昨年の3月ごろに市毛さんが質問で出していた
トゲベッコウバエSteyskalomyza hasegawai Kurahashi1982 と思しきものを群馬県川古温泉で捕まえました。 新潟の三国峠でも見つかっているというので、これだと思いますが、お見立ていかがでしょうか。 ペットボトルでスズメバチを取るトラップがありますが、あれの昨年から吊るしっぱなしのがありまして、中の虫が腐っていたのでしょう、その中に何匹か新たに捕まってぶんぶんやっていました。
達磨様,こんばんは.
確かに,腿節末端が黒いことや,かすかですが全体に長いトゲがあるのが見えるので,同じ種類のようです. http://homepage3.nifty.com/syrphidae1/diptera_web/cyclorrhapha/Steyskalomyza_hasegawaiM.jpg 結構広く分布しているようなので,ハネカ同様茨城でも探して見たいと思います. |
お世話になります。
写真は私の住んでいる地域で大発生し、一週間くらい前からいたる所で見られるミズアブです。 体長8mm前後 写真左と中は♂で、右は♀です。(2008年4月 奈良県平群町で撮影) 以前このサイトでの質問で 無題 投稿者:Xespok 投稿日:2005/04/16(Sat) 21:57 No.1143 Do you know what is this species? として登場したものと同じだと思います。(BBSのワード検索"Actina"で出ます) その時のハエ男さんのコ メントは『複眼周りの毛の長さが長いのがActina』とありましが、今回、毛の写真が撮れました。 該当しそうなものにエゾホソルリミズアブがありますが北隆館図鑑で、エゾホソルリミズアブActina ezoensis は体長6.5mm内外となっていて、大きさが違います(平群産が揃って生育がよいのかもしれません が)。 あと、Actina nigripes というのがあるようですがどんなものか判りません。 どうかご教授ください。
平群庵様.
側面からの写真に写っている長毛は,額や顔の長毛です.♂の複眼が離眼的なことや顔の長毛から,恐らくActina属と思われます. Actina属だとすると,脚の色彩などからエゾホソルリミズアブ Actina jezoensis と思われます. Actina属の3種の違いについては,下記の文献に書かれております.A. nigripesは,後脚の基付節全体が暗色となります. http://nels.nii.ac.jp/els/contents_disp.php?id=ART0008228450&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=Z00000016288980&ppv_type=0&lang_sw=&no=1208870190&cp=
Nagatomi, A. and Tanaka, A.の日本産ActinaとAllognostaの論文のActina関係のkeyの部分をPDFにして添付しました.参考にしてください.多数採れるのならお送りいただければ交尾器などは検査できます.この論文のA. japonicaは今はA. deidamia Lindner, 1936のシノニムになっています.
添付:4485.pdf (93KB)
市毛様、アノニモミイア様、ありがとうございます。
おかげさまで一問解決しました。 しかし、その間にも見知らぬ虫に出くわします。 またその節はよろしくお願いします。 |
最近、今までに採集してあったニクバエの雌の腹部をKHOで処理して解剖し、同定を試みています。いくつかどうしてもわからないものもあるのですが、まじめに解剖すれば、かなりの個体がFauna Japonicaの生殖器の図で同定できそうです。
成熟した卵を持っている個体や産仔をひかえた個体だと蔵卵数も出せるので、生態学的に興味深い数値も得られてなかなかに面白いものです。たとえばシリタカニクバエですと最大22卵程度なのに対して、ナミニクバエだと同等のサイズなのに60を超えます。この差はすごい。センチニクバエは文献によると50ほど産むらしいので、人里で害虫化する種類は産仔数が多いのでしょうかね。 |
達磨です。
おそらく、これはElephantomyia hokkaidensis Alexander, 1924 "the"クチナガガガンボです。 原記載文を読むと大変よく似ているものにE. takachihoi Ito, 1948というのがいますが、まだ両種をよく勉強していないので、これまでえられている写真のようなガガンボは皆hokkaidensisと仮に同定しています。 秋にキク科植物(特にアザミ類)に集まり吸蜜するので、しばしば写真で紹介されます。
達磨さま
いつも、ご教示ありがとうございます。 クチナガガガンボElephantomyia hokkaidensisとして、記録させていただきます。 確かに、秋に キク科植物の花に集まっています。 特徴的なので、以前から気になっていました。 引き続き宜しくいお願申し上げます。 |
やっと新訂大図鑑が届きました.
ハエ目概説や新たに追加された部分については,すばらしい内容だと思います. 主要文献での各部位名称の一覧も非常に便利です. 検索表も,未発表の科や日本で記録される可能性のある科を含んで整理されており,旧北区の双翅目マニュアルをそのまま引くより効率的に調べられそうです. 手元の標本を調べるのが楽しみです.
市毛さんに新訂図鑑についてお褒めいただきましたが,十分に検討して執筆できる時間的余裕もない状態で書いたものですから,いろいろと間違いが散見されて,読者の方には誤解や御迷惑をおかけしていることと思い,申し訳ない次第です.ちゃんと全体を精査して,訂正すべき点を何らかの方法で公表しなければならないのですが,現在日本産水生昆虫の改訂のアミカ科,ホソカ科などの成虫とオドリバエ科,ヤリバエ科などの執筆で忙殺されていまして,その段になりません.これを早急に終わって,夏までにはなんとか当面の正誤を公表したいと思っています.私からお願いするのは筋違いですが,間違いなどお気づきでしたら是非ご指摘いただければ幸いです.
三枝先生、市毛様、皆様 こんにちは。
新訂図鑑は買わないと、ついていけないようですね。 早速、手配をしたいと思います。 シダコバエ科も時々採れますが、数種出ているのでしょうか? 読むまでの楽しみにしてみようと思います。
シダコバエ科Teratomyzidaeは日本産は3種で,すべて未記載種です.市毛さんが示した種とヤマトの名称の顔面が一様に淡色の種,それに沖縄本島と奄美大島に1種,の合計3種です.
台湾や中国,フィリピン,ボルネオ,中国,ネパールなどに30種くらい未記載種があります.日本産の種のような斑紋の物のほかに,翅に斑紋を欠き,翅脈もあまり湾曲しない種群も含まれます.この種群はまだ日本で見付かっていませんが,八重山群島の山地には生息する可能性があります. |
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