今日、千葉県習志野市秋津公園にてホホグロオビキンバエの雄を採集しました。翅の後縁が多少擦り切れているので、成虫越冬した個体かもしれません。ホホグロオビキンバエの越冬北限は、まだよくわかっていないのではないかと思うのですが、皆さんはどの地域でいつごろからホホグロオビキンバエを採集しておられますでしょうか。
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和田様。
幼虫に関しては知識不足のため適したコメントが思い浮かびませんが、体の後部に短い呼吸管が見えますので、ハナアブの幼虫と思われます。 アブラムシ食のハナアブの幼虫は、属が違っても外見は類似しているため、かなり難しいようです。 日本では断片的な報告しかないので、種類までわかっている幼虫はごく一部です。
市毛様、コメントありがとうございます。やはり幼虫ではわからないですよね。前回もうまく飼育できたので羽化したら報告したいと思います。
和田様。
オオヒメヒラタアブ?の幼虫でしたか! アブラムシ食のハナアブの幼虫は属が違っても良く似てますね。 小笠原熱が再燃して、小笠原自然年代記やフィールドガイド小笠原の自然などを衝動買いしてしまいました(^_^;)
市毛様、やはりオオヒメヒラタアブ?ですか、このついていた植物オオハマボウからはツマグロコソボソハナアブも羽化させているので、幼虫がつきやすい(アブラムシが多い)かもしれません。自分も自然年代記を読んで小笠原のジミな良さにひかれたので、あの本はたくさんの人に読んでもらいたいと思います。(アブは6個体まで捕獲したのでもう少しお待ちください)
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和田さん>早速の撮影ありがとうございます。
どうやら腹部先端が細く延びてるところから♀なのではないかと思われます。しかし、この画像からは、前のではよくわからなかった翅も一部に不明瞭な紋があること、前脚と後脚のふ節が白くなっていることがわかりますね。 すぐにはわからないかもしれませんが、私も情報を集めてみますね〜〜〜。 |
和田 さん>これはマルズヤセバエ科 (Micropezidae)のハエだと思います。(一方向だけの画像だと属の絞込みも難しいです。)(側面の画像があるといいのですが・・) 記載に関する情報が手元に無いので、詳しい事はいえないのですが、下記の2種が小笠原で見られる可能性があります。 Rainieria boninensis (Hennig, 1935) ogasawara Mimegralla albimana galbula (Osten Saken, 1882) OkinawaHonto Is.,Japan;Taiwan,Philippines,Micronesia この科の情報は極めて少なく、ネットで調べても、国内産種の文献情報はほとんどありません。(カリフォルニア産のについてはあるのですが、上記の属は分布していないようです。)
画像を拡大してみたら前脚が白いようなので、Rainieriaかもしれませんね・・・(ちょっと自信ないですが・・)
ハエ男さんありがとうございます。実物もよくみると脚が白いのでRainieriaでよさそうですね。側面の画像も撮れ次第投稿します。
本土には同属のマエジロアシナガヤセバエというのがいるのですが、これはこれまでのところ小笠原からの記録は無いようです。
出来れば採集して、♂の交尾器の画像が撮影出来ればすごく同定の際に重要な画像になると思います。(本土のマエジロとどう違うのか見て見たいですし・・・) |
本日3/10より国立情報学研究所の論文情報ナビゲータ
http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiTop# から「衛生動物」のPDFがフリーでダウンロードできるようになりました。 Dipteraの重要文献満載ですので大変ありがたいことです。 中には写真が真っ黒につぶれているのもありますが・・・。 |
こんにちは
この週末はかなり暖かで、雪国でも虫たちが動いていました。 やっと、撮影できたので画像をアップします。 クモガタガガンボですよね。 目録には3種掲載されていますが、どれに該当するのか分かりません。調べ方も判りません。標本(まだ生きています)を♂♀各1個体採集したので、見方をご教授願えたら幸いです。 撮影地、採集地ともに山形県小国町で、2006/1/13撮影です。
クモガタガガンボ かっこいいですね。
一度実物を見てみたいです! 日本産は3種となっていますが、実際はもっと増えるのでは? 1. Chionea (Chionea) crassipes crassipes Boheman, 1846 (=C. gracilistyla Alex.) 原記載持っていなかった(^_^;) 笹川1986によれば、触角9-10節 基産地 本州 2. Chionea (Chionea) kanenoi Sasakawa, 1986 黄-黄褐色 ♂♀共に触角11節 体長: 3-5mm 基産地 京都(南山城村Dosenbo alt.460m, 深泥ヶ池 alt.60m,)平地から低山地に生息。Pitfall trapで採集。 福井みどりのデータバンクに書かれているのも本種か? 3. Chionea (Chionea) nipponica Alexander, 1932 ♂触角9-10節 ♀触角10節 体長: 5.5-6mm 基産地 富山県Mt. Tsurugi alt.8775ft., 新潟県Seki alt. 2925ft. 高山帯に生息。 おそらく、Chionea kanenoiかその近縁種となるのではないでしょうか?
追伸。
京都の平地で、ピットホール(紙コップの落とし穴)で採れているという事は、全国に分布しているのでしょうか? 茨城でも、ひょっとすると採れるのでは? タイプ標本の採集データは12月-2月。
昨年、私も物を見ましたが、なかなか同定はしんどそうです。
北海道のIさんがクモガタガガンボをやられてるんですが、そのやり取りの中で、道内に複数種が存在すること、nipponica, gracilistyla, kanenoiは互いに近縁で、これらは全てヨーロッパ産のcrassipesと雄交尾器がよく似ていることを確認されてるそうですが、問題は本州産のもので、交尾器を詳細に比較すると近縁な複数種が含まれる可能性があるそうなので、本州産の標本の提供してくれる方を探しています。 昨年、南アルプス産、中央アルプス産、乗鞍産のを見ましたが、南ア産と中ア産のはどうやら同種っぽくて、乗鞍のは別種であるように思えました。 福井には未記載がいるみたいです。 ということなので、現状では触覚の節数だけで当たりをつけるのは危険で、♂交尾器を見る必要がありますが・・・私には見てもよくわかりませんでした。あと、交尾器を拡げるのが結構おっかなびっくりなんですよね・・・ 一応、標本の保管はエタノール液浸が良いようです。
ハエ男さんこんばんは。こちら青森でもクモガタガガンボが出ています。2005年11月の写真ですがアップします。ここら辺は北に位置しますから平地でも居ます。1993年12月16日採集のものですがエタノール液浸標本が11個体あります。恐山の宇曽利湖周辺で採集したものですが、よろしかったらIさんにお送りしましょうか。お知らせ下さい。
おーやぎさん>ありがとうございます。
Iさんが今、こちら(日本)にいるかどうか、確認しますね・・ どっかに行ってて、受け取れないと困りますし・・
茨城@市毛様、ハエ男様、おーやぎ様、こんにちは。情報をありがとうございます。ハエ男様には文献のファイルも送っていただき、大変ありがたく読ませていただきました。重ねて御礼申し上げます。
今朝、冷蔵庫に保管していた標本を見ると、♂は昇天しておりました。さっそく頂いた文献(日本の生物・・なつかしい・・に掲載された笹川先生の「積雪上に見られるガガンボとユスリカ」)と照合してみました。交尾器は、把握器の形状、外葉の形状、把握器や尾節の剛毛の状況がkanenoiに一致しました。 文献の生態情報とは整合性が今ひとつですが、採集地はブナクラス域二次林のオクチョウジザクラ―コナラ群集の優占する地域であり、kanenoiはコナラなどの雑木林に広く分布する種であることが示唆されます。 撮影しようとしたら付節が・・・グッスン 来月も小国へ行きます。また採れたらいいなあ。
kaninoiと一致ですか・・・クモガタガガンボ類をきちんと同定して、画像を公開してる人はほとんどいないので、そりゃ〜本邦初のネット公開の画像じゃないでしょうか・・・
京都あたりと山形では当然相当する標高や植生も異なると思いますが、コナラなどの雑木林に広く分布する可能性があるとすると、この時期に雪がない地方でも、ピットフォールトラップをかけると入る可能性があるかもしれませんね。 だれか、やって見る人いないかなあ・・・ ゲニの画像はないっすか?
ゲニの画像は撮影しておりませんでした。もっとも、撮影したくても実態顕微鏡の像を撮影するすべがないので・・今後の課題です。ハエ男さんのupされる画像には、周囲が丸くけられた拡大写真がありますが、これらはデジ顕(鳥屋さんたちのデジスコ:フィールドスコープのアイピースにデジカメを当てて撮影する)したものですか?
標本はエタノールに浸かっておりますので、次回挑戦してみます。 kanenoiと同定される根拠としては、体の色調とプロポーションもあります。色調は、厳寒期の標本でもNo.2089の♀、No.2095の♂共に淡褐色です。おーやぎさんのNo.2093は11月の撮影でも黒味が強く、別種の印象ですね。 プロポーションですが、No.2095の個体は腹部が著しく縮んでおり、まるで胸部にすぐ尾節がついているようですが、ここ以外は前出の笹川文献に示されている全形図とよく一致しています。 ♀の産卵管もkanenoiの図にそっくりです。おーやぎさんのNo.2093とは、やはり異なる印象を受けます。 山形にはkanenoiがいて、青森には別種(nipponicaっぽくないですか?)がいることが浮き出てきましたね。なんだか面白くなってきました。実は、今週末八甲田山にスキーに行きますので、探してみるつもりです。
顕微鏡下の画像は、実はニコンのクールピクスやカシオのベストショットという首が回るタイプのデジカメのレンズを、双眼実体顕微鏡のアイピースに当てて無理やり撮影してます。
燃え上がれ!燃え上がれ!燃え上がれクモガタ〜〜〜(なぜかでてくるガンダムの歌もどき) 冬でも追いかけられる虫って、オフシーズンの暇つぶしとしても結構おいしいかもしれませんね・・
♀は交尾したあとどこに行くんでしょうね・・・
おーやぎさんこんばんは。
いいですね、交尾のシーンは見たいと思っていました。 やっぱり、青森のクモガタガガンボですか? 今度のは、脚の長さや色彩からkanenoiぽいですね。 青森には複数種いるってことなんですね。
pakenyaさん、こんばんは。2140、2141のは青森県下北郡佐井村のものです。2006.1.28に採集しました。遅ればせながら報告します。
クモガタガガンボ、私も見つけました。松本市街近郊の山林ではクモガタガガンボはさほど珍しくないのですが、年明け以降は極端に見かけることが少なくなります。また、ここでは明らかに体サイズに2タイプ存在しています。この個体は小さいタイプ(体長3〜4o)です。
私は最近野ネズミの観察をしており、ネズミがよく通り道にする岩陰の前にしゃがんでじっと待っていたところ、のこのこ現れました。 森床にはまばらに雪が積もっている程度で岩陰には雪はなく、雪上以外の場所で見たのはこれが初めてです。 この日見かけたのはこの一匹で、採集した(06.2.05)のですが、翌日同じ場所にもう一匹いました。
雪の上じゃないクモガタガガンボの生態画像ははじめて見ました。
虫たちがいて僕がいた -昆虫と甲殻類の行動学-(中嶋康裕・沼田英治編,海游舎 )の中で、近縁種の幼虫は野ネズミの巣内でゴミのようなものを食べて育つことがでは知られていることからクモガタガガンボも同様の生活史を持っているのではないかということが書かれてるんですが、野ネズミの通り道・・(穴の近くなのだろうと思う)で見られたということはこれを裏付ける可能性があるわけで、今後も注意深く見ていって欲しいと思います。
古田様。
今度の談話会総会のミニ講演で、このネズミと同居するクモガタガガンボの生態画像付きのネタは如何ですか? マニアックですが、双翅目談話会ですからうけると思います。
これが完全にネズミの巣穴の中から見つかったのだと大発見間違いなしなんですが、入り口付近という微妙な場所らしいので、あと一歩踏み込んだ結果が欲しいところです。
この画像を撮影したのは新入会員の蠱沫君(松本市在住)なので、彼にその話しをしてもらいたいです。
昆虫写真家の新開孝さんが、四国のクモガタガガンボを撮影されています。新開さんのサイトは以下の通り。
http://www.shinkai.info/contents/walking/index.html 「昆虫ある記」2006年1月22日に写真がアップされています。
情報ありがとうございます。
四国のは本州のと同種なのだろうか? 大変気になるところです。
蠱沫です。
松本のネズミの通り道ですが、その後観察を続けているものの クモガタガガンボの姿はありません。この近辺では年明けの1月 半ばを過ぎるともう雪上にクモガタガガンボが見られなくなるので、 私が見たのがもうギリギリ最後の奴らだったのかも知れません。今年の12月辺りにもう一度重点的に観察しようと思ってます。また、頑張ってネズミの巣自体も探そうと考えております。 3月の総会、出たかったのですが、ちょうど同じ時期に学会があって 今回は行けなそうです・・ |
茨城@市毛様
ハエ男様 早速の御返事ありがとうございます。 > ヒロズキンバエですと、一年中釣具屋で「サシ」という名前> で釣り餌として販売されています。 実は昨年そのような情報を仕入れてサシを羽化させたのですが、全て(10匹程度)ヒツジキンバエでした。(この時は東京医科歯科大学の篠永先生と国立感染症研究所の倉橋先生に鑑定をしてもらいました。) > 普通のキンバエ類は幼虫でも、咽頭骨格を見れば同定は可能> です。(もちろんその1頭は殺さないと無理ですけど・・) それは知りませんでした。これからハエの鑑別に関しても勉強していくつもりですが、また御指導お願いします。 > 関西だと、ヒロズキンバエも結構普通にいる種なので、温か> くなればその辺で採集できるとは思います そのようですね。ただし早く飼育を開始したいので4〜5月になってからでは少し遅すぎるのです。それがこのBBSに情報を求めた理由なのですが。 > これをどうやって無菌化するかはわかりません 無菌化の技術はアメリカで習得して来たので大丈夫です。(非常に単純な方法なのですが。) やはり今ヒロズキンバエを手に入れたいとなるとサシを羽化させていくことが一番の方法のようですね。ただし昨年は全てハズレだったこともあり、今回は本腰を入れてかなり大量に羽化させることが必要かなと思っています。時間と場所の関係上自宅(アパートの一室)でこの作業をしてみたいと思っているのですが、温度管理のためにやはり温室購入が必要でしょうか?ネット上で4万円の温室セット(http://www.rakuten.co.jp/topcreate/643210/644779/) を見つけてきたのですが、どなたか自宅でハエを飼育されている方はいらっしゃいますか?皆さんどのような方法をとっているのでしょうか?
知り合いの製薬会社にたずねましたら、飼育してるのはイエバエのみでヒロズキンバエは飼育していないとの事でした。
なかなかハエの飼育を自宅でやってる方はいないと思います。
実験で使ってる方は大学や研究所で恒温機を入れていると思います。 あと、温度を上げるのは簡単ですが、真夏の温度を下げて生産調整するときのことも考えた方が良いかもしれませんね。 |
皆様、はじめまして。
滋賀県の湖北総合病院耳鼻咽喉科の高瀬と申します。この度古田さんに許可を頂きこのBBSに参加させて頂くことになりました。 既に御存知の方もいらっしゃると思いますが、最近注目されてきた治療法の1つにウジ治療(Maggot Debridement Therapy :MDT) という難治性の創傷に対する治療法があります。既に岡山大学心臓血管外科の三井先生が医療用ウジの供給会社を立ち上げていますが、私もこの治療法に興味を持っています。今ヒロズキンバエを飼育したいと思っているのですがもちろんこの時期野外で捕獲することはできず、もしどなたかヒロズキンバエを飼育している方がいらっしゃったら分けて頂きたいと思っているのですがいかがでしょうか?
高瀬様、初めまして。
ヒロズキンバエですと、一年中釣具屋で「サシ」という名前で釣り餌として販売されています。 ただし、ヒツジキンバエの場合もあるようですので、成虫を羽化させて、古田さんに区別点を聞いて種名を確定した後、無菌飼育すると良いかもしれません。 http://www9.wind.ne.jp/matu-ko/turiesa/turiesa.htm 下記のHPには、関西ではヒロズキンバエの幼虫が主体と書かれています。 http://www.afftis.or.jp/QandA/box/mon/mon482.htm
ハエ男@古田です。
普通のキンバエ類は幼虫でも、咽頭骨格を見れば同定は可能です。(もちろんその1頭は殺さないと無理ですけど・・) 関西だと、ヒロズキンバエも結構普通にいる種なので、温かくなればその辺で採集できるとは思います・・が・・これをどうやって無菌化するかはわかりません・・・ |
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