斉藤@岡山様.
写真で見ると,私が思っているParydra属とはイメージが異なりますが,私も実物をほとんど見ていないので判断出来ません. 一応,Parydra属のFJの検索を張っておきます. Key to the Japanese species of genus Parydra l . Bristles on head and mesonotum strongly reduced; scutellum with four marginal papillae; costal index over 2.5 (Subgenus Paryu'ra) ・・・P. aquila( P. bituberculata sense Miyagi) - Bristles on head and mesonotum well developed; scutellurn without papila; costal index less than 2.5 (Subgenus Chaetoapnaea)・・・・・・・・・・・・.2 2. Small species, less than 3.5 mm., in length. Oral margin in frontal view, apparently convex centrally; face in lateral view most prominent at oral margin. Head a little shorter than the height. Veins unduated; costal index at least 2.0: 1.・・・・・・・・・3 - Large species, at least 3.5 mm., in length. Oral margin in frontal view nearly horizontal; face in lateral view most prominent at epistoma. Head as long as or a little longer than height. Veins all straight; costal index less than 2.0: 1.・・・・・・5 3. Antennae, apical part of femora and tibiae yellow; face convex distinctly above epistoma; costal index 1.2: 1. Head index 3: l.・・・・・・P. pacifica, sp. nov. - Antennae, femora and tibiae black, face not convex.・・・・・・・・・4 4. Tarsi black; wings yellowish brown;last section of fourth vein arched; second longitudinal vien without apical appendage; costal index 1.4:1 . Head index 3.5 : 1 .・・・・・・・・・・・・ P. lutumilis, sp. nov. - Tarsi yellowish-brown; last section of fourth vein straight; second longitudinal vein with an apical appendage; costal index 1.8: 1 . Head index 3.4:l . ・・・・・・・・・P. quadripunctata (Meigen) 5. Large species, at least 4.0 mm., in length. Scutellum with a well developed papilla at apex; one pair of well developed scutellars apically. Head index 1.8:l. Costal index 2.5 : 1.・・・・・・P. pulvisa, sp. nov. - Small species, less than 4.0 mm., in length. Scutellum without apical papilla, if present very small; two pairs of marginal scutellars, the dorsolateral being weaker. Head index 2.0: 1 . Costal index 2.6: 1.・・・・・・・・・.6 6. Mesonotum shining black, with yellowish brown sparse pollen, dorsal stripes of mesonotum absent. Face and clypeus witish gray pollen; an apical papilla of scutcllurn present, sometimes very weak.・・・・・・・・・P. alvipulvis, sp. nov. - Mesonotum with dorsal stripes;scutellum without apical papilla.・・・・・・P. japonica, sp. nov.
斉藤@岡山様
茨城@市毛様 こんにちは、中を割って入って申し訳ありませんが、市毛さんのコメントにもありましたが、本種にはなんとなく違和感があります。 画像では何ともいいきれませんが、見た感じミギワバエではないようにも見えます。 もう一度、科をあらい直してみることにも、一考の価値があるかと思います。 標本では、翅の切れ目(2か所あるはず)や触角刺毛(上面のみ羽毛状のはず)はいかがでしょうか?(カッコ内はミギワバエ科の特徴)
斉藤@岡山様.
いくら見直してもParydra属とは違う属と思われます. 胸背剛毛列,及び頭部剛毛列式を見直して頂きたいと思います. 剛毛の脱落が激しいようなので,ソケットの有無で,剛毛列式を推測する必要があります. ここまで小型種だと,深度合成しないと写真での同定は困難です. ・presutuarl dcは有りますか? ・ntlの本数及び位置は? ・prescutellar acrの有無は? ・orの方向は? ・複眼は有毛ですか? 双翅目の同定の場合,左右で剛毛列が異なることがあるので,細かくチェックする必要があります. また,Canon NFD28mm F2.8の分解能のチェックはしていますか? 高倍率の撮影の場合,1万円札のホログラムを撮影しての分解能のチェックが普及しています. http://d.hatena.ne.jp/doublet/20080211 一度撮影してみて,各倍率での適正F値を検討してみることをお勧めします. 意外と,振動を拾っている場合もあり,ストロボを使用しての1/1000程度の高速撮影をすると,解像度が向上する場合があります. 高価なレンズとして知られるCanonのMP-E65でも,解放から1-2絞り以上絞ると,かなり解像力が落ちます.
第2基室+中室の後縁脈中央にゆがみがあり、たぶんキモグリバエ科でしょう。Apotropinaあたりかな。
Apotropinaはキモグリバエ科としてはやや異形の属ですが、前述のような翅脈上のゆがみ、大型三角形のocellar triangle、相互に相接して交叉する後単眼剛毛を目安にするとミギワバエ科でないことがわかります。なお、この属は後前胸背板剛毛(肩剛毛)が2本ある点、中胸背面の刺毛が長いこと, 額眼縁剛毛がミギワバエ科の多くのように外側を向いて複眼の上にかかる、などの点で他のほとんどのキモグリバエの属から識別できます。これらの形質は私の粗い画像でもわかるでしょう。特に最後の額眼縁剛毛の向きがミギワバエ科と取り違えられる点です。
ミギワバエ科は、かなりの属が触角刺毛の背面に枝毛を生じること、多くは前縁脈にはっきりとした2個の切れ目があること、単眼瘤の後方にある1対の刺毛(上記のApotropinaにある真の後単眼剛毛ではなくて)が相互に離れる点で、Apotropinaとは異なっています。なお、最後の形質はショウジョウバエ科からミギワバエ科を識別するのに簡便な形質です。
茨城@市毛様
バグリッチ様 アノニモミイア様 いろいろご教示いただき、ありがとうござます。 ご指摘通り、ミギワバエ科ではなかったようです。 もう一度よく見ると、前縁脈の切れ目は1個、後単眼剛毛は互いに交差しています。 アノニモミイア様の提示された、キモグリバエ科のApotropina属の特徴、A.japonicaの写真ともよく一致しました。 レンズの解像度もチェックしてみました。 添付写真は1万円札のホログラムを、NFD28mmF2.8リバース直づけで、絞りF4(ISO100)で撮影し、トリミングしたものです。 1ミクロンの線(Nのモザイクの間の黒い線)が辛うじて見える程度で、リンク先の撮影例のようなカリカリのシャープネスには到底及びません。 F8よりもF4〜5.6あたりが良いように見えました。 倍率が約2.7倍と固定なので、トリミングによる画質劣化も相当あると思います。 スタンドも軽量なので、床から伝わる微振動も、当然影響しているでしょう。 昔の機材を流用したマクロもどきでは、やはり微小種の同定には厳しいみたいですね。 市毛さんのように、ストロボ、ベローズ、マクロレンズ、深度合成キットがやはり必須なのでしょうね。 パソコンも8年使ってて、そろそろ限界がきてるし・・・ 我が家の来年度予算折衝は、相当厳しいものになりそうです。
斉藤@岡山様.
リンク先の写真は,設備やレンズ・技術全てプロクラスですので,あのような写真は普通には取れません. 一般的には,EOS+MP-E65がお勧めでしょう. MP-E65で約3倍に設定すると,F5.6のピクセル等倍でこのくらいには撮れます.
市毛さん。あなたが示されたホログラムの撮影というのがどういうものかと、興味本位で例のクラッシックデジカメにいろいろと組み合わせて撮影してみた一つです。これについてコメントなりご教示なりいただけたら幸いです。
アノニモミイア様,いつも色々とコメント頂きありがとうございます.
ホログラムの1つ1つの隅がはっきり見えているので,色にじみやブレが無いきれいな写真だと思います. 画素数が少ないのが難点ですが,COOLPIX990や995は顕微鏡撮影に最適なカメラだと思います. 同シリーズが,COOLPIX4500を最後に消えてしまったのが残念です.(後年,COOLPIX S4というスイバル式が復活しましたが,フィルターネジが無いので特殊なアダプターが無いと顕微鏡に取り付けることが出来ません.) レンズ部が回転出来るのが仇になったのか,故障しやすいカメラなので,大事に使ってください.
市毛さん。お褒めいただいたのでこの寒空の下、少しばかり心がほんわかとなりました。
COOLPIX990の画素数が少ない点を不満として、その後CanonのPowershotS5ISにクローズアップレンズをつけたり、銀塩カメラのOlympusOM4シリーズのマクロ撮影レンズ、装置一式を持っていたので、同社のE-420のボディーを買ってフォーサーズでレンズを取り付けてみたり、いろいろ試みましたが、使い方が下手なのか、後者は液晶モニターで焦点が合っていてもその通りには保存されていない(記録素子面に焦点が合っていない?)などで、しばらく努力したのですが、あきらめてその後は保管庫入りのままです。 COOLPIX990はその後オークションなどで中古品を購入して現在4台もっていますが、電池ボックスの蓋の爪が壊れたり、コマンドダイヤルがちゃんと作動しないなど故障が多いです。そのために、蓋の爪が壊れた1台はAC電源を使ってスタンドに固定して標本写真用にして、必要に応じて実体顕微鏡の10倍の接眼レンズを逆付してマクロレンズ替わりにして撮影したり(キモグリバエの全景写真、新訂図鑑のほとんどの写真)、2台目はダイヤルが不良なので光学顕微鏡用に固定してセットして、翅脈と微細構造などの撮影に使い、まともな2台の一つは、1台目では拡大が不十分の場合に実態顕微鏡の接眼レンズに押し付けて撮影するのに使い(キモグリバエApotropinaの胸部、頭部、1万円札のホログラム)、4台目が野外での生態などの撮影に使っています。 ただし、実体顕微鏡に押し付けて撮影している場合に、肉眼で見た像に比べると撮影したものが分解能が劣っています。これがなぜかわかりません。この点が現在最も不満に思っているところです。何か改善の方法はないものでしょうか? COOLPIX990は部品がもう数年前からオリンパスにもないそうですから、市毛さんの言われる通り、このカメラに固執して大事に使っていくつもりです。 ご教示ありがとうございました。
アノニモミイア様
やはり,だいぶ壊れていますね.私も3台目で諦めました. 画像の写りが悪いのは,手振れ等が原因の可能性もあると思います. 実体顕微鏡の接眼レンズの根元の直径は30mmですか?(余程,古くない限りは25.4mmではなく,30mmだと思います) 現在,写真のようなCoolpix用アダプタが手元に残っています.(値札プレートでカメラが回転するのを抑えています) このアダプタでカメラを顕微鏡に固定して,セルフタイマー撮影すれば手振れは防げると思います.
接眼レンズとカメラアダプタ,固定用値札プレートです.
値札プレートの調整で,カメラの水平を調整します. カメラアダプタは,Kenko フィールドスコープ用アダプターFS28です. 必要であれば,そちらにお送りします.
市毛さん。実体顕微鏡への装着についてご教示ありがとうございました。アダプターについてもしお使いにならないようでしたら、お送りいただいてこちらで試させていただければありがたいです。
実体顕微鏡の像が目でみたように鮮明には撮影できないのが何とも不可解ですので、よろしくお願いします。 |
7月に岡山平野の河川敷でとれたミギワバエです。
BOXライトでS. breviventrisの次にたくさんとれました。 剛毛の生え方や翅脈などから、Brachydeutera属♀ではと考えます。 また、茨城@市毛様のご厚意で入手できたFauna Japonicaの検索では、B.longipesになりそうです。 いかがでしょうか?
斉藤@岡山様.
Brachydeutera属については,下記の総説があります. Mathis (1985) Studies of Parydrinae (Diptera : Ephydridae), I: A Review of the Genus Brachydeutera Loew from the Oriental, Australian, and Oceanian Regions http://www.sil.si.edu/SmithsonianContributions/Zoology/pdf_hi/SCTZ-0406.pdf ♂交尾器の図を見ると,特徴的な突起が認められるので,斉藤様のご指摘通りB.longipesで良いと思います.
茨城@市毛様
ご教示ありがとうございます。 総説の交尾器の図も確認しました。 ミギワバエの同定を始めたばかりなのに、種まで落とすことができて、とても嬉しいです。 本当にありがとうございました。 なお、まえのコメントで、交尾器は案外簡単に引き起こせたと書きましたが、撤回します。 その後、何個体か試しましたが、最初のやつほど簡単にいかず、苦戦しています。 |
こんばんは。この間はアシナガバエの件でお世話になりました。
さて今年の夏に、水生植物の葉の上に多数のハエがとまっており、翅脈がアシナガバエに似ていたので採集してみたらミギワバエでした(素人目にはよく似ているように見えました)。 また採集の際に、一頭ダニに寄生されたミギワバエがふらふら歩いているのを見つけたので、動画も撮ってみました。寄生されるとじっとできなくなるものなのかと興味深かったです。 http://www.youtube.com/watch?v=M-cQX19k4pY せっかくなので種名も知りたいと思ったのですが、ミギワバエを調べる文献で手に入りそうなものがなく、なかなか同定に困っております。Fauna Japonicaや環動昆の検索表は入手困難であるようですが、亜科への検索表や属への検索表といったもので、入手しやすいものはなにかありますでしょうか。もしご存知であればご教示ください。 ちなみに写真がそのミギワバエです。No.7060で紹介されていた種に近い印象ももちますが、なにか違和感があります。この写真だけでは同定は不可能に近いと思いますが、採集は7月21日、神戸市です。体長約4mmです。
Campsicn様.
現在,日本のミギワバエ科を的確に属まで落とせる文献は,環動昆の検索表しかありません.Fauna Japonicaも役に立つ文献ですが,当時とは分類がかなり変わっているので注意が必要です. 写真のミギワバエは,Setacera属かEphydra属と思われます. また,動画を見てみましたが,時折,白い有機物を摂食していると思われる行動が見られますので,ダニの影響でふらふらしているのではなく,葉上の食物を探索しているようです.
Campsicn様
ミギワバエ好きのケンセイです。 私も市毛さんと同じくSetacera属かEphydra属ではないかと思います。 ちなみにそれぞれの属のkeyを以下に示します。 Setacera属・・・orは2本でfr frontal setaを欠く。触角第3節の外側に長毛がある。小楯板前のacrを欠く。 Ephydra属・・・orは3〜4本で1対のfrを有する。触角第3節の外側に長毛を欠く。小楯板前のacrがある。 何を言っているのかさっぱりわからないと思いますので、絵解き検索の図を以下に示します。参考になれば幸いです。
ケンセイ様,フォローありがとうございます.
Campsicn様. Ephydra japonicaの写真を撮影してみました. 赤矢印がor(上額眼縁剛毛),黄色矢印がfr(額剛毛)のsocket(毛穴),青矢印がacr(中剛毛)のsocketです. P.S. 撮影機材 EOS Kiss X4+OM Autobellows+Zuiko38mm,制御システム StackShot+HeliconRemote,深度合成 Heliconfocus
茨城@市毛様
やはり環動昆のものくらいしかないのですね。六本脚でも売り切れているようですし、所蔵している図書館などもなさそうなので、今となっては入手が難しいようですね。 Ephydra japonicaの写真まで用意して下さり、ありがとうございます。部位の名称はいつもどこがどれだったか迷うので、大変ありがたいです。 ケンセイ様 属の区別点をお示し下さりありがとうございます。絵解き検索の図も大変参考になりました。 改めて標本をチェックしてみたところ、orが2本、frを欠く、触角第3節の外側の長毛がある、acrを欠くというように見えますので、Setacera属ではないかと思います。見づらいかも知れませんが、写真も改めて撮影して見ました。いかがでしょうか。
Campsicn様
画像拝見しました。Setacera属で良いと思います。 Setacera属の場合、概ね以下のではないかと思います。 画像がミギワバエ科図鑑にありますのでご確認下さい。 http://homepage3.nifty.com/syrphidae1/diptera_web/Ephydridae_plate_css.htm Setacera breviventris (= Setacera fluxa) 本種は河川敷などのボックスライトで良く採集されます。ボックスライトで採れるミギワバエ科の代表種というイメージがあります。
ケンセイ様
ミギワバエ科図鑑拝見致しました。写真は♀のようでしたので、同じ時に採集した♀の標本と比べてみましたが、特徴はほぼ一致しているように見えます。写真ではR2+3脈が端まで届いていないようですが、おそらく個体差なんでしょうね。 写真はその♀の腹部ですが、ウミユスリカさんが提示されておられたS. viridisの♀とは腹部が異なるようですし、今回採集した個体については、S. breviventrisとしたいと思います。なかなか種名まで行き着くことが少ないので、今回は種名までわかって良かったと思います。 本当にありがとうございます。
Campsicn様
S. viridisの分布はファウナヤポニカによれば北海道となっているので、本州のSetacera属は概ねSetacera breviventrisで良いと思われます。概ねとしたのは、未記載種や日本未記録種の可能性もあると思われるためです。
ケンセイ様
なるほど、日本のSeracera属はその2種くらいしか知られていないんですね。しかし比較的解明度が高いとされているミギワバエ科でも、まだまだ未記載種や未記録種がいる可能性があるというのはなんとも面白いです。私にできることは少ないかも知れませんが、双翅目の研究がさらに進んでいくことを願ってやみません。 また何かの折に質問させていただくことがあるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。
皆様
岡山平野でも、S. breviventrisと思われるミギワバエがたくさんとれています。 7月に河川敷に設置したBOXライトトラップでは、1基あたり800個体以上が入っていたところもありました。 環動昆の検索表は持っていますが、Fauna Japonicaは持っていません。 とりあえず属まで落とし、ここの板で検索してたどり着きました。Campsicn様の掲載された種と同種ではないかと思います。 いかがでしょうか?
斉藤@岡山様.
Fauna Japonicaと極東の昆虫の検索を読んでみましたが,どちらも♂交尾器が区別点となっています. したがって,解剖しないとS. viridisとS. breviventrisは区別出来ないようです. なお,参考文献としてはMathis(1982)Studies of Ephydrinae (Diptera: Ephydridae), VII:Revision of the Genus Setacera Cressonが閲覧できます. http://si-pddr.si.edu/jspui/bitstream/10088/5662/2/SCtZ-0350-Lo_res.pdf
茨城@市毛様
ありがとうございました。 サンプルはたくさんあるので、頑張って交尾器を取り出してみようと思います。 アナバチヤドリニクバエのように木っ端微塵にならんよう、今度は液浸にしてから解剖します。
斉藤@岡山様、茨城@市毛様
本種については、ちょうど私の方でも余剰の個体があり、交尾器の解剖の練習材料にしようと思っていたところでしたので、これに便乗して改めて確認して見ました。 三角紙の管理が甘く、虫食いがあったのですが、一応交尾器は形をとどめていましたので、腹部を外してみました。 写りはあまり良くありませんが、Mathis(1982)を見るかぎり、S. breviventrisの特徴とかなり一致するのではないかと思います。この個体では交尾器の先端を引き出したりはしていませんが、そのようにしたほうがより確実でしょうか?
Campsicn様.
これは,Campsicnのご指摘通りS. breviventrisで間違いありません. 従来,S. viridisについては,北海道に分布するとされていましたが,Mathis(1995)World Catalog Shore Flies(Diptera : Ephydridae)では本州が追加されています.そのため,日本産昆虫総目録などに記されている分布をもとに,S. breviventrisとすることには問題があることに気づきました. ハナアブ科でも,朝鮮半島-対馬ルートで中国地方に渡来したと思われる種類が見つかっています.
茨城@市毛様
同じ場所でとれた♂の腹部をはずして水につけ、交尾器を取り出してみました。 片方の突起が壊れてしまいましたが、Mathis(1982)のS. breviventrisの特徴とも一致するのではないかと思います。
茨城@市毛様
ありがとうございます。はっきりとS. breviventrisであると確認できてよかったです。斉藤@岡山様の個体も、私のものと非常に似ているようですね。少なくともS. viridisではないように見えます。 S. viridisが北海道で見られるということは知っていましたが、本州でも確認されているんですね。 温暖化か何かで生息範囲が変化したのか、単純に混同されて見落とされていたのかはわかりませんが、これからはSetaceraを見かけても、すぐにS. breviventrisとしてしまわないよう心がけたいと思います。 本年もまた何かの折に投稿させていただくと思いますが、よろしくお願いいたします。 |
- Joyful Note -
- Antispam Version -