ゆたか様.
写真のハエは,ヤドリバエ科のダイミョウヒラタハナバエ Phasia hemipteraです.
茨城@市毛さま
ダイミョウヒラタハナバエ、ありがとうございます! 大きかったので初めアブかと思ってしまいました。 |
HM様.
写真のガガンボは,コシボソガガンボの一種です. オビコシボソガガガンボ Ptychoptera japonicaや,その近縁種の♀と思われます.
茨城@市毛様
ご教示、ありがとうございます。 たいへん勉強になりました。 御殿場ではあまり見かけない種のように思います。 今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。HM |
4月になってから,CiNii経由で見られない論文が増えました.
原因を調べてみると,PDFを保管していたNii国立情報学研究所が電子図書館(NII-ELS)を終了したため,リンクが切れているようです. http://www.nii.ac.jp/nels_soc/about/ 保管されていたデータはどうなったのでしょうか? 日本昆虫学会の旧シリーズは全滅の模様です. 困ったものです.
ITmedia ビジネスオンラインでも,この問題が解説されています.
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170405-00000055-zdn_mkt-bus_all 以降の話があったとのことですが,利用者側には全く説明がなかったと思います. |
石川県の海浜で打ち上げられた海藻の上から大量のFucellia属に混じって正体不明のハエを見つけ、
撮影捕獲し、後に調べてみた所、下記のサイトでケブカハマバエ科の一種ではないかということが分かりました。 http://delta-intkey.com/britin/dip/www/dryomyzi.htm とはいってもかなりアバウトにですが・・・。
しかしながらいまいち自信が持てないことと、どのような種であるかわからなかったもので
石川県ふれあい昆虫館でお伺いした所、こちらのスレッドを紹介させて頂きました。 http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=8533 おそらく上記のスレッドで追跡されていたキンパツナギサバエとされる個体ではないかと思われます。 ご確認お願いします。
himajin様.
ご推測通りNo.8533で紹介されているケブカハマバエと同じ種類のようです. ケブカハマバエやキンパツナギサバエは外見的には見分けがつかないようで,交尾器等を調べる必要がありそうです. それにしても,随分と発生時期が早いのですね.
Himajinさん。
お問い合わせのハエは市毛さんが指摘されているように、私が日本昆虫学会やこのサイトで紹介したケブカハマバエです。本種は、以前に新潟の故馬場金太郎博士が採集された標本で私が上記のように紹介したものです。現地での採集をお願いしてあるのですが、その後の材料が得られていません。岡留さん(倉橋さんの採集)の記録も含めて、どうやら本州の日本海側に生息しているようです。 現在世界各地の本科の標本を集積して研究をしています。もし、御地で追加標本の採集が可能でしたら、ご恵贈いただければ幸いです。上記研究に用いさせていただきたいと思います。
茨城@市毛様
2月中旬にもこのハエなのかはわかりませんが同じ大きさのハエを目撃しているので 発生時期は1969年に捕獲された日にちよりもさらに早いと思われます。 非常にゴミが散乱した海岸で、個体数も恐らく少ないのではないかと周囲を見渡して思いました。 しかしこの時期に発生しているハエの中では明らかに大きなハエなのでいるとすぐわかります。 三枝豊平様 私が所持していても宝の持ち腐れなのでこちらの標本はとりあえず差し上げます。 追加個体が得られるかどうかはわかりませんが、採集できた場合でも差し上げたいと思います。 Eメールを公開しますのでそちらに配送先などをお知らせしていただければ ありあわせではありますが標本が痛まないような包装ができていますので発送できます。 ただ、こうした作業は初めてなもので多少もたつくかもしれませんがよろしくお願いします。
himajin 様
茨木@市毛 様 三枝豊平 様 横から失礼します. 2年前に島根県浜田市の海浜でこれとよく似たハエを採集していました.顔つきなどが似ていますが,これの♀でしょうか. 採集日時:2015年2月23日 採集場所:島根県浜田市
さんご様
確かにケブカハマバエ科に似ていますね! 島根県に、しかも同じ時期に採集されているとは・・・!すごい!
himajinさま
どうもです. 採った後,正体がまったくわからなかったのでそのまま標本箱で眠らせていたのですが,見れば見るほど似ているので,何かうれしくなって投稿しました.感謝感謝です. 脚や腹部の毛深さの違いが雌雄の差なのか種が違うのか,私のは♀なので比較ができないですね. 時期が少し遅いかもしれませんが♂を探しに行ってみます.
サンゴ様, 皆さん:
採集された個体は確かにケブカハマバエの雌ですね。雌の標本は貴重です。 皆さんの貴重な情報で、本種はどうやら日本海沿岸に広く分布していて、早春から晩春にかけて発生することもわかり、大変参考になりました。新潟のも4月7日。北米やヨーロッパでも晩春か晩秋です。アメリカワシントン州の海岸で7月に採集を試みたのですが、アシナガバエ科のParaphrosylusだけでした。浜田で採れているのですから福岡でも取れそうな気がしてきました。 雌の標本は貴重です。私のところで預かっているのは、倉橋さんが1971年3月24日に金沢で採集された感染症研究所から借りている1雌だけです。雄に比べて腹部や脚には全く長毛を生じていません。この傾向は北米やヨーロッパの種でも同様です。 私事ですが昨年はまったく双翅類の研究をする時間がとれませんでした。今年こそはと思っていますので、本科の標本や情報についてご協力を宜しくお願いします。
Himajin様
標本をご支援くださるとのこと、有難うございます。Eメールを公開されるとのこと、宜しくお願いします。
三枝豊平 様
himajin 様 お世話になっております. そういうハエだったのですね.大きくて印象的なハエで,ずっと気になっていました.正体がわかって,とてもうれしいです.どうもありがとうございました. 何かお役に立てることがありましたら,よろこんでさせていただきます. 今後ともご指導ご教示のほど,よろしくお願い致します.
三枝豊平様
すみません、こちらがメールアドレスになります。 都合により削除しました。 標本の状態に関しては触角が一部欠損しているのと、 背部側面の一方(標本写真の見えない方)の剛毛が欠けている可能性があること、 背部腹面に問題があること以外は殆ど形状は保たれていると思います。 追加の個体に関しては、実はあれから海岸を散策して2回ほど遭遇しているのですが、 個体数が少ない為に捕獲して良いのかどうか悩んでおります。 ですので今後の発生状況を考慮した上で追加個体を採集するかどうか判断させていただきたいです。 それと捕獲したあと生態に関して色々と考察してみたのですが、 石川県の海岸では海が荒れやすく、少しでも天候が崩れると砂浜が海水で使ってしまうので、 無事に育生するためには海浜植物帯付近まで海藻が打ち上がらないといといけないのではないかと考えました。 恐らくそれが個体数の少なさの原因の一つではないかと思われます。 しかしながら今後どのような動態をとっていくのか分からないので継続して観察していきたいと思います。
himajin 様
三枝豊平 様 お世話になっております. 今日,浜田まで行ってきました.追加の採集に成功しました. himajin さんのピンポイントの生態情報のおかげで,19個体ほど採集することができました.誠にありがとうございました. 途中で切り上げて帰りましたが,まだまだいたので,今が発生のピークなのかもしれませんね. 半がわきの打ち上げ海藻の上や周りにいて,ちょうどハナバエ科と同じような行動をとっていましたが,一回りから二回り大きかったです.もっとも,個体変異があるようで,小さいものは7mmほどで,ハナバエの大きめの個体と紛らわしいものもいました. いるところにはいるようですので,当面は絶滅の心配はないかなと思います.もっとも,海浜の破壊が急速に進んでいるので将来的には絶滅危惧種になるかもしれませんね.石川よりも島根のほうが暖かいので,石川ではこれからピークになるのかもしれません. ♂もゲットできました.毛深さに変異があって,金髪の毛むくじゃらのものから,申訳け程度の毛のものもいました.小さい個体のほうが毛が短くまばらな感じです. ご指摘のとおり,♀のほうが少ないみたいです.ランダムに採集して16♂に対して3♀にとどまりました. 2時間ほど観察したのですが,♂が♀に飛び乗ろうとはするのですが♀が拒否し,結局交尾ペアは採集できませんでした. 浜田にこれだけいるということから,福岡にもいる可能性は非常に高いのではないでしょうか.
さんご様
19個体もですか・・・!? こっちは1匹見つければ嬉しさのあまり涙が出るレベルでいません・・・・。 温度的にも昨日今日と温かい方だったので多分それなりに発生してるのではと期待したんですが・・・・。 こっちは供給される海藻の量が少ないためなのか、 それとも海藻が砂に埋れやすいためなのかは分かりませんが 半乾きの海藻に遭遇すること事態が少ないのです。 やはり環境が良ければたくさんいるものなのですね・・・。無茶苦茶羨ましいです! >半がわきの打ち上げ海藻の上や周りにいて,ちょうどハナバエ科と同じような行動をとっていましたが,一回りから二回り大きかったです. まさにその通りで好ましい海藻であるならばそれに執着するかのように戻ってきますよね。 だからこのハエの好む状態の海藻が多くあれば多くあるほど採集するのは容易いのでしょうが、 好ましくない状態の海藻の上にいるものはすぐに何処かへ行ってしまいます・・・・。
himajin 様
どうもです. 2年前は,ただ目の前にとんできたものをとらえただけで,海のものとも山のものともわからないまま,あてもなく浜辺をさまよって,その1匹のみしかえられなかったのですが,今回はお教えいただいた情報をもとに,的をしぼって探したのがよかったようです. ちょうど浜辺の清掃が行われたあとで,海藻やごみも非常に少ない状態だったのですが,そのあとに打ち上げられた数少ない海藻の山に,こぞって集まってきたのかもしれません.そこいらじゅう海藻だらけだったら広い範囲の捜索が必要となり,ポイントが絞れず,集められなかったかもしれません. 同じ浜でもいるところといないところがあって,いるところには次々に集まってくる感じでした.おっしゃる通り好みの海藻の状態が決まっている可能性は十分考えられますね.好みが分かれば集中的に採集することができるようになるかもしれませんね.今回はたまたまそれにあたったのかもしれないです. 時期的にも当りだったのかもしれません.ゴヘイニクバエの例では,山口・島根は新潟より1か月ほど早く発生するようですので,石川県ではもうすこし後になるのかもしれません. ではまた.
さんご様
浜田でのケブカハマバエの生態など貴重な情報をお寄せ頂きまして、大変参考になりました。多数生息するようでしたら、幼生期の調査などできれば、と思っています。湿らせた海草を容器にいれて雌を放つ方法などで産卵等観察できれば、幼虫の飼育なども可能かと思います。浜辺でどのような幼生期の生態をしているか大変興味があります。 岩礁性のアシナガバエ科の多くの属やベッコウバエ科のOedoparena等の幼生期は比較的安定した岩礁での生態ですので、かなりわかっていますが、砂浜の双翅類の生態は、生息場所が不安定で、渚から内側の草本帯までかなり不安定な生息場所だけに、双翅類の幼生期がどのようになっているか、知りたいところです。 なお、御地で採集された標本をいくらかご恵贈いただければ、論文をまとめる際に研究させていただけると思います。宜しくお願いします。
三枝豊平 様
いつもお世話になっております. 幼虫期の生態,大変興味深いテーマですね.砂浜の環境はとても不安定なようですね.前日とすっかり様子が変わっているようなことはよく経験します. 山口県の貧弱な砂浜では,まったく採集できませんでしたので,島根県や石川県のような規模の大きい砂浜(+後浜?)が個体群の維持に必要なのかもしれません.「絶滅の心配はなさそう」と書きましたが,撤回させていただきます.逃げ場が必要であったり,ある群が全滅してもほかの群が生き残るなどのためには大きな砂浜が必要なのかもしれません. 標本のほうは喜んで提供させていただきます.自分用と大阪自然史博物館用に少しだけ残させていただいて,それ以外はすべてお送りさせていただきます.ラベル付けが終了し次第,郵送させていただきます. 今後とも,何とぞよろしくお願い申し上げます.
おーやぎ様
貴重なお写真をどうもありがとうございます. おおーっ これはーっ!!! かなり似てますね. しかし,日本海側のものと比べて,胸背部などの毛の生え方が尋常じゃないです.同じ科の別種でしょうか. 面白くなってきました!
私も参加させてください.本日,出雲市の砂丘海岸で撮影・確保しました.
ホンダワラ類の漂着が少なく,限られた場所でのみ少数個体が見られました.今週の水曜にまた海が荒れるようですので,新たな海藻の漂着に期待したいです. 少ないですが,三枝先生にお送りします.
おーやぎさん。お久しぶりです。写真で見る限りHelcomyzidaeだろうと思いますが、日本海側のに比べると明らかに頭部や胸部の毛が密生しています。宜しかったらこの標本を見せてください。また、現場に行けるようでしたら追加標本を採集してみてください。
これまでの記録ですと、北米西海岸、イギリスなどおヨーロッパ北部、地中海北岸とそれぞれの場所に1種です。
ハムシさん。出雲にもいましたか。himajinさんの投稿で続々と新しい産地やおーやぎさんのように別種らしいものも採れて、本掲示板や双翅類談話会の効果抜群ですね。素晴らしいことです。
ハムシさんからお送りいただける標本も論文に含めさせてください。このように皆さんが採集されていますと、論文の完成がのっぴきならない状態になりました。昨年は事情でほとんどハエの研究が出来なかったのですが、昆虫学会で発表した時に大よその調べはしてありますので、この春頑張って仕上げます。
三枝先生、今日も行ってみました。こちらは雪がまだあり、昨日と違い寒い一日でした。一匹、これとおぼしきものを見つけましたが写真をと思って近づく間に逃げられました。
20kmぐらい北へ移動し、漁網を積み上げたところで、今度は最初からネットで採集しました。定置網だと思いますが、海藻らしきものが絡みついた漁網を利用しているのかと思われました。標本をお送りします。よろしくお願いします。
おお知らぬ間に新情報が続々と!出雲に青森に・・・!
しかも青森産のは頭部背面や胸部背面が明らかに剛毛が発達しているのが凄い! 積み上げられた漁網に絡みついた海藻を利用しているというのもなんか渋いですね! 私もあれから観察を続け、ついに日曜日、発生のピークに遭遇することが出来ました。 最初は雀の涙ほどしかいなかったので、もし自分の行動で・・・とヒヤヒヤしていたのですが 1つの海藻に5個体ほど集まっている様子を見かけてホッと胸を撫で下ろしたのでした・・・。 本当によかった・・・。 今回採集した日本海産の個体のなかで一番剛毛が発達した個体を添付しておきます。 金髪剛毛が炎を身にまとっている様に見えるのが素晴らしいと思います!
それと少しボヤケてしまったのですが交尾写真でも掲載させて頂きます。
交尾は特に何らかの求愛ディスプレイが行われることはなく、 二匹が互いに海藻に引き寄せられて行われました。 しかしながらこのようにカップル成立となるのは運の良い連中だけです。 実際は交尾不成立がかなり多いのです。非常に厳しい世界でした。
hmajin様,皆様
興味深いお写真どうもありがとうございます. この金髪ふさふさの画像は衝撃的ですね. 少し前に話題になった人物を思い出したのは私だけではないはずです. こんなのが空を飛んでいると思うと,いじらしい感じがします.生態写真の表情もかわいらしいです.ますますこの虫が好きになりました. また何か情報がありましたらよろしくお願いします.
himajinさま、「漁網についた海藻らしきもの」を本日確認してきました。漁網会社の人によれば、ベニウミクダヒドラ、wikiによればベニクダウミヒドラというヒドロ虫の一種だそうでした。海藻ではなかったのです。
さんご様
確かに某国の大統領の髪に似てますね! この種の魅力は翅を振り上げた時にその間から見えるキンパツにあると思い何度か撮影しているのですがなかなかうまく行きません。 近い構図の写真は撮れたのですが、交尾写真よりもピンボケしてしまいトホホな出来となりました。 今後情報があるかどうかは分かりませんが何かありましたらまた投稿させて頂きます。 おーやぎ様 Lorenzo Munariの 『REMARKS ON HELCOMYZA MEDITERRANEA (LOEW, 1854) (DIPTERA, HELCOMYZIDAE)』という文献で 死肉食性だとか打ち上げられたクラゲを餌にするというような記述が書かれてたようなきがします。 英語版Wikipediaにも打ち上げられた有機物にも集まってくるとかかれていますね。 カメラで撮影するために砂浜で座っているとハネカクシやイソハナバエと一緒にこの種も集まってくるのが観察できました。
スレッドの皆様、おじゃまします。
皆様の書き込みを参考に、3/11-12に新潟市の海浜で探してみたところ、それらしきハエが見つかりました。 ここの浜は打ち上げられた海藻が溜まるような場所はなく、写真のようにホンダワラ類と思われる海藻の塊や切れ端がぽつりぽつりと落ちている状態でした。himajinさん、さんごさんが観察されたのと同様に、海藻にイソハナバエの仲間の♀が多数集まっている中に少数混ざっている状況でした。 11日は浜に出てじきに曇ってきてしまい、1♂しか採集できませんでしたが、12日は晴れて気温も上がり、10♂1♀採集できました。 体長はおおむね10mm前後で、12日に採集したうちの2♂は体がやや大きめでキンパツが目立つタイプ、残りはそれほど毛深くない感じでした。
Himajinさんの投稿から始まって、Helcomyzidaeのたくさんの情報が本掲示板に寄せられまして、これまでほとんど注目されることのなかったこの大型のハエについて生態も含めて多くの情報が集まり、喜ばしい限りです。
先ず、おーやぎさんの青森県で採集されたハエの標本を多数お送りいただきました。掲示板に出された個体の他に、現地で更に採集されて多数の標本をご恵送いただきました。 本種は当初投稿された画像で見る限り、Helcomyzidaeに大変外観が良く似ていましたが、お送りいただいた標本を調べてみましたら、翅の前縁脈に亜前縁脈が接する部分にはっきりした切れ目がありました。また鬚剛毛vibrissaを備えていました。その結果本種はトゲハネバエ科の1種と同定できました。まだ、属まで調査する時間がありませんので、月末頃に詳しく見てみます。しかし、北米や旧北区のマニュアルでは本科の幼虫が海浜に生息すると言うことは書いてありません。もちろんフジツボについくベッコウバエ科のOedoparenaとも異なります。 さんごさんからお送りいただいた雌を含む多数の浜田の個体についてみてみますと、大型の個体は腹部や胸部側板、脚などの毛が長く、先端部が金色になっています。一方小型の個体は雌と被毛状態が全く同じで性的な相違はありません。この傾向はオオキドフタトゲバエやヒメフンバエと同様の傾向と思います。 Himajinさんが採集されてお送りいただいた金沢の多数の雄個体は、いずれも浜田産の個体の最も大型のものとほぼ同じ大きさでした。そして、一部のやや小型個体を除いて、すべて毛深く、また毛の先が金色になっていました。最近のhimajinさんが投稿された金髪の素晴らしい個体も大変毛深いです。金沢では多くの個体がこのように大型なのでしょうか。 猫又さんが新潟で採集された個体を投稿されています。新潟は私が故馬場金太郎先生の採集されて古い標本で初めて本科であることを確認できた場所です。再び同地で採集できて、嬉しいことです。馬場先生の標本は必ずしも良好な状態ではありません。多数採集されましたら、一部を御恵与いただければ大変参考になります。 おーやぎさんの個体がトゲハネバエ科でしたので、まだ太平洋岸ではケブカハマバエは採集されていません。海岸での海草の堆積が少ないのかもしれませんが、どなたか海岸近くにお住いの方は機会があったら注意していただければと思います。 これだけ各地にいることがわかりましたので、是非幼虫などの飼育をされてみてはと、ご提案します。湿って、少々腐敗するような海草類を食べているのかと思います。 私のサイドとしましては、学会発表の物を基礎にして、今回お送りいただいた多くの材料をもとになるべく早い時期に論文にしたいと思っています。
おーやぎさん、とうとう太平洋岸で発見されましたね。今度は間違いなくケブカハマバエです。しかも大型で金髪が目立つ個体ですね。おそらく日本海側のと同種と思いますが、北米のH. mirabilisと新潟のものでも、交尾器などの差異はかなり微妙ですので、日本海側と太平洋側の個体についての形態的に見た種の識別は困難であろうかと思います。標本をお送りいただけるとのこと幸甚です。Mathisさんが、Helcomyzidaeが太平洋のアジア側(広い意味でして、日本海側も含まれます)に分布していないと書いていましたが、今回の発見で日本本土に限らず千島列島や琉球列島、更に大陸の沿岸などで発見されることが期待されます。
三枝豊平先生、皆様、青森県太平洋岸側のケブカハマバエの写真です。2017.03.20撮影。ホンダワラのやや乾いたところに居りました。風で砂が飛びます。自分の口を閉じていても、細かいのが口の中に入り、砂を噛みます。ケブカハマバエは風上に向かって定位しますが、顔にあたれば嫌なものでしょう。なぜ毛深いかは動画を撮ってみて、飛砂を和らげるクッションにある程度なっているのではと感じました。
|
通りすがり 様.
私自身は殆ど調査したことがないのですが,冬季のハナアブについては桂(2000, 厳冬期のハナアブ調査. はなあぶ 9:83-84)等の報告があります. 桂の報告によると,12月の大阪ではコマバムツボシヒタラアブが見られるそうです.また,2月中旬の和歌山県南部での調査では,クロヒラタアブやホソヒラタアブ,フタホシヒラタアブの新成虫も得られたとのことです.
茨城@市毛 様
情報とコメントありがとうございます。 クロヒラタアブやホソヒラタアブが2月中旬に羽化とは、流石に暖地と言う感じですね。 コマバムツボシヒラタアブは長野県南部で11月から12月初めにかけて山を下りるものを見ているのですが、その後の生態がよく分からなかったのと、千葉では初めて見たのでお伺いをたててみようかと思い、投稿してみた次第です。 都内で記録されているので、千葉で見られるのは不思議ではありませんが、意外と水平方向にも移動する様ですね。 |
連続投稿になりますが、何方からも暫く書き込みが無い様です。
これは先日(7月15日)に我が家の庭(東京都世田谷区西部)で撮りました。体長約1.7mmのハエですが、リッパに空中静止をしており、時々10cm位を瞬時に移動します。 腹端がやや筒状で、ミバエやハモグリバエなどに少し似ていますが、頭部の構造が違うようです。こんな小さなハエで空中静止をするのは一体何でしょうか。 刺毛が一番よく見える写真を添付しました。前から撮った写真もありますが、完全な後ピンで、背中刺毛と思しき刺毛が3対あるのが見えるだけでした。 小さ過ぎて検索も出来ませんが、空中静止をする小さなハエ、と言うことで分かる方には分かるのではないかと思い投稿いたしました。宜しく御教示下さい。 なお、先日こちらで正体の判明したシマバエ科の未記載種(Steganopsis sp.)をhttp://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/steganopsis_sp_2ca3.htmlに掲載致しました。御笑覧下さい。
間違っているかもしれませんが,おそらくショウジョウバエ科Drosophilidaeの1種でしょう.この科の専門家なら種まで同定できそうです.
ショウジョウバエ科のいくつかは,ホバリング飛翔が得意で,このような飛翔はクヌギなどの樹液に来ているショウジョウバエについて普通に観察できます.ホバリングから急に上下に小さく円形にクルクルまわるような器用な飛翔もおこないます. バナナバエ科(Cypselosomatidae)のFormicosepsisやLycosepsisの種もかなり器用なホバリングをします.Calyptrataeではヒメイエバエ属Fanniaをはじめヤドリバエ科のCarcelia属などホバリングの上手なハエがたくさんいます.
アノニモミイア様
御回答有難う御座います。 ショウジョウバエが空中静止するとは全く思いもよりませんでした。ショウジョウバエの頭部の形態や剛毛の生え方などを調べてみると、確かに写真のハエと基本的に同じです。下調べが不足していたと反省しております。 北隆館の圖鑑や北大の「日本産ショウジョウバエ」で調べてみましたが、該当する種類は見当たりませんでした。250種以上もあるのですから、まァ、当然でしょう。 しかし、ショウジョウバエの他に、ヒメイエバエ科やヤドリバエ科の中にも空中静止をする種類が居るとは、些か驚きです。ハエの世界は複雑奇怪であることを再確認した次第です。 ハエ類には大いに興味がありますので、今後とも宜敷御願いいたします。
気付いただけでもホバリング飛翔をするDipteraには以下のものがあります.一つは群飛内(オドリバエでは雌も),テリトリー内での雌待ちうけ飛翔,それに狭い生息空間での飛翔,訪花上での飛翔などが,ホバリングを起こさせているように思えます.御参考までに.
糸角亜目 Axymyiidae Axymyia japonica雄 Bibionidae Plecia雄 Simuliidae 各種雄 直縫短角類 Tabanidae 各種雄 Acroceridae 各種雄 Bombyliidae 各種 Asilidae 一部の雄のmating display Empididae Syneches(探餌飛翔), Hilara, Rhamphomyia(群飛,交尾飛翔など)などの一部 Dolichopodidae Diaphorusの一部の種(群飛中),Dolichopusなどいくつかの属の一部の雄(mating display) 環縫短角類 Opetiidae Opetia alticola雄 Phoridae Phoraの一部の種(雄の群飛中) Syrphidae 多数の属,種(縄張り,交尾,訪花その他の場合) Cypselosomatidae Lycosepsis, Formicosepsis (雌雄,一般飛翔) Lonchaeidae Lonchaeaの一部の雄. Milichiidae Milichiellaの雄 Drosophilidae 各属の雌雄,Paraleucophengaなど一部の雄(群飛内) Anthomyiidae, Muscidae, Fanniidae,Calliphoridae(Stomorrhinaなどの雄),Tachinidaeなどの一部の属(雄の群飛などの集団)
Anonymomyia様
追加情報有難う御座います。 空中静止する双翅目としては、ツリアブ科、オドリバエ科、ハナアブ科、多分イエバエ科のハエ、クロバエ科(ツマグロキンバエの雄)位しか知りませんでした。随分沢山あるので驚いております。 なお、この「空中静止をする微小なハエ」は、「ショウジョウバエの1種」として楽天のブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200807280000/に掲載いたしました。この追加情報も追記としてそのまま転載させていただきました。御笑覧下さい。
アーチャーン様、皆様コンニチワ。
古いスレッドを上げてスミマセン。 ちょっと過去ログを参照している時に思い出したのですが、 昨年こちらとソックリなハエを採集しています。 画像のとおり、R2+3脈が短く、翅長の半分以下でC脈に終わっているので、ヒメホソバエ科Asteiidaeなのは確実とおもいます。 前翅長は2.3mm
生時の画像。
アーチャーン様の画像とは雲泥の差がありますが、体の模様などは似ています。 本個体は、人工島の草地をスイーピングして得たものです。 m-cu横脈がないので、Asteia属になるようです。 「A taxonomic review of Japanese Asteia」がネットで閲覧可能でしたが、 採集品は♀1個体で、毛もかなり折れてますので、 種までの同定はやめました。 ただ、アーチャーン様の写真を見ると、単眼と複眼の間に筋が見えるので、♂のようです。 上記の文献では、♂の頭部の写真がありますので、詳しい人が見たら、絞れるかも知れません。
Acleris様.
貴重な情報有り難う御座います。 実は私も一昨年に静止しているこのハエと思しき虫を撮っているのです。しかし、背側からの写真しかないのと、この時は他にもボーダイな種類のハエを撮ったので、未整理の儘に放置されています。一応保育社の図鑑(当時はこれしか無かった)でザッと検索したのですが、迷子になってしまいました。今見てみると、ヒメホソバエ科はこの図鑑には載っていませんね。現在では他にも資料が有りますので、写真を調整し、検索もしてみます。 今日はもう時間が無いので、結果は明日にお知らせいたします。
アーチャーン様,Acleris様.
アーチャーンさんの写真とそっくりなサムネイルを,Diptera.infoでオランダのjavanerkelensさんが使ってます. 彼のHPをみるとAsteia amoenaの飛行中の写真と記されております. http://www.diptera-amateur.nl/beginpaginaasteiidae.htm
茨城様.
写真の紹介有り難う御座います。感じが私の写真と相当似ていますね。 Acleris様. 写真を調整してみました。菊の枯葉に留まっているので、翅脈が良く見えません(背景がゴチャゴチャしていると写真が鮮明になりません)。左の写真の他に、もう少し翅脈がハッキリ写っているのがあるのですが(頭部胸部はボケている)、異常に短いR2+3らしき翅脈があるのが微かに認められる程度です。かなりアヤフヤですが、全体としてヒメホソバエ科であることは間違い無いと思います。また、m-cu横脈は、もっと怪しげですが、無い様に見えますので、Asteiaと云うことに致します。 しかし、最初の空中静止しているハエと今日の写真では、腹部の色が違うので、別種の様な気がします。Asteiaの論文はザッと読んでみましたが、雌雄で腹背板の色が違うと云う記述はありませんでした。 Asteia属内の検索は頬や下前側板が見えないので不可能です。空中静止の写真では、額の筋が短いのである程度は絞れますが、該当する種の記載を読むと背面から見える部分の色はみな同じで、区別が出来ません。頭部や胸背の剛毛が殆ど識別出来ないのでどうしようもありません。 結論として、かなりいい加減ですが、Asteia sp.とすることに致します。 Acleris様の御指摘がなければ、ヒメホソバエ科であることに気が付かなかったと思います。有り難う御座いました。 2008年11月25日、東京都世田谷区西部にある家庭菜園内で菊の枯葉に留まっている所を撮影、翅長2.4mm。写真はピクセル等倍。 |
山間部(低山)の道端でイワガラミの葉裏に垂れ下がって死んでいた芋虫(蛾の幼虫?)に小さな蝿が集まって死骸を舐めていました。
特徴的な翅紋があるのですけど、名前が分かるようでしたら教えて下さい。 山形県 2016年7月上旬 素人目にはミバエの仲間かな?と思うものの、死骸に集まっているのは初見です。 よろしければ動画をご覧下さい。(2:14) https://youtu.be/L7XwzmW_o4U (添付した写真は動画から切り取ったスナップショットです。) 大体の分類でも助かるのですが、標本がないと難しいでしょうか?(未採集・未採寸) それから、この芋虫の死因について心当たりのある方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 体内寄生したヤドリバエ幼虫が寄主を食い破って脱出した後はこんな感じの変死体になりますかね? よろしくお願いします。
しぐま様.
写真のハエは,ミバエ類ではなく,ヒロクチバエ科のRivellia nigricansミスジヒメヒロクチバエかその近縁種のようです.
おそらく,核多角体病(NPV),ウイルス病かもしれません。
死骸の一部をスライドグラスに,一滴の水を垂らして,400倍程度で,六角形の多角体が見えれば核多角体病と思います。
茨城@市毛さん、liriomyzaさん、貴重なコメントありがとうございました。助かりました。
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