はじめまして。双翅目に大変詳しい方々がいらっしゃるとお聞きし、強縮ながらご質問したく書き込みいたします。
昆虫関連の職業ではありませんが、業務で双翅目(特にクロバエやニクバエ)に関わることがあり、双翅目の同定を学びたいと思い参考図書を探しております。 今迄こちらの掲示板で挙げていただいている図鑑等の幾つかを拝読いたしましたが、昆虫特有の専門用語が多く、双翅目の体の仕組みの基礎の基礎がまずつかめていないためすべてが呪文のようでなかなか学習が進みません。 こちらにいらっしゃる皆様にとっては常識だと存じますが、「ハエ目とはなんぞや」「体の部分の名前はこうだ」という初歩的なところから解説している図鑑、書物、レビュー等に心当たりはおありでしょうか。 同定への道へは程遠いですが、若輩者にご教授いただけますと幸いです。よろしくお願い致します。
mimichan様.
何度も双翅目の入門書はないかとの話題が上がりますが,日本語での双翅目の入門書というのは皆無にちかいです. 古書となりますが,ハエ防除の為現場で働く人に役立つようにと書かた本があり,私も最初から使っています. 「ハエ : 生態と防除」 林晃史, 篠永哲 共著, 文永堂, 1979年 幾つかの公共図書館や大学図書館にも収蔵されていますので探してみて下さい. 私が初めた時は,この本と保育社「原色日本昆虫図鑑(下)」,北隆館「原色昆虫大図鑑III」,北隆館「日本昆蟲図鑑 改訂版」昭和25年,学研「学研生物図鑑III」位しか参考となる本はありませんでした.
茨城@市毛様
早速お返事をいただきまして御礼申し上げます。 ハエー生態と防除ーですが、大学図書館で見つけましたので拝読致します。原色昆虫大図鑑は大学のネット環境下で見れることがわかりましたのでそちらも活用しようと思います。 今後ともよろしくお願い致します。ありがとうございました。 |
Saco 様
写真を見ると中脈(M)がM1とM2に明瞭に分かれています。前縁脈とR脈の状態もコナユスリカ(Corynineura)やヌカユスリカ(Thenemanniella)とも異なっております。ユスリカではなくヌカカです。
Saco様
コナユスリカの属名の綴りが間違っていました。Corynoneuraです。ヌカユスリカはThienemanniella です。
確かにM1、M2が明瞭に分かれています。
おかげさまでユスリカとヌカカの違いを理解できました。 とても勉強になりました。 ありがとうございました。 |
Flytimes 59号が発行されました.以下のサイトで見れます.
http://www.nadsdiptera.org/News/FlyTimes/issue59.pdf 夏にパソコンのハードが壊れて,修復も十分ではなくて,以来本サイトにもなかなか対応ができていない状態です. 5のキノコバエさんの繭?は多分広義のキノコバエ類かと思います.湿度を下げないようにしておけば羽化するでしょう. Nephrotomaはダルマさんに聞けばわかるのでしようが,彼が対応してくれるか不明です.聞いてみましょう.
CRHです。
アノニモメイア様、ご対応してくださってありがとうございます。 やはりキノコバエさんの繭なのですね。 あの後家に持ち帰り、現在も羽化はしていません。 温度か低く、湿度も高いところにしばらく置いていたので中身は現在どうなっているやら… それに、確保して観察しているあいだに小さい穴?(繭の周りの糸はちぎれていない、汚れの可能性あり)ができ、持ち帰る前に既に何かが起こっていたのかも知れません。 もし何かが羽化しても包んでおいた袋からは出られるとは思いませんが。 1mm以下くらいだとわかりませんけど… Nephrotoma属の一種についてはしばらく待ちます。直接聞く方法があればいいのですが… |
はじめまして。
昆虫の同定資料の収集をしている者です。 双翅目昆虫の同定に役立つ図鑑・資料等を紹介していただけないでしょうか。 当方、現在のところ、環動昆の「絵解きで調べる昆虫」、動薬研究の「アブの分類、生態とその対策」、北隆館の「昆虫の検索」程度しか資料がありません。 この他に双翅目昆虫の同定に使える文献があれば教えて頂きたいです。 双翅目初心者ですので基本的な文献から紹介いただけるとありがたいです。 よろしくお願いいたします。
フォトナ様.
双翅目についてはまとまった書籍がないので,分類群毎に非常に多数の文献となります. 下記の報文等を参考にして下さい. 中山恒友. 2015. 双翅目同定のための文献集 その1 インセクト( とちぎ昆虫愛好会) 66(2)141-148. 中山恒友. 2016. 双翅目同定のための文献集 その2 インセクト( とちぎ昆虫愛好会) 67(2)140-146. 玉木長寿. 1999. 埼玉県昆虫誌II. 埼玉昆虫談話会. 茨城@市毛 様 丁寧な説明、ありがとうございます。 参考にさせて頂きます。
北隆館の新訂原色昆虫大図鑑IIIの双翅目の総論では双翅目の成虫の形態とその用語,科の検索表,おおよその分類体系が示されています.日本語のものとしては,かなり詳しいはずです.
各科については,原色図が旧版のコピーのものが多くて,不鮮明です.アミカ科,オドリバエ科,ノミバエ科などいくつかの科は新しく撮影された画像があり,また種の検索表が付いているものもあります. ハナアブ科については,誤りなどの指摘が本掲示板に折々示されているので参考になるでしょう. これとは別にオドリバエ科(狭義の)の属の図解検索表も発表されています. |
ryoi様
また、この季節がやってきたと言う感じです。11月中下旬から12月中下旬にかけて、年一回の発生です。幼虫は真っ赤な色をしています。釣りの餌としても利用されることも多い、アカムシユスリカの雌成虫です。学名はPropsilocerus akamusi(Tokunaga, 1938)。エリユスリカ亜科に属するユスリカで、この亜科では珍しく体液中にヘモグロビン様の色素をもちます。湖沼、ため池で発生します。一時期、霞ヶ浦や琵琶湖で大量に発生し、迷惑外注としても問題になっていました。泥底質下に生息し、夏季は泥の中に深く潜って、夏眠しています。この種は(中国、シベリアにも近縁種がいます)、一応エリユスリカ亜科に位置づけられていますが、系統的には結構離れた一群だと思っています。実際、オーストラリアの研究者がDNAに基づいて解析した結果もこの考えを支持しているようです。
eriyusurika様、丁寧なご返答をいただき感謝感激です。
年1回たった1ヶ月の発生なんですね。 ありがとうございました。 |
先の関東同定会で,Cylindromyiaヒョウタンハリバエ属の不明種について尋ねられましたが,誰に聞かれたのかメモするのを忘れてました.
日本産6種については,下記の文献に検索表が出ています. Sun, X., S. Marshall. 1995. Two new species of Cylindromyia Meigen (Diptera, Tachinidae), with a review of the eastern Palaearctic species of the genus. Studio Dipt. 2(2):189-202.
市毛 様
文献情報ありがとうございます.同定会でお尋ねしたのは自分ではありませんが,翌日の横沢入の採集でもCylindromyia は複数種採れており,調べてみようと思います.地元の標本もありますので,北海道大学附属図書館に複写依頼を出しました. |
- Joyful Note -
- Antispam Version -