いつもお世話になっております。
腹端に針のある♀のハエが出てきてヤドリバエばかりを見ていたのですが、 後小楯板が発達していないのでニクバエらしいことがわかりました。 検索してみてSenotainia属になったのですが、カオジロヤドリニクバエとしてよいでしょうか。 青森県の標高500mほどの山で、7月に採れました。
番頭様
お世話になっております. きれいな写真ですね. お問い合わせのハエですが,実はこれはSenotainia ではありません. 検索はKurahashi & Kakinuma (2015) を使われたのではないかと思っています. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mez/66/4/66_167/_pdf/-char/ja Miltogrammatinae の族・属の検索の冒頭で, 顔の下縁の位置が厳密には分かりにくいかもしれませんが,髭剛毛のほうが上です. また,後気門は写真で確認できませんが,前後に縁毛(fringe) があるものの,後のものが丸い蓋片(operculum) になっていなければ,気門が開いているという事になりす.分かりにくい点だと思います. Macronychia 属になるはずです. 高山地や冷涼な地方で見られる,個体数が少ない種類です.
大宮様
いつもお世話になっております。 知識をアップデートしておらず検索表は1970年のを見ていました(大汗 後気門にはフタがありませんでした。 腹部背板に直立剛毛がなく、後頬の毛は茶色だったので、kanoiとなりました。 どうもありがとうございました。 |
TT(昆虫素人) 様.
すみません. 確かにフンコバエ科のように見えます. 詳しい人がおりません. |
ムシヒキアブが好き 様.
画像が小さいので分かり辛いですが,クロバネキノコバエのような気がします.
ご回答ありがとうございました。
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蛆虫ちゃん様.
Bibionidaeケバエ科の仲間です.
ありがとうございます。
ケバエは全く調べたことがなかったので失念していました。 |
久保田様.
キノコバエ科のナガマドキノコバエ属Neoempheriaの1種です. なお,新訂原色昆虫大圖鑑(2008, 北隆館)では,Neoempheria ferruginea ナガマドキノコバエが日本に産すると記されていますが,その後の研究で日本に分布しているのは酷似した別の7種と報告されています. Sueyoshi,M. 2014. Taxonomy of fungus gnats allied to Neoempheria ferruginea (Brunetti, 1912) (Diptera: Mycetophilidae), with descriptions of 11 new species from Japan and adjacent areas. Zootaxa 3790(1): 139-164.
市毛様
ありがとうございました。私も何とかナガマドキノコバエの仲間に辿り着きました。 そこでNeoempheriaで検索をかけましたが、模様が一致するものは見つかりませんでした。 初めて横から見た時に胸部の白い塊が何だかわかりませんでしたが、脚の一部と分かり、驚きました。不思議な形です。 |
初めてご相談させていただきます。
甲殻類の研究をしている友人が隠岐諸島島後の海岸近くで今年の5月11日に採集したハエなのですが,同定にお力添えいただけないでしょうか。 採集地は草むらか,海辺なら礫海岸だったそうです(一緒のラベルで入ってた他の虫は,主に草むらにいるであろう種でしたが,海辺で採っただろうコホソトビミズギワゴミムシもありました) Twitterでは,ハナレメイエバエ亜科の親水性の捕食性イエバエ科,フンバエ科かハナバエ科あたりの種ではないかとご教示いただきました。 隠岐の生物相調査の一環で採集したため,記録がない種であれば共著で報告したいとのことで,もし見ていただけるようでしたら手元にある2個体の標本をお送りいたします。 恐れ入りますが,よろしくお願いいたします。
やかん 様
連絡先等のメールをしました. もしよろしければお送りください.
大宮 様
温かいご連絡誠にありがとうございました。 返信させていただきましたので,よろしくお願いいたします。
標本を調べましたので,掲示板にも結果の報告をします.
Anthomyiidae ハナバエ科の,Fucellia apicalis Kertesz, 1908 ツマグロイソハナバエ (旧称ノトツマグロイソバエ) でした. 本種は既に隠岐諸島から報告されているようです. http://www.green-f.or.jp/kenhou/oki_kontyu/Sbhgf_23_001.pdf 右のオスは翅の先端の黒斑が無いように見えますが,実際にはごく薄く色がついており,テネラルであると思われます. 交尾器を解剖したところ,F. apicalis であると確認できました.
右のメスは前脚が無く,同定形質のひとつである前脛節の後剛毛が確認できませんが,
腹端部を解剖したところ,第6腹板が大きく幅広いので,やはり同種であると確認できました. 本種と近縁種についての文献は以下の通りです. 范ほか,1988. 中国経済昆虫志 第三十七冊 双翅目 花蝿科. 堀克重,1961. 能登内浦の磯に棲息するFucellia apicalis Kertesz について.金沢大学理学部能登臨海実験所年報,(1): 36-39. Hori, K. & Kurahashi, H. 1969. Notes on the five Japanese species of the genus Fucellia Rob.-Desvoidy (Dipt., Anthomyiidae). Sci. Rep. Kanazawa Univ., 14(2): 237-252. Suh, S. 2019. Insect fauna of Korea. Volume 5, Number 4. Anthomyiidae. Arthropoda: Insecta: Diptera: Muscoidea. iv + 217pp. National Institute of Biological Resources. ついでですが,近隣諸国の文献を比べると,中国経済昆虫志224ページの第5腹板の図で, 676がF. chinensis ,679がF. boninensis と書かれているのは,おそらく逆であろうと思います. |
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