う〜ん・・・お尻のふくらみ具合とifとofがちょっとしょぼい気がして迷うのですが、角度のせいでしょうか?。後胸前側板に細毛があるならトウキョウキンバエなのでしょう。
過去に、この掲示板にトウキョウキンバエの標本写真を投稿していますので、ワード検索で探してお手元の標本と見比べてみて下さい。
猫又様
コメントありがとうございます。 過去の画像と比べてみました。 お尻の膨らみは、実はよく似ています。 載せた写真では、撮影の際に虫ピンで押さえつけているため、へこんだ状態になってしまいました。 ifとofは、確かに過去の投稿写真のものは立派で、この個体は小さい気がします。 個体差の範囲でしょうか? 猫又様のご指摘で、どんなところを写せば、同定根拠となるのか、大変参考になりました。 ありがとうございました。 |
ニクバエ科のようですが、よくわかりません。
交尾器を出そうとしたのですが、腹節が半分ちぎれて、うまく出てくれず、撮影できませんでした。 さすがに、この写真での同定は無理でしょうか? 岡山平野の河川敷で7月に採集したものです。
斉藤@岡山様.
恐らく,写真のニクバエはMiltogramminae亜科というグループの1種だと思います.このグループのニクバエは,Sarcophaginae亜科に比べ交尾器が小さいので取扱に注意する必要があります. http://furumusi.aez.jp/wiki.cgi?Sarcophagidae019
市毛様
ご教示ありがとうございました! サンプルはまだ冷凍したままにしているので、頑張って小さな交尾器を出してみようと思います。
斉藤@岡山様.
inner forcepsの形状がわかりらないのと,一部交尾器が破損しているのようですが,とりあえずハチノスヤヤドリニクバエに一票.
すいません、また横からおじゃまします。
これは、アナバチヤドリニクバエ Protomiltogramma fasciata だと思います。 以前採集したアナバチヤドリニクバエの標本の写真をハードディスクのすみっこから発掘して、ようやく見当が付きました。ああ、記憶力が衰えている〜〜 ということで、参考として画像を貼っておきます。新潟市2009年7月23日採集です。ゲニを開くときにcercusの先端を折ってしまったので、不完全体です。ごめんなさい(汗)。 それで、No.7398の画像を見ると、豪快に壊れているようですが、右に出ている細い部分がcercus(if)で、下に広がっているのがsurstylus(paralobeもしくはof)ではないかと。ハエ男さんのおっしゃるところの「くの字状に曲がった陰茎先端より細い陰茎突起が変わった方向に伸びている」部分は見当たらないので、そこはまだ腹部に残っているのではないかと思います。それが確認できればいいのですが。 あと、アナバチヤドリニクバエはKurahashi(1970)に Pterella fasciata fasciata アナバチヤドリバエの名前で載ってます。検索表で特徴が合っているかどうか確かめてみるとよいでしょう。 ゲニ図はfig.17(paralobiとcerciの側面図)のみです。 下記でダウンロードできます。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003499824
猫又様,フォローありがとうございます.
一度乾燥させた標本や,冷凍標本から交尾器を抜く場合,腹部ごとカリで煮てから解剖するのが一番安全ですね. 交尾器が体液で腹板に固着している場合が結構あるので,湯煎して軟化しただけで無理やり交尾器を抜くと変形したり,一部が欠損したりするので,絵合わせが困難になりがちです. 余談ですが,昨年末から部屋の模様替えをしているもので,大半の文献が自宅にないので回答も大変な状態です. (11月に特注の標本ダンスを3箱追加購入して,500箱強のインロー箱を収納できるような体制にしました.その代り,文献を置く場所が減ってしまい,どのように収納すべきか悩んでいます.特に,現在ではB5版サイズの本棚が全く売っていないので,無駄なスペースが多くて,今までのようには収容できず困っています.) 今後も,フォロー宜しくお願いします.
皆さま おはようございます.さんごです.
せんえつながら私もアナバチヤドリニクバエに1票入れさせていただきます. parafrontaliaなどの毛の生え方もよく似ているように思います. 頭部の写真でfronsやparafrontaliaの色がすこし気になりますが,見る角度にもよりますので・・・ なお,HK博士はP. fasciataは大陸産の別種で,本邦産アナバチヤドリニクバエはP. stackelbergiであると言われていました.
猫又様,さんご様.
確かに「旧北区の昆虫の検索」でVerves & Khrokaloは,日本に分布しているのはP. stackelbergiと記していますね. 原文 1. Кр. ♂ без затемнения в ср. части. Лоб ♀ в серебристо-белом налете .................. 2 - Кр. ♂ в ср. части затемнены (рис. 42,1). Генит. - рис. 42, 2. Лоб ♀ в золотисто-желтом налете. 5.0-8.5. Лич. в гнездах сфекоидных oc Liris japonica, Sphex argentatus fumosus, S. flammithri¬chus. Песчаные пойменные участки. Июль - август. - Ю Хаб., Амур. - Япония (острова Хон¬сю, Кюсю, Сикоку, Исигаки); Ориентальная обл. (Тайвань) .......... Р. stackelbergi Rohd. 2. Терг. бр. со сплошной заднекрайней темной полоской. Генит. - рис. 43, 1. 4.0-10.0. Лич. в гнездах сфекоидных oc (Bembix, Philanthus, Stizus). Имаго на цв. и пади тлей. Песчаные участки пойм и опушек лесов, обочины дорог. Сер. июля - кон. августа. - Ю Прим.; Чит., Бур., Алтай, европ. ч. России. - Монголия, С Китай, Каз., Ср. Азия, Закавказье, Ближний и Ср. Восток, Ю и Ср. Европа, Канарские о-ва, С Африка .................... Р. fasciata Mg. - Терг. бр. с разделенными участками светлого налета вытянутым мед. пятном и лат. полосками. Генит. - рис. 43, 2. 6.0-10.0. - Псаммофильный ксерофильный вид. - Чит., Бур.; ЮВ европ. ч. России. - Монголия, С Китай, Каз., Ср. Азия, Армения .............. Р. jaxartiana Rohd. 直訳文 1. ♂の翅の中央部に暗色斑を欠く.♀の額は銀白色の微毛を装う.・・・・・・2 - ♂の翅の中央部に暗色斑を備える(図42.1).交尾器は図42.2.♀の額は金黄色の微毛を装う.5.0-8.5mm.幼虫は,ジガバチ?の巣 Liris japonica, Sphex argentatus fumosus, S. flammithrichus. 砂の平地.7-8月.南ハバロフスク,アムール地方,日本(本州,九州,四国,石垣島);東洋区(台湾)・・・・・・・・・Р. stackelbergi Rohd. 2. 腹部背板後縁に連続的な暗色斑を備える.交尾器は図43.1.4.0-10.0.幼虫はジガバチ?の巣 (Bembix, Philanthus, Stizus).成虫は,花や腐った蜜. 湿地牧草地の砂地や林縁,道端で見られる.7月中旬-8月末.南沿海州,チタ地方,ブリヤート自治共和国,アルタイ,ヨーロッパ部ロシア.-モンゴル,中国北部,カザフスタン,中央アジア,トランスコーカサス,---南及び中央ヨーロッパ,カナリー諸島,北アフリカ・・・・・・・P. fasciata Mg. - 腹部背板に分割された明るい微毛による長い中央斑紋と側部斑紋を備える.交尾器は図43.2.以下省略. 確かに,ヨーロッパのP. fasciataの写真を見ると,翅は全体的に透明ですね.
皆様
派手に破壊してしまった腹部から、陰茎突起ではないかと思われる破片を回収しました。 これがその部位だとすれば、猫又様の標本写真、市毛様が示していただいたP. stackelbergiの図とよく似ています。 猫又様に教えて頂いたKurahashi(1970)の検索でも、アナバチヤドリニクバエに落ちました。 結論として、この個体は アナバチヤドリニクバエ Protomiltogramma stackelbergi (Rohdendorf, 1935) ということですね。 皆様、色々とご教示いただき、ありがとうございました
> さんごさま、市毛さま
あらま〜、日本産はP. fasciata じゃないんですね。 貴重な情報ありがとうございます。 確かに、翅の色も、陰茎の形状も、stackelbergiの方に一致してますね。 納得です。 > 斉藤@岡山さま 種まで判明してよかったですね。 ゲニが起こしにくい時は、市毛さんのおっしゃるように、腹部を外して処理した方がよいと思います。私は薬品をそろえるのが面倒でアルカリ処理はしていませんが、腹部の根元からはずす、あるいは第5節から先を切り、水やエタノールで1〜2日くらいかけて軟化し、節間の膜質部からそーっと切り開いてみています。ゲニを起こせない原因に、汚れなどもありますが、筋肉が硬直していることもありますので、薬品処理をした方がより簡単に解剖できるのは間違いありません。 |
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