示されたものは、前便でC. convergensらしいといいましたが、この図を見る限りではC. poseidonius Takagiにきわめて良く似ています。検討しますので、雌雄の標本を数頭採集してお送りください。10頭ほどまでは同じ三角紙に包んで、壊れない小さな箱に入れて送っていただければ大丈夫です。なお、三角紙の中にティシューの薄い一枚を敷いておくと標本が動かないので、輸送中の壊れが起こらないでしょう。


Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/19(Fri) 03:14:56 No.5624  引用 
三枝豊平さま、詳しく教えていただきありがとうございます。
翅脈図は作り直しました。これで翅に関しての図鑑の記述はなんとか理解できそうです。
標本による検討をしていただけるとのこと、お言葉に甘えて、早速手配いたします。
なお、昨秋ご厄介いただいたキモグリバエ科のFormosina cinctaがこの時期、近くの砂浜海岸一体で多数生息していることがわかりましたので、これの標本もお届けしたいと思っております。


Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/19(Fri) 07:55:30 No.5625  引用 
今度示されたあなたの図の翅脈などの名称は間違いありません。

前便で「破線で示してあるCu3+4」と書きましたが、これはお分かりと思いますが、M3+4の間違いでした。すでに訂正してあります。Woottonの綴りについても、訂正しておきます。

標本など、お手数をおかけします。

Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/22(Mon) 23:10:56 No.5642  引用 
三枝豊平さま、翅脈図のチェックありがとうございます。
この仲間は雌雄で翅脈が異なるので、♀のも合わせて作り直しました。♂の翅も別個体のを使いました。
標本の検討結果が楽しみです。


Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/23(Tue) 13:31:03 No.5648  引用 
田中川さんから標本が送られてきまして、精査しましたところ、この種はC. poseidoniusに類似した未記載種であることがはっきりしました。その結果は下記の通りです。

C. poseidoniusが九州、convergensが四国にそれぞれ分布していまして、両種は1単系統群を構成しますが、相互にやや系統的に離れています。今回の種はその中でもposeidoniusにより近縁の種です。本種は九州ではposeidoniusと混生しています。両種の相違点は以下の通りです。

♂後腿節。 
C. poseidoniusでは中央部が腹側に強く張り出さず、基部1/4にやや長めの剛毛をやや密に生じ、その長さは後腿節の厚みに満たない。
本種では中央部1/3の腹側が著しく肥大して張り出し、そこに先端の湾曲した長剛毛を密生し、その長さは後腿節の厚みを越える。

♂後脚第1付節
C. poseidoniusでは基部2/5が著しく肥大し、その厚みは先方3/5の約3倍弱、その部分の後腹面に10本ほどの長剛毛を密生する。
本種では基部がやや太めであるが、その厚みは先の部分の2倍弱で、その部分の後腹面に数本以内の長剛毛を生じる。

このほかに、翅の脈相や斑紋に微妙な差が認められますが、表現しにくいところです。

Re: クチナガイソアシナガバエの... 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/23(Tue) 23:01:21 No.5652  引用 
三枝豊平さま、標本の精査、ありがとうございます。
未記載種とのこと。記載についてはひたすら先生にお願いしたいところです。先生にして「表現しにくいところです」と言わせるほどの「翅の脈相や斑紋に微妙な差」があるとの由、興味深いところです。
ナミイソアシナガバエ属について、めっちゃ物知りになった気分です。

フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/12(Tue) 21:58:58 No.5449  引用 
海岸のテトラの周りにシロスジフジツボが群生している。その中に1匹の変なハエを見つけました。口吻が長くて、翅が黒っぽく、背中に紋があります。何でしょうか。
2009.5.12 15時過ぎ 三重県津市


Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/12(Tue) 22:00:31 No.5450  引用 
別角度から

Re: フジツボのハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/05/12(Tue) 23:19:59 No.5451  引用 
田中川様、こんにちは。

 お尋ねの種は、アシナガバエ科のイソアシナガバエの仲間(Conchopus sp.)と思います。
 詳しくないので、種まではわかりませんが、以前背面の模様である程度種がわかるような話を聞いたことがあります。

 磯では珍しくない仲間ですので、他にも近似種がいるかもしれません。捕食性で、イソユスリカの幼虫を捕食している様子を何度か観察したことがあります。

 私は画像で同定はできませんが、きれいな種ですので、撮影できましたら是非アップしてください。
 役に立たないコメントですが、ちょっとだけコメントです。
 

Re: フジツボのハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/13(Wed) 00:25:44 No.5452  引用 
Cochopusナミイソアシナガバエ属の種は雌ですと画像ではなかなか正確な同定がしがたいものです。これからが最盛期になるので、近くの磯で調べて、雄の画像(背面で翅が1平面的に見える写真と側面の写真)を撮影してみてください。

バグリッチさんが書かれているように、西日本の太平洋側の海岸では、この属に加えてAcymatopusムモンイソアシナガバエ属の種も含めて数種が一箇所に生息しているのが通例です。北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻に検索表を示してありますので、本書を参照できれば、参考にして下さい。

Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/13(Wed) 00:28:08 No.5453  引用 
バグリッチ様、コメントありがとうございます。
イソアシナガバエとは、いかにも生息場所にふさわしい名前を持っているんですね。
潮干狩りの人たちを横目に見ながら、イソアシナガバエたちの捕食シーンを観察してみたいと思いました。


Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/13(Wed) 00:34:48 No.5455  引用 
三枝豊平様、ありがとうございます。
オスを見つけに、また海へ行ってきます。

Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/16(Sat) 11:35:20 No.5469  引用 
口吻の長いオスは未だに撮影できません。彼らは逃げ回ります。近寄らせてもらえません。

口吻の短い別種が同じ所に生息していました。雌雄で翅脈や背中の斑紋が異なっています。


Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/16(Sat) 11:37:59 No.5470  引用 
別角度から

Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/16(Sat) 11:45:05 No.5471  引用 
口吻の短い別個体です。
これらの画像からどこまで分かりますでしょうか。
よろしくお願いします。


Re: フジツボのハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/16(Sat) 16:51:59 No.5472  引用 
Conchopus属の中で口吻が短いのは模式種を含むrectus群です。雄の中脛節がやや平圧され、画像でかろうじて長毛が直立しているらしいこと、雄の翅の中室の前縁脈が肥大しているらしいこと、などを根拠にすると、Conchopus borealis Takagiである可能性が高いと思います。

中室の前縁脈が細いのは、borealisではなくてより南方に生息しているrectusかもしれません。いずれにしても両種とも紀伊半島東海岸では正式な記録はないのでは。

しかし正確な同定には標本を必要とします。採集具があるようでしたら採集されて、新訂原色昆虫大図鑑第3巻の検索表を引いてみてください。磯は岩がぎざぎざしていてネットにかかりますが、なるべく岩ギリギリにネットを振ると採集できます。多分そこには3-4種はConchopusが生息しているでしょう。

C. borealis Takagiは関東地方から北海道にかけての太平洋岸に普通の種で、侵入過程は不明ですが最近は北米西海岸からカリブ海まで分布を拡大しています。北米西海岸には同じ生息場所にParaphrysilus属が分布していて、これとの競合関係が今後注目されます。

Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/16(Sat) 21:57:27 No.5473  引用 
三枝豊平様、いろいろと調べていただきありがとうございます。
採集してからの標本同定も試みたいと思います。とにかく調べるのは好きですから。
引き続き、海岸へ通います。また何か見つかるかも。

Re: フジツボのハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/23(Tue) 13:52:33 No.5649  引用 
田中川さんから標本が送られてきまして、No.5469-5471のものは当初推定したように、C. borealis Takagi でした。

また、No.5453の♂はこれまで同定できた2種、borealisとposeidonius類似種、との関係から判断しますと、四国から記録されたC. convergens Takagiではなかろうかと思っています。

このように本州から南西諸島にかけて日本海側を除く海岸にでは、一箇所の大きめの磯に数種のConchopus属の種やAcymatopus, Thambemyiaなどの岩礁性のアシナガバエが生息しています。

Re: フジツボのハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/06/23(Tue) 22:35:59 No.5651  引用 
三枝豊平さま、標本の精査ありがとうございます。キタナミイソアシナガバエと確定しましたので、手持ちの標本を整理し、図鑑の記述もしっかりと読み解きたいと思います。
C. convergensについては引き続き探してみたいと思います。

長い口針を持つハエ 投稿者:200p 投稿日:2009/06/22(Mon) 23:31:52 No.5643 ホームページ  引用 
以前色々お世話なりましたドシロウトですが、
拡大してみて今頃気がついた見慣れない個体を見てください。
あまり情報もないようなので、これもハエの仲間なのか気になっています。
撮影2009/5/10・頭からハネの先まで10mm位だったと思います
鹿児島市海岸近くの緑地公園の樹に止まっていました


Re: 長い口針を持つハエ 投稿者:200p 投稿日:2009/06/22(Mon) 23:33:13 No.5644 ホームページ  引用 
口の針の部分です

Re: 長い口針を持つハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/06/23(Tue) 00:13:50 No.5645  引用 
ヤドリバエ科には全くの素人ですが、写真の種はこれまでも幾度かこの掲示板に登場したヤドリバエ科のクチナガハリバエProsena siberita (Fabricius)ではないでしょうか。クチナガハリバエは林間の樹木の1.5-2mほどの場所に頭部を下にして静止しているのがしばしば観察されます。

この掲示板に出た本種の投稿は一部のは画像が消えてしまっていますが、多分画像が残っているのもあるのではないでしょうか。この名称で検索して比較してみたらいかがでしょうか。

本種はコガネムシ科(ヒメコガネ、マメコガネなど)の幼虫に寄生するといわれています。幼虫が卵殻内で十分に成長した卵を雌が寄主のいる土壌に産卵し、産卵直後に孵化した1齢幼虫(ウジ)は寄主を求めて土壌中をすすんで、これに寄生するそうです。本種は日本産ですが、日本から北米に侵入したマメコガネ(米名Japanese beetle)の天敵として日本から移入され、同地で土着しています(Shima, H., 2006. A host-parasite catalog of Tachinide (Diptera) of Japanに基づく)。

追加:2007年7月10日のNo.3633に写真が出ていますし、同定結果もありますので、参照ください。

Re: 長い口針を持つハエ 投稿者:200p 投稿日:2009/06/23(Tue) 13:14:18 No.5647 ホームページ  引用 
アノニモミイア様お世話になります。
複雑な生き方をするハエですね、それにマメコガネとのいきさつもマイナーなハエの活動も驚きと共に興味をそそられました。
今回再度こちらへうかがい、以前真っ白い大きな平均棍で投稿したぶんのお礼も中途半端のままだったことが判り恐縮したしだいですが、アノニモミイア様にもまた詳しく教えて頂きましてほんとうに有り難うございます。

ノラヒラタアブかな 投稿者:pakenya 投稿日:2009/06/22(Mon) 18:04:57 No.5639  引用 
いつもお世話になります。

5月に奥只見地域で採集した黒色ベースのEpistropheの標本が、ノラヒラタアブ;E. griseofasciata Matsumura,1918である可能性が高いと思えるので、ご意見を伺いたくスレを立てます。

特徴:翅のbr,bm,cupは全面に微毛を装い、縁紋は黒色。複眼にはごく短い淡色の毛を装う。胸背には3本の暗色条があり被毛は黄色、小楯板は黒色毛を装い、基部と端部には淡色毛も混生する。腹部背板の淡色帯は背板長の1/4ほどの幅。全長12mm。

はなあぶ23号の松村タイプ標本の調査結果とは、後脚基節前面の毛の色が黒ではなく灰褐色である点が異なりますが、他の点では一致するようですし、原記載とその図とも矛盾はないようです。


Re: ノラヒラタアブかな 投稿者:pakenya 投稿日:2009/06/22(Mon) 18:12:22 No.5640  引用 
側面図もつけます。

ちょっと目にはウスグロオビヒラタアブE. betasyrphoidesと紛らわしいです。

ブナ帯のキタゴヨウが混じる尾根上でホバリングしていました。

正体を突き止められたらうれしいのですが・・・

よろしくお願いいたします。


Re: ノラヒラタアブかな 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/06/22(Mon) 20:44:07 No.5641  引用 
pakenya様.

このノラヒラタアブ近縁種は,当面迷宮入りと思われます.

この仲間の標本はやっと1箱強ぐらいは集まったのですが,原記載と同じ9-10月の標本が皆無です.

ノラヒラタアブのタイプ標本と同じ,札幌で10月半ばに採れた標本を見てみないと安心出来ません.

Mutinなどは,8月に採れたangustifasciataをシノニムにしていますが,10月半ばに採れたgriseofasciataと本当に同種か疑問が残ります.
特に,griseofasciataのタイプ標本の翅は殆ど痛んでないので,10月になってから羽化した個体と思われます.

orientalisを含めた3種の,基産地周辺で特定の時期に採れた標本を比較して見る必要があると思います.

Re: ノラヒラタアブかな 投稿者: 投稿日:2009/06/23(Tue) 11:36:00 No.5646  引用 
市毛様、いつもお世話になります。

はなあぶ24号に市毛さんが書かれた、奥日光のハナアブの中のホソオビヒラタアブの近縁種と、この標本は同じ種になるようですね。同定のためには、まずは秋の標本を集めろ!ですね。
がんばります。

私のハナアブ写真集に、この種も収録しようと思います。
同定困難な理由などを明記して。


ではまた

菌で死亡したキノコバエ 投稿者:zatou(新屋) 投稿日:2009/06/20(Sat) 16:27:29 No.5630 ホームページ  引用 
見つけたときは「しましまのキノコバエだなあ」としか思いませんでしたが…
パソコンで画像を見ると、この写真でもただの縞ではないことがわかりました。6月16日、札幌市


Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:zatou(新屋) 投稿日:2009/06/20(Sat) 16:29:16 No.5631 ホームページ  引用 
パソコンで見る前に、横から撮ったときに菌に気づきました。息をかけても動きませんでした。

Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:zatou(新屋) 投稿日:2009/06/20(Sat) 16:31:52 No.5632 ホームページ  引用 
こちらは見つけたのは6月15日で、目視して腹の周囲が白いのに気づいたのは16日です。
赤いキノコバエとしか思っていませんでした。


Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/06/20(Sat) 18:13:30 No.5633  引用 
菌の種類などは分かりませんが、黒いのは恐らくクロキノコバエ科(Sciaridae,クロバネキノコバエ科)の1種かと思います。翅脈相が良く分からないので、確信はもてません。

橙色の腹部のものはタマバエ科の1種でしょう。

Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:zatou(新屋) 投稿日:2009/06/21(Sun) 18:38:30 No.5636 ホームページ  引用 
キノコバエ科とクロキノコバエ科はちゃんと複眼や翅を見ないと難しいようですが、2枚目はタマバエ科ですか。
タマバエ科はやせているか鮮やかなことが多いようなので、科まではわかりやすそうです。
この画像(5月17日、札幌市)もタマバエ科でしょうね。ありがとうございました。


Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/06/22(Mon) 08:14:20 No.5637  引用 
最後の写真はもちろんタマバエ科です。

タマバエ科は脚の脛節に距を持たない点でクロキノコバエ科やキノコバエ科と識別できます。更に、虫癭を作る群では跗節の第1小節が著しく短くなっている点も特異です。

キノコバエ科とクロキノコバエ科の区別は、後者では両複眼が触角の上で相接している状態になっている点で基本的には区別できますが、キノコバエ科でもきわめて少数の種でこの状態のものもあります。

翅脈相ではそれぞれの科に特徴がありますが、科内で多様です。しかも、3つの科で共通した翅脈相もあるので、この点だけで区別するのは簡単ではありません。

Re: 菌で死亡したキノコバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/06/22(Mon) 12:57:31 No.5638  引用 
前便で漢字が化けていますので、仮名を示しておきます。

「タマバエ科は脚の脛節に距を持たない点でクロキノコバエ科やキノコバエ科と識別できます。更に、虫癭を作る群では跗節の第1小節が著しく短くなっている点も特異です。」

虫癭 は 虫えい です。 えい は 櫻の木偏を 病垂れ に変えた漢字

跗節 は ふ節です。ふ は 足偏に付 です。

シロガネコバエ科Milichiidaeと... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/06/15(Mon) 22:11:51 No.5605  引用 
こんちは。

 ヤマトコクロコバエPhyllomyza japonicaと思われる種が採れました。嬉しかったので画像をアップします。
 なかなかすごい顔で感激しました。

 これとは別に、昨年採った採集品の中から、Leptometopa latipesに非常に似ている種も見つかりました。
 後脚脛節が顕著な形態でしたが、Phyllomyzaとは全く異なった印象で、肉眼ではフンコバエ科かミギワバエ科かも?と思える外観でした。

 シロガネコバエ科Milichiidae全体の共通形態は、一見だけでは捉えにくいように感じました。
 ではまた。


Re: シロガネコバエ科Milichiida... 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/06/17(Wed) 17:46:26 No.5611  引用 
バグリッチ様.

確かにインパクトの強い顔ですね.

どのような環境で採集したのでしょうか?

Re: シロガネコバエ科Milichiida... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/06/19(Fri) 21:09:18 No.5627  引用 
市毛様

 3日ほど出張していたので ご返事が遅れました。

 この科はまだ3回しか採ったことありませんが、皆 やや暗い水辺です。
 私は肉眼で本科と認識できないので、数が採れないです。

 なかなか興味深い仲間です。

 画像はLeptometopa latipesかなぁ と思っている個体の画像です。(不安ですが)

ヒラタヤドリバエ? 投稿者:Bacon.L 投稿日:2009/06/18(Thu) 21:40:44 No.5620  引用 
はじめまして。
素人ですが、このまえとったハエの種類がきになって調べたのですが分かりませんでした。
分かるようでしたらお願いします。


Re: ヒラタヤドリバエ? 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/06/18(Thu) 23:35:35 No.5621  引用 
これはヤドリバエの仲間ではなくて、ミズアブ科のネグロミズアブCraspedometopon frontaleです。人家の周囲に多いアメリカミズアブ(時には糠みその中に幼虫が発生することがある)や、汲み取り式の便所の周囲を飛翔するコウカアブなどがミズアブ科に含まれます。

Re: 没脊爪慂浚? 投稿者:Bacon.L 投稿日:2009/06/18(Thu) 23:42:51 No.5622  引用 
三枝豊平様、どうも有り難うございます。
どうやら見当違いのところを調べていたようです。双翅目は難しいです。

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