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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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これらは何というハエでしょう? 投稿者:mu 投稿日:2010/07/02(Fri) 07:15:44 No.6396  引用 
ベランダ菜園でクロバネキノコバエ科やショウジョウバエは毎年のように見かけるのですが、今年はクロバネキノコバエがいなくなったと思ったらこいつが結構大量に発生しました。体長は2mm程度。羽根の斑点が特徴的かと思うのですが。

Re: これらは何というハエでしょ... 投稿者:mu 投稿日:2010/07/02(Fri) 07:20:26 No.6397  引用 
そして10日ほどで上記のハエを見かけなくなったと思ったらこんどは、こいつの集団が。こいつは体長8mm程度です。

それぞれなんというハエか分かりますでしょうか?


Re: これらは何というハエでしょ... 投稿者:Bacon.L 投稿日:2010/07/02(Fri) 09:45:45 No.6398  引用 
No.6397はクロオビハナバエの♀だと思います。

Re: これらは何というハエでしょ... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2010/07/02(Fri) 12:38:38 No.6399  引用 
最初の写真はミギワバエ科EphydridaeのScatellaハマダラミギワバエ属の一種でしょう。湿地など湿った土壌の中で幼虫が生活しています。ミギワバエ科の多くの種の幼虫は水辺などに生息する微生物、バクテリア、単細胞藻類などを食べているといわれています。この科のハエに詳しい人ではこれらの写真をもとに種までわかるかも知れません。

二枚目はBacon.Lさんの指摘通り、ハナバエ科AnthomyiidaeのクロオビハナバエAnthomyia illocata Walkerです。成虫はいろいろな腐敗物に集まります。

いずれも関東地方以西の日本各地で普通に観察できるハエです。

Re: これらは何というハエでしょ... 投稿者:mu 投稿日:2010/07/02(Fri) 13:48:55 No.6400  引用 
どうも有り難うございます。
両方ともよくいるハエなんですね。
たくさんいたから目に付いただけで今までもやってきてたのかも
しれないですね。
これからもっと注意深くベランダにやってくるハエを観察したいと思います。
それにしても7階のベランダの餌場を見つけてやってくるとか昆虫の能力は凄いですねぇ。

メバエの仲間の交尾 投稿者:Hepota 投稿日:2010/06/26(Sat) 14:52:48 No.6384  引用 
はじめまして。ドシロウトです。今日メバエの仲間が交尾しているところを目撃しました。めずらしいかもしれないので投稿してみます。もし名前がわかるようなら教えてください。下のハンマーさんのとは別の種類のような気がするので、別スレッドにしました。
撮影日:2010年6月26日、撮影場所:東京都多摩市(多摩丘陵の公園)、体長:上13mm 下15mm。
以前見かけたときからずっと気になってましたが、あの突起はやっぱり交尾に使うんですね。


Re: メバエの仲間の交尾 投稿者:Hepota 投稿日:2010/06/26(Sat) 14:56:41 No.6385  引用 
背面です。

Re: メバエの仲間の交尾 投稿者:pakenya 投稿日:2010/06/30(Wed) 15:57:32 No.6390  引用 
Hepotaさん、こんにちは。
メバエも大好きなPakenyaです。
だれも書き込まないので・・・

この交尾中のメバエも、ムネグロメバエでいいと思います。
交尾中の写真は結構珍しいです。雌雄をじっくり見られるので貴重です。

複眼沿いの黒点は個体差があるようで、この写真のオスはかなり薄いですね。ですが、触角の比率1:2:1.5や額の皺、胸部、脚の色彩などからムネグロメバエだと思います。

Hepotaさんが気になっていた「あの突起」とは第4腹板の突起のことだと思いますが(過去スレNo.3473参照)、Hepotaさんの写真では後方に大きく突き出していて、交尾には使ってないようですね。この仲間は、Hostに抱きつくようにして産卵するようですので、Hostのハチの背板の間にこの突起を差し込むのではないかと想像しています(見たことないのですが・・)。

関東では5月から7月に見られるようで、イボタやネズミモチなどの花の周辺でHostの飛来を待っているようです。

Re: メバエの仲間の交尾 投稿者:Hepota 投稿日:2010/06/30(Wed) 23:12:40 No.6391  引用 
pakenyaさま、同定ありがとうございます。ムネグロメバエで良かったんですね。

私、大きな勘違いをしていたようで、上にいる♂の腹部にある太い突起が、♀の背面側から突き刺さっているように見えてました。つながっている部分は♀の腹部だったんですね。

ただ、先のハンマーさんのスレッドでリンクされていたサイトに、「巨大な腹部突起を持つオス」という表現があるので、その突起がはまっているんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/mezaseguiness/d/20070701

ちょっとブレてますが、結合部分のアップを貼ってみます。


Re: メバエの仲間の交尾 投稿者:pakenya 投稿日:2010/07/01(Thu) 09:44:15 No.6392  引用 
ゴトウヒラタさんは勘違いをしているようです。
メバエで腹面突起を持つのはメスです。

Hepotaさんの拡大写真では、下方の個体(♀)の左後方に延びているのが腹面突起です。

本種の場合、雌雄共に腹端が下方へ強く湾曲しており、Genitaliaは前向きです。このため、メスの腹部後半を大きく上へ反らせて接合させているんですね。
初めて知りました。

Re: メバエの仲間の交尾 投稿者: 投稿日:2010/07/01(Thu) 12:51:27 No.6393  引用 
pakenya様

無事帰って来られたようで何よりです。
どんな成果があったか楽しみです。

すごいハナアブやヨロイバエなどは採れましたでしょうか?

すみません。メバエとは関係のない話題でした^^;;

ケンセイ@仕事が立て込んできてなかなか八王子にも行けません

Re: メバエの仲間の交尾 投稿者:Hepota 投稿日:2010/07/01(Thu) 17:08:36 No.6395  引用 
pakenya様、ご教示ありがとうございました。そういうことでしたら納得です。
ということは、pakenyaさんの3473とハンマーさんの6381はともにメスということですね。
ホームページ直さないと…。

交尾後ガード? 投稿者:しぐま 投稿日:2010/06/27(Sun) 13:45:49 No.6387  引用 
こんにちは。またお世話になります。
横からしか撮れなかったんですけど、もし名前が分かるようでしたら教えて下さい。
♂は♀の背中に乗ったままじっとしており、実際の交尾は行わいませんでした。
そのまま飛んで逃げました。

6/26 里山の林道沿い 山形県飯豊町


Re: 投稿者:ハエ男 投稿日:2010/06/29(Tue) 17:30:04 No.6388  引用 
しぐまさん、すみません。

スパム投稿のチェックをしていたらあったので、復活表示の処理をしました。く

当BBSでは自動的に性的な表現がとされる語句あるとスパムと断定してはじくようになっています。今回はタイトルの「こうび」と裸を意味する「○ード」という部分が連動して引っかかったみたいですね。
昆虫学的には当たり前でも、一般のBBSではスパムと認識されてしまう語句がありますので、ご注意ください。

何回か投稿してだめなときはNGワードを疑っていただき表現を変えて投稿してみてください。

このスレッドは管理者パスをしっている方しか投稿できませんので、ご注意ください。(タイトルのRe〜〜ではじかれてしまいます。)

しぐまさんのおんぶしているハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2010/06/29(Tue) 18:27:09 No.6389  引用 
写真のおんぶ状態のハエはおそらくマルボシヒラタヤドリバエGymnosoma rotundatum (Linnaeus)でしょう。

カメムシ類に♀が産卵し、幼虫はこれに捕食寄生して成長します。捕食寄生の意味はお分かりかと思いますが、寄生して寄主を殺さないような(ヒトのカイチュウのような)寄生と異なり、ヤドリバエやヒメバチなどの捕食寄生者は、寄主に寄生して、寄主を内側から食べて(捕食して)しまうので、この摂食様式を捕食寄生と言っています。このような昆虫は英語でもparasiteではなくてparasitoidとして区別しています。

♂が交尾後も♀にしがみついている状態は双翅目でどの程度一般的なのか知りませんが、稀には他の科で観察できます。このような場合に♂は♀を他の♂に取られないために確保しているように思えます。

メバエの1種 投稿者:ハンマー 投稿日:2010/06/23(Wed) 21:43:01 No.6381  引用 
メバエの1種だと思いますが、写真で同定可能でしょうか?
体長は15mm弱だったと思います。
2010年6月20日、兵庫県加東市にて撮影。


Re: メバエの1種 投稿者:ハンマー 投稿日:2010/06/23(Wed) 21:44:17 No.6382  引用 
横からの写真です。

Re: メバエの1種 投稿者: 投稿日:2010/06/26(Sat) 14:33:55 No.6383  引用 
ハンマー様
メバエに興味があるケンセイです。

画像のメバエはムネグロメバエConops (Asiconops) opimusではないかと思われます。

ネットで画像がヒットしましたので以下にアドレスを示します。
http://blog.goo.ne.jp/mezaseguiness/d/20070701

なお、本種は島根レッドに選定されているので、島根レッドの文章を以下に示しておきます。

<島根レッドの記述>
体長はメスが12-18mm、オスが12-17mm。メバエ類のなかでは大型種である。個体の大小差は、寄主サイズに由来すると考えられる。全体が茶褐色を呈する。両複眼の内縁部には、それぞれ1個の黒点がある。最近の大社砂丘における調査によると、オオズグロメバエよりも早く出現し、活動期間は5月中旬から6月中旬であった。寄主は、ヒメハナラナガツチバチと推定される。寄主がよく訪花するハマヒルガオの花の周辺で待ち伏せが見られる。国内では、北海道、本州、四国、九州に分布する。国外では、中国・韓国からも分布が記録されている。

ちなみに本種は関東以北ではかなり珍しいと思います。私はまだ見たことがありません。

Re: メバエの1種 投稿者:ハンマー 投稿日:2010/06/27(Sun) 17:02:20 No.6386  引用 
ケンセイさん、どうもありがとうございます。
ご紹介いただいたサイトの写真と一致していると思います。
ムネグロメバエとして整理しておきます。

島根レッド記述にある両複眼の内縁部の黒点というのは、横からの写真にも写っていますが、これのことですよね。

ダニカの仲間 投稿者:くまじろう 投稿日:2010/06/21(Mon) 22:08:20 No.6380  引用 
撮った後で気が付いたのですが、ザトウムシの仲間の脚や体に
ダニカの仲間がとりついておりました。

同定依頼と言う訳ではありませんが、
興味深かったので貼っておきます。

Melangyna ではないかと・・・ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/07/10(Fri) 20:21:41 No.5699  引用 
こんにちは。

 昨年夏に埼玉の山地で採ったハナアブです。

 ヒメホソヒラタアブに似てると思いますが、分布からすると無理がありそうです。
 是非、何者かご教示いただきたく、お願い申しあげます。


Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:pakenya 投稿日:2009/07/13(Mon) 09:19:21 No.5702  引用 
バグリッチ様

師匠は遠征中なのでしょうか、書き込みがないので代わりに・・・

確かに腹部は細く、小楯板は暗色で、触角がオレンジ色で、山地に普通なモトドマリハラボソ/ミヤマムツモンホソではないようですね。

Melangyna属であることは間違いないと思います。
ヒメホソは、Meligramma亜属ですので、腹部背板第4・5節に縁取りがあるかないかを確認してください(はなあぶ9号P42のkey29参照)。

ヒメホソなら本州初かも!
秋の同定会に是非持ち込んでくださいね。

Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2009/07/18(Sat) 19:19:13 No.5730  引用 
pakenyaさま

 遅ればせながら、ご教示に御礼申し上げます。

> 腹部背板第4・5節に縁取りがあるかないかを確認してください(はなあぶ9号P42のkey29参照)。

 この縁取りと言うものが いまひとつよくわからないのです。あるような ないような・・・
 秋の同定会には 持っていくようにします。

 引き続きよろしくお願い申し上げます。

Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:pakenya 投稿日:2010/05/09(Sun) 17:00:47 No.6289  引用 
ずいぶん古いスレを引っ張り出して恐縮です。

今年の4/21に横浜の職場の隣の公園で私も採集しました。
バグリッチさんの個体より斑紋が大きくて明瞭ですが、同じ種と思われます。腹部の縁取りは確認しづらいようで認識できませんが、後脚基節の後方に剛毛群がないので、すんなりMeligrammaに行けました。

本州からの正式な記録は見当たらないようなので、バグリッチさんの記録と合わせてはなあぶに投稿したいと思います。


Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:pakenya 投稿日:2010/05/09(Sun) 17:05:17 No.6290  引用 
ゲニの側面図も付けます。

Hypandriumのlingulaが細長く、これははっきりした特長ではないでしょうか。


この春は、同じ場所でムツモンオビなど、なかなか面白いものが採れています。


Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2010/05/09(Sun) 22:24:22 No.6291  引用 
pakenyaさん、こんにちは。

 画像のMelangynaと思われる種は、私の持っている個体とよく似てます。(同じかどうかわかりませんが)

 標本は一つしかありませんが、送りましょうか?

Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:pakenya 投稿日:2010/05/11(Tue) 08:47:19 No.6292  引用 
バグリッチ様

発表するとなれば、標本を精査しなければと思いますので、お貸し願いたいと思っていました。

送り先は、はなあぶ誌に載せている職場のほうにお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2010/05/11(Tue) 21:22:32 No.6295  引用 
pakenya様

 了解しました。
 近く お送りします。

Re: Melangyna ではないかと・... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2010/06/19(Sat) 08:11:30 No.6379  引用 
pakenya様

 大変遅くなり申し訳ありませんが、本日発送しようとおもいます。
 はなあぶ28号のpakenya様の会社住所へ送ろうとして、伝票へ記入する電話番号をNTTに問い合わせましたが、確認できませんでした。
 移転していますでしょうか?

 よろしければ、私のHPの表紙 最後尾のmailアドレスへ 電話番号(または新たな送り先)を ご連絡いただけますと助かります。

 よろしくお願いいたします。

 おまけ画像は、昨年撮ったハマベニクバエの額嚢の様子です。テネラルがいくつもいたのでを捕まえたら、もがくたびに膨らんでいました。
※この画像 以前 アップしましたっけ?

ハエでしょうか? 投稿者:giga 投稿日:2010/06/14(Mon) 07:58:21 No.6373  引用 
突然素人の質問で失礼します。
葉の上で動き回っていたので、オオチョウバエのつもりで撮影したんですが、PCで開いて違うことが判りました。
ハエの仲間だと思うんですが、何でしょうか?


Re: ハエでしょうか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2010/06/14(Mon) 08:56:29 No.6374  引用 
写真の昆虫は半翅目(カメムシ目)のカイガラムシの仲間の♂の成虫です。おそらくワタフキカイガラムシ科のオオワラジカイガラムシの♂ではないかと思います。この仲間は♀が翅を欠き、寄主植物に口吻を刺したまま固着状態で、体表から蝋状ないし綿状の蝋物質を分泌して、体はこれで覆われていきます。♂も幼虫時代はこのような生活をしていますが、その後蛹化して有翅の成虫に羽化してきます(蛹化といっても、チョウや甲虫のような完全変態群の蛹とは異なります)。後翅が退化しているので双翅目のような外観をしめすので、しばしばこれと間違われます。

オオワラジカイガラムシは主にカシ、クヌギなどの樹幹、大枝などに寄生します。春から初夏にかけて成虫になります。♀成虫はほかのカイガラムシ類とは異なり、かなり移動性があります。

本種の生態の諸相については「福光村昆虫記」で、オオワラジカイガラムシと検索すれば、多数の画像が掲載されています。

Re: ハエでしょうか? 投稿者:giga 投稿日:2010/06/14(Mon) 09:33:19 No.6375  引用 
アノニモミイアさん、お早うございます。
早速の回答恐れ入ります。
福光村昆虫記・オオワラジカイガラムシで検索、まったく同じような画像を確認することが出来ました。
有難うございました。

アタマアブでしょうか 投稿者:pakenya 投稿日:2010/06/07(Mon) 15:25:54 No.6358  引用 
4/29に八王子市の滝山自然公園で採集した標本です。

びっしりと花をつけたグミ(ナツグミでしょうか)の枝下の空間で、ゆらゆらとホバリングしていました。

全長8.0mmもある大きなアブで、採集時にはミズアブかなって思って採りました。でも翅脈は全然違ってハナアブと似ています。科の検索ではアタマアブ科に行き着きます。ですが、ハネナガアタマアブなどと異なり、m脈が分枝しています。

これもアタマアブ科なのでしょうか?

ご存知の方がいらっしゃれば、是非ご教示願います。


Re: アタマアブでしょうか 投稿者:三枝豊平 投稿日:2010/06/07(Mon) 17:08:05 No.6359  引用 
この異型のアタマアブはNephrocerinae亜科のNephrocerus属の一種です。あなたが観察されたように、樹木の枝の下の空間でゆっくりとホバリングをしているのが観察されます。日本からMorakoteさんによって4種が記載されています。

Chalarinae亜科とは異なって、Pipunculinae亜科と同様に、単眼剛毛を欠き、後頭部が側面から観察されます。一方、複眼の後縁が中ほどで強くえぐられ、触角の第1鞭節は腎形で、下端はとがらず、中胸楯板の側部や小楯板に強い剛毛を生じている、などの点でPipunculinae亜科とは区別できます。腹部基部がしばしば淡色になります。

Re: アタマアブでしょうか 投稿者:三枝豊平 投稿日:2010/06/07(Mon) 18:17:37 No.6360  引用 
Morakoteさんの論文は以下の通りです:

Morakote, Rut, 1988. Four new species of Nephrocerus Zetterstedt (Diptera:Pipunculidae) from Japan. Esakia, (26):79-90.

もし、pdfが入手できなかったらご連絡ください。

あなたの写真から判断すると、触角第1鞭節も小楯板も鮮黄色ですので、N. spineus Morakoteの可能性がありますが、これは北海道標茶産の1雄で記載されたものです。ほかの小楯板が黄色の種はN. japonicus Morakoteがあります。これは第1鞭節が暗橙色となっています。N. japonicusは愛知県からの標本で記載されています。

4種ともにほとんど1頭の標本で記載されており、まだほかに種がある可能性が高いと思います。私も4既知種以外の種の標本を持っていますし、日本産の種については、私はMorakoteさんの論文しか知りませんので、ほかにも記録された種があるかもしれません。

Re: アタマアブでしょうか 投稿者:pakenya 投稿日:2010/06/08(Tue) 12:25:44 No.6367  引用 
三枝先生、ご教示ありがとうございます。

ご紹介の論文を早速DLして比べてみました。
属の特徴は全くそのとおりでした。
種の検索は、後脚転節下面にトゲを持たず、脛節端に強い剛毛の輪を持たないので、Nephrocerus japonicusに行き着くのですが、どうも記載内容とはしっくり来ない点があります。

触角第3節は鮮やかなオレンジ色で大きく、第2節の倍の長さと幅を持っています。Aristaの形状と色彩はjaponicusと同じです。
小楯板の後縁には3対の強剛毛を持ちますが、別の標本では2対です。
腹部第2節は第3節より若干長いですが、別の標本ではほぼ同じ長さです。
Genitaliaは、japonicusの特徴とほぼ一致します。

体色などの色彩には変異があると思われますし、Genitaliaが一致するならjaponicusと同定したいところですが、触角の形状が一致しないのは、近似の別種の可能性があると見るべきでしょうか。悩みます。

顔面の画像を添付します。


Re: アタマアブでしょうか 投稿者:三枝豊平 投稿日:2010/06/09(Wed) 23:38:16 No.6370  引用 
N. japonicusは♂1頭で記載されたもので、当然ある程度の個体変異があると思われます。触角の色彩にしても、標本の状態である程度の暗化はおこると思われます。

♂交尾器の構造に顕著な相違がない限り、あなたの同定の通りN. japonicusでいいのではと思います。Morakoteさんの図をみても、本属の♂交尾器にはかなり顕著な種間差が見られますので、今回の標本がjaponiusと別種であれば、交尾器にかなりの違いが生じていいはずだと思います。

Re: アタマアブでしょうか 投稿者:pakenya 投稿日:2010/06/10(Thu) 09:20:19 No.6371  引用 
三枝先生、コメントをありがとうございます。

記載に用いられた標本数は少なく、変異の幅がわかりませんから、Holotypeとの違う点が出る可能性はあると考えます。触角の色彩と形状以外は問題がないので、N. japonicusと同定しておくことにいたします。

東京都内初記録になります。

ありがとうございました。

双翅目談話会関東調査会 投稿者: 投稿日:2010/06/04(Fri) 22:29:59 No.6351  引用 
各位、どうもです。

明日、双翅目談話会の関東調査会を実施します。
場所は八王子市上川町今熊山周辺です。

参加者は最終的に10名になりました。
何か面白い奴が採れたら報告します。

ケンセイ@何が採れるかお楽しみです^^

Re: 双翅目談話会関東調査会 投稿者: 投稿日:2010/06/05(Sat) 22:23:30 No.6353  引用 
無事、双翅目談話会関東調査会終了しました。
調査に参加された皆様、お疲れ様でした。

結局昼過ぎに雨が降るとしていた天気予報が大はずれで
昼間は快晴、夕方にやっとぱらぱら降ってきましたが
調査には全く支障はありませんでした。

それで、成果はというと、いろいろ採れました。
ネグロクサアブ、トワダオオカ、クロベッコウハナアブ、ミドリバエ、ジョウザンマメヒラタアブ、カクモンアシブトハナアブ、クロナガハナアブモドキ、キンバエ類、ニクバエ類、イエバエ類、ガガンボ類、キノコバエ類、オドリバエ類、ミギワバエ類、マガリケムシヒキ、コムライシアブ、オオイシアブ、メバエ類などなどが主な成果です。この後、各自が同定を進めるので、その結果いろいろ面白い奴が判明する可能性があります。

ハエ目以外もいろいろ採れました。アカマダラセンチコガネ、ヤツボシツツハムシ、モモグロハナカミキリ、ハムシドロバチ類、ハバチ類、エグリグンバイ、マツムラグンバイ、ヒメグンバイ、コアカソグンバイ、オオメダカナガカメムシなどなどが主な顔ぶれです。

おそらく、八王子市未記録や東京都未記録の昆虫類がいくつか採れているように思われます。わずか1日ですが、虫屋が大勢で採集するとやはりいろいろな成果が出るものですね。

ケンセイ@個人的には東京都で初めて採ったオオメダカナガカメムシが嬉しかったです(ハエではない^^;;;)

Re: 双翅目談話会関東調査会 投稿者:バグリッチ 投稿日:2010/06/07(Mon) 22:45:18 No.6362  引用 
ケンセイさん、こんにちは。

 調査に参加できずに残念でした。
 かなりの成果があったとのことで、同定結果が楽しみですね。
 トワダオオカは採ったことありませんし、メバエも気になります。マツムラグンバイのホストは確認できましたでしょうか?

 こちらの調査もたくさん採れました。
 添付画像は 先日奥秩父で撮った Hilara sp.(コシアキタイプ)です。
 肉眼ではかくにんが難しいですが、前脚をバンザイのように上にあげて、中脚と後脚は水面に乗せて、水面を滑るように 独特の飛翔をしていました。
 かっこいいですね。

 ではまた。
 (フキのエグリグンバイはまたダメでした)
 

 
 


Re: 双翅目談話会関東調査会 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2010/06/08(Tue) 08:20:44 No.6365  引用 
バグリッチさん。見事なHilaraの写真を見せてもらいました。シャッター速度はどのくらいだったでしょうか。おそらくH. neglectaと思います。Hilaraの仲間が求愛餌を求めて水面を飛翔(滑空走?)していますが、肉眼でみるだけでは細部がわかりません。とくに脚が水面についているのかどうかは正確にはわかりませんでした。あなたの写真ではどうやら水面に中、後脚の付節を付けているようですね。

前脚を振り上げて、いつでも餌に襲いかかれる姿勢になっているのは、水面滑空速度の遅いH. (Ochtherohilara) mantis類似種だけで観察したことがあります。

Re: 双翅目談話会関東調査会 投稿者: 投稿日:2010/06/08(Tue) 13:53:16 No.6368  引用 
パグリッチ様、レスありがとうございます。

>かなりの成果があったとのことで、同定結果が楽しみですね。

かなりの八王子市や東京都未記録種が得られたと思われます。
もっともギブアップ種も多いのでどこまで種に落とせるかは?ですが・・・

>マツムラグンバイのホストは確認できましたでしょうか?

八王子市史で異翅亜目を担当する予定のO氏とグンバイムシレースを行っており、いつも何グンバイを採集したのか張り合っています^^それで、マツムラグンバイですが、4月の今熊山調査で私が1個体、今回O氏が1個体採集していますが、ホストについてはミズキなのかな?といった程度ではっきり認識はしていません。広葉樹のスウィーピングしていたら入っていたという状況です。

>ではまた。
 (フキのエグリグンバイはまたダメでした)

今回も適当にフキの葉をめくったらぼちぼち見つかりました。
決してたくさんはついていませんが、多摩地区周辺では普通に
見つけることができると思います。

Re: 双翅目談話会関東調査会 投稿者:バグリッチ 投稿日:2010/06/08(Tue) 22:12:03 No.6369  引用 
こんにちは。
まとめレスで失礼します。

 アノニモミイア様
 Hilaraの写真は、コンパクトなデジカメで撮っていますためシャッター速度ははっきりわかりませんが、フラッシュで動きを止めるようにして撮っています。
 とても速いので、動きを予測して、事前にピントを合わせておき、飛翔ルートとタイミングを予測して シャッターを押しました。
 他にも同じようなカットが撮れましたが、中脚・後脚のふ節は水面に付いていました。
 撮ってみて初めて分かったポーズでした。
 
 画像の種は、本日 北隆館の検索で同定してみましたところ、ご指摘の通り H. neglectaでした。
 同日に H.melanogyneも採れましたが、この種はもっと高いところを飛んでいました。

 Hilaraではありませんが、6/5奥秩父にて 添付画像のようなカマを持ったオドリバエが8頭ほど採れました。
 三枝先生のオドリバエ科の絵解き検索によると、未記載属(Phyllodromyiaの近似)に行き着きますが、既に 属名は決まっているようでしたら ご教示いただきたく お願い申しあげます。

ケンセイ様
 ミズキの可能性あり ですね。
 是非採ってみたいグンバイです。
 メバエが分かりましたら 是非アップしてください。
 
 
 

翅に黒い紋 投稿者:ryoi 投稿日:2010/06/08(Tue) 05:58:24 No.6363 ホームページ  引用 
鶴見川の河岸で植物を撮って居る時に見つけました。
シリアゲのようなお尻が気になるのですが、ハエですよね。
ハエだとすればずいぶん変わった色彩だと思うのですが。


Re: 翅に黒い紋 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2010/06/08(Tue) 08:03:22 No.6364  引用 
あなたが撮影した昆虫は、ハエ、カ、アブなどの分類される双翅目(ハエ目)の中のアブ類(直縫短角類)に属するシギアブ科の一種です。シギアブは、鳥のシギ(鴫、鷸)のように長い脚をもっていることに由来した名前です。シギアブ科の中でもキアシキンシギアブなどが含まれるChrysopilus属(ギリシャ語由来のchryso金+pilus毛)キンシギアブ属の一種です。

この仲間は幼虫が地中や朽木の中に棲んでいて、ほかの昆虫などを捕食します。成虫になると多くの種は餌を摂らないようですが、ごく少数の者はアブ科とおなじように吸血します。

アブも含めてハエ類も、あなたが撮影したシギアブと同じようにあるいはそれ以上に体の形、体や翅の色彩や斑紋、体に生えている毛、脚の形など多様なものです。双翅目は体が小さくあまり目立たないので一般に方々は気付かないのですが、甲虫類や蝶蛾よりも多様な昆虫の仲間です。

Re: 翅に黒い紋 投稿者:ryoi 投稿日:2010/06/08(Tue) 09:28:05 No.6366 ホームページ  引用 
アノニモミアさん、丁寧に説明して下さりありがとうございます。
シギアブの存在を初めて知りました。
また成虫になると餌を摂らない種が多い、とか非常に興味を持ちました。
ありがとうございました。

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