おーやぎ様。お元気で青森県北部の生物の観察・撮影をされているご様子ですね。
さて、この画像のオドリバエに似たものは、Planempis亜属とPolyblepharis亜属があります。メスの場合には両属はきわめて類似していて、なかなか画像では識別が難しい面があります。Planempis亜属は日本列島では著しく種数が多く、もし、Planempisであっても種までの同定はかなり難しいです。Polyblepharisですと本州の種数は数種ですから種の同定は可能です。 画像でみますと、翅の基半部が著しく黄色味が強いのですが、これは自然の色彩を的確に現しているのでしょうか。 脚の色彩や羽状剛毛の長さや生えている範囲などを、画像から判断して同定する必要がありますので、しばらくお待ちください。 |
ケンセイ@双翅目談話会関東事務局です。
双翅目談話会では今年度の関東調査会として、青梅市小曾木地区の調査を行うので、お知らせします。 ○双翅目談話会関東調査会 ・日時 2009年6月6日(土)雨天の場合は翌日に順延 ・場所 青梅市小曾木地区 ・主な狙い 特になし。湿地性の双翅目などが確認出来れば良いと思います。 ・集合場所と時間 参加人数により調整する必要があるので、参加希望の方は私までお知らせください。今のところ私を含めて3名が参加予定です。 ケンセイ |
突然の投稿で失礼します。
私、某大学4年生でツバメの糞分析を卒業研究でやっている者です。糞の中から昆虫の頭部の残骸(口器や触角はない)を見つけ、目レベルで分類する研究です。 そこで誠に恐縮なのですが、皆様に質問したいことがございます。膜翅目と双翅目の識別をするとき、頭部(顔盤と眼)の特徴のみで識別することは可能でしょうか? 図鑑などを見ても、頭部での分類についての記載はなく、私も昆虫について素人なため、全く手が出せずにいます。どなたか教えて頂けると大変助かります。勝手なお願いで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
双翅目と膜翅目の識別と言う点からは、
1.双翅目の額嚢類(いわゆるハエを含む)では顔板の周囲を逆U字型に取り囲む額嚢溝があります。これがあれば間違いなく双翅目である。しかし無額嚢類(ハナアブ類など)や直縫短角類(アブ類)と糸角類(カ、ガガンボ、ブユなど)はこの構造をもたない。そのために、額嚢溝がないから双翅目ではないということではない。 2.膜翅目はいずれも発達した大顎(大腮)をもつ。そのために、大顎は頭蓋に関節するために前後2個の関節突起をもつ。この関節突起を受ける構造が、頭蓋側面(頬=複眼の下方)の下(腹)側の縁にある。双翅目で大顎をもつのはごく少数で、もっていても膜翅目のように顕著な2関節構造をもたない。 というような区別点は指摘できますが、実際にこれらの構造を壊れた材料で確認するためには、はっきりしたガガンボ科、アブ科、クロバエ科、ハバチ科、ヒメバチ科、アシナがバチなどを解剖してみて(KOHの10%水溶液に一昼夜浸漬することで、体内の筋肉内臓が溶解して、外骨格が残る。これを十分い水洗して、実体顕微鏡で観察する。先端の尖ったピンセットが2本必要である。KOHは強アルカリ)、上記構造を理解しておく必要があるでしょう。
ありがとうございます!大変参考になりました。
たしかに、関節突起を受ける構造を複眼の下方に持つ頭蓋が、糞の中から多く見つかりました。 比較用の標本も今集めているので、解剖してみて、教えて頂いた構造を確かめてみたいと思います。 丁寧に教えて頂き、どうもありがとうございました。 |
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