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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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きっとガガンボダマシ 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/04(Wed) 21:11:54 No.5161  引用 
翅後縁基部近くに湾曲した短いA1脈が見て取れる。間違いなく、ガガンボダマシでしょう。(分かるようになってきたぞ)
もう一種、我家で見つけました。窓ガラスと網戸の間にいました。斑紋はありません。体長は約7ミリ。画像一括閲覧ページのニッポンガガンボダマシの翅脈と合致しましたが、ガガンボダマシ科は翅脈だけで同定できるものでしょうか。
ニッポンガガンボダマシの生息状況など、さっぱり情報が見つかりません。


Re: きっとガガンボダマシ 投稿者: 投稿日:2009/03/04(Wed) 23:09:32 No.5162 ホームページ  引用 
触角が短くニッポンガガンボダマシTrichocera japonica Matsumuraである様にも見えますが、ガガンボダマシを写真から同定することは困難です。T. japonicaは北海道から九州まで分布していてこれも市街地でよく見られる種です。

Trichocera japonicaがニッポンガガンボダマシでT. nipponensisがヤマトガガンボダマシというのは紛らわしいですね。

Re: きっとガガンボダマシ 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/05(Thu) 00:46:11 No.5165  引用 
達磨様、ニッポンガガンボダマシに関する情報ありがとうございます。
ニッポンガガンボダマシの同定ポイントはどこにあるんでしょうか。
ガガンボダマシ科では翅脈に相違が見られない複数の種が存在するということでしょうか。
種の検索表はないんでしょうか。

Re: きっとガガンボダマシ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/05(Thu) 12:02:28 No.5166 ホームページ  引用 
田中川様.

門外漢ですが,過去ログ等を見ると翅脈である程度のグループに絞った後,交尾器などで区別できるようです.なお,通常の写真での区別は一部の特徴的な種類を除いて困難なようです.

過去ログにニッポンガガンボダマシを含め色々なガガンボダマシの検討結果がありますので,参考にしてください.

Re: きっとガガンボダマシ 投稿者: 投稿日:2009/03/06(Fri) 20:06:43 No.5172 ホームページ  引用 
田中川様
ガガンボダマシの翅脈はどれも大同小異で写真に写った翅脈から区別できるものは大変限られます。
翅の特徴だけから種が特定できる(ことがある)種は
ウスモンガガンボダマシの仲間(翅に模様がある)
コンゴウガガンボダマシ(翅の膜に毛が生えている、これは世界的に見ても本種だけの特徴)
チビガガンボダマシ(M1+2脈が枝分かれしない、恐らくタイプ標本以外には採集されていないもので、何かの種の翅脈の異常かもしれない、タイプ標本は行方不明)
イマニシガガンボダマシ(雄雌ともに翅が退化する)
くらいです。

もちろん、翅以外の外見的な特徴から種が特定できるものもいくつかありますが、ガガンボダマシの同定にはどうしても雄の交尾器を見なくてはなりません。それも生体や乾燥標本の写真ではなく、詳細が観察できるようにアルカリ処理を施したうえでの観察が欠かせません。
ガガンボダマシの交尾器は雄雌ともに構造が単純な種が多く、拾える特徴も少ない厄介な虫なのです。

ニッポンガガンボダマシは中でも厄介な問題を抱えた虫で、原記載文(原文日本語)は
”体は褐、胸背は暗黄、翅は半透明、少しく暗黄を帯ぶ、脈は暗黄、平均棍は黄白、その先端は暗黄、腹部は扁く、尾端の付属物は褐色、脚は暗黄、付節は少しく暗色を帯ぶ、体長一分五厘、此は頗る細き触角を有するを以て他と区別すること容易なり”
という簡単なものです。これはニッポンガガンボダマシという種の特徴というより、ガガンボダマシ属に広く共通する特徴を述べているにすぎません。触角は細くて他と区別が簡単とありますが、この「他」は他のガガンボダマシのことではなくガガンボ一般のことを言っています。記載がこのようにあいまいなうえ、タイプ標本が行方不明で、現在は「タイプを見た」という人の記述や北海道大学に残されたガガンボダマシの標本からT. japonicaという種を推定しているという何とも頼りない状態です。

Re: きっとガガンボダマシ 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/07(Sat) 00:19:47 No.5173  引用 
茨城_市毛様、達磨様、いろいろ教えていただきありがとうございます。
実は私はしばらく愕然としておりました。
こちらにある画像と比較して翅脈が完全に一致していたのでニッポンガガンボダマシに間違いないと信じ込んでいました。投稿したのは念押しのつもりと身近なところでも見られたよとの情報提供の意図もあったのです。
ニッポンガガンボダマシはとにかく翅脈の一致を見たので同定できたけど(思い込みでしたけど)、他のガガンボダマシ科もきっと翅脈がみんな異なるものだろうと勝手に思い込み、こちらの目録にある14種くらいの検索表なら、どこかにきっとあるに違いない、研究者たちはなぜ隠そうとしているのかと疑心暗鬼に陥っていました。
今日も図書館や博物館を回って調べていたのですが、新訂の第3巻はどこにもなく、古い第3巻に5種のガガンボダマシを見つけ、平凡社の日本動物大百科に「冬に現れるガガンボダマシ科」の記述があるのを見つけただけでした。
ネット上もガガンボダマシの関係はほとんど見つかりませんでした。
ガガンボダマシの季節がやってきたのに、公開されている情報があまりにも少なすぎます。
種の違いなど、少しでも分かりやすく公にしていただけないと、いつまでもこんな状態が続いてしまいます。
双翅目に関してはこの掲示板を誰もが頼りにしていると思いますます。駆け込み寺みたいなところもあります。ここで解決できないことはどこへ持っていってもダメでしょう。とにかく頼りにしているのです。

Re: きっとガガンボダマシ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/07(Sat) 03:03:40 No.5174  引用 
田中川さんの双翅目の同定についての不満,心情は理解できます.生態写真でどの程度同定できるかは別に書きました.

  日本での昆虫分類学の歴史の浅さ,特に記載分類学を研究できる大学の研究室の少なさ,分類学の研究を行なえる研究機関の少なさ,標本の蓄積をする博物館の少なさ,簡単に言えば昆虫分類学に対する社会の投資のあまりにも少ない状況が,あなたが今直面している現実の大きな原因です.

  しかし,自国の双翅類が容易に同定できると言う国は世界的に見ても決して多くはありません.おそらくそれらはヨーロッパの大部分の国だけである,と言っても過言ではないでしょう.カナダやアメリカ合衆国でも,状況は双翅目の科によっては日本と大同小異の場合さえあります.例えば,オドリバエ科のRhamphomyia属についてみると,おそらく北米の未記載種の方が日本のそれより多いでしょう.

  私がこれまでも折にふれてこの掲示板にも書いてきましたが,日本での双翅目の分類学的研究はヨーロッパなどでの研究に比べて,
(1)歴史が浅いこと,すなわち研究の蓄積がすくないこと,
(2)歴史の浅さと自然史博物館の歴史や数の少なさに起因する標本の蓄積が少ないこと,
(3)前述の通り研究者を養成する大学の研究室が少ないこと,
(4)研究者を雇用する場(大学,研究所,博物館など)が少ないこと,
(5)出版事情が悪く研究成果の出版がままならないこと、
(6)それに加えて,日本列島は昆虫の種数がヨーロッパなどに比べて著しく多いこと(一般的には英国の約3倍の種数があると概算できます),
 などなどの悪条件によって,結果的に著しく遅れています.

  その結果,多くの未記載種が自然に存在する,総説的な研究の出版が少ない,ということで双翅目の同定に困難をきたす状況が生まれています.

  現在でも日本列島に著しく多数(数十から数百種)の未記載種・未記録種がある科は,ガガンボ科(広義),ユスリカ科,ヌカカ科,キノコバエ科(広義),クロキノコバエ科(クロバネキノコバエ科),タマバエ科,ニセケバエ科,チョウバエ科,オドリバエ科,アシナガバエ科,ノミバエ科,ヤドリバエ科などです.さらに,種数の少ない科でも未記載種や未記録種の方が多い科はこれらに加えて,例えばホソカ科,クチキカ科,ヒメカバエ科,ヒラタアシバエ科,ヤリバエ科,クロツヤバエ科,アブラコバエ科,フンコバエ科,フンバエ科などたくさんあります.

  比較的手に入りやすい形で日本産の種がかなり同定できる出版物が出版されているのは,カ科,ユスリカ科,ケバエ科,コシボソガガンボ科,アブ科,アタマアブ科,ハナアブ科(不十分ですが),ショウジョウバエ科,ミギワバエ科,キモグリバエ科,ハモグリバエ科,クチキバエ科,ヤチバエ科,ツヤホソバエ科,ミバエ科,ハナバエ科,イエバエ科,ニクバエ科,クロバエ科,などで,ほかの科では亜科や属などに分かれて学術雑誌などに発表されている文献を集めればなんとか同定の手引きになる,と言う程度です.

  私が主に研究しているオドリバエ科(広義)でも日本産の既知種は200種足らずですが,実際には1000種以上は生息しています.残り800種以上についてそのほとんどは未記載種ですから,これらの新種の記載をしないと,日本のオドリバエ科の全貌は分からない,ということです.ヨーロッパはこれとほぼ同じ数の種をリンネの時代から2世紀半にわたって幾代ものヨーロッパ各国の研究者が研究して現在の研究状況になっているわけです.日本のオドリバエ科については,ほとんど私1代で標本の収集とこれまでの記載を続けてきたのが現状です.

  イエバエ科にしても,戦前からの研究暦があり,さらに戦後,加納先生,篠永先生のほぼ3代にわたる研究の末に,日本産250種ほどの総説として「日本のイエバエ科」が最近出版されたわけです.それでも,例えばクキバエ属については私が自分の採集物を少しばかり取り出しただけで,既知種より多い新しい種が見出されると言うのが現状です.

 本掲示板でしばしば同定の依頼があってもどうしようもないのが,ヤドリバエ科です.この科は高野先生が戦前に初期的な研究を行なった後に,嶌先生が私と同様にほとんど1代で日本列島の標本の収集を行い、相当数の新種などを記載していますが,まだまだ多くの未記載種や未記録種があります.次の代に相当する舘博士が安定して研究を続けうる状況になれば,本科の分類学的研究の将来はあるのですが,これも未定です.ヤドリバエ科のように分類が極めて難しく,かつ応用的にももっとも重要な双翅目の1科の研究状況がこのような現状になっています.

  10年ほど前には10数名の双翅類分類学者が大学や博物館に在籍していたのですが,現在は1/3以下の数になってしまっています.今後も増える可能性は大変小さいでしょう.

  田中川さんが,双翅類の同定について不自由を感じておられるのは,あなただけではありません.私たちも同様なのです.本掲示板でも,現職あるいはすでに退官,退職された双翅類の分類学者がいろいろな問い合わせに対応してくださると本当はありがたいのですが,今それは望むべくもない,といういところでしょうか.
  おそらくこれらの大部分の方々は本掲示板をご覧になっていないか,時折見られてもそのままになっているのでしょう.私も物好きで自分の専門に研究している科以外の質問などに可能な限り応えようとしていますが,これもおのずと限度があります.おそらく,私を知る人々は,そのような時間があれば(今これを書いている時間も含めて),もっと専門の研究をしたらどうか,と思われているでしょう.この機会に,明らかにしますが,アノニモミイア(Anonymomyia=無名のハエ)の名前で投稿しているのは私です.これまで,本名で示さなければならない場合に限って本名で投稿していました.

  自分の専門とする昆虫群だけに視野を絞っていると,ほとんど現状に不自由を感じないのですが,いったん他の昆虫群の同定の必要性を感じたときに,私も田中川さんと同じ思いをしてきました.例えば,イネの大害虫のセジロウンカ,セジロウンカモドキ,ヒエウンカ,ヒメトビウンカ,トビイロウンカなどを正しく同定しようとしたときに,自分の周りの文献をみて,ハタと行き詰ってしまいました.頼りになると思った北隆館の原色昆虫大図鑑では,ウンカ類の同定はほとんど不可能なのです.やむを得ず中国経済昆虫誌飛虱科を入手して,そこで日本産の種が載っているのを参照して初めてなんとか同定ができたか,と思っています.その困難さを感じたものですから,依頼を受けた財団法人九州環境管理協会のホームページに,ウンカ・ヨコバイ類の写真を載せる作業を始めるような状況になっています.

縷々厳しい現状を述べましたが,愚痴を言っても全く始まらないわけで,日本列島の双翅類の記載分類学をどのように発展させていくか,皆さんと共に考え,行動を起こしていきたいと思っています.

添付書類の拒否がありました 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/06(Fri) 11:27:45 No.5168  引用 
32KBのワード文書を添付しようとしましたが,拒否されました.どうしたらいいでしょうか.文中には♂交尾器という単語が入っていますが(市毛さんは5166で「交尾器」をつかっています),それ以外は引っかかりそうな言葉は使っていません.文書がながいので,本文は避けようとして,添付にしたのですが.ただし学名は斜字体,一部の文章はゴシック(太字)を使っています.

Re: 添付書類の拒否がありました 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/06(Fri) 13:44:32 No.5169 ホームページ  引用 
三枝豊平様.

掲示板の使用を見ると,
 添付可能ファイル : GIF, JPEG, PNG, TEXT, PDF, MIDI
 最大投稿データ量 : 100KB
となっていますので,ワード文書は添付出来ない設定のようです.

Re: 添付書類の拒否がありました 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/06(Fri) 14:03:03 No.5170  引用 
市毛さん.有難うございました.テキストファイルにしました.

沖縄のMyolepta 投稿者:pakenya 投稿日:2009/03/02(Mon) 17:21:44 No.5146  引用 
久しぶりにハナアブの話題です。

沖縄で簡単に採集できない種を、那覇在住のS本氏に協力してもらって標本撮影しています。まとめて貸していただいた標本の中に、見慣れない種がありました。まずまちがいなく日本初記録の種でしょう。

沖縄本島北部の大宜味村で1996年秋に採集されたものです。


Re: 沖縄のMyolepta 投稿者:pakenya 投稿日:2009/03/02(Mon) 17:24:42 No.5147  引用 
翅の基部の画像です。

R脈基部に顕著な剛毛列があります。


Re: 沖縄のMyolepta 投稿者:pakenya 投稿日:2009/03/02(Mon) 17:33:20 No.5148  引用 
前脚腿節を後方から見た画像です。

末端に向かって2列の棘が確認できます。

これらの特徴からMyolepta属であることは間違いありません。
ネット上で色々Keyを入れてググッて見た結果、東洋には少なくとも2種のMyoleptaがいて、特にTompsonが1971に記載したM. orientalisが臭そうってところまで来たのですが、同定資料になりそうな文献はダウンロードできませんでした。

お分かりの方がおられたら、是非ご教示ください。


Re: 沖縄のMyolepta 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/04(Wed) 23:37:45 No.5164 ホームページ  引用 
pakenya様.

おそらく,Myolepta属だと思います.
ぜひ,論文を調べてみて下さい.

なお,pakenya様が使っているMyolepta属の形質は,かなり昔の偏った形質のようですので,近年の論文に記されている属の記載を参考にするようにしたほうが良いと思います.特に,南西諸島方面の種類を調べるのであれば,多数の論文から属の特徴を考えないと誤った結論となります.

ギボシフンバエモドキでしょうか... 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/02(Mon) 21:44:42 No.5149 ホームページ  引用 
8月に茨城県北部の山間部(alt.800m)で採集した,体長5mm程のフンバエです.

写真ではわかりづらいですが,翅の先端1/4ほどが暗化しています.

旧北区の双翅目マニュアルでは,Parallelomma属となりました.
HeringのZwei neue Cordyluriden aus Japanを調べてみましたが,比較標本も無く,胸側部の暗色帯はC. hostaeに似ているとしか判りませんでした.
(検索にPraalarborsteが出てきますが,中胸背盾板外縁部にある1剛毛がPraalarborsteなのかSupraalaborsteなのか判りません)

これが,ギボシフンバエモドキなのでしょうか?

よろしくお願い致します.


Re: ギボシフンバエモドキでしょ... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/03(Tue) 14:31:37 No.5153  引用 
この標本の前胸の前側板(episternum)は完全に裸でしょうか?しばしばこの部分の毛は淡色できわめて細いために見逃してしまうことがあります.このような毛があればParallelommaではなくてCordyluraの可能性があります.

私のところにはP. sasakawaeと同定できる標本しかありませんが,これでは前胸前側板は完全に裸です.この標本は第3触角節(第1鞭小節)は褐色で,黄色の基部の2節とは色調がはっきりと異なっています.

学研生物図鑑(学研中高生図鑑)で,Chilizosoma hostaeと私が解説した標本は,私の記憶では,私の標本ではなくて,学研の方でどなたかに依頼して作成した標本であって,(無責任な話ですが)私自身は標本そのものを見ることなく,解説だけを書いたと思います.そのために,写真の標本が真のParallelomma hostaeであるという確信は,今はありません.日本に何種も生息しているCordyluraの種の可能性も否定できないと思います.

Re: ギボシフンバエモドキでしょ... 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/03(Tue) 20:13:50 No.5155 ホームページ  引用 
三枝豊平様.

学研中高生図鑑に,そんな裏話があるとは驚きです.

先に掲示した写真の種類は,前胸前側板に長毛を欠き,prementumに比べ小顎鬚がかなり短い特徴を備えているので,Parallelommaと判断しました.

笹川様がCordylura属の1種している種類は,こちらの写真のような種類では無いかと思います.(実は,こちらのほうがC. hostaeに似ています.)

前記の種と酷似しているのですが,三枝様が指摘しているように前胸前側板には10本ほどの淡色の長毛が生えており,prementumに比べ小顎鬚が長い特徴を備えています.


Re: ギボシフンバエモドキでしょ... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/04(Wed) 01:29:45 No.5158  引用 
Parallelomma sasakawaeと同定できそうな標本を示しておきます.福岡県英彦山5月6日採集の♂です.触角の第3節が暗色の状態がなんとか写っています.

Parallelommaの方はCordyluraに比べると第5腹節腹板の葉状突起がはるかに小型のようですね.その点からも市毛さんが最初に図示した標本はParallelommaのようですね.P. hostaeの可能性がたかいと思います.


Re: ギボシフンバエモドキでしょ... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/04(Wed) 04:00:39 No.5159  引用 
P. hostaeもP. sasakawaeも共に旧北区のカタログには出てこないし(シノニムとしてもでてこない;かなりフンバエ科の部分は雑な印象を受けます),Fauna EuropaeaとかThe leaf and stem miners of British flies and other insectsでは,両種ともにSifner, 1978によってヨーロッパのP. vittatum (Meigen, 1826)のシノニムとされています.

しかし,新訂原色昆虫大図鑑第3巻ではこの属は笹川先生が改定を担当されていて,旧版(これも同先生の執筆)の学名Chylizosoma sasakawae HeringをParallelomma sasakawae (Hering)と改定されています.旧版で付記されていたChylizosoma hostaeについては,新訂版では削除されています.いずれにしても,少なくともsasakawaeについては2008年段階で笹川先生は本種をvittatumのシノニムにされていないので,3種の関係は未解決ということでしょうか.なお,九州大学のカタログではP. sasakawaeのみでhostaeが抜けています.(私も原稿段階で一通り目を通したことになっているのですが,膨大な種数でとても完璧は期待できるものではありませんでした.長生きすると自戒せざるをえない機会が多くなる).

フンバエ科はこのほかにも日本列島にはかなりの種が生息していますが,属などがわかりにくいものです.私の標本(といっても一部しかマウントしてないのですが)は,以前Vockerothさんが来訪された折に属までは同定してもらっています.それによると,Bucepharina, Megaphthalma, Nanna, Neorthachetaなどの属も日本にいるようです.久留米の平地で採集された小型種は新属であるとのことで,彼の手元にありますが(多分カナダ国立昆虫コレクション中),未記載です.フンバエ科の属の総説はVockerothさんの確か学位論文で,分厚い原稿を見せてもらったことがありますが,まだこれは出版されていないと思います.あまり大きな科ではないので,どなたか早めに日本産のものをまとめていただきたいものです.

Re: ギボシフンバエモドキでしょ... 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/04(Wed) 23:27:10 No.5163 ホームページ  引用 
三枝豊平様.

色々と驚く情報ばかりです.
また,多数の未記録属が日本に分布するとのことも驚きです.

双翅目は,まだまだ未解明なグループが多いので面白いと思うのですが,研究者が減る一方で残念です.

ぜひ,長生きして色々と教えて頂けると幸いです.

ありがとうございました.

双翅学会活動再開のお知らせ 投稿者: 投稿日:2009/03/04(Wed) 15:40:35 No.5160 ホームページ  引用 
双翅学会は数年間活動を休止しておりましたが、
この度、琵琶湖博物館の桝永氏、森林総合研究所の末吉氏と私で会務を引き継ぎ、当学会の活動を再開することとなりましたので、ご案内いたします。私は庶務を他の二人が編集を担当いたします。
会員の方々にはすでにご挨拶と新体制の紹介をお送りしています。会誌の発行や小集会の開催をはじめとした活動を着実に継続していきたいと思いますので、皆様のご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

学会の活動が再度軌道に乗って会誌などが発行され始めるまで新規の会員を募集するのも気が引けるのですが、ご入会いただける方、当学会の活動に興味をお持ちの方がありましたら中村までご連絡いただきたく存じます。

この掲示板は双翅目談話会の会員の方が多く利用されていることは重々存じておりまして、他の会の紹介を書き込むことを躊躇したのですが、管理人様のご了解を頂きましたので紹介させていただきました。

マガリスネカ 投稿者: 投稿日:2009/03/03(Tue) 21:56:43 No.5157 ホームページ  引用 
マレーズトラップの材料をあさっていて、栃木県日光市(旧栗山村)奥鬼怒温泉近くのマガリスネカを見つけました。
最終的に10個体ほど。これまで新潟の妙高高原で採集したことはありましたが、栃木県では初めて見ました。環境省のレッドリストにリストアップされていますので、今後栃木県版のレッドデータリスト改正の際には掲載を検討しなくてはなりません。
「今年は生態写真と幼虫を採る(撮る)ぞ!」という目標ができました。

ガガンボの名は? 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/03(Tue) 01:38:34 No.5150  引用 
この角度からしか撮れませんでしたが、翅端まで約1cmほどのガガンボの種名は判りますでしょうか。
2009.2.24三重県津市の自宅にて


Re: ガガンボの名は? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/03/03(Tue) 08:25:23 No.5151  引用 
これはガガンボ(ガガンボ科とヒメガガンボ科)ではありません.一見体形がガガンボに類似していますが,これとは類縁性が遠いガガンボダマシ科(Trichoceridae)の1種です.翅後縁基部近くに湾曲した短いA1脈(伝統的A2脈)がはっきり写っていますが,これがこの属の重要な特徴です.

なお,このように翅に顕著に発達した斑紋を持つ種はT. maculipennis群に属するものです.詳細な種の同定には達磨大師のお出ましが必要でしょう.

Re: ガガンボの名は? 投稿者: 投稿日:2009/03/03(Tue) 09:56:26 No.5152 ホームページ  引用 
アノニモミイア先生のご意見の通り、ガガンボダマシ科の一種で、翅の模様からTrichocera maculipennis Meigen,1818ウスモンガガンボダマシそのものと思います。この個体もご自宅で見つけたとのことでしたが、畑の周りや公園、庭、墓地などで見られるものです。

Re: ガガンボの名は? 投稿者:田中川 投稿日:2009/03/03(Tue) 21:02:38 No.5156  引用 
アノニモミイア様、達磨様、ありがとうございます。
科名にたがわず、すっかりだまされてしまいました。
ガガンボダマシが身近なところに生息していることが分かりました。

オドリバエ科質問 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/24(Tue) 12:05:41 No.5121 ホームページ  引用 
予定が狂って時間が余ったので,内職に新訂大図鑑のオドリバエをまとめてみたのですが,日本産昆虫総目録でClinocerinaeに入っていたAcanthoclinocera dasyscutellum Saigusa, 1965の所属がわかりません.

Clinocerinaeは,Brachystomaがタマオオドリバエ亜科として独立し,他はすべてオドリバエ亜科に移ったので,Acanthoclinocerもオドリバエ亜科と思われますが如何でしょうか?

色々と,お世話になっているのでオドリバエ科も盛り上げたいと思います;^_^)

よろしくお願い致します.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/02/24(Tue) 13:39:49 No.5123  引用 
市毛さん.ご苦労様です.新訂原色昆虫大図鑑第3巻担当部の各所にミスなどあるので,気づかれたらよろしくお願いします.

本種は,
Sinclair, B. J. & Saigusa, T. (2005). Revision of Trichoclinocera dasyscutellum group from East Asia (Diptera: Empididae; Clinocerinae). Bonner zoologische Beitraege 53(2004), Heft 1/2: 193-209.

の論文でAcanthoclinoceraをTrichoclinoceraのシノニムにしましたので,学名は現在は

Trichoclinocera dasyscutellum (Saigusa, 1965)

となります.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/24(Tue) 21:33:58 No.5124 ホームページ  引用 
三枝豊平様.

いつの間にか,属が変更となっていたのですね.

ありがとうございました.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/02/25(Wed) 08:46:07 No.5125  引用 
市毛さんが「いつの間にか」との意味がわかりました.新訂原色昆虫大図鑑ではAcanthoclinocera属の種が出ていないばかりか,Trichoclinocera属の記述の中でもこの属について全く触れていなかったからですね.この点は一人合点していて,書き落としました.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/25(Wed) 18:57:47 No.5126 ホームページ  引用 
三枝様,お言葉に甘えていくつか新訂大図鑑の疑問点を質問させて頂きます.

P.406左中で,「本種からイトウモセブトハシリバエ(2291)まではハシリバエ亜科Tachydromiinaeに属する」と記されており,Symballophthalmus speciosusフタイロオオメハシリバエ(2292)の所属が記されていません.また,P.409右中で, 「本種からヤマトモモブトヒメセダカバエ(2299)まではチョボグチセダカバエ亜科Ocydromiinaeに属する」と記されており,Euthyneura aerea(2300)と,Trichina fumipennis(2301)の所属が記されていません.

P.412左中で, 「本種以降は狭義のオドリバエ科に属する」と記されているだけで,2304以降の種類については亜科が記されていません.

図鑑としては,亜科が記されていなくても差し障りは無いのですが,今後地方目録などの資料として新訂大図鑑を利用する場合,最近の亜科の状態を記しておかれたほうが良いと思われます.

なお,World Catalog of Empididaeで調べると下記の様になりましたが,このように考えてよいのでしょうか?

2284-2292 Tachydromiinae ハシリバエ亜科
2293-2296 Hybotinae セダカバエ亜科
2297-2301 Ocydromiinae チョボグチセダカバエ亜科
2302  Brachystomatinae タマオバエ亜科
2303 Microphorinae ネジレオバエ亜科
2304 Oreogetoninae
2305,2307 Trichopezinae
2306 Brachystomatinae
2308-2315 Clinocerinae
2316-2317 Hemerodromiinae
2319-2346 Empidinae オドリバエ亜科

よろしくお願い致します.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/01(Sun) 09:59:07 No.5142  引用 
市毛さん,いろいろご指摘ありがとうございました.

半年足らずの間に,アミカ科からヒラタアシバエ科まで,実際のところ論文を書くような,標本検討,解剖,原記載照合などの調査をした上で,原稿作成,写真撮影などを行なって,なんとか出版に間にあわせたのが,私の担当部分ですので,言い訳がましいのですが,やはり各所に遺漏がありますね.あげくの果てには,双翅目の総論やムシヒキアブ科,ハナアブ科ほかまで押し付けられて,往生しました.いつものことですが,この社の編集体制は・・・・・

さて,

「P.406左中で,「本種からイトウモセブトハシリバエ(2291)まではハシリバエ亜科Tachydromiinaeに属する」と記されており,Symballophthalmus speciosusフタイロオオメハシリバエ(2292)の所属が記されていません.」
 とのご指摘はもっともで,イトウモモブトハシリバエ(2291)はフタイロオオメハシリバエ(2292)とすべきです.

「P.409右中で, 「本種からヤマトモモブトヒメセダカバエ(2299)まではチョボグチセダカバエ亜科Ocydromiinaeに属する」と記されており,Euthyneura aerea(2300)と,Trichina fumipennis(2301)の所属が記されていません.」
 についても,2290までではなくて,2301までです.

「なお,World Catalog of Empididaeで調べると下記の様になりましたが,このように考えてよいのでしょうか?
2284-2292 Tachydromiinae ハシリバエ亜科
2293-2296 Hybotinae セダカバエ亜科
2297-2301 Ocydromiinae チョボグチセダカバエ亜科
2302  Brachystomatinae タマオバエ亜科
2303 Microphorinae ネジレオバエ亜科
2304 Oreogetoninae
2305,2307 Trichopezinae
2306 Brachystomatinae
2308-2315 Clinocerinae
2316-2317 Hemerodromiinae
2319-2346 Empidinae オドリバエ亜科 」

2318もHemerodromiinaeです.なおオドリバエ上科の系統発生的分類体系(phylogenetic systematics)は双翅目のなかでもどちらかといえば激動的です.Yang君のカタログはひとつの分類体系でしょうが,SinclairとCummingが「The morphology, higher-level phylogeny and classification of the Empidoidea (Diptera). Zootaxa 118 (2006)で示した体系は,以下に列記したように上記カタログとはかなり異なったものです.Incertae sedisは言うまでもなく「所属不詳」の意味です.

Incertae sedis (Homalocnemis, Iteaphila gp., Oreogeton)
Empididae
 Incertae sedis (Ragas gp., Brochella, Philetus, Hesperempis gp.)
 Hemerodromiinae  Chelipodini, Hemerodromiini
 Empidinae  Empidini, Hilarini
 Clinocerinae
Atelestidae 
 Nemedininae
 Atelestinae
Hybotidae
 Incertae sedis (Stuckenbergomyia)
 Trichininae
 Ocydromiinae
 Oedaleinae
 Tachydromiinae  Symballophthalimini, Tachydromiini, Drapetini
 Hybotinae  Bicellariini, Hybotini
Brachystomatidae
 Trichopezinae
 Ceratomerinae 
 Brachystomatinae
Dolichopodidae s. lat.
 Microphorinae
 Parathalassiinae
 Dolichopodidae s. str. 亜科は省略

Iteaphila gp.のIteaphilaやAnthepiscopusは邦産種がありますし,OreogetonもEmpidoideaの中で系統的位置が明確ではない,としています.
RagasもHesperempisも邦産種があります.
Bicellaria(とHoplocyrtoma)はOcydromiinaeではなくて,狭義のHybotinaeに含まれています.
ThalassophorusはParathalassiinaeに含まれます.この亜科にはほかにMicrophorellaとその近縁未記載種が日本にいます.前者は微小なオドリバエでClinoceraと同様に渓流の湿石上で,後者は海岸砂浜で生息します.
MicrophorinaeのMicrophorは数種日本にいます.
OedaleinaeのOedaleaは数種邦産種があります.
XanthodromiaについてはSinclairらは述べていません.これは私が作った属ですが,いわば鵺のようなわけの分からないものです.Brachystomaに近いのかもしれません.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/03/02(Mon) 12:41:27 No.5144 ホームページ  引用 
三枝豊平様.

オドリバエ科は,カタログによって科の範囲が異なったりするので,リストにまとめるのが難しいと感じていましたが,このように細分する考えもあるのですね.

たいへん詳しく解説して頂きありがとうございました.

Re: オドリバエ科質問 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/03/02(Mon) 13:21:48 No.5145  引用 
No.5142のSinclairらの文献の引用に入力ミスがあったので訂正してあります.

細分ですが,系統発生関係を基にして分類すると,MicrophorやThalassophorusはアシナガバエ科に含まれることになります.しかし,やや概観も異なりますし,それに中室からのM脈が3本もでていて,とてもアシナガバエとはいえません.これを避けようとすれば,彼らがDolichopodidae, s. lat.としているのを分解して,Microphoridae, Parathalassiidae, Dolichopodidaeと三つの科を認めることになります.しかし,前2科は外観的にもきわめて類似しているので,違和感は拭い去れません.このあたりがいわゆる伝統的分類体系(側系統群を分類単位とすることを容認する)と系統発生的分類体系(いわゆる分岐分類体系,単系統群のみを分類単位とする)の齟齬が生じるゆえんです.

全般的に類似しているものは系統的にあまりはなれていないのなら一群としてまとめておいた方が参照する分類体系として[都合]がよい,とするか,全般的類似は時には無視しても系統的なまとまりのあるものだけを一群とすることで進化の道筋がわかる分類体系が[必要]である,とするかの違いでしょう.

ハナバエ科の1種? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/27(Fri) 11:17:46 No.5135 ホームページ  引用 
 昨年の11月下旬に東京都世田谷区西部で撮ったハエです。体長約4mm、翅端までは6mm近くあります。この手の連中はどうせ歯が立たないだろうと思ってこれまで敬遠しておりましたが、この辺りでよく見るハエ(複数種居るのかも知れませんが・・・)なので、撮ってみました。
 やはり、普通のマクロ撮影では剛毛の有無が不明瞭で分かり難いのですが、Cu融合脈(真のCuP脈)が翅端まで達している様なのでハナバエ科Anthomyiidaeではないかと思います。如何でしょうか?
 Insecta Matsumuranaにある「Anthomyiidae of Japan」を見てみましたが、この写真からの検索は無理でした。
 雄と雌の写真がありますので、それぞれ2枚ずつ貼っておきます。

 CuP脈が翅端まで達している様に見えます。


Re: ハナバエ科の1種? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/27(Fri) 11:19:04 No.5136 ホームページ  引用 
 雄(上と同一個体)の側面。見やすくする為に上下を逆さまにしてあります。

Re: ハナバエ科の1種? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/27(Fri) 11:20:00 No.5137 ホームページ  引用 
 雌の背面.

Re: ハナバエ科の1種? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/27(Fri) 11:20:58 No.5138 ホームページ  引用 
 雌(上と同一個体)の側面です。

Re: ハナバエ科の1種? 投稿者:ハエ男 投稿日:2009/02/28(Sat) 06:04:08 No.5139  引用 
画像では判断しにくいですが、A1脈(真のCuP脈)が翅端に達しているとのことなので、ハナバエ科AnthomyiidaeでOKだと思います。
ハナバエ科の種までの同定は画像ではきわめて難しいです。♂ゲニの形もニクバエ科に比べると結構微妙な種が多いので、標本の解剖や刺毛、剛毛配列の詳細な検討が必要です。

Re: ハナバエ科の1種? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/28(Sat) 20:49:02 No.5141 ホームページ  引用 
ハエ男様:

 御回答有難う御座います。
 やはりこの連中はこの程度の画像では判別不可能と言うことですね。私も初心者ながら、色々と検索表を引いたりしましたので、どの部分の写真が必要かがある程度分かって来ました。標本を作らないと結果的に皆様に御迷惑をかけることになるので甚だ恐縮なのですが、やはり私としてはモデルになって貰った虫を殺す気には中々なれませんので、今後はより精細な写真を撮る様、努力致したいと存じます。

自宅のハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/02/26(Thu) 21:13:11 No.5127  引用 
庭で1個体だけ見かけました。何バエでしょうか。
2009.2.26 三重県津市


Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/02/26(Thu) 21:16:22 No.5128  引用 
別角度から

Re: 自宅のハエ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/26(Thu) 21:39:03 No.5129 ホームページ  引用 
ハマベバエ(ハマベバエ科)に一票.

P.S. 比較しようと思ったのですが,標本が出てきません.

Re: 自宅のハエ 投稿者:エリユスリカ 投稿日:2009/02/26(Thu) 22:14:58 No.5130  引用 
Sphaeroceridaeちゃいますか?

Re: 自宅のハエ 投稿者:エリユスリカ 投稿日:2009/02/26(Thu) 22:15:44 No.5131  引用 
Sphaeroceridaeちゃいますか?

Re: 自宅のハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2009/02/26(Thu) 22:43:25 No.5132 ホームページ  引用 
後脚の第1付節が細長いので、Sphaeroceridaeではないと思うのですが、どうでしょうか?
私はハマベバエにもう1票。

Re: 自宅のハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/26(Thu) 23:17:53 No.5133  引用 
市毛さんの投票どおり間違いなくハマベバエです.ただし,Coelopa属には数種あり,しかもこれらの中にはsibling speciesを含んでいるので,日本産に用いられているC. frigidaはおそらく適当ではないのだろうと思いますが,詳細は未検討です.MPDでは東西の旧北区にそれぞれ別の種が2種分布していることになっています.C. frigidaは西旧北区の種とされています.

ハマベバエはKelp fliesといわれるように海岸に打ち上げられた湿った海草に依存しています.幼虫は腐敗しつつある海草を主な食餌にしています.成虫はこのような海草の上,中をあるいたり,近くの空中を飛翔しています.私もかつて利尻島の海岸に膝上ほどまで堆積した海草の浜の空中を無数の個体があたかもミツバチの分封のように群飛状で海岸沿いに空中を飛翔しているのを観察したことがあります.ものすごい数でした.

成虫は大変飛翔力が強く,海岸から遥か(何十キロも)離れた場所でも見かけます.特に有機溶剤に引かれて,海岸で船舶の塗装をするとその面に飛来付着する”害虫”となります.また,クロロフォルムにも強く誘引されます.海岸から数キロはなれた場所に駐車しておいた私の自動車のなかに数頭のハマベバエが進入していたことがあります.うっかりして車の中に入れておいたクロロフォルムの瓶の栓が緩んで車内にわずかの蒸気が出ていただけで誘引されて,窓もとざされていたこの車のどこからか車内に進入してきていました.

Re: 自宅のハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/02/27(Fri) 00:39:36 No.5134  引用 
茨城_市毛様、エリユスリカ様、Acleris様、アノニモミイア様、調べていただいてどうもありがとうございます。
腐敗しつつある海藻と聞いて思い出しました。標本にしなかった海藻を洗面器に入れたまま庭に放置していたことを。

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