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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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ハナアブ苦手です。 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/04(Fri) 22:30:24 No.3426  引用 
こんちは。

 ハナアブが苦手な私ですが、Pipiza sp.と思われる種を採りました。

 ハナアブのゲニにしては、目だった形態でしたので、誰かに教えてもらおうと、アップしました。

 この子が どの子にあたるか ご教示お願いします。


Re: ハナアブ苦手です。 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/04(Fri) 23:12:34 No.3427  引用 
バグリッチ様、御無沙汰しております。

これは、Pipizaではなく、クロケコヒラタアブPsilota nigripilosaです。

現在、ケコヒラタアブ属Psilotaは日本に3種分布しています。
P. nigripilosa以外は、大陸と共通の種類です。
旧北区のPsilotaのRevisionが出たら、学名を公表できる予定です。

残念ながら、P. nigripilosaが各地に多産する以外はきわめて稀な種類のようです。
触角第3節が円形の種類(P. brevicornis Holotype)は、タイプ標本の1頭だけしか見たことがありません。
第3節がやや長めの種類(P. brevicornis Paratype, P. brevicornis sense Ichige,2004)は、きわめて稀に採れるようです。

ヨーロッパのP. anthracinaは、QuercusやFicusの樹液に住むようです。

こちらでは、ほぼカエデの花以外で見たことがありませんが、一度だけクヌギ?の樹液が枯れた場所でメスを採りました。

Re: ハナアブ苦手です。 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/05(Sat) 21:24:39 No.3428  引用 
市毛様

 早速のご教示 ありがとうございました。
 ハナアブはあまり採れないので、苦手が先に出てしまい、実は しっかり検索しないで聞いてしまいました。すいません。

 教えてもらいながら、勉強させていただきます。

 また、是非 お願い致します。
 

 

Lasiopogonその1 投稿者: 投稿日:2007/04/27(Fri) 16:32:34 No.3406  引用 
今年もLasiopogon sp.(種名不明!!)がたくさん出るシーズンになりました。

たいていは地面に止まるハエ類(タネバエか何か)あたりを捕食しているのですが、たまに共食いの場面にも出くわします。食欲の前には、みさかいなどないようで・・・。これは♀が♀に食われてました。


Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/04/27(Fri) 16:35:50 No.3407  引用 
交尾の場面にも時々出会います。

が、このペアはなんか変?。よく見ると片方が半ば砂に埋まったような状態で死んでました。
おそらく、合体して地表に止まったときに、下からアリジゴク(すりばちを作らないタイプ)にやられてしまったのだろうと思います。


Re: Lasiopogonその2 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/30(Mon) 00:11:55 No.3410  引用 
面白い生態記事ですが反応がないので,一言.と言っても少し長くなりますが.
以前ブータンのトンサというゾン(城)がある集落で採集していたときに,岩肌に静止しているウラナミジャノメ属の1種がいました.採集しようとネットを振ったのですが飛び立ちませんでした.それで,さらにもう一度振っても飛ばないので,羽化直後かなにかと不審に思って近づいてみましたが,飛びません.それで手づかみしたのですが,これがスット簡単には取れません.なぜかとますます不審に思ってよく見ましたら,アリジゴクの1種にしっかり噛み付かれていたものでした.このアリジゴクはその後飼育した結果,日本にもいるコマダラウスバカゲロウの近縁種でした.これら2種は,地衣類などの生えた岩壁上のわずかの窪みに背面が扁平の体をうずめるようにして,しかも背面には地衣類をまぶしたカムフラージュをしていて待ち伏せをしています.
今回の交尾の写真と,その原因の推測を読ませていただいて,上記を思い出しました.世の中どこにどんな敵がいるか,油断禁物というところでしょうか.(コモンをコマダラに訂正しました)

Re: Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/05/02(Wed) 10:37:29 No.3416  引用 
アノニモミイアさん、貴重な体験談をありがとうございます。

岩肌にチョウが貼り付いていたら驚きますね!。コマダラウスバカゲロウは写真でしか見たことがありませんが、見た目は岩肌に溶け込んでしまっていて、よほど注意して観察しないと見過ごしてしまうだろうなと思います。

さて、死因の推測には根拠がありまして、Lasiopogon sp.を観察した直後、同様の環境でジュウジナガカメムシが砂上に磔になっていたのを観察しています。指でつついても動かないので下の砂ごと手ですくい上げたところ、アリジゴクが姿を現しました。というわけで、たぶんこれが原因だろうなと考えた次第です。

件のアリジゴクは正確な同定はしないままリリースしてきてしまいましたが、以前からこのエリアで見かけているコカスリウスバカゲロウの幼虫と思われます。
コカスリウスバカゲロウのアリジゴクは、砂の表面に大あごの先だけ見える状態で待ち伏せしています。また砂の上をかなりのスピードで前向きに歩きます。初めて見たときは、砂地を何か妙なものが歩いているのを見つけ、追いかけて捕まえてみたら、アリジゴクだったので大変驚きました。後ろに下がる時は、他のすりばちを作るアリジゴク同様ゆっくり進みます。

Re: Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/05/02(Wed) 10:41:19 No.3417  引用 
おっと・・・画像を付け忘れましたm(_ _)m。

投稿の修正方法 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/04/30(Mon) 02:16:28 No.3412  引用 
アノニモミイアさんからのご質問ですのでお知らせしておきますね〜。

Re: 投稿の修正方法 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/04/30(Mon) 02:27:18 No.3413  引用 
1:記事を投稿する際に暗証キーを設定してください。
2:投稿記事のNoを確認してください。
3:BBSの一番したのところに「修正」「削除」を選ぶタブがありますのでそれの修正を選択してください。
4:その修正タブの横に記事Noを入力し、さらに横に暗証Noを入力する部分があります。

そこに入力して、送信すると修正できるはずです。

Re: 投稿の修正方法 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/30(Mon) 10:29:46 No.3415  引用 
ハエ男さん.修正方法分りました.お手数おかけします.3410を修正し,3411を削除しました.

こんばんは 投稿者:ナミテントウ 投稿日:2007/04/29(Sun) 17:57:33 No.3408  引用 
4月29日今日のことなのですが、白岡の運動公園内で不思議なハエを発見しました。
みれば見るほど不思議なので持ってきました。
もしかして病気?


Re: こんばんは 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/29(Sun) 18:52:43 No.3409  引用 
これは推察されたように,Entomophtora(エントモフトラ)というカビの1種に犯されたハエです.ハエの体内で菌が増殖し,特に腹部のような柔らかな部分は膨れ上がって内部の菌が白く見えます.特別に珍しいものではなくて,注意するとしばしば見付かるものです.Googleなどで検索してみると,さらに詳しい情報が得られるでしょう.

Re: こんばんは 投稿者:ナミテントウ 投稿日:2007/04/30(Mon) 08:19:18 No.3414  引用 
アノニモミイア さまコメントありがとうございます。
カビがこんな風になるなんておもしろいですね。

Googleで早速検索してみます。

ミバエの仲間かと思うのですが。 投稿者:クロ 投稿日:2007/04/23(Mon) 19:58:26 No.3402 ホームページ  引用 
薄い青色が目立っていました。

撮影日:2007年4月23日
撮影地:千葉県八千代市上高野
大きさ:1センチ弱


Re: ミバエの仲間かと思うのです... 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/04/24(Tue) 16:48:38 No.3403  引用 
背面一方向のみで同定するのは正直厳しいのですが・・・

一応、翅の斑紋はハルササハマダラミバエに良く似ていると思います。ただ、このグループは小盾板(この画像では背中の黄色く見える三角形の部分)の黒い紋がどの部分にあるかなどが、この近縁なグループの同定には重要な部分なのです。(この画像ではちょっときついです。)

ハエの仲間はチョウなどと違い、斑紋だけでは同定できない場合が良くあります。模様もさることながら体の剛毛や刺毛の配列なども重要で、これらが見えないと同定精度が著しく下がってしまうのです。(外見ではほとんど区別が付かず、交尾器を見ないとわからない種類もものすごく多いですし・・)

今回の場合は、あくまでも、「多分・・かもしれない」ということでお願いいたします。

Re: ミバエの仲間かと思うのです... 投稿者:クロ 投稿日:2007/04/24(Tue) 21:52:15 No.3405 ホームページ  引用 
ハエ男さん、今晩は。

ハエの仲間の同定が難しいことを理解できました。
つい、目にすると撮影し、後で、頭を痛めています。せめて、○○科とか、○○亜科の仲間まで解ればと思っています。

このミバエの仲間は、「多分ハルササハマダラミバエかもしれない」と紹介させていただきます。

有難うございました。

アノニモミイアさんの投稿復活 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/04/18(Wed) 12:40:57 No.3380  引用 
アノニモミイアさんの投稿が拒否されてしまったようなので、復活させます。

写真の種はEmpis (Polyblepharis) compsogyne Freyの雄です.三枝(平成7年)の検索表では6dで雄交尾器の尾角突起が背板葉を越えない点で6eに進み,6eでは体色が黄褐色,雄後脛節が単純,雄陰茎が強く湾曲する,でPolyblepharisに行きます.写真の個体のように筋肉を著しく収縮させる薬品(例えばクロロフォルム)で長時間殺虫処理をしますと,筋肉の硬直が死後も取れず,陰茎が強く押し出され,背板葉が内側に屈曲して,交尾体制をとります.その結果,背板葉が尾角突起より短く見えて,それが検索表の引き違いになったのではないでしょうか.下記の前の投稿の写真では正常(ほぼ同じ長さ程度ですが)です.青酸カリ殺虫では,前処理のクロロフォルム麻酔を長くやらない限り,このような収縮はおこりません.さらに注意すべきことは,このような収縮で骨化部が変形していますと,KOH処理を行っても正常の形に戻らないことがしばしばあります.

本亜属は日本列島に少なくとも6種分布しています.本種に極めて類似した別種(未記載種)が本州中部以南で同所・同時的に発生します.本種の雄は,後脚が付節を含めて黄褐色,前腿節の背面が暗色なので別種(後脚は少なくとも付節は暗色,前腿節はほぼ全面的に黄褐色)から区別できます.これら両種は本州中部以西ではしばしば同所・同時期に発生します.

個体数の多い種で,谷や沢筋の地上数mの木の枝の直下に大きな群飛群を造ります.あまりにも樹の枝直下のために,群飛に気付かない場合があります.Empisの配偶行動を観察するには最も適したものです.Nuptial giftも大きいし,pairはかなり低い位置に止まることがあり,雌がnuptial giftの昆虫を摂食する様子が観察できます.

なお,昨年7月31日の投稿番号2547も参照ください.

原因判明 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/04/18(Wed) 12:49:54 No.3381  引用 
アノニモミイアさんの投稿が拒否されてしまった原因は♂交尾器「陰茎」を意味する「pe-ni-s]が元から設定されていた拒否ワードに引っかかってしまったためと考えられます。(上記原稿はその部分を「陰茎」に修正しました)

出きるだけ拒否ワードデータの方を削除する形にしたいと思いますが、拒否ワード+拒否URLデータが膨大なので、その中の全てをチェックするのは少し時間がかかりそうです。

投稿拒否される場合は、原稿をチェックされ生殖器関連の用語を他の言い方が無いか考えてみるとよいかもしれません。

Re: アノニモミイアさんの投稿復... 投稿者:Arge 投稿日:2007/04/19(Thu) 23:16:26 No.3392  引用 
ハエ男様
お世話になっております。

アノニモミイア様
詳細な解説ありがとうございました。
クロロホルムや青酸カリは危険なので通常酢酸エチルを使っています。油断するとすぐ固くなるので、できるだけ早く取り出すようにしてはいますが。

Re: アノニモミイアさんの投稿復... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/20(Fri) 00:59:23 No.3393  引用 
青酸カリ殺虫管は一旦作製すれば,殺虫管の薬品部を破損しない限り絶対安全です.造り方は多分ご存知だと思いますが,私の場合を参考に書いておきます.

志賀昆虫普及社製の殺虫管を使います.まず殺虫管をよく洗剤を使って水洗いしておきます.台の上に紙を敷きます.乾かしたあと殺虫管の底のくびれより下の薬品部に約1/2青酸カリを入れます.青酸カリの薬品瓶の栓をとるときはペーパータオルなどをかぶせて栓を取り,この紙も処分します.瓶を傾けて薬品匙で慎重に青酸カリを取り出します(一度に多くとろうとするとこぼれて危ない).殺虫管に入れるときも,瓶壁に青酸カリの微粒子がつかないように注意します.底に青酸カリを入れたら,粒子が大きい場合はとくに割り箸の頭で上からゆっくりと,しかし力をいれてつぶしていきます.この際手荒にやるとこわれた小粒子が垂直に飛散して瓶外に出る危険性があるのでかなり慎重にやります.この割り箸も危険ですから安全な処理(例えば屋外で強酸の入ったビーカーなどに箸のカリが着いた部分をいれて分解させるとか;十分に密封してごみ収集日にだすとか)をしておきます.薬品を入れたら,青酸カリの瓶の栓を,やはりペーパータオルでつまんで,しっかり栓をします.次になるべく細かい鋸屑をくびれのところまで入れます.そして,別の割り箸の頭でそっと押し付けます.あまり無理に押すと鋸屑と青酸カリが混ざって,カリが上の方にくるので慎重に.それから焼石膏(工作用のはあまりよくないので,薬品店から焼石膏と注文して購入する)をビーカーのような物にいれて,水を注いで溶かします.水の量は微妙で,ビーカーを傾ければゆっくりどろどろとこぼれてくる,という程度です.傾けても落ちてこないのは水が足らないし,さっとながれてくるのは水が多すぎます.事前にためしてみたらいいでしょう.石膏を水でといたら,直ちに殺虫管の中に流し込みます.というより,ボテッボテッと2-3個どろっとした塊が落ちるという感じです.底に着いたら軽く瓶の底をとんとんと台に叩くと,石膏は鋸屑の上に広がります.この石膏の厚さは約1.5-2cmくらいが適当です.あまり深いと虫を入れるスペースが狭くなります.

このようにして作った殺虫管は口をあけたまま,安全な場所に半日くらい置いて,石膏の水分がある程度乾くのを待ちます.その後,湿らせたチシューペーパーなどで内面を十分に拭いて,コルク栓をします.次に瓶を透明のビニールテープでぐるぐる巻きにします.特に薬品部は2重3重に巻いて,万一壊れても薬品が外に出ないようにします(底にも巻きます).薬品部より上は一重でいいですが,瓶口の部分は破損しやすいので布テープなどで3-4重に巻いておきます.コルク栓の上には,「劇毒物:どく きけん ふたをあけるな」と油性ペンで書きます.栓の横には「ふたをあけてはいけない」と書きます.

殺虫管を作るときに用いた割り箸は前記の通りしてから,紙などはそのままビニール袋などに密閉してゴミだしの日に燃えるゴミでだします.もちろん青酸カリの瓶は絶対安全な場所に施錠して保管します.

このようにして作った殺虫管は,青酸カリそのものは外部に絶対に漏れません.石膏の水分と鋸屑が反応して木酢のような物が出るのか,徐々にこれが青酸カリと反応して青酸ガスを生じ,これが石膏の多孔質の間を通って瓶内にでてきて,これで殺虫が出来ます.殺虫管の中には一重にしたペーパータオルの幅5-7mm,長さ15cmくらいのを4-5枚いれておくと,中に入れた虫が痛みません.

このような構造ですから,瓶をよほどひどく壊さない限り,内部の青酸カリそのものが外に出る危険性はほとんどありません.ただ,作製初期や長く使わなかった場合には最初栓をあけると青酸ガスが充満しているので,吸い込まないように注意すべきでしょう(いやなにおいがするのでわかります).瓶内が汚れたらぬれたチシューで拭います.

問題はこの殺虫管を落し物に絶対にしないことです.その可能性がある人は,瓶壁に「拾ったら警察に届けること,xx-xxxxに電話すること」と自分の電話番号をプリントした紙を貼って,その上を上部なセロテープでまいておくことです.

このような殺虫管は大体2年間は十分ききます.いよいよ聞かなくなったかどうかはアリなどを入れてみて効果をためし,長時間死なないようでしたら,壊れ物で処理できるでしょうし,再生するなら手間がかかりますが,石膏をドリルなどで壊せばまた使えます.

長くなったついでに,後のハエの処理も書いておきます.殺虫管の中に1/3くらいDiperaが溜まったら,志賀昆虫普及社製の#458プラスチック丸型(貝殻,鉱石用)9cmに移します.内径の幅で長さが径の2.2倍くらいのペーパータオルをきったものを底から片側の側面,そして上面に来るように折っていれます(横から見ればコの字型).その間に先ほどの殺虫管用のテープ状のペーパータオルを8枚くらいいれておきます.蓋をあけて,中のテープ4本を取り出します,そして殺虫管の中身を中のテープごと容器の中に空けます.そして幅広のペーパータオルで上を覆い,その上にコアカソとか,カエデの若葉とか水分の多い葉を1-2枚のせて蓋をします.取り出した4枚のテープは空の殺虫管にいれます.このようにしたものを,リュックの底の暑くならないところに収容しておけば,夕方帰るまで中身のハエは柔らかい状態を保ちます.その日に処理できない場合は冷蔵庫に,また数日以上処理できない場合はチャック付きポリ袋に湿ったチッシューと共に入れて冷凍します.

いずれにしても,殺虫管の中に入れるまでは青酸カリは極めて危険な薬品ですから,素手でつかむとか,こぼすとかは絶対にしてはだめです.この点と落し物にしない限り,青酸カリ殺虫管はdipteraには最適の殺虫管です.酢エチはどうしても湿り気で翅が傷むし,pollinosityがだめになることがしばしばあって,これに気を使うくらいなら青酸カリ殺虫管のほうがベターでしょう.ちなみに,青酸カリは印鑑をおせば化学薬品店から購入可能です(悪用禁止).

Re: アノニモミイアさんの投稿復... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2007/04/22(Sun) 00:47:21 No.3398  引用 
アノニモミイア様

木材組織からは、酢酸などの有機酸を揮発することが知られております。たとえば、貝類標本を木製のキャビネットに収納して何十年も保管しておきますと、貝殻の炭酸カルシウムが酢酸カルシウムなどに変化し、この結晶が霜柱のように成長して標本をぼろぼろに侵食してしまいます。このことが昔は知られておらず、細菌や菌による腐食と誤認され、消毒措置が取られたりもしたのですが、まったく無効でした。このことが判明したのは、たかだか数年前です。このため、国立科学博物館の貝殻乾燥標本の古いものも、かなり被害にあっており、タイプ標本の損傷も馬鹿にならないと聞いております。この酸が青酸カリと反応するのではないでしょうか。

Re: アノニモミイアさんの投稿復... 投稿者:Arge 投稿日:2007/04/24(Tue) 17:05:05 No.3404  引用 
アノニモミイア様

詳細な解説、ありがとうございました。
ただ、やはり最近はアマチュアで青酸カリの入手は大変そうなので、亜硫酸ガス等の使用も検討してみます。

ありがとうございました。

金属製標本箱? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/22(Sun) 08:42:30 No.3399  引用 
ウミユスリカ様 木材から酢酸が出る情報ありがとうございました.青酸カリ殺虫管の作製方法は私が出た研究室でずっと前から行ってきたものです.しかし,なぜ鋸屑をいれるのか,またそれでなぜ長期にわたってじわじわと青酸ガスが発生するのか,仕組みは知りませんでした.やはり想像したとおり酢酸など有機酸が生じるのですね.まさか木の棚から出る有機酸で貝の標本が傷むことは知りませんでした.昆虫の外骨格がキチン質で出来ているのは幸いだということですね.そうでなければ標本箱はすべて金属で作らなければ,標本が長持ちしませんから.

Re: 金属製標本箱? 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2007/04/22(Sun) 20:59:03 No.3401  引用 
アノニモミイア様

ここ数年来、貝の標本は金属性キャビネットに入れるべきという指針がだいぶ定着してきたようです。また、かなり前から貝の標本箱として密閉性の高いプラスチックケースが普及しており、これに収納してからキャビネットに収納すれば、木製キャビネットでもかなり安全だと言われています。

それにしても、同じ現象が、かたや良好な昆虫標本作成に寄与し、かたや貝類標本を破壊してきたとは皮肉なものです。

ちなみに、私が「はなあぶ」に開始した連載にありますように、私はもっぱら亜硫酸ガス使用者です。ここ10年来、試薬を使った事件がいくつか起きたことから、薬局や試薬商が個人への試薬の販売に強力な自主規制をかけてしまっており、青酸カリの入手が困難になってきているからです。私が話をしたある試薬商は、たとえ塩化ナトリウムやブドウ糖であろうとも、個人への販売は自粛していると語っていました。今のところ所属が大学ということや、兄弟に医師がいることもあってそちらからのルートで試薬の入手も可能ですが、そういうルートが絶たれたときのために、もっと容易な入手ルートで得られる方法に熟達していたいという考えからです。亜硫酸なら、一般的なピロ亜硫酸ナトリウムを使う方法のほかに、観賞魚店で手に入るチオ硫酸ナトリウム(ハイポ)を使えますし、クエン酸なら食料品店でも入手が可能です。

スイセンハナアブ 投稿者:pakenya 投稿日:2007/04/22(Sun) 16:18:07 No.3400  引用 
こんにちは

昨日撮影したスイセンハナアブ:Merodon equestrisの♀です。
林縁でオカザキタマヒラタアブの停飛を撮影していたところ、
足元のヒメジョオンに飛来しました。キンアリノスアブと思って撮影し、採集したのですが、針を刺す段になってやっと気づきました ^^;)
外来種とのことですが、なかなかきれいな虫ですね。

世田谷区岡本にて撮影です。
web図鑑に使えるようでしたらお使いください。

貼り逃げご免 投稿者:Acleris 投稿日:2007/04/20(Fri) 20:59:49 No.3394 ホームページ  引用 
今日仕事で遠出した際、途中休憩した場所にいたオドリバエです。
三枝先生の検索(以前ここで紹介されたpdf)でRhamphomyia属まではわかりました。
Dipteraは文献の持ち合わせがないので貼り逃げします。
何かの参考になりましたら幸いです。

2007年4月20日
兵庫県豊岡市但東町
標高160〜170m付近
写真のスケールは1mm目盛りです。


Re: 貼り逃げご免 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/21(Sat) 10:57:50 No.3395  引用 
Calorhamphomyia亜属のR. complicansにやや近い未記載種の雌だと思います.この種は「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」の186ページのsp.4(添付の図でE)です.豊岡の低山地ですと,このほかにR, itoiとR. complicans,それにもう1種やや大型の未記載種(M)が春から初夏にかけて出現します.添付した図でMというのがこの未記載種,Eが今回写真の種,Cがcomplicans,Iがitoiです.7prは第7腹節の付属突起,aeは挿入器の途中の部分です.Mの右に線で結んであるのは,左の側面図の部分を斜め前から見たももので,線の先の点のところは竜骨突起でその基部の本体が楕円形系に広がっているのを示したものです.ご参考までに.

保存しました。 投稿者:Acleris 投稿日:2007/04/21(Sat) 18:29:50 No.3396 ホームページ  引用 
アノニモミイア様、さっそくのご教示ありがとうございました。
♀でもそこまでわかるものなんですね!
今回は時間もなく、ついでのような採集でしたが、また何か採れたら、この交尾器画像を役立てたいと思います。
ありがとうございました。

Re: 貼り逃げご免 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/21(Sat) 22:39:03 No.3397  引用 
未記載種Eの雌の特徴は,1)翅の基部が黄色味が強く,外側がかなり暗色になること,2)腿節が黄色(橙黄色ー赤褐色)で後腿節の先端のみ暗色,3)前,中脛節の先1/2が暗色,後脛節の基部1/4−1/3を除く大部分が暗色,4)後腿節の肥大がやや弱い(complicans雌に比べて)です.これらの形質を総合すると,本種の雌に到達します.なお,琵琶湖北岸の山地には北アルプスの亜高山帯にいるR.(C.) pretiosaが棲息しています.これは第7腹節腹板の突起が足首型ですが小さく,挿入器が一様に細長く円筒状です.ほかに兵庫県山地にはpretiosa亜群に入る小型の未記載種がいますが,これは前記腹板突起が大きく菱形です.以上が兵庫県北部関連のCalorhamphomyiaのcomplicans群です.もちろん他の群の種も棲息しています.

Empis (Polyblepharis)の2種? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/04/18(Wed) 21:52:31 No.3382  引用 
こんちは。

 4月7日にEmpis (Polyblepharis) compsogyne かと思って採ったオドリバエ2♂がいるのですが、よく見ると2種の形態が異なっていました。
 1枚目の画像が、Empis (Polyblepharis) compsogyneかと思っています。
 2枚目は、以前、未記載種?とされた種ではないかと思います。
 後脛節の色彩の差が顕著ですが、小楯板の剛毛の数が異なっていました。(E.compsogyne型=4本(2対),未記載型=2本(1対)
 同時に1♀も採れましたが、こちらは、後ふ節の第1節に鱗毛が無いのでE.compsogyneかと思ったのですが、小楯板の剛毛は、上記の未記載種型と同じで2本(1対)で、混乱してしまいました。
 これは、どのように考えたらよろしいのでしょうか?


Re: Empis (Polyblepharis)の2... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/04/18(Wed) 21:53:29 No.3383  引用 
2枚目の、未記載型の画像です。

Re: Empis (Polyblepharis)の2... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/04/18(Wed) 21:54:25 No.3384  引用 
3枚目は、どちらかわからない、♀です。

Re: Empis (Polyblepharis)の2... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/19(Thu) 08:15:35 No.3389  引用 
バグリッチさん,大変いい形質に気付かれたですね.確かにcompsogyneは小楯板剛毛が2対,未記載種は1対ですが,前種では地域または個体によって,外側の1対が内側のものに比べて長さ,太さ共に1/2以下になるものがあります.逆に外側のものと内側のが大差なく,且つ1-4本程度の追加剛毛を生じることもあります.一般に雌は雄に比べて剛毛の発達が悪いので,あなたの雌のように,外側の1対が消失した個体が現われたのではないかと推測しています.私のところの未記載種は1対で追加の剛毛はありません.
 
もう一点,これは小楯板剛毛と関連しますが,dorsocentralsがcompsogyneでは前方で多列になる傾向が強く,humerusの後方でかなり多数の(10本以上くらいの;これも変異がありますが)弱いsetaeとなって分散します.ところが未記載種では前半がせいぜい不規則な2列で,posthumeral areaにはほとんど分散しないで,この部分のsetaeは数本以下というのが一般的です.しかし,これらの特徴も地域や個体である程度の変異があります.

また,中胸背板の淡色部の色彩がcompsogyneでは濃色ですが,未記載種では淡色で,時にはほとんど灰白色の場合もあります.これも変異がある程度認められます.

これまで特徴として書きました雌後脚の色彩,羽状剛毛の長さや生じる範囲にも変異がある程度みられますが,現在のところこの形質が一見した場合に一番簡単な目安になるのではないでしょうか.

なお,これからの時期,Planempis亜属のholocleroides種群が出現してきます.雌ではこの亜属とPolyblepharis亜属を明確に識別する形質はありません.この点も同定には注意が必要ではないでしょうか.一般にPlanempisの雌の場合には中室(discal cell)が雄より拡大する傾向が見られます.

というわけで,いろいろ問題が多いのですが,オドリバエ科は概して多数の個体が得られますので,これらを採集して変異を調べていく必要があると思います.日本列島では群によってかなり地理的分化が複雑な様相で進んでいますので,難しいし,またそれゆえに興味ある点だと思います.

Re: Empis (Polyblepharis)の2... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/04/19(Thu) 21:39:23 No.3391  引用 
アノニモミイア様

 ご教示 ありがとうございます。

 compsogyneは小楯板剛毛に変異が多いとは本当に勉強になります。
 ということは、3枚目の画像の♀はcompsogyneと理解します。 しかし、大型種なのに、肉眼ではそっくりに見えます。

 holocleroides種群には注意してみます。
 『雌ではこの亜属とPolyblepharis亜属を明確に識別する形質はありません.』というのも、難しいですね。
 いろいろ勉強してみます。

 引き続き ご教示宜しくお願い致します。

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