初めて投稿させていただきます。
中学三年生の虫キョロリスと申します。 福井県にて、2020.11.08に、写真のヤドリバエを採集しました。 旧北区のマニュアルの検索表を使った結果、Sturmia属になりました。 次に、種同定を試みました。 旧北区及び東洋区及びオーストラリア区の本属の種の検索表を見つけました (https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10656534/1)。 <続く>
palpusの色で、検索表の2に進み、
「中脛節にある長いad setaeは1本であること」「腹部第三節は前方1/2が、腹部第四節は前方2/3が、白くなっていること」から、最初は、S. micronychiaかと思いました。 しかし、「palpus先端部は、全体が黄色であること」「palpusが、棍棒状であること」 「ocellar seta が reclinate orbital setaよりも短いこと」などが、この種とは違います。 そのため、この論文に載っている4種とは、どれも違う気がします。 本属のその他の地域の種 に関する情報や文献を 知っておられる方がおられましたら、是非、教えていただきたいです。 宜しくお願い致します。
もう一つ質問させていただいてよろしいでしょうか。。
双翅目の交尾器の引き出し方を、教えていただきたいです。 僕は、まだ、交尾器の引き出し方をあまり知らないので、、。 宜しくお願いします。
虫キョロリス様
ヤドリバエに挑戦,頑張りましたね. 残念ながらこれはSturmia 属ではないです. reclinate upper orbital bristle の2対のうち,前のものが後と同じ長さがあります. また,小盾板亜端剛毛の立ち位置の幅(この個体は左右で少しずれているようです)は広くなく,基剛毛までの距離と同じくらいです. 旧北区のマニュアルでは511番を通った後,521でors の判断をしたのではないかと思います. そのあたりから再挑戦してみてはいかがでしょうか. (おそらく文献上ではI属のp種あたりにたどり着くのではないかと思いますが,合っているかどうか,全形で判断できるのかどうかはあまり自身がありません.)
大宮様、誠にありがとうございます。
ずっと気になっていたのですが、これですっきりしました。 Sturmia属だと思い込んでました。 再挑戦してみた結果、Isosturmia属になりました。 そして、inner vertical setaeがcrossしないので、I. pictaとなりました。 これが、大宮さんのおっしゃった「I属のp種」でしょうか?
やはりそうなりましたか.自分も同種と思われるものを愛知県,岐阜県,滋賀県で少数採っています.Shima (1987) をご覧になったのではないかと思いますが,他にはメスの前脚ふ節が太くなったり,メスの腹端部が細くなったりするので,同属の中でもおよそ合っているのではないかと思います.素晴らしいですね.
基準となる標本と比較したわけではないので確定的なことが言えずもどかしいです.自分は何か特別な情報を持っているわけではなく,普段は記載と比較して多少の相違点があれば注目しておき,標本がたまるまでしばらく保留にしておくというようなことを繰り返しています. 交尾器ですが,メスは腹端部の構造からして,先端をつまんで引き出てくる種とそうでない種があります.オスの場合もcercus かepandrium を引っ張っるだけですが,ヤドリバエ科はニクバエ科の多くの種ほど頑丈ではなく,また,phallus が起きてこないものも多いです.自分は不器用で壊す危険性があり,余剰標本が多い時以外は乳酸で溶かして処理するようにしています.たくさん採れた時に,どの程度の力加減で壊れるか練習するしかないのではないかと思います.うまく説明できずにすみません. ヤドリバエ科は見ていてかっこいいので,収集対象として面白いのではないかと思います.種類が多いので分からないことも多いですが,是非これからも挑戦してみてください.
大宮様、有難うございます!
おそらくIsosturmia pictaだ ということで、正体が分かってとても嬉しいです! とても格好いい種類だったので、ずっと気になっていました。 また、交尾器の引き出し方についても教えてくださり、有難うございます。 色々な種類の交尾器を出すのに挑戦して、練習していこうと思います。 今後も色々なヤドリバエを採集して、同定していきたいと思います。 この度はありがとうございました。
虫キョロリス様
ヤドリバエの雄生殖器は、舘卓司さんから直接伺ったところ、まだ柔らかいうちに腹部末端の生殖節ごと精密ピンセットで引っ張ってからだからはずしてしまい、引き出されてくる内臓を使って標本をマウントしている昆虫針にそのまま体液で張り付けてしまう、顕微鏡で調べるときにはそれを水酸化カリウム水溶液をピンセットにつけてやるとすぐ外れる、とのことです。 私は柔らかい間にはずした生殖節を三角台紙ににかわで張り付けてしまっています。
ウミユスリカ様
舘卓司さんに直接お尋ねして頂き、本当に有難うございます。 生殖節を引っ張って、完全にはずしてしまう方法があるんですね! 次ヤドリバエ採集した時は、その方法でやってみようと思います。
いえいえ、もう10年くらい前に教えていただいた話です。
> いえいえ、もう10年くらい前に教えていただいた話です。
あっ、そうでしたか。勘違いしてすみません。。 僕は、双翅目に興味持ち始めてから まだ1年半ほどなので、まだまだ知らないことばかりです。 これからも、この掲示板で質問させていただくことが多々あると思いますが、今後も宜しくお願いします。 |
芋虫のつぶやき 様.
海外のサイトでも,交尾中に捕食している写真を幾つか見たことがあります. Stubbs(2001)British Soldierflies and their Alliesのムシヒキアブ科の解説を見ると ”Sometimes the female will continue to feed on prey during copulation. It is possible that males prefer females with their attention distracted in this way since robberflies can be cannibals. On rare occasions the female has devoured the male during the course of copulation but this appears to be unusual behaviour and normally the male escapes unharmed.” との記述があり,交尾中のメスによる捕食を避けるため,捕食中のメスに交尾するとの推測があるようです.
市毛 様
いつもありがとうございます。 御礼が遅くなりすみませんでした。 あえて捕食中のメスに交尾するとすれば、なかなか奥の深い話ですね。今後は気をつけて見てみます。 |
流水性のEukiefferiella(テンマクエリユスリカ属)幼虫の生態に関する文献を探しています。分類に関することはたくさん見つかりますが、生態に関しては流れの速い場所にいること以外に記述が見つかりません。おそらく、天幕を張るのでテンマクエリユスリカという名称が付いているのだと思います。実際に、礫表面に巣のようなものがたくさんついていますが、現地での観察が難しく、四苦八苦しております。内外を問わず生態についての記載がある文献の情報を教えてください。
青谷 様
流水性のEukiefferiellaについて;テンマクエリユスリカの和名は徳永雅明先生が命名されたものと思います。お書きになっているように流水中の岩盤に作られた巣からの由来です。この属の聖地についての論文は極めて少ないとお思います。 流水性の種ではありませんが、最近の論文があります。Imada Yumeさんという方がZoo key (http://zookeys.pensoft.net)に論文を書かれています。
情報ありがとうございます。今田先生の止水性のテンマクエリユスリカ属の生態についてはご本人からご高著を恵与いただき巣作りなど興味深い内容に感激しました。流水性のものはこの種のような頑丈な巣は作らないようですが、礫表面に網を張って固着しているようでした。ご紹介いただいた徳永先生の論文名など分かりましたら、教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
青谷様
徳永先生の報告は論文ではありません。手元にはなく記憶は定かではないのですが「日本幼虫図鑑」だったと思います。随分と古いものです。
ありがとうございます。幼虫図鑑は確かにどこかで見たような気がします。探してみます。
偶然にも、自宅に日本幼虫圖鑑を発見しました。てんまくえりゆすりかに関する図と解説文(徳永先生)が載っていて、形態のほかに以下のような生態に関する記述と蛹の巣のスケッチもありました。著作権があるので示すことはできませんが、「本種の幼虫は渓流の石礫上に自由に生活するが,化蛹時には石面の小くぼみに白色楕円形の巣を営む。」とあります。
加えて、図のキャプションに「蛹の天幕状の巣」とありました。現地での観察は難しいのですが、天幕=テントでしょうから、どんなテントか今後観察していきたいと思います。 |
ムシヒキアブ図鑑で,新たにLaphria hakiensis ハキイシアブが図示されたようです.
Laphria rufaチャイロオオイシアブも一部画像が変更になりました. 恐らく,No.5706とNo.2837のスレッドが今回のハキイシアブに該当すると思われます.
再び更新されている.
昨日はChoerades amurensis (Hermann, 1914)が追加されたもよう. 和名が,日本昆虫目録のモモブトホソイシアブと異なりアムールイシアブとなっている. 栃木産の♀が図示されているのには驚きました. http://www3.kcn.ne.jp/~tgw/m-index2-j.htm |
take 様.
R2+3脈とR4+5脈共に前方へ軽く湾曲しているので,Milichiidaeクロコバエ科(シロガネコバエ科,コガネバエ科)ではなく,Sphaeroceridaeフンコバエ科(ハヤトビバエ科)に見えます. 後脚基付節が太くなっていませんか? また,通常MilichiidaeのR2+3脈は翅端近くまで直線的に長く伸びます.
茨城@市毛様
遅くなり申し訳ございません。 フンコバエ科なのですね!後脚の基付節を確認してみます。 ありがとうございました。いつも助かっております。 |
小金井虫 様.
ナミヒメヒラタアブとホソヒメヒラタアブのメスは非常に良く似ており,写真では判別できません.
茨城@市毛様
ありがとうございます。 いつも何気なく通り過ぎてしまっていたハナアブ科ですが、 ヒメヒラタアブ類だけでも難しいです。 |
小金井虫 様.
ツヤヒラタアブ属と思われますが,これも写真では同定が困難です.
茨城@市毛様
ありがとうございます。 とりあえず属レベルまでわかり助かりました。 よく見かけるハナアブでもより細かい同定作業が必要ですね。 |
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