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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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謎の幼虫が集団移動中 投稿者:たか爺 投稿日:2006/06/03(Sat) 16:20 No.2399 ホームページ  引用 
昨日知り合いが、小さな幼虫がヘビの抜殻に見えるぐらいうじゃうじゃと集まって移動中とのことで、画像を送ってきました。
今日は少しだけ団子状に固まっていただけでしたが、6〜7oの透明な芋虫状。
この画像ではわかりにくいと思いますが、ハエの仲間でしょうか?
場所は埼玉県さいたま市・ミドリシジミで有名な秋が瀬公園のチップをまかれた道の上です。


Re: 謎の幼虫が集団移動中 投稿者:たか爺 投稿日:2006/06/03(Sat) 16:21 No.2400 ホームページ  引用 
ヘビの抜殻に見える!?

Re: 謎の幼虫が集団移動中 投稿者:たか爺 投稿日:2006/06/08(Thu) 13:09 No.2421 ホームページ  引用 
わかりますか?

Re: 謎の幼虫が集団移動中 投稿者:ハエ男 投稿日:2006/06/10(Sat) 03:56 No.2422  引用 
いわゆるウジ型ではないので、ハエの幼虫ではなさそうですね・・・

Re: 謎の幼虫が集団移動中 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2006/06/11(Sun) 17:28 No.2426  引用 
集団写真の解像度の低さでなんとも言えませんが、糸を吐いてシートを形成していませんでしたか?私には糸を使うタイプのキノコバエ類のような気がするのですが。

Re: 謎の幼虫が集団移動中 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/18(Fri) 13:04 No.2605  引用 
以前の投稿でしたが,お答えしましょう.これはクロキノコバエ科(Sciaridae,クロバネキノコバエ科ー翅の黒い種は極少数なので,体は大概黒色なので私はそう勝手に改称してます)の幼虫の集団移動です.日本ではまだ見たことがないのですが,私も一度ブータンの山中で20cmくらいの長さのが山道をゆっくりと横切るのを観察したことがあります.以下にこれに関する文献を一つ引用しておきますが,何メートルにもなり,誇張であろうとされているのでは30mとかもあるそうです.

Mass movements of Sciarid larvae have frequently been reported from Europe (Beling, 1883). The larvae appear in columns 8-25 cms wide and 2-3 metres long (as much as 30 metres has been recorded but this may be an exaggeration). The purpose of this movement is quite unknown. Sciara thomae (Linnaeus) and S. militaris Nowicki have been observed to carry out this behaviour but it has not been recordd from Britain. (Freeman, P., 1983. Handbooks for the Identification of British Insects, 9(6) Diptera, Sciaridae:8.

Shiraki et Edashigeの記録 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/17(Thu) 12:46 No.2604  引用 
Shiraki & Edashigeの論文の中でのジョウザンナガハナアブの記録に関する記述は下記引用の通りです.

54. Temnostoma jozankeanum (Matsumura, 1915)
Nom. Jap.: Jozan-naga-hanaabu
  Mt. Ishizuchi, (S. Miyamoto, 1934)**

すなわち,著者等はこの論文の中の多くの種のように実際彼らの手元の標本に基づいて記録したものとは異なって,本種の場合には出版された記録に基づいています.なお,**のついている文献は:

Miyamoto, S. (1934). Ent. World, Tokyo, 2(9):300.

です.こちらは論文を今手元に持っていませんので,詳しい論文題名は分かりませんが,半翅類や長翅目の研究者の宮本正一先生がお若い時に中国地方や四国のハナアブを研究されていたので,その頃の論文でしょう.
本種はなぜか九州大学の赤本の目録にも四国が分布に記録されていません.顕著な種なので,宮本先生の誤同定とは思えませんが,目録のこの部分をチェックされていた徳島県博の大原賢二さんがどのようにこの記録を扱ったのでしょうか.

Shiraki & Edashigeの論文では記載年が1915となっていますが,これは多分誤まりで,かなりの種が松村松年先生の1915年に出版された「昆蟲分類学下巻」で記載されており(新種とは表記がないが原記載),それらの種が同先生の「新日本千蟲圖解,巻のニ」で新種としてまた記載されています.この場合は1915年のが新種の有効な記載になります.しかし,本種の場合は昆蟲分類学では記載されていないので,1916が本種(ジョウザンナガハナアブ,Spilomyia jozankeana Mats.として)の記載になるでしょう.一点注意しなければならないのは,1916の著書では,和文の記載では本種雌の図は「第十六圖(13)(♀)」となっていて,図版の絵に相当しますが,英文記載のところでは「(PL.XVI, Fig. 18, ♀」となっていて,Fig.18はMallota japonicaの図です.宮本先生は当然1916の著書の記載と上記した図はごらんになっているはずですから,誤同定はないとおもいます.

このアブは? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 15:58 No.2594  引用 
連貼りで恐縮ですが・・

2592と同じ場所で集中攻撃してきたやつです。
東北のブナ林では地方名メジロ(イヨシロオビアブ)が集中砲火を浴びせてくれますが、これよりは低空を飛翔して接近するのが特徴的でした。
ハナアブを採集している以外は、護身用にネットを振り続け、2時間ほどで100個体以上は除去したはずなのですが、来るわ来るわ。かなりしつこいやつでした。

Dipteristとしては、除去するだけではいけないと思って採集してきたのですが、同定出来ません。教えてください。


Re: このアブは? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 16:05 No.2595  引用 
触角鞭節は5節、後脚脛節には距棘がありません。
翅は基本的に透明で、ごらんのように顕著な模様があります。
額には明瞭な単眼瘤があり、複眼は極めて微細な微毛に密に覆われます。
ここまでは「日本産水生昆虫」でキボシアブ属に来るのですが、その続きに該当するものが無いようです。

複眼は生時緑で、斜めの筋模様が3本あります。


Re: このアブは? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 17:12 No.2596  引用 
私のところにも同じと思われる大鹿村産の標本があるのですが、以前、双翅目談話会に持ち込んだときにアブ屋の米津さんが同定をしてくれてラベルを付けてくれていました。

それによるとニホンクロアブとなっています。
ということで、ニホンクロアブに一票入れます。
ただ、動薬研究のアブの記事では頭部の紋は結構微妙です。

Re: このアブは? 投稿者: 投稿日:2006/08/15(Tue) 09:55 No.2598  引用 
ハエ男様

ニホンクロアブとのこと、ありがとうございます。
この和名は、日本産昆虫目録に登録されていないので「はなあぶ」を繰ってみると・・・ありました。20の春沢さんの日本産アブ科分布資料(5)にHybomitra stigmopteraとして収録されています。でも、この学名は、目録ではチョウセンクロアブとされていて、命名者と年号が違っています。どっちが正しいのかな?

種小名stigmopteraは、紋がある翅って意味ですよね。翅の特徴を表した種名ですね。

同じ種と思われるオスも6月の富士見高原で採集していました。いずれにせよ、分布記録は長野県内に集中しているようですね。私は、北日本の山岳を結構歩いているのですが、他の地方でこのアブを見たことはありませんでした。関東周辺でも探してみようと思います。

Re: このアブは? 投稿者: 投稿日:2006/08/15(Tue) 12:11 No.2600  引用 
pakenya様、ハエ男様。

このアブは、鳥倉山にムチャクチャいた種類ですね。あまりにも多いので気味悪く感じました(^_^;)

本種の学名は、亜種を認めるかどうかで変わります。(当然記載年=年号や命名者名も!)
ここらへんは、極めて難しい問題ですね。

日本産昆虫目録は旧北区の双翅目目録同様、亜種fuji Murdoch et Takahashiをシノニムとしています。ちなみに基産地は亜種名通り富士山です。

ケブカヨツモンでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 14:38 No.2592  引用 
こんにちは

7/30に八ヶ岳西麓で採集したMelangynaのメスです。
腹部に斑紋が全くなく、「札幌の昆虫」に示されたヨツモンホソヒラタに似ていますが、小楯板や脚の色彩が一致しません。
「極東ロシア」で検索すると、ケブカヨツモンホソヒラタ:M. barbifronsに行き着きました。しかし、「日本のハナアブ」にはオスしか図示されていないので確信が得られません。

諏訪の御柱を切り出す、原村の虎姫神社付近標高1700mあたりで採集です。


Re: ケブカヨツモンでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 14:40 No.2593  引用 
顔の正面からの写真もアップします。

色彩は異なるものの、「日本のハナアブ」のオスと口縁の形状はよく似ています。


Re: ケブカヨツモンでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/08/14(Mon) 21:04 No.2597  引用 
pakenya様。

日本産のMelangynaは未解決の問題が多く、まだまだ良くわかっていないと考えています。大きな問題は、極東ロシアと非共通な種類がどれだけいるかという点と、Mutinがmotodomariensisとしている種類がタイプ松村と合っているかという点です。

さて、手持ちのヨーロッパのbarbifronsを見ると、pakenya様の写真よりも顔の幅が明らかに狭いようです。(もっとも1頭しかないので当てにならないかも(^_^;)
この検索表の悪い点は、種の詳細の記述が全く無いことですね。交尾器が図示されているオス以外の同定は、Die Fliegen等の詳細を読まないと危ないと考えています。(Die Fliegenはドイツ語なので、私はかなり時間をかけないと読めません。低レベルの工業高校しか出てないのですみません(^_^;)

先月木野田氏にお会いした時に、Melangyna不明種の黒化型を預かってきました。先ほどちょっと見てみましたが、また別の種類のメスのようです。

今月末が「はなあぶ」の原稿締切りなので、その後に時間があれば調べてみます。(覚えていれば良いのですが(^_^;)

P.S. 今月も、原稿執筆中に先人の誤同定らしき種類を見つけてしまい処置に悩んでいます。

Re: ケブカヨツモンでしょうか? 投稿者: 投稿日:2006/08/15(Tue) 10:10 No.2599  引用 
茨城@市毛様

いつもご指導ありがとうございます。
結論としては、今の時点での同定は不完全とせざるを得ないってことになりますね。本種に関しては、交尾中のペアを採集するなどして確認していかなければならないようですね。原村には友人の家ができたので、ちょくちょく採集の機会を作れそうです。今後に期待します。

「極東ロシア」は、確かに記載も全形図もわずかで困ることが多いです。今回、同所でドウガネクロハナアブCheilosia longipteraのオスを採集しているのですが、surstylusの形状が図示されているものと同じに見えず、結局この検索票からは行き着けませんでした。

イケザキハイジマハナアブ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/10(Thu) 12:40 No.2584  引用 
以前こちらに写真を載せていました本州から未記録のイケザキハイジマハナアブですが、何度か追加個体を探しに行ったところ、1個体だけ本種のメスと思われる個体が採れました。

Re: イケザキハイジマハナアブ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/10(Thu) 12:43 No.2585  引用 
ここは神戸市北部の低山地の谷間なのですが、時々変な種が採れます。
ハナアブ図鑑の一番最後に載っているキアシアトキクロハナアブもここで得られたものです。こちらのほうは追加個体は採集されていません。



Re: イケザキハイジマハナアブ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/10(Thu) 12:46 No.2586  引用 
上の写真はイケザキハイジマハナアブ(?)の採集地点です。この花の周りを飛び回っていました。花に止まったりという明らかな訪花の行動は見られませんでした。
しばらくあたりを探し回りましたが、1個体だけでした。

Re: イケザキハイジマハナアブ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/10(Thu) 12:47 No.2587  引用 
花の写真を付け忘れました。
種名は、後で会社の植物担当者に確認してもらいます。


ヒガシヒゲナガヤチバエ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/10(Thu) 18:41 No.2588  引用 
同じ神戸市藍那で採集したヒガシヒゲナガヤチバエです。
「西日本産水生昆虫」では本州の関東以北と書かれていますが、フィリピンにも分布しているので、西日本にも分布していると思われます。


Re: イケザキハイジマハナアブ 投稿者:Arge 投稿日:2006/08/14(Mon) 09:15 No.2591  引用 
花はアキノタムラソウとのことです。

あと、ヒガシヒゲナガヤチバエの文献は「日本産水生昆虫」です。いつの間にか「西」が入ってしまってました。

マレーズトラップ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 12:34 No.1396  引用 
知り合いからマレーズトラップで採集したハナアブ科が回ってきました。かなり点数の高い種類が入っていたので、わたしも超簡易型マレーズトラップをブナ林内にセットしてみました。
六本脚で安く売っているマレーズトラップですが、捕虫器がチャチなので捕虫効率が多少低いかもしれません。


Re: マレーズトラップ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 12:41 No.1397  引用 
1週間後の容器内の写真です。
倒木に沿ってセットしたので、予想通りのハナアブが入りました。
マレーズトラップを安く作るためか、捕虫器部もオールネットなので、アルコールの蒸発や雨水の流入などを心配しましたが、意外と大丈夫でした。
今度は、普通のマレーズのように壁の部分を黒く染色しようと思います。(追加のマレーズは1ヵ月後に入荷予定)
ハナアブ以外の双翅目は、キノコバエ類がほとんどです。
勉強の為、同定に挑戦してみようと思います。


Symmerus elongatus 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 20:17 No.1398  引用 
トラップの中から見つけた、Ditomyiidaeケズメカ科のSymmerus elongatusという種類です?
5mm程の大きさのキノコバエの仲間で、顕著な翅脈を持っていますが、環動昆研の双翅目昆虫の絵解き検索では収録されておらず、新北区の双翅目マニュアルMNDで調べました。(チャボキノコバエ科Diadocidiidaeも絵解き検索に有りません)

他のキノコバエはどうなったかというと、
・クロバネキノコバエ科は旧北区のマニュアルCMPDに収録されているのですが、検索キーがpalpiの剛毛だったり、感覚器だったりで、プレパラートを作らないと見えない(T_T)
また、日本産昆虫目録を見るとCMPD未収録の属が有ります。

・キノコバエ科は旧北区のマニュアルCMPDに収録されていません。やはり多様過ぎてまとめきれないのですかね。

ソーティング後の残された双翅目を見ると、キノコバエ類とタマバエ科がほとんどなのですよ。もったいない・・・・


Symmerus elongatusの翅脈 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 20:21 No.1400  引用 
タイトルどおりSymmerus elongatusの翅脈です。basal cellがbr+bmで1室になっており、キノコバエの中では特徴的です。

Tachydromia sp. (Empididae) 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 21:08 No.1403  引用 
同じく、マレーズトラップで得られたオドリバエ科EmpididaeのTachydromia属の1種です。
体長2mm程のとても小型のオドリバエです。翅に紋があるEmpididaeの現物は初めて見ました。

この種は、科の検索で悩みました。ふつう、オドリバエ科は翅にcup室を持つと思っていたので、絵解き検索ではたどり着けず、CMPDの科の検索で落としました。

埼玉県昆虫誌に同属が載っていますが、この種は中脚の腿節に特徴的な構造を持っているので、たぶん違う種類でしょう。

こんな小型の種類が採れるのもマレーズトラップの有利な点ですね。


Tachydromia sp. (Empididae) 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 21:11 No.1404  引用 
Tachydromia sp.の中脚腿節の拡大です。明瞭にえぐれています。腿節腹面側の剛毛も少し太めで、捕獲脚の1種でしょうか?


Tachydromia sp. (Empididae) 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/06/28(Tue) 21:14 No.1405  引用 
Tachydromia sp.の翅脈です。
cup室が無く、A1脈がかろうじて生じているように見えます。

新北区のマニュアルMNDのEmpididaeを見ると、Tachydromiaは、通常帯状の斑紋を持つと書かれています。この個体も、かすかに帯状に紋が流れて見えます。


キノコバエ科 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/07/02(Sat) 21:19 No.1421  引用 
前の発言で、キノコバエ科は旧北区のマニュアルCMPDに収録されていませんと書きましたが、AppendixにSciaroideaキノコバエ上科として集録されていました。
失礼しました。

壊れゆくマレーズトラップ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/08/18(Thu) 06:08 No.1579 ホームページ  引用 
ブナ林の山中に設置された、六本脚の格安マレーズトラップ。
前回に続き、カミキリムシにより捕虫部に穴が空いていました。赤テープは前回の穴の応急処置です。
犯人は、今回入っていたコバネカミキリかな。

やはり、格安は短期設置専用かも?


壊れゆくマレーズトラップ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/08/18(Thu) 06:17 No.1580 ホームページ  引用 
応急処置の赤テープを外して前回の穴も写してみました。
前回以上に大きな穴。しかも反対側も穴が空いています。

来年は数を増やして色々やってみたいので、冬の間に対策を練らなくては(^_^;)

このブナ林用には、アメリカから2万円程度で買える軽量タウンズ型マレーズを2基購入しようと考えています。
http://home.acceleration.net/jwhock/pd_ift.htm


Re:Tachydromia sp.(Empididae) ... 投稿者:Acleris 投稿日:2005/08/18(Thu) 23:52 No.1584  引用 
中脚腿節の切り込みは、交尾の時に雌の翅をつかむため。

ナンテ言うのはうがった見方でしょうか?

Re: マレーズトラップ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2005/08/19(Fri) 11:50 No.1588  引用 
Acleris様。

意外と当たっているかもしれませんね。
同じ種類の雌を調べれば解りそうです。
来年も同じ場所にマレーズトラップを設置しようと思うので、雌が採れたら面白いな(^。^)

再びTachydromia sp. 投稿者: 投稿日:2006/08/09(Wed) 14:49 No.2580  引用 
スレッドが長くなってしまうのですが、画像が勿体無いのでここにコメントします。

昨年掲示したオドリバエの1種Tachydromia sp.で、写真のように中腿節下部に特徴のあるくぼみ(捕獲用?)があります。

Key to the insects of Russian Far Eastに収録されているTachydromiaのKeyを見ると、極東ロシアの種類は胸背に銀色の斑紋を持つものがほとんどで、本個体のような斑紋を持たない種類はT. umbrarum HalidayとT. mongolica Shamshevの2種となります。
しかし、T. umbrarumのような胸背後部黒色刺毛や中脚基付節が特別に長いような特徴はありませんし、T. mongolicaのような翅の斑紋や前腿節中央部の褐色のリングもありません。

アドバイスよろしく御願い致します。

Re: マレーズトラップ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/11(Fri) 17:41 No.2589  引用 
Tachydromia属は私の手元には日本産のものが約30種あります.多くは翅に帯状の斑紋を持っていますが,今回示されたように亜翅端に暗斑をもつ種や翅が全面的に暗色の種など様々です.本属は広い葉(フキなど)の上であたかもアリのように行動して,小昆虫を捕食したり,また岩の上で同様の行動をします.特に岩上で活動する翅に斑紋を持つ種はアリへの擬態と考えられます.通常はゆっくり歩いて獲物をさがしていますが,一旦危険が迫ると敏速に逃げ回ります.吸虫管などで追い詰めると最後は飛翔します.同様の行動はTachypezaにも観察され,本属の場合は捕食の為のパトロール域は主に樹皮がはがれた立ち枯れの木,樹皮がスムーズな木(例えばブナ),電柱などです.腐れかけた木材の堆積でも多数の本属の個体を観察できる場合がありますが,これらの多くはテネラルで,その場で羽化したばかりのものでしょう.
問題の中腿節の抉れですが,本属には雄がここに様々な変形を起こす種があり,これらはいずれも雄に限定されています.そして,Tachypezaと共に,本属は前脚で獲物を確保しますから,雄の中脚は必ずしも捕獲脚としての変形とは思えません.根気強く河原の岩の本属の行動を観察すれば折々交尾個体も観察できます.しかし,大変小形なので果たして雄がこの中脚を交尾の際にどのように使っているかは観察がやや困難でしょう.
なお,双翅類ではヤリバエ科で雄の前脚,特に付節が変形するものが多く,この場合は交尾の際にこの変形した付節を雌の翅の前縁部にかけてしっかり掴む機能を持っています.
写真の種は恐らく私も採集していると思いますが,もし,将来研究する場合に標本のご援助をいただければありがたいです.

次はSymmerusですが,本属はelongatus, brevicornis, antennalis, fuscicaudatus, akikoaeの5種が邦産です.ただし,写真で同定されているS. elongatusには,外観的に極めて類似した未記載種があります.これは雄の後脛節腹面に短く且つ太い刺毛がやや直立して密生しています.正確な同定にはこの特徴も含めて原記載の交尾器の図を参照されるのが良いかと思います.

Symmerus属の幼虫はやや硬い朽木に穿孔しています.羽化時には雄は日中このような朽木に沿ってあたかもハチがとんでいるように活発に飛翔して羽化する雌を探索します.本属は邦産の未記載種がもう1種あり,これは台湾のS. pectinatusと同様に雄は櫛歯状の触角を持っています.邦産種の多くは幼生期を調べていますが,蛹の胸部突起などに変形があり,種特異的な形質がみられます.中国大陸には多数の未記載種がいて,日本産のものは中国の出店のようなものです.

Re: マレーズトラップ 投稿者: 投稿日:2006/08/12(Sat) 21:54 No.2590  引用 
アノニモミイア様、詳細な解説ありがとうございます。

Tachydromia属は日本に約30種もいるのですか!改めて勉強になります。標本については、必要とあればお送りします。

Symmerus属も新たに近縁種が確認されているのですね。交尾器は解剖していませんが、原記載の図とほぼ同一と見えます。また、後脛節腹面に密生した刺毛もありませんのでS. elongatusで良さそうです。

キノコバエ類は北大の博士課程にKeroplatidaeを研究していた若手がいたのですが、就職して線虫の研究に転向してしまったようで残念に思っております。

またもや訃報! 投稿者: 投稿日:2006/08/09(Wed) 15:23 No.2581  引用 
早朝、佐藤正孝先生が亡くなられたという情報があちこちで飛び交っております。

甲虫から遠ざかって大分経っておりますが、先日の佐々治先生などの訃報でも結構な衝撃でしたが、ここまで続くと・・・。

Re: またもや訃報! 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2006/08/10(Thu) 08:00 No.2583  引用 
膵臓癌だったそうですね。

ご葬儀はご遺族の意向で、親族だけの密葬にされるそうです。

ご冥福を深くお祈りいたします。

双翅目の標本の軟化 投稿者:ゆーちゃん 投稿日:2006/08/07(Mon) 01:27 No.2572  引用 
こんばんは。今までハナアブをやり始めて5年間ずっとこの事を疑問に思っていたのですが、びみょーな毛の生えた虫や濡らして乾いたら翅べっとり毛がつんつんになる虫の軟化の方法ってどうすればいいんでしょうか??
殺してその日に標本にするのが一番やとは思うんですが、やっぱ旅行とかで展翅が出来ないまま2,3日ほったらかしになってしまったりすると、家帰ってきたらカチカチになっています。で、無理やり羽を広げようとしたら…(´・ω・`)
甲虫は熱湯につける方法でやってるんですが、双翅目は軟化のやり方が分からないので、ゆっくりと関節に力を掛けて広げたりしています。
どなたか簡単に(薬品とか難しいのはできるだけ避けたいです)出来る方法教えてくださいm(_ _)m

ちなみに…最近はどこに行ってもGoodなハナアブが採れません。初夏のマロータ&モモブトで幸運を使い果たしたのでしょうか…ヨコジマナガやマツムラナガが採りたいよ〜 やり始めた頃血眼になって探したスズキナガはどこでもお目にかかるようになったんですがねw

Re: 双翅目の標本の軟化 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2006/08/07(Mon) 15:22 No.2574  引用 
私は、正露丸フィルムケースでうまくいく場合があることを確認しています。

まず、フィルムケースのそこに正露丸を3粒入れ、それを丸めたティッシュペーパーでおさえ、ティッシュペーパーには虫がおさまるくぼみをつけます。私はこの状態のものを亜硫酸ガス殺虫管で採集したハエを持ち帰ってマウントするまで保管するのに使っているのですが、これにびしょびしょにならない程度に水を2〜3滴たらし、乾燥した虫を入れて2日ほど放置することで、ハエの整形が可能になることがあります。

Re: 双翅目の標本の軟化 投稿者:TKM事務局 投稿日:2006/08/07(Mon) 21:20 No.2575  引用 
 双翅目の標本は乾燥したものをどう軟化するかより、いかにして乾燥させず(なおかつ腐らせず)に持ち帰るかを考えた方が良いと思います。
 私が泊りがけで採集に行く時は夜、その日の採集品をティッシュで包み小型のタッパーに入れます。その時、ティッシュの小片に包んだ正露丸を一粒入れておきます。たくさんの虫をティッシュに包んでいると虫自体の水分でしっとり湿っていますが正露丸に含まれるクレオソートの強力な防腐効果で虫が腐ることはありません。
 今年2泊で行った採集品をこのようにして持ち帰りましたがハチやハエはやわらかい状態で標本にできました。帰宅後そのまま冷蔵庫に保管して少しづつ標本にしましたが甲虫やカメムシは2週間後でも生展足可能でした。ただし微小種は乾燥しやすいので早めに処理したほうがいいです。

Re: 双翅目の標本の軟化 投稿者: 投稿日:2006/08/08(Tue) 09:23 No.2576  引用 
 私も正露丸を用いて軟化をしています。完全に乾燥してしまった標本でも、水分と正露丸の防カビ効果で軟化出来ます。
 密閉できる容器(タッパーなど)に蓋のない小さな器を入れ、これにティッシュを畳んで敷きます。この上に標本を乗せます。器の外側に湿らせたティッシュを入れ、正露丸を一粒入れます。容器を密閉し、このままで1週間ほど常温状態でほおって置くと、ゲニも引き出せる状態になり、毛も濡れません。
 正露丸と水分を、虫に直接触れさせないようにするのが吉です。

 唯一の難点は、標本が正露丸臭くなることですね ^^;)

Re: 双翅目の標本の軟化 投稿者:ゆーちゃん 投稿日:2006/08/09(Wed) 21:37 No.2582  引用 
皆様わざわざありがとうございます。今度泊りがけで採集に行く事になったのでぜひ正露丸を使ってやってみたいです。

ミズアブ美麗種初公開 投稿者: 投稿日:2006/08/09(Wed) 08:15 No.2578  引用 
7月に別寒辺牛湿原で採集したミズアブOplodonta sp.です。
体長7mm。湿原の路肩のフランスギク?にみられました。

Nagatomi,1977,The Stratiomyinae of Japan IIに詳細が載っています(札幌・足寄)。
Nagtomiの写真は腹部末端が明らかに黒ずんでいますが、今回採集した4個体はわずかに褐色を帯びているだけです。
3個体は腹部が生時の色彩のまま標本に出来たのですが、1個体腹部が黄色になってしまいました。

Re: ミズアブ美麗種初公開 投稿者: 投稿日:2006/08/09(Wed) 08:16 No.2579  引用 
写真を添付するのを忘れてました。

ルリハラオドリバエ? 投稿者: 投稿日:2006/07/31(Mon) 21:35 No.2550  引用 
引き続き、オドリバエ科の質問です。

Empis(Anacrostichus) cyaneiventris Freyか、その近縁種と思われますが如何でしょうか?

体長4.5mm 4月下旬に茨城県北部(alt. 350m)での採集です。

本亜属は、日本産昆虫目録には2種しか収録されていませんが、極東の昆虫の検索のEmpididaeを見ると、13種も収録されているので未記録種が多数いるのではと考えております。

よろしく御願い致します。



Re: ルリハラオドリバエ? 投稿者: 投稿日:2006/08/04(Fri) 21:37 No.2564  引用 
前述の標本の胸背の状態が悪いので、別の標本をupします。

札幌近郊の中山峠付近で採集したルリハラオドリバエの1種です。前の写真と同種かと思われます。

Key to the insects of Russian Far Eastに収録されているEmpididaeのKeyで検索すると、E.(A.) claricolor Freyと思われますが如何でしょうか?

写真で見えない特長としては、胸背にはacを欠き、dcは1列。複眼は明らかに離眼的。Halterは淡色で、基部が褐色を帯びる。胸背から腹部にかけての剛毛は暗色で、一部淡色毛が混じります。


Re: ルリハラオドリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/05(Sat) 03:06 No.2566  引用 
Empis属Anacrostichus亜属に該当する種は日本列島に15種内外分布しています.中には極東ロシアと共通種もあります.本亜属はacrostichalsを欠如することを主要な特徴にしていますが,いくつかの系統が混在している可能性があります.上記のうち10種ほどは日本産ではclaricolor-cyaneiventris群に属するものです.茨城と札幌のものはこれらの中でもご指摘の通りclaricolorに含みうるものですが,これにもやや地理的変異があり,北海道と本州中部のもおはある程度の差がみつかります.ですから厳密にはclaricolorは本州のものに当てるべきでしょう.cyaneiventrisというのは雄の腹部が濃藍色の金属光沢のある種で,これには少なくともほかに2種あります.真のcyaneiventrisは雄交尾器が腹端よりやや前方の腹面に位置するので,腹端は丸みをおびて,そこには交尾器が下方に突出していません.近畿から九州にかけて普通の種です.claricolorを含めてこれらの種の識別には雌の翅の色彩もかなりよい区別点になります.
なお,cyaneiventrisの配偶行動については,1974年の朝日=ラルース週刊世界動物百科No. 169の169ページ(偶然号数と同じですね)に紹介されています.

Re: ルリハラオドリバエ? 投稿者: 投稿日:2006/08/08(Tue) 22:44 No.2577  引用 
アノニモミイア様、詳細な解説ありがとうございます。

色々な双翅目を調べて見たいと思いながらも、身近に詳しい人がいなかったので、非常に感謝しております。今後もよろしく御願い致します。

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