双翅目談話会
第14回 同定会&勉強会のお知らせ 会員の皆様,とんでもなく暑い夏でしたが今年の成果は如何だったでしょうか?恒例になりました双翅目談話会第6回関東同定会を,今年は栃木県立博物館で開催することになりました.何かとお忙しいと存じますが,この機会に,いろいろな標本や情報を携えて,ぜひご参加くださいますようにご案内申し上げます. ◆ 日 時 平成22年11月20日(土) 午前10時より 10:00〜12:00 同定会 12:00〜 1:00 昼食(できるだけ弁当をご持参ください)・休憩 (博物館内にレストランもあります) 1:00〜 3:00 基調講演(中村剛之さんの予定),ミニ講演 3:00〜 3:30 休憩・写真撮影 3:30〜 5:00 1人1話 <ミニ講演を募集しますので,ミニ講演ができる方はメールで伊東まで連絡願います> 伊東のメールアドレス:n-itoh@chiikan.co.jp <懇親会を6:00頃から予定しています(宇都宮駅西口周辺の予定)> ◆ 場所:栃木県立博物館(下図参照) ◆ 持ち物:同定してほしい標本(双翅目)、筆記用具、ルーペ、弁当 ■ 会場 栃木県立博物館 http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/ 〒320-0865 栃木県宇都宮市睦町2-2 TEL 028-634-1311(代) FAX 028-634-1310 JR宇都宮駅から 関東バス市内線(駅西口バスターミナル13番乗り場) 37番「桜通り経由鶴田駅行」または「桜通り経由西川田駅行」で『中央公園博物館前』 (詳細なアクセスについては博物館のホームページなどをご覧ください) ◎宿泊は宇都宮駅西口周辺の以下のホテルが便利です. ホテルサンロイヤル宇都宮028-638-3711 ホテルサンルート宇都宮028-621-3355 宇都宮ステーションホテル028-637-0111 チサンホテル宇都宮028-634-4311 リッチモンドホテル宇都宮駅前028-610-8822 東横イン宇都宮駅前028-624-1045 談話会の行事ですが,会員以外の飛び入り大歓迎です.
皆様,昨日はご苦労様でした.
今回も関東同定会は参加者が30名を越える大盛況でした. 中村氏によるガガンボダマシ科についての基調講演から始まり,日本初記録のツリアブなど色々と興味深いミニ講演等色々な話で盛り上がることが出来ました. 同定会に持ち込まれた標本でも,日本未記録と思われるハナアブ等,色々と面白い種類が見られました. 次回は,来年3月20日に大阪市立自然史博物館で総会が開催されます. また,来年秋の関東同定会は,神奈川県博で行われる見込みです. では,また. |
度々すいません。
なぜか迷惑投稿として弾かれてしまいます…。 また何かNGワードが含まれてますかね? 似たハエをあちこちでよく見かけたので普通種かなと思うのですが、これはホンシュウホソニクバエ♀でしょうか? 9月上旬@山形県 山地の庭でヤブガラシの葉を頻りになめていました。 よろしくお願いします。
しぐまさん、コンニチワ。
少なくともニクバエ科ではないと思います。 「みんなで作る双翅目図鑑 画像一括閲覧ページ」を見ると、 ヤドリバエ科によく似たのがいますね。 シロウトの助言ではこれが精一杯。。。
しぐま様、はじめまして
ケンセイです。 ホンシュウホソニクバエの画像ですが、ネットで見てみると多くの画像がヤドリバエ科のアシナガヤドリバエ亜科の画像をホンシュウホソニクバエと誤同定しているようですね。 写りが悪いのですが大阪自然史博物館のホンシュウホソニクバエの標本画像が見られますので以下にURLを示します。 http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tour/view.cgi?page=3&corner=22&file=250 ホンシュウホソニクバエは体は細いのですがやはりニクバエ科なので、胸背に3本の黒縦線があります。 わかりにくい場合は、そのうち標本画像をアップしたいと思います。ヨシ原などに生息しているため生態写真はなかなか撮りにくいと思われます。 ケンセイ@そのうち生態写真にもチャレンジします
ヤドリバエ科Tachinidae(広義の)の1種であることは間違いありません。おそらくナガハリバエ類(いろいろの属を任意にまとめたグループ名です)に含まれる種であろうかと思います。葉をなめていたというのは、おそらく葉の表面にアブラムシが分泌した甘露がついていて、これを摂食していたのだろうと思います。
ご存じかもしれませんが、双翅類の同定は膜翅類と同様に、鱗翅類、鞘翅類、あるいは大型の半翅類や直翅類の同定に比べると著しく困難な点があります。背面から撮影した写真では、斑紋が顕著で大型の一部のハナアブ類、アブやムシヒキアブアブなどのアブ類、などについては、おおよその見当がつく場合がありますが、ほとんどの双翅類は通常の写真だけでは同定が大変困難です。それは、体に生えているさまざまな毛、剛毛の生える位置や長さ、翅にある多くの翅脈の部分の相対的位置や長さ、脚の各節の相対的長さ、触角の形状等々の通常の写真では正確に撮影できない形質、さらに体の表面から隠れている♂や♀の交尾器、産卵器等の形質をもとにして、種はもちろん、属や亜科、しばしば科等の分類群が規定されています。 今回ご投稿の写真についても、ニクバエ科とヤドリバエ科を区別する科の検索形質は、胸部背面の後方にある小楯板という部分の後ろの縁が張り出していて、その下に上から見ると隠れている下小楯板と呼ばれている部分が、横に土手状に盛り上がるか(ヤドリバエ科)、否か(ニクバエ科、クロバエ科など)です。この区別に基づきますと、Aclerisさんのご投稿にあるような遠慮深いご判断が限度になります。しかし、このような検索形質によらなくても、多くのハエ類についての知見がある場合には、これまでの経験から、外観で科までの判断ができる場合があります。しかし、ヤドリバエ科を専門としていない私には、外観だけでヤドリバエとクロバエを区別できない場合もしばしばある、というものです。 双翅目の分類が難しいのは、上記の虫自体の問題に加えて、双翅目を研究する職業的分類学者(大学や博物館などで、分類学の仕事に部分的にでも給与が払われている研究者)がわが国では決して多くはなかったのが、昨今はさらに減少して、全国で10名前後程に減少してしまっていることも、この昆虫群の分類学の研究やその成果としての図説、論文が十分に出版されていない原因です。本掲示板に回答をくださる分類学を生業とされていない非職業的研究者の方も決して多いとは言えません。 COP10とか言って、生物多様性の重要性が喧伝されていますが。そのもっとも基本的な資料になる記載分類学とそれを研究するポジションにわが国は国家予算をほとんど支出していないのが現状です。あたかもトキやイリオモテヤマネコが生物多様性の象徴のように宣伝され、膨大な予算の支出が行われている日本の環境行政や文部行政の片手落ち、脆弱性が、ハエやハチなどごく身近にいる真の生物多様性の実態が国民に分からないという最大の原因です。率直にいえば、今では外来種であるトキの飼育に膨大な予算と人員を使って、穴だらけの飼育小屋を作って、挙句の果てにはトキをテンの餌にするような行政こそ事業仕訳の対象にされるべきで、このような予算があるのなら、トキ等よりも稀少な日本固有の生物、昆虫類の保護・保全、さらにはこれらの生物群の分類学的研究に回すべきでしょう。
皆様コメントありがとうございます。
どうやら場違いなお尋ねではなかったようで、とりあえず一安心。 生前のマクロ動画はこちらになります。(1:52) よろしければご覧下さい。 http://www.youtube.com/watch?v=6Cu8hQqJ9gQ 微妙なアングルや体のパーツはもしかしたら意外に動画の方がよく写ってるかもしれません。 初めは朝露を飲んでいるのかと思ったのですが、目を凝らしても葉上に朝露は見えませんでした。 アノニモミイアさんの仰るように甘露をなめていたのかもしれません。 尻を高く上げた姿勢で翅を広げたまま小刻みに震わせている行動が気になりました。 何か本種に特有のディスプレイ行動なのだろうか? 白い鱗板の下で小さな平均棍をピコピコ上下させていました。 ケンセイ様 ニクバエ科は胸背に3本の黒縦線があるとのこと、一つ勉強になりました。
Aclerisさんの助言で「みんなで作る双翅目図鑑 画像一括閲覧ページ」を探してみると、素人目には Cylindromyia pandulata と似ている気がしました。
更に調べると和名も判明。 ヒョウタンハリバエ Cylindromyia (Malayocyptera) pandulata (Matsumura. 1916) 今回はCylindromyia sp. としておくのが無難ですかね? ここまで調べたところでアノニモミイアさんの回答を頂戴しました。 ヒョウタンハリバエはPhasiinae ヒラタハナバエ亜科に属すらしいので、どうやらナガハリバエ類とはまた違うようです。 ナガハリバエ類とはDexiinae アシナガヤドリバエ亜科の仲間と理解しました。(違ってたらご指摘願います)
しぐま様
>ケンセイ様 ニクバエ科は胸背に3本の黒縦線があるとのこと、一つ勉強になりました。 あくまで、ニクバエ亜科に限ります。ニクバエ亜科でもハマベニクバエのように3本の黒縦線がない種もいます。 flyflyflyのみんなで作る双翅目web図鑑にも少数ですが画像が登録されているので参考にしてください。 ケンセイ@ニクバエ亜科のハエは見た目は皆同じに見えますが♂交尾器はものすごく多様で驚きます
ケンセイ様
度々ご指導ありがとうございます。 本当にハエは奥が深いですねー。 私としては虫撮り日記Vlogに載せる際に名前が少しでも分かればよいので、なるべく色んな角度の写真を撮って先輩諸氏のご教示を仰ぐだけです。 今後もお手を煩わせるかと思いますがよろしくお願いします。 このBBSが素晴らしいと思うのは、「どうやったら見分けられるようになるか」「どうやったら達人の境地に少しでも近づけるか」を具体的に示して下さることです。 PS: 昔、放送大学でたまたま見た「ヤドリバエの世界」という特別授業にいたく感動しました。 TVの動物自然ドキュメンタリーでヤドリバエとかニクバエとか何でもいいですけど、蝿で一本番組を作って放送するぐらい日本も成熟してくれればいいのになーと思います。(蝿のイメージアップ作戦)
しぐま様
ニクバエ科の生態写真ですが、東海大学出版会の「日本の有害節足動物」というハエ屋必須の文献に多くの種の生態写真が載っています。ホンシュウホソニクバエの生態写真も載っていますよ!今日時間があったので池袋のジュンク堂に行ったのですが、上記の本がちゃんと置いてありました。 ケンセイ@なぜかジュンク堂でキノコの本を買いました^^;;; |
タマバエ科であることは間違いないのですが、重要な形質である付節の基部の状態が写真ではやや不明瞭です。しかし、3枚目の写真の左後脚の付節基部をよく見ると、付節幅の3倍くらいの部分でくびれないし色調の差が生じているように見えます。おそらくこの部分が第1付小節と第2付小節の分節部と思われます。そうであれば、写真の種は日本産タマバエ科の3亜科のうちのLestremiinaeではありません。残りはPorricondylinaeとCecidomyiinaeです。翅脈の状態から判断するとPorricondylinaeでしょうが、属までは画像だけでは判断できません。
タマバエ科の多くは触角鞭節の各小節がこのように変形して、多様な形状の刺毛を生じます。写真の種のように、各小節の基半部が太く、先が細く円筒状になる傾向は、クロキノコバエ科SciaridaeのZygoneura属などでも起こりますので、この特徴だけでタマバエ科と判断するのは早計ですが、多くはこの特徴でタマバエと推定して間違いないでしょう。
アノニモミイアさん
お忙しい中、大変ありがとうございます。 これを見たのは例の洞窟です。紛れ込んできたのでしょうね。 それにしても面白い触角をしていますね。撮影時は「あ、触角が長い」ぐらいにしか見えませんでしたが、PCで拡大して初めてこのような形状であることがわかりました。 |
ご推察の通りシマバエ科のTrigonometopusかその近縁属の種です。これに関しては本掲示板のNo. 5103でアーチャーンさんが「Trigonometopusの1種?}という投稿があり、このスレッドをご覧になると参考になるかと思います。
アノニモミイアさん
ここのバックナンバーを手がかりに少しずつ特徴的な種の、科までの見当をつけてみています。 まだまだまったく何の類かがわからないハエ目が山積しています。 お忙しい中、ありがとうございます。また、忙しくなる材料を放り込んでいます(笑)。 |
- Joyful Note -
- Antispam Version -