初めて投稿させていただきます.
先日土壌から採集したハエなのですが,無翅のものでした.これまでこのようなハエは採集したことがなかったため,少し興味がわきました. おそらくノミバエだと思うのですが,なんという属なのかもし分かる場合はご教示いただきたいです(このコンディションで属まで分かるものか分からないので大変失礼なことを申しているかもしれません). また,このようなハエの場合,殺虫方法や保存方法はどのようにすればよいでしょうか.今回は致し方なく70%アルコールに入れて殺し,保存しております.
土壌性人間様.
ノミバエは,かなり専門的なグループなので研究者からコメントが付くかわかりませんので,分かる範囲で書いておきます. なおノミバエ科は,日本産昆虫目録では32属126種ですが,専門家の著書によると2000種ほどが分布すると考えられているようです. ノミバエ科では,メスが無翅の種類がいくつか知られており,写真の個体はPuliciphora属として図示されている写真によく似ているように思われます. http://bugguide.net/node/view/490228/bgpage 国内では,マルノミバエPuliciphora tokyoensisが市街地等でよく見られるようです. 参考) 中山/裕人. 2016. 衛生害虫としてのノミバエ. 衛生動物学の進歩 第2集. 三重大学出版会. 保管方法等については下記の文献を参考にして下さい http://people.ds.cam.ac.uk/mw245/Disney,%201983a.pdf
茨城@市毛 さま
ご教示ありがとうございます.参考文献拝読しました.少し調べていて,なんとなくPuliciphoraかな…?と思っておりました.同定には腹部背面の形質が必要だったということを知り,今度観察する機会があれば見てみようと思います. 本個体を採集した場所は自然度がわりあい高い場所だったので種類は分かりませんが,これから頭に入れておくように致します. Dipteraについては不勉強なもので,また初歩的なご質問をさせていただくことがあるかもしれません.この度はありがとうございました. |
五郎様.
写真のハナアブは,フタガタハラブトハナアブ Mallota eristaliformisの♀です. クヌギ等の水の溜まった洞で幼虫が育ちます.
茨城@市毛さま、ありがとうございました。
フタガタハラブトハナアブ♀で確認いたしました。 |
五郎様.
シギアブ科のキイロシギアブの仲間と思われます. Rhagio属は日本から20種程が記録されていますが,総括的な論文が出されておらず極一部の種類を除いて判断が困難です. No.7720からのスレッド等も参考にして下さい.
茨城@市毛さま、ありがとうございました。
シギアブ科のキイロシギアブの仲間ということで了解いたしました。 |
蕗様.
オドリバエ科の雌で,恐らくRhamphomyia属と思われます. 液浸のため若干印象が異なりますが,No.9360でおーやぎさんが図示したスキバオオウルワシオドリバエRhamphomiya(Calorhamphomyia) formidabilisか,その近縁種と思われます. http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=9360#9360
市毛様
ご教示ありがとうございます。 No.9360の画像、関連するコメントを確認いたしました。 突起状のものが常に出ているのではないと分かり意外な気持ちです。 今度は生きているものも観察してみたいと思いました。 |
ただいま専門学校にてハエの同定作業をしているのですが、ネットで情報を漁ると、「正中剛毛0+1」などの表記がされているのですが、具体的にどこをどう見たらいいのでしょうか?
彼方様.
正中剛毛0+1というのは,横線前正中剛毛(presutural acrostichal bristles)が0本,横線後正中剛毛(postsutural acrostichal bristles)が1本ということを略した記述です. 剛毛の位置は,下記URLのFig.7を参考にして下さい. http://www.giand.it/diptera/morph/?id=5&lang=en 図7のA図で,赤線(1)が正中剛毛列で,横線前(14)に2本,横線後(15)に4本の剛毛が描かれています. 詳しくは,新訂原色昆虫大図鑑III(北隆館)の双翅目概説等を参考にして下さい.
丁寧にわかりやすく教えていただき、ありがとうございます!!
是非参考にさせていただきます!! |
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