![]() 初めて投稿させていただきます。 京都市で採集したキノコ食の双翅類についてご教示お願いします。 Manual of Nearctic Dipteraを調べたところ キノコバエ科のDitomyia属へたどり着きましたが自信がありません。 この掲示板でも以前にDitomyia属についてのスレッドが あったようですが、成虫の見た目はだいぶ違うように思えます。 写真の固体は2012年8月5日に採集したクジラタケから 8月24日に羽化した固体です。
TK様.
ヤマトケヅメカ Asioditomyia japonicaかそれにかなり近い種類だと思います. 参考としては下記の論文があります. http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/bulletin/419/documents/419-4.pdf
このキノコバエはAsioditomyia japonica (Sasakawa)の♀でしょう。この属はDitomyia属に比べて口器がかなり退化し,小腮鬚はたった1節になっていますので,標本でこの点も確認してください。もし,1節なら確実にAsioditomyiaです。
![]() 参考文献ありがとうございます。referencesも含めて大変参考になりました。 三枝さま ありがとうございます。小腮鬚を観察したところ1節からなるようです。Asioditomyiaで間違いなさそうです。 ![]() なお,Asioditomyia属は日本のほかに,ネパールヒマラヤ,ミャンマー,中国,台湾からの標本を持っていまして,これらはいずれもA. japonicaにかなり類似したもので,たとえjaponicaとは別種であっても異所的な種分化をしたものと思われます。一方スラウェシの高地に分布するCelebesomyia inocellata Saigusa, 1973は上記のような東アジアに分布するAsioditomyiaの祖先種がスラウェシに侵入して特化したものと思われます。種小名の通りキノコバエ類としては例外的に単眼をまったく失った種です。ボルネオやマレー半島などにもおそらくこの仲間が生息すると思われますが,まだ材料が得られていません。 |
最初の個体はRhamphomyia (Calorhamphomyia) formidabilis Frey, 1951の♂です。
2番目の個体は私が越佐昆虫同好会会報50号慶祝論文集の「新潟県の昆虫」に出した「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」の185ページに,Rhamphomyia (Calorhamphomyia) sp. 4 (complicans 種群)として記録してある未記載種です。本種は本州のほぼ全域に分布し,R. (C.) complicansと同所的で,これより約一か月早く成虫が発生する種です。♂交尾器の第7腹節腹板に生じる突起の形状などにcomplicansとの相違がみられます。新訂原色昆虫大図鑑第3巻にcomplicansの交尾器の写真を出していますので比較されるとよろしいかと思います。
三枝先生.
早速, 新訂原色昆虫大図鑑第3巻で交尾器を比較して違いがよく分かりました. とても分かりやすく教えて頂き,ありがとうございました. |
Zoological Recordを見ていたら,Fragmenta Dipterologicaという雑誌を見つけました.
下記のURLで閲覧できます. http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Fragmenta_Dipterologica ニクバエ等のLehrer氏の論文が多数載っております. ZooRecoには,Vol.27のParasarcophago chihoi,Vol.29のKonoisca honshunia,Vol.30のPseudolhyrsocnema nevaiが日本からの新種記載と載っています. 時間が有ったら,読んでみてください.
茨城@市毛 様
いつもお世話になっています.さんごです. 貴重な情報を提供していただき,どうもありがとうございます.Zoological Recordにこのような報告がのっているとは,まったく気が付きませんでした.詳細これから確認してみます. 取り急ぎ,御礼までに. |
色々と不明種が多くやっかいなフンバエのネタです.
Ozerovが2008年に大阪 和泉葛城山産の標本を元にMegaphthalmoides japonicusというフンバエを記載していたのを見つけました. 旧北区の検索でMegaphthalmoides属の特徴を見ると,Scathophaga属とは胸側部の長毛で区別が出来るようです. 論文のタイトルは A.L. Ozerov, 2008, New species of Scathophagidae (Diptera). Russian Entomol. J. 17(4): 419-427. ですが,直接リンクが張れません. "ent17_4 419_427 Ozerov Scathoph (color).P65"で検索してください. |
TED様.
下側板剛毛や下小楯板が見えないのではっきりしませんが,腹部第3背板に太い背板剛毛と後縁剛毛があるので,ヤドリバエ科の可能性があると思います.
画像のハエは,賢そうな顔つきと市毛さんのご指摘のように腹部背板に直立して生じる強い剛毛からヤドリバエ科のことはほぼ間違いないでしょう。クロバエ研究者からは叱られそうですが,クロバエ科のハエの顔つきは何となく愚鈍か,垢ぬけしていない印象を受けます。私の勝手な印象ですが。オオクロバエの♂などは少々賢そうにみえますが,こいつらはただ単にテリトリーを張って♀の飛来を今や遅しと待っている面構えだけです。ヤドリバエがなぜ利口そうなのか?って。それは必死に寄主を探したり,多数の卵を忙しげに次々と産卵しなければならず,クロバエのように主に腐敗物を嗅覚頼りに集まってくるのとは違うのでは?
茨城@市毛様
アノニモミイア様 ありがとうございました。 撮影の時、亜小楯板、腹部背板が確認できる写真も 必要ですね。 とても勉強になりました。これからもよろしくお願いします。 |
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