56333113
一寸のハエにも五分の大和魂・改
[トップに戻る] [新着順表示] [アルバム] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [旧過去ログ] [管理用]
1: 興味深い有弁類 (4) / 2: ニセジョウザンケイ? (1) / 3: アシマダラブユ亜属? (2) / 4: 4枚翅のハエ? (4) / 5: ヤドリバエの仲間だと思うのですが (2) / 6: ガガンボ類の幼虫でしょうか? (6) / 7: トゲヒメヒラタアブでしょうか? (2) / 8: 京都府で得られたショウジョウバエ (5) / 9: 房総半島海浜のツルギアブ科(不明種?) (3) / 10: 富士山のアブ (2) / 11: クシツノアブ科について (2) / 12: Eupachygaster tarsalisメス? (1) / 13: ネグロクサアブ?の抜け殻 (7) / 14: ミズアブ科?不明種について (5) / 15: ハナアブ科不明種 (3) / 16: Choerades amurensisでしょうか? (6) / 17: Tabanus属? (2) / 18: 無題 (2) / 19: 無題 (3) / 20: ヤドリバエの不明種につきまして (2) /

おなまえ
Eメール
タイトル
コメント
コメント内には下記と同じURLを書き込まないで下さい
参照URL
添付File  (100kBまで)
暗証キー (英数字で8文字以内)
投稿キー (投稿時 投稿キー を入力してください)
文字色

The International Journal of D... 投稿者:達磨 投稿日:2013/04/29(Mon) 01:13:15 No.8257 ホームページ  引用 
The International Journal of Dipterological Researchという雑誌があって,先日そのHPをひらいて連絡先あてに「バックナンバー買いたいのでコンテンツと値段を知らせておくれ」というメールを書いたが,応答なし。もう一度連絡しようとHPにアクセスしたら、「ページを開けません,このページのあるサーバーが応答しません」だそうな。どうなっちゃったのだろう。ウラジオの先生達にお願いするしかないかな、こりゃ。

Pegomya orientisでしょうか 投稿者: 投稿日:2013/04/19(Fri) 22:27:36 No.8218  引用 
こんばんは。またよろしくお願いします。
採集地は岐阜県海津市南濃町で標高はだいたい70[m]くらい、採集日は2013年3月24日、体長7[mm]です。
日当たりのよい林道わきのポールに1匹だけとまっていました。
初めて見るものにも挑戦しようかと思い採集すると、体格の割にはゲニが大きそうでした。


Re: Pegomya orientisでしょうか 投稿者: 投稿日:2013/04/19(Fri) 22:28:25 No.8219  引用 
左中脚はとれてしまったので、ゲニタリアチューブに入れて保管しました。
CuA+CuP脈が翅端に達しているのでハナバエ科のようです。
記事No.8174でリンクを貼って下さっている文献、「Anthomyiidae of Japan」を見ました。
12ページの属の検索で主に注目した所を挙げると、
1 額は狭い、7 前胸側板は裸、8 aristaは羽毛状ではない、9 下部鱗弁は大きくない、
12 小盾板の側部に黒い斑点はない、13 髭剛毛は頬の高さよりも離れる、14 触角3節は短くなく、口上板は大きく飛び出ない、
15 orsがない、28 ifの剛毛はない、41 体は円錐形でも平たくもない、
となり、Pegomyaになりました。
ついでの質問になりますが、対句にaとかbとか書いていない場合、どちらかを指す書き方はあるのでしょうか。

一番問題なのは7番で、Anthomyiaではないとは思うのですが、
9ページのFig.8.のようにPropleuronの部分は裸で、Propleural setaeはあるのですが、
この状態でPropleuraは裸という解釈にしてしまってもいいかどうか分かりません。

189ページからのPegomya属の種の検索は、
1 後気門には毛がない、2 下部鱗弁は大きくない、
5 後脛節には2本以上のpdがあり、前脛節には1本のpvがある(pにも見えるのですが)、
6 praは存在する、7 中胸背ははっきりした4本の縞はない、
と進んだのですが、10番でPrebasal scleriteについての記述になり、ストップしました。


Re: Pegomya orientisでしょうか 投稿者: 投稿日:2013/04/19(Fri) 22:29:12 No.8220  引用 
ゲニの絵合わせをしました。多少変形しているのですが、
221ページのPegomya orientisが一番合うように思いましたが、あっていますでしょうか。
検索をさかのぼる見方になってしまいましたが、
13 後脛節には1本の後剛毛がある、12 後腿節は黄色、11 腹部は円筒形か棍棒状で平たくない、
となり、ちゃんと10につながりました。

採集地を見ると北から南までいろいろと書かれていて、普通種かもしれないと思いましたが、
自分としてはsurstylusが挟子が増えたように見えてなかなかかっこいいと思います。
223ページには、「strongly sinuate projection on the surstyli」とあり、

別の文献にはもう少し各部名称のようなことが書かれています。
Suwa(2000)
A revision of the Chinensis group of Pegomya in Japan (Diptera : Anthomyiidae)
Insecta matsumurana. Series entomology. New series, 57: 89-127
100ページに、
「Surstyli (Fig. 26) with dorsobasal expansion recurved apically and long setose there;
outer process of surstylus with a flap-like expansion developed on dorsal and also on ventral side
near junction with inner process;」
この部分が気になったのですが、全体をきちんと読もうと思いました。

他に見た方がいい文献などについても、ありましたらよろしくお願いします。


Re: Pegomya orientisでしょうか 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/20(Sat) 17:48:01 No.8221  引用 
大宮様.

春先はPegomyaが良く採れますね.私の場合,小楯板下部の細毛群の有無でハナバエ科を区別しています.

Suwa(2000)のsynonymic listにあるように,Suwa(1974)ではchinensis-groupの複数種を混同しており,当然ながら検索表にも問題があります.従って,このグループの場合は,新しいほうの検索表をたどってください.

写真のPegomyaは私も,P. orientalisだと思います.Surstylusの曲がりぐあいや付属突起などの形状も付図や記述に合致するようです.

この論文では主要な剛毛は略記されていますので,属への検索でのcouplet7は,prpl(Propleural seta)の有無ではなく,prpl以外の毛を備えるかが問われています.

prplの有無を問うのであれば,
 7. prpl present.
 - prpl absent.
のようなcoupletになります.

なお,数字+a,b表記を使った検索表は双翅目ではかなり少数派です.
該当数字の段落と,その直後のハイフンから始まる段落が分岐先です.

検索表をうまく辿れない場合等,交尾器を絵合わせする機会も多いので,既知の種類の交尾器の図が必要です.
その為,中国蠅類,中国動物誌,中国経済昆虫志,中国常見蝿類検索表,極東ロシアやヨーロッパ部ロシアの昆虫の検索等を機会があれば集めておくと良いと思います.

Re: Pegomya orientisでしょうか 投稿者: 投稿日:2013/04/21(Sun) 08:35:04 No.8226  引用 
茨城@市毛様
ご返答ありがとうございます。

春先によく採れるのですか。今後の参考にしたいと思います。
科の見分け方については、イエバエ科との区別で翅脈ばかり見ていたので、小盾板下も見てみたいと思います。

混同については、確かに文献の冒頭に書かれていました。
各種の始めにある異名の列挙については、今までぼやっとしか見ていませんでしたが、よく見ると文献の年やページ数もあって、これでたどれるとわかりました。
ひとつ前の年の1999年のハナバエ科の目録の段階でも発表されていなかったようです。新しい方の検索を使おうと思います。

図の見立てについては合っているとのことで、よかったです。確認していただけると安心します。

couplet7の毛は、説明を聞いてなるほどと思いました。例文も出してくださり、授業を受けているようです。理解できました。ありがとうございます。

検索表の番号は、メモなどを書く時にどちらを選択したかが分かりやすいように勝手にabをつけてしまったこともあったのですが、少数派なのですね。

中国蠅類については、実は古書で入手しました。今回は日本の文献に詳しく出ていると思ったので見ていませんでしたが、786ページの図版133の1881に背面方向の図が出ていました。
この本の活用で、今飼育ケースに閉じ込めているハエで大体の予想はついているのですが、日本の文献が分からないかもしれず試しに中国蠅類を使ってみようと思っているものがあります。
投稿させていただいた時にはまたよろしくお願いします。

ありがとうございました。

「黒いキイロショウジョウバエ」... 投稿者:名無しの権蠅 投稿日:2013/04/18(Thu) 11:14:47 No.8211  引用 
「黒いキイロショウジョウバエ?」のスレッドでは、この掲示板で双翅目に関する質問に対して常々回答してくださる双翅目研究者が真剣に対応して下さっています。

長々と続いているスレッドを見てみると、要するにショウジョウバエの名称などを知りたいということがメインの目的のように思えます。どうしても知る必要があるのなら、そのためには、ショウジョウバエを採集して、同定可能な方に依頼をするしかないでしょう。採集と言ってもとくに難しいことではないはずですし、吸虫管を使わなくてもショウジョウバエは動きが遅いので管瓶1本でもとれるはずです。ポンチさんはそれをまずすることが、この掲示板を利用した目的を満たすために必須の作業です。しかし、なぜかこれについても躊躇されているようです。

さらにキイロ君さんに至っては、「述べれば終りですけれども(笑)。」とか、「と問えば解りませんと必ず仰るでしょうね(笑)。」とか、当事者だけではあるいは理解できることかもしれませんが、いわくありげで、揶揄しているような文言は、このような掲示板への記入としては、読む相手によって気分がよろしくないものです。

いくら投稿は自由であるとはいっても、質問に答えてくださる方々の真剣さに対して、真面目に対応する態度を期待したいところです。

Re: 「黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2013/04/18(Thu) 17:42:43 No.8212  引用 
ご迷惑おかけしてすみません。
とりあえず経過ではあるのですが、昨年花粉を背負った状態のハエは2例、捕獲しています。
白い花粉を背負ってフラフラ飛んでいるのを捕まえて・・・。
まったくの門外漢なので、小さなケースで、蓋とケースで挟んだら入っちゃったというような乱暴な捕獲方法ではありますが。
その一つは博物館に寄贈・・・というか、自分ではどうしようもないので標本にしていただき、もう一例も県の施設を通じて、別の先生に標本にはしていただいています。
ただ、そこから先、同定にはいたっていないようですが、そちらもあまりしつこく突いたりするというのもためらわれるので、今後どうなるのかはわかりません。
コチラでもいろいろご指導いただきましたが、とりあえず、その経過だけ書き込んで、いったん引き揚げたいと思います。
フィールドはいろいろわからないことだらけ。
昆虫もいきなり取り組んだわけで、いろいろご迷惑おかけしているようで申し訳ありません。

黒いキイロショウジョウバエ? 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/06(Thu) 23:08:06 No.7143  引用 
こちらの掲示板を拝見していると、とにかくハエは捕まえないことにはどうにもならないということはわかるのですが、昨年もお邪魔した、ランに集まるハエ。
普通に検索して一番似ているのが『キイロショウジョウバエ』というのが多いのですが、それに混じって黒いのも見かけたりします。
これがまったく別の種なのかと思っている検索していると、黒い変異のようなものもあるという記述も。
もともと同定できているものでもないのですが、まったく別の黒いショウジョウバエというのもいて、その可能性もあるのでしょうか?


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/06(Thu) 23:11:18 No.7144  引用 
千葉県の孟宗竹林に生える『クロヤツシロラン』に集まるハエで、ほとんどは『キイロショウジョウバエ』に見えるものばかりなのですが、昨年も今年も黒い奴にも出会っています。
特徴が不明瞭なのはどうしようもないのですが、全然別物だと、またややこしいので・・・。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2011/10/06(Thu) 23:26:01 No.7145  引用 
キイロショウジョウバエは日本に生息する250種以上のショウジョウバエ科の昆虫の1種にしかすぎません。その他の種の多くはキイロショウジョウバエのように黄色ないし黄褐色の色彩ですが、このほかに黒色のもの、腹部に斑点をもつもの、胸部に縞模様があるもの、胸部やさらに腹部も銀色に輝くもの、など色彩的にも千差万別です。

黄色系のショウジョウバエの中からキイロショウジョウバエ1種を同定するだけでも、具体的には標本を顕微鏡で観察しながら、翅の翅脈の相対比、頭部や胸部の刺毛の分布や方向、♂交尾器などを比較することが必須になります。ですから、野外で肉眼でキイロショウジョウバエを同定することは、実際は不可能なことです。もちろん生態写真からでも無理でしょう。

写真の黒いハエはショウジョウバエ科の1種です(経験的に)が、私は今に時点で属などの同定はできません。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/07(Fri) 05:40:20 No.7146  引用 
おはようございます。
オノニモミイアさん、詳しいお話ありがとうございます。
ある意味、予想通りというか、やはりまず捕まえるところしか始まらないのだなァということがわかりました。
そのうえでも、顕微鏡での撮影なんていうことになっていくのでしょうから、それも無理な話ではあるのですが。
推測では、広域に生育する、当たり前のハエのはずなのだけれど、どうもこういった花と密接な関係にあるというのは間違いないようなのですが。
観察するだけでも大変なので、その先は、実際むりかもしれません。
ありがとうございます。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2011/10/08(Sat) 22:51:03 No.7149  引用 
ポンチ様.

横レスで失礼します.

ショウジョウバエ科については,Web上で大半の文献が閲覧できるという日本で最も恵まれたグループです.

是非,日本ショウジョウバエデータベース
 http://www.dgrc.kit.ac.jp/~jdd/index.html
を御覧になってください.

1758年以降の,種の同定に必要な基本文献の大半が無料で閲覧できるようになっています.

また,花の名前がわかっているのなら,花の属名とDrosophilidaeで検索をすれば,属や亜属レベルまで絞り込めるかもしれません.

また,「ショウジョウバエ 分類」というキーワードでAND検索をかけると面白いHPが色々と出てきます.

日本の双翅目の分類学者は非常に少ない(皆無に近い)ので,種名を知るためには自助努力が必要です.
しかし,ショウジョウバエは「ショウジョウバエ分類講習会」が何度も開かれているほど需要が高いグループのようです.

私の場合,学歴もなく(工業高卒です),コネもないので,興味あるグループの文献を取り寄せては,文献末尾の参考・引用文献を再び取り寄せる繰り返しをしています.コピー代だけで○十万円掛かった年もあり,女房に睨まれてます.
また,毎年発行される新たな文献については,Zoological Recordという文献目録が毎年発行されているので,これもコピーを取り寄せては,気になる論文を取り寄せています.

前に書いたように,私も昆虫写真家を目指していた口ですので,種名を知りたいというポンチさんの願望は良くわかります.
どこを間違ったのか「種名を知りたいという願望」が強すぎて,分類屋モドキになってしまいました(^_^;)

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/10(Mon) 11:02:40 No.7152  引用 
茨城@市毛さん 大変貴重な情報ありがとうございます。
まァ、私にとってはハードルが高すぎて、なかなか活用というところまでいけないでしょうけれど、いろいろ調べてみたいと思います。
ここ数年、ランとショウジョウバエの関係を見ていて、非常に密接な間柄というのか、共生関係があるように思えています。
この花の上で交尾もし、この花の中に卵も産みつける。
また、ここから発生もするのかもしれませんが、卵は見ても幼虫まで見たこともないのでどうなのでしょうか?
そうなると、一応名前も気になるというようなことで・・・。
ありがとうございます。
また、追い追い勉強していきたいと思います。


クモに食われる 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/10(Mon) 11:16:51 No.7153  引用 
上の写真は『クロヤツシロラン』なのですが、『アキザキヤツシロラン』の花にも同様、コイツらは現れます。
それを知っている「なんとかハシリグモ?」。
『イオウイロハシリグモ』にしては色が変かなァという奴がここに常駐していて、これを捕食もするようで、花の中に翅らしきものが残っていたり。
これも小さく、真っ暗な場所に光をあてての撮影なので不明瞭ですが、こんなのも手掛かりになったりするのでしょうか。
とにかく、同定には現物が必要なようですが、それが問題だったり・・・。
とにかく大変ですね。


Re: クモに食われる 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2011/10/10(Mon) 13:28:37 No.7154  引用 
ポンチ様.

やっとランの名前が出てきたので,絞り込めそうな情報が得られる可能性が出てきました.

皇居は,近年動植物の精密調査が行われており,ショウジョウバエ科も70種ほどのリストが出ています(皇居のショウジョウバエ相およびその群集構造と季節消長).
植物の調査報告にクロヤツシロラン Gastrodia pubilabiata Y. Sawa.やアキザキヤツシロラン Gastrodia confusa Honda et Tuyamaがあれば合致する種類が記録されている可能性があります.

また,ラン科の受粉システムについては下記の書籍が良く引用されています.
 van der Pijl, L., and C. H. Dodson. 1969. Orchid flowers: their pollination and evolution. University of Miami Press, Cord Gables, FL.

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/10(Mon) 14:21:57 No.7155  引用 
こんにちは。
なるほど皇居にショウジョウバエの仲間が70種ほどもいるということになると、いかにその同定が難しいかというのがわかりますね。
『クロヤツシロラン』は『アキザキヤツシロラン』とともに、近年、広域にかなりの数があることがわかってきていますが、発見自体がそれほど古い話でもないようで、見落とされていた植物でもあるようです。
まだ、花で現物を見ている方も限られるようで、研究はこれからになるのではないでしょうか。
最近までその生育地の発見自体が話題になるような植物ですが、今次々にどんどん見つかっているので、今後研究も進むのでしょう。
いろいろ謎があるのですが、虫との関係も非常に興味深い、怪しい研究対象?・・・なのかな。
ありがとうございます。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2011/10/18(Tue) 02:32:01 No.7203  引用 
ポンチ様

とりあえず、吸虫管で集まっている、或いは花粉塊を保持していて送粉に与っているショウジョウバエを捕獲するところからはじめなければならないでしょう。これには、まず捕虫網を花にかぶせ、舞い上がったハエを網の中に集めてから吸虫管で吸い込む、という方法が確実です。これを一旦生かして持ち帰り、冷凍庫に放り込んで凍死させると高い確率で翅を上に立てて死にます。これを薬局で売っている消毒用エタノールに入れて液浸標本にすれば、解剖して同定するのに適した標本になります。

とりあえず、私の手元には岡田豊日先生による日本のショウジョウバエのモノグラフがありますので、もし液浸標本を送っていただければ、解剖して種までの同定が可能な状態にこぎつけております。今、北海道大学総合博物館の昆虫学研究室でボランティアをしながらハエの研究を続けておりますので、そちらの村山茂樹宛に標本を送って頂ければ同定致します。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/18(Tue) 09:21:14 No.7205  引用 
おはようございます。
ウミユスリカさん、大変ありがたいお話ありがとうございます。
実は昨年も、別の先生から、捕まえれば同定していただけるというお話もいただいているのですが、なにしろ撮影に夢中になっていて、捕獲までてがまわりません。
というか、そんなこと一度もしたこともないし・・・。

今年観察していて、私が見る限り、別の種に見えるものも同時に訪花しているような気もしています。
これは個体差なのか?
翅に斑が見られるもの。
上の黒いのに比べると、より個体差に近いようでもあるけれど、なにしろ種類が多いとなるとわからなくなります。
全部捕まえんかい・・・と言われても。
お話、ありがとうございます。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2011/10/18(Tue) 20:18:26 No.7208  引用 
ありゃ!この最後の画像のショウジョウバエ、翅の末端の黒いマーク、これは恐らくオウトウショウジョウバエの雄ですよ!

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/18(Tue) 22:43:52 No.7209  引用 
こんばんは。
『オウトウショウジョウバエ』で検索してみると、確かに良く似たハエが出てきました。
いろいろな果樹やソメイヨシノ、なども訪れるような記述もありましたが。
これらのランを訪れるハエは、一種ではないのかもしれません。
というか、その方が自然な気もします。
ただ、その中で、花粉を運ぶのはある程度特定出来るんじゃないのかなァという推測もしますが、どうなのでしょう。

もともとこれらの花の開花期は短く、1年の内の2〜3週間程度。
ショウジョウバエは通年というか、もともとそこにいて、これらの花が開花すると、そのおそらく大好きな匂いに誘われて、ここを訪れるのかと思います。
周りの落ち葉などにもたくさん産卵しているのかもしれませんが、花の中に、これは卵じゃなくて「蛹」なのでしょうか?
この花の上で交尾もするし、産卵もするようですが、それは1年のうちのほんの一時のはず。
他の季節は他のものにいるはずだし、その短い期間に、これらの花と共存して協力体制を作るのではないか。
なんて愚考というか、妄想したりしますがどうなのでしょうね。

唇弁の上の「蛹」?
これ、サナギなのでしょうか。
周りの落ち葉なんかにもたくさんあるのかもしれませんが、小さすぎてもちろんわかりません。
現場で気付かず、PCに取り込んで初めてわかるお話ですが。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/18(Tue) 22:51:00 No.7210  引用 
上の、7209の『アキザキヤツシロラン』の唇弁の上にもありますが、こちらは『クロヤツシロラン』の花の奥。
現場ではまったく真っ暗で、撮影者にも見えません。
ただ、花の奥の怪しい膨らみめがけてめくら打ちして写ったものですが、過去にも撮れているので、ここが大好きなのは間違いありません。
が、意外にどこでもよかったりして・・・。
こういうのは私のような門外漢にはまったくわかりませんが。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2011/10/18(Tue) 23:57:47 No.7211  引用 
ポンチ様

唇弁の上にあるのは蛹ではなく明らかにショウジョウバエの卵です。一方の端から突き出て見えるのは呼吸突起です。ここから詳しく解説を書いたのですが、ことごとく迷惑投稿コードに引っかかって(自分でもどこが引っかかったのかよくわからない)、結局解説を断念いたしました。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/19(Wed) 05:43:07 No.7212  引用 
ありがとうございます。
最初卵かと思っていたのですが、検索でYou Tubeで出てくる動画などを見て、もしかすると蛹?なんて勘違いしていたようです。

同じく幼虫らしき写真を貼ろうと思ったら撥ねられたというか引っかかって投稿できなかったので書き込みだけ。
どこででも育つのかもしれませんけれどね。
ありがとうございます。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2011/10/18(Tue) 23:54:39 No.7219  引用 
ポンチ様

唇弁の上にあるのは蛹ではなく明らかにショウジョウバエの卵です。一方の端から突き出て見えるのは呼吸突起で、ショウジョウバエは発酵しつつある植物組織上の酵母のバイオフィルム上、あるいは軟腐しかけの植物組織中や種によっては植物の健全組織に導卵突起を刺して産卵します。

キイロショウジョウバエなどが第一のパターンでして、このグループの場合、導卵突起をほとんど産卵基質には刺さないで酵母のバイオフィルム上に横たえるように産卵するのですが、卵が軟らかいゾル質のバイオフィルム中に沈没して溺れる危険に常に曝されています。また、第二のパターンはオオショウジョウバエに見られるパターンで、まだバイオフィルム自体は広がってきていないが植物の組織自体は柔らかく崩壊しかけてきている部位に好んで鋭利な導卵突起を刺して卵を植物組織内に深く埋め込みます。この場合も植物組織からの液によって卵が溺れておかしくない環境です。また、オウトウショウジョウバエなどではさらに鋭利で頑強な導卵突起を持っており、オウトウ、ブルーベリー、ブドウといったベリー類の樹上の熟果の果皮を突き刺して果肉内に卵を埋め込みます。この場合も果汁で溺れかねない環境ですよね。こうした呼吸に不利な条件を、ショウジョウバエ卵は呼吸突起を空気中に突き出すことで凌いでいるわけです。

この産卵状態を見る限り、植物組織内への産卵は見られないようですので、植物組織が酵母によって発酵しつつある状態のものに産卵している『つもり』になっているのはほぼ間違いないでしょう(オウトウショウジョウバエも成虫の栄養摂取のためには発酵果実に飛来する)。つまり、アキザキヤツシロラン、クロヤツシロランは酵母によって発酵している植物質に擬態することで、さらに唇弁の上を酵母のバイオフィルムに擬態することで発酵植物質繁殖性のショウジョウバエを送粉者にしている可能盛大、ということではないでしょうか。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2011/10/20(Thu) 21:25:57 No.7220  引用 
ウミユスリカ様.

 スパムフィルターで引っ掛かっていた投稿文を強制的に投稿処理しました.また,つまらない単語で引っ掛かっているようなので,スパムフィルターも更新しておきます.

皆様も,スパムフィルターで投稿できない場合,syrphidae.jpアット マークgmail.comまで御連絡下さい.

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/20(Thu) 23:10:14 No.7221  引用 
茨城@市毛さん ウミユスリカさん ありがとうございます。
大変難しい説明ですが、毎年この卵も観察できるので、ここを利用しているのは間違いないようです。
この花にショウジョウバエが集まることがわかっているので、それを狙う『イオウイロハシリグモ』の仲間も、ここで待ち伏せしていたりして、この花の上に小さな宇宙も広がっているような感じ・・・というのは大げさか。
とにかく花とハエは深い関係にあるように思われます。
これが幼虫でしょうか。
こちらは写真のサイズが大きすぎただけのようで、小さなものにしました。
ここがお気に入りなんでしょうねェ。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2011/10/21(Fri) 05:59:24 No.7222  引用 
茨城@市毛様

大変お手数おかけいたしました。ありがとうございます。

ポンチ様

確かに卵が孵化して1齢幼虫が這い出しておりますね。餌となる酵母菌もないですからそのまま餓死する運命なのでしょう。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/21(Fri) 07:47:01 No.7223  引用 
おはようございます。
これらのハエは育てないのですか。
まったくわからないことだらけです。
スレッドが長くなってしまったのでわけたほうがいいのですが、この花はこの時期にはとろけるように落ちてしまい、花の下の子房が膨らみ果実になりますが、この果実にも謎があって、その表面に妙な突起ができ、その先端に穴らしき凹みがみえるものも観察できます。
これもまるでわからないのですが、これはハエとはまったく無関係のものでしょうか。
こちらで質問するのはお門違いの問題かもしれませんが、何かヒントでもいただければと思いまして。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/21(Fri) 07:51:43 No.7224  引用 
普通、こんな突起は見られないのですが、一部のものにこんな膨らみが生じます。
小さくて表現できませんが、果実の表面が変形して隆起し、先端には凹みがあり、誰かが出たのかなァなんて思えるような形でもあるのですが、こんなものを見たことがないのでまったくわかりません。
最初の話題から全くずれてすみません。


Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:Acleris 投稿日:2011/10/21(Fri) 18:26:05 No.7225 ホームページ  引用 
コンニチワ。
No.7221の画像の虫は触角や脚が見えるのでハエの幼虫ではなく、トビムシの仲間だと思います。
ヒメツチトビムシの仲間が似ているようです。
トビムシ類は土壌動物で、腐植質をおもに食べます。
痛んだ花を食べに来たか、雨降り後で加湿を嫌って地上に上がってきたものと思います。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2011/10/21(Fri) 19:26:13 No.7226  引用 
Aclerisさん、確かにトビムシというのもいましたね。
地表すれすれに咲く小さな花。
ますますわからなくなってきましたが、それもあるのですね。
みんな馴染のない小さな虫。
やはり難しいものですね。
ありがとうございます。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:クロちゃん 投稿日:2013/02/23(Sat) 09:06:12 No.8121  引用 
こんにちは
トビムシちゃんではないでしょうか。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2013/02/26(Tue) 16:37:03 No.8123  引用 
クロちゃんさん ありがとうございます。
おそらくトビムシの仲間みたいですね。
いろいろな虫がこの花に集まるみたいです。
私にはわからない魅惑の香りもあるみたいですし。
長いスレッドが持ち上がっちゃいました。
油断できませんねェ、この掲示板は。

Re: 黒いキイロショウジョウバ... 投稿者:ポンチ 投稿日:2013/04/17(Wed) 20:24:52 No.8208  引用 
あれれ、また持ち上がっていますが、こんばんは。
ここは、ハエの同定などがメインになる掲示板だと思うので、あまりスレッドが長くなるのも・・・・・
ただ、『クロヤツシロラン』などに関しては、最初はその果実の多さに対して、花を見る機会があまりに少ないので、自家受粉とか閉鎖花なども考えていました。
が、観察していると、かなりハエが実際に活躍しているんですね。
見に行くと毎回出会う。
ただそれも暖かい季節、ハエが活動出来る気温、期間に限られると思います。
ところが、実は真冬に出来たばかりの果実が出てきたりということもあることを考えると、虫がいなくても・・・とは思います。
ただ、付きっきりでいるわけじゃないので、まァ、ハッキリしたことはわかりません。
この場所にふさわしくない話題なので、管理人さんの権限で、邪魔ならば削除してください。 スミマセン。
長〜いもんね。

マダラヤチバエ属Pherbina疑問種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/02(Tue) 08:35:07 No.8190  引用 
手元の標本を整理したところ,マダラヤチバエ属に2種類が混じりました.

この写真が,額と側顔に黒斑を備えるのでマダラヤチバエPherbina intermediaだと思います.


Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/02(Tue) 08:42:49 No.8191  引用 
こちらが,体長約4.5mmとやや小ぶりで暗色な疑問種です.
翅の斑紋が網目状とは言い難く,HydromyaやTetenoceraへも行けるのですが,該当しそうな種がありません.

茨城の北浦近くの湿地で採集しました.

前方の上額眼縁剛毛の基部に斑紋を欠き,側顔に淡褐色の斑紋を具えます.


Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:まあ 投稿日:2013/04/02(Tue) 21:30:14 No.8192  引用 
茨城@市毛様、見た目で探してみましたら、
http://www.diptera.info/forum/viewthread.php?thread_id=25902&pid=115158
に、同じではなさそうですが、近い感じに見えるハエが載ってました。それはPsacadina sp. とありましたが、見当違いだったらごめんなさいです。

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/02(Tue) 22:10:36 No.8193  引用 
まあ様,慧眼の恐れ入りました.

御指摘通り,旧北区の検索で引くと12. Subarla setae absentでPsacadina属になりますが,今一つ自信がありません.
同属はアムールまでは分布しているようです.

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:まあ 投稿日:2013/04/03(Wed) 13:20:42 No.8194  引用 
どちらの写真も鮮明でしたので、かなり比較できました。
結果もはずれてなくてよかったです。^^;
日本での分布域も広い感じなのでしょうか。
ぜひ会ってみたいです。

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/04(Thu) 21:49:07 No.8195  引用 
市毛様

こんにちは。
 週初めからChinaへ行っていまして、先ほど帰ってきたところです。

 画像の疑問種ですが、Pherbina mediterranea(または その近似の種)の可能性があると思います。
 バタバタしておりますので、週末には 参考となる図などをアップしようと思います。
 少々お待ちください。(市毛さんでしたら 既に持ってるかも?!)

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/05(Fri) 22:09:43 No.8197  引用 
市毛様

 こんな図と検索がありました。

 参考になりますでしょうか?


Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/05(Fri) 22:17:58 No.8198  引用 
 WINGです

b:mediterranea
c:intermedia


Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/05(Fri) 22:20:43 No.8199  引用 
 ゲニタリアです

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:まあ 投稿日:2013/04/07(Sun) 20:54:52 No.8200  引用 
茨城@市毛様、旧北区の検索表の『 Subarla setae absent』の”Subarla"の翻訳がどうしても見つからなくて前に進めません^^;それでPherbina属とPsacadina属の写真を集めて頭部の比較をしてみたのですが、Pherbina(左)は頭部中央から前面に伸びる溝が前の方で狭くなり、そこに黒いハの字の模様があります。Psacadina(右)は溝が前の方でも狭くならず並行で黒いハの字の模様がないです。これは集める事が出来た写真の範囲でのことなのですけど。。うーーんどうなのでしょうか?

*写真は自前の物が無いので、市毛様の写真の頭部を拝借して加工して作らせていただきました。


Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/07(Sun) 23:45:21 No.8201  引用 
バグリッチ様.

ヤチバエの文献は,Sueyoshi(2001)と日本産水生昆虫 科・属・種への検索で充分だと思っていたので全く持っていません.
提示された図を見ると,ますますPherbina属ではなさそうです.

まあ様.
私の打ち間違えです."Subalar"の剛毛の有無を問うcoupletでした.Fig.31に図示されてます.
額の中央の溝は,Mid frontal stripeのことですね.

改めて極東の昆虫の検索のヤチバエ科のPsacadina属のdiagnosiaを翻訳してみると,
medial frontal stripeがPherbina属に比べ狭く,やや不鮮明となる.触角第2節が第3節より明らかに短い.触角刺毛は長い黒色毛を具える.prosternumは無毛.anepisternum(mesopleuron)は有毛で1剛毛を装う.anepimeron(pteropleura)は有毛.saubalar setaを欠く.後基節の後縁は有毛.♂後腿節の腹面剛毛は密.
という記述全てに合致しますね.

これは,末吉さんに送って確認してもらったほうが良いようです.

バグリッチ様,まあ様,ありがとうございました.

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/08(Mon) 20:46:33 No.8203  引用 
バグリッチ様,まあ様.

ヤチバエの専門家である末吉昌宏博士に写真を送ったところ,2010年に北海道から記録したPsacadina kaszabiと同種と思われるとのことでした.

なお,ヤチバエは2010年と2013年に追加のリストが出ているそうです.

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/08(Mon) 23:04:21 No.8204  引用 
市毛様
まあ様

 こんにちは。
 Psacadina kaszabiという種だったのですね。
 勉強になります。
 
 また、興味深い種がいましたら アップしてください。

Re: マダラヤチバエ属Pherbina疑... 投稿者:まあ 投稿日:2013/04/09(Tue) 20:45:39 No.8205  引用 
茨城@市毛様、そしてバグリッチ様、
あーでもない、こうでもないと調べて楽しかったですね。

もう少し基本知識が欲しい今日この頃です。

このハエは何科ですか 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/01(Mon) 20:30:12 No.8186  引用 
茨城県北部の標高1000m程のブナ帯で7月に採集したハエですが,科が解りません.

翅のSc脈は完全で、全長を通じてR1脈とは独立して前縁に達します.sc切目は無いように見えます.全脛節に亜末端剛毛があります.後単眼剛毛離反します.体長は4mm程です.

宜しくお願い致します.


Re: このハエは何科ですか 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/01(Mon) 20:50:24 No.8187  引用 
市毛様

 こんにちは。

 おそらくこの種はヤチバエ科のオガミヤチバエ Colobaea eos と思います。
 日本のヤチバエ科の中では、かなり異質な種と思います。

 日本産水生昆虫 で確認してみてください。

Re: このハエは何科ですか 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/01(Mon) 21:46:24 No.8189  引用 
バグリッチ様.

ヤチバエ科ですか.
御指摘通り,オガミヤチバエの特徴に合致しました.

しかし,見た目がヤチバエっぽくないし,あまり水場のない山頂で複数採れたので検索の引き間違いだと思っていました.

ありがとうございました.

Re: このハエは何科ですか 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/04/04(Thu) 21:52:22 No.8196  引用 
市毛様

 あたっていて 良かったです。
 とてもよく似た外観で フンバエ科の種もいるようですので、要注意と思います。
 一目見た感じでは、なんとなく クチキバエ科の印象もありますね。
 ではまた。

Re: このハエは何科ですか 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/04/08(Mon) 00:08:59 No.8202  引用 
バグリッチ様.

フンバエ科のParallelommaとかCordilura等の小型の属は,紛らわしいですね.そもそも,フンバエは下部胸弁がほとんど発達していないので有弁類に見えません.
逆に,Psilidaeハネオレバエ科にこれらが混じっているときもあります.

私のヤチバエの箱に混じっていたのは,トゲハネバエです.顕微鏡で見るまで全く気づきませんでした.
逆にトゲハネバエの箱にもブチマルヒゲヤチバエが混じってました.

黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/23(Sat) 20:13:26 No.8155  引用 
ノミバエかな?と思ったのですがこれもちょっとかわった顔つきです。
1月下旬と2月上旬、1匹づつ家の中の窓辺にいました。
あまり飛ばないです。
黒い牙のようなものは上顎口肢なのでしょうか?
翅先まで6-7mm
場所:阿武隈山地標高550m


Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/23(Sat) 20:15:56 No.8156  引用 
こちらは2月に出て来ました。
上のハエとは別個体です。


Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/23(Sat) 20:17:07 No.8157  引用 
翅です。

Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/03/24(Sun) 01:17:01 No.8165  引用 
まあさん:このノミバエの大型の突起は小腮鬚(小顎ひげ、maxillary plapus)だろうと思います。このような大型の小腮鬚を持つノミバエとしてはアメリカのTrophodeinusの♂で、以前はBactropalpusと言われていたノミバエに似ています。

Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/24(Sun) 14:18:55 No.8168  引用 
顔が複雑で、部分名称や機能なども相当複雑そうですね。。小腮鬚というのですか。最初に観察したハエは捕獲中に失敗して足が取れて動けなくなってしまったので、取っておいたのですが、後日に再度小腮鬚を写真で撮ると、生きていたときは膨らんでいましたが、空気の抜けた風船のようになってました。この牙状のも髭とついてますが、小腮鬚にさらに細かい髭が生えておりました。

Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/03/27(Wed) 13:55:03 No.8175  引用 
私が素人の見当でTrophodeinusではないかと書き込みましたが、まったく自信がないので、ノミバエ科の分類学を専門とされている中山裕人博士にお尋ねしたところ、本種はTriphlebaの1種であるという返答をいただきましたん。同博士の承諾を得て、ご返答の主要部分を下に引用しておきます。同定について中山博士にお礼申し上げます。

*******************

ネット上の写真の種はTriphleba属の種です。本属の種は冬場を中心に発生します。本属のオスのmaxillary palpusはしばしば大型で特徴的な形をしていますが、種の区分にも役立つのではないかと思っています。Triphlebaは日本では後藤先生が記載した一種のみ知られていますが、実際には多種を含む大きな属で、相当の未記載種、未記録種があります。ただ、Megaseliaの様に収まりがつかない程莫大ということはない様です。TriphlebaではPhorinae亜科の特徴であるtibia上の独立剛毛が弱い(weak、細くて短い)のですが、写真を拡大して見るとちゃんと存在しています。2枚目の写真にもTriphlebaに典型的な左右非対称なオス交尾器が写っています(ノミバエはすべて左右非対称ですが)。それから本属の種の特徴として体型が細身であることが挙げられます。冬場にでる種類ではMegaseliaやSpiniphoraでも細身になり、一見Triphlebaに似ているの は不思議なものです。

Re: 黒い牙のあるノミバエ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/04/01(Mon) 20:54:56 No.8188  引用 
わー・・遅くなりました、追加コメントありがとうございます!
専門の方に聞いていただいて、Triphleba属の特徴がたくさん書かれてあり大変参考になりました。
中山様にもお世話になりました。ありがとうございました。

石垣・海岸のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/03/29(Fri) 20:46:02 No.8180  引用 
毎度お世話になります。昨年の10月末に、石垣島の海岸で、腐った海藻に群がっていたハエです。どなたか種名をお教え頂けましたら有難く存じます。

Re: 石垣・海岸のハエ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/03/30(Sat) 11:48:52 No.8181  引用 
やまちゃん様、こんにちは。

 画像のハエは,先の質問と同じアシナガバエ科の仲間の♀です.かなりたくさんの種類がいますが,日本での研究が進んでおらず,種名が解るのは一部のグループだけです.

Re: 石垣・海岸のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/03/30(Sat) 17:35:46 No.8182  引用 
やま様
市毛様

 こんにちは。

 市毛さん、これってミギワバエ科の線はありませんか?

 やや不鮮明ですが、C脈の切れ目が2か所あるように見えませんか。
 

Re: 石垣・海岸のハエ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/03/30(Sat) 18:30:24 No.8183  引用 
バグリッチ様.

確かに,御指摘通りミギワバエのようですね.勇み足でした(^_^;)
ミギワバエだとすると,Hydrellia属あたりですかね?

Re: 石垣・海岸のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/03/30(Sat) 20:02:28 No.8184  引用 
市毛さん

 私も おそらくHydrellia属あたりと思います。

 種までは(私では)とても無理です。

Re: 石垣・海岸のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/04/01(Mon) 03:16:35 No.8185  引用 
市毛様、バグリッチ様:

これはまた早速に、おありがとうございます。今回はまたピントの甘い写真でしたのに、いつものように深い洞察とご議論、さすがでいらっしゃいますね。やまちゃんも、あ、いやいや、私めも早くそのような高度な知識を身に着けたいものです・・・ってとても無理なんですけど。

ツートンカラーのカ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/23(Sat) 10:06:36 No.8153  引用 
こんにちはです。
こんなのがいましたという事で。
毎年、5月上旬ごろからたくさん見かけるカ?です。
葉が出て薄暗くなった林の下草の上に歩き回っています。
3mmぐらいです。
場所:阿武隈山地 標高550m


Re: ツートンカラーのカ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/23(Sat) 10:07:57 No.8154  引用 
もう一枚です。

Re: ツートンカラーのカ。 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/03/23(Sat) 20:52:15 No.8158  引用 
まあさん:これはユスリカ科のChasmatonotusという属の1種です。日本と北米に隔離分布しています。もし採集されていましたら、標本をお送りいただけないでしょうか。種の段階まで調査できます。連絡先はFly TimesのIssue 47の2ページをご覧いただければお分かりいただけます。Fly Timeshは北米双翅学会の連絡誌で、ネットで検索すると分かると思います。

Re: ツートンカラーのカ。 投稿者: 投稿日:2013/03/23(Sat) 21:49:18 No.8159  引用 
まあ様
大変面白い写真です。三枝先生がコメントされているとおり、Chasmatonotus属(ミヤマユスリカ属)のユスリカです。写真から、おそらくC. unilobusであろうと思われます。私は中部地方では標高800−1200mの湿地帯の周辺で採集しています。旧北区では、韓国にもいることが判っていますが、報告されているのは日本だけです。日本からこの属は6種が報告されています。他には北米から8種が知られています。この属の幼虫は陸生です。数年前に北米産の一種の幼虫が報告され、幼虫が陸生であることが確認されました。日本産のものについては幼生期は全く解明されていません。おそらく、出現場所の下草の根本の土壌中に生息していると想像されます


Re: ツートンカラーのカ。 投稿者: 投稿日:2013/03/23(Sat) 22:12:26 No.8160  引用 
まあ様
先に、韓国から知られていると書きましたが、これは伝え聞きで、自身で確認しておりませんので不適切な文章でした。
Chasmatonotus属の特徴としては中胸に縦に走る明瞭な溝があることで他の属からの識別は容易です。また、写真にありますように色彩も非常に特徴的です。日本産に一種を除いて、北米産も含めてほぼ写真と同様の色彩パターン示しています。立派な翅を持っているのですが、他のユスリカの様に軽妙に飛翔することは出来ないようです(私自身の遠い昔の観察から)。また、もう一つ面白い特徴が見られます。雄と雌が生殖器を除いて殆ど同じ形態で、ほかのユスリカに普通に見られる性的2型を消失しています。これは地上を歩き回ると言う行動に起因していると思います。脚は丈夫で良く発達しています。
一種、例外と書きましたが、この種は外見的には他のユスリカと変わりはありませんが、この属の特徴である胸部の溝ははっきりしています。また、性的二型も明瞭です。

Re: ツートンカラーのカ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/24(Sun) 11:33:53 No.8167  引用 
三枝豊平様、エリユスリカ様、
Chasmatonotus属とのこと、ありがとうございます。
この属がみな、似たパターンの配色で日本に6種いるという事とと載せて頂いたイラストは翅の黒い部分が付け根の方まであるようで、素人目にはまた別種の様で、、なかなか難しい感じです。

採集は残念ながらしてないのですが、今年は4月下旬頃から出て来そうな暖かさです。
ここでは山の谷筋の薄暗い感じの林で、ヤブレガサやフキなどが小さく群生しているあたりに葉の上や茎を歩き回っています。出はじめて1週間からから10日ぐらいでたくさんのカップルを見かけました。
カップルの写真は見られたもんじゃないんですけど参考までに載せてみます^^;エリユスリカ様の言われる通り、♂のあのふさふさの触角は見られず、♂♀はそっくりです。

三枝様 今年たくさん見られましたら、捕獲してみたいと思います。


Re: ツートンカラーのカ。 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/03/27(Wed) 23:46:27 No.8178  引用 
このユスリカについてはエリユスリカさんが一番詳しい方で、私の書き込みはその前座みたいなものでした。なお、韓国には実際にこの属のユスリカは分布しています。南部山地に春に出かけると1000m内外の山で見かけます。この種はまだ未記載種のようです。

もし、今年カップルがたくさん採れたら、有機質に富む湿った土壌を入れた容器にいれて、産卵やその後の幼虫の孵化など調べたら、新しい発見ができるかと思います。北米産の幼虫は多分自然状態で大きくなった幼虫を採集したものかと、想像していますので、成虫に産卵させて幼虫を得るのはやさしいことではないとは思います。土ではなくて、ろ紙やティシュを湿らせて敷いた容器などに入れて産卵させるのも一つの方法かと思います。

いずれにしても、生きた成虫が簡単に入手できる場所でないと、飼育は難しいので、もし近くに産地があるのでしたら、失敗覚悟でやってみる価値はあると思います。

Re: ツートンカラーのカ。 投稿者:まあ 投稿日:2013/03/29(Fri) 09:37:20 No.8179  引用 
”捕獲”と書いたのは、専門家の方にしてみれば写真で種の判定は普段やらない中途半端な作業なのだからいろいろ教えて頂いたという事と、既知種とは別種かもしれないし、たくさんいるなら1ペア捕獲してみようかと思った次第です。^^;
写真を撮る場所で採集はやっぱり無理そうなので分相応にやっていこうかな思います。
これからだとここより先に出て来そうな場所がありそうですね。

蕨にいたハエについて 投稿者:HM 投稿日:2013/03/24(Sun) 14:32:57 No.8169  引用 
静岡県裾野市で蕨にとまっていたハエを3月23日に採集しました。体長は5ミリ程度です。
このハエがシダハナバエである可能性はあるでしょうか。
ご教示いただけましたら幸いです。
                      HM


Re: 蕨にいたハエについて 投稿者:HM 投稿日:2013/03/24(Sun) 14:34:35 No.8170  引用 
追加の画像です。 HM

Re: 蕨にいたハエについて 投稿者:茨城@市毛 今回の総会は欠席です. 投稿日:2013/03/26(Tue) 21:20:31 No.8174  引用 
HM様

誰からも,コメントが付かないようですので,解る範囲でコメントさせて頂きます.

ハナバエなどの有弁類の場合,よほど特徴のある種類でなければ,写真では判断が困難です.
写真を見る限り,ハナバエ科のような気がしますが,科の識別に必要な場所が見えないのではっきりしません.

また,シダハナバエというのはネットでは全く情報が無く,新訂大図鑑を見るとハナバエ科のChirosia属の複数種に新称として使われております.
Chirosia属は日本に20種程が分布していますが,かなり細かく体の剛毛や交尾器を見ないと確定することが困難です.

詳しくは,下記の論文(Anthomyiidae of Japan)を見てください.
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/9777

Re: 蕨にいたハエについて 投稿者:HM 投稿日:2013/03/27(Wed) 23:27:22 No.8177  引用 
茨城@市毛様

不十分な情報に対し、丁寧なコメントを寄せていただき感謝申し上げます。論文もたいへん参考になりました。
ありがとうございました。
                        HM

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86] [87] [88] [89] [90] [91] [92] [93] [94] [95] [96] [97] [98] [99] [100] [101] [102] [103] [104] [105] [106] [107] [108] [109] [110] [111] [112] [113] [114] [115] [116] [117] [118] [119] [120] [121] [122] [123] [124] [125] [126] [127] [128] [129] [130] [131] [132] [133] [134] [135] [136] [137] [138] [139] [140] [141] [142] [143] [144] [145] [146] [147] [148] [149] [150] [151] [152] [153] [154] [155] [156] [157] [158] [159] [160] [161] [162] [163] [164] [165] [166] [167] [168] [169] [170] [171] [172] [173] [174] [175] [176] [177] [178] [179] [180] [181] [182] [183] [184] [185] [186] [187] [188] [189] [190] [191] [192] [193] [194] [195] [196] [197] [198] [199] [200] [201] [202] [203] [204] [205] [206] [207] [208] [209] [210] [211] [212] [213] [214] [215] [216] [217] [218] [219]

処理 記事No 暗証キー

- Joyful Note -
- Antispam Version -