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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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イラガの寄生蝿 投稿者:しぐま 投稿日:2008/08/03(Sun) 06:59:22 No.4746  引用 
初めまして。どこで質問しようか迷ったのですが、思い切ってここに来ました。素人には敷居が高そうなので少し緊張しています。

5月にフィールドでイラガの繭を採集し、室内飼育していました。
(セイボウが出たら良いなと少しだけ期待。)
そろそろ羽化する頃かと気にかけていたら先日なんと、容器内に一匹の大きなハエが居ました。繭の蓋はパカッときれいに開いていたので寄生されていたようです。
自分なりにネットで調べたところ、白くて大きな平均棍もあるし素人目にはブランコヤドリバエに似ている気もします。
しかし背中の縦筋が明瞭でないようです。羽化当日は不明瞭なのでしょうか。ブランコ状態の蛹も見ておりません。イラガの繭から突然ハエが羽化したようです。
残された羽化殻をピンセットで取り出そうとしたのですけど、固い繭を壊さないと難しいようです。
この寄生バエの名前を教えて下さい。よろしくお願いします。


Re: イラガの寄生蝿 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/03(Sun) 11:56:24 No.4748  引用 
寄生蝿の同定結果ではありませんが,2点.

1.双翅目の同定,特にハエ型の双翅類の同定は,顕著な翅斑,体形や腹部の斑紋などを現さないハエの場合は,翅脈相,体の刺毛の分布状態を,種までの同定では雄の交尾器などの形質を調べて,初めて可能になります.ヤドリバエ科でもダイミョウヒラタヤドリバエ,マルボシヒラタヤドリバエ,セスジハリバエのように特徴がはっきりしている種はかなりの正確さで同定できるのですが,このような特徴的な種以外は上記の形質を見ないと同定は一般に困難です.
ヤドリバエ科はしかも種が著しく多く,日本列島だけでも数百種以上が生息しており,その中には名称がない未記載種や日本から記録のない未記録種も多数含まれています.
また,このサイトでは日本で2名しかいないヤドリバエ科の分類学者の直接的な関与はまだありません.
以上の現状では,ヤドリバエの同定の必用がある場合は,よほど同定の重要性が客観的に認めてもらえば,上記分類学者に同定を依頼して,同定していただける可能性があるかもしれません.しかし,このサイトでは形質が判然としない画像のヤドリバエの同定は困難だろうと思います.

2.日本のヤドリバエ科のハエの寄主対象のカタログ(2006)があります.これによると,イラガ科のイラガに寄生するヤドリバエは2種記録されているようです.それらは,

ムラタヒゲナガハリバエ Bessa parallela (Meigen)
 イラガを初め,甲虫類,ハチ類,鱗翅類の多数の種に寄生する,寄主選択性の幅が著しく広い種です.

イラムシヤドリバエ Chaetexorista sp. (Chaetexorista属の1種). 
 イラガ,ナシイラガ,ヤママユガに寄生.

です.この他に,おなじChaetexorista属のC. atripalpis Shimaという種は,イラガ科からのみ記録されており,テングイラガ,クロシタアオイラガに寄生するようです.

また,クロシタアオイラガには,上記のほかにPales pavida (Meigen)カイコノクロウジバエが,アオイラガには,Compsilura concinnata (Meigen)ノコギリハリバエとExorista sorbillans (Wiedemann)クワゴヤドリバエが,アカイラガにはExorista japonica (Townsend)ブランコヤドリバエとPales pavida(Meigen)カイコノクロウジバエがそれぞれ寄生することが記録されています.上記の諸種のヤドリバエは寄主の範囲がかなり広いので,あるいはイラガにも寄生するかもしれません.

以上を参考にされて,調査されると飼育されたヤドリバエの種がかなり絞られるかもしれません.

なお,白くて大きい平均棍とありますが,白く見えているのは翅の基部後縁が拡大したもので,覆弁(胸弁,鱗弁,膜弁)と呼ばれている構造で,平均棍はこれに覆われているかなり小形の器官です.

Re: イラガの寄生蝿 投稿者:しぐま 投稿日:2008/08/03(Sun) 21:23:52 No.4752  引用 
アノニモミイアさん
トンチンカンな素人相手にも関わらず、大変詳細な解説を書いて下さりましてどうもありがとうございます。
候補が絞れただけでも助かります。とても参考になりました。
寄生蝿ときちんと接するのは今回が初めてでしたが、自然観察では興味のあるテーマなので折に触れ勉強していこうと思います。初めの一歩。

Dolichocephala(北隆館の種?) 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/03(Sun) 11:46:45 No.4747  引用 
こんちは。

 左の画像は、以前 市毛さんがアップされたDolichocephalaの近似種と思います。
 北隆館に図示されているミズタマヒメシブキバエと思います。いかがでしょうか?

 もう1種 似た種が採れました(右の画像)が、こちらはLanposoma属に行き着きました。

 小さいので、採り難いです。


Re: Dolichocephala(北隆館の種... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/03(Sun) 14:26:34 No.4749  引用 
バグリッチさん.左の個体はミズタマシブキバエです.右のはLamposomaの1種ですが,最近はこの属をDolichocephalaのシノニムにしていますので,Dolichocephala sp.ということになります.こちらの方がずっと個体数が少なくて,どちらかと言えば珍品です.なお,綴りはLanではなくてLamです.

なお,写真のように虫の背面が針側になるように三角台紙にはりますと,背面の刺毛状態や斑紋など観察しにくくなりますので,私は腹側(脚のある側)が針の方(三角台紙の底辺の方)を向くように糊付けして,三角台紙が針の左側ではなくて,向こう側(底辺が手前側)に来るようにしています.結果的には頭部は左,腹端が右,背面が向こう側,腹面が手前側(針側)になるようにしています.これですと左側面が観察しやすいのですが,背面を見る場合には右手で針を持つと胸部背面の前方が手前にきてしまいますが,左手で針を持てば,胸部背面の前方が向こう側にきます.

コウチュウや多くのハチの標本のように,左側面に三角台紙を張ると,針の右側に虫がきて,右手で持っても背面をみるのに前端を向こう側にできますが,これですと頭部や腹部を右側面から見ることになり,多くの図が左側面を描いていますので比較しにくい難点があります.

Re: Dolichocephala(北隆館の種... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/08/03(Sun) 16:21:13 No.4751  引用 
アノニモミイア様

 いつもご教示ありがとうございます。
 左がミズタマシブキバエ、右はDolichocephala sp.とのこと、詳細のご説明ありがとうございます。

 三角台紙の貼り方は、いつも考えてしまうのですが、なかなか決めきれないでいました。
 見やすく使いやすい標本が一番よいと思いますので、今度は、アノニモミイア様の方法で作成してみます。

 引き続き宜しくお願い申し上げます。
 
 

モモにコブのあるSphegina 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 09:12:15 No.4735  引用 
今度はSpheginaです。

新潟県の奥只見地区で6月下旬に採集したSpheginaです。第1腹板は小さいですが顕著ですのでSphegina亜属です。

胸背の筋模様はほとんど認識できません。胸部の下面(下前側板)は白色微毛に覆われています。

前・中付節は黄色で先2節がやや暗化しています。


Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 09:14:42 No.4736  引用 
後脚です。

腿節は基部1/5が黄色の他黒く、中央下面にコブ状の突起を備えています。脛節は全体黒く、末端は尖ります。


Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 09:17:37 No.4737  引用 
第4腹板は顕著に盛り上がり、両側が角張り中央が平坦で断面は四角っぽいです。後縁は黄色く、左側が短く裁断されています。

Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 09:29:05 No.4738  引用 
Geniです。

Surstylusの形状はミカドハナダカに似ています。

昨年、市毛師匠から提供された暫定検索表では、S. (S.) stackelbergi アシグロハナダカチビハナアブに近いことが分るのですが、腹板の形状が違うように思います。

もしやこれがozeensisか?と思ってFauna Japonicaを見直しましたが、ozeensisやclunipesの記述とも一致しません。

これは、別物でしょうか?


Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:茨城@市毛_遠征中 投稿日:2008/08/01(Fri) 19:05:44 No.4740 ホームページ  引用 
pakenya様.

遠征中のため資料が手元にありませんが,私がS. (S.) stackelbergiとした種類と同一と思われます.

Mutinに標本を送ったところ,後腿節の突起や交尾器の構造からstackelbergiではなく未記載種と回答がありました.

Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 19:56:49 No.4742  引用 
市毛様、毎回ありがとうございます。

これはアシグロと同じなんですね。しかもまた、未記載種。

Spheginaのオスは皆、そこそこ特徴があって識別できるのですが、先日のまほろさんと同様、メスの識別に苦労しています。
Sphegina亜属だけでも何とかならないか検討中です。


ところで、また遠征中なんですね。また北海道でしょうか。
私のほうは、日曜からまた沖縄出張です。真夏の沖縄はハナアブが少なく、北国がうらやましく思えたりします。

Re: モモにコブのあるSphegina 投稿者:茨城@市毛_遠征中 投稿日:2008/08/01(Fri) 20:30:00 No.4743 ホームページ  引用 
pakenya様.

ご指摘のように,例によって北海道です.
今年より3年ほど山に登る予定です.
こちらも,海岸沿いの湿地を除き,平地では殆どハナアブが見られないようです.

山岳部でも,林道沿いでは殆どハナアブがいないのですが,花畑周辺や山頂部だけは多数のハナアブが見られます.

オオズクロハナアブか? 投稿者: 投稿日:2008/07/30(Wed) 19:45:42 No.4725  引用 
こんにちは

山形県で5月上旬に採集した小型(8mm)のCheilosiaです。
複眼は有毛、顔面にも顕著な長毛があるのでB種群です。
Fauna Japonica Syrphidaeで検索すると、Ch. ocularisオオズクロor sapporensisサッポロクロに行き着きました。
両種の区別点は、触角のサイズの違いにおかれています。
が、あれっ?
オオズクロの記載は1個体の♂に基づいているように書かれているのに、検索には♀の触角がkeyになっていますね。
なんじゃこれは!

農環研のType標本の写真を見ると、体色が赤褐色で翅はくちゃくちゃで、どうやらテネラル個体を元に記載されたようです。Holotypeの腹部は縮んでいるように見えますから、全長は記載の6mmより大きいのかもしれませんね。


Re: オオズクロハナアブか? 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/30(Wed) 19:48:23 No.4726  引用 
顔の写真です。

顔面はめっちゃ広く、下方に広がり、独特な顔つきです。
触角第3節は暗赤褐色です。
額が膨れていることなどもオオズクロの記載に一致します。


Re: オオズクロハナアブか? 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/30(Wed) 19:52:55 No.4727  引用 
横顔です。

これを見て、おや?って思ったのですが、極東の昆虫の図259に掲載されているCh. morioの横顔とそっくりです。
念のために、「極東」で検索するとやはりCh. morioにたどり着きます。でもこの種は日本からは記録されていません。

さあ、分らなくなってしまいました。


Re: オオズクロハナアブか? 投稿者: 投稿日:2008/07/30(Wed) 19:59:50 No.4728  引用 
最後に、geniの写真です。

「極東」に載っているmorioのgeniの図とはsurstylusのシルエットやsperior lobeの形は一致しないようです。

むしろ、sperior lobeの形状はsapporensisと一致するようです。

素木さんはgeniを研究しなかったので、FJSにはgeniの図はありませんので、これ以上進めなくなってしまいました。

さあ、この個体はオオズクロなのでしょうか、サッポロクロなのでしょうか。お導きをよろしくお願いいたします。


Re: オオズクロハナアブか? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/07/31(Thu) 20:18:05 No.4729 ホームページ  引用 
pakenya様.

これは上記とはまったく別物です.
腹部に不明瞭な斑紋を備えたB群の未記載種とされています.

北海道から関東に分布しています.

Re: オオズクロハナアブか? 投稿者:pakenya 投稿日:2008/08/01(Fri) 09:00:18 No.4734  引用 
市毛様

未記載種ですか、どおりでどれともピッタシではないんですね。すっきりしました。ありがとうございます。

Cheilosiaはやっぱり難敵です。

追加写真 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/17(Thu) 07:56:41 No.4703 ホームページ  引用 
 もう1枚、別の日に国分寺崖線の別の場所で撮った写真を追加しておきます。これも1枚撮ったところで逃げられてしまいました。これしか有りませんのであしからず。

Re: 追加写真 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/07/17(Thu) 08:58:54 No.4704 ホームページ  引用 
アーチャーン様,はじめまして.

ココログを見てきましたが,結構勉強しているようですね.
過去ログも色々と見てくれているので助かります.

さて,写真のヤドリバエはCylindromyia pandulata等とは腹部に白色微毛による帯を欠くことや翅脈が異なるので別種です.

また,手元に写真のヤドリバエと酷似した標本があるのですが,この標本では触角刺毛は多数の毛が生えているのでCylindromyia属とは別属になるようです.通常,Cylindromyia属は触角刺毛が無毛です.

一応,旧北区のヤドリバエ科の属の検索で調べたのですが,途中で躓いてしまいました.(実は,属の検索で100頁以上あります(^_^;)

Re: 追加写真 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/17(Thu) 13:30:20 No.4705 ホームページ  引用 
 早速の御回答有難う御座います。余りに素早いのでビックリしてしまいました。
 結果としては、「Cylindromyia属ではないが近縁属(ヒラタハナバエ亜科)のハエである可能性が高い」、と言うことでしょうか。
 色々御手数をかけたようです。どうも有難う御座いました。
 他にも訳の分からないハエの写真があります。今後とも宜敷御願致します。

Re: 追加写真 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/07/17(Thu) 18:30:46 No.4706 ホームページ  引用 
アーチャーン様.

Phasiinaeヒラタヤドリバエ亜科ではなく,Dexiinaeアシナガヤドリバエ亜科の仲間でPhyllomya属ではないかと思います.(図鑑に出ているコンボウナガハリバエTorocca mundaもDexiinaeです.)

Phyllomya属だとすると,手持ちの標本は,3+3 dc,1+1 stplで腹部に白色微毛を欠くのでPhyllomya nobilisと思われましたが,Mesnilの論文を殆ど持っていないので詳細が良く判らず放置してあります.

もっとも,Mesnilの論文自体がドイツ語で各部の詳細が記述されているだけだと思いますので,これだと決めるのはかなり大変です.

双翅目関連の論文では,外形が図示されることは非常に稀です.♂交尾器が図示されていれば良いほうで,文章から形態を読み取らなければなりません.
時には,○○に酷似するが下記の点で異なると書かれていることもあり,正しく同定された○○の標本が無いと完全にお手上げです.

Re: 追加写真 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/17(Thu) 21:34:12 No.4707 ホームページ  引用 
 市毛様

 重ねがさね有難う御座います。それでは、「アシナガヤドリバエ亜科の仲間でPhyllomya属の可能性が高い」とすることに致します。近々このハエをココログの方に掲載する予定で居ります。

Re: 追加写真 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/29(Tue) 17:06:59 No.4724 ホームページ  引用 
 先日、このハエを「アシナガヤドリバエの1種(Phyllomya sp.?)」としてココログhttp://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/phyllomya_sp_cb4d.htmlに掲載致しました。御笑覧下さい。

白いChelifera?テネラル? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/07/26(Sat) 21:41:21 No.4719  引用 
こんちは。

 埼玉の山地で採ったCheliferaで、同時に2頭採れました。
 体長3.5mm程度で、自分がみたこの属の中で、一番大きいのですが、もしかしたらテネラルでしょうか?

 テネラルでなければ、近似種情報などご教示いただけましたらありがたいです。

 宜しくお願い致します。


Re: 白いChelifera?テネラル? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/07/27(Sun) 00:03:56 No.4720  引用 
脚の透明感,翅の歪みや翅膜の印象,雌なのに腹部が全く空っぽの状態から判断して明らかにテネラルな個体です.雌ではなかなか種の同定が困難な上にテネラルな個体は翅の斑紋も十分現われないので,所属の推定が難しいです.

日本にはCheriferaは数種いますが,多くは渓流の縁の草本類を掬って採集できます.九州低山地の1種は一度多数の個体が渓流の淵の水面より30cmくらいの空間をランダムに飛翔しているのを観察したことがあります.これが唯一の野外で見た行動です.後はネットに入れてからの採集でした.

この仲間は盛夏にも出現します.

Re: 白いChelifera?テネラル? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/07/27(Sun) 20:13:33 No.4721  引用 
アノニモミイア様

 いつもご教示ありがとうございます。
 やはりテネラルでしたか。
 こんな色のヒメヤドリイエバエが時々採れるので、もしかしたら、と思ったのですが 甘かったです。
 私のこの属の種が、何かをしているところを観察したことは
ありません。是非見てみたいです。

 引き続き宜しくお願い申し上げます。

Lejota属の不明種 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/24(Thu) 17:51:48 No.4712  引用 
こんにちは

猛暑が続いていますが、皆さん元気に採集しておりますでしょうか。

さて、6月末に遠征した北海道は大雪山系南麓の標本の中に、見慣れないLejotaがありますので画像をUpします。

大きさは7mmほどと小さめ、全身ほぼ真っ黒で、羽の付根が黄色です。翅のr-m脈はDC室の中央より内側にあり、前中脚腿節の下面には棘の列を持たないので、Lejotaに属すことは確実です。


Re: Lejota属の不明種 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/24(Thu) 17:55:28 No.4713  引用 
側面からの画像です。

第4腹板は長いですが、変形は少ないです。
顔も真っ黒なのが分ります。
触角第3節は丸味を帯び、黄褐色で、Aristaの微毛は非常に短いです。


Re: Lejota属の不明種 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/24(Thu) 18:01:57 No.4714  引用 
Geniの側面です。

Surstylusは短めで、先端は丸く、背面に長毛を装います。


はなあぶ17号で市毛師匠がキガオモモブトハナアブについて書いた中に、極東ロシアに3種のLejotaが記録されているとなっていますが、そのどれかと一致するものでしょうか?

・・もしや、日本初記録かな?!


Re: Lejota属の不明種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/07/24(Thu) 19:55:31 No.4715 ホームページ  引用 
pakenya様.

Q1. 複眼は合眼的ですか? (Lejota属は,♂複眼が離眼的なLejota亜属と,合眼的なBlerina亜属に分かれます.)
Q2. 触角下部の顔の地色は暗赤褐色(黒色ではない)?
Q3. 胸背は黒色毛に淡褐色毛が混じる?

P.S. 7月上旬は北海道のハナアブが少なかったのですが,pakenyaさんが採った後だったのですね;^_^)

Re: Lejota属の不明種 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/25(Fri) 09:11:31 No.4716  引用 
市毛様、いつもお世話になります。

あはは、北海道の虫は私が採り尽くしちゃったんですね ^0^)
キープした標本は僅か146個体ですが・・

顔面の画像を付けます。
A1.複眼は合眼で、額長:接眼線長:後頭長=4:2:3です。
A2.触角下部の顔の地色は黒色です。銀白色の微毛が密生しています。


Re: Lejota属の不明種 投稿者:pakenya 投稿日:2008/07/25(Fri) 09:15:00 No.4717  引用 
胸背の毛の状態の画像です。

A3.胸背の毛は全て黒色で、斜立しています。白色の微粉も装います。

これで種が特定できたらうれしいです。ワクワクドキドキ。


Re: Lejota属の不明種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/07/25(Fri) 13:00:27 No.4718 ホームページ  引用 
pakenya様.

実は,今年も北海道は雨不足でハナアブが少なかったのです.旭岳で会った環境省のレンジャーも雨が降らないとぼやいていました.その後,結構雨が降っているようなので,8月は期待出来そうです.

Lejotaのほうは,Lejota(Blerina) korsakovi Stack.だと思ったのですが,顔の色と胸背の毛の色が手元にあるハバロフスクの標本(5月採集品)や原記載と異なるので,慎重に調べる必要がありそうです.

御教示下さい 投稿者:アーチャーン 投稿日:2008/07/17(Thu) 07:53:32 No.4702 ホームページ  引用 
 初めまして。
 楽天(参照URLに記載)とココログ(http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/)で虫を中心にしたブログをやっている者です。
 このハエは今年の5月下旬に東京都世田谷区の西にある国分寺崖線(かつて多摩川の作用によって出来た崖)で撮影しましたが、種類が分からず困っております。
 北隆館の図鑑ではコンボウナガハリバエが一番近いのですが、かなり異なります。そこで、このサイトを頭から拝見したところ、No.1993のバグリッチ氏が投稿されているCylindromyia pandulataを見付けました。この属を調べてみると、写真の様に、這いつくばった様な格好で留まることが多い様です。
 腹部の形などは違いますが、このハエはCylindromyia属でしょうか。
 直ぐに逃げられてしまったので、この方向からの写真しかありませんが、宜しく御願いいたします。

ツマグロオオキノコバエ? 投稿者:kuwachan 投稿日:2008/07/13(Sun) 21:35:30 No.4696  引用 
 こんばんは。
 数日前に,職場の廊下に落ちているのを拾いました。栃木県那須町です。大きさは,体長約10mmです。画像一括閲覧ページを見るとツマグロオオキノコバエに似ていますが,同じ種でしょうか。よろしくお願いします。


Re: ツマグロオオキノコバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/07/13(Sun) 22:35:45 No.4697  引用 
同定されたとおりツマグロオオキノコバエLeptomorphus panorpiformis (Matsumura)です.

本種を含むLeptomorphus属の幼虫は,森林内の空中の(地面に落ちていない)太い朽木の下面を覆うように生じる白いカビのような菌類を摂食します.この菌類の表面に口器から分泌する粘液(絹状)で薄膜状のものを張り巡らし,その上を自由に移動できます.摂食と静止以外のときは体の前部を左右に振りながら,この薄膜を強化します.蛹化するときには長さ7-8cmのたるんだ糸をかけてその中央に付着してそのまま蛹化します(糸に平行に位置し,この糸に密着していて,繭は紡ぎません).雄は羽化近い雌の蛹に執着を示して,これにしばしばしがみ付き,雌が羽化すると同時に交尾します.蛹は暗褐色で背面に低い隆起条のある独特のものです.幼虫はかなり細長く,淡褐色で,両端が細く尖って見えます.

以上の行動はLeptomorphus属に一般的にいえることです.湿った森林でこのような白いカビ状の菌類でおおわれた枯れ木または朽木を見たら注意すると発見できます.日本にはL. babaiのほかに2種未記載種がいまして,1種は体が黄色で暗色の斑紋がある美しい種です.

Re: ツマグロオオキノコバエ? 投稿者:kuwachan 投稿日:2008/07/17(Thu) 06:34:47 No.4701  引用 
 詳細な説明ありがとうございます。
 注意すると発見できると言うことは普通種のようですね。今度は生きている画像が撮りたいと思います。大変勉強になりました。

変わった立ち姿のハエ 投稿者:naomutsu 投稿日:2008/07/15(Tue) 17:03:54 No.4698  引用 
皆様はじめまして。
甲太郎さんに聞いてお邪魔しました。
一昨日、新穂高ロープウェー登り口付近で見かけました。
これはいったい何というハエなんでしょうか。


Re: 変わった立ち姿のハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/07/15(Tue) 18:40:13 No.4699  引用 
ヤドリバエ科らしいのですが,双翅目の名前はそう簡単にわかるものではありません.

4678の投稿に対する4691の反応をお読み下さい.

Re: 変わった立ち姿のハエ 投稿者:naomutsu 投稿日:2008/07/15(Tue) 20:00:35 No.4700  引用 
なるほど、これは大変失礼なお願いをしてしまいました。
申し訳ありません。
といって、自力で同定するすべも持ち合わせておりませんので、今後がんばりますとも言えず、痛み入るばかりです。
本当に申し訳ありませんでした。

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