本種はRhamphomyia (Eorhamphomyia) grammoptera Frey, 1922の雄です.本種はカムチャツカとバイカルの材料で記載されたもので,日本では北海道から中部地方の山地から高山帯に棲息し,また中国地方西部の冷温帯にも飛び地状に分布しています.朝鮮半島から沿海州にも広く分布しています. 本種は雄交尾器の形状(太く先端が膨大したphallusや尾角葉の構造)や後腿節の刺毛分布状態がAlpinomyia亜属に類似しており,最終的にはこの亜属に含めるべき種です.Alpinomyia亜属は多数の種が欧州アルプスで分化しており,小数の種が欧州のほかの地域にも生息しています.
雄交尾器の特徴のほかに,翅の翅脈に沿ってかなり暗化することも識別しやすい特徴です.
アノニモミイア 様、毎回詳細なコメントありがとうございます。
この種類は、亜属も良くわからず難儀しておりました。 引き続きオドリバエについて、よろしくお願い致します。 |
写真の種は同定されたとおり,Rhamphomyia (Calorhamphomyia) longistigma Frey, 1953の雄です.本種は秋田県八幡平黒湯産の2雄に基づいて記載されたものですが,北海道から中部地方にかけて広く冷温帯樹林から寒温帯樹林に亘って棲息しています.北海道では最も普通のRhamphomyiaの一つです.1961年に伊藤修四郎先生がRhamphomyia (Eorhamphomyia) imminuta Ito, 1961を志賀高原から2雄2雌に基づいて記載されています.先生はR harpago(四国から紀伊半島)とR. longistigmaと比較されていますが,longistigmaとの相違点は,脚や腹部の色彩の相違だけです.R. longistigmaは中部地方に向かって淡色部が拡大する傾向がありまして,imminutaはlongistigmaの色彩上の地理的クラインの一つに過ぎません.
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昨日、調べ物をしていたら"Manual of Diptera of Central America"というタイトルを見つけました。
詳細は、"Thompson, F. C., Rotheray, G. E. & Zumbado, M. In Press. Family Syrphidae. In Brown, B.(ed.), Manual of Diptera of Central America"と書かれているので数年程度で発行されるとものと思います。 中央アメリカも面白そうな昆虫が多数生息しているので、早く眺めて見たいと思います。コスタリカから記録されたビルゲイツハナアブEristalis gatesiも載るはずですね。 |
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