こんにちわ、かつてカマバエで書き込みを一度したことがある赤塚カケスといいます。
ハエの初心者です(昆虫学等の専門的な教育を受けたことはありません。一応理系ですが力学系の工学出身)。 最近、ハエ目に非常に興味を持つようになりました。ハエやアブの姿を見ていると魅力的な姿かたちをしたものがたくさんあることに気がつき、もっとハエたちのことを知りたくなりました。また、ハエの衛生に与える影響についても気になり、この観点から解説した本を探しています。 というわけで、ハエに関する本を探していますが適当な本が見つかりません。 教えていただければ幸いです。主として イ)ハエの生態、 ロ)衛生的な問題をどのようにして引き起こすのか、 ハ)ハエの美しい写真やスケッチなどが集まられた本 を探しています。 すでに集めた本は 1.日本動物百科10巻(昆虫3) 2.ハエ学 篠永哲ほか著 3.図説 ハエ全書 4.ハエ 人と蠅の関係を追う 篠永哲著 5.Fly by Steven Connor 6.The Natural History of Flies by Harold Oldroyd(アマゾンで注文中) などです。 また「中国蠅類」や「日本のイエバエ科」などは上記の要求を満たす本でしょうか?(それとも分類に欠かせない本ということで、生態等については記述はあまりないのでしょうか?) なお、虫を殺すことは忍びないので(タイで生活した経験があり、タイ仏教での在家の五戒(殺すな、嘘つくな、盗むな、酒を飲むな、淫らなことをするな)を「なるべく」守るようにしています)、双眼鏡での観察や写真を撮る、死んだ虫を探して実体顕微鏡で見て楽しむというのが現状でこれらの楽しみ方を補助できる知識を求めて本を求めています。
すみません、間違えました。
日本動物百科10巻→日本動物大百科9巻(昆虫2)(平凡社) でした。
ハエの仲間(双翅目;ハエ目)に興味をもたれたとのこと,大変結構なことだと思います.この仲間については職業的研究者も少なく,また非職業的研究者や愛好者(いわゆるアマチュア)もあまり多くありません.学会,同好会も少なくて,双翅目談話会と双翅学会の二つだけです.後者もこれから体制を整えてより活発な活動を行なうという段階です.日本では双翅目の分類学的研究も大変遅れています.昆虫の研究・調査は非職業的な人々の努力に負うところが大きいので,是非ハエにたいする興味を深めてください.
ご質問ですが, "というわけで、ハエに関する本を探していますが適当な本が見つかりません。" なんでもそうですが,自然界では物の姿・形を知っておくことは,自然認識の第一歩でしょう.これまで昆虫の形態についてどの程度の知識をお持ちか存じませんが,ハエの仲間は蝶蛾や甲虫,トンボなどとくらべるとかなり変わった形態になっています.少し専門的になりますが,北隆館発行(2008年)の「新訂原色昆虫大図鑑第三巻」に双翅目の形態について基本的なところを私の解説があります.かなり高価の本ですから,双翅目(ハエ目)の部分の概説だけをどこか図書館で借り出してコピーされたらいかがでしょうか. ”また「中国蠅類」や「日本のイエバエ科」などは上記の要求を満たす本でしょうか?(それとも分類に欠かせない本ということで、生態等については記述はあまりないのでしょうか?)” 中国蝿類は概説の部分に双翅目の形態,生態等についてかなり詳しい説明がありますが,中国語ですので記載の部分と違って中国語の語学力がないと,委細には理解できないかと思います.本書の大部分は中国の双翅目の主要な科の属や種の検索表になっています. 「日本のイエバエ科」は分類の本です.英文で日本のイエバエ科の属の解説,種の検索表,種の記載などが載っているほかん,巻末には日本語で属や種の検索表が載っています.この掲示板でも時折ふれられていますが,誤植などが散見されますので,読むときには少し注意する必要があります. 衛生関係の本については,他の方がまた紹介されることと思います.The Natural History of Fliesはなかなか双翅目の一般的知識を得るにはいい本ではないかと思います.
赤塚カケス様.
マイナー昆虫なので,中々難しい問題ですね. いずれにしても,海外の書店をあたったほうが良いです. NHBS, Pensoft, Apollo books, etc. また,英語ではなくドイツ語の書籍が多いと思います. ロ)については,素木得一の衛生昆虫に色々と書いてあるかも知れません. ハ)については,Fliegen und Muckenの新版と旧版ぐらいですかね. なお,Amazon.jpでの海外のハエ類の専門書は余り期待できません. 以前は,結構普通に入手出来たのですが,ここ2年ほどは,1〜2ヶ月ぐらいすると毎回下記のようなメールが届きます. ---------------------------- 誠に申し訳ございませんが、大変残念なご報告があります。お客様のご注文内容のうち、以下の商品については入手できないことが判明いたしました。 ○○△ (著) "○△ Flies of △○○" 私どもでは、ごく最近までこの商品を入手可能なものと見込んでおりました。 この結果がわかるまでに長い時間がかかったことについても、心よりお詫びいたします。 勝手ながらお客様の注文からこの商品をキャンセルさせていただきました。 お届け先が国内の場合、この商品がキャンセルされたことにより、この商品と同一の注文番号で他にご注文いただいている商品の合計金額(税別)が一定額を下回ると、請求額に配送料が加算される場合がございます。 その場合、当サイトにて配送料の調整を行いますので、お手数ですが、下記のURLからカスタマーサービスにEメールでお問い合わせください。 Amazon.co.jp カスタマーサービス部門
三枝豊平様、茨城_市毛様
貴重な情報有難うございます。 確かに分類は基本ですね。私は鳥を見ている時期がありましたが、まずは識別が出来ないと話にならないので、昆虫でも同様ですね。ただ虫を殺さないことを基本にしているので、実体顕微鏡の下で確認することが少なく、昆虫の分類となるとちょっと・・・・となってしまうのが現状です。 英語は、日頃仕事の中でも読んでいるので自分の専門外でもさほど抵抗がありませんが、ドイツ語は学生時代に挫折したのでさっぱりです。自分の職業の専門分野でも理解不可能です。中国に双翅目関連の専門書が有るのには驚きです。 Fliegen und Mucken ドイツ語で敷居が高いですが、写真集のようなものであれば何とかなりそうです。 素木得一の衛生昆虫 これも調べてみます。 新訂原色昆虫大図鑑第三巻 これも近日中に本に当たってみます。 いま、アリにも興味を持っていますが、アリの本は比較的入手しやすく、生態等についても詳しく書いた本が手に入ります。(例えば、The Ants by Holldobler(はじめのoの上にウムラウト記号) and Wilson,The Fire Ants by Walter R. Tschinkelなど)。ハエの世界も同じ感じかなと思ったのですが、かなり事情が違うようですね。 以前、アリを観察していて、アリが白蟻を次から次と狩をしてゆく場面を見たことがあります。このとき、白蟻を捕まえたアリが、捕まえた瞬間、「やったぜ」という感じで喜んでいるように見えました。私は虫の観察に、最近は近距離が見える双眼鏡(50cmまで近寄れる仕様になっているPentaxのPapillioと言う双眼鏡の6・5倍を使用)を使っていますが、これを使うと小さなアリも表情まで分かるような気がします。双翅目は、まだこのような経験はありませんが、アリの経験から昆虫でも感情を持っているような気がします。
衛生害虫の本を入手しましたので報告します。
「日本の衛生害虫ーその生態と駆除ー」鈴木猛、緒方一喜著 新思潮社 1968年出版 今から40年以上前に出版された本ですが、私の知りたい情報がほとんどカバーされています。 このような分野の学問が「衛生昆虫」というキーワードでカバーされているのですね。
赤塚カケス様.
そういえば,ハエ-生態と防除- 文永堂という本も出ています. 著者は,ハエの専門家である篠永氏です.
国内で出版されている、現行の衛生害虫関係の図鑑として、
原色図鑑 衛生害虫と衣食住の害虫 全国農村教育協会 原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫 全国農村教育協会 新版 日本の有害節足動物 東海大学出版会 があります。 どれも、衛生害虫の入門書という位置づけで、ハエに限らず主要な衛生害虫が鮮明な写真とともに掲載されています。厳密な種の同定には向かないかな?と思いますが、お探しになっている本の趣旨には合っていると思います。なお、日本の有害節足動物は定価15,000円+税と高いので、可能なら図書館等で実物を見てから購入するかどうか検討された方がよいでしょう。
茨城_市毛様、猫又様
ハエの本の情報有難うございます。 ハエ-生態と防除- 文永堂 は古本のサイトを当たって見たところ2万円以上の値段がついていました。中身を見ないで買うにはちょっと高くて手が・・・・。図書館で探してみることにします。 新版 日本の有害節足動物 東海大学出版会 は本日、本屋で確認してきました。写真もすばらしいのですが、イラストが見ほれるほど美しくて直ぐにでも購入したくなりました。資金が溜まったら最優先で購入するリストに入れたいと思います。 アマゾンに注文を出していた、 The Natural History of Flies by Harold Oldroyd 先ほど自宅に配達されて来ました。1964年初版の本です。 思っていたよりもサイズがコンパクトでした。まだ手元に来て1時間もたっていないので、中身をお知らせ出来ませんが、面白そうです。じっくり読み込んでみます。 なお、アマゾンは今、洋書が値段が大きく下がっています。この本の注文を出した時点では約3千円したのですが、本日昼間確認すると約2千円になっていました。先月購入したアリの本(洋書)も同様で、数日で数千円値段が安くなりました。洋書は円高の今がチャンスかもしれません。 |
本日スパム投稿を携帯で見ながら管理していたら、妙なことをやっちゃったらしくてBBSを初期化してしまいました。(慣れないことをやるもんじゃありませんね・・・)
あわてて当方でとってあった過去ログを入れたのですが、2008年10月までの記事しか復旧できませんでした。申し訳ありません。 なんとか画像の方はサーバーに残っていたのを逆DLして保存したのですが(携帯で見ると画像が見れないので残っていたらしい)文章の方は消えてしまっていました。 この消してしまった4ヶ月分の書き込みにも貴重な書き込みもあったと思うのですが、申し訳ありません・・・ なかなか家でネットが見れない状況なのでご迷惑をかけますが、よろしくお願いいたします。 文章を消してしまった画像4ヶ月分に関しては近々なんかの形で公開して、補足をいただけるようにしたいと思います。 よろしくお願いいたします。
ハエ男様.
今朝は,いきなりデータが消えていたので驚きました. ここ数日,頻繁にスパムが投稿されていましたね.管理ご苦労様です. 私の手元に,1月2日までのサイトをダウンロードしたものがありますので,原稿書きが終わったら,簡単に整理してみます. 他にも,ダウンロードしている方がおられましたら,御協力よろしくお願い致します.
書き書きしながら,連続投稿にならないように消失していたスレッドの骨子をupしていたら,いつの間にかエロスパムが投稿されていました.
イタチごっこですね(^_^;) やはり,スパム対策にコメントの画像認証を行うのが,今のところ最善の策と思われます.
とりあえず,手元にある1月2日の早朝分までのテキストデータをUPしてみました.
手元には画像も保管されています. では,また.
相変わらず,毎日スパムが多いですね.
今回のログ消失騒ぎで初めて気が付いたのですが,パスワードが必要なはずなのに,Googleの検索ロボットが回っていますよね. ".htaccess"で巡回を弾いていないのでは? |
データがドッサリ消えてしまって、皆さん意気消沈しておられる様です。お気付きの方もあるかも知れませんが、投稿の表題等でGoogle検索し、そのキャッシュを見れば、まだそのままチャンと残っています(Yahooのキャッシュには残っていない様です)。
もし、市毛氏のバックアップに欠落している部分があれば、キャッシュから写真を含めて拾うことが出来ます。私としては欠落部分の有無は分かりませんが、必要であれば、画面からばかりでなく「Tenporary Internet files」からも種々のデータを拾うことが出来ます。 御参考まで。
アーチャーン様.
確かに,Googleのキャッシュに結構な量が残っていたので,ローカルに保存しておきました. 残念ながら,私が投稿したヤチバエに近縁な新属については,キャッシュにアクセスしたらエラーになって保管出来ませんでした. |
◆ 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:茨城_市毛 引用 New!
皆様,明けましておめでとうございます. 本年もよろしくお願い致します. 添付の写真は,体長10mm程のヤドリイエバエと思われる♀です. ハエ男さんの地元,鳥倉山で8月に採りました. 亜小楯板(Subscutellum)は膨らんでいないので,ヤドリバエではないと思います. また,日本のイエバエ科では良く判りませんでした. 2009/01/01(Thu) 23:11:29 [ No.5175 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:茨城_市毛 引用 New! 同,側面です. 2009/01/01(Thu) 23:14:18 [ No.5176 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 New! 市毛様 明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 さて、ヤドリイエバエだとすると、meron(hypopleuron)にヒツジバエ上科のような剛毛列にはならないものの、剛毛群があるはずですが、いかがでしょう?画像ではちょっと見えませんが、標本では確認できますでしょうか? あと、背面からの画像を見ると、Cu2+A1脈が翅端に到達しているように見えます。ハナバエ科の可能性はありませんでしょうか? 2009/01/02(Fri) 01:17:16 [ No.5177 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 New! みなさん,本年も宜しくお願いします. さて,市毛さんの示されたヤドリイエバエはおそらくここに示した雄と同種かこれに極めて近い種と思います.私のところには2−3種ほどヤドリイエバエの標本がマウントされていますが,篠永先生の日本のイエバエ科には該当しない種もあります.この種はSyngamoptera属です.Costaの先端の位置が本属ではR4+5の先端まで,XenotachinaではM1+2脈まで達しているとありますが,なかなかこの形質は微妙です. ウミユスリカさんがCuA+CuP脈(Cu2+A1と示されていますが,この解釈は正しくありません;新訂原色昆虫大図鑑第3巻を参照下さい)が翅端に達しているように見える,と質問されていますが,本属ではこの脈の末端は翅縁にかなり接近しますが,ハナバエ科のように翅縁には達しません.もちろん下側板背縁に近く細毛の列はあります. 一先ずここには雄の背面を示し,続けて側面,これとは別種の雌の背面と側面を示します.篠永先生の本ではSyngamopteraはどの種も雌がunknownとなっています. 2009/01/02(Fri) 02:04:47 [ No.5178 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 New! 続けて同じ個体の側面です. 2009/01/02(Fri) 02:05:45 [ No.5179 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 New! 別の種の雌背面です. 2009/01/02(Fri) 02:07:15 [ No.5180 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 New! 同じ個体の側面です. 2009/01/02(Fri) 02:13:24 [ No.5182 ]
◆ イネクキイエバエについての質問 投稿者:三枝豊平 引用 New!
シナホソカトリバエの生態のときに,Atherigona属でギョウギシバクキイエバエA. reversuraが西日本では低丈草原の双翅類群集を構成していると書きました.この地域ではAtherigonaとしては最も普通の種です. これに混じてほかに,A. boninensis, A. biseta, A. falcata, A. orientalis等の種が少数ですが生息しています.しかし,篠永先生の日本のイエバエ科の検索表でA. orizaeイネクキイエバエに相当する種もかなり採集できて,これは前額が全面的に黒褐色ないし黒色,横線前acr剛毛が2(3)列,小腮鬚がごく基部を除いて黄色,hypopygial prominenceが二叉しています.単純に考えればこれがA. orizaeになるのですが,中国蝿類では,A. orizaeの三葉状突起(trifoliate process)の柄は基部1/3が肥大しているとあり,引用されているPont, 1973の交尾器の図も同様の特徴がしめされています(篠永先生のA. orizaeの交尾器の図にはこれがしめされていません). しかし,前述の特徴を持つ種の三葉状突起の柄は一様に細く,また中央の葉は図示のような幅広いものではありません.むしろその形状はA. exigua, A. soccataのそれに酷似しています. それで,質問ですが,(1)Pontの図のような三葉状突起を持つ真のA. orizaeの日本産の標本をお持ちの方はありますか.(2)篠永先生の検索表ではA. orizaeに行くが,三葉状突起の柄が一様に細い種について,同定された方はありますか.これらについてお尋ねします. 2009/01/02(Fri) 03:04:26 [ No.5183 ] ======================================= 以上,保存分のテキストデータでした. |
画像はupが面倒ですが,内容だけ簡単にupしておきます.
◆ ハラボソツリアブ 投稿者:pieris 引用 数種いるようですが、これはニトベハラボソツリアブでよろしいでしょうか。 福岡県福岡市西区飯盛 2008.10.03 撮影 2008/10/25(Sat) 11:23:46 [ No.4925 ] ◇ Re: ハラボソツリアブ 投稿者:pieris 引用 ♀のほうのアップです。 2008/10/25(Sat) 11:24:42 [ No.4926 ] ◇ Re: ハラボソツリアブ 投稿者:茨城_市毛 引用 pieris様. 小楯板や後脚第1付節・中胸背板の色から,pieris様の推測通りニトベハラボソツリアブで良いと思います. 2008/10/26(Sun) 20:38:31 [ No.4927 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ハラボソツリアブ 投稿者:pieris 引用 市毛様 いつもありがとうございます。 イノコヅチなどの花を訪れ、交尾したまま空中を漂うように飛ぶハラボソツリアブの姿はしばしば見かけますが、構えて写真を写したことはほとんどありませんでした。
◆ ミズアブの仲間? 投稿者:田中川 引用
干潟の土手付近にいました。アイアシ、ハマボウ、クズなどの葉上に止まっていました。ミズアブの仲間でしょうか? 2008.10.27 三重県津市の干潟にて 2008/10/27(Mon) 22:19:34 [ No.4930 ] ◇ Re: ミズアブの仲間? 投稿者:田中川 引用 別角度から。口元?の黄色い部分は何でしょうか? 2008/10/27(Mon) 22:24:49 [ No.4931 ] ◇ Re: ミズアブの仲間? 投稿者:田中川 引用 同一個体です。よろしくお願いします。 2008/10/27(Mon) 22:28:33 [ No.4932 ] ◇ Re: ミズアブの仲間? 投稿者:アノニモミイア 引用 この時期に多いルリミズアブでしょう. 2008/10/28(Tue) 00:12:23 [ No.4934 ] ◇ Re: ミズアブの仲間? 投稿者:田中川 引用 アノニモミイアさま、ありがとうございます。 ルリミズアブとの初めての出会いでした。 2008/10/28(Tue) 00:51:04 [ No.4935 ]
◆ 何というハエでしょうか? 投稿者:makino 引用
2008年10月26日 京都府乙訓郡大山崎町 自宅の庭に居ました。口吻が針状のハエは初めて見ました。写真だけで分かりにくいかも知れませんが、お分かりの方が居られましたら宜しくお願いします。 2008/10/27(Mon) 21:33:11 [ No.4929 ] ◇ Re: 何というハエでしょうか? 投稿者:アノニモミイア 引用 ヤドリバエ科のクチナガハリバエでしょう.雄は樹幹や電柱などに下向きに止まって,雌の飛来するのを待っているのに良く出会います.幼虫はヒメコガネ,マメコガネなどコガネムシ科の幼虫に寄生します.寄主の近くに産卵された卵はすぐに孵化して,幼虫は地中を寄主求めて移動するそうです. 2008/10/28(Tue) 00:09:54 [ No.4933 ] ◇ Re: 何というハエでしょうか? 投稿者:makino 引用 アノニモミイヤさん、ありがとうございます。久しぶりに庭に出て見付けたものです。こんな身近にこのような変わったハエが居るとは、灯台もと暗しですね。この長い口は花の蜜を吸うためのものでしょうか。食事中の所も一度見てみたいものです。それにしても、幼虫の生態まで分かっているのには感心しました。 2008/10/28(Tue) 21:46:35 [ No.4939 ]
◆ 双翅目談話会 第12回 同定会・勉強会&忘年会の御案内 投稿者:茨城_市毛 引用
双翅目談話会では,第12回 同定会・勉強会を千葉県立中央博物館で下記のような予定で行います. 日時:2008年11月23日(日)午前10時より 午前10時 同定会 12時 昼食・休憩 なるべく弁当を御持参下さい. (館内にレストランがあります.) 午後 1時 勉強会 講演(未定) ミニ講演(未定) 午後 3時〜5時 一人一話 <忘年会を午後6時頃から予定しています(会場未定)> ◆場所:千葉県立中央博物館 www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/ 会員以外も参加可能です. 2008/10/02(Thu) 18:43:19 [ No.4879 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 双翅目談話会 第12回 同定会・勉強会&忘年会の御案内 投稿者:ケンセイ 引用 双翅目談話会関東事務局のケンセイです。 上記の双翅目談話会関東同定会に出席予定の方で、その後の懇親会も出席していただける方は、早めに伊東までお知らせいただけると助かります。 というのも懇親会の店に前々日までに最低確定人数を伝える必要があるので。 以上よろしくお願いします。 ケンセイ@小平市 2008/10/29(Wed) 18:34:17 [ No.4945 ]
◆ タマユラアブ科 投稿者:mahoro_s 引用
岩手県の湿原で採集された双翅目の標本を,ある先生に「タマユラアブ科の1種」と同定していただきました.そこでタマユラアブ科について少し調べようとしたのですが,この和名では情報がほとんど見つかりませんでした.これはPelecorhynchidaeにつけられた新しい和名と考えてよいでしょうか? いつも不勉強で本当に恥ずかしいのですが,教えていただければ大変ありがたいです. 2008/10/30(Thu) 20:31:39 [ No.4947 ] ◇ Re: タマユラアブ科 投稿者:茨城_市毛 引用 mahoro_s様. mahoro_s様の御指摘どおり,Pelecorhynchidaeの和名です. はなあぶNo.12(2001)で「日本産タマユラアブの同定」として解説されており,北隆館の新訂大図鑑でもべッコウタマユラアブとイトウタマユラアブ・ナミタマユラアブが図示解説されております(P.402-403,Fig.2273-2275). 2008/10/30(Thu) 22:23:31 [ No.4948 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: タマユラアブ科 投稿者:mahoro_s 引用 市毛さま,さっそくに教えていただきありがとうございました! きっと載っていると思ったはなあぶNo.12は,なぜか手元になく,新訂大図鑑は,職場内での競争に負けなければ今年買ってもらえることになっているのです.早くほしい・・・. Wikiの「みんなで作る」図鑑にはPelecorhynchidaeは載せていらっしゃらないですよね. 追伸:「はなあぶ」誌最新号が今日とどきました.いつもながら充実の内容で本当にありがたいです. 2008/10/30(Thu) 23:06:51 [ No.4949 ]
◆ 何バエでしょうか? 投稿者:田中川 引用
セイタカアワダチソウに訪花した3ミリ弱くらいのハエは何バエでしょうか? 三重県津市の海岸部。2008.10.21 2008/10/28(Tue) 10:15:54 [ No.4936 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:田中川 引用 2008.10.18撮影の別個体です。よろしくお願いします。 2008/10/28(Tue) 10:19:30 [ No.4937 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:茨城_市毛 引用 田中川様. ミギワバエの仲間に一票! 2008/10/28(Tue) 12:33:01 [ No.4938 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:田中川 引用 茨城_市毛様、いつもありがとうございます。 ミギワバエの情報量は少ないんですね。 2008/10/29(Wed) 01:22:32 [ No.4940 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:アノニモミイア 引用 投票なら対立候補が出馬しないと. 全く泡沫候補かもしれないけれど,キモグリバエ科に1票. 2008/10/29(Wed) 08:22:51 [ No.4941 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:茨城_市毛 引用 アノニモミイア様. 植物の情報を考慮していませんでした. ミギワバエがセイタカアワダチソウのような背の高い植物に止まることは殆ど無いと思いますので,キモグリバエ科の可能性のほうが高いですね. 2008/10/29(Wed) 11:13:12 [ No.4942 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:フンコバエ 引用 画像はミギワバエ科のHecamede graniferaです。田中川さんのご質問の種はこれではないでしょうか? 海岸の砂浜に多い種です。 2008/10/29(Wed) 13:10:01 [ No.4943 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:フンコバエ 引用 あまり良い写真ではありませんが、背面です。 宮城や大石では日本産のHecamedeをH.albicansとして発表していますが、Mathis(1993)では日本産はH.graniferaのみで、H.albicansはヨーロッパやアメリカ東海岸で見られる種としています。私も手元の標本を調べましたが、全てH.graniferaでした。 2008/10/29(Wed) 13:15:21 [ No.4944 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:田中川 引用 アノニモミイア様、茨城_市毛様、フンコバエ様ありがとうございます。 フンコバエ様のHecamede graniferaそのもののような気がします。 写真はたくさん撮りましたが、写りはいまいちのものばかりです。もう一枚18日撮影の画像を追加します。 2008/10/30(Thu) 00:23:02 [ No.4946 ] ◇ Re: 何バエでしょうか? 投稿者:アノニモミイア 引用 泡沫候補のキモグリバエはあえなく落選.海の向うの投票も残すところ後2日,負け犬(-u)の遠吠えになるか否か. 2008/11/03(Mon) 03:09:42 [ No.4958 ]
◆ 初めまして。クチナガハリバエ似 投稿者:新屋 引用
初めまして。新屋と申します。 掲示板を見ていてクチナガハリバエが写真のハエと似ていると思いましたが、腹の毛がありません。 別種でしょうか、スレた個体なのでしょうか。 2008/11/02(Sun) 21:35:43 [ No.4954 ] ◇ Re: 初めまして。クチナガハリバエ似 投稿者:アノニモミイア 引用 写真を良く見ますと腹部背板の剛毛も生じていまして,クチナガハリバエだと思います. 2008/11/03(Mon) 02:53:01 [ No.4956 ] ◇ Re: 初めまして。クチナガハリバエ似 投稿者:新屋 引用 確かに生えています。ありがとうございました。 2008/11/03(Mon) 08:31:53 [ No.4959 ]
◆ マダラヤチバエでしょうか 投稿者:おーやぎ 引用
これは「2832」のマダラヤチバエでしょうか。 2008.11.1青森県下北半島で採りました。 2008/11/01(Sat) 22:21:02 [ No.4951 ] ◇ Re: マダラヤチバエでしょうか 投稿者:おーやぎ 引用 あと2枚のせます。 2008/11/01(Sat) 22:21:53 [ No.4952 ] ◇ Re: マダラヤチバエでしょうか 投稿者:おーやぎ 引用 最後です。 2008/11/01(Sat) 22:24:28 [ No.4953 ] ◇ Re: マダラヤチバエでしょうか 投稿者:アノニモミイア 引用 おーやぎ様. 写真の種はおそらくヤマトホソバネヤチバエDichetophora japonica Sueyoshi, 2001(北海道,本州北半)だろうと思います. 東海大出版の日本産水生昆虫に末吉昌宏のヤチバエ科の解説があります.検索表も付いているので参照ください. おーやぎさんの「3759」も本種のようです.マダラヤチバエ属Pherbinaでは翅の中室の後端が鈍角になるし,翅も広く,また斑紋も粗大ではないでしょうか.Dichetophoraでは中室後端は直角ないしやや鋭角,翅は細長く,斑紋もより繊細です. 2008/11/03(Mon) 02:51:09 [ No.4955 ] ◇ Re: マダラヤチバエでしょうか 投稿者:おーやぎ 引用 アノニモミイア様 ありがとうございます。また、「3759」も見ていただき、ありがとうございます。日本産水生昆虫はないのですが、なんとか勉強したいと思います。 2008/11/03(Mon) 22:05:57 [ No.4968 ]
◆ 顔の模様のある人 投稿者:新屋 引用
シマバエとかトゲハネバエとかだと思いますが、私にはわかりません。何科の何でしょうか? 2008/11/03(Mon) 12:22:13 [ No.4964 ] ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:新屋 引用 この種類は横からもあります。 2008/11/03(Mon) 12:31:20 [ No.4965 ] ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:アノニモミイア 引用 タイトルの意味が不明ですが,いずれにしましてもショウジョウバエ科やシマバエ科などの含まれる双翅目の一群は,よほど特徴的な種でない限り,翅の翅脈相,主に頭部の剛毛の配列などが判然としないと,科の同定さえも困難です.これらの写真ではこのような形質が写されていないので,同定は難しいでしょう.印象としてはシマバエ科でしょうか. それと,以前にも書きましたが,双翅目の同定を必要とするときには,撮影後に標本として被写体を採集しておくことです.捕虫網がなければ大きなポリ袋などに誘い込んで帰宅後に標本にしてもいいでしょう. 双翅類に興味を持ち続けるためには,先ず採集しておくこと,それからルーペ,できればニコンの「ファーブル」程度の双眼実体顕微鏡を用いて,ハエの体を調べることをお薦めします.双翅目の形態の概説は北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻に示されていますので,これを参考にされたら入門可能でしょう. 鱗翅目,大型の鞘翅目,直翅目や大型のカメムシ類などのように図鑑がでていて,図との絵合わせで簡単に種や属が判る昆虫群と違って,双翅目はたとえ鮮明な写真であっても生態写真で名前が判るのはごくごく少数です. 先にあなたがお尋ねのヤドリバエ科は日本に既知種が500種程度,実際にはその1.5倍から2倍の種が生息していると言われています.このことからも同定の困難さがお分かりいただけるでしょう. 2008/11/03(Mon) 13:06:38 [ No.4966 ] ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:新屋 引用 1つ目の写真を上下逆さまにすれば、羽に・_・って顔があるんです。 小型のは詳細な写真でないとかなりつらいんですね。私も昆虫などは好きなのですが、 双翅類に挫折する人が多い理由がわかってきました。 ありがとうございました。 2008/11/03(Mon) 21:30:48 [ No.4967 ] ◇ 待てよ…これはちょっと 投稿者:新屋 引用 あとで考えてみると、こんな特徴(写真のやつなら顔の模様)があるのにこれだけで名前がわからないというのは、 ・この特徴の種はいくつもある ・名前がついておらず科もわからない ・雰囲気で科を推定して種を探すのは骨が折れる ・死ぬと劣化して特徴が失われる ・この特徴をもつ種を誰も知らない あたりの理由があるんでしょうね?いかがでしょう か? 2008/11/04(Tue) 17:33:08 [ No.4969 ] ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 新屋様. 残念ながら,双翅目は他の昆虫に比べ互いに酷似している事が多いため,新種記載文などでも外見についてはあまり触れられていません.体の何処の剛毛が何本で,どちらを向いているとのような記述が大半です. シマバエ科の1種の新種記載文を例に解説して見ます. 最初に,種の特徴の記述です. 2008/11/04(Tue) 20:27:04 [ No.4970 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 運が良いと交尾器や顔の図が図示されています. 2008/11/04(Tue) 20:30:37 [ No.4971 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 この種類の場合,原記載に旧北区に分布する種類の検索表が付されています. 胸背の剛毛の数や,触角の刺毛に長い毛が生えているか,胸背や胸側部の色などが問われています. 残念ながら,大半の新種記載には検索表が付いていないので,色々な文献をつき合わせて読み解かなければなりません. 2008/11/04(Tue) 20:36:57 [ No.4972 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 以上の様な断片的な情報しか,文献からは得られません. 専門家の場合,各々が専門とするグループの数千〜数万種の情報を持っているはずですが,日本の種類だけを調べているわけではないので,双翅目の極一部のグループしかはっきりとしたことが判らないのです. 一方,双翅目の種類数や旧北区と東洋区の境界に位置するという複雑さに比べ,日本の専門家が著しく少なすぎ,種類が特定出来るような総括的な論文が出ていないこともひとつの原因と思われます. 「雰囲気で科を推定して種を探すのは骨が折れる」とのコメントがありますが,この雰囲気を見るためには十分な大きさの高解像度な写真である必要があります. また,写真のような翅の横脈周辺が暗化する種類というのは,双翅目の様々な科で見られますので,属までがわかるような別の特徴が無いと全くお手上げです. 2008/11/04(Tue) 21:09:00 [ No.4973 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 比較的高解像度な写真については,No.4447シマバエ科質問 やNo.4548 アメイロオオフンバエについて等の写真をクリックして拡大したものを見てもらうと,標本を作ったうえで撮影する必要性がわかってもらえるかと思います. http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4548#4548 http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4447#4447 2008/11/04(Tue) 21:22:24 [ No.4974 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:新屋 引用 通して見ましたが、まさかこの顔に触れないなんて、もったいない… やはり扱いが酷い… とにかく、納得しました。 2008/11/04(Tue) 21:26:53 [ No.4975 ] ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:アノニモミイア 引用 市毛さん. 双翅目昆虫の同定の困難さをどのようにしたら伝えられるか,と言うことについてのあなたの忍耐強いご努力が偲ばれます.私は国民の税金で昆虫を調べることを仕事の一部にしてもらったので,退職した今,そこで得られたものの幾ばくかでも還元すべきだとも思って,おりおりこの掲示板の質問に(ある程度気まぐれ的に)応えていますが,市毛さんの努力はまったくのボランティアであって,いつも敬服しています. 福岡市在住の福田さんの「福岡市の蝶introduction」と言うホームページに掲示板(画像掲示板)がありまして,何日か前のことで福田さんご自身が,「一寸のハエ・・」について,「初心者の質問に対する対応のレスポンスが冷たいのではないか」,と言う主旨の批判を述べていました.これに対しては私は「それは誤解であって,最近の本掲示板をみてもらえばそんなことはないということが理解してもらえる.市毛さんなどが極力努力されている」と言う主旨の意見を述べました.これについて福田さんから誤解であった,と言う返事が返ってきています. 今回もあなたが一生懸命に双翅目の同定の困難さを具体的な事例を示して,説明されています. しかし,それでも質問者からは十分な納得が得られていません.実に難しいことだと思います. しかし,このような問題に直面するのを重ねる過程で,今夜,初めて気付いたことがありました.それは,他の方々も感じていることかもしれません. 「なぜ甲虫やカメムシは背面から見ただけでそれぞれの種の特徴が判るのか?なぜ蝶(蛾は少し違います)は翅を広げて,あるいは裏側を見るだけでそれがどの蝶であるのかわかるのか?それに引き換えてなぜ双翅目の大部分は側面にしばしば種の特徴が強く現われるのか?」 それは,甲虫やカメムシは前翅で体を覆うことで生き抜いてきた昆虫,蝶は翅の表面を警戒,保護,種識別などの機能を持たせることで生き抜いてきた昆虫,蛾も前翅表面に隠蔽を含めて多様な機能を持たせて進化してきた昆虫,だから「上」からみてそれと判る昆虫なのだ,とー当たり前だよと言われるかもしれませんがー一つの回答で納得した次第です. しかし,それは見方の一面で,甲虫やカメムシはーハエと異なってー平面的な生活,いわば基本的には二次元の生活をしているために,体が多くは扁平になり,その結果背面が広く,そこに多様な機能を持たせる進化が起ったのではないか.いわば二次元昆虫である.だから,背面に特徴が現われやすく,結果的に図鑑が機能するのではないか.蛾やそして多くの蝶も,静止しているときに生活の主要な側面(蛾の休息,蝶の誇示など)を示す,いわば活発に飛翔する側面をもちながら,実は部分的に二次元昆虫ではないか. それに対して,双翅目の多くは専ら飛翔の中に生活機能の大部分を費やし,その生活は基本的には三次元の世界である.いわばハエは三次元昆虫である.そのために体は扁平にならず,背面とともに側面に主要な機能を持たせた形態になった.だから図鑑もまともなものは一面だけからは作れない.結果的に同定が困難.初心者からハエは難しい,という批判がでてくる.ということではないでしょうか. いや,ハエでもヒラタアブは違う,彼らはかなり体が平面的で,背面から斑紋などかなり特徴があるのではないか,と言う見方もできるでしょう.ミバエは翅に「顔」どころか遥かに多様な特徴をあらわしているではないか,とも言えます.それでは彼らはなぜそうなのか.さらに,なぜガガンボやキノコバエのなかでもMycetophilaには翅に様々な斑紋がでるのか. 三次元昆虫と二次元昆虫などと明確に区別できるものではもちろんないけれど,このような両極端は確かにありうると思います. 地表で生活するコオロギ類は二次元,叢で生活するキリギリス類は三次元の昆虫である,と見れば,その体形,さらに同定のしやすさ,図鑑としての写真の撮りやすさ,が理解できると思います. 長々と,あまり賢い話ではないのですが,新屋さんのおそらく「ご不満」を一つのきっかけにして,ハエの同定の難しさ,図鑑作成の困難性に思いをいたしています. 2008/11/05(Wed) 01:40:31 [ No.4977 ] ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様 >> 通して見ましたが、まさかこの顔に触れないなんて、もったいない… この問題ですが、市毛さんが述べておられる >> 翅の横脈周辺が暗化する種類というのは,双翅目の様々な科で見られます の部分が重要なポイントです。あの翅をたたんだ時の「顔みたいな模様」は翅脈の周囲に色素が沈着して出現した模様なのですが、こういうパターンはいろいろな系統で他人の空似的に出現します。必ずしも「顔みたいな模様」にはならないのではありますが。だから、「翅をたたんだとき」にこういう模様になるという形質からどういう系統に属するハエなのかということをつめていくのはあまり意味がないんですよ。もちろんこういう模様を持っていることにどういう適応的な意味があるのかという生態学的、行動学的な問いかけには意味があるんですが。 ですから、ハエの専門家がハエをぞんざいに扱っているわけではないんです。ハエの系統を判別し、その進化の歴史を読み解き、なおかつ応用的にはハエの種を同定する手段を提供するという系統分類学的なアプローチには、この形質はあまり有効な材料を提供しているわけではないということなんです。 もちろん、アノニモミイアさんがおっしゃっておられるように、ミバエ科のハエの場合には翅の模様が上記のアプローチの材料として非常に有効で、記載論文にはたいてい翅の斑紋の詳細な図が付されています。 2008/11/05(Wed) 08:50:29 [ No.4979 ] ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:アノニモミイア 引用 私の投稿No.4977で,福田さんのホームページ「福岡市の蝶introduction」の掲示板(画像掲示板)に,「一寸のハエ・・」に対する批判があり,これが福田さんの誤解であったことを書きました.このいきさつは本掲示板にしばしば投稿される方々も一読していただいた方が良いかと思いまして,参照のしかたを示しておきます.新屋さんのように,ハエの同定の困難さについての,多くの方々の現状理解の不足がありますので,この点を今後どのように考慮すべきかについて,参考になると思います. 福田さんのホームページ「福岡市の蝶introduction」の掲示板(画像掲示板);今現在では過去の部分で「直接移動」の[6]に含まれる. 元の記事は「ハチ2種 福田 2008/09/23,No. 4044」に連続的に投稿された中で, 8番目の10月4日の福田 4138 11番目の Mycetophilus 4144 12番目の 福田 4145 13番目の Dipterophilus 4147 16番目の 福田 4152 以上です.福田さんの掲示板でMycetophilusまたはDipterophilusはもちろん私が使っている名前です. 2008/11/05(Wed) 11:57:21 [ No.4980 ] ◇ Re: 待てよ…これはちょっと 投稿者:茨城_市毛 引用 アノニモミイア様,ウミユスリカ様. 私としても,初心者に対して冷たいとの印象を持たれないよう努力はしていたのですが,私自身一部の双翅目以外は相変わらず初心者同様ですので・・・・ ぶっちゃけた話,10年ほど前に双翅目を集め始めた時は,専門家!に標本を見せれば大概の双翅目は名前がわかると思っていましたから,とんでもない世界に入ってしまったと思うこともあります;^_^) その後,必死になって文献を集めてみましたが,集めても判らないものは判らないということが判明しました(^_^;) 長年調べていた甲虫は,図鑑と文献を調べればかなりのところまで自力で解決できましたし,判らなければ身近に同定を頼める先生やハイレベルのアマチュアがいましたので,双翅目の専門家等が非常に少ないというのは非常に驚きでした. 特に,衛生害虫や農業害虫でない双翅目の研究者は日本に数人しかいようで,当然ながら研究されていないグループも多いと考えています. 残念ながら私の場合,専門家に調べてもらうコネが全く無いので,未だ未同定標本の山に囲まれています.ハナアブ以外は,8割ぐらい不明なままですね. 時折,ハナアブの研究に躓いて,他の双翅目を引っ張り出して調べてみるのですが,自信を持って種まで落ちるのは稀で,あきらめてハナアブの研究をしています. また,甲虫などに比べると語学の壁も高いですね.私の場合,高校もまともに出ていないので英語以外は皆目読めないので尚更です・・・・・ 双翅目の場合,基本文献であるDie Fliegen der Palaarktischen Regionが全てドイツ語ですから,ドイツ語のこの文献を読めないことには調べることができないグループが沢山あります. 近年の論文でも,双翅目の場合ドイツ語で書かれる比率が高いように感じます. ロシア語は,Ent.Rev.のロシア語版と英語版を見比べて記載などの意味が判るようになったのですが,ドイツ語は辞書を引いても判らない単語が多く困っています. 新屋様. 双翅目の場合,基本的には側面から見ることが多いようで,ハナアブやムシヒキアブなどの一部のグループを除いて,側面が見えるように標本を作ります. 従って,図鑑的に写真を並べると添付の写真のようになります.写真は近年発行された日本産のイエバエの総説の図版です.今年発行された北隆館の新訂原色昆虫大図鑑でも,新たに追加された図版はこのような形式が多いです. 3属19種類が並んでいるのですが,私には解説を読まない限り,属の違いさえ判りません. このように,一部の斑紋等が顕著な種類を除いて,写真という断片的な情報ではそのグループの専門家でない限り判別が困難なのです. 2008/11/05(Wed) 22:18:58 [ No.4981 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 顔の模様のある人 投稿者:新屋 引用 >>4977 確かにハチ・ハエ目はよく飛ぶので3次元ですね。甲虫やカメムシは飛ぶことが少なく、ガ(チョウ)は 羽が大きい。ハナアブとガガンボが例外ですね、ガガンボはわりと飛ばないからともかくハナアブはなぜ? >>4979 違う仲間で似た姿や模様になるってやつがよくありますね、この顔の模様もですか… >>4981 なんか昆虫のサイトを見ていると「ハエは撮る気にならない」ということが書いてあることが あります、あれは不満です。ハエにも外見が素晴らしい種類はいっぱいあるようなのですが。ハナアブは確かに かわいいものが多めなので扱いがいいのでしょう。どうしても外見の善し悪しは影響があります、関係ないかもしれませんが 私は外見がきれいでない昆虫よりアゲハやカブトムシなどよく取り上げられるやつがあまり好きでありません、 野生で見たときを除き。大図鑑でなんとかキンバエ複数種の絵を見ましたが説明を見ないと違いがよくわかりませんでした、 どうしてハエばかりこんなに難しいんでしょうね…。似てない同種と似てる別種には悩まされます。 私は見たことのないハエやクロキノコバエやガガンボなどを見つけるたびに撮りますが、死んでる動物は苦手なのと 殺すのができない(例外あり)ので少なくとも今のうちは名前がわかりませんね… 名前がわかったからどうなのともいえるけどやっぱり知りたい気持ちです。 最後に、なぜか世界の昆虫の本などでハチ・ハエが少ない、日本であれだけきれいなのがいるんだから 単純に考えると世界ではとんでもない種類がいっぱいのはず… 失礼します。 2008/11/06(Thu) 21:33:15 [ No.4982 ]
◆ 交尾していたオドリバエ 投稿者:ハンマー 引用
今年4月19日に兵庫県三田市で撮影した交尾中のオドリバエです。もし写真で同定できるようであれば、ご教示ください。よろしくお願いします。 2008/10/31(Fri) 07:38:27 [ No.4950 ] ◇ Re: 交尾していたオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 引用 写真では主要形質,特にメスの脚の羽状剛毛の状態が不明瞭で,このために確信はありませんが,脚の色彩,撮影された場所などから判断して,おそらくEmpis (Polyblepharis) compsogyne Freyキアシセスジオドリバエのペアだと思います. それにしても,これだけおなかがぽんぽんになっているのに,まだ大きなミズアブを食べるのですかね・・.群飛中の雌の卵巣成熟度を解剖して調べてみるのも面白い課題かもしれません.雌が求愛餌をどの程度・どのように摂食しているのかも,交尾終了後の求愛餌を集めて,解剖したら,どこが摂食されているか多分判るでしょう.重量も測って,同じ求愛餌種の生時平均体重と比較できればいいのですが,野外では困難かもしれません. オドリバエの求愛給餌行動は猟奇的興味があるのか,よく話には出てきますが,本格的・総合的に取り組んでいる人はほとんどありません. 2008/11/03(Mon) 03:04:18 [ No.4957 ] ◇ Re: 交尾していたオドリバエ 投稿者:ハンマー 引用 アノニモミイア様、 どうもありがとうございます。 求愛餌の受け渡しが形式的な儀式になっている可能性があるということでしょうか?興味深い話ですね。 写真のペアにはすぐに逃げられて、メスの脚の毛が写っているのはこの写真しかありませんでした。 2008/11/04(Tue) 22:20:24 [ No.4976 ] ◇ Re: 交尾していたオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 引用 2枚目の写真には雌の後脚がかなり鮮明に撮影されていて,これらの形質を含めて,これはEmpis (Polyblepharis) compsogyne Freyのペアであることは間違いないと思います. 「求愛餌の受け渡しが形式的な儀式になっている可能性があるということでしょうか?」との疑問については, 雌の腹部がこれほどまで膨大しているのにまだ求愛給餌を受けるのは,1)卵巣の完全な成熟にはまだ栄養が不足,2)卵巣成熟はほぼ完了しているが,活動エネルギーとしての栄養の要求,3)(これはまったくのスペキュレイションですが)異なる雄の精子の受け入れ,または新しい精子の受け入れ,などの可能性が考えられます.ハンマーさんの推定している可能性も否定し切れないと思います. これら求愛給餌を行なうオドリバエで,雌の卵巣成熟が一度だけなのか,一度産卵してからもう一度またはそれ以上に卵巣が成熟するのか,などは今度の課題です.これらのオドリバエの場合には成虫の活動期がかなり短いので,一度産卵したら死んでしまう可能性が高いように思えます. 今のシーズン(10月下旬から11月中旬)はEmpis (Planempis) autumnalis群の活動期です.本群も日本列島で地理的種分化を起こしていまして,私が知らない種がまだまだいると思います.E. (P.) autumnalisだけは生態が判っています.雄は山間の小川の上空で求愛餌の狩猟を行い,また雌雄ともこの時期に開花する花,とくにツワブキの黄色い花で吸蜜するのが観察されます.配偶行動は観察していません. また,Rhamphomyia (Pararhamphomyia) ciliatopoda群もこの時期に出現します.R. (P.) rotundicaudaは晩夏に日本アルプスの亜高山帯に発生しますが,西日本の平地には1種未記載種が生息し,さらにR. (P) ciliatopoda, R. (P.) yasumatsuiのほかに未記載種数種が奄美大島から与那国にかけて生息しています.これらは林間の上空で大きな群飛を形成します. Hilaraは1種だけ晩秋から真冬にかけて発生する小型黒色の種がありあます.これも河川の上空で大きな群飛を行ないます. 2008/11/07(Fri) 07:03:06 [ No.4983 ] ◇ Re: 交尾していたオドリバエ 投稿者:ハンマー 引用 アノニモミイア様、 詳細な解説をありがとうございます。 秋に活動するオドリバエにも注意してみたいと思います。 今後もよろしくお願いします。 2008/11/10(Mon) 06:34:23 [ No.4995 ]
◆ 海岸のハエ 投稿者:田中川 引用
三重県津市の砂浜海岸にて。イネ科植物に止まるハエを見つけました。すぐ逃げられて見失いました。大きさは5ミリ以上はあったかと思います。何バエでしょうか。 2008.11.11撮影 2008/11/11(Tue) 22:39:49 [ No.5001 ] ◇ Re: 海岸のハエ 投稿者:田中川 引用 別角度から 2008/11/11(Tue) 22:41:18 [ No.5002 ] ◇ Re: 海岸のハエ 投稿者:アノニモミィア 引用 細部までよく捉えた精緻な写真ですね.学名(costata前縁のの意味で翅前縁の暗色紋に基づくのでしょう)のように翅の斑紋も顕著ですが,頭部の刺毛や胸背の短いacr刺毛も写っていて,このような写真ですと同定が容易です.動きの早いハエなのに,良くこのような見事な写真が撮れましたね. ヘリグロハナレメイエバエOrchisia costata (Meigen)の雌でしょう.近似種はありません.夏から秋にかけて,やや湿潤な(湿地とは限らない)空地のイネ科植物群落を掬うと極めて普通に採集できるハエです.本州から東南アジア,アフリカに亘って広域に分布する種です. ただし,体長は3.5mm前後で,5mmと言うのは少し大きすぎるのでは. 本種の生息場所には,通常他にも数種のハナレメイエバエ亜科の種やイネクキイエバエAtherigona orizae Mallochが生息しています.前者の種の成虫はしばしば小型の双翅類を捕食しています. どのような撮影機材で写したのですか? 2008/11/12(Wed) 08:15:19 [ No.5003 ] ◇ Re: 海岸のハエ 投稿者:田中川 引用 アノニモミィア様、ありがとうございます。 種名が明らかになることの感激は大きいです。更に次なる種を撮影しようと思う気持ちになれます。 写真が比較的大きく撮れていたので、大きさは誤認したかもしれません。風が凪いでいたので、曇天にもかかわらずブレが少なく撮れたようです。 撮影機材なんて言える物ではありません。スーパーマクロ機能のあるデジカメで、1センチから3センチほどまで近づいて、三脚も使わず、何かを見つけ次第、撮っているだけです。 2008/11/12(Wed) 17:47:08 [ No.5004 ]
◆ ハエの目 投稿者:ハエのことをまったく知らない男 引用
初めまして。 ハエの目は複眼ですよね。それでそういう風に見えるのかなと思いまして投稿させていただきました。 噂では「スロー」かつ「モノクロ」で見えるとのことですが本当ですか? よろしければそのことを明確に書いてあるHPのURLをいただけたらうれしいのですが。 後、ハエの見え方の動画があればそのURLもお願いします。 お手数だと思いますが。作ってくださってもいいです。 実際僕今中学1年なんですが文化祭でハエの目から見る世界を作ると言うことになっていてそれでハエの見え方の動画を作れといわれてるんです。どうか参考になるようなものをお願いします。 2008/11/13(Thu) 17:54:35 [ No.5006 ] ◇ Re: ハエの目 投稿者:茨城_市毛 引用 ハエの目様. 恐らく,下記のURLに書いてある「昆虫ー脅威の微小脳」ことだと思いますので,直接本を読んで見るべきだと思います. ttp://www.fben.jp/bookcolumn/archives/2006/10/post_1244.html また,ハエの見え方の動画と書かれていますが,上記のURLに書かれているようなことであれば,単純に映像をスローで再生するだけで良いのでは? もちろん,画像自体は個眼での像の合成となるので,下記のURLのような感じになると思われます. ttp://starfort.cocolog-nifty.com/voorlihter/2007/04/post_17f0.html その他にも,丹念にネットを調べれば色々なことが書いてあるHPがあると思います. 2008/11/13(Thu) 19:44:10 [ No.5007 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ハエの目 投稿者:ハエのことをまったく知らない男 引用 茨城_市毛様分かりました。 ありがとうございます。 要するに少しモザイクをかけてスロー再生にすればいいんですよね。 2008/11/13(Thu) 19:50:33 [ No.5008 ] ◇ Re: ハエの目 投稿者:ウミユスリカ 引用 モノクロかどうかの点ですが、少なくとも昼行性の複眼が発達した昆虫の多くは色覚があることが多いようです。この点はミツバチとかチョウの複眼で研究が進んでいるようですね。ちょっとハエ関係の文献は見たことがないのですが。 脊椎動物ではヒトのような高等霊長類は3原色の色覚があることはご存知でしょうが、これは光の波長を識別する色覚細胞が3種類あることに由来します。同様に鳥類や爬虫類、両生類、また魚類のかなりの多くは4種類の色覚細胞を持っており、4原色の色覚があると推定されています。ちょっと文献を引っ張り出そうとして見つからず、うろ覚えで書いているのですが、アゲハチョウではこの色覚細胞がさらに多くの種類に分化していたはずです。 あと、ハエやトンボのように頭のかなりの部分を複眼が占めているような昆虫の視野は、プラネタリウムのような全天スクリーンに複眼を構成する個眼の数で構成されたモザイク状の荒い解像度の像が投影されていて、ものの形はくっきりとは見えないけれど、動きは像のちらつきでぱっとわかるイメージを想像すればよいでしょう。 2008/11/14(Fri) 13:48:32 [ No.5011 ] ◇ Re: ハエの目 投稿者:ハエのことをまったく知らない男 引用 ウミユスリカ様ありがとうございます。 参考になります。 では全てまとめると「モザイク」「スロー」「カラー」の3点をおさえればハエの視覚に似てくるということですね。 茨城_市毛様 ウミユスリカ様ありがとうございました。 2008/11/14(Fri) 18:04:33 [ No.5012 ] ◇ Re: ハエの目 投稿者:ハエのことをまったく知らない男 引用 ご協力ありがとうございました。 おかげで動画完成しました。 ご要望があれば載せさせて頂きます。 2008/11/16(Sun) 19:09:19 [ No.5017 ]
◆ 設定変更連絡 投稿者:ハエ男 引用
皆様、管理者でありながら、なかなか顔をだせないハエ男です。 最近古い記事が消え始めているので、とりあえず、記事数Maxを5000件から8000件に変更してみました。 ただこの処置により掲示板CGIに付加がかかり多少反応が鈍くなる可能性があります。 しばらくそれで様子をみますのでご理解ください。 2008/11/21(Fri) 04:47:03 [ No.5028 ]
◆ ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用
昨日(11月15日)我が家の庭(東京都世田谷区西部)で撮ったツヤホソバエです。直ぐに逃げられてしまった為、真横から撮った写真しかありません。体長は丁度5mmです。 「日本の有害節足動物」やこちらのサイトにも該当する種類がありませんでした。 露出不足を補正したのと絞り過ぎで酷い写真ですが、前脚腿節の棘が不明瞭ながら写っています。種まで落ちますでしょうか。 宜敷御教示下さい。 2008/11/16(Sun) 10:23:39 [ No.5014 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. おそらく,インドツヤホソバエSepsis indicaではないかと思われます.Sepsis indicaは都内のリストに結構出ています. 2008/11/16(Sun) 11:15:34 [ No.5015 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様: 早速の御回答有難う御座います。 No.4080も一応見たのですが、こちらの写真では腿節上側の剛毛がハッキリしないので違うと思ってしまいました。しかし、その後のハエ男氏のお話を読むと、この程度の違いは個体変異の内に入りそうです。 ツヤホソバエは11属35種しか居ないそうですが、我が家の庭で撮影したのはこれが4種目です。こんな住宅地の中に、日本産の1/10が棲息するとは一寸驚きです。 有難う御座いました。 2008/11/16(Sun) 12:47:00 [ No.5016 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. 久々に文献などを整理してみたところ,日本産は11属36種と1種増えていました. 赤坂御用地および常盤松御用邸の無弁ハエ類を読んだところ,1995年の報告でシノニム(異種同名)とされていたヒトテンツヤホソバエSepsis latiforcepsが,再び別種となったようです. Ozerov(1999)で確認してみたところ,両種は交尾器以外に腹部背板の後縁剛毛や胸側部の微毛が異なるようです. 東京都は,文献の記録を拾っただけで1300種近くの双翅目が確認されています.環境変化で絶滅した種類も多いと思われますが,丹念に調べていけば,しぶとく生き残っている種類や,温暖化などで北上した種類など色々と確認出来ると思います. 2008/11/16(Sun) 20:55:40 [ No.5018 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様: 最新情報有難う御座います。 東京都本土部昆虫目録を見たら、現在1269種になっていました。しかし、メバエ科が零になっているのはおかしいですね。私はほぼ毎年オオマエグロメバエと思われるメバエを見ているのですが・・・。 また、ハナアブ科は115種も記録されているので驚きました。今、種の分からないハナアブの写真がありますので、近々御伺いを立てようかと思っております。今後とも宜敷御願い致します。 2008/11/17(Mon) 08:09:10 [ No.5019 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:ケンセイ 引用 アーチャン様 >東京都本土部昆虫目録を見たら、現在1269種になっていました。しかし、メバエ科が零になっているのはおかしいですね。私はほぼ毎年オオマエグロメバエと思われるメバエを見ているのですが・・・。 東京都本土部昆虫目録は主旨を読んでいただければわかりますが究極の他力本願を目指しております。したがいまして、メバエ科がゼロということは、引用文献の中にメバエ科を記録した 文献が全くないということになります。メバエ科の種の記録が掲載されている東京都本土部の文献をご存知ならばぜひご教示ください。また、メバエ科の種の記録をお持ちでしたら、ぜひどこかの昆虫媒体(月刊むし、はなあぶ、グループ多摩虫、うすばしろ、神奈川虫報etc)に投稿していただけると有り難いです。 なお、TKMスタッフは毎年東京都本土部での調査を重ねており、東京都未記録種の標本は確実に増えてきております。それらについて、どういった形で公表するのが良いかいろいろ議論を重ねておりますので、もし何か意見があればお知らせください。よろしくお願いします。 ケンセイ@TKMスタッフ 2008/11/17(Mon) 12:56:32 [ No.5020 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 ケンセイ様: 私は残念ながら標本は作っておりません。写真のみです。オオマエグロメバエと思しきメバエは私のブログに掲載(http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200705200000/)しておりますが、これでは駄目なのでしょうね。 ネット上では東京都内でもかなりの数の記録がありますが、文献では知られていないと言うのも一寸不思議な話です。 2008/11/17(Mon) 13:26:36 [ No.5021 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:ケンセイ 引用 アーチャン様 >ネット上では東京都内でもかなりの数の記録がありますが、文献では知られていないと言うのも一寸不思議な話です。 メバエ科の研究者がいないことと同定に必要な手引き書がないことが記録が少ない最大の理由だと思われます。私も自分のフィールドである狭山丘陵の東京都側でいくつかメバエ科は採集していますが、種を特定できる文献がほとんどないため、まだ手つかずになっています。双翅目談話会でもメバエ科については何とかしたいと考えているので、そのうち何か有用な報文が掲載されるかも知れません。確約はできませんが・・・・ ケンセイ@双翅目談話会関東事務局 2008/11/17(Mon) 14:38:16 [ No.5022 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:ケンセイ 引用 アーチャン様 ちなみにオオマエグロメバエは私も狭山丘陵で採集していたような気がします。自宅の標本を確認していないので違っていたらすみません。 ケンセイ@狭山丘陵東京都側のハチハエはまだ一部しか報告していない・・・ 2008/11/17(Mon) 16:08:14 [ No.5023 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 ケンセイ様: 私の「オオマエグロメバエ」は、詳細な文献と照らし合わせた訳ではありませんので、確証はありません。あしからず。 2008/11/18(Tue) 07:24:17 [ No.5025 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:ケンセイ 引用 アーチャン様 昨日届いた月刊むしについに東京都のメバエ科の記録が載っていました。しかもメバエ科では一番の珍品だと思われる「オオズグロメバエ」です。 これでめでたくTKMにもメバエ科が載ることになります。 ケンセイ:明日は23日の同定会の準備をしなければ 2008/11/21(Fri) 12:35:21 [ No.5029 ] ◇ Re: ツヤホソバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 ケンセイ様: 御目出度う御座います。 私などは、貢献できる機会が無く残念です。 茨城_市毛様: お陰様で、先日、このインドツヤホソバエを楽天ブログ「我が家の庭の生き物たち」に掲載することができました(http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200811190000/)。有難う御座いました。 2008/11/21(Fri) 14:10:57 [ No.5030 ]
◆ 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用
9月23日に東京都世田谷区西部にある自宅の庭で撮ったハナアブです。残念ながら直ぐに逃げられてしまい、写真はよくありません。 ハラナガハナアブの仲間だと思いますが、小楯板後縁に長毛を欠き、後肢腿節後縁に顕著な棘を持つ種類は、「ハナアブ写真集」を参照しても見当たりませんでした。 問題のあるグループだとは聞いておりますが、属まで位は何とか落ちないものでしょうか。宜しく御願い致します。 2008/10/20(Mon) 14:51:39 [ No.4917 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用 斜め前から見た図です。 2008/10/20(Mon) 14:52:59 [ No.4918 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. 東京23区内となると, Xylota amamiensisナミルリイロハラナガハナアブ ぐらいしか思い浮かびません. Xylota属の中で,Xylota amamiensisとX. coquillettiは,後脛節の内側基部に黒色の短剛毛列を装います. 両種はオスの額の白色微毛等で区別され,額全体が白色なのがXylota amamiensisで,X. coquillettiは額先端が黒色となり胸背にも比較的明瞭な縦条を備えます. 恐らく,都内には両種とも分布していると思います. ここら辺の写真は2000年頃に撮影したもので,長く更新していないので写りが悪いですね. 2008/10/20(Mon) 20:24:23 [ No.4919 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様 早速の御回答有難う御座います。 写真のハナアブは額先端が少し黒ずんでいますが、胸背の縦条は甚だ不明瞭です(ここに掲載していない他の写真を見ても同じです)。また、「ハナアブ写真集」のXylota amamiensis雄の小楯板後縁には長毛があるのに対し、この写真のハナアブでは認められません。X. coquilletti雄の小楯板には長毛があるのでしょうか。 2008/10/21(Tue) 08:28:30 [ No.4920 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. ハナアブ科では大半の種類が小楯板に長毛を装い,グループによっては周辺の毛が剛毛状に太くなる場合も有ります. Xylotaの場合は,淡色の長毛なので写真で確認出来ないだけと思われます.展翅した標本写真では,黒色の腹部背板上に淡色毛が位置した場合だけ毛が確認できます. 2008/10/21(Tue) 19:21:53 [ No.4921 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様 御回答有難う御座います。 確かに、等倍撮影では表面平滑に見えるのに、2倍で撮影すると毛が沢山生えていた、と言う経験をしたことがあります。 小楯板の毛が無関係とすると、この写真のハナアブについては種の判別が困難な様です。Xylota属の1種とすることに致します。 有難う御座いました。今後とも宜敷御願い致します。 2008/10/22(Wed) 09:37:53 [ No.4922 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:pakenya 引用 アーチャーン様、市毛様、こんばんは。横から失礼いたします。 世田谷区の岡本界隈でハナアブを見ておりますが、ハラナガハナアブの類はX. amamiensisナミルリイロのみが記録されています。関東地方の平野部では、まだ、X. coquillettiミヤマのほうは見たことがありません。 識別の参考に、ミヤマの♂の横顔を貼ります。 ミヤマの額先端は白色微粉を欠いていて黒く見えるほか、額の突出が弱く「鼻ペチャ」に見えるのも特徴です。 アーチャーンさんの写真の種は、ナミと同定して問題ないと思われます。 2008/10/23(Thu) 18:54:19 [ No.4923 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用 pakenya様: 貴重な御意見有難う御座います。 今、「東京都本土部昆虫目録」を見てみたら、やはりXylotaはナミルリイロしか載っていませんでした。 ミヤマの頭部は全体的に前後に圧縮された様な感じですね。私の写真とは随分異なります。 それでは、写真のハナアブはナミルリイロハラナガハナアブとすることに致します。 有難う御座いました。今後とも宜敷御願い致します。 2008/10/23(Thu) 20:18:24 [ No.4924 ] ◇ Re: 御教示下さい 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様、pakenya様: 本日、このナミルリイロハラナガハナアブを楽天ブログ「我が家の庭の生き物たち」に掲載致しました(http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200811210000/)。 皆様のおかげです。有難う御座いました。 2008/11/21(Fri) 14:21:15 [ No.5031 ]
◆ イネ科植物群落のハエ 投稿者:田中川 引用
チガヤなどイネ科植物が多い海岸部の空き地で出会いました。体長は数ミリかと。何ハエでしょうか。 2008.11.13 三重県津市 2008/11/21(Fri) 23:39:51 [ No.5034 ] ◇ Re: イネ科植物群落のハエ 投稿者:田中川 引用 別角度から。 産卵管が伸びているのでしょうか? 2008/11/21(Fri) 23:41:47 [ No.5035 ] ◇ Re: イネ科植物群落のハエ 投稿者:茨城_市毛 引用 田中川様. ケブカミバエの1種です. Dioxyna属, Whiteina属, Aliniana属,Campiglosa属がこのような斑紋を備えています. また,口縁が前に突き出ているので,Dioxyna属の可能性がより高いかと思います. 2008/11/22(Sat) 07:58:15 [ No.5037 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: イネ科植物群落のハエ 投稿者:田中川 引用 茨城_市毛様、いつもありがとうございます。 Dioxyna属はこちらの目録には1種のみが載っていますが、ウスモンケブカミバエの可能性が高いと言うことでしょうか? 2008/11/23(Sun) 00:40:52 [ No.5041 ]
◆ シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用
10月2日に東京都世田谷区の西部で撮影したものです。No.1855とNo.4001に載っているシワバネキノコバエと酷似していますが、それで宜しいでしょうか。 No.1855では「多分Allactoneura cincta」となっており、No.4001ではシワバネキノコバエ(Allactoneura cincta)と断定されています。研究が進んだと言うことでしょうか。 また、この種は九大やこちらの種一覧にも載っておりませんが、亜科はSciophilinaeでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/11/09(Sun) 11:26:00 [ No.4990 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 横から見た図です 2008/11/09(Sun) 11:26:52 [ No.4991 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 前から見た図です 2008/11/09(Sun) 11:29:32 [ No.4992 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 写真のキノコバエはSciophilinaeに属するAllactoneuraの1種です.本属の系統的位置は問題が多いのですが,おそらくLeiiniに含まれるものと思います.Manotaなどと同様に小腮鬚が伸長しています. 本属はマダガスカルからニューギニア,沿海州から日本にかけての三角形の地域に分布しています.記載されたタクサは, ジャワから記載されたcincta de Meijere, ジャワから記載されたnigrofemorata de Meijere, 台湾から記載されたformosana (Enderlein), 西イリアンから記載されたobscurata (Walker), セイシェルから記載されたargenteosquamosa (Enderlein), ウスリーから記載されたussuriensis Zeitzev, 東京から記載されたakasakana Sasakawaがあります. これらの内formosanaとnigrofemorataはcinctaのシノニムとされており,cincta,argenteosquamosa,obscurataは東南アジアに広く分布するようになっています.これらは外観が極めて類似しており,雄交尾器などに分化が起っています.Zeitzevと笹川先生の種は交尾器も詳細に図示されていますが,残りはタイプシリーズの調査が必要です.とくにformosanaは雌で記載され,しかも台湾には雄交尾器に分化がみられる4つのタクサが生息しています.そのために記載されたタクサのすべての模式標本を調査した上でないと,同定に困難が生じますが,それはまだ十分には行なわれていません. これらは生殖端節の先端が幅広く刺を欠くもの(ussuriensis),先端に1個の刺を生じるもの,先端に2個の刺を生じるもの(akasakana)に大別されます. 私は新訂原色昆虫大図鑑の執筆の時に不勉強で笹川先生の論文を見落としていました.また,上記のような状況があることも考慮して,日本産の本属のものを,さしあたりA. cinctaに同定しておくのが無難だと判断して,この名称のもとに記述しました.ですから,新訂原色昆虫大図鑑のA. cinctaは,雄交尾器の記述を読んでいただければお分かりと思いますが,笹川先生のA. akasakanaと同一物です. しかし,まだ完全には問題が解決していません.それはEnderleinが雌で記載した台湾のformosanaです.と言いますのは,akasakanaと同じように生殖端節の先端に2個の刺を生じるAllactoneuraは日本だけではなくて,台湾,香港,中国貴州省などにも広く分布していまして,台湾でも最も普通の種です.このような分布状況ですので,fomrmosanaとakasakanaは同一である可能性が否定できません.この問題は最終的にはformosanaの雌タイプの研究が必須ですが,まだそれは行なっていません. このような次第ですから,日本産の種が生殖端節の先端に2個の刺を生じるもの唯1種だけであるとすれば(これもまだ十分には判りませんが),これに雄交尾器が精密に図示されている笹川先生の A. akasakanaをに当てておくのが,少なくともformosanaの実態が判るまでは妥当だと思います.しかし,台湾に4つの分類群があること,私の印象では本種(または本属の種)はかなり風などに乗った長距離移動をするのではないかという懸念があること,から同定に正確を期するなら,雄交尾器の生殖端節を精査して,笹川先生の図と比較した上で同定すべきでしょう. 2008/11/10(Mon) 07:44:25 [ No.4996 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 三枝豊平様: 詳細な御回答を賜り恐縮致しております。 私はブログ用の写真を撮るだけで採集は致しませんので、残念ながら交尾器を比較することは出来ません。ブログの方にはシワバネキノコバエ(Allactoneura akasakana?)として、以下の要旨を付け加えたいと思います。これで宜しいでしょうか? 1) 今のところ日本に産する生殖端節の先端に2刺ある確実なAllactoneuraはA. akasakanaのみで、A. cinctaではない。しかし、台湾などから長距離移動して来たA. formosanaが居る可能性がある。 2) このformosanaの記載は雌のみで、今後雄を精査すれば4種に分割される可能性が高い。一方、akasakanaの記載は雄のみで、formosanaの雌との関係は不明であり、同一物の可能性もある。 3) 従って、日本産のAllactoneuraは、雄の交尾器をA. akasakanaの記載と比較して一致すればakasakanaと言えるが、それ以外の場合は何とも言い難い。 有難う御座いました。 2008/11/10(Mon) 10:58:49 [ No.4997 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 アーチャーンさん. 以下の通りに訂正した方がいいでしょう. 1) 今のところ日本産のAllactoneuraシワバネキノコバエ属は,雄の生殖端節の先端に2刺あるA. akasakanaシワバネキノコバエのみで、A. cinctaではない。しかし、本属の種は長距離移動する可能性があるので,台湾産のA. formosanaを含めて4種のいずれかが発見される可能性もある。 2) このformosanaの記載は雌に基づくもので、模式標本が十分に検討されていないので,akasakanaとの比較は十分ではない.そのためにakasakanaとformosanaとの関係は不明であり、同一物の可能性もある。 3) 従って、日本産のAllactoneuraは、雄の交尾器をA. akasakanaの記載と比較して一致すればakasakanaと言えるが、それ以外の場合は何とも言い難い。 2008/11/10(Mon) 11:56:24 [ No.4998 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 三枝豊平様: 添削までして頂き恐縮です。35年程前の修士時代を想い出しました。 今後とも宜敷御願い申し上げます。有難う御座いました。 2008/11/10(Mon) 17:26:50 [ No.4999 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 上に掲載した写真は10月2日に撮影したものですが、最近11月13日に、同じキノコバエと思って撮影した写真を調整していたところ、少し違うところがあるのに気が付きました。 10月のキノコバエの中胸背はほぼ無毛ですが、こちらのキノコバエの中胸背には短毛が密生しています。また、頬の部分にある毛の生え方や、腹部の模様も違う様に見えます。 撮影条件はほぼ同じです。単なる見え方の違いでしょうか、それとも別種と考えるべきでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/11/19(Wed) 15:07:42 [ No.5026 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 横から見た図 2008/11/19(Wed) 15:09:48 [ No.5027 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 Allactoneura属は雄交尾器を見ないと厳密には同定不能です.胸部には銀色の鱗片が密生していて,これがしばしば剥げて外観がかなり変わります.また,腹部の斑紋は撮影アングルによる相違でしょう. この写真だけでは2個体が同一か否かは私には判断できません.あしからず. 2008/11/22(Sat) 08:13:05 [ No.5038 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 三枝豊平様: 御回答有難う御座います。 双翅目では屡々毛の有無が問題となるので、かなり安定した指標かと思っておりました。鱗翅目の様に剥げてかなり外観が変わる場合も有るとは知りませんでした。勉強になりました。 今後とも宜敷御願い申し上げます。 2008/11/22(Sat) 12:23:10 [ No.5039 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. 双翅目で,しばしば毛の有無が問題になるのは,剛毛や刺毛と呼ばれる太くて硬い毛が大半です.そのほかに,微毛や微粉と呼ばれる細くて短い毛があります. 両者とも,虫体を手荒く扱うと結構簡単に脱落します.特に乾燥した標本の毛は要注意です. 剛毛が脱落している場合,socketと呼ばれる毛穴?を見て本数を数えることは可能ですが,長さや毛の向きがわからないのが困りものです. 2008/11/22(Sat) 13:06:34 [ No.5040 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様: 私が念頭に置いていたのは剛毛ではなく、ケヒラタアブその他にある複眼の毛や、マガリケムシヒキの後頭部にある様な毛です。 標本ならば簡単に脱落することは分かりますが、自然状態で生きているハエでも、三枝先生のお話の様に簡単に脱落するとは思っておりませんでした。 この文を投稿後、ツヤヒラタアブの1種と思われるアブについての問い合わせを1報投稿の予定です。このアブも毛が気になるのですが、宜敷御教示下さい。 2008/11/23(Sun) 07:43:37 [ No.5044 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 アーチャーンさんへ. 双翅目の体表の被毛(vestiture)の自然脱落について.先ず以下のことを確認しておきます. 双翅目の表皮は一層の表皮細胞層とこれが表面に分泌したクチクラで構成されています.新しい脱皮(幼虫から幼虫,幼虫から蛹,蛹から成虫)が起る前に,表皮細胞のなかでが刺毛setae (またはchaeta; 単数seta)を形成する細胞が現われます.近接する2個の細胞のうち,1個が環状になって残りの1個を取巻き,環状の細胞が分泌したものがsetaのソケット(alveolus)となり,取り囲まれた細胞が分泌したものがsetaになります.Setaはマクロトリキアmacrotrichia(単数macrotrichium)とも言われます. 刺毛とは別に,表皮細胞がクチクラを分泌する過程で,初期の分泌(これがクチクラ表面を構成します)が一様で平坦な分泌様式ではクチクラ表面は平滑になります.一様でない分泌が起ると,クチクラ表面には様々な構造が現われます.これが細い微細な毛状のものになるとミクロトリキアmicrotrichia(単数microtrichium)で,微小な突起群になると粉pollinosity, pruinosityとなり,前者は双翅目の翅のソケットを欠く微小な毛状の突起が例で,後者は双翅目の光沢を欠く体表クチクラの構造(ニクバエ類の胸背の条紋や腹部の市松模様などを表す構造)になります. Seta(刺毛)は,太くて長い刺(spine),太いが短い小刺(spinule),やや強くて長い剛毛(bristle),細くて様々な長さの毛(hair),太めで短い小刺毛(setula)等の区分をします.また,setaが扁平になった鱗片(scale)の場合もあります.もちろんこれらは一つの双翅目の体では連続的なもので,区分はあくまで便宜上のことですから主観でも異なります.また異種間で絶対的な大きさも異なりますが,どの名称をあてるかも主観の問題です.小さなキノコバエで剛毛でも,これはオオクロバエでは小刺毛にすぎないと言えます. このような2種類の表皮表面構造が,双翅目の日齢によってどのように脱落していくか,は実際のところ私は検証したことがありません.この検証には羽化後かなり自然に近い状態にしておいて,日齢ごとに標本を作成して精査するのも一つの方法かと思います. 採集した標本で,剛毛や毛が欠落している場合に,これが採集過程で人為的に起ったのか,採集前に自然状態で起ったのか,の区別は簡単ではありません.この区別は,傷みがおこらないようによほど注意深く採集して,その後も傷みが起らないように直ちに標本にして,比較する必要があると思います. このような注意をして採集した標本を持ちませんから,自然状態でsetaやミクロトリキアが脱落したか否かは簡単には言えません. しかし,鱗翅目の鱗片(扁平なseta)や毛翅目の翅の毛が手で触れば容易に脱落し,また自然状態でも明らかに脱落しているように,マクロトリキアの一部は自然状態でも脱落します. 双翅目では,例えばビロウドツリアブ等ツリアブ科の体表の軟毛などは採集に出かけた時に殺虫管のなかでも脱落します.ガガンボの仲間のあるものでも体表に柔らかな毛が生じていて,これも簡単に脱落します.キノコバエ類でも翅にミクロトリキアのほかの長めの毛マクロトリキアを生じていて,これが標本では簡単に取れてしまっているのがあります. このように,人為か自然状態によるものであるかは,即座に判断できませんが,setaでも取れやすいものと,取れにくいものがある,ということです. さて,問題のAllactoneuraのsetaです.この属は私のところにあるどの種(?)でも,胸背や腹部にsetulaeのほかに鱗片(scale)が密生しています.部分によっては鱗毛(hair-like scale)も生じています.標本を見る限り,個体によって,これらのsetulaeやscaleの脱落状態は様々です.この脱落のなかに自然のものがあるかどうかはわかりません.しかし,強いスイーピングを繰り返す採集者の標本もありますので,この標本の場合には,明らかに人為と思われます. Allactoneuraの胸背の小刺毛はかなり伏せた状態(decumbent)で,状態のよい標本では,小刺毛がほとんど目立たず,一見あたかもこれらを欠くように見えるものもあります.このことと,鱗片の存在を考慮されて,あなたが言われている点について,2頭のAllactoneuraの胸背の状態をお考え下さい.これらはおそらくかなり精度のよい写真でなければ,状態の確認が困難であろうかと思います. 採集をなさらない,とのことですが,かなり決定的な判断を下すにはやはり標本が必要です. 2008/11/23(Sun) 10:05:32 [ No.5048 ] ◇ Re: シワバネキノコバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 三枝豊平様: 刺毛に関する長文且つ詳細な御解説を賜り恐縮致しております。 自然状態に於ける微細な毛の脱落に付いては、実験的には検証されていないが、かなり簡単に脱落し得ることを常に念頭に置くべきであることが分かりました。 この写真を撮影したカメラのCCD幅は23.6mm、3,872ピクセルですので、等倍撮影の場合、1ピクセルは約6μに相当します。ピクセル間の信号の分離精度についてはよく分かりませんが、コントラストが充分あれば、恐らく太さ3μ程度の毛は識別できるのではないかと思います。 しかし、これはレンズの解像度が十二分に高い場合です。ここに載せた写真は、最初の4枚がF25(このカメラ・レンズの場合、記録される絞り値は実効絞り値なので、昔のカメラであればF12.5に相当します)、最後の1枚(横から撮った毛の沢山見える写真)はF22(同F11)です。F22とF25では、数値の上からは大差ない様に感じられますが、解像力には結構差が出ます(解像力が最も高いのはF11辺りです。しかし、焦点深度が浅過ぎて、実際上は殆ど使えません)。小刺毛の沢山見える写真(最後の写真)の方が高解像力で撮影している訳ですが、背面からの写真は何方もF25ですので、両者の間で小刺毛の生え方に差があるのは確かです。もし、F11辺りで撮ってあれば、その差がどの程度のものであるかをもう少し詳しく見ることが出来たと思います。しかし、F22〜F25では一寸解像力不足と言えます。 先生のお話を伺いますと、どうもこの程度の差は自然脱落により生じたのではないか、と言う気がして来ました。其処で、「別種の可能性も否定はできないが、そうであればどちらかが未記載種と言うことになる。恐らく、同一種であろう」とすることに致します。写真しか撮らない者の限界です。 有難う御座いました。 追記: 昨日(2008/11/25)、この虫に関する記事を「シワバネキノコバエ(Allactoneura akasakana)?」と題して、私のもう一つのweblogに掲載致しました(http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/allactoneura-ak.html)。御笑覧いただければ幸いです。 2008/11/24(Mon) 12:35:04 [ No.5050 ]
◆ 自宅のハエ 投稿者:田中川 引用
庭に置いておいた水槽の縁に体長数ミリの黒っぽいハエがいました。何ハエでしょうか。 2008.11.21 三重県津市 2008/11/21(Fri) 23:25:35 [ No.5032 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 引用 別角度からのものです。 よろしくお願いします。 2008/11/21(Fri) 23:27:54 [ No.5033 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:茨城_市毛 引用 田中川様. ミギワバエ科の1種です. もう少し顔が見える写真はありませんか? 複眼と頬の比率や顔の剛毛の具合が見えると種類が絞れると思います. 2008/11/22(Sat) 07:42:44 [ No.5036 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 引用 茨城_市毛様、ありがとうございます。 写真はたくさん撮りましたが、顔は写りが悪いものばかりです。その中から画像を追加します。 2008/11/23(Sun) 00:49:09 [ No.5042 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 引用 もう1枚 2008/11/23(Sun) 00:50:42 [ No.5043 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:バグリッチ 引用 田中川様 画像を拝見しました。 一目で種名を特定するような顕著な特徴を持っていない種なので、確実性は高くありませんが、Satacera breviventris(fauna japonicaのS.fluxaにあたる種)に似ています。 写真ではわかりませんが、暗緑色の金属光沢がありませんでしたでしょうか? 上記の種であれば、私の住む関東では普通種ですが、ミギワバエ科には地味な色彩の近似種が多いので、参考程度に考えてください。 2008/11/24(Mon) 09:14:04 [ No.5049 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 引用 バグリッチさん、調べていただいてありがとうございます。 Setacera breviventrisに似ているミギワバエ科のハエと覚えておきます。今度見つけたら捕まえてみようと思います。 2008/11/24(Mon) 21:27:17 [ No.5052 ] ◇ Re: 自宅のハエ 投稿者:茨城_市毛 引用 バグリッチ様,フォローありがとうございます. 私も同意見です. 談話会の関東同定会は,例年通り北海道〜四国・九州から30名以上の参加が有り,大盛況で終わることが出来ました. 勉強会で使用したミギワバエ科の画像は,掲示板の一括閲覧ページに掲示します. 2008/11/25(Tue) 06:37:25 [ No.5053 ]
◆ 関東同定会お疲れ様でした 投稿者:ケンセイ 引用
ケンセイです。 おかげさまで第12回双翅目談話会関東同定会も盛況のうちに無事終了することができました。 参加していただいた皆様、どうもありがとうございました。予想以上の参加者の多さに事務局一同驚いていると同時にこれからもがんがんハエに取り組む必要があると思っております。 ということで、これからもよろしくお願いします。 ケンセイ:生息地@小平市 2008/11/25(Tue) 13:27:36 [ No.5056 ]
◆ ツヤヒラタアブ? 投稿者:アーチャーン 引用
今年の9月8日に東京都世田谷区西部の区が管理する家庭菜園で撮ったヒラタアブです。体長は、約6.5mm、ツヤヒラタアブ(Melanostoma orientale)でしょうか。 ツヤヒラタアブの仲間は他にも見ていますが(http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200808030000/)、そのブログに掲載済みのヒラタアブは、中胸背その他が油を塗った様にツヤツヤしていたのに対し、このヒラタアブにはかなり細かい短毛が生えており、余り光沢がありません。また、前胸弁の様な構造が目立ちます。 行動も普通のヒラタアブ類とは異なり、葉にとまると直ぐに葉裏に身を隠します。イネ科の茎などにとまった時も、ヨコバイの様に常にこちらの反対側に居るよう、クルクル横に廻ります(写真を撮るのに苦労しました)。 この仲間に関しては、ネット上の情報は信用出来ないものが殆どの様に思われます。写真からの判断が困難であることは重々承知しておりますが、宜しく御教示下さい。 2008/11/23(Sun) 09:37:35 [ No.5045 ] ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:アーチャーン 引用 横から見た図です。 2008/11/23(Sun) 09:38:27 [ No.5046 ] ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:アーチャーン 引用 正面から撮った写真はストロボの反射で額が見難いので、斜め前からのを載せます。 2008/11/23(Sun) 09:40:22 [ No.5047 ] ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:pakenya 引用 アーチャーン様 ブログのほうも見させていただきました。 画像のヒラタアブは、Melanostomatiniツヤヒラタアブ族に所属するMelanostoma属の種です。ご指摘のようにこの属の種は分類が確定しておらず、正確な同定が難しいです。 関東地方の平野部には4種が普通に見られ、全種顔面は黒く、似通った黒地に黄色の斑紋を持ちますが、斑紋の形や大きさは相当な変異の幅があるようで、斑紋で区別することは危険なようです。 確実には、腹部の腹板の形状を見る必要がありますが、全ての脚が暗色部を持っていないので、ご推察のM. orientaleツヤヒラタアブの♀と思われます。 ブログに掲載されているものも多分同じ種です。 なお、この属の種は、いずれも強い光沢のある胸背に白っぽい毛を密生させています。ブログの写真では、白い背景で毛がうまく写っていないだけです。もちろん、三枝先生が説明されたように毛が脱落傾向であることもあると思いますが・・・ 生態写真では、光線具合などで毛の状況が解りにくいと思います(標本写真でも白背景では白い毛は認識しづらいです)。 2008/11/25(Tue) 12:10:06 [ No.5054 ] ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:アーチャーン 引用 pakenya様: 御回答有難う御座います。 ブログに掲載したものと同種とは些か信じ難いのですが、一介の素人としては御意見に従います。 しかし、行動が葉裏に逃げ込むなど、ヨコバイの様であった点については如何お考えでしょうか。ヒラタアブ類は、状況?によってはヨコバイ的な行動をとることが一般的にあるのでしょうか。 関東平野部にはMelanostoma4種が普通に見られるとのお話ですが、TKMにはホシツヤヒラタアブ1種しか載っておりません。また、昨日は、こちらに掲載されているシマバエ科の未記載種Steganopsis sp1とsp2をほぼ同時に撮影しました。SteganopsisはTKMには1種も載っていません。調査が進めば、東京都本土部の双翅目は3,000種以上居そうな気がして来ました。 2008/11/26(Wed) 07:31:37 [ No.5057 ] ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:茨城_市毛 引用 pakenya様,フォローありがとうございます. アーチャーン様. Melanostomaは,ヒラタアブ亜科の一群であるツヤヒラタアブ族に属しており,大半のヒラタアブが所属するヒラタアブ族とは,色々と変わったところがあるのかもしれません. ツヤヒラタアブ族には,PlatycheilusやMelanostomaが含まれますが,両属ともイネ科の花穂の花粉を好むようです.他のヒラタアブ類でイネ科の花穂に来るのは,クロヒラタアブ類など数種しかいないようですので,ここら辺も一風変わったグループなのかも知れません. いずれにしても,分類というのは人間が勝手な尺度で決めた身勝手なものであり,分類学者という偉い人たちが,成虫や幼虫の外部形態やら食性などをもとに仲間といっているだけであります. 本来であれば,全ての幼虫を調べていればかなり高次分類の精度が上がりそうなものですが,幼虫の食性や生態が不明な種類が結構います. したがって,科や亜科・属という定義は不変ではなく,研究の進展により変化する流動的なものです. 例えば,従来ヒラタアブ亜科は幼虫が肉食のものあるとされていましたが,数年前に中南米で幼虫が植物食の種類が発見されています. 私のほうは,分類と普及活動で手一杯ですので,色々と観察して気になったことなどを掲示板に書き込んで頂ければ,こちらとしても大変勉強になります. 2008/11/26(Wed) 09:03:36 [ No.5058 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ツヤヒラタアブ? 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様: コメント有難う御座います。 私の様な写真しか撮らないものが分類学に貢献する機会は殆ど無いと思いますが、研究者は観察する前に採集してしまうことが多いと思いますので、観察する機会はかえって我々の方が多いかも知れません。もし、貢献できる様な機会があれば幸いです。 また、昨日シマバエ科のSteganopsis sp.2を撮影したときに思ったのですが、この様な未記載種の場合、採集しておけば何かお役に立つことがあるでしょうか? 2008/11/26(Wed) 13:01:19 [ No.5059 ]
◆ ブランコではない 投稿者:新屋 引用
このヤドリバエ、ブランコヤドリバエとしてきましたが最近やっと違うことに気づき、かつネットで 見覚えがあるのですが名前を忘れました。名前は何でしょうか。 2008/11/03(Mon) 09:14:53 [ No.4960 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:新屋 引用 こちらは羽が茶色ではなく透明です。別種でしょうか?前の写真は7月12日、こちらは8月9日です。 私は北海道に住んでいます。 2008/11/03(Mon) 09:16:34 [ No.4961 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:アノニモミイア 引用 新屋さま. 写真のハエはブランコヤドリバエでないことは確実です. しかし,ヤドリバエ科は顕著な特徴(翅の模様,体形,腹部の模様など)があり,しかも近似種がいない場合の20種ほどを除くと,種はおろか属の同定も私には全くお手上げです.これが判る研究者は日本に二人しかいませんし,彼らはこの掲示板には直接的には関与していません.それ以外の素人には,セスジハリバエ,マルボシヒラタヤドリバエ,シナヒラタヤドリバエ,ダイミョウヒラタヤドリバエ,コガネオオハリバエ,クチナガルリはリバエ,ブランコヤドリバエ,カイコノウジバエ,シロオビハリバエ,クチナガハリバエくらいがなんとか「でしょう」くらいで見当が付けられるというところです.これ以外にこの掲示板に質問があって,専門家にお尋ねして名称がわかった種がごく少数ありますので,それらが検索で参照可能でしょう. さらに,ヤドリバエ科の分類学者二人にとりましても,よほどポピュラーな種でなければ,背面の写真だけでは種に限らずしばしば属の同定も困難でしょう.ヤドリバエ科の同定には,頭部側面や触角の形,体の剛毛の分布などを顕微鏡で細かく検鏡して調べることが必須でして,これらの形質は生態写真では普通は詳細に撮影するのが困難です. このように言ってしまえば,打つ手がなくて,ヤドリバエ科の同定に関する質問をすることが無駄のように思えるかもしれませんが,たとえ名称がわからなくても,時には生態的に貴重なデータになることもありますので,あきらめずに投稿されたら,と思います. 2008/11/03(Mon) 10:05:42 [ No.4962 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:新屋 引用 うーん、どこかで見たのは気のせいでしょうか。ハエ情報が少ないのはここまで難しいからでしょうか。ありがとうございました。 2008/11/03(Mon) 12:12:15 [ No.4963 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様 「ネットで見覚えがある」とのことですが、ヤドリバエ科では胸部楯板に4本の縦縞があり針状の剛毛が発達しているものが非常にたくさんいるんですよ。ですから、ヤドリバエ科のさまざまな属に他人の空似でこういうハエがたくさん出てきてしまいます。また、ヤドリバエ科はイエバエ科、ニクバエ科、クロバエ科といった有弁翅ハエ類の中でも抜群の多様性をもっています。端的に言うと、科の中の種数が半端ではないほど多い。その分だけ、他人の空似も多いですし、近縁だから似ているものも多い。私の北海道での経験ですが、1年を通して林の中のコースを毎週欠かさず通ってハエを調べると、毎週違う種類のヤドリバエが出現します。 こういう状況がある上にアノニモミイアさんがおっしゃるように、専門家が2人だけという現状ですから、今の日本のネット上で和名がついているヤドリバエ科(どころか多くのハエでもそれが実状ですが・・・)の情報には信用が置けるものはほとんどないと思ってください。ヤドリバエ科と同定してあるだけでもまだましな状況で、ニクバエ科のセンチニクバエと同定してあるものすら普通に転がっています(ニクバエ科も生殖器を顕微鏡で調べないと同定はまず不可能ですし、センチニクバエももはや最普通種とは言えません)。 ちなみにこの「胸部楯板に偶数本の縦縞」という形質はヤドリバエ科だけではなくイエバエ科にもよく出現します。有弁翅ハエ類で出現しやすい形質なんでしょう。ニクバエ科の場合、多くは3本の縦縞ですが。 2008/11/05(Wed) 08:28:23 [ No.4978 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:茨城_市毛 引用 とりあえず,旧北区の検索で属を落とし,中国蝿類の交尾器の図に合致するExorista japonicaです. ブランコヤドリバエで検索をかけてみましたが,Compsilura属と思しき画像だったり,Parasetigena属と思しき画像だったり,と色々ですね.ニクバエと思しき画像をブランコヤドリバエとしている頁もありました. 2008/11/07(Fri) 23:00:05 [ No.4984 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ブランコではない 投稿者:茨城_市毛 引用 次に,同日同所で採集したExorista属の一種です. 体長もほぼ同じだったので,交尾器を見るまでこれもブランコだと思っていました. 6頭中1頭だけがブランコヤドリバエで,他は種名が確定出来ない同一種でした. 外形的には顕微鏡で見ても殆ど変わりなく,交尾器が著しく異なります.腹部の斑紋状の場所は明暗の個体変異があります. このように,種類が多いハエの場合,そっくりさんが同所的に分布していることもよくあり,交尾器で答え合わせをしないと,アマチュアでは自信を持った同定は出来ません. 2008/11/07(Fri) 23:04:59 [ No.4985 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ブランコではない 投稿者:新屋 引用 それは恐ろしいですね…私は、〜ドロバチと書いてるけど写真がスカシバガ、というのを見たことがあります。 なんでハエばかり交尾器でないとわからないんでしょうね、好かれたくないかのようです。 追記 ネットで同じ名前(センチニクバエとかイエバエなど)しか見ないのは絵合わせ誤同定(過去ログで見ました)の 連鎖のせいなんですね。私はまだ学生なもので採集する勇気がない上(親に何言われるやら…) 採集はやればできるとして 標本の交尾器を引っ張り出す(引っ張り出さなくても見えるやつはあるようですが)とか解剖とかをする勇気とか気力といったものがありません。 「北隆館の図鑑」というのは原色日本昆虫大図鑑のことでしょうか、あれは劣化した標本ばかりで見る気がしませんがこの掲示板を見て かなり役に立つと知りました。 それと「こんな近くにこんな聞いたことない名前の種類がいるはずない」というのも甘いのでしょう。 2008/11/08(Sat) 11:05:36 [ No.4986 ] ◇ Re: ブランコではない 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様 >> なんでハエばかり交尾器でないとわからないんでしょうね、好かれたくないかのようです。 いや、図鑑でよく図示されているような背面からの全体図だけで同定できる昆虫というのが実はかなり少数派なんです。蝶にアマチュアの研究家が古来多いというのも、ある程度大きくて見栄えがし、かつ美麗であるというのもあるんですが、加えて重要なのが展翅して背面像を図示すればたいてい種や亜種まで同定できてしまうという実に図鑑向きの昆虫だからなんです。 甲虫も交尾器を見ないと同定できない種類が非常に多いですし、オサムシなんかは雄の交尾器のさらに内部に畳み込まれている内袋(ないたい)という器官を調べないとどうしようもない状況になってきています。 交尾器は同定に使わなくてもよい種類が多いですが、蜂の仲間も背面だけではなく腹面やら側面やら顔面やらを詳細に調べないと同定できないので、これまた図鑑向きの昆虫ではありません。側面から観察しないといけない形質が多いので、これもまたハエと同じように横から観察しやすいように標本を作ります。博物館でよく見かけるきちんと展翅した蜂の標本は、実は同定作業が難しい研究不適の標本です。 実のところ、交尾器さえ見れば何とか同定できるというグループは、ある意味同定しやすいともいえるんですね。交尾器に大きな差が出ずに、全身の微細な差異を細かくチェックしていかないと同定できないグループの昆虫は、実に同定者泣かせです。 >> 私はまだ学生なもので採集する勇気がない上(親に何言われるやら…) 採集はやればできるとして 失礼を承知でお聞きしますけど、大体おいくつぐらいでしょうか?中学〜高校ぐらいですとうまくすれば学校の理科の先生に協力してもらって、理科室に標本を置かせてもらい、双眼実体顕微鏡も備品を使わせてもらうという手がとれる可能性があります。大学生だとどういう学部、学科に所属しているかでとれる手段が変わってきますので、簡単にはいきませんが。また、近くに昆虫を扱っている学芸員を擁する博物館があれば、出入りしながら研究させてもらえる可能性もあります。 >> 「北隆館の図鑑」というのは原色日本昆虫大図鑑のことでしょうか そうです。絵合わせですと非常に心もとないですが記載文や解説文はかなり勉強に使えます。また、つい最近の改定で解説部分の文章がかなり更新されましたので、特に双翅目に関しては非常に役に立つものになってきています。 >> それと「こんな近くにこんな聞いたことない名前の種類がいるはずない」というのも甘いのでしょう。 はい、率直に言わせていただきますと甘いです。蝶以外では「聞いたこともない名前の種類」がそこら辺の住宅地の庭や公園にも普通にうじゃうじゃいます。 2008/11/09(Sun) 02:17:57 [ No.4987 ] ◇ 質問 投稿者:新屋 引用 高校です。先生に協力してもらう手は考えていました。交尾器に大差がない仲間はあるのですか… 質問タイムにして失礼ですが標本に関して思ったことがあります。 ・交尾器を引っ張り出す作業や解剖は手作業なのでしょうか?ピンセットなどでやるのでしょうか? ・虫を毒瓶で死なせた後は洗ったりするのでしょうか?乾燥のみなのでしょうか? ・小さい虫は吸虫管で吸って捕まえるそうですが、1cmくらいの虫はどう捕まえるのでしょうか(キンバエ系とか小型のガガンボなど)。 2cm以上あるような大型の種は網を使うのでしょうが… >>そこら辺の住宅地の庭や公園にも〜 私が撮影をしているところでギンボシアカガネキバガとかヒゲナガクロバカスミカメとか キナリコカゲロウとか見ているのでこれはピンときます。 最近気づきましたが一寸のハエってすごい大きいですよね、とりあえず日本からは聞いたことがありません。 アブ科やムシヒキアブ科、ミズアブ科なんかでやっと一寸というところでしょうか。 2008/11/09(Sun) 11:25:06 [ No.4989 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様 >> 質問タイムにして失礼ですが標本に関して思ったことがあります。 これから育つ新人のサポートは先行世代の重要な責務ですので、ここの掲示板の管理人のハエ男さんも大歓迎だと思いますよ。 >> 高校です。 すばらしい! 養老猛さんとか日高敏隆さんあたりの世代だと昆虫が好きな青少年は非常に多かったですし、今みたいにインターネットとかちょっと前のパソコン通信みたいな環境がない時代でしたが、全国の同好の青少年が手紙で文通しながら同人誌的な連絡誌を作ったり、プロの研究者とも手紙をやり取りしながらすごい人脈ネットワークを作っていたんですよ。そういう環境の中から大学の昆虫学研究室に進学してプロの研究者になる人や、プロにならなくても人脈ネットワークを維持しながらセミプロ級の研究家になる人が輩出したんですよね。そういう構図も次第に衰退して、1970年代いっぱいでほぼ消失してしまったようです。だから、今の40代前半から30代あたりから昆虫を調べている人口が激減しているんですよね。ですから新屋さんの世代でハエの様なマイナーな昆虫に興味を持ってくださる方は大変貴重な人材ですよ。 >> ・交尾器を引っ張り出す作業や解剖は手作業なのでしょうか?ピンセットなどでやるのでしょうか? >> ・虫を毒瓶で死なせた後は洗ったりするのでしょうか?乾燥のみなのでしょうか? >> ・小さい虫は吸虫管で吸って捕まえるそうですが、1cmくらいの虫はどう捕まえるのでしょうか(キンバエ系とか小型のガガンボなど)。 2cm以上あるような大型の種は網を使うのでしょうが… このあたり、私が双翅目談話会の会誌『はなあぶ』にハエの採集法、標本製作法のマニュアルを連載中です。北海道在住とのことですが、私は北大の低温研で研究しておりますので、札幌近郊でしたら別刷りを直接手渡しできるかと存じます。ハエの調査方法も直接ご指導してもいいですよ。札幌から遠いなら、別途郵送のために連絡先をやり取りする方法を相談しましょう。 >> 最近気づきましたが一寸のハエってすごい大きいですよね、とりあえず日本からは聞いたことがありません。 アブ科やムシヒキアブ科、ミズアブ科なんかでやっと一寸というところでしょうか。 まぁ、もとネタの故事成語の『一寸の蟲にも五分の魂』の『蟲』は昆虫だけではなくてカエルもヘビも小鳥も含まれてしまう概念でしたからね。 2008/11/09(Sun) 14:36:14 [ No.4993 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 やはり、この世代で昆虫を私ほど好きな人は少ないものなのですか、数少ない人材なのですね。今はゲームやインターネットが普及しているから 外に出かける子が少ないんでしょう、私もそのゲームやインターネットをしていますが。 ちなみに私特撮が好きでアニメが嫌いです、オッサンっぽいようです。ついでに子供嫌いです。 ガは難しいようだ、カメムシが適度におもしろいからここに進もうかなーと思っていましたが当掲示板を拝見しているうちに双翅類もどうなのかと思ってきたところです。 「はなあぶ」は聞いたことがありますがハナアブだけでなく双翅類の本だったのですか。学校で「やどりが」(ガの本です)を見たことがありますが私は食いつきました。 ハエの採集法、標本製作法、知っておきたいです。吸虫管は調べてみて、製作に目の細かい布あたりしか特別なものは使わないことを知りました。 標本製作は、マルハナバチの姿勢を整える作業をやった経験があるのみです。慣れればさわれるようになれると思います。 私は札幌に住んでおり北海道大学に行ったこともあります。近い方ですね… 昔は虫→動物で 少し現在に近づくと虫→現在の「虫」+両生類、爬虫類だった気がします。違うかもしれません。 2008/11/09(Sun) 21:54:38 [ No.4994 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 10日(月曜日)、大図鑑にある各部名称を見ましたが、難しいです。漢字ばかりです。まあ他の昆虫も体のあらゆる箇所に名称がついているのでしょうが… 過去ログでわかりましたがオドリバエは小さい種類が多いんですね。1cm近くってイメージがありましたが。 2008/11/11(Tue) 19:23:36 [ No.5000 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 今週末は私用ではずせませんし、来週末は双翅目談話会で千葉に帰省しますので、月末の土日のどちらかにお会いしましょうか? 2008/11/12(Wed) 23:17:24 [ No.5005 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 親の許可が下りれば…ぜひともお会いしたいです!…すみません嬉しいはずなのに言葉が素直に出てきません。まだこちらの予定がつかめていないので 日時は決められません。他に今月末はテストのような…いえたぶん終わっています。 2008/11/13(Thu) 21:59:38 [ No.5009 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 ご両親にお話しするのに、ちょっと私のプロフィールも必要でしょうから申し上げておきます。 もともと九大の大学院修士課程を終えてから福岡県で公立高校の理科教諭を勤め、その後長崎県のある町の町立の郷土資料館と図書館の立ち上げにかかわって、そのまま郷土資料館で学芸員として勤務したり役場の企画課の立ち上げに携わったりしていたのですが、退職して現在北大の大学院博士課程に在籍しております、41歳の中年大学院生です。 血清反応陰性脊椎関節炎とその合併症の線維筋痛症という二つの難病を患っておりまして(そのせいで末期癌の患者に匹敵する激痛と日夜戦っています)、闘病しながら研究を続けております。 2008/11/14(Fri) 10:19:03 [ No.5010 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 なるほど… しかし闘病中とは…初めて知りました。見るからに恐ろしそうな病名が並んでいます。 私は今年2月にデジカメが手に入り(それまでは見るだけの上積極性があまりありませんでした)撮影を始めました。 虫を見つけるのがうまくなってきたのは4月からです。北方・冬が嫌いなので北海道を出て南の方へ住みたいと思っています。 北海道やだやだやだやだ(モグラとかカブトムシとか多くのカエル、ヤモリなどがいないので)と思っていますが 何かの拍子で違うところに引っ越していたら危ないところだったようです。 今月の29日、30日はちょうどテスト後の土日でした、今のところ大丈夫です。 26日追記 返事がない、何かあったのでしょうか… 2008/11/14(Fri) 20:50:01 [ No.5013 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 あ、新屋さんごめんなさい。 双翅目談話会の集まりに出席した後、疲労で病状が悪化してダウンしておりました。 明日か明後日、ご都合のつく時間に大学近くの喫茶店かどこかでお会いしましょうか。どこかすぐわかる場所はありますか? 2008/11/28(Fri) 16:54:01 [ No.5063 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 トラブルでしたか… 金曜日の夜に私が掲示板のチェックを怠って遅れをとってしまいました。 日曜日の午後3:00、北大の正門を希望します。北大に行くときは車に乗せてもらうのもあり、近くの様子は札幌駅くらいしか知らないのです。 3:00で遅ければ2:00も候補にします。 2008/11/29(Sat) 11:53:38 [ No.5064 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 了解しました。 正門前3時ですね。 2008/11/29(Sat) 15:40:10 [ No.5065 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 はい。では何も起こらなければ行ってきます。 2008/11/30(Sun) 08:50:46 [ No.5066 ] ◇ Re: 質問 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様、昨日はお疲れ様でした。 お渡しした別刷りを読んで、学校の部活動の顧問の先生とも相談して、ハエの採集と調査にチャレンジしてみてください。 2008/12/01(Mon) 10:25:19 [ No.5067 ] ◇ Re: 質問 投稿者:新屋 引用 お疲れ様です。カメラをいじったのはサインのつもりでした。 「アースジェットのような殺虫剤で殺すのはどうか」と後で思って、先生に尋ねましたが死ぬのに時間がかかるのですね。 今日、カメラが新しくなりました。当分撮るものがないのが残念です。 2008/12/01(Mon) 21:19:18 [ No.5068 ]
◆ 今日のかっこいいノミバエ 投稿者:バグリッチ 引用
こんちは。 今日、たくさんのキノコバエに混じって、特徴的なノミバエが1頭 採れました。 一瞬クロコバエを思わす程 長大なpalpsがとてもすごいです。 できるかどうかわかりませんが、今度、属まで検索して見ようかと思っています。 ではまた。 2008/12/06(Sat) 23:18:59 [ No.5076 ]
◆ シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アーチャーン 引用
どうも最近は私ばかりが投稿している様で些か気になりますが、11月に入ってから沢山のハエを撮ったので、今後暫く御助力を御願いすることになるかも知れません。 11月15〜16日に東京都世田谷区西部にある自宅の庭で撮ったハエです。No.3952のシマバエ科のハエに酷似しています。<br> 鬚剛毛を欠き、触角第2節背面に1本の剛毛があり、1対の後頭頂剛毛が交差し、2対の強い額眼縁剛毛を持ち、また、1本の中胸側剛毛、2本の腹胸側剛毛を有し、前腿節下面に数本の剛毛が並ぶのでシマバエ科と思われます。 (株)エコリスの「日本のシマバエ科 属への検索試案」に拠ると、「C脈はR4+5脈の合流部まで黒色の小剛毛列を具え、中脛節の底部先端には2本の剛毛を具える」のはHomoneurinaeとあります。3番目の写真は酷く荒れていますが、C脈には細かい毛が生えている様に見えます。これは2番目の写真で見るとR4+5との合流点まで続いているものと思われます。中脛節末端には2本の剛毛が見えますので、このハエはHomoneurinaeに属すと思われます。 更に検索表を辿ると、上前腹板(anepisternum)に過剰剛毛を持たないのはHomoneuraと書かれています。前上腹板とは何か分からないので、anepisternumで調べると、どうも中胸側板のことの様です。過剰剛毛の意味も良く分かりませんが、中胸側板には1本の剛毛の他に剛毛と言う程太い毛はないので、Homoneuraであると考えられます。 これで正しいでしょうか。宜しく御指導下さい。 2008/11/28(Fri) 13:21:11 [ No.5060 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アーチャーン 引用 背面です。露出不足を補ったのでかなり荒れています。 2008/11/28(Fri) 13:22:43 [ No.5061 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アーチャーン 引用 頭部胸部の背面を拡大しました。これも露出不足を補ったので酷く荒れています。 2008/11/28(Fri) 13:24:20 [ No.5062 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:茨城_市毛 引用 アーチャーン様. Sc脈やsc切れ目がわからないので難しいのですが,確かにシマバエでもこのような感じの種類がいます. 日本産Homoneuraについては,「日本のシマバエ科 属への検索試案」では33 種とされていますが,手元のリストでは40種を越えてます.Sasakawa et Ikeuchi(1985)以降の種類についての検索表が発表されておらず,同定はかなり困難です. 写真の種類がシマバエ科のHomoneura属であると仮定した場合,Homoneura unguiculataかその後に記録された近似種と思われます. なお,「皇居,赤坂御用地と常盤松御用邸のキノコバエ,シマバエ及びハモグリバエ」をみると,H. unguiculataは本州や沖縄で非常に一般的な種類であると記されていますので,可能性はかなり高いと思います. 私の場合,未だ検索表の形質が全て見えないと科の判定が不安です. Sc脈の状態やsc切目の有無などは,顕微鏡で見ても悩むような種類が時々ありま,いつも使っている検索資料には「切れて無くても折れ目がある場合はこちら」とか「C脈の剛毛の並びが乱れている場合は・・・」とか色々書き込んであります(^_^;) 2008/12/06(Sat) 16:08:27 [ No.5072 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:バグリッチ 引用 アーチャーン様、市毛様、こんちは。 市毛さんが書かれた様に、日本産Homoneuraの同定はかなり困難なようです。 ちなみに、Sasakawa et Ikeuchi(1985)に検索でHomoneura unguiculataに落ちるサンプルとして、画像の種が得られています。この種も普通種ですが、H.unguiculataかどうか確認できていません。 成虫越冬のようで、冬でも採れます。 アーチャーンさんの画像の種とこのサンプルの種はよく似てますが、同一種かどうかははっきり言えません。 中途半端なコメントですが、ご参考まで。 2008/12/06(Sat) 23:04:49 [ No.5074 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様、バグリッチ様: 御回答有難う御座います。 写真しか撮らない者としては、ゲニタリアを調べることも出来ませんし、種まで落とそう等という大それたことは考えておりません。シマバエ科のハエで、Homoneuraに属すと言うことが分かればそれで十二分なのですが・・・。 しかし、市毛氏の言われるようにC脈の切れ目の有無が問題になるとすると、C脈には切れ目無しと判断していた一介の素人としては、どう考えればよいのか判断に苦しみます。一般に、存在することを証明するのは簡単でも、存在しないことを証明するのは困難だからです。 剛毛の分布だけからシマバエ科と判断するのは無理なのでしょうか。 2008/12/07(Sun) 08:26:18 [ No.5078 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アノニモミイア 引用 アーチャーンさんへの回答ではありませんが,前縁脈の切目を巡る話が出ていますので,一言. ある外国の博物館で,限りなく多数の所蔵,集積されてくる南太平洋地域の双翅目の標本を科に分別しなければならない仕事を1年間ほどやった経験から,少々の誤同定があっても肉眼あるいは顕微鏡で,一瞬の内に科を決めていく必要がありました.そのためにはそれぞれの科について,識別即断形質とも言うべき特徴を自分の基準として作っておきました. その経験に基づいて,シマバエ科Lauxaniidaeの私なりの識別即断形質を判断順にあげますと, 先ず頭部を見て, 1.鬚刺毛を欠く. 2.触角刺毛に短い軟毛が背腹両面に多数生じている. 3.2対の後ろ向きの強い額眼縁刺毛がある. でほぼ確定して, それでも不安の場合に, 4.脛節背面に1本の亜(末)端剛毛を具える. 5.翅の前縁脈に切目や抉れを欠く. さらに, 6.Cu融合脈が翅縁に達しない. 7.後単眼刺毛が収斂する. と言う手順でした. 触角刺毛の軟毛は大変短い場合があること,額眼縁刺毛の前方の1対がやや前向きの場合も稀にはあります.前縁脈の状態はかなり判断基準としての順序が後になっています.また,本科ではこの脈は基部から先端まで一様な状態を保っています.この順序で判別すると,精度のいい写真では科が判定できます.ご参考までに. 2008/12/08(Mon) 09:08:59 [ No.5079 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アーチャーン 引用 アノニモミイア様: 写真のみから科の検索を行う場合、このハエの様に翅を畳んでしまう種類では、翅脈が不明瞭なので(特にSc脈、内側のA、Cu脈)、普通の検索表では直ぐに行き詰まってしまいます。畢竟、こちらのサイトの写真などから大凡の見当を付け、刺毛の生え方を中心に、検索表を逆に辿ることになります。お話にある様な「識別即断形質とも言うべき特徴」は、私にとっては非常に力強い味方となります。 この基準で判断致しますと、6のCu融合脈は見えませんが、それ以外では合っていると思います(4の「脛節背面に亜(末)端剛毛を欠く」は筆が滑ったものと解釈します)。 私の場合、ブログに載せるのが目的であり、学術論文を書くのではありませんので、「シマバエ科のHomoneura sp.?」とし、市毛氏より御指摘のあったシマバエ科検索の問題点を附記しておくことに致します。 貴重な御意見、有難う御座いました。 2008/12/09(Tue) 11:06:09 [ No.5081 ] ◇ Re: シマバエ科 Homoneura sp.? 投稿者:アノニモミイア 引用 アーチャーンさん. (4の「脛節背面に亜(末)端剛毛を欠く」は筆が滑ったものと解釈します)。 ご指摘ありがとうございました.早速訂正しておきます. 2008/12/09(Tue) 11:20:28 [ No.5082 ]
◆ キノコバエでしょうか 投稿者:田中H 引用
始めまして。 このハエが何科に属するかだけでも知りたく、投稿しました。 皆さんのように綺麗な写真でなく申し分けないのですが、よろしくお願いいたします。 撮影は 東京都新宿区 で 11月30日です。 2008/12/05(Fri) 14:14:13 [ No.5070 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:茨城_市毛 引用 田中H様. 必要な情報が殆ど写っていない写真なのでかなり苦しいですが,かろうじて見える翅脈からは,クロバネキノコバエ科もしくはタマバエ科の可能性が高いと思われます. 2008/12/06(Sat) 15:12:16 [ No.5071 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:田中H 引用 茨城_市毛 様 やはり、無理ですか。有り難うございました。 2008/12/06(Sat) 19:13:31 [ No.5073 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:バグリッチ 引用 市毛様、田中H様、こんちは。 画像では翅脈他の特徴がわからないので、はっきりとは言えませんが、この姿勢から推察しますとキノコバエ科の可能性を加えることができるように思えます。 姿勢は あくまで経験的なものですので、『同定』とは別物ですので、ご参考まで。 2008/12/06(Sat) 23:13:47 [ No.5075 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:アノニモミイア 引用 脛節に端距があるのでタマバエ科ではありません. クロキノコバエ科(Sciaridae)は通常このように前脚だけで懸垂型の静止姿勢をとりません. タマバエ科やクロキノコバエ科を除くクロキノコバエ上科(キノコバエ上科Sciaroidea)のいずれかの科(旧分類体系のキノコバエ科Mycetophilidae)に属するものと思われます. 色彩や体型をみると判断が結構難しいのですが,ツノキノコバエ科(Keroplatidae)(またはケヅメカ科(Ditomyiidae))に一番類似しているように感じられます. 2008/12/07(Sun) 01:53:10 [ No.5077 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:田中H 引用 皆様 色々とご考証賜りまして、有り難うございます。 同じときに同じハエと思われる、交尾している個体を写しました。交尾相手はピンボケなのでカットしました。このハエの体長は2.5mmほどです。 ご参考になればと思い、写真を添付させていただきます。 2008/12/08(Mon) 19:45:12 [ No.5080 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:アノニモミイア 引用 この写真でも翅脈相が全くわかりませんので,キノコバエ上科の中のどの科に入るかは断定できませんね.せめて翅の部分のバックが明色なら翅脈の概要がわかったのですが.頭部で両方の複眼を結ぶ状態が見られないようにも思えますので,静止姿勢とともにクロキノコバエ科(クロバネキノコバエ科Sciaridae)とは違うように思えます. 採集用具がなければ,手のひらで叩いてつぶしたものでも,双翅類は大概翅はあまり壊れません.その上で翅を白い紙をバックにして撮影してもらうと,かなり被写体の所属を絞ることができるのですが. 昆虫の撮影で名称を知る場合には,基本的には被写体の標本が必須です.私の知己の極めて著名な昆虫写真家もご自身がご存じない昆虫の場合には被写体の標本採集を極力行っておられます.何気なく撮影した写真でも重要な生態情報があるときもあるのです.その際に被写体の名称が判らないと,その情報の意義が半減してしまいます.ですから,被写体採集は基本と思います. 2008/12/09(Tue) 16:16:14 [ No.5083 ] ◇ Re: キノコバエでしょうか 投稿者:田中H 引用 アノニモミイアさん 皆さん 有り難うございました。 翅が所属を絞る鍵になるとのこと、次の機会には採取して撮影するよう心掛けます。 今後ともよろしくお願いいたします。 2008/12/10(Wed) 19:45:02 [ No.5084 ]
◆ たぶんRhaphiumと思います 投稿者:バグリッチ 引用
こんちは。 埼玉の山地で秋に採ったアシナガバエです。 たぶんRhaphium属と思いますが、このような種は初めてです。 触覚の長いアシナガバエではSyntormon属が普通に採れますが、この属ではないようです。 アシナガバエ科には 色々なのがいるのですが、同定できる種はほとんどいないのが残念です。 ではまた。 2008/12/11(Thu) 23:32:39 [ No.5085 ] ◇ Re: たぶんRhaphiumと思います 投稿者:アノニモミイア 引用 写真のアシナガバエは間違いなくRaphium属の1種でしょう.日本にも幾種かいます.Syntormonでは第2触角節が第3触角節の基部に向かって強く張り出しているし,第3触角節の基部が幅広く,先に向かってかなり強く細くなります. 日本のアシナガバエ科の研究はまだまだこれからです.高木貞夫北大名誉教授によって先鞭が付けられた海浜岩礁性属や渓流性のDiostracusは,その後桝永一宏氏に研究がバトンタッチされていますが,そのほかの属はほとんど手付かずの状況です.Dolichopusや広義のHercostomusなどは膨大な種が日本にいますし,また葉の上でくるくる動き回るSciapodinae亜科の種もほとんど研究されていません. アシナガバエ科の多くの属では翅脈相に顕著な相違がありませんが,交尾器,特に種でかなり異なる尾角突起が外部から観察できるし,脚の色彩や形状も変化が多いので,名前がわからなくてもソーティングは可能なのがたくさんあります. 2008/12/12(Fri) 08:36:28 [ No.5086 ] ◇ Re: たぶんRhaphiumと思います 投稿者:バグリッチ 引用 アノニモミイア様 アシナバガエについてのご教示ありがとうございます。 Rhaphiumにはきれいな種も含めて、確かにいくつもの種が手元にあります。他の属にもいろいろいて驚くばかりです。 アシナガバエ科は、まず属まで行ければ ひとまず納得するのですが、属がわからないのもいて、そういうアシナガバエを見ていると、楽しい反面、何となく気持ちが晴れません。 今度の画像の種はその一つで、近所の池や水田にたくさんいるのですが、属がわからなくて、悩んでいる種です。 画像だけでは困難と思いますが、どのあたりが候補となるのか ヒントやチェックポイントなどが示唆いただけましたらありがたく存じます。 画像から 何らかのことがわかりますでしょうか? 2008/12/13(Sat) 23:38:41 [ No.5094 ] ◇ Re: たぶんRhaphiumと思います 投稿者:アノニモミイア 引用 おそらくHydrophorinaeのThinophilus属の種でしょう.この属の種は止水性の湿地に多く,日本にも数種いますが,まだ詳しく調べたことがありません.ThinophilusでMNDなどの検索表を逆引きしてみると,いろいろと特徴が分ると思います.口器が大型で,顔面にtransverse sutureがあり,パルピはほぼ三角形でしっかりと顔面に密着し,acrを欠いていると思います. 2008/12/13(Sat) 23:56:59 [ No.5095 ] ◇ Re: たぶんRhaphiumと思います 投稿者:バグリッチ 引用 アノニモミイア様 早速のご教示ありがとうございます。 Thinophilus属は何度かあたったことがありましたが、有力候補でありながら、確信が持てないため、また別属を検討する流れとなっていました。 交尾器の概形は、よく似ています。 詳しく調べて”確信”に至りたいと思います。 引き続きよろしくお願い申し上げます。 2008/12/14(Sun) 09:07:11 [ No.5096 ]
Googleのキャッシュから1月10日のトップページを発見したのでテキストのみup致します。
http://209.85.175.132/search?q=cache:KHDcoZppoqMJ:furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi+S.+stagnalis+site:http://furumusi.aez.jp/&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp ◆ ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 10月に茨城の山間部で採集した体長10mm程のヤドリニクバエです. 旧北区のマニュアルで調べたのですが,良く判らず張り逃げします. よろしくお願い致します. 2009/01/06(Tue) 20:10:05 [ No.5208 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 同,交尾器です. 2009/01/06(Tue) 20:14:07 [ No.5209 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 頭部の形やsurstylusの基部が幅広くなっている点などは、Miltogrammaに似ているような気がします。aedeagusの形がもう少しちゃんと見えるといいのですが・・・。 2009/01/07(Wed) 17:21:51 [ No.5213 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 ウミユスリカ様. やはり,Miltogrammaですか・・・ そうすると,額や後頭の剛毛から,M. kurahashiiとなるのでしょうか? M. punctataの交尾器(aedeagus)はPageの図があるのですが,M. kurahashiiが判りません. 交尾器の写真を添付します. 2009/01/07(Wed) 22:47:16 [ No.5220 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 ロシア語の原記載論文があれば恐らく交尾器の図は出ているでしょうが、ソ連・ロシア文献はまだきちんと集めていないんでちょっとお手上げです。aedeagusはM. punctataのものに似ているけれど、先端の形態が異なっていますね。 2009/01/08(Thu) 00:25:23 [ No.5221 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 ウミユスリカ様. M. kurahashiiは,Artamonov,1991となっていますが,原記載論文名はわかりますか? 極東の昆虫の検索やネットでは,ArtamonovやАртамоновの論文を探しても1991年のものがありません. よろしくお願い致します. 2009/01/08(Thu) 12:58:22 [ No.5225 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 1991年ですか?Papeの1996年のカタログに基づけば、原記載は1987年です。 該当部分を書き出すと kurahashii Miltogramma (sm.str.) kurahashii Artamonov & Verves, 1987:124. Russia, Primorye, 30 km E Shkotovo. Distribution. PALAEARCTIC - Russia (Far East), Japan (Hokkaido). となっています。 で、このArtamonov & Verves (1987)をレファレンスの欄から引っ張ってみますと Artamonov, S.D. & Verves, Yu.G. 1987 [New species of miltogrammatines (Sarcophagidae, Miltogrammatinae) from southern Primorye.] - Pp. 124-126 in: Kapustina, O.G. (ed.), Taxonomy of insects of Siberia and Far East of the USSR. AN SSSR, Vladivostok; 1-132. [In Russian.] となっています。 1991年記載としている文献は何でしょうか? 2009/01/08(Thu) 13:34:10 [ No.5226 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 ウミユスリカ様. 記載年は,The Diptera SiteのNomenclatorデータベースで調べました. (PapeのHPのリンク先です.) 原記載は,Taxonomy of insects of Siberia and Far East of the USSR(Таксономия насекомых Сибири и Дальнего Востока СССР, Биолого-почвенный ин-т ДВНЦ АН СССР. Владивосток)ですか,入手が難しい雑誌です. 大英図書館やスミソニアンにも無いようです. ハナアブ関連なら,ヨーロッパやロシアの研究者にコピー依頼出来るのですが(^_^;) ところで,日本に真のM. punctataは分布するのでしょうか? 2009/01/08(Thu) 19:14:01 [ No.5232 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 >> 大英図書館やスミソニアンにも無いようです. 学名を奉献されたのはほぼ間違いなく倉橋弘先生でしょうから、別刷りをお持ちかもしれませんね。 >> ところで,日本に真のM. punctataは分布するのでしょうか? Kurahashi, H. (1070). Studies on the Calypterate Muscoid flies from Japan VII. Revision of the subfamily Miltogramminae (Diptera, Sarcophagidae). Kontyu. 38(2): 93-116 では、交尾器の図が無いですが、北海道から石川県まで分布しているとされているようですね。市毛さんはMiltogrammaの標本は何種お持ちなんでしょうか?私の手元には残念ながら、長崎産のM. takanoiしか標本が無いのですよ。 2009/01/09(Fri) 00:19:27 [ No.5235 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 引用 New! ウミユスリカ様. 県内で採集した標本が2〜3種類あると思ったのですが,大きさが異なるだけで,触角の色や額の剛毛から全てM. kurahashiiのようです. なお,BDWDによるとM. takanoiは台湾から記載されたMiltogramma angustifronsのシノニムに該当するようです. 2009/01/09(Fri) 23:41:26 [ No.5243 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 New! 市毛様 >> なお,BDWDによるとM. takanoiは台湾から記載されたMiltogramma angustifronsのシノニムに該当するようです. そうでした!Papeのカタログでもそうなっています。 そうすると、今まで日本でM. punctataとされていたものが実はM. kurahashiiであった可能性を検証する必要がありそうですね。 あと、M. angustifronsと酷似したM. ibericaは分布から見て日本から出てきてもおかしくないんですよ。特に対馬あたりは要注意です。surstylusのえぐれ方がちょっと違っています。 2009/01/10(Sat) 00:03:44 [ No.5244 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 引用 New! ウミユスリカ様. 近縁種が出てきたら,国内の記録を再検討しないといけませんね(^_^;) ところで,旧北区の検索を書いているVervesは,最近のDie Fliegenや旧北区カタログのSarcophagidaeの著者なのですね. てっきり,Papeあたりが書いているとばかり思っていました. 2009/01/10(Sat) 10:14:24 [ No.5245 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 New! >> 近縁種が出てきたら,国内の記録を再検討しないといけませんね(^_^;) そうですね。 >> ところで,旧北区の検索を書いているVervesは,最近のDie Fliegenや旧北区カタログのSarcophagidaeの著者なのですね. >> てっきり,Papeあたりが書いているとばかり思っていました. 私は旧北区の検索表は"Contributions to a Manual of Palaearctic Diptera"のSarcophagidaeの章のものを使っていますが、Papeが書いてますよ。あとこれにPapeの"Catalogue of the Sarcophagidae of the world (Insecta: Diptera)"の属の形質リストを併用してます。市毛さんの「旧北区の検索表は」何に掲載されているものをお使いでしょうか? なお、 Papeは"Catalogue of the Sarcophagidae of the world (Insecta: Diptera)"以降、だいぶ属の境界を見直したり、属の統合を行っていますので、注意が必要です。日本のニクバエ亜科はほとんどSarcophaga 属に統合されてしまいましたし、日本産のAngiometopaはAgriaにごっそり移されてしまっています(Agriaそのものは存続してます)。 2009/01/10(Sat) 12:22:05 [ No.5246 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 引用 New! ウミユスリカ様. うっかりしていました. 旧北区ではなく,極東の昆虫の検索でした. すみません. 2009/01/10(Sat) 14:43:43 [ No.5247 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 New! 極東の昆虫ですか。 あれはまだ手に入れていないんですよ・・・ 2009/01/10(Sat) 15:43:58 [ No.5249 ] ◇ Re: ヤドリニクバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 New! Sarcophagidaeが収録されたPart.4は,まだ,Pensoftに在庫があるようです. Euroも下がっているので,買い時かもしれません. 確か,私が買ったときは1Euroが160円ぐらいだったので,3/4の値段で購入できます. 2009/01/10(Sat) 16:41:06 [ No.5250 ] ◆ 何科でしょうか? 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 New! 茨城県北部のミズナラ林で,6月に採集した体長11-12mm程のハエですが,科がわかりません. 新訂大図鑑の検索ではcuplet106-107周辺のようで,笹川先生の絵解き検索ではOtitidaeとなります. Otitidaeのようにcua室の先端がとがりますが,下前側板を欠き,後単眼剛毛の発達も弱く,R1脈背面の端半部に剛毛装います. よろしくお願い致します. 2009/01/10(Sat) 15:20:36 [ No.5248 ] ◆ このハエはクロバエでしょうか? 投稿者:うみぼうず 引用 New! はじめまして いつもこの掲示板を参考とさせていただいております。 今年採ったハエの中に、よく分からないハエがいたのですが、これはクロバエか何かでしょうか? 2009/01/09(Fri) 20:56:41 [ No.5239 ] ◇ Re: このハエはクロバエでしょうか? 投稿者:うみぼうず 引用 New! 側面です。この角度からは見えませんが、翅側板剛毛が並んで生えています。 2009/01/09(Fri) 20:59:41 [ No.5240 ] ◇ Re: このハエはクロバエでしょうか? 投稿者:うみぼうず 引用 New! 翅脈です 2009/01/09(Fri) 21:02:02 [ No.5241 ] ◇ Re: このハエはクロバエでしょうか? 投稿者:ウミユスリカ 引用 New! 最後の写真を見ると、産卵管となっている腹部第6〜8節のうち、末端の第8節がへら状に特殊化しているように見えます。実はクロバエ科のうち、カタツムリやナメクジの捕食寄生者として特殊化しているMelanomyinae(コクロバエ亜科)はepiproct(肛上板)が第8背板と融合してへら状、あるいはスコップ状の器官として発達しています。この亜科のハエは、この特殊化した産卵管で、貝の外套腔(カタツムリやナメクジのような有肺類では肺として機能しています)の中に卵や幼虫を産みつけるようです。 この亜科で日本に分布する代表的な属がMelinda属です。写真を見ると脛節が淡褐色になっていますので、この属のイトウコクロバエの可能性が高いのではないかと思います。 2009/01/09(Fri) 23:31:05 [ No.5242 ] ◆ このハエはなに? 投稿者:K 引用 このハエは何ですか?動きは比較的遅くあまり飛びません.色はこの写真だとわかりにくいですが黒っぽいです.大きさは3mm程度です. また駆除法を教えて下さい.植物部屋で発生して困っています.よろしくお願いします. 2009/01/08(Thu) 16:50:21 [ No.5228 ] ◇ Re: このハエはなに? 投稿者:Acleris@会社 ホームページ 引用 詳しくは、強力な先生方にお任せするとして、 このハエは、ミギワバエ科の1種だと思います。 幼虫(ウジ)は水棲です。 植物部屋とのことですが、水盤などに発生したアオミドロの中などで、幼虫を見ることがあります。 2009/01/08(Thu) 17:55:29 [ No.5230 ] ◇ Re: このハエはなに? 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 K様,Acleris様. Acleris様が御指摘しているとおり,ミギワバエ科でしょう. 恐らく,Scatella属だと思います. 詳しくは知りませんが,完全な水生だけではなく,湿り気の多い場所で幼虫が生息出来るようで,たしかピートモスや肥料等からも発生するような話でした. 2009/01/08(Thu) 23:14:32 [ No.5234 ] ◇ Re: このハエはなに? 投稿者:フンコバエ 引用 写真だけでは種までの同定は不可能なのですが、Scatella属の最も普通に見られるS. stagnalis (Fallen, 1813)の可能性が高いと思います。本種はビニールハウス内で大量発生し、野菜を糞で汚してしまうという被害をときどき起こしています。 2009/01/09(Fri) 11:45:53 [ No.5238 ] ◆ ネッタイヒメクロミバエ 投稿者:Arge 引用 ミバエ科のネッタイヒメクロミバエです。 翅の紋に特徴があるので同定のほうは問題ないかと思います。 写真の個体は兵庫県南東部の武庫川河川敷で採集したものです。他に兵庫県南東部の夢前川でも採集しています。 ただ、「新訂 昆虫大図鑑III」でも分布は四国、九州、南西諸島(昔の文献を見ると海外にも広く分布しているようですが、なぜか九大目録でも国内の分布のみ)となっており、本州の記録がありません。 ほかにこの種の本州からの分布記録をご存知ではありませんでしょうか。 兵庫県の2ヶ所のほか、発表できませんが環境調査の仕事で近畿某所で採集しており、おそらく本州南西部には広く分布しているのではないかと思います。 よろしくお願いします。 2009/01/07(Wed) 19:12:10 [ No.5218 ] ◇ Re: ネッタイヒメクロミバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 伊藤修四郎先生のモノグラフによると、日本国内では四国の土佐、九州の大隈、琉球の沖縄本島、石垣島、西表島に分布しており、国外では東洋区と太平洋地域(オセアニア区のことでしょう)に広く分布するとなっています。私の手持ちの文献では本州の記録を確認できませんでした。 2009/01/07(Wed) 19:58:40 [ No.5219 ] ◇ Re: ネッタイヒメクロミバエ 投稿者:アノニモミィイア 引用 北隆館の原色昆虫大図鑑第三巻(1965年の旧版)の223ページには 「9.ネッタイクロミバエSpathulina acroleuca Shiner」の元に,「本州以南の暖地の他,熱帯,亜熱帯に広く分布する」との記述が伊藤先生の分担執筆で示されています.以南は必然的に本州を含みます. 伊藤先生の総説は1984年に発行されています.私の知るところでは,先生の原稿はそれよりずっと以前にほぼ完了していて,当時の出版事情の悪さから,その出版を巡りいろいろと困難があったようでして,その間に上記北隆館の旧版が出版されたことと推測します.もし,この記述(本州以南)が正しいのであれば,伊藤先生は総説の出版の段階で,はじめの原稿を作成された以降の材料を本種の分布域に追加することができなかったのかもしれません. 新訂図鑑の改訂者は末吉昌宏となっており,記述は旧版からほぼ全面的に書き換えられています.本改訂の主眼は学名と分布の改訂であったのですから,旧版の「本州以内」がなぜ「四国と九州,南西諸島に分布する」となって本州が省かれたのか,また本科ではなぜ国外分布が含まれていないのか,の点は不明です. しかし,本種は近畿地方を含む西日本の平地の草地や農耕地の周辺で夏から秋にかけてどちらかと言えば普通に見かけるミバエですから,本州が含まれていないことは,伊藤先生の総説については上記の事情があるのかもしれません.しかし,新訂版の場合については不可解ではあります. 私は,本州の最東での標本としては大阪府茨木市郡山公園で本年10月中旬に採集したものがあります. 2009/01/08(Thu) 13:45:30 [ No.5227 ] ◇ Re: ネッタイヒメクロミバエ 投稿者:アノニモミィイア 引用 茨木市の記録を本州最西と誤記しましたので,最東と訂正しておきます.ご留意ください. 2009/01/09(Fri) 05:51:45 [ No.5237 ] ◆ みんなで作る双翅目Web図鑑 投稿者:Arge 引用 遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。 ところで、みんなで作る双翅目Web図鑑に最近スパムの書き込みが多発しています。様子を見ていましたが、1時間に1つくらいのペースで書き込まれているので、何らかのプログラムによるものかもしれません。 とりあえず対症療法的に見つけたものを差分から復活していますが、これではきりがなさそうです。 もう少し様子を見てみますが、同じところに2度書き込まれてしまうとこちらでは差分からの修正ができなくなるので、ひどいようでしたらハエ男さんから何とか対策をしてもらわないといけないかもしれません。 2009/01/06(Tue) 18:09:43 [ No.5206 ] ◇ Re: みんなで作る双翅目Web図鑑 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 Arge様. 新年早々ご苦労様です. 現在のWikiは,スパムフィルターを設置していないのでしょうか? 設置が面倒なのであれば,登録制にするしかないかもしれませんね. 2009/01/06(Tue) 20:06:33 [ No.5207 ] ◇ Re: みんなで作る双翅目Web図鑑 投稿者:ハエ男 引用 ご迷惑をおかけしてすみません。なかなかネットを見れない環境になってますので、チェックしきれませんでした。 とりあえず、スパムフィルターは設定してあるのですが、あまりのスパム的URLの増加に対応できていませんでした。 とりあえず、管理者編集モードのみの対応するように順次していきいたいと思います。(今日まで記事はバックアップを取り、また更新記録に出ていた分で記事のある分に関しては更新の凍結をしました。)更新をしたい場合は管理者パスが必要になります。管理者パスワードが知りたい方は氏名登録の意味から当BBSで本名で名乗り出ていただくか、管理者の古田までご一報ください。 スパムの書き込みを見る限りは手作業でやっているような感じもしますね。いよいよWikiにも本格的にスパム対策を検討しなくてはいけなくなってきたようです・・・この辺は他のWikiの管理をしている方々と情報交換をしてやっていきたいと思いますので、しばらくの間スパム対策にご協力をおねがいいたします。 2009/01/07(Wed) 03:56:03 [ No.5210 ] ◇ Re: みんなで作る双翅目Web図鑑 投稿者:Arge 引用 ハエ男さま 対応ありがとうございました。 とりあえず、修正中に誤って全部消してしまったツリアブ科、チャボキノコバエ科、一部消えてしまったアミカ科、ヤチバエ科を修復しました。 それから、種数の多いガガンボ科やキノコバエ科、編集の進んだニクバエ科、重要な情報のあるカバエ科等、消されたら困るものを優先的に凍結しました。 まだ、凍結されていないページを探してスパム書き込みがありますが、書き込まれたものから修正して凍結していけばそのうちなくなるとは思います。 次は写真投稿用に、ムシヒキアブ科のリストを何とかしたいと思います。 だんだん何が専門だか分からなくなってきたArge 2009/01/07(Wed) 18:39:07 [ No.5217 ] ◇ Re: 凍結作業協力要請 投稿者:ハエ男 引用 管理人のハエ男です。 Argeさんご協力ありがとうございます。 現在記事の凍結を進めていますが、時間が足りなさそうなので、お暇な方は少しでも協力をお願いいたします。 やり方 Web図鑑の右上にある(一覧)を見る アルファベット順に記事の一覧が並んでいますので、凍結するページをクリックしていき、管理者編集モードで編集作業を開始します。 (差し分け)をチェックして異常な書き込みがあればそれを削除し、なければそのままパスワードを入れて、凍結するのチェックボックスをチェックして保存すれば終了です。(これでそのページはパスワードがないと更新できなくなります。) 16:50現在で一覧のナガヒラタアブAsarkina porcina まで凍結を完了しました。 ご協力をお願いいたします。 2009/01/08(Thu) 16:54:49 [ No.5229 ] ◇ Re: 凍結作業協力要請 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 ハエ男様. 19:07現在,オドリバエ科まで凍結しました. 2009/01/08(Thu) 19:07:30 [ No.5231 ] ◇ Re: みんなで作る双翅目Web図鑑 投稿者:ハエ男 引用 とりあえず、一覧で見る限り記事がある部分は一番下まで凍結を完了しました。 ただし、あくまでも、機械的に凍結をしただけなので、細かな内容についてはチェックをしておりません。 今後ともチェックをお願いいたします。 とりあえず、めぼしい方々はパスワードを覚えて頂けたかと思いますので、あまり無差別的に広げたくないので一度BBS上からはパスワードは削除させていただきます。 2009/01/09(Fri) 04:30:25 [ No.5236 ] ◆ ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 9月に我が家(東京都世田谷区西部)の菊花に連日かなりの頭数来ていた超普通種で、体長は4mm程度です。 有弁類は恐いので手を出さなかったのですが、これだけ沢山来ているのに科も分からないと言うのは何とも腹立たしく、徹底的に写真を撮って調べることにしました。 最初の写真は普通の等倍マクロで撮った全体像です。以下に2倍マクロで撮った部分像(最大幅900ピクセル)を示します。 検索表では辛うじてヤドリバエ科に落ちましたが、自信はありません。 C脈上に棘があり、C脈がSc脈と交わる直前に少し長い棘があります(1,2番目の写真の2倍位の長さの棘を持つ個体も居ました)。また、R4+5脈がR2+3脈と分かれる所に4本の大きな棘があります。 この連中が尋常でないことは重々存じておりますが、これらの特徴と、超普通種と言うことで、何とか種まで落ちないものでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/12/26(Fri) 14:36:15 [ No.5140 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 R4+5脈がR2+3脈と分かれる所に4本の大きな棘があり、翅の付根には妙な黒い毛の生えた丸い構造があります。 2008/12/26(Fri) 14:39:02 [ No.5141 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 胸弁の下に見えるのが、下側剛毛で宜しいのでしょうか? 2008/12/26(Fri) 14:40:52 [ No.5142 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 同じ様な写真ですが、角度が少し違います。頭部の剛毛も入れておきました。 2008/12/26(Fri) 14:42:03 [ No.5143 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 専門家が見れば,属レベルまではコメントが可能かもしれませんが,アマチュアが属を調べる検索表を引くためには,写真に移りづらい場所の特徴を多数問われるため,標本を調べることが必須となります. また,胸背や脛節末端の毛の長さの比率など,角度次第で変わりやすいものの情報も必須となります. 翅の付け根に写る丸い板は,tegulaかbasicostaと思われます. 思い切って,ヤドリバエ科のSiphona属かその近縁属に一票いれときます. 2008/12/26(Fri) 15:41:18 [ No.5144 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アノニモミイア 引用 市毛さんの言うとおり,Siphoniniかもしれません.Actiaあたりかな?いずれにしてもSiphoniniの専門家の舘博士のコメントがなければ,なんともわかりません. 2008/12/26(Fri) 18:50:47 [ No.5145 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 新訂原色昆虫大図鑑第3巻の265ページにあるセスジハリバエの胸部の図に一部間違いがあります. 翅側板刺毛の破線が間違って下側板刺毛につながっています.これは中胸上後側板(翅側板)の上縁にある2本の刺毛のソケットを指さなければならないものです. また翅側板刺毛の破線が指しているのは,下側板刺毛(あえて付ければ,中基腹節刺毛)です. 以上の訂正を踏まえて,ご質問の胸弁の下に見える刺毛は下側板刺毛(下側刺毛)です. また,翅の基部の刺毛を生じた黒い部分は市毛さんの指摘の一つである肩板(tegula)です. 2008/12/26(Fri) 19:13:19 [ No.5146 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:バグリッチ 引用 こんちは。 私も、SiphoniniのSiphona属かその近縁属に一票です。 口が途中で折れた細い棒状の形態ではなかったでしょうか? 2008/12/26(Fri) 21:55:18 [ No.5147 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 茨城_市毛様、アノニモミイア様、三枝豊平様、バグリッチ様: 多忙な年末の最中、早速の御教示を賜りました事、御礼申し上げます。また、三枝先生には北隆館圖鑑の誤りをお教えいただき、これで、保育社と北隆館の図鑑で名称が一致しない疑問が解消されました。有難う御座いました。 まずは、ヤドリバエ科で間違っていなかったことに胸を撫で下ろしております。 それにしても、これだけ多くの明確な特徴を持っているハエであるにも拘わらず、この錚々たる顔ぶれでも属まで確実に落ちない事に驚いております。正に、ヤドリバエ恐るべしです。 口器の写っている写真が2枚ありました。何れも額に焦点が合っており、口器はボケていますが、かなり特殊な口器であることは分かります。この写真でもう少し前進出来るでしょうか。 2008/12/27(Sat) 08:59:42 [ No.5149 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 同じ様な写真ですがもう1枚貼っておきます。 2008/12/27(Sat) 09:00:59 [ No.5150 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 新しい写真に基づくと,Siphoniniチビクチナガハリバエ族の属,亜属の検索では,このヤドリバエはSiphona (Siphona)の1種で,検索表を引くと,形質が該当する種は台湾に2種未記載種があるようです.ただし,中胸背のdc剛毛の横線前と後の数が写真では明確でないこと(3+3か3+4か),口吻の長い部分の折れ曲がっているよりも手前の部分(prementum)の長さと頭部の長さの比較ができないこと,小腮鬚の色彩が判然としないこと(黄色か淡褐色か)なので,種までの所属は明確にはできません. 2008/12/27(Sat) 18:44:14 [ No.5152 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 三枝豊平様: 早速の御回答有難う御座います。 dc剛毛はdorsocentral setaのことと理解致しますので、中胸背の拡大(剛毛を分かり易くするため少し明るく調整してあります)と、小腮鬚の拡大(5150の拡大)を更に載せることに致しました(>管理人のハエ男様:メモリーを沢山消費して御免なさい)。口吻と頭部の長さの比較は、これらの写真からは当然不可能です。 背中剛毛は私が見ると、3+3に見えるのですが・・・。この様なハエの場合横線の位置がよく分かりませんが、肩後剛毛や背側剛毛の後にある溝が横線と理解して宜しいのでしょうか。 また、小腮鬚は、背景の花の色と比較致しますと、黄色ではなく淡褐色ではないかと存じます。 何卒宜しく御検討の程御願い申し上げます。 2008/12/27(Sat) 20:00:41 [ No.5153 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 小腮鬚の拡大です(拡大し過ぎ!!)。 2008/12/27(Sat) 20:01:41 [ No.5154 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 アーチャーンさんのヤドリバエのことが念頭に残っていまして,沢山示された写真にほぼ適合する標本を見出しました.この標本を舘博士の業績などを参照しながら同定した結果どうやら種までいきつきました.雄交尾器や第5腹節腹板の形状もこの同定結果を支持しています. Siphona (Siphona) paludosa Mesnil, 1960です. 北欧,中欧からシベリア,中国,モンゴルなどを経て日本各地と琉球列島まで広域に分布する普通種のようです. この種は前胸後側板下方の剛毛が弱く,上向きで,翅のCuA+CuP脈(従来の臀脈またはCuA+A1脈)が翅縁に達し,中胸の下前側板の3本の剛毛のうち下のものが前上方のものとほぼ同じ大きさ,であることからSiphona属に入り,且つ口吻の唇弁(labella)がprementumと同様に細長くなっていることからSiphona亜属に入ります. さらに,この亜属のなかで,本種は触角の柄節と梗節が黄褐色,口吻の prementumが頭部の長さより長く,dc剛毛が3+3(横線前の最前端の剛毛は弱い),腹部の第1+2背板の中央部後縁に近く1対の剛毛を欠く(第3節にはこれがあるので,どのような剛毛かわかると思います),肩板(tegula)は黒色等の形質を持っています. この標本の写真を添付します.頭部の口吻の黒くて細長い部分がprementum,その先端は前腿節の先端近くに隠れ,そこから折れ曲がって後脚膝部に向かう黄褐色の細い部分が唇弁(labella)です.胸部の刺毛の状態や翅の翅脈などはよく写っていません.一先ず側面の写真だけ示しておきます. 今回はたまたま相当する標本を見つけて,しかも参考資料があったので同定できましたが,これは全くの偶然です.決して私にヤドリバエの同定ができると言うことでは全くありませんので,今後ヤドリバエの質問がありましても,先ず応じることはできません.念のために. 2009/01/04(Sun) 18:45:49 [ No.5198 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 同定確認の参考にこの標本の雄交尾器を示します.側面,やや斜め後面,第5腹板の順です. 2009/01/05(Mon) 01:53:13 [ No.5200 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 斜め後です.中央が尾角突起,左右にみえるのがsurstylusです.尾角突起と左のsurstylusの間にphallusがぼやけて黒く写っています. 2009/01/05(Mon) 01:55:14 [ No.5201 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 第5腹節腹板です. 2009/01/05(Mon) 01:57:40 [ No.5202 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 三枝豊平様: わざわざ標本を探す労を御取り下さり恐縮です。種まで落ちたと言うことで、私としては、万々歳です。 実は、大晦日の夜から椎間板ヘルニアになり、今日は早朝から病院に並んで精密検査を受けて参りました。少し歩き過ぎたせいか、現在、椅子に座るのが些かキツイ状態です。本日は取り敢えず御礼申し上げることで御寛恕下さい。 有難う御座いました。 2009/01/05(Mon) 20:00:12 [ No.5203 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 アーチャーンさん.Siphonaの標本は特別に探し出したのではありませんのでご心配なく.私も勉強になりました. お身体大事になさいますよう. 2009/01/07(Wed) 15:55:25 [ No.5212 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン ホームページ 引用 三枝豊平様: 腰の方はお陰様で大部良くなりました。 腹部の第1+2背板の中央部後縁に近くに剛毛を欠くことは、此処には載せていない別の写真で確認致しました。また、此処に掲載した写真を見ますと、触角の柄節はかなり濃い褐色、梗節は明るい黄褐色で色が違う様に見えますが、別の写真を見ますと、双方とも同じ様な黄褐色をしておりました。これで安心して Siphona paludosaであると言うことが出来ます。 すっかり忘れていたのですが、数年前に「中国蠅類」を買っていたことを想い出しました。そこで、積ン読の山の下から引っ張り出してみますと、Siphona paludosaが載っており、属内の検索でチャンとSiphona paludosaに落ちました。触角第2節の長さは幅の4〜5倍(雄)、或いは、2〜3倍(雌)とありますので、これは雌の様です。翅脈の詳細な図も載っており、それによると、R4+5脈がR2+3脈と分かれる所に5本の棘が描かれています。4本だと思っていたのですが、これも別の写真を見たら、5本ありました。 中国語には此処15年ほど全く無縁でした。しかし、以前魚類学を中国の書物で勉強したことがあります(日本の魚類学の本は使い物になりませんし、英語の本では魚の種類が違い過ぎてこれも余り役に立ちません)。今後はこの「中国蠅類」を使って、もう少し絞ってから御伺いを立てることにしたいと存じます。 有難う御座いました。 2009/01/08(Thu) 11:23:06 [ No.5224 ] ◆ ボウフラは写真で・・・ 投稿者:新屋 引用 ため池から見つかったカの幼虫です。写真だけで同定は可能なのか知りませんが、いかがでしょう。 夏にこの辺りをうろついてもカにたかられないので、成虫は人から吸血しないっぽいです。 他に写真は3枚あります。体長約6mm、12月25日、札幌市 2008/12/27(Sat) 16:13:29 [ No.5151 ] ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 新屋様. 日本産水生昆虫 科・属・種への検索(東海大学出版)を見ると,実体顕微鏡で精査してある程度の同定が可能で,正確な同定にはプレパラートにする必要があるようです. 大きな図書館には大概有ると思いますので,一度ざっと検索を見ると色々なグループをどのように見ていくか参考になると思います. 2008/12/28(Sun) 20:09:59 [ No.5164 ] ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:新屋 引用 ありがとうございます、参考にします。これも顕微鏡クラスなのですね… 2008/12/29(Mon) 19:56:38 [ No.5167 ] ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:ウミユスリカ 引用 新屋様 ボウフラは終齢幼虫をホイヤー液のようなガム・クロラール系封入剤で半永久プレパラートにしておくのが簡便です。永久保存には適しませんが。 あと、採集したときに一部の個体をプレパラートに、一部の個体を飼育して成虫のピンマウント標本(微針を胸部腹面から刺して、背面に貫通する直前で止め、微針台に固定しておく)にしておくと便利です。 もっと厳密なやり方では、1個体ずつ個別飼育して、終齢幼虫の脱皮殻、蛹の脱皮殻(胸部を開きにして)のプレパラートをつくり(永久保存にはセロソルブ・バルサム法がよいと思います)、最後に成虫のピンマウント標本を作ってセットで保存して同定を試みるという方法がベストです。 2009/01/07(Wed) 18:20:21 [ No.5216 ] ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:新屋 引用 今、このボウフラは水草や沈殿物、アカムシと共にフタなし水槽に入っており、5〜10匹はいます。 水槽の本当の目的はその水草なのですが、これら幼虫を羽化させたらおもしろいのではないかということでした。 脱皮殻もやるのはまさに厳密という感じがします。ご説明ありがとうございます。 2009/01/08(Thu) 09:50:46 [ No.5223 ] ◆ 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris ホームページ 引用 コンニチワ。連続で失礼します。 この間採集した、神戸のハエです。 腹部の白斑の形状から、シナホソカトリバエだと思いますが、あっていますでしょうか? シナホソカトリバエは、この掲示板ではバグリッチ様が貼られたものがありますし、ハエ男さんのイエバエ科のうんちくでも名前は出ており、「♂の尻見りゃ全然違うじゃん!」と言及されていますが、文献を持たない私には判りません。 腹端部の形状はこんなでしたが、どんなもんでしょうか? よろしくご教授お願いします。 2008/12/29(Mon) 22:12:40 [ No.5168 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris ホームページ 引用 全体の写真です。 全体に光を当てると、なかなかハンサムなハエですね。 2008/12/29(Mon) 22:14:25 [ No.5169 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris ホームページ 引用 同時期に採れた♀個体です。 腹端部は、一般的なハエと違って、第9腹節腹板(?)が硬化してトゲが生え、スキのような形状をしていました。 まるで穴掘り道具のようです。 日当たりの良い山の斜面で、腐葉土の上に落ち葉が溜まっている所で複数個体(5〜6)いました。 なんとなく水辺のハエだと思っていたので意外でした。 この掲示板では、ハエ男様、アノニモミイア様他たくさんの方から図鑑にないたくさんのことを教えていただきました。 厚かましいですが、来年もよろしくお願いいたします。 よいお年をお迎えください。 それでは。 2008/12/29(Mon) 22:24:46 [ No.5170 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:アノニモミイア 引用 Aclerisさん.写真のLispeは間違いなくLispe sinica Hennigシナホソカトリバエだと思います.交尾器の写真も私が持っている本種の標本の交尾器に一致しますし,腹部の写真に見られる斑紋も同様です.また,これらの交尾器はもちろん「中国蝿類」のやや雑な図とも一致します.本種が最初亜種として記載された,原名亜種に相当するL. leucospilaとは交尾器,特に尾角突起が異なります. 本種はL. orientalis等とは生態が異なり,前種はもっぱら水辺,道端の水溜りなどの周辺で生活していますが,sinicaはやや湿り気のある低い丈の草地を主要な生息場所にしています.アシナガバエ科のChrysotus,イエバエ科のAtherigona,特にギョウギシバクキイエバエ,多くのキモグリバエやミギワバエなどとともにこのような場所のハエ群集の中で優占種的な存在で,九州や本州西部では極めて普通の種です. Lispe属の雌のterminaliaは基本的にはsinicaであなたが図示されたものと同様に,hypoproctと尾角に短い刺状剛毛を生じており,このような構造を持つ双翅類の多くは地中産卵性です.アシナガバエの多くの属,オドリバエ科のTrichopeza, Heleodromiaなど,一部のムシヒキアブなどにも,刺の生じる箇所はそれぞれ異なりますが,類似した構造があります. 2008/12/30(Tue) 02:39:01 [ No.5171 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris ホームページ 引用 アノニモミイア様、ありがとうございます。 シナホソカトリバエで良かったのですね。(ホッ) >地中産卵性 そう言えば、カミキリムシの幼虫が入っている硬めの枯れ枝からムシヒキアブが羽化してきたことがありますが、おしりの先が硬かったように覚えています。 2008/12/30(Tue) 06:57:07 [ No.5172 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:エリユスリカ 引用 雌の腹部末端部に強い刺状剛毛が生えるという特徴はユスリカのあるグループにも見られます。ハモグリユスリカ(Stenochironomus)(よく知られた種にハスムグリユスリカStenochironomus nelubusと言う種がいます)。egg guideの前方の第8腹板側方部に数本の強い剛毛が生えています。この属の幼虫は基本的に潜葉性で体は非常に扁平になっています。産卵しているのを観察したことはまだ無いのですが、おそらく葉肉内に産卵する時に、何らかの役割を果たしているのだ、と想像しています。 2008/12/30(Tue) 12:14:22 [ No.5173 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris ホームページ 引用 エリユスリカ様、コンニチワ。 コメントありがとうございます。 ユスリカも種数が膨大なだけあって、いろんな習性があるんですねぇ。 ユスリカと言えば、近所の陸生エリユスリカを属まで同定しようと試みたことがありますが、くじけてしまいました。 市販の本(「ユスリカの世界」など)では太刀打ちできないよう。 2008/12/31(Wed) 05:34:19 [ No.5174 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:エリユスリカ 引用 Acleris様。ユスリカの幼虫の同定を試みて下さって大変嬉しく思います。「ユスリカの世界」(内容はほぼ同じなのですが「日本産水生昆虫」)では沢山図を入れて、少しでも分かりやすくなってくれればと自分なりに工夫したつもりですが、わからないと言う言葉を時々耳に致します。基本的には CranstonやSaether,Reiss等が著した「Chironomidae of the Holarctic region: Entomologica Scandinacica, 1983をベースとしていますが、随所に自信の観察データを加えて作成してあります。属までの同定も大変だと思います。私もある程度わかるまでにはかなり苦労致しました。上述の文献は現在、ボロボロになってしまっています。さらに、欧米、中国、南米の研究者が次々と新知見を発表しており、追いつくのが大変です。 土壌性のユスリカはその殆どがエリユスリカ亜科です。ビロウドエリユスリカSmittia、ニセビロウドエリユスリカPseudosmittia、マドオエリユスリカBryophaenoclasius、Antillocladiusと言った属が、これに含まれます。他にムナトゲユスリカ Limnophyesも陸生種がいますが、基本的には半水生です。 幼虫の食性も多様で、デトリタス食、補食性、寄生性、他の水生昆虫の体に付着する種、牛糞中に生息するもの、等様々です。南米にはナマズ類の鰓に付着している属もいます(属名も面白くIchtyocladiusと言います)。 2009/01/07(Wed) 09:19:24 [ No.5211 ] ◇ Re: 神戸のカトリバエ 投稿者:Acleris@会社 ホームページ 引用 エリユスリカ様、コンニチワ。 けして書籍の批判ではありません。 今まで、検索表自体がなかったわけですし(少なくとも市販の本では)、大変ありがたい存在です。 ただ私のスキルが足りないだけであります。 いきなり、2mmあるかないかの陸生種を調べようと思ったのがそもそもの間違いでした。 なんでも数をこなさないとダメですね。 少しずつ勉強しようと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。 2009/01/08(Thu) 08:23:25 [ No.5222 ] ◆ 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 皆様,明けましておめでとうございます. 本年もよろしくお願い致します. 添付の写真は,体長10mm程のヤドリイエバエと思われる♀です. ハエ男さんの地元,鳥倉山で8月に採りました. 亜小楯板(Subscutellum)は膨らんでいないので,ヤドリバエではないと思います. また,日本のイエバエ科では良く判りませんでした. 2009/01/01(Thu) 23:11:29 [ No.5175 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 同,側面です. 2009/01/01(Thu) 23:14:18 [ No.5176 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 市毛様 明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。 さて、ヤドリイエバエだとすると、meron(hypopleuron)にヒツジバエ上科のような剛毛列にはならないものの、剛毛群があるはずですが、いかがでしょう?画像ではちょっと見えませんが、標本では確認できますでしょうか? あと、背面からの画像を見ると、Cu2+A1脈が翅端に到達しているように見えます。ハナバエ科の可能性はありませんでしょうか? 2009/01/02(Fri) 01:17:16 [ No.5177 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 みなさん,本年も宜しくお願いします. さて,市毛さんの示されたヤドリイエバエはおそらくここに示した雄と同種かこれに極めて近い種と思います.私のところには2−3種ほどヤドリイエバエの標本がマウントされていますが,篠永先生の日本のイエバエ科には該当しない種もあります.この種はSyngamoptera属です.Costaの先端の位置が本属ではR4+5の先端まで,XenotachinaではM1+2脈まで達しているとありますが,なかなかこの形質は微妙です. ウミユスリカさんがCuA+CuP脈(Cu2+A1と示されていますが,この解釈は正しくありません;新訂原色昆虫大図鑑第3巻を参照下さい)が翅端に達しているように見える,と質問されていますが,本属ではこの脈の末端は翅縁にかなり接近しますが,ハナバエ科のように翅縁には達しません.もちろん下側板背縁に近く細毛の列はあります. 一先ずここには雄の背面を示し,続けて側面,これとは別種の雌の背面と側面を示します.篠永先生の本ではSyngamopteraはどの種も雌がunknownとなっています. 2009/01/02(Fri) 02:04:47 [ No.5178 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 続けて同じ個体の側面です. 2009/01/02(Fri) 02:05:45 [ No.5179 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 別の種の雌背面です. 2009/01/02(Fri) 02:07:15 [ No.5180 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 同じ個体の側面です. 2009/01/02(Fri) 02:13:24 [ No.5182 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:三枝豊平 引用 私が示した雄と市毛さんの雌の間の性差について疑問を持たれる方もあるかと思って,付記しておきます. 私が示した雄の第3,4腹節背板の中央と亜後縁部のそれぞれ亜背部に各1対の顕著な剛毛を生じています.市毛さんの雌にはこの剛毛がありません.これはどうやらSyngamoptera属の性差のようです.後に示した別種の雌にもこの剛毛はなく,この種の雄には顕著な剛毛を生じています. 篠永先生の「日本のイエバエ科」のSyngamopteraの属の形質は雄に基づくもので,"3rd abdominal segment with median marginal bristles"と記述されていますが,これは雄の形質です.因みに3rd abdominal segment は 3rd abdominal tergum と読むべきでしょう."In male 3rd and 4th abdominal terga with each pair of strong subdorsal bristles on median and hind submarginal areas; these bristles absent in female". なお,私が示した2個体はともに宮崎県南部山地で採集されたもので,前者雄は10月,後者雌は5月のものです. 2009/01/02(Fri) 12:15:55 [ No.5184 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:茨城_市毛 ホームページ 引用 ウミユスリカ様. 下側板背縁近くに細毛列があります. 三枝豊平様. あらためて日本のイエバエ科を読むとSyngamoptera属全種の♀が記録されていないのですね. また,性差についての解説ありがとうございます. 腹部の剛毛を欠くため,Syngamoptera属か決めかねていました. 当面は,Syngamopteraの1種としておきます. ありがとうございました. 2009/01/02(Fri) 17:56:44 [ No.5189 ] ◇ Re: 謹賀新年! +ヤドリイエバエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 三枝先生 市毛様 >> ウミユスリカさんがCuA+CuP脈(Cu2+A1と示されていますが,この解釈は正しくありません;新訂原色昆虫大図鑑第3巻を参照下さい)が翅端に達しているように見える,と質問されていますが,本属ではこの脈の末端は翅縁にかなり接近しますが,ハナバエ科のように翅縁には達しません.もちろん下側板背縁に近く細毛の列はあります. 脈相の解釈、先生の"HOMOLOGY OF WING VENATION OF DIPTERA"を見直して確認いたしました。従来A1脈とされていたのが実は真のCuP脈だったんですね。 また、今までヤドリイエバエ類の雄しか見たことがなかったので、大変参考になりました。 2009/01/07(Wed) 18:06:18 [ No.5215 ]
◆ トゲハネバエについてご教示いただけないでしょうか? 投稿者:りゅうひ 引用
はじめまして。 いつも参考にさせていただいております。 トゲハネバエについてご教示いただきたく、レスいたしました。 先日、落ち葉から多数羽化していた個体です。 眼縁板が傾斜せず、A1+CuA2は翅端に達せず、前胸腹板に複数の刺毛があるなどの点から見て、Heleomyzaではないかと思いました。日本からはH.eoaとiwasaiが記録されているようですが、keyを見てもしっくりきませんでした。 額は赤褐色で、前脚跗節と後脚跗節の第1跗節末端にとげ状の突起があります。 あまりよくない画像で恐縮ですが、ご教示いただけると幸いです。 2008/12/16(Tue) 12:33:45 [ No.5101 ] ◇ Re: トゲハネバエについてご教示いただけないでしょうか? 投稿者:りゅうひ 引用 ゲニの画像です。 よろしくお願いいたします。 2008/12/16(Tue) 12:34:32 [ No.5102 ] ◇ Re: トゲハネバエについてご教示いただけないでしょうか? 投稿者:りゅうひ 引用 A1+CuA2は翅端に達せず→A1+CuA2は翅端に達する、です。 訂正させていただきます。 2008/12/16(Tue) 12:36:26 [ No.5103 ]
◆ Lipara brevipilosa かと考えていますが・・・ 投稿者:バグリッチ 引用
こんちは。 画像のキモグリバエの雌はヨシノメバエの仲間のトネオオヨシノメバエ(Lipara brevipilosa)に当たるのではないかと考えました。 旧北区のマニュアルにある図はよく似ていると思うのですが、昔インセクタリウムに出ていた写真は全く違う外観に見えます。 KANMIYA(1982)には雄のゲニの図しか出ていないのでよくわかりません。 これだけ特徴的な種なのに、画像などが見つからず、はたしてあたっているのか否かわかりません。 ご存知の方がいましたら、ご教示お願いいたします。 2008/12/18(Thu) 22:47:28 [ No.5108 ]
◆ キタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerata? 投稿者:アーチャーン 引用
11月30日に東京都世田谷区西部で撮影したハエです。ミカンの葉裏に居ました。体長2.5mm、翅端まで約3.0mmです。横から撮ろうとしたら、逃げられてしまい、背側からの写真しかありません。かなり高解像度で撮っているのですが、全体的にボワーと写っているのは、複眼、C脈その他に毛が生えているからだと思います。 「みんなで作る双翅目図鑑」、及び、No.3043、3045に掲載されているキタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerataと似ております。また、Diptera.infoに出ている同種の生態写真(http://www.diptera.info/photogallery.php?album_id=10)ともよく似ております。 キタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerataで宜しいでしょうか。また、同種である場合、宿主が分かれば幸いです。 宜しく御教示下さい。 2008/12/18(Thu) 09:44:15 [ No.5105 ] ◇ Re: キタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerata? 投稿者:アーチャーン 引用 CiNiiの「赤坂御用邸のキモグリバエ」を見てきました。Gampsocera numerataの食性に関しては、腐植を食べ、バナナやパパイヤの腐った茎で飼育した例があると書いてありました。 2008/12/18(Thu) 11:47:22 [ No.5106 ] ◇ Re: キタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerata? 投稿者:バグリッチ 引用 こんちは。 画像の種は、特に冬期にたくさん採れますが、私はキタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerata と同定しています。 小さいですが、かっこいい種ですね。 2008/12/18(Thu) 22:21:08 [ No.5107 ] ◇ Re: キタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerata? 投稿者:アーチャーン 引用 バグリッチ様: 御回答有難う御座います。 それではキタモンヒゲブトキモグリバエGampsocera numerataとすることに致します。 「赤坂御用邸のキモグリバエ」には過去には記録が非常に少ないのに赤坂御用地ではかなりの数が採取されたとあります。バグリッチ氏のフィールドは埼玉県と推察いたしますが、私は東京都世田谷区です。最近になって都会に多いと言うのは、ヒョッとして帰化昆虫では? 2008/12/19(Fri) 09:18:21 [ No.5109 ]
◆ センダングサケブカミバエ? 投稿者:アーチャーン 引用
11月25日に東京都世田谷区西部で撮影したミバエです。キク科の古典的園芸種に来ていました。 北隆館の圖鑑に載っているウスモンケブカミバエ(Dioxyna sororcula;2030番)に翅の模様がよく似ています。解説文を読むと、この種は「前翅亜前縁室は一様に暗褐色である」とあり、また「同様の地域に分布するセンダングサケブカミバエは亜前縁室に1つ透明斑を持ち、オオキンケイギクを宿主とする」とあります。写真のミバエは亜前縁室(C脈、Sc脈、R1脈に囲まれた部分と解釈しています)に透明斑がありますから、センダングサケブカミバエではないかと思われます。しかし、この辺りにはセンダングサ類(Bidens spp.)は沢山生えていますが、オオキンケイギク(Coreopsis lanceolata)は見たことがありません。センダングサケブカミバエも名前がセンダングサですから、センダングサ類にも寄生するのか、それとも別の近縁種でしょうか? 宜敷御教示下さい。 2008/12/12(Fri) 13:27:50 [ No.5087 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 翅の拡大 2008/12/12(Fri) 13:29:09 [ No.5088 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 斜め前から.真横からの写真は撮れませんでした。 2008/12/12(Fri) 13:30:26 [ No.5089 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:ウミユスリカ 引用 アーチャーン様 手持ちの伊東修四郎先生の"DIE JAPANISCHEN BOHRFLIEGEN"にはセンダングサケブカミバエと同属のParoxyna属が9種掲載されていますが、翅の斑紋をこの全種と比較してみると、確かにセンダングサケブカミバエ Paroxyna bidentis (Robineau-Desvoidy, 1830)の翅の斑紋と最も類似しています。頭部の形態もどうもこの種に似て見えます。 また、 伊東修四郎, 1986. 新潟県のミバエ科. 越佐昆虫同好会々報, 62:21-27 によりますと、「幼虫はセンダングサなどキク科植物の花頭で生育する」とのことです。 2008/12/12(Fri) 17:49:30 [ No.5090 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:アノニモミイア 引用 返還ミスですが,ミバエ科の論文の著者名の姓は伊東ではなくて,伊藤です.念のため. 2008/12/13(Sat) 00:38:19 [ No.5091 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:ウミユスリカ 引用 >> 返還ミスですが,ミバエ科の論文の著者名の姓は伊東ではなくて,伊藤です.念のため. しまった!これは何たるミスをしてしまったんでしょう。 アノニモミイア先生、ご指摘ありがとうございます。 2008/12/13(Sat) 00:46:26 [ No.5092 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:アーチャーン 引用 ウミユスリカ様、アノニモミイア様: 御回答有難う御座います。 それでは、このミバエはセンダングサケブカミバエでセンダングサ類も食べる、とすることに致します。 ところで、ウミユスリカ氏にはお詫びをしなければならないことがあります。今年の3月19日、私のもう一つのブログにツマグロキンバエの件でお越し下さり、貴重なコメントを頂きました。しかし、私は丁度東南アジア方面に長期の調査行に出たばかりで、帰国したのは2ヶ月後となり、旅の疲れもあって返事を書くのをサボってしまいました。大変失礼致しました。お詫び申し上げます。 北大の低温研で研究されているとのことですが、実は私も大学院以降11年間北大農学部に居りました。低温研にはProtoplasma誌を定期的にチェックしに行っていたのでよく知っております。農学部からは1.5km近くもあるので、冬の吹雪の日などは随分往生しましたが、今では懐かしい思い出となっております。 2008/12/13(Sat) 11:29:29 [ No.5093 ] ◇ Re: センダングサケブカミバエ? 投稿者:ウミユスリカ 引用 アーチャーン様 ツマグロキンバエの件はお気になさらないでください。実はあの情報は、私が双翅目談話会の会誌『はなあぶ』に投稿した私自身の観察報文についてのものです。 ツマグロキンバエの雌は、土を掘り返したり耕したりしてふわふわした砕土の堆積が生じた直後に飛来し、腹部の後半をその堆積の中に挿入して1卵を産卵。その直後に産卵孔を中・後脚を動かして埋めます。幼虫が土中で何を食べているのかはまだ判然としていません。同属の種で餌が判明しているものはたいてい捕食者(イエバエ科の幼虫であるとかバッタの卵が知られている)ですので、ツマグロキンバエの幼虫も捕食者である蓋然性が高いと思います。 >> 農学部からは1.5km近くもあるので、冬の吹雪の日などは随分往生しましたが、今では懐かしい思い出となっております。 アーチャーン様も北大にいらしたんですね。 私は逆に農学部に文献を探しに行くのに遠くて難渋しております。他で書きましたが、血清反応陰性脊椎関節炎という関節リウマチ類似の難病で闘病していて、痛みがきついときには起き上がることすらできない状態ですので、あの距離には閉口します。20年近く前に修士課程時代に在籍していた九大だとほとんど中央図書館に集めてあるので、ほとんど動かずに文献をかき集められるのですが、北大は広大なキャンパスに文献が分散しているので、私のような病人には大きなハンデになります。 2008/12/19(Fri) 12:01:35 [ No.5112 ]
◆ ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用
先日のセンダングサケブカミバエと同じ時期(11月下旬)に同じ場所(東京都世田谷区西部のキク科園芸品種の花)に居たハエです。検索表で一応ミバエ科に落ちました。しかし、その先は真っ暗です。 先日のセンダングサケブカミバエとは胸背や額の剛毛配列が異なり、また、R2+3脈に小さな枝があります。青い体色と翅の模様を合わせれて、何とか種まで落ちないものでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/12/14(Sun) 17:57:02 [ No.5097 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 同じ様な写真ですが、scとh直後の切れ目が見えます。 2008/12/14(Sun) 17:59:37 [ No.5098 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 真横から見た図。正面からは撮れませんでした。 2008/12/14(Sun) 18:00:25 [ No.5099 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:ウミユスリカ 引用 R2+3脈の小さな枝以外は、頭部の形態や翅の斑紋など、ノゲシケブカミバエEnsina sonchi (Linnaeus, 1767)によく似ているように思えます。 翅脈の小さな枝は、イエバエ科などでも個体変異で一部の個体に(しばしば左右不相称に)出現することがありますので、その手の形質かもしれません。 2008/12/16(Tue) 00:09:21 [ No.5100 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 ウミユスリカ様: 御回答有難う御座います。 Ensina属は日本では1属1種の様ですし、専門家が見て「よく似ている」のならばノゲシケブカミバエで間違いないものと判断致します。 しかし、写真の1,2枚目と3枚目では、実は撮影した日が3日ずれています。此処には載せておりませんが、3枚目の写真の個体にもR2+3脈に同様の枝があります。2日おいて同じ個体を撮影したのか、別の個体にも枝があったのか・・・、判断に苦しむところです。 2008/12/16(Tue) 13:02:01 [ No.5104 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:ウミユスリカ 引用 専門家といっても私の畑はむしろ生態学分野ですし、研究対象として主に触れているのはニクバエ科、クロバエ科、イエバエ科といった有弁類です。 他の科のハエに関しては、難病を抱えた中年院生という立場上、糊口をしのぐためもあってアルバイトで調査会社の下請けの標本同定を請け負ったりもしているため、ぼちぼち文献を集めて勉強している状態です。ミバエ科の伊藤先生のモノグラフも、ほぼ20年ぶりにドイツ語の復習をしながら読んでいる最中です。 実はアーチャーン様が画像を投稿された直後に、ちょうどアルバイトで請け負っていた標本から翅の斑紋、頭部形態、頭部剛毛の配列などが酷似した個体がいくつか出てきて、ノゲシケブカミバエと同定できたので、アーチャーン様のご質問にも情報をお寄せ致しました次第です。ですから、まだまだ私の写真からの同定は、まだまだ誤同定の危険をはらんでいることをお含みください。なにしろ無弁類のハエの標本の蓄積そのものがはなはだ乏しいですので。 ちなみに、私が今までに見たノゲシケブカミバエの標本ではR2+3脈の枝はありませんでした。また伊藤先生のモノグラフにも、R2+3脈の枝が図示された種が見当たらなかったことを付記させていただきます。 2008/12/19(Fri) 12:20:28 [ No.5113 ] ◇ Re: ミバエの1種 投稿者:アーチャーン 引用 ウミユスリカ様: 追加情報有難う御座います。 より有力にノゲシケブカミバエであるとのことと理解致します。 今年はもう無理かと存じますが、来年、また同じ頃に同じ場所で調べてR2+3脈に枝のある個体を探してみようと思います。もし見つかった場合、御入用であれば、採集してお送りすることも可能です。道具は一応持っております。実は、私は北大虫研の創立時メンバーなのです。機関誌「蝦夷白蝶」第1巻冒頭のエゾシロチョウの交尾写真を撮ったのは私です。 2008/12/19(Fri) 21:00:13 [ No.5116 ]
◆ 雪上のハエ 投稿者:しぐま 引用
雪が降った後の林道で見つけたハエの件でお尋ねします。 体長約7mm 12月上旬 山形県 新雪の雪面で時々ぴょんと飛び跳ねます。 気温が低くてうまく飛び立てないようでした。 2008/12/19(Fri) 20:26:35 [ No.5114 ] ◇ Re: 雪上のハエ 投稿者:しぐま 引用 胸背の毛が写った写真です。 ハエは調べ方が全然分かりません。 少しでも絞り込めれば嬉しいです。○○科とか。 どうかよろしくお願いします。 2008/12/19(Fri) 20:29:03 [ No.5115 ] ◇ Re: 雪上のハエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 トゲハネバエ科のように感じられます。 未同定ですが、苫小牧で秋にこれとよく似たハエを採集しています。 2008/12/19(Fri) 23:28:31 [ No.5117 ] ◇ Re: 雪上のハエ 投稿者:しぐま 引用 ウミユスリカ様 どうもありがとうございました。 恥ずかしながらトゲハネバエ科という名前はこれが初耳です。 2008/12/20(Sat) 21:01:54 [ No.5118 ] ◇ Re: 雪上のハエ 投稿者:アノニモミイア 引用 トゲハネバエ科は翅の前縁に通常の微細な毛の他に,やや長めの刺状の毛が疎らに生じているので,この名称があります.下の写真にはこれが写っています. これからの寒い時期から早春にかけて,トイレなどの窓にやや細長い灰褐色をした中型のハエが止まっていることがあります.部屋の中では普通はあまり見ない体形のハエなので,区別が付きます.このようなハエがいたら,これはセンチトゲハネバエの可能性があります.これは唯一市街地でも見かけるトゲハネバエです.虫眼鏡でも注意深く観察すると,あなたの写真にあるように,翅の前縁に小棘が見えると思います. この科のほかにも前縁に小棘を生じるハエがありますので,この特徴を持つものがすべてトゲハネバエではありません.念のために. 2008/12/22(Mon) 14:48:54 [ No.5124 ] ◇ Re: 雪上のハエ 投稿者:しぐま 引用 アノニモミイア様 ご親切に追加情報ありがとうございます。 2008/12/22(Mon) 20:15:50 [ No.5128 ]
◆ 畑のハエ 投稿者:田中川 引用
海岸に近い畑で見つけました。体長は約8ミリ。何というハエでしょうか。2008.12.19三重県津市 2008/12/22(Mon) 01:58:57 [ No.5119 ] ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:田中川 引用 別角度のものです 2008/12/22(Mon) 02:01:32 [ No.5120 ] ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:茨城_市毛 引用 田中川様. ニクバエ科かヤドリバエ科のメスと思われます. 2008/12/22(Mon) 09:03:01 [ No.5121 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 いや、このプロポーションや剛毛の雰囲気は、イエバエ科イエバエ亜科のものに近いように感じられます。 ニクバエ科にしては体が扁平すぎますし、楯板中央の縦線が左右に分割されている種はあんまりいません。ヤドリバエ科は形態も多様なんで可能性は棄却できませんが、全体の雰囲気からイエバエ亜科イエバエ属辺りの可能性が高いような気がしますね。 厳密には、下側板(meron, hypopleuron)にすだれのようにずらりと1列に並んだ剛毛列が有るか無いか確かめなければなりません。有ればヒツジバエ上科(クロバエ科、ニクバエ科、ヤドリバエ科、ワラジムシヤドリバエ科、ヒツジバエ科)、無ければイエバエ上科(イエバエ科、ハナバエ科、フンバエ科)です。ただし、イエバエ科のヤドリイエバエ属などには剛毛列を成さない剛毛群が有るので注意が必要です。 2008/12/22(Mon) 14:35:27 [ No.5122 ] ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:アノニモミイア 引用 外見から判断すると,イエバエ科のGraphomya,特にG. rufitibiaヒメセマダライエバエの雌の可能性はありませんか. 2008/12/22(Mon) 14:37:50 [ No.5123 ] ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:ケンセイ 引用 私もアノニモミイアさんに賛成です。 ヒメセマダライエバエのように見えます。 近似種のセマダライエバエはもう少し胸背の模様が黒っぽくて亜額帯が毛で覆われているように思います。 両種は割と同所的に見られることも多いです。 ケンセイ@やっと年内の同定ノルマが終了しました 2008/12/22(Mon) 18:06:57 [ No.5127 ] ◇ Re: 畑のハエ 投稿者:田中川 引用 皆様、ありがとうございます。 よく似た種がいるようですが、ヒメセマダライエバエ雌と覚えておきます。 2008/12/22(Mon) 23:33:45 [ No.5129 ]
◆ ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:アーチャーン 引用
11月下旬にキク科の園芸品種を訪花していたハエです。体長約2.3mm、翅端まで3mm強。絵合わせ的にキモグリバエと判断しました。 そこで「赤坂御用邸のキモグリバエ」を見てみたところ、ヒゲブトキモグリバエ(Elachiptera sibirica)と少し似ています。しかし、中胸背の3本の黒条が前方で消えています。前掲論文に拠れば、ヒゲブトキモグリバエは単眼三角域と中胸背の色彩変化が大きいと書いてありますが、このハエはヒゲブトキモグリバエでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/12/19(Fri) 09:58:11 [ No.5110 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:アーチャーン 引用 少し横から見た図です。SDカードを交換している間に逃げられてしまい、他に写真はありません。 2008/12/19(Fri) 09:59:47 [ No.5111 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:アノニモミイア 引用 日本産の中胸背が橙色のElachipteraの2種は,Kanmiya (1985)によれば次の検索で識別できる,となっています(英文より翻訳). 小楯板は通常3対の瘤状突起を具え,先端の1対はよく発達し,幅の少なくとも2倍の長さがある;先端の小楯板剛毛は小楯板の長さより短い・・・・・E. sibirica (Loew) 小楯板は2対の小型の瘤状突起を具え,先端の対は幅とほぼ等長;先端の小楯板剛毛は小楯板の長さよりやや長い・・・insignis (Thomson) 掲載の写真ではこれらの諸点が明確ではないのですが,精密な写真を撮っておられるようですから,お手元の元画像では判断できるのではないかと思います. 2008/12/22(Mon) 15:08:56 [ No.5125 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:アーチャーン 引用 アノニモミイア様: 御回答有難う御座います。 残念ながら写真はピクセル等倍で原画もこれと大差無く、判別は無理の様です。小楯板の瘤状突起が良く見えないのは、恐らく微毛が生えているのだと思います。 普通、小さな虫を見付けたときは、まず少し絞って深度を深く(低解像度)して一応撮って置き、徐々に絞りを空けて(解像度を高く=深度は浅く)撮ります。このハエの場合は、少し撮っただけで記憶媒体が満杯になり、それを交換している間に逃げられてしまいましたので、高解像度では撮っておりません。 クローズアップレンズを付ければずっと高解像度になりますが、現在の100mmマクロでは深度が浅過ぎてフィールドで使うのはかなり困難です。現在、1mm程度のものをもう少し簡単かつ精密に撮れる方法を思案中です。 2008/12/22(Mon) 16:55:41 [ No.5126 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:バグリッチ 引用 アーチャーン様、アノニモミイア様、こんにちは。 手元のヒゲブトキモグリバエにアノニモミイア様のご指摘2種が確認できました。 ほとんどがE. insignis で、ひとつだけE. sibiricaがはいていましたが、マウントしていない標本に同じような小楯板の個体がいくつもあったような気がします。 画像は、非常にわかりにくいですが、左が E. sibiricaで、右がE. insignis に当たるようです。 瘤状突起の大きさは2種ではっきり異なりますが、E. insignis には3対目の小さな突起がある個体もありました。 小楯板剛毛の長さも明確に異なりました。 よく見えないかもしれませんが、多少はご参考になればありがたいです。 2008/12/23(Tue) 19:36:20 [ No.5130 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:アーチャーン 引用 バグリッチ様: 具体的な情報の御提供、有難う御座います。 う〜ん、両者の写真の角度が少し違うので、それがどの程度見え方の相違に影響を及ぼしているのか、判断に苦しみます。 右の個体(E. insignis)は明らかに頭幅が胸幅よりも大きく、胸部の剛毛(背側剛毛?)の長さが左の個体(E. sibirica)よりも長く胸幅の1/2近くあり、その生えている角度が大きく毛が寝ていないのは明らかです。また、小楯板の毛の生え方も両者でかなり違って見えます。 私の写真のハエは、頭幅は胸幅とほぼ同じで、胸部や小楯板の剛毛の長さや生え方は右の個体とは異なり、左の個体(E. sibirica)によく似ております。しかし、先日の三枝先生や市毛氏のお話に拠れば、刺毛の状態は資料の扱いその他でかなり変化するそうですし、胸幅は乾燥により減少するかも知れず、また、剛毛の見え方は角度の違いで異なることも考えられます。更に、胸背の模様は両者とも私の写真のハエとはかなり異なります。 果たして、これでE. sibiricaとしてしまって良いのか、現在思案中です。 取り敢えず、先ずは御礼申し上げます。 2008/12/24(Wed) 17:54:29 [ No.5131 ] ◇ Re: ヒゲブトキモグリバエElachiptera sibirica? 投稿者:バグリッチ 引用 アーチャーン様 おっしゃる通り、小楯板の部分を見えやすくしようとして画像の角度が異なってしまっているので、比較し難いです。 アーチャーンさんが画像から読み取られた特徴、頭幅と胸幅の差異 については、手元の標本ではその様になっています。 また、胸部の剛毛は、背側剛毛か翅後剛毛?を指しているかと思いますが、画像の(E. sibirica)の方が確かに短いです。 しかし、それぞれの特徴は、この2種の全般の傾向かどうかはわかりません。 このあたりの種を画像から同定しようとするのでしたら、まずは撮影の傍ら 採集もしながら、識別ポイントを探すのが一番早道と思います。 私も自分の写真を、自分の標本を参考に同定しています。 (何分 勉強中ですので、思うようには行きませんが・・・) というわけで、申し訳けありませんが、 アーチャーンさんの画像の種は、私にはどちらとも言えません。 2008/12/24(Wed) 21:17:21 [ No.5132 ]
◆ ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用
9月に我が家(東京都世田谷区西部)の菊花に連日かなりの頭数来ていた超普通種で、体長は4mm程度です。 有弁類は恐いので手を出さなかったのですが、これだけ沢山来ているのに科も分からないと言うのは何とも腹立たしく、徹底的に写真を撮って調べることにしました。 最初の写真は普通の等倍マクロで撮った全体像です。以下に2倍マクロで撮った部分像(最大幅900ピクセル)を示します。 検索表では辛うじてヤドリバエ科に落ちましたが、自信はありません。 C脈上に棘があり、C脈がSc脈と交わる直前に少し長い棘があります(1,2番目の写真の2倍位の長さの棘を持つ個体も居ました)。また、R4+5脈がR2+3脈と分かれる所に4本の大きな棘があります。 この連中が尋常でないことは重々存じておりますが、これらの特徴と、超普通種と言うことで、何とか種まで落ちないものでしょうか。 宜しく御教示下さい。 2008/12/26(Fri) 14:36:15 [ No.5140 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 R4+5脈がR2+3脈と分かれる所に4本の大きな棘があり、翅の付根には妙な黒い毛の生えた丸い構造があります。 2008/12/26(Fri) 14:39:02 [ No.5141 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 胸弁の下に見えるのが、下側剛毛で宜しいのでしょうか? 2008/12/26(Fri) 14:40:52 [ No.5142 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 同じ様な写真ですが、角度が少し違います。頭部の剛毛も入れておきました。 2008/12/26(Fri) 14:42:03 [ No.5143 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:茨城_市毛 引用 専門家が見れば,属レベルまではコメントが可能かもしれませんが,アマチュアが属を調べる検索表を引くためには,写真に移りづらい場所の特徴を多数問われるため,標本を調べることが必須となります. また,胸背や脛節末端の毛の長さの比率など,角度次第で変わりやすいものの情報も必須となります. 翅の付け根に写る丸い板は,tegulaかbasicostaと思われます. 思い切って,ヤドリバエ科のSiphona属かその近縁属に一票いれときます. 2008/12/26(Fri) 15:41:18 [ No.5144 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アノニモミイア 引用 市毛さんの言うとおり,Siphoniniかもしれません.Actiaあたりかな?いずれにしてもSiphoniniの専門家の舘博士のコメントがなければ,なんともわかりません. 2008/12/26(Fri) 18:50:47 [ No.5145 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 新訂原色昆虫大図鑑第3巻の265ページにあるセスジハリバエの胸部の図に一部間違いがあります. 翅側板刺毛の破線が間違って下側板刺毛につながっています.これは中胸上後側板(翅側板)の上縁にある2本の刺毛のソケットを指さなければならないものです. また翅側板刺毛の破線が指しているのは,下側板刺毛(あえて付ければ,中基腹節刺毛)です. 以上の訂正を踏まえて,ご質問の胸弁の下に見える刺毛は下側板刺毛(下側刺毛)です. また,翅の基部の刺毛を生じた黒い部分は市毛さんの指摘の一つである肩板(tegula)です. 2008/12/26(Fri) 19:13:19 [ No.5146 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:バグリッチ 引用 こんちは。 私も、SiphoniniのSiphona属かその近縁属に一票です。 口が途中で折れた細い棒状の形態ではなかったでしょうか? 2008/12/26(Fri) 21:55:18 [ No.5147 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 茨城_市毛様、アノニモミイア様、三枝豊平様、バグリッチ様: 多忙な年末の最中、早速の御教示を賜りました事、御礼申し上げます。また、三枝先生には北隆館圖鑑の誤りをお教えいただき、これで、保育社と北隆館の図鑑で名称が一致しない疑問が解消されました。有難う御座いました。 まずは、ヤドリバエ科で間違っていなかったことに胸を撫で下ろしております。 それにしても、これだけ多くの明確な特徴を持っているハエであるにも拘わらず、この錚々たる顔ぶれでも属まで確実に落ちない事に驚いております。正に、ヤドリバエ恐るべしです。 口器の写っている写真が2枚ありました。何れも額に焦点が合っており、口器はボケていますが、かなり特殊な口器であることは分かります。この写真でもう少し前進出来るでしょうか。 2008/12/27(Sat) 08:59:42 [ No.5149 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 同じ様な写真ですがもう1枚貼っておきます。 2008/12/27(Sat) 09:00:59 [ No.5150 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:三枝豊平 引用 新しい写真に基づくと,Siphoniniチビクチナガハリバエ族の属,亜属の検索では,このヤドリバエはSiphona (Siphona)の1種で,検索表を引くと,形質が該当する種は台湾に2種未記載種があるようです.ただし,中胸背のdc剛毛の横線前と後の数が写真では明確でないこと(3+3か3+4か),口吻の長い部分の折れ曲がっているよりも手前の部分(prementum)の長さと頭部の長さの比較ができないこと,小腮鬚の色彩が判然としないこと(黄色か淡褐色か)なので,種までの所属は明確にはできません. 2008/12/27(Sat) 18:44:14 [ No.5152 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 三枝豊平様: 早速の御回答有難う御座います。 dc剛毛はdorsocentral setaのことと理解致しますので、中胸背の拡大(剛毛を分かり易くするため少し明るく調整してあります)と、小腮鬚の拡大(5150の拡大)を更に載せることに致しました(>管理人のハエ男様:メモリーを沢山消費して御免なさい)。口吻と頭部の長さの比較は、これらの写真からは当然不可能です。 背中剛毛は私が見ると、3+3に見えるのですが・・・。この様なハエの場合横線の位置がよく分かりませんが、肩後剛毛や背側剛毛の後にある溝が横線と理解して宜しいのでしょうか。 また、小腮鬚は、背景の花の色と比較致しますと、黄色ではなく淡褐色ではないかと存じます。 何卒宜しく御検討の程御願い申し上げます。 2008/12/27(Sat) 20:00:41 [ No.5153 ] ◇ Re: ヤドリバエ科? 投稿者:アーチャーン 引用 小腮鬚の拡大です(拡大し過ぎ!!)。 2008/12/27(Sat) 20:01:41 [ No.5154 ]
◆ 白菜のハエ 投稿者:田中川 引用
白菜の葉上で見つけたハエの翅は伸びきっていないようです。羽化失敗なのか、それとも羽化したばかりなのでしょうか。また、このハエの種名は判りますでしょうか。2008.11.29三重県津市 2008/12/26(Fri) 01:46:34 [ No.5133 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:田中川 引用 別角度から 2008/12/26(Fri) 01:48:16 [ No.5134 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 本来だったらこういう状態の生態写真では同定はまず無理なんですが、たまたまこの画像のハエは、雄の腹部後半の形態が非常に特殊なグループなので、ある程度の絞込みができました。 イエバエ科ハナレメイエバエ亜科のシリボソハナレメイエバエ属Pygophoraの一種です。ただ、細くなった腹部後半の背面がキール(船の竜骨)みたいになっているかどうかがこの画像ではちょっと判断しにくいので種までの同定は保留いたします。 腹部第5節背板剛毛の感じから、シリモチハナレメイエバエPygophora confusaの可能性が高いとは思うのですが。 恐らく幼虫も成虫も肉食で、微小な昆虫を捕食していると思います。 2008/12/26(Fri) 09:10:05 [ No.5135 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:ウミユスリカ 引用 この掲示板の過去ログに、同属のリュウキュウシリボソハナレメイエバエPygophora maculipennisの話題が出ています。 http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4050#4050 画像をご覧になっていただくとわかりやすいと思いますが、第5節背板の後縁中央部の剛毛がこちらでははるかに多く、刷毛状になっています。 2008/12/26(Fri) 09:45:23 [ No.5136 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:三枝豊平 引用 ハナレメイエバエ亜科Coenosiinaeのハナレメイエバエ族Coenosiiniの1種です.この亜科の属までは以下の検索表で検索してみてください.結果がわかたら,投稿ください.おそらく翅を伸展する直前か,伸展失敗した個体でしょう.検索表の1は写真からは不明ですから,3からはじめてみてください.用語などは北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻の双翅目の概説などを参照してください.(これを書いているうちにウミユスリカさんが投稿されましたね)なお,上記ウミユスリカさんが引用している過去ログの終わりのほうで,ウミユスリカさんが指摘しているように,「日本のイエバエ科」の検索表は引きにくい点がいくつかあります.最初の「腹胸側板剛毛」の検索から「浅い曲線」,「正三角形」が初心者にはなかなか理解しにくい部分です.以下のものは,私が私のコレクションに基づいて作製したもので,ややくどい印象を与えますが,初心者にもわかるようにしたので,おそらく属の検索は可能でしょう. ハナレメイエバエ亜科Coenosiinaeの属の検索表(検索表の1と2についてはNo.5162も参照ください) 1.3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2以下で,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルより後方に位置する.・・・・・・ミズギワイエバエ族Limnophorini・・・2 3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,ほぼ正三角形か,あるいは高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2より長く,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルか,それより前方に位置する・・・・ハナレメイエバエ族Coenosiini・・・3 2.小腮鬚は匙状;一般に腹部は細長い・・・カトリバエ属Lispe 小腮鬚は細長い;イエバエのように腹部は短く丸い・・・・ミズギワイエバエ属Limnophora(ここには翅のR4+5脈基部の膨らみに刺毛を欠くタカネイエバエ属Spilogonaも該当するが,高山性で平地にはいない) 3.頭部の前額眼縁板の上方にある後向きの額眼縁剛毛(reclinate ors)は2対(これらより前方には前向きや内向きのorsがある);後脛節の基部より2/3以内にある前背剛毛は2本(先端近くにはもう1本ある)・・・4 頭部の前額眼縁板の上方にある後向きの額眼縁剛毛(reclinate ors)は1対(これらより前方には前向きや内向きのorsがある);後脛節の基部より2/3以内にある前背剛毛は1本か0(先端近くにはもう1本ある)・・・・・・ハナレメイエバエ属Coenosia 4.中脛節は中ほどに1本の後背剛毛をもつ;単眼三角板(単眼を含む粉で覆われた光沢のない三角の領域)は大型で,その前端は触角基部近くの前額帯の前縁にほぼ達する・・・・・・5 中脛節は中ほどに2本の後背剛毛をもつ;単眼三角板(単眼を含む粉で覆われた光沢のない三角の領域)は小型で,その前端は触角基部より遥か前方で終わり,前額帯の前縁には達しない(多くの種では雄の第5腹節背板の後縁は中央部で強く突出する)・・・・シリボソハナレメイエバエ属Pygophora 5.小楯板剛毛は2対4本;後脛節は基部から2/3までの間に2本の後背剛毛を持つ;翅は透明で前半が暗色にならない・・6 小楯板剛毛は1対2本;後脛節は中ほどに1本の短い後背剛毛を持つ;翅の前半は暗色・・ヘリグロハナレメイエバエ属Orchisia(普通種のヘリグロハナレメイエバエO. costata1種のみ) 6.触角刺毛に生じる毛は大変短く,そのために触角刺毛は櫛歯状ではない・・・・・・ホソハナレメイエバエ属Caricea 触角刺毛に生じる毛は大変長く,最長のものは刺毛本体の長さの1/3に達し,そのために触角刺毛は櫛歯状になる(雄では上側だけ,雌では下側にも長い毛が生じるので両櫛歯状になる)・・・・・・・クシヒゲハナレメイエバエ属Pectiniseta(P. yaeyamensisヤエヤマクシヒゲハナレメイエバエ1種が八重山諸島に普通に生息するのみ) お尋ねになる前に,双翅目の科の検索表などを使って,科の見当をおおよそ付ける練習をされると,双翅目に対する興味が一段と増すのではないかと,老爺心ながら愚考しています. 2008/12/26(Fri) 11:03:04 [ No.5137 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:田中川 引用 ウミユスリカ様、三枝豊平様、ありがとうございます。 シリボソハナレメイエバエ属までは確定なんですね。 追加質問なんですが、腹部後半の背面がキールみたいになっているという状態が良く分かりません。「第5腹節背板の後縁は中央部で強く突出する」という記述と同じ意味でしょうか? また、キールになっているといないで種名がどう変わるのでしょうか? 今になって気づいたのですが、この個体は後腿節の先がゆがんでいますが、羽化したばかりの時に見られる現象でしょうか? 今後、三枝先生から提供していただいた検索表を活用するために、用語の意味を少しずつ勉強していきたいと思います。 2008/12/28(Sun) 00:58:16 [ No.5158 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:三枝豊平 引用 田中川さん「腹部後半の背面がキールみたいになっているという状態が良く分かりません。「第5腹節背板の後縁は中央部で強く突出する」という記述と同じ意味でしょうか?」というご質問ですが,これは同じ意味です.この状態はPygophora属シリボソハナレメイエバエ属の中でも変化があり,ほとんどそのようになっていない種もあります. あなたが撮影された翅が伸びていない個体の腿節などが屈曲しているのは,囲蛹内の蛹の段階では,蛹のクチクラのサイズより成虫のそれの方が一般に大型のために,例えば,しばしば腿節はある程度曲がった状態で成虫形成が起ります.羽化段階では成虫のクチクラはまだ硬化していないので,翅を展開・伸張するのと同様に,血圧でこれらを伸ばしていきます.これは体,特に腹部の筋肉を収縮させることで,体の容積を縮めるような圧力になり,ヘモリンフ(血リンパ)に圧力がかかり,これで成虫の形になるように,縮んでいる各部が,風船に空気がはいるように,展開していきます.成長が不十分で小型の個体は体液(要するにヘモリンフ)が不足していたり,十分に成長した個体でも羽化後に傷が生じてそこから出血がおこると,十分な血圧に達しないために,成虫の本来の形にならないで,各部の十分な伸張が起りません.また,羽化後クチクラは急速に硬化を始めますから,何らかの理由でそれまでに十分に血圧を加えて体の各部を伸張する時間が足りないと,各部の伸張が不完全で終わります.チョウで羽化時に十分に翅を展開できるような場所がないと翅の形が異常になるのもこの理由からです. あなたが撮影され,ウミユスリカさんがシリモチハネレメイエバエPygophora confusaであろうと同定された,この種の側面図を先ず示しておきます.背面図とこれとは別種のウロコシリモチ(ハナレメイエバエ)Pygophora lepidoferaの側面図を次とその次に図示しておきます.後種の場合には第5腹節背板の突出はかなり弱くなっています.前種はこの背板のやや側部に近く上を向く小型の剛毛が何個か長い一般の剛毛に混じって生じていますし,後種ではこの部分に鱗状の剛毛が生じています. 2008/12/28(Sun) 04:27:00 [ No.5159 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:三枝豊平 引用 シリモチハナレメイエバエの背面図です.この位置から見ると,第5腹節背板が両側から側圧されてしかも後方にやや突出している状態がわかると思います. 2008/12/28(Sun) 04:29:39 [ No.5160 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:三枝豊平 引用 これはウロコシリモチの側面図です.シリモチハナレメイエバエより第5腹節背板の突出が弱い状態がわかります.ここに生じている鱗状の剛毛はあまりはっきりしませんが,黒く写っているものがそれです. 2008/12/28(Sun) 04:32:06 [ No.5161 ] ◇ Re: 白菜のハエ 投稿者:田中川 引用 三枝豊平様、丁寧に解説していただきありがとうございます。 シリモチハナレメイエバエなどの標本写真もなかなかネット検索ではこれまで見つかりませんでした。 背面図や側面図の解説も分かりやすかったです。 2008/12/28(Sun) 22:29:31 [ No.5165 ]
◆ 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:Acleris 引用
コンニチワ。 やっと暇が出来たので、またおたずねに来ました。 神戸で11月30日に採集したイエバエの1種です。 「日本のイエバエ科(篠永)」では ミチノクハナレメイエバエに行き着きました。 (属の検索には下のスレッドにある三枝先生の検索も参考にさせていただきました。ありがとうございます。) 2008/12/28(Sun) 00:21:39 [ No.5155 ] ◇ Re: 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:Acleris 引用 腹端部の拡大です。 交尾器を引き出す際に、傷をつけて体液でシミが付いています。 2008/12/28(Sun) 00:24:04 [ No.5156 ] ◇ Re: 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:Acleris 引用 ♂交尾器の拡大です。 マル1の部分を反転させると、トゲがいっぱいついた袋が出てきました。 ナカナカおもしろい構造です。 さて、篠永本には交尾器の図がないため、 シロウトの私には、種の確定ができません。 ミチノクハナレメイエバエであっていますでしょうか? 年末の押し迫った時に恐縮ですが、 これで判るようでしたらご教授お願いいたします。 2008/12/28(Sun) 00:30:06 [ No.5157 ] ◇ Re: 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 Aclerisさん.私もCoenosiaはある程度の種数の標本を持っていますが,ミチノクハナレメイエバエは見当たりません.それで,私自身の知見ではありませんが,篠永先生の「日本のイエバエ科」の303ページのText-fig.52のaとbにこの種の交尾器が図示されています(なお,同書の本属の英文記載文の中の交尾器の箇所で,交尾器が図示されていることが,大部分の種について示されていないので,注意が必要です).この図から判断しますと,あなたの図示された種は,ミチノクハナレメイエバエではないと思います.尾角突起の形状とサイズが両種ではあまりにも異なりますので,別種のことは間違いないでしょう.唯一点気になることがあります.この写真の種はかなり細長いこと,写真で下唇鬚がやや先端が膨らんで見えること,です.万一Lispeということはないでしょうね. と言いますのは,Coenosiinaeの属の検索表を載せたのは,Coenosiiniの属を検索するための便宜でして,LimnophoriniとCoenosiiniを区別することが主目的ではありませんでした.そのために,あの検索表の1は従来の区分をより明確な表現に変えただけでした.しかし,Lispeの中には3本の下前側板剛毛のうちの下(逆三角形の頂点の位置)の剛毛の位置が,上の本を結んだ線(逆三角形の底辺)の中ほどにほぼ位置するものもあります.これらは単純に検索するとCoenosiiniに行ってしまう危険性があります.それで,本亜科の検索のはじめの部分は以下のようにした方が安全かも知れません. 1.下唇鬚は細長く,先端がやや膨らむことがあっても,顕著に匙状にはならない・・・・・2 下唇鬚の基半部は細く,先半部は匙状に著しく拡大する;3本の下前側板(腹側版)剛毛の基部を結ぶ逆三角形において,下端の刺毛の基部の位置は通常,底辺(上の2本の基部を結ぶ仮想線)の中央のレベルより後方に位置するる・・・カトリバエ属Lispe 2.3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2以下で,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルより後方に位置する.・・・・・・ミズギワイエバエ属Limnophorus 3本の下前側板(腹側版)剛毛基部を結ぶ逆三角形(倒三角形)は,ほぼ正三角形か,あるいは高さが底辺(上の2本を結ぶ仮想線)の1/2より長く,且つ下端の刺毛の位置は底辺の中央のレベルか,それより前方に位置する・・・・ハナレメイエバエ族Coenosiini・・・3 なお,「日本のイエバエ科」のCoenosiaの検索表は,英文,和文とも最初の部分は下記の通りでないと,引き違いを起こす可能性があります. 1.胸部側板は全体が黄色で灰色粉を欠く・・・キイロハナレメイエバエ(C. xanthopleura sp. nov.) 胸部側板は褐色または暗色で灰色粉で被われる・・・(2) 2.前腿節はほとんどあるいは全面的に黒色・・・・・(3) 前腿節はほとんどあるいは全面的に黄色・・・・(5) 3.脚は全面的に黒色;中脚と後脚の腿節及び脛節の腹面には長毛を密生している・・・・・ケブカハナレメイエバエ(C. penicillata) 脚のいずれかの節は2色または全面的に黄色,・・・(4) 1. Thoracic pleura entirely yellow, without dense dust・・・・C. xanthopleura Thoracic pleura brown or dark color, with greyish dust・・・・・(2) 2. Fore femur entirely or almost entirely black・・・・(3) Fore femur entirely or extensively yellow・・・・・(5) 3. Legs entirely black; ventral surfaces of femora and tibiae of mid and hind legs with numerous long hairs・・・・C. penicillata Hennig Some podites (leg segments) bicolored or entirely yellow・・・・(4) この場をお借りしてお願いがあります.もし,昨冬この掲示板に図示されたリュウキュウシリボソハナレメイエバエの標本と,今回図示されたCoenosiaの種の標本に余剰のものがありましたら御恵与いただければ大変ありがたいです.もし,シリモチハナレメイエバエとウロコシリモチやヤエヤマクシヒゲハナレメイエバエの標本をお持ちでなければ,これらと交換していただいても結構です. 2008/12/28(Sun) 05:45:26 [ No.5162 ] ◇ Re: 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:Acleris 引用 三枝先生、返信ありがとうございます! >「日本のイエバエ科」の303ページのText-fig.52のaとbにこの種の交尾器が図示されています あ、、、、すみません。 カトリバエも同時に調べていて、ごっちゃになっていました。 「交尾器の図がないため」ではなく 「交尾器の図と一致しないため」でした。 下前側板刺毛(腹胸側板剛毛)の下端の毛の位置は、 どちらかと言うと前方寄りで、 少なくとも後方に位置するようには見えません。 下唇鬚は「顕著」なさじ状には見えません。(微妙、、、、) 比較図や、手持ちの比較標本が少ないので、 私ではやっぱりムリですね。 専門家のお手を煩わすようで恐縮ですが、 標本を送ります。 ただ、1個体のみのため交尾器を抜いた体液のしみた標本しかありません。 リュウキュウ〜と思われる標本は複数ありますので、それも送ります。 (ここの掲示板で写真同定していただいただけなので、これも少し疑問符付きです。) すみませんが、標本は会社に保管していますので、 正月明けに送ることとなりますが、よろしくお願いします。 2008/12/28(Sun) 08:49:06 [ No.5163 ] ◇ Re: 神戸のハナレメイエバエ? 投稿者:三枝豊平 引用 Aclerisさん.Lispe属の下前側板剛毛の位置や相対的,絶対的大きさはかなり種で変化があるようです.Muscidaeは私自身まったく不勉強で,これから篠永先生の本等を参考にして,せめて属まで同定できるように努めたいと思っています. 標本の件は有難うございます.お送りいただいたら,詳しく調べさせていただきます.別に急ぎませんので宜しくお願いします. Aclerisさんをはじめ,この掲示板関係の皆さん,今年もいろいろと双翅目の興味深い情報を有難うございました.私にとりましては大変参考・勉強になりました. 少なくともハエ関係の出来事では来るべき新年が良い年になりますように. なお,新訂原色昆虫大図鑑第3巻など私の著作に関わる場合には実名で書き込んできました. 2008/12/29(Mon) 08:16:11 [ No.5166 ]
◆ ボウフラは写真で・・・ 投稿者:新屋 引用
ため池から見つかったカの幼虫です。写真だけで同定は可能なのか知りませんが、いかがでしょう。 夏にこの辺りをうろついてもカにたかられないので、成虫は人から吸血しないっぽいです。 他に写真は3枚あります。体長約6mm、12月25日、札幌市 2008/12/27(Sat) 16:13:29 [ No.5151 ] ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:茨城_市毛 引用 新屋様. 日本産水生昆虫 科・属・種への検索(東海大学出版)を見ると,実体顕微鏡で精査してある程度の同定が可能で,正確な同定にはプレパラートにする必要があるようです. 大きな図書館には大概有ると思いますので,一度ざっと検索を見ると色々なグループをどのように見ていくか参考になると思います. 2008/12/28(Sun) 20:09:59 [ No.5164 ] 投稿者 修正削除 暗証キー ◇ Re: ボウフラは写真で・・・ 投稿者:新屋 引用 ありがとうございます、参考にします。これも顕微鏡クラスなのですね… 2008/12/29(Mon) 19:56:38 [ No.5167 ] |
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