![]() 野外でベッコウバエの性別を簡単に見分ける方法を知りたいのですが、ご存知でしたら教えて下さい。 多くのハエやアブとは異なり、素人目には複眼の発達具合に性差が見られない気がしています。 晩秋に獣糞の近くでベッコウバエが翅を広げる思わせぶりな行動を繰り返し観察しました。 普通種なので実はよく知られた行動なのかもしれませんが、興味のある方は拙ブログにて動画をご覧下さい。 ♂が配偶相手に対して行う求愛誇示ではないかという印象を受けたものの、性別が分からないのでその解釈に悩んでいます。 よろしくお願いします。
しぐま様.
手元の標本を見てみると,雄は腹部が黄褐色で同色の長毛を装っているのに対して,雌は腹部が暗褐〜黒色で黒色毛を装うという違いがあるようです.
茨城@市毛さま
ご教示ありがとうございます。 今後の観察で非常に助かります! ベッコウバエの誇示行動に興味を持ったので、次は採集して性別を確認してから飼育下で配偶行動を観察してみようかと思います。 YouTubeへのリンクは貼れるのかな? http://www.youtube.com/watch?v=R9Rk7WH86xY |
しぐま様.
恐らく,Ectophasia crassipennisナカグロヒラタヤドリバエの暗色型だと思います.
いつもご指導ありがとうございます。
正体が分かって嬉しいです。 カメムシに寄生するヤドリバエのようですね。 ナカグロヒラタハナバエという別名でも呼ばれているんですか? 過去ログでも見つけました。 http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=4641 |
![]() よろしくお願いいたします。 HM ![]() 採集場所 静岡県裾野市 標高約200メートル 体長 約3ミリ 採集日 平成26年2月7日
写真のハエはハモグリバエ科Agromyzidaeの1種です.画像だけからでは同定は困難ですが,スイカズラにも寄生するハモグリバエがあります.少なくともスイカヅラハモグリバエChromatomyia suikazurae Sasakawaという種があり,これはLoniceraの各種に潜葉します.本種は新訂原色昆虫図鑑第3巻361ページや幼虫などは北隆館の日本幼虫図鑑の679ページにNapomyza xylostei Kaltenbach の学名で解説されています.
ハモグリバエ科は一般に雌が葉の組織内に1個産卵し,孵化した幼虫,要するに蛆は葉の葉肉内に坑道を作りながら葉の表皮だけを残して葉肉の組織を摂食します.十分に摂食して老熟すると,葉から離れて地上で蛹化するものや,スイカヅラハモグリバエやセンニンソウハモグリバエなどのように潜葉痕の最後の部分で蛹化します.蛹化と言ってもハモグリバエ科のようなハエの仲間は幼虫の皮膚が一般に俵型に変形して囲蛹殻にかわり,その中に蛹の本体が形成されます.そして羽化するときには成虫が頭部の前端を膨らませてその力で囲蛹殻の前部をあたかもマンホールの蓋をあけるように押し開いて脱出してきます.上記のハモグリバエの場合には葉の表皮の直下で蛹化するので,その部分の表皮を押し開けるようにして羽化してきます. 今回の場合は,おそらくスイカズラの葉に白っぽい細い曲線を引いたような模様が見えるかと思います.これが幼虫が摂食しながら穿孔したあとの潜葉痕で,その先によく注意すれば中に囲蛹殻が見えて,その部分の葉の表皮がごく小さく破れているはずです.この破れ目がハエが脱出した穴です. なお,最初の画像が雌,2番目の個体が雄です.腹端部の形状は雌雄で異なり,雌の腹端は強く骨化した細い円筒状になっていて,この部分の内側に産卵用の腹端部があり,ここで葉に傷をつけて産卵やまた種によってはそこから染み出る葉の汁を舐めたりします.雄の腹端部のくびれの先についているのが雄の外部生殖器,すなわち交尾器です.
アノニモミイア様
たいへん詳しい解説をありがとうございました。 翅脈からハモグリバエではないのではないかと勝手に判断していました。穿孔のあとも見つけることができませんでした。 以前にハモグリバエの幼虫を観察したことはあり、囲蛹殻も探したのですが、見つかりませんでした。 http://www.youtube.com/watch?v=ysOZ-2SAgVA 探し方が悪かったようです。今日も続けて3匹目が羽化しました。囲蛹殻探しをこのあともう一度してみようと思います。 ハモグリバエの生態や雌雄の別など、たいへん勉強になりました。 今後ともご指導よろしくお願いいたします。 HM |
ご無沙汰しております。
シマバエ科を調べてみようと標本を一箱に集めてみたのですが、文献が散発的でなかなか種が決定できません。 その過程でネット上の文献を見つけたので貼っておきます。 http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010813734 これで兵庫県が1種増。 ついでに東京のTKM未記録種もひとつ。
Arge様、御無沙汰してます。東京都の記録をご紹介いただきありがとうございます。こういう文献はなかなか気づかないので助かります。
Okadome, T.,2011,Genus Itomyia and a new species from Japan (Diptera, Lauxaniidae), Scientific reports of the Faculty of Agriculture, Meijo University,(47):1-4 東京からはItomyia atrifronsという種が記録されました。 東京都本土部の双翅目は現在1454種で埼玉県昆虫誌を越えました。(昆虫全体で10087種) 今後ともご協力をお願いいたします。 |
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