大八木様
これらは全てユスリカバエ科のAndroprosopa属の幼虫です。ユスリカバエ科は岩清水など垂直の岩の表面を厚さ(深さ)1mm前後で緩やかに流れる部分に生活し,背面は水面上に出ていて,藻類などを摂食します。成虫も岩清水の近くの草や岩面に静止していて,活動は至って不活発なもので,一見小型のブユのような印象を受けます。(昆虫と自然,2005年,Vo. 40, No.10, 通巻529号参照) カナダのDr. Sinclair(本科やオドリバエなどの専門家)が共同研究者とこの科の分子系統を研究していて,日本のAndroprosopaの100%エタノール標本(成虫または幼虫)を所望されていますが,こちらでなかなか採れないで難渋しています。もし,機会があってこの幼虫にであいましたら液浸標本を作成していただければ彼に送ることができます。 Androprosopaの他に日本にはTrichothaumaleaがいますが,これ更に微小で,かなり稀なものです。 なお,岩清水にはホソカ科のイワシミズホソカ類の幼虫,ノギカワゲラの仲間,タニガワトビケラやある種のナガレトビケラ,オビカゲロウやカカンボカゲロウ,日本西南部ではトゲオトンボなどの幼虫の生息場所になっています。 |
画像のオドリバエはアケボノシブキバエ属Proclinopygaの1種です.この属はヒマラヤから極東,北米に隔離分布していて,日本には10種ほど生息しています.P. seticosta Saigusa, P. bisipinicauda Saigusa,P. pervaga Collinの3種が記録されています.画像の種はP. bispinicaudaに外観が似ていますが,脚や交尾器の詳細を観察しないと同定はできません.
ProclinopygaはClinoceraやWiedemanniaなどと同様に渓流性のオドリバエで,前2属より渓流への適応形態の発達が弱いものです.配偶行動を含めて生態の詳細はほとんどわかっていません.画像の種に似たものでは,雄がアシナガバエ科 のDolichopusのように,雌の直上を飛ぶような行動をとることを観察したことがあります. |
ted様.
この仲間は外見に特徴がないと写真での判断は困難です. 恐らく,イエバエ科のメスではないかと思われます.
茨城@市毛 様
ありがとうございました。 小型の双翅目の写真を撮ると、いつも分類に困っています。 これからもよろしくお願いします。 |
![]() どうぞよろしくお願いします。
おーやぎ様
今回のもやはりクモスケヤリバエだろうと思います.沿海州から九州まで本種の相当数の個体を見ていますが,2種混ざっていると言うことは疑ったこともありません.近似種がグンバイヤリバエでして,この群に近いものは中国には2,3種いますが,これらもクモスケヤリバエとははっきり異なっています. いずれにしても両者の標本を送ってください.確認します. また,無数にいるとのこと,そのような場所では幼虫が採れるかもしれません.すでに脱皮殻になっているかもしれませんが水際の湿った所の石の下あたりで見つからないでしょうか. それと,無数にいていろいろな行動を観察されていますが,是非おーやぎさんお得意の動画を撮ってみせてください.クモスケは渓畔の石の上で雄が翅をひらひらと動かしながら走り回ったり,他の個体を追跡するのはしばしば見ていますが,本種の交尾行動はまだ見ていません.交尾中に♂の前脚跗節で♀の翅の前縁をつかむと思いますが,そのあたりの詳細な画像が採れないでしょうか.
アノニモミイア先生ありがとうございます。
いま、動画をアップしようと思っていたところです。YuoTubeですがブログにものせたいと思います。交尾行動もとれています。標本をお送りします。
アノニモミイア先生、ブログにアップしました。ご覧下さればと思います。
http://snowmelt.exblog.jp/22024782/ 交尾の元動画はかなり長いです。 幼虫期の生態も調べてみたいと思います。 先のクモスケヤリバエはむつ市川内町の川幅2-3メートルの渓流中の露出石の上で この無数にいるのは下北郡佐井村の枯れかかった砂防堰堤チョロチョロした清水が出る幅20-30センチほどの細流付近の石の上です。混生ではありません。 |
後翅も見えるし,双翅目ではないと思います.多分半翅目(カメムシ目)のキジラミ科の種でしょう.
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