双翅目に興味を持ち、いくつかの本を読んだりネットで資料を探したりするうちに、自分の専門分野とは異なる状況に気がつき、その違いに大いなる興味を持ちました。
双翅目についてたとえば、「中国蠅類」のような分厚い本が出ています。これは中国で出版された本ですが、中国はこのような双翅目について(ひょとすると昆虫全般について)、日本よりも進んでいると理解していいのでしょうか? 中国がこのような分野について研究が進んでいるとすると、それはなぜなのでしょうか?農業や衛生面から実用的な意味があり研究が進んでいるのでしょうか?国が特別の目的で研究促進していると考えるべきなのでしょうか? そもそも、双翅目の研究は、純粋に博物学的な興味以外では、どのような目的で行われているのでしょうか? (農作物の害虫や衛生昆虫としては、研究目的がはっきりしています。またショウジョウバエは遺伝子の研究のための対象として取り上げられている。)
赤塚カケス様.
私の憶測としては,分類も科学研究ですから,国力誇示的な考えがあるのではないでしょうか. 中国の場合,文化大革命などで科学が停滞していましたので,追いつき追い越せ的なパワーもあると思います. また,中国でのタイプ標本の貸出禁止や昆虫標本の国外持出禁止などの話を聞く限り,標本=国有財産となっているようです. ロシア(ソ連)はかなり分類が進んでいるようで,下記のようなシリーズが多数出版されており,重要文献となっています. ・Fauna of Russia (Fauna of U.S.S.R) ・Keys to the insects of the European part of the USSR ・Keys to the Insects of the Russian Far East 旧ソ連が崩壊してからは,研究の環境(予算等)がかなり悪化したようですが,それでも黙々と色々な論文が出てきます.
茨城_市毛様
レスを頂き有難うございます。 「中国蠅類」まだ入手していないのですが、「書虫」に出ているこの本の写真を見ると凄い情報量のようで、中国の凄さというものを感じます。ただ紙質が悪い、とこぼされている書き込みを見つけたので、せっかくの本が紙質で損なわれているとすれば残念です(途上国は似たようなもので、たとえばタイで出版された本は表紙は立派なのですが、中の紙は藁半紙のような紙で出来たものがあり、途上国の出版事情にその国の方に同情してしまいます。タイ人はあまり本を読まないので出版が成り立ち難いようです)。 昔は、私の分野(土木工学)でも、ロシア語やドイツ語で多数の論文が出されていて、古い先生方の中には、数ヶ国語を読んでおられた方があるようですが、今はほとんど英語で用が足りるようになり、便利になりました。 昆虫の分野は、中国やロシアが進んでいるというのは、私には有る意味で驚きでした。日本もこのような分野(基礎科学)にももっとお金が入ってきて、専門家が育つ仕組みを考えないと国力という点からも心配です。ポスドク問題と併せて、基礎科学の充実が必要ですね。
赤塚カケス様.
「中国蠅類」については,本の厚さを抑えるためか,結構薄い紙が使用されています.紙質が悪いのか,めくった拍子に破けることが時折あります(^_^;) 白色度は悪くないのです.コピーするとバッチリ裏写りしますが・・・. 中国の本は何冊も持っていますが,こんなデリケートな紙は初めてです.
赤塚カケス様
私は昔、海洋生物学関係の研究室にいたことがあるのですが、そこの先生からいろいろこの辺りの事情を教えていただいたことがあります。 西側各国では分類学の研究対象は基本的には研究者個人の意思に基づいて自由に選ばれてきました。これに対して東西冷戦時代の東側では、国内の生物相は国の財産であるという理念に基づき、大学で研究者の卵の段階から各分類群の分類学の研究者を計画的に割り振って養成し、国家プロジェクトとして生物相の解明を推進してきたのだそうです。 ですから、昆虫に限らず、旧共産圏の生物相は解明度が非常に高いようなのです。
茨城_市毛様
>中国の本は何冊も持っていますが,こんなデリケートな紙は初めてです. 「中国蠅類」は欲しい図書の1つですが、ちょっと心配になってきました。でも結局は購入すると思います。 ウミユスリカ様 >ですから、昆虫に限らず、旧共産圏の生物相は解明度が非常に高いようなのです。 旧共産圏にはそんな秘密があったのですか。生物兵器への利用などもひょっとしたら念頭にあったのかも・・・・ということまで想像を逞しくしてしまいました。
もともとの発想は、共産圏というよりヨーロッパ文化に古くからあるものなのです。
インベントリーInventoryという語をお聞きになったことがありますでしょうか?これは貴族の領地なんかで、領主の狩猟の対象となる動物がどんな種類がどれだけいるのかを調査して、目録にしておく事を指していた語です。現在では商店なんかのたな卸しのことも指していますが、元祖インベントリーも欧米ではずっと行われ続けました。 それどころか、ヨーロッパの勢力が新大陸、アジア、アフリカへと拡大していくと、博物学者を派遣して、その地にどういう(潜在的)生物資源が存在するのかを徹底的に調査するようになります。欧米の植民地帝国を縁の下で支えていたのは、このインベントリー活動でした。当時、日本にもこういう目的でシーボルトが派遣されてきましたよね。 ですから、(日本を除く)西側諸国でも自国の生物相のインベントリーは着実に進められてはいたのですが、共産圏ほどには国家プロジェクトとして計画的には行われなかったと言ったほうがよいのかもしれません。ロシアにしても西ヨーロッパに比べると近代化の遅れた後進国でしたので、その遅れを取り戻そうというあせりは大きかったですから、ソ連時代にはそれを工業化と同じ発想で、計画的に推進したんでしょう。 |
1.「ハエー人と蠅の関係を追うー」篠永哲著 八坂書房
2.「新版 日本の有害節足動物」 東海大学出版会 を見るとすばらしく細密に描かれたハエの絵が収録されています(1番はカバー裏)。(左の写真は1番の本からデジカメで) 長時間でも見飽きない美しい絵です。 生物系の教育では、顕微鏡を見て正確にスケッチするトレーニングを受けるということを聞いたこともあり、この分野の方は概してスケッチは上手だと思います。ただ、上記の本に掲載されているスケッチは、抜群の上手さです。 ボタニカルアートという植物を描く分野がありますが、同様にこのような昆虫を描く特別な手法やテキストなどは存在してるのでしょうか?自分でも挑戦したくなって来ました。図鑑もこのような絵で出来たものがあれば手元においてじっくり眺めたいものです。鳥では外国の図鑑はイラストで描いてあるものが多く、そのような図鑑を集めたり見たりするのも楽しみの1つです。 もし昆虫の絵を描くヒントなどがあれば教えていただければ幸いです。
衛生害虫のハエや蚊の全形の墨絵の多くは,かつて神奈川県にあった米軍の衛生関係の研究所と関係のある職業的画家によって描かれたものである,と言うことを聞いたことがあります.かなり信憑性がありますが,この画がそのようなものの一つであると確信があるわけではありません.また,日本の昆虫学者がそのような画家に依頼して描かしたものかもしれません.
今,日本でこのような画を描く昆虫学者はほとんどいないでしょう.昨年逝去された蝶類研究家(非職業的)である五十嵐 邁さんはアゲハチョウ類の幼虫や蛹の詳細な着色図を描いています.例えば彼の著書の講談社発行の「世界のアゲハチョウ」にでている画の多くは彼が描いたものです(後年は専門の画家に依頼したので,これらの画のすべてを彼が描いたわけではありません).世界文化社発行の彼の絶筆,「アゲハ蝶の白地図」にも彼が晩年に描いたテングアゲハの蛹の図があります.この図はしかしやや衰えが見とれます.また,手代木求さんの「日本産蝶類幼虫.蛹図鑑」にも彼が描いた素晴らしい着色図があります. 現今の大学の昆虫学関係の研究室では,特に全形図の写生を指導するようなことはほとんどないでしょう.ただし,交尾器などの解剖部分の線画は必要ですから,教えたり,また学生が自主的に習熟して描くようになっています.このような形態図の描き方を解説した著書はありません.もうずいぶん前(60年近く前でしょう)に雑誌「新昆虫」の創刊頃の号(1,2巻頃だったでしょう)で,昆虫写真家の確か染井さんだったでしょうか,線画の書き方の解説をしたのがあったと記憶しています.昆虫の外骨格の骨化部(クチクラが厚く硬い部分)を白く抜いて,膜質部(クチクラが薄く柔軟に伸縮できる部分)を点を打って表現する形態図の描き方は,米国の昆虫形態学者Snodgrass(Principles of Insect Morphologyの著者)の手法に基本的には倣ったもので,この変形(凹凸の状況を輪郭より細い補助破線を用いて表現する画法,など)は九州大学で昭和35年頃に2名の研究生(白水先生とともにシジミチョウ科Zephyrus類の著名な研究者で故人)と院生(今は退職者)によってほぼ確立され,これが今多くの昆虫学者に踏襲されています.一方,しばしば見られるような凹凸や濃淡を点の密度で著す画法とはべつに,前述の形態図よりも多くの細線を用いて表現する写生画法は,大英博物館(自然史)(British Museum (Natural History),今のThe Natural History Museum)の昆虫画家Terziやその後継者Arthur Smithによって確立され,後者がAquatic Insects of Californiaで示している水生半翅類の多くの全形図はその最たるものです.この画法に従って描かれたものが,今は絶版になっている北隆館の日本昆虫分類図説第1集第3部半翅目・アメンボ科の全形図です.この図は前述の「院生」によって描かれたものです.手に入りにくい本ですが,もし,このような画に興味がおありでしたら図書館などで参照ください. 形態の画像については,一部では依然としてプレパラート標本を写真撮影しているのもあります.特に,日本鱗翅学会の「蝶と蛾」に掲載される論文の多くは最近特に写真になっています.ただ写真撮影をする場合は,Helicon Focusなどの焦点合成ソフトなどを使わない限り,対象が1平面的でないとピントのずれが起るので,結局立体構造を持っている交尾器などを平圧してスライド作成をすることになり,それによって本来的な形状がゆがめられる欠点があります.しかしまた逆に写真ですから,それによって示される客観的状態も表現される利点があります. ご参考になるかどうかわかりませんが,あなたの質問へのお答えとします.
赤塚カケス様.
昆虫の描画については,下記のブログで紹介したことがあります. http://dipterist.cocolog-nifty.com/syrphidae/2007/10/scientific_illu.html このほかにも,"Scientific Illustration"等のキーワードで探すと,色々なHPがあります. 日本の場合,研究者が図まで全て書くのが一般的ですが,欧米では文章は研究者が書き,図は専門の画家が書くことも多いようです.大概,論文の謝辞に誰が描いたか記されていますし,図にサインが入っていることも良くあります. 先の図版については,アノニモミイア様が記されているように,伝説のアメリカ陸軍の406号研究室(Dep. Ent. 406th Medical Laboratory, U. S. Army)で描かれたものと思われます.Fauna Japonicaの謝辞にイラストレーターの名前が載っています. 一説では,1枚1週間とか1ヶ月掛かったとの話や,ものすごい高給取りだったとかの話もあります;^_^) P.S. 確かに,本文と図を分担したほうが研究としては効率的ですが,見ると描くとでは形態に対しての観察の深さが異なるようです. 私のような素人の場合,見ているだけではわからなかったことが,描いて初めて気が付くことが多々あります.
アノニモミイア様
茨城_市毛様 とても詳しいレスをいただき有難うございます。 昆虫のイラストだけでもずいぶんと奥が深いのだなと、コメントを読んで感じました。 市毛様にご紹介いただいた http://www.entomology.umn.edu/museum/links/5051.html にアクセスすると、イラストの描き方のパワーポイントのテキスト(説明)が出てきてとても参考になります。 またその中で、テキストとして The Guild Handbook of Scientific Illustration が紹介してあり、この本をアマゾンで立ち読みしたら、非常に面白そうな本でした。 双翅目に興味をもったら、色々な新しい世界が増えてきて楽しいです。(仕事でも少し役に立ちそうで、講演の機会などで少しハエの話題を使おうと思っています)
茨城_市毛様に教えていただいたイラストのサイトからパワーポイントの資料をダウンロードして、そこに掲載されている情報から、昆虫等の採集と整理のテキストにたどり着きました。
PDFで70ページ近いもので、一冊の本(英文)が無料でダウンロードできますので報告しておきます。 米国の農務省のサイトで http://www.ars.usda.gov/Main/site_main.htm?docid=10141&page=1 Introductionのところから全文PDF版がダウンロード可能です。 本の名前は Collecting and Preserving Insects and Mites: Tools and Techniques です。 このサイトを頻繁にごらんになっている方はご存知の内容だとは思いますが、昆虫初心者の私には非常に参考になりそうなテキストです。 以上ご報告しておきます。 |
はじめて投稿します。昆虫についてはアマチュアですが昆虫標本に関連した事を調べていて、このサイトにたどり着きご存知の方がいらっしゃるかもしれないと思い投稿いたします。
微小昆虫を乾燥標本にする際に使う微針の台として、最近はポリフォーム材などが使われているはずですが、古い文献を見ると、ポリポリスというキノコを乾燥させたものを使う、と書かれています。このキノコの正体を調べています。おそらくサルノコシカケ類と思われますが、名前をご存知の方、あるいは実物を持っておられる方はおりませんでしょうか。 双翅類とは全く関係ない書き込みで申し訳ないのですがご教示いただければ思います。宜しくお願いいたします。
あなたは「ポリポリス」と綴っていますが,ポリポルスPolyporusです.ポリポルスの微針用の台は10年ほど前まではヨーロッパの自然史用具関係の会社では扱っていましたが,最近は見かけなくなりました.イギリスのWatkins and Doncaster社でもかつては販売していたと記憶していますが,最近はNu-Polyという名称で,緻密なポリフォームを販売するようになってしまいました.私もいくらか持っていたのですが,今はポリフォームを使うので,おそらく捨ててしまったと思います.
正確な名称は知りませんが,Polyporus属ですからあなたが推定されているようにサルノコシカケ類と思います.菌糸が緻密に絡まったしっかりした硬めの素材で,色は白色ないし汚白色です.販売しているのは2−3mmの角柱で,長さが10cm未満であったでしょうか. 現在でも,ヨーロッパの古い標本などを手に入れると,しばしばこのポリポルス台を用いたものがあります. 日本ではポリポルスの代わりにヤマブキの芯,カミヤツデ(つうそう)の芯などが用いられましたが,微針に対する把握状態がよくなくて,ぐらつくことが多く,この点ではポリポルスに劣っていました.また,コルクや圧縮コルクも以前はよく用いられました. ポリポルス台の実物は,近くでヨーロッパの蜂やハエなどの昆虫標本を保管している博物館や,どなたか個人でこのような古い標本を交換をしている方がいたら,多分これでマウントした標本を持っているでしょう.
アノニモミイア様
ご返事ありがとうございました。白色なのですね。 それなら標本箱のガラス越しでもコルクと区別できそうです。博物館で探して見ます。 |
こちらのサイトの過去の書き込みを探しているうちにCoenosia属の写真に出会いました。その中の書き込みにあるようにCoenosiaでGoogleの画像を探してみると非常に面白い写真に出会いました。
http://www.diptera.info/articles.php?article_id=17 Coenosia attenuataが手乗りハエになり、空中の餌を採ると鷹狩のようにまた手元に戻ってくるという内容です。 ハエが人間の手に乗ることすら信じがたいのに、またその場所に戻ってくるというのも凄いです。 日本にもこのハエはいるのでしょうか。文中の記述では世界中に分布が広がっていると書いてありますが・・・
赤塚カケス様.
Coenosia attenuataメスグロハナレメイエバエは,近年高知から記録されました.ネットで調べると色々と出てきます. 専門家が皆無に近いので,国内の分布は不明です.
茨城_市毛様
日本でもこの興味深いハエが観察されているのですね。ぜひ見てみたものです。 Coenosia attenuataの和名は「メスグロハナレメイエバエ」でしたか。考えてみれば、学名をGoogleに入れて日本語のHPに限定して検索をかければ和名も調べることが出来ますね。 インターネットの検索に依存しないで、学名から和名を調べたり、和名から学名や英名を調べるのには通常はどのような方法で行われているのでしょうか?(ネットには間違いもあると思うので、信頼度の高い方法という意味で、ネットに依存しない方法を取るのが基本のような気がします) また、私は鳥の学名でしばしば経験したのですが、同じ鳥のはずなのに本によって学名が異なっており学名が揺らいでいることを経験しました。藻類でも同じようなことがありました。 そのような学名の整理は一体どのようにして行われてるのでしょうか?ハエ目の世界では学名は安定していますか?
赤塚カケス様.
ネット依存しないとなると,"日本産昆虫総目録"や"日本産昆虫の英名リスト"を調べる以外方法は無いと思います. 当然,新しい学名や今回のような新しく日本から記録された種類は調べられません. また,大半の双翅目には和名は無いと思ってください. 日本産全種に和名をつけるべきであるという極論もありますが,100種単位で和名を考える苦労を無視した暴論だと思っています. 園芸植物などは,学名をカタカナで書いて和名と称して通用しているのですから,これで十分なはずです. 学名の安定性については,学名は研究の進展によって変わるものだと考えてください. たとえば滅多に新種が出ない鳥類でも,DNA等の研究の結果いかんによっては,がらりと変わる可能性もあるはずです.
茨城_市毛様
「日本産昆虫学名和名辞書(DJI)」 http://konchudb.agr.agr.kyushu-u.ac.jp/dji/index-j.html というサイトを見つけました。 日本産昆虫総目録 (平嶋義宏監修、九州大学農学部昆虫学教室・ 日本野生生物研究センター共同編集、1989、同追加・訂正、 1990) が基になっているということで、市毛様から教えていただいた総目録です。このような信頼できる便利なデーターベースがネットで公開されているのですね。 Coenosia attenuataは新種のため登録されていませんでしたが、このデータベースがあれば十分に活用でき、私レベルではこれで十分すぎるものだと思いました。 |
こんにちわ、かつてカマバエで書き込みを一度したことがある赤塚カケスといいます。
ハエの初心者です(昆虫学等の専門的な教育を受けたことはありません。一応理系ですが力学系の工学出身)。 最近、ハエ目に非常に興味を持つようになりました。ハエやアブの姿を見ていると魅力的な姿かたちをしたものがたくさんあることに気がつき、もっとハエたちのことを知りたくなりました。また、ハエの衛生に与える影響についても気になり、この観点から解説した本を探しています。 というわけで、ハエに関する本を探していますが適当な本が見つかりません。 教えていただければ幸いです。主として イ)ハエの生態、 ロ)衛生的な問題をどのようにして引き起こすのか、 ハ)ハエの美しい写真やスケッチなどが集まられた本 を探しています。 すでに集めた本は 1.日本動物百科10巻(昆虫3) 2.ハエ学 篠永哲ほか著 3.図説 ハエ全書 4.ハエ 人と蠅の関係を追う 篠永哲著 5.Fly by Steven Connor 6.The Natural History of Flies by Harold Oldroyd(アマゾンで注文中) などです。 また「中国蠅類」や「日本のイエバエ科」などは上記の要求を満たす本でしょうか?(それとも分類に欠かせない本ということで、生態等については記述はあまりないのでしょうか?) なお、虫を殺すことは忍びないので(タイで生活した経験があり、タイ仏教での在家の五戒(殺すな、嘘つくな、盗むな、酒を飲むな、淫らなことをするな)を「なるべく」守るようにしています)、双眼鏡での観察や写真を撮る、死んだ虫を探して実体顕微鏡で見て楽しむというのが現状でこれらの楽しみ方を補助できる知識を求めて本を求めています。
すみません、間違えました。
日本動物百科10巻→日本動物大百科9巻(昆虫2)(平凡社) でした。
ハエの仲間(双翅目;ハエ目)に興味をもたれたとのこと,大変結構なことだと思います.この仲間については職業的研究者も少なく,また非職業的研究者や愛好者(いわゆるアマチュア)もあまり多くありません.学会,同好会も少なくて,双翅目談話会と双翅学会の二つだけです.後者もこれから体制を整えてより活発な活動を行なうという段階です.日本では双翅目の分類学的研究も大変遅れています.昆虫の研究・調査は非職業的な人々の努力に負うところが大きいので,是非ハエにたいする興味を深めてください.
ご質問ですが, "というわけで、ハエに関する本を探していますが適当な本が見つかりません。" なんでもそうですが,自然界では物の姿・形を知っておくことは,自然認識の第一歩でしょう.これまで昆虫の形態についてどの程度の知識をお持ちか存じませんが,ハエの仲間は蝶蛾や甲虫,トンボなどとくらべるとかなり変わった形態になっています.少し専門的になりますが,北隆館発行(2008年)の「新訂原色昆虫大図鑑第三巻」に双翅目の形態について基本的なところを私の解説があります.かなり高価の本ですから,双翅目(ハエ目)の部分の概説だけをどこか図書館で借り出してコピーされたらいかがでしょうか. ”また「中国蠅類」や「日本のイエバエ科」などは上記の要求を満たす本でしょうか?(それとも分類に欠かせない本ということで、生態等については記述はあまりないのでしょうか?)” 中国蝿類は概説の部分に双翅目の形態,生態等についてかなり詳しい説明がありますが,中国語ですので記載の部分と違って中国語の語学力がないと,委細には理解できないかと思います.本書の大部分は中国の双翅目の主要な科の属や種の検索表になっています. 「日本のイエバエ科」は分類の本です.英文で日本のイエバエ科の属の解説,種の検索表,種の記載などが載っているほかん,巻末には日本語で属や種の検索表が載っています.この掲示板でも時折ふれられていますが,誤植などが散見されますので,読むときには少し注意する必要があります. 衛生関係の本については,他の方がまた紹介されることと思います.The Natural History of Fliesはなかなか双翅目の一般的知識を得るにはいい本ではないかと思います.
赤塚カケス様.
マイナー昆虫なので,中々難しい問題ですね. いずれにしても,海外の書店をあたったほうが良いです. NHBS, Pensoft, Apollo books, etc. また,英語ではなくドイツ語の書籍が多いと思います. ロ)については,素木得一の衛生昆虫に色々と書いてあるかも知れません. ハ)については,Fliegen und Muckenの新版と旧版ぐらいですかね. なお,Amazon.jpでの海外のハエ類の専門書は余り期待できません. 以前は,結構普通に入手出来たのですが,ここ2年ほどは,1〜2ヶ月ぐらいすると毎回下記のようなメールが届きます. ---------------------------- 誠に申し訳ございませんが、大変残念なご報告があります。お客様のご注文内容のうち、以下の商品については入手できないことが判明いたしました。 ○○△ (著) "○△ Flies of △○○" 私どもでは、ごく最近までこの商品を入手可能なものと見込んでおりました。 この結果がわかるまでに長い時間がかかったことについても、心よりお詫びいたします。 勝手ながらお客様の注文からこの商品をキャンセルさせていただきました。 お届け先が国内の場合、この商品がキャンセルされたことにより、この商品と同一の注文番号で他にご注文いただいている商品の合計金額(税別)が一定額を下回ると、請求額に配送料が加算される場合がございます。 その場合、当サイトにて配送料の調整を行いますので、お手数ですが、下記のURLからカスタマーサービスにEメールでお問い合わせください。 Amazon.co.jp カスタマーサービス部門
三枝豊平様、茨城_市毛様
貴重な情報有難うございます。 確かに分類は基本ですね。私は鳥を見ている時期がありましたが、まずは識別が出来ないと話にならないので、昆虫でも同様ですね。ただ虫を殺さないことを基本にしているので、実体顕微鏡の下で確認することが少なく、昆虫の分類となるとちょっと・・・・となってしまうのが現状です。 英語は、日頃仕事の中でも読んでいるので自分の専門外でもさほど抵抗がありませんが、ドイツ語は学生時代に挫折したのでさっぱりです。自分の職業の専門分野でも理解不可能です。中国に双翅目関連の専門書が有るのには驚きです。 Fliegen und Mucken ドイツ語で敷居が高いですが、写真集のようなものであれば何とかなりそうです。 素木得一の衛生昆虫 これも調べてみます。 新訂原色昆虫大図鑑第三巻 これも近日中に本に当たってみます。 いま、アリにも興味を持っていますが、アリの本は比較的入手しやすく、生態等についても詳しく書いた本が手に入ります。(例えば、The Ants by Holldobler(はじめのoの上にウムラウト記号) and Wilson,The Fire Ants by Walter R. Tschinkelなど)。ハエの世界も同じ感じかなと思ったのですが、かなり事情が違うようですね。 以前、アリを観察していて、アリが白蟻を次から次と狩をしてゆく場面を見たことがあります。このとき、白蟻を捕まえたアリが、捕まえた瞬間、「やったぜ」という感じで喜んでいるように見えました。私は虫の観察に、最近は近距離が見える双眼鏡(50cmまで近寄れる仕様になっているPentaxのPapillioと言う双眼鏡の6・5倍を使用)を使っていますが、これを使うと小さなアリも表情まで分かるような気がします。双翅目は、まだこのような経験はありませんが、アリの経験から昆虫でも感情を持っているような気がします。
衛生害虫の本を入手しましたので報告します。
「日本の衛生害虫ーその生態と駆除ー」鈴木猛、緒方一喜著 新思潮社 1968年出版 今から40年以上前に出版された本ですが、私の知りたい情報がほとんどカバーされています。 このような分野の学問が「衛生昆虫」というキーワードでカバーされているのですね。
赤塚カケス様.
そういえば,ハエ-生態と防除- 文永堂という本も出ています. 著者は,ハエの専門家である篠永氏です.
国内で出版されている、現行の衛生害虫関係の図鑑として、
原色図鑑 衛生害虫と衣食住の害虫 全国農村教育協会 原色図鑑 野外の毒虫と不快な虫 全国農村教育協会 新版 日本の有害節足動物 東海大学出版会 があります。 どれも、衛生害虫の入門書という位置づけで、ハエに限らず主要な衛生害虫が鮮明な写真とともに掲載されています。厳密な種の同定には向かないかな?と思いますが、お探しになっている本の趣旨には合っていると思います。なお、日本の有害節足動物は定価15,000円+税と高いので、可能なら図書館等で実物を見てから購入するかどうか検討された方がよいでしょう。
茨城_市毛様、猫又様
ハエの本の情報有難うございます。 ハエ-生態と防除- 文永堂 は古本のサイトを当たって見たところ2万円以上の値段がついていました。中身を見ないで買うにはちょっと高くて手が・・・・。図書館で探してみることにします。 新版 日本の有害節足動物 東海大学出版会 は本日、本屋で確認してきました。写真もすばらしいのですが、イラストが見ほれるほど美しくて直ぐにでも購入したくなりました。資金が溜まったら最優先で購入するリストに入れたいと思います。 アマゾンに注文を出していた、 The Natural History of Flies by Harold Oldroyd 先ほど自宅に配達されて来ました。1964年初版の本です。 思っていたよりもサイズがコンパクトでした。まだ手元に来て1時間もたっていないので、中身をお知らせ出来ませんが、面白そうです。じっくり読み込んでみます。 なお、アマゾンは今、洋書が値段が大きく下がっています。この本の注文を出した時点では約3千円したのですが、本日昼間確認すると約2千円になっていました。先月購入したアリの本(洋書)も同様で、数日で数千円値段が安くなりました。洋書は円高の今がチャンスかもしれません。 |
本日スパム投稿を携帯で見ながら管理していたら、妙なことをやっちゃったらしくてBBSを初期化してしまいました。(慣れないことをやるもんじゃありませんね・・・)
あわてて当方でとってあった過去ログを入れたのですが、2008年10月までの記事しか復旧できませんでした。申し訳ありません。 なんとか画像の方はサーバーに残っていたのを逆DLして保存したのですが(携帯で見ると画像が見れないので残っていたらしい)文章の方は消えてしまっていました。 この消してしまった4ヶ月分の書き込みにも貴重な書き込みもあったと思うのですが、申し訳ありません・・・ なかなか家でネットが見れない状況なのでご迷惑をかけますが、よろしくお願いいたします。 文章を消してしまった画像4ヶ月分に関しては近々なんかの形で公開して、補足をいただけるようにしたいと思います。 よろしくお願いいたします。
ハエ男様.
今朝は,いきなりデータが消えていたので驚きました. ここ数日,頻繁にスパムが投稿されていましたね.管理ご苦労様です. 私の手元に,1月2日までのサイトをダウンロードしたものがありますので,原稿書きが終わったら,簡単に整理してみます. 他にも,ダウンロードしている方がおられましたら,御協力よろしくお願い致します.
書き書きしながら,連続投稿にならないように消失していたスレッドの骨子をupしていたら,いつの間にかエロスパムが投稿されていました.
イタチごっこですね(^_^;) やはり,スパム対策にコメントの画像認証を行うのが,今のところ最善の策と思われます.
とりあえず,手元にある1月2日の早朝分までのテキストデータをUPしてみました.
手元には画像も保管されています. では,また.
相変わらず,毎日スパムが多いですね.
今回のログ消失騒ぎで初めて気が付いたのですが,パスワードが必要なはずなのに,Googleの検索ロボットが回っていますよね. ".htaccess"で巡回を弾いていないのでは? |
データがドッサリ消えてしまって、皆さん意気消沈しておられる様です。お気付きの方もあるかも知れませんが、投稿の表題等でGoogle検索し、そのキャッシュを見れば、まだそのままチャンと残っています(Yahooのキャッシュには残っていない様です)。
もし、市毛氏のバックアップに欠落している部分があれば、キャッシュから写真を含めて拾うことが出来ます。私としては欠落部分の有無は分かりませんが、必要であれば、画面からばかりでなく「Tenporary Internet files」からも種々のデータを拾うことが出来ます。 御参考まで。
アーチャーン様.
確かに,Googleのキャッシュに結構な量が残っていたので,ローカルに保存しておきました. 残念ながら,私が投稿したヤチバエに近縁な新属については,キャッシュにアクセスしたらエラーになって保管出来ませんでした. |
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