ムシヒキアブ図鑑で,新たにLaphria hakiensis ハキイシアブが図示されたようです.
Laphria rufaチャイロオオイシアブも一部画像が変更になりました. 恐らく,No.5706とNo.2837のスレッドが今回のハキイシアブに該当すると思われます.
再び更新されている.
昨日はChoerades amurensis (Hermann, 1914)が追加されたもよう. 和名が,日本昆虫目録のモモブトホソイシアブと異なりアムールイシアブとなっている. 栃木産の♀が図示されているのには驚きました. http://www3.kcn.ne.jp/~tgw/m-index2-j.htm |
take 様.
R2+3脈とR4+5脈共に前方へ軽く湾曲しているので,Milichiidaeクロコバエ科(シロガネコバエ科,コガネバエ科)ではなく,Sphaeroceridaeフンコバエ科(ハヤトビバエ科)に見えます. 後脚基付節が太くなっていませんか? また,通常MilichiidaeのR2+3脈は翅端近くまで直線的に長く伸びます.
茨城@市毛様
遅くなり申し訳ございません。 フンコバエ科なのですね!後脚の基付節を確認してみます。 ありがとうございました。いつも助かっております。 |
小金井虫 様.
ナミヒメヒラタアブとホソヒメヒラタアブのメスは非常に良く似ており,写真では判別できません.
茨城@市毛様
ありがとうございます。 いつも何気なく通り過ぎてしまっていたハナアブ科ですが、 ヒメヒラタアブ類だけでも難しいです。 |
小金井虫 様.
ツヤヒラタアブ属と思われますが,これも写真では同定が困難です.
茨城@市毛様
ありがとうございます。 とりあえず属レベルまでわかり助かりました。 よく見かけるハナアブでもより細かい同定作業が必要ですね。 |
2020/10/03 埼玉県にて採集した個体です。
ヒメガガンボ科はフィールドに行くたびに大抵何かしら採れるので実に良いです。 皆かっこいい...。 種までの同定の道のりは長いですが。 日本産水生昆虫 第2版のヒメガガンボ科の検索表でPilaria属へたどり着きました。 その後、 Catalogue of the Craneflies of the World https://ccw.naturalis.nl/detail.php というサイトを用いてPilariaについて調べてみましたが種の検討はつけられず です。
ふかさわ 様.
ガガンボは種への検索が大変です. Pilaria属だとすると,日本昆虫目録も4種となっているので原記載とにらめっこしてみるのもよい経験かと思います.
市毛様
返信ありがとうございます。 原記載…Alexander氏の文献をいくつか見たところ 形態の解説文だけあって図が何も無いというのが見受けられたので、形態の記述と一致していても同種であると判断するのは難しいのだろうと思いました。 この場合は、他に何か図が載っている文献を探したり、可能であればタイプ標本を見たりする必要がありそうですね。 ここまで調べてちゃんと同定できない場合は専門家の方に同定依頼をするのがベストですかね。 うむむ…。むつかしい…。
ふかさわ 様.
原記載以外の文献となると,極東ロシアの昆虫の検索やロシアの文献(Savchenko,1989; Savchenko and Krivolutskaya, 1976)等を調べるしかないです(日本昆虫目録にある4種は日本や極東ロシアにしか分布していないようです). 文献収集の鬼になってみて下さい. なお,図示されている種類が非常に少なく泣けてくると思います. みんな通った道です(^_^;) なお,極東ロシアの検索を見ると,♂触角が腹部中央まで届くほど長く,前楯板が赤褐色なのがP. hypermecaとなっています. この検索に載っていないtokionisは♂触角が体長の1/3を超えると原記載に書かれているので,消去法ではhypermecaとなりそうです. 以上、御参考まで.
市毛様
>なお....以上、御参考まで. ありがとうございます! 自分でも原記載や極東ロシアの昆虫のPt.2の検索表と格闘して確認してみます。 >......みんな通った道です(^_^;) やはりヒメガガンボ科は恐ろしいですね...。 改めて大変であるということがわかって調べる気が削がれるどころか逆にそそられてきました。 不思議なものです。 キノコバエ上科(クロバネキノコバエ科は除く)などについても、 今は交尾器を精査する環境が整っていないため採集しても属までしか同定せず、その属の文献を少しずつ集めたり読んだりしているのですが ヒメガガンボ科と似たような状態であるような気がしますね。 図示されていない種がどのくらいいるのかは把握はできておりませんが。 見たいと思った文献がネットで簡単に見られるのであればよいのですが、そうでない文献がたくさんあるのが辛いところです。 いくらやる気があっても 誰かと協力し合わねば十分に調べきれないのだろうなと思っています。 |
いつもお世話になっております。
写真のハエは翅脈と後小楯板が発達していることからヤドリバエ科と思いました。 腹部の構造が独特なので、いろいろと調べてみましたがそこから先がわかりません。 不鮮明な写真で申し訳ありませんが、何か情報をいただけましたらありがたいです。 宮城県南部の山の中で、7月末にライトで採れたものです。 体長は5.5mm。腹部背板が3節から下へ張り出して、側縁に指のような突起が並んでいます。 突起は5節では剛毛になります。 腹端はアヒルのくちばしの先端のような形をしていて、とりあえず♂♀もわかりません。 引っ張り出そうとして腹部が潰れてしまいました。 色彩は、乾燥状態では腹部の地色が黒、頭胸部は基本グレーで、全体に光沢があります。
番頭様.
あまりヤドリバエの腹面側を見たことがなかったのですが,ノコギリハリバエCompsilura concinnataなど腹部背板の腹面側に短剛毛等を備えるヤドリバエは幾つもいるようです. もしかすると,産卵時に寄主に抑え込むための滑り止めかも知れません. 詳しい方からのコメントが付くと良いですね.
市毛様コメントありがとうございます。
交尾器出して〜中国蠅類を根性引きして〜という作業を繰り返すなかで、「なんだこれは」となりました。 ノコギリハリバエは、産卵器?そのものもするどいフックのようになっているのですね。 このハエは、亜端節(6節になるのかな)の腹面に、棒が触角のように突き出ています(画像が悪すぎて申し訳ありません)。 アヒルのくちばしといい、どういう働きをするのかとても興味をそそられます。
番頭様
珍しいヤドリバエを見せてくださりありがとうございます. 先日この掲示板で教えていただいた極東ロシアの文献によく似た図が載っていました.(ロシア語難しい) Phytorophaga 属の可能性がありますが,2020年の世界のカタログでは東洋区に2種,旧北区に1種おり,nigriventris は旧北区のロシアと中国に分布します. ですが中国蝿類には載っていないようです. 旧北区のマニュアルには収録されているようなので,わかる範囲でつじつまが合うかどうかといったところですね. 腹端部の情報がなかなか探せません. (分布を間違えたので修正しました)
大宮様
お調べいただきありがとうございます。 図示して下さった種のように、背板の後角が伸長してはいませんが、かなり近い仲間と思えるくらい似ていますね。 よければこの個体をお送りしたいと思います。 大宮様のご住所は存じ上げておりますので近日中に投函いたします。 状態があまりよくなく申し訳ありませんが、なにかのお役に立てば幸いです。 よろしくお願いいたします。
番頭様
標本をお送り下さるとの事,ありがとうございます. 実物を見て調べてみたいと思います. 連絡先等は変わっていませんので,よろしくお願いいたします.
標本を拝見いたしました.
旧北区のマニュアルで調べましたが, 腹部の基部にひずみがあるので,1+2背板のへこみの大きさが判断できないのと, 後脚基節と腹部第1腹板との間が完全に膜質ではなく硬化部があることが難点ですが, それ以外は問題なくPhytorophaga へ行き着きます. (postmetacoxal bridge については,各属・各種の記載などでほとんど言及されず,旧北区のマニュアルとほかの文献との比較がなかなかできない形質です.) 不確定の形質があるので,オンラインのデータベースのMoschWeb も試しましたが,選択性の高い形質だけで絞り込めるようです. 結果の出力を添付します. 添付:10941.txt (2KB)
産卵器の独特な構造を選択肢に含めると,3つの形質だけで3属に絞られます.
(47) POSTSUTURAL INTRA-ALAR SETAE -three postsutural intra-alar setae (78) PETIOLE [STALK] -cell r4+5 with a petiole approx. 1/2 of postangular section of M (97) OVIPOSITOR -female abdomen or postabdomen characterized by peculiar structures Pandelleia Villeneuve Phytorophaga Bezzi Rondania Robineau-Desvoidy http://www.tachinidae.eu/free/viewmosch.aspx?pico=097C 左から3番目の写真をクリックすると,「アヒルのくちばし」の格納状態が見られます.
標本ではやはり第4背板腹面の両脇の後縁は伸長しないので,文献にあるのとは別種ではないかと疑われます.
東洋区に分布するP. ventralis のメスも,極東ロシアの種と同様に,見かけ上の3番目の背板の下の後角が飛び出るようです. Bezzi, M. 1923. Eine neue, auf javanischen Chrysomeliden schmarotzende Tachinide (Dipt.). Treubia 3:411–412. https://www.biodiversitylibrary.org/item/110723#page/498/mode/1up ただ,属の記載に書かれている定義という事ではないようです.
東洋区とオセアニアに分布するP. petiolata は,最初Malayomedina petiolata として記載されました.
Townsend, C.H.T. 1926. Fauna sumatrensis. (Beitrag No. 25). Diptera Muscoidea II. Supplementa Entomologica 14: 14–42. http://sdei.senckenberg.de/~openaccess/01633.pdf 20ページに,オスのみに基づいて簡潔に記載され,メスの比較はできません.
腹端部の使い方ですが,Blondeliini の中で,メスの腹部第7節がスコップのように硬化した構造をもつものは,Medina genus-grou と呼ばれ,Phytorophaga 属も含まれます.Medina 属の場合は寄主である甲虫の鞘翅の外側縁と腹部背板との間にこの腹端部を挿入して産卵するようです.違う地域の文献ですが,寄主の知られていない同様の構造をもつ種も同じ習性をもつと推測されています.
Cerrtti, P. 2006. A New Species Of Eomedina Mesnil (Diptera: Tachinidae) From Namibia. Zootaxa 1147(1147):61-68 (日本ではMedina 属の寄主として,ゾウムシ科,ハムシ科,テントウムシ科が知られています.) Phytorophaga ventralis の寄主として,ハムシ科のPhytorus dilatatus が報告されています. https://www.zobodat.at/pdf/Societas-entomologica_39_0035-0036.pdf 最近の日本のBlondeliini の文献で,メスの腹端部の比較に言及したものがありますが,残念ながらMedina 属以外のMedina genus-proup は今回は研究されていませんでした. Tachi, T. and Huang, Y. 2019. A new species of Medinodexia Townsend (Diptera: Tachinidae) from Japan, with a discussion on phylogenetic implications of the female postabdomen in Blondeliini. Zootaxa 4638 (4): 584–594.
大宮様
大変詳しい情報をありがとうございます。 MedinaやPhytorophagaの寄主は背面が膨隆している種が多いようですね。 腹部の構造は、市毛様のおっしゃるように、盛り上がった背中に対応したものなのでしょうね。 いろいろと勉強させていただき、ありがとうございました。 |
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