おーやぎさん:画像のオドリバエはいずれもRhamphomyia (Calorhamphomyia) formidabilis Freyの雌雄です。本種は本州から九州まで広く分布していて、脚の色彩は北に行くほど黄色部が拡大し、雌の脚の鱗状剛毛(羽状剛毛)の大きさや密度も変化します。交尾器にもクライン的な形状の変化があります。
本種に限らずRhamphomyiaやEmpis、さらに一部のHilaraで雌の腹部中央の側面膜質域から繊細な短毛をビロード状に密生した三角錐状の突起を生じることがあります。私の観察では群飛中に雌はこの部分を外にだしています。この理由について米国の研究者が、雌が自分の腹部を大きく偽装して、卵巣が発達しているように見せ、これで群飛中に他の雌より雄の交尾意欲を誘い、雄から求愛給餌を受けやすいのだろう、という仮説をだしています。いろいろなオドリバエのこの構造を見た経験からは、必ずしも自分の腹部を大きく見せていると言うわけではないと思える種もあります(黄色く細長い紐状突起のこともある)。私の仮説はこの部分はフェロモン分泌器官で、ここから雄を誘引するフェロモンか、あるいは集合フェロモンのようなものを空中に出して、群飛に誘っている、という考えです。個体群密度の大きいオドリバエ(例えばMegacyttarus亜属)は別にして、Calorhamphomyiaのように必ずしも個体群密度が高くない種では、広い森林内で群飛を効果的に行うためには、このような手段があってもいいのではないかと思います。
三枝先生ありがとうございます。スキバオオウルワシオドリバエ(仮称)というのですね。
林の中で採りましたので、視覚よりもフェロモンというほうが有利だろうなとは考えられますね。
おーやぎさん。投稿された雌が、R. (C.) praecellens Freyに相当する東北地方のformidabilisの集団です。脚の黄色部が拡大し、雌の翅の透明感が強くなります。
上記シノニムは正式には発表されていませんので、日本昆虫目録ではそれぞれ別種としての扱いになっています。なお、スキバオオウルワシオドリバエの名称は上記目録で用いられているので仮称ではなくなりました。 |
三重県鈴鹿市にある里山公園の湿地でヨシに止まるキモグリバエ科ヨシノメバエの仲間を見つけました.この属の画像がなかなか見つからなくて,種名にたどり着けません.体長は8〜9mm程度です.2015.5.17撮影
三枝先生,ヨシノメバエに関する参考文献をいくつも教えていただきありがとうございます.
標本も採ってありますので,いずれ種名を解き明かしたいと思います. |
HM様
カワムラヒゲボソムシヒキと思われます.
茨城@市毛様
ご教示ありがとうございました。 |
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