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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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山地のガガンボの仲間 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/17(Sun) 00:32:14 No.5474  引用 
鈴鹿山脈の渓谷の入り口付近にて、倒木に静止するガガンボの仲間を見つけました。翅脈が特徴的なので、ヒメガガンボ科あたりを探しましたが同じような斑紋は見つかりませんでした。翅長は8ミリ。

2009.5.14 三重県鈴鹿市


Re: 山地のガガンボの仲間 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/17(Sun) 00:35:24 No.5475  引用 
左右の翅脈が異なっています。こんなことってあるのでしょうか。また、種名は判りますでしょうか。

Re: 山地のガガンボの仲間 投稿者: 投稿日:2009/05/17(Sun) 10:12:05 No.5476 ホームページ  引用 
Discobola属の一種。
おそらく、Discobola margarita Alexander, 1924。

本種の様に翅に複雑な模様を持つガガンボには
斑紋の変異が多く見られるものがあり、本属やEpiphragma属などでは左右の翅の斑紋が異なっていることもしばしばです。

翅脈相が単純なほかの双翅目に比べガガンボ類は翅脈に変異が出やすいように思えます。多くの標本を集めてみると、同じ種の中で横脈が増えたり、縦脈が合流したり、合流や分岐の順序が変わったり、脈が強くカーブするところに本来ないはずの脈が生じたりすることがよくあります。

Re: 山地のガガンボの仲間 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/17(Sun) 17:09:18 No.5478  引用 
達磨様、ありがとうございます。
ガガンボダマシだったかの翅脈は安定していると何かで読んだように記憶しておりましたが、ガガンボのほうは翅脈が安定しているとは言えないのですね。それにしても信じられないような変異が生じることがあるんですね。
種名も絞り込んでいただき、うれしいです。

Re: 山地のガガンボの仲間 投稿者: 投稿日:2009/05/17(Sun) 18:17:23 No.5479 ホームページ  引用 
ガガンボダマシで翅脈が安定しているというのは同じ属に含まれる種は殆んど同じ翅脈をしているということではないでしょうか。
勿論、ガガンボでもガガンボダマシでもそれぞれの種のスタンダードな翅脈というのは歴然とあります。先のコメントで書いたのはそれからずれる変異や異常な脈相がしばしば見られるということです。検索表などで「○脈は□脈より長い」とか「○脈は□脈のどこどこから分岐する」という表記はそのあとに「・・ことが多い」とか「・・のが普通だ」をつけて読むようにしています。

Re: 山地のガガンボの仲間 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/17(Sun) 21:10:49 No.5480  引用 
どうも勝手に解釈して覚えこんでいたようです。ガガンボダマシの翅脈が安定しているというイメージは捨ててしまうことにします。
検索表の読み方、達磨さんの態度を参考にさせていただきます。ありがとうございます。

金属光沢のあるハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/14(Thu) 23:08:20 No.5462  引用 
近くに二級河川がある里山の谷あいで、水田脇の林縁を歩いていて見つけました。キアシキンシギアブらしきハエも見かけましたが、それよりも小型でした。別角度の撮影には失敗しました。アシナガバエの仲間でしょうか。
2009.5.14 三重県鈴鹿市


Re: 金属光沢のあるハエ 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/05/15(Fri) 08:28:21 No.5465 ホームページ  引用 
田中川様.

ミズアブ科のエゾホソルリミズアブActina jezoensisやその近縁グループと思われます.

Re: 金属光沢のあるハエ 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/15(Fri) 12:59:00 No.5466  引用 
茨城_市毛様、ありがとうございます。
エゾホソルリミズアブのようです。
ミズアブ科だったのですね。思いも付きませんでした。

無題 投稿者:micromyu 投稿日:2009/05/07(Thu) 00:28:00 No.5430 ホームページ  引用 
はじめまして、micromyuと申します。
不明昆虫の詳細を希望したく、初めて書き込みをさせて頂きます。

画像は2009/5/6、山形市西蔵王でオオウバユリより見出したものですが、これはアブ類の幼虫でしょうか?この場所はオオウバユリが多数見られ、私はこれがホストのカタクリハムシの発生を確認するため毎年訪れているのですが、初見でした。幼虫は他の植物には付いておらず、この虫の生活史にオオウバユリは何か関係があるのでしょうか。体長は未計測ですが20mmほどあったかと思います。

ご教示、よろしくお願い致します。


Re: 無題 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/07(Thu) 09:03:44 No.5431  引用 
この画像だけでは確信はもてませんが、1.腹端部に1対の後気門がある、2.葉のなめたような食痕がこの幼虫のものである、の2点を元に推測すると、これはシリブトガガンボ科Cylindrotomidaeのシリブトガガンボ属Cylindrotomaの1種ではないでしょうか。飼育されて確かめたらいいでしょう。もし同定通りでしたら、葉の上で蛹化します。

なお、この科にはLiogma、Diogma、Triogmaなどの属がありますが、これらの幼虫はすべてあるいは大部分がジャゴケなど苔類を食餌植物にしており、概形も色彩もこれらの苔に類似しています。

Re: 無題 投稿者:micromyu 投稿日:2009/05/07(Thu) 19:51:39 No.5433 ホームページ  引用 
ガガンボ類ですか、予想外でした!
飼育が可能ということで、週末などに同所で見かければ採集してみようかと思います。
ご教示、どうもありがとうございました。

Re: 無題 投稿者:micromyu 投稿日:2009/05/14(Thu) 21:10:19 No.5461 ホームページ  引用 
昨日の夕方頃、同所で蛹が確認できました。
採集して、成虫がどのようなものか確認したかったのですが、
蛹のついていた葉ごと持ち帰ろうと茎を引っ張ったら弾みで
落下して下草に紛れてしまいました、残念です。


Re: 無題 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/15(Fri) 01:39:04 No.5463  引用 
蛹の形状や蛹化状況からほとんど間違いなくCylindrotomaの1種でしょう。落ちてしまったとのこと、多分周囲を探せば、他にも見つかると思います。成虫を羽化させれば、ガガンボ類の専門家の達磨先生が同定をしてくれるのでは。

蛹になった状態では葉を茎ごととる必要はもうないでしょう。蛹の周辺の部分をハサミなどで大雑把に切って、なるべく乾燥しないように、蓋にちいさな穴(直径2-3 mmを2,3個)をあけたタッパーなどに収容して持ち帰って、そのまま日光の当らない場所で保管すれべ良いと思います。羽化の際にものにぶら下がって、脚や翅を伸ばすので、そのような空間が必要です。

オドリバエEmpis(Planempis)の一... 投稿者: 投稿日:2009/05/09(Sat) 23:34:38 No.5438  引用 
こんばんは。2009.5.9に青森県下北半島で採りました。車の中に入ってきたのでどこにいたのかはわかりません。
オドリバエの一種でしょうか。


Re: オドリバエEmpis(Planempis)... 投稿者: 投稿日:2009/05/09(Sat) 23:36:12 No.5439  引用 
二枚目です。

Re: オドリバエEmpis(Planempis)... 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/10(Sun) 09:09:17 No.5440  引用 
おーやぎ様。お元気で青森県北部の生物の観察・撮影をされているご様子ですね。

さて、この画像のオドリバエに似たものは、Planempis亜属とPolyblepharis亜属があります。メスの場合には両属はきわめて類似していて、なかなか画像では識別が難しい面があります。Planempis亜属は日本列島では著しく種数が多く、もし、Planempisであっても種までの同定はかなり難しいです。Polyblepharisですと本州の種数は数種ですから種の同定は可能です。

画像でみますと、翅の基半部が著しく黄色味が強いのですが、これは自然の色彩を的確に現しているのでしょうか。

脚の色彩や羽状剛毛の長さや生えている範囲などを、画像から判断して同定する必要がありますので、しばらくお待ちください。

ノヒラマメヒラタアブでいいでし... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/05/06(Wed) 23:11:46 No.5427  引用 
こんちは。

 ハナアブ素人からの質問です。

 これまであまり採ったことがなかったのですが、マメヒラタアブの一種を採ってみました。
 ノヒラマメヒラタアブと思ったのですが、腹部背面は黒色です。 黒化型かなぁと思うのですが、よいでしょうか?

 残念ながらメスです。
 
 よろしくお願い申し上げます。


Re: ノヒラマメヒラタアブでいい... 投稿者:pakenya 投稿日:2009/05/08(Fri) 11:30:05 No.5436  引用 
バグリッチ様、ご無沙汰です。

画像のハナアブは、1.触角が長いこと、2.翅の微毛がほぼ全体に密生していること、3.腹部の第2節と第3節の間にくびれがないこと、4.顔の口縁が突出しないこと、5.胸背の毛が白いことからノヒラマメヒラタアブでOKです。体長は6mmぐらいですよね。

腹部が真っ黒のやつははじめて見ました。
キアシマメと紛らわしいですね。

Re: ノヒラマメヒラタアブでいい... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/05/08(Fri) 23:44:12 No.5437  引用 
pakenya様

 ご教示に御礼申し上げます。
 この個体以外にも腹部の真黒な個体は過去の標本にも
混じっていました。意外といるのかもしれません。
 今度は雄を採ってみたいです。

 ではまた。

アシナガバエかな 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/06(Wed) 20:40:20 No.5425  引用 
庭で見かけたハエです、体長は5ミリくらいかと。すぐに逃げられて写真は1枚だけです。雰囲気はアシナガバエなのかなと思いますが、いかがでしょうか。
2009.5.6 13時過ぎ 三重県津市


Re: アシナガバエかな 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/06(Wed) 22:38:28 No.5426  引用 
推定されたとおりアシナガバエ科の1種で、ホソアシナガバエ亜科SciapodinaeのSciapus属の1種です。

未記載種か既知種かの判定は私にはできません。しかし、本種またはこれにきわめて類似した種は海岸などの乾いた砂地の砂上またはそのような場所の植生上を生活場所にしているものです。

Sciapusの種は一般に光沢ある金緑色ですが、本種は灰色の霞がかかったような色彩で、砂上に静止しているときは、大変砂と紛らわしく、見つけにくいものです。また、Sciapodinaeのほとんどすべての種は草や背の低い樹木の葉上を生活場所にしており、湿地などの関連が少ないものです。

Re: アシナガバエかな 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/05/06(Wed) 23:27:31 No.5428  引用 
こんちは。

 近所の河川敷にいるSciapus sp.です。
 画像の種はアシナガバエとしては大きい方なので、かっこいいです。

 田中川さんの種のような灰色っぽい種は見たことがありませんので、是非本物を見てみたいです。

 ではまた。


Re: アシナガバエかな 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/07(Thu) 00:01:33 No.5429  引用 
三枝豊平様、いつもありがとうございます。ホソアシナガバエ亜科に関する情報はネット上からは何も得られませんでした。三枝様からの情報は本当にありがたいと思います。
このハエはあっという間に姿が消えて、どこへ行ったのかが分かりませんでした。三枝様からの情報を元にまた探してみます。
バグリッチ様のアシナガバエは標本なのにすごく綺麗ですね。こちらこそ、綺麗な本物を見てみたいものです。

Re: アシナガバエかな 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/07(Thu) 18:31:05 No.5432  引用 
Sciapus属のハエはこれから高温期になると、林縁などの日当たりのよい広い草本類や潅木の葉の上で活発に活動しているのが、ごく普通に観察できます。緑の多い場所では人家の庭先にも普通にいます。日本に相当多数の種が生息していますが、ほとんど未研究です。

草の上を活発に歩いたり、すぐ別の葉に移動するので、撮影は必ずしも簡単ではないでしょう。これらは草の上にいる小型の軟弱な昆虫(アブラムシ、コナジラミなど)を捕らえて摂食します。摂食中は比較的動きがないのでこのようなチャンスを狙うといい写真がとれるでしょう。

なお、同じホソアシナガバエ亜科のマダラホソアシナガバエ(マダラアシナガバエ)Condylostylus nebulosusは翅に斑紋があり、より大型なので、撮影対象としては適当です。本種は多くのSciapus属の種とは異なり、どちらかと言えば半日陰のような場所の葉上で生活しています。

Sciapodinaeの和名はヒゲナガアシナガバエ亜科の名称もあります。これは触角刺毛が他のアシナガバエ科の種に比べて細く長いことに基づいているのでしょう。私は本亜科の種が細長い腹部と著しく細い脚をもつことからホソアシナガバエ亜科と呼んでいます。

Re: アシナガバエかな 投稿者:田中川 投稿日:2009/05/08(Fri) 01:57:58 No.5435  引用 
三枝豊平様、Sciapus属の生息に関する耳寄りな情報ありがとうございます。
また、亜科の名称の違いについてもようやく理解することが出来ました。

青梅市小曾木地区調査会のお知ら... 投稿者: 投稿日:2009/05/07(Thu) 23:46:47 No.5434  引用 
ケンセイ@双翅目談話会関東事務局です。

双翅目談話会では今年度の関東調査会として、青梅市小曾木地区の調査を行うので、お知らせします。

○双翅目談話会関東調査会
・日時
2009年6月6日(土)雨天の場合は翌日に順延
・場所
青梅市小曾木地区
・主な狙い
特になし。湿地性の双翅目などが確認出来れば良いと思います。
・集合場所と時間
参加人数により調整する必要があるので、参加希望の方は私までお知らせください。今のところ私を含めて3名が参加予定です。

ケンセイ

ツバメの糞分析 投稿者: 投稿日:2009/05/01(Fri) 22:23:06 No.5422  引用 
突然の投稿で失礼します。
私、某大学4年生でツバメの糞分析を卒業研究でやっている者です。糞の中から昆虫の頭部の残骸(口器や触角はない)を見つけ、目レベルで分類する研究です。
そこで誠に恐縮なのですが、皆様に質問したいことがございます。膜翅目と双翅目の識別をするとき、頭部(顔盤と眼)の特徴のみで識別することは可能でしょうか?
図鑑などを見ても、頭部での分類についての記載はなく、私も昆虫について素人なため、全く手が出せずにいます。どなたか教えて頂けると大変助かります。勝手なお願いで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

Re: ツバメの糞分析 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/05/01(Fri) 23:13:51 No.5423  引用 
双翅目と膜翅目の識別と言う点からは、

1.双翅目の額嚢類(いわゆるハエを含む)では顔板の周囲を逆U字型に取り囲む額嚢溝があります。これがあれば間違いなく双翅目である。しかし無額嚢類(ハナアブ類など)や直縫短角類(アブ類)と糸角類(カ、ガガンボ、ブユなど)はこの構造をもたない。そのために、額嚢溝がないから双翅目ではないということではない。
2.膜翅目はいずれも発達した大顎(大腮)をもつ。そのために、大顎は頭蓋に関節するために前後2個の関節突起をもつ。この関節突起を受ける構造が、頭蓋側面(頬=複眼の下方)の下(腹)側の縁にある。双翅目で大顎をもつのはごく少数で、もっていても膜翅目のように顕著な2関節構造をもたない。

というような区別点は指摘できますが、実際にこれらの構造を壊れた材料で確認するためには、はっきりしたガガンボ科、アブ科、クロバエ科、ハバチ科、ヒメバチ科、アシナがバチなどを解剖してみて(KOHの10%水溶液に一昼夜浸漬することで、体内の筋肉内臓が溶解して、外骨格が残る。これを十分い水洗して、実体顕微鏡で観察する。先端の尖ったピンセットが2本必要である。KOHは強アルカリ)、上記構造を理解しておく必要があるでしょう。

Re: ツバメの糞分析 投稿者: 投稿日:2009/05/03(Sun) 00:33:05 No.5424  引用 
ありがとうございます!大変参考になりました。
たしかに、関節突起を受ける構造を複眼の下方に持つ頭蓋が、糞の中から多く見つかりました。
比較用の標本も今集めているので、解剖してみて、教えて頂いた構造を確かめてみたいと思います。
丁寧に教えて頂き、どうもありがとうございました。

ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/03/18(Wed) 10:41:21 No.5280 ホームページ  引用 
 先日(20009年3月15日)撮影したミバエです。気温が高くなり敏感で直ぐに逃げられた為、背面からの写真しかありません。
 ミスジハマダラミバエの仲間(Trypeta)と思いますが、小楯板は一様に黄色です。北隆館の新訂圖鑑に拠れば、Trypetaの多くは中胸後盾板(=小楯板と理解します)が黒色部を持つが、「中胸後盾板が一様に黄褐色で、3条の前翅斑紋が明確なT.apicalisとT.luteonotaが本州と九州に分布する」と書かれています。一方、九大の目録に拠れば、前者は本州、後者は九州台湾に分布するとあります。北隆館の解説は「T.apicalisとT.luteonotaが(共に)本州と九州に分布する」と理解するのが普通かと思われますが、「T.apicalisとT.luteonotaが(それぞれ)本州と九州に分布する」と解釈出来なくもありません。
 No.3347に始まるスレッドにこの写真とよく似たミバエが出ており、ハエ男氏は「小盾板がほぼ黄色であるところからミバエ科のTrypeta luteonotaの♀ではないかと思われます」と書かれています。T.luteonotaは本州にも分布するのでしょうか。
 また、圖鑑解説の「3本の前翅斑紋が明確な」はT.apicalisのみにかかるのか両種にかかるのか些か不明瞭ですが、前者の解釈を採ると、このミバエは三条の斑紋が明確ではありませんのでT.luteonotaとして良いのでしょうか。
 宜しく御教示下さい。


Re: ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/04/12(Sun) 10:09:07 No.5353 ホームページ  引用 
アーチャーン様.

発言を見直していたら,スルーされていようなので,亀レスですがコメントしておきます.

市田(1994)によるとT. luteonotaは本州と九州に分布するようです.本種は,雄と雌とで翅の斑紋が異なります.

写真のミバエは,T. luteonotaの♂の図とは若干斑紋が異なり,T. digestaとの中間的な斑紋に見えます.

Trypeta属については,新訂大図鑑(末吉)とIto(1983-1985)等とで学名が結構異なるようなので,注意が必要です.
また,T. apicalisについては情報が無いのでよく分かりません.下記の原記載を見てみると良いかもしれません.

なお,極東の昆虫の検索などでは,T. apicalisはT. luteonotaのシノニムとなっています.

* Shinji, O. 1939. [On the Trypetidae of north-eastern Japan, with the description of new species (2)]. Insect World (Gifu) 43: 320-324.

Re: ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/04/13(Mon) 09:29:05 No.5359 ホームページ  引用 
茨城_市毛様:

 コメント有り難う御座います。もう誰からも見放されたのかと思っていました(笑)。

 私は、明後日より、東南アジア方面に長期の調査旅行に出かけますので、現在その準備で忙しく、また、その他の用事も多々あり、論文を読む時間がありません。帰国してから、じっくり検討したいと思います。

 取り敢えず、御礼まで。

Re: ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2009/04/13(Mon) 13:21:51 No.5361  引用 
アーチャーン様

書き込みをしようと思っていたのですが、脊椎関節炎の症状がひどくなってしまってそれどころではなかったので放置してしまっておりました。ミバエ科は集めてある文献の数も少ないので、思い悩んでいるうちに時間がすぐに過ぎてしまいます・・・

Re: ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/04/14(Tue) 21:29:11 No.5379 ホームページ  引用 
ウミユスリカ様、市毛様、皆様:

 それでは明日早朝出立致します。

 昨年秋に撮ったショウジョウバエ科やホソショウジョウバエ科と思われる虫の写真が溜まっています。帰国しましたら、また、宜しく御指導下さい。

Re: ミスジハマダラミバエの1種 投稿者:ほげ 投稿日:2009/04/30(Thu) 00:59:12 No.5421  引用 
はじめて投稿します。通りすがりのものです。ミバエが好きですが、他のハエのことは(も?)よくわかりません。

まず小盾板の色ですが、Trypeta属のものはみな一様に黄色です。色の変化が出るのは、その後ろのmediotergite(後胸背板?…日本語で何て言うのでしょう?)の部分です。写真を見る限り、mediotergiteにあたる部分が黒色のようですので、ここが一様に黄色になるT.luteonota(T.apicalis)とは異なる種、ということになります。

T.digestaはよく似ていると思いますが、dm-cu脈付近の黒斑やsub costa室にある黒斑の出方が少し異なるような印象です。あと、この種は単眼剛毛(oc)がかなり短かったような(←かなり怪しい(^_^;) 標本チェックしないと)。写真のミバエには単眼剛毛がはっきりと(長いのが)生えているように思えます。

翅の斑紋パターンでは、Cornutrypeta属にも似たようなものがいます。この属のものは頭部剛毛の状態に明瞭な雌雄差があるのが特徴(Vidalia属みたいな感じ)ですが、メスはTrypeta属にそっくりです。写真のミバエの性別はよく分かりませんが、腹部の形状から推測するに、オスのように見えます。

…ということで(?)、私の見た感じとしては、写真のミバエはミスジハマダラミバエ Trypeta artemisicola でいいのかな?と思っています。斑紋パターンが随分異なるところが気になりますが、テネラルならばこんな風に出ててもおかしくないのかなと。あと出現時期がかなり早い(普通は5−6月ごろ&夏)ところも気になります。写真ではわからない体長等の情報によっては、まったくの検討違いかも知れません。

間違っていたら申し訳ないです。また、遅レスでごめんなさいです(頻繁にチェックしないので…)。

ツマグロイソハナバエでは 投稿者:田中川 投稿日:2009/04/27(Mon) 23:43:52 No.5415  引用 
海岸にたくさんの海藻や貝類が打ちあがっていました。
そこにツマグロイソハナバエとおぼしきハエがたくさん居ました。
大図鑑にはツマグロイソハナバエと出ておりますが、同じ学名でこちらのリストにはノトツマグロイソバエとなっております。どちらが正しいのでしょうか。


Re: ツマグロイソハナバエでは 投稿者:田中川 投稿日:2009/04/27(Mon) 23:52:58 No.5416  引用 
こちらはツマグロイソハナバエの雌でしょうか?体長は5ミリ以上ありました。
先に投稿のあったハマベホソバエの仲間とも良く似ています。
ハマベホソバエ科というのも大図鑑には出ていませんでした。
一体、この科はどこから出てきたのでしょうか。今現在使われている科名なのでしょうか?


Re: ツマグロイソハナバエでは 投稿者:田中川 投稿日:2009/04/27(Mon) 23:56:05 No.5417  引用 
ツマグロイソハナバエの雌でしょうか?
三重県津市 2009.4.24


Re: ツマグロイソハナバエでは 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/04/28(Tue) 01:17:28 No.5418  引用 
同定されたとおりツマグロイソハナバエの♂♀です。この和名は北隆館の新訂図鑑で諏訪正明先生が使っています。本種がハナバエ科Anthomyiidaeに属すること、能登に生息が限定されていないこと、などがノトツマグロイソバエから改名された理由ではないかと推測しています。

Re: ツマグロイソハナバエでは 投稿者:田中川 投稿日:2009/04/28(Tue) 02:07:57 No.5419  引用 
三枝豊平様、ツマグロイソハナバエ確認していただきありがとうございます。また、改名の事情についても謎を解いていただきありがとうございます。

Re: ツマグロイソハナバエでは 投稿者: 投稿日:2009/04/28(Tue) 23:40:10 No.5420  引用 
2009年4月6日に青森県下北半島東通村太平洋岸でとったものです。これも、ノトツマグロイソバエでよろしいでしょうか。
求愛行動と思われる動画も撮ってあります。http://snowmelt.exblog.jp/10100592/ ご覧ください。

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