肉食トビケラ幼虫のお腹からユスリカ幼虫の前胸らしきものが見つかりました。そこに生息するユスリカはテンマクエリユスリカ属(Eukiefferiella sp.エリユスリカ亜科)とハモンユスリカ属(Polypedilum sp.ユスリカ亜科)の2種だけのようです。そのどちらか又は両方に前胸はありますか。外側でなくても体内にある場合でもいいです。教えてください。
門外漢ですが,質問の意味が分かりにくいです.ユスリカ科の幼虫には,中胸や後胸と同じようによく発達した前胸があります.また質問では,「外側でなくても体内にある場合でもいいです」とありますが,前胸が体内にある,ということは意味不明です.もちろん前胸の皮膚の内側は体腔で,そこには血液とともに消化管の部分とかは走っているし,筋肉もあるでしょう.しかし前胸が「外側でなくても体内にある場合」ということは意味をなしません.
ユスリカの幼虫の前胸にはproleg(偽脚)はありますが,頭部のような骨化(いわゆるキチン化)した部分は前胸には見られないのかと思います.もう一度,何を質問されるかお考え下さい.
質問の内容が的を射ておらず、意味不明で失礼しました。前胸のキチン(硬片)があるかということです。というのは、エリユスリカ亜科のクビワユスリカやテンマクエリユスリカ属の1種Eukiefferiella endobryoniaの幼虫で一部のユスリカにはその存在が明らかになっているため、トビケラの腹の中から出てきた前胸キチンの存在から食べているものを特定できると思ったからです。
青谷 様
クビワユスリカNanocladius (Plecopteracoluthus) asiaticusの幼虫の前胸には硬化片はありません。 |
大表章二 様.
少なくとも,アオメアブでは有りません. 最も新しい,北隆館の新訂 原色昆虫大図鑑 第III巻も参考に調べて下さい.アオメアブは北海道を除くと書いてありますので. 翅脈がよく見えないのですが,Eutolmus brevistylus (Coquillett, 1898)チャイロムシヒキの♀に見えます.
茨城@市毛様
探してみたのですが、翅脈がはっきり写っている写真は未撮影でした。とりあえずは、ムシヒキアブ科の一種としておき、後日、詳しく調べてみようと思います。 ありがとうございました。 |
セダカコガシラアブで合っています.
茨城@市毛様
同定いただきありがとうございます。 |
Tabanus chrysurus Loew, 1858アカウシアブで合っていると思います.
茨城@市毛様
アカウシアブとヤマトアブの同定をありがとうございます。 今後ともよろしくお願いします。 |
同定通りです.雌です.
三枝豊平様
同定いただき、ありがとうございます。 今後ともよろしくお願いします。 |
No. 10426で触れたように,Planempis亜属には典型的なPlanempisの他に,そのような交尾器に進化する段階より分化の程度の低い,あるいは分化の方向性が異なる多くの種群があります.また,一部にはR4脈を失って,検索するとRhamphomyiaに行きつく種群もあります.今回の種はRhamphomyia型の脈相のPlanempisの1群の1種です.この群は,市毛さんが書かれているように,胸部や腹部の刺毛が極めて短く,しばしば淡色(市毛さんが表現されているように銀色にも見える)で,一般的に雄後頭部側面や胸部のnotopleuronの縁の刺毛が鱗型(pennate setae)になり,また雌の脚にもpennate bristlesを生じます.この群は北海道から九州まで少なくとも6種(いずれも未記載)から構成されています.今回の種がこれらのいずれかに相当するか,あるいは別種かは,写真だけでは判定しがたいです.比較のために適当な機会に拝借できればありがたいです.
この群に交尾器が類似して,R4脈があり,後腿節が肥大して,腹面に強い棘を生じる1群があります(同様に棘を生じるmicrotheca群とは異なる).雄交尾器の形状は上記の群によく似ています.またE. (Planempis) luteipilosa群も交尾器の形状が上記2群に類似しています.
三枝様.
R4脈を欠いたEmpis(Planempis)属の1種ですか,奥深いものです. そういえば,日本産水生昆虫の検索第2版で出てきた,同じようにR4脈を欠くHilara(Pseudorhamphomyia)も驚きでした. 標本は後日,Rh. deformipesと一緒に送らせていただきます. ありがとうございました.
市毛様.標本の件有難うございます.到着したら検鏡してみます.なお,EmpisとRhamphomyiaの関係のワード文書(14.8kB)を添付したら,アップロードできません,とのことでした.
ながくてもいいのなら,コメントとして入れてもいいのですが.
三枝 様.
ワードの文書がアップロード出来ない件ですが,古い掲示板のためWord 97-2003形式までしか対応していないようです. ワード文書のファイルの種類を「Word 97-2003文書(*.doc)」として保存し直してみてください. 後日,docxのままで投稿できるよう修正したいと思います.
三枝様.
大変詳しい説明ありがとうございます. Vockerothempisの論文にも,Rhamphobyia分類の困難として解説されてましたね.長文の英語であまり理解できてなかったので,大変勉強になりました. 今後とも宜しくお願いします. |
Tabanus rufulens (Bigot, 1887)ヤマトアブで合っていると思います.
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大表章二 様.
これは,Penthetria japonica Wiedemann, 1830 ヒメセアカケバエで合ってます.
茨城@市毛様
同定いただき、ありがとうございました。 |
画像の種は,Rhamphomyia (Pararhamphomyia) deformipes Saigusa, 1963 ヒザゲヒメオドリバエです.本種は北海道(札幌)のタイプシリーズ(4♂)で記載されましたが,その後,乗鞍岳(?)(2♂),九州の阿蘇(1♂)などでごく少数の個体が採集されている稀な種です.雌は未知です.分布がかなり局地的ですが,おそらく場所と発生期があった場合に群飛を見つければ数が採集できると思います.市毛さんがどのような状況で採集されたか存じませんが,ぜひ記録しておいてください.本州からの確実な記録になります.もし,余分の標本がありましたら恵与いただけるとありがたいです.
三枝 様.
deformipesの原記載に脚と交尾器の図が載っていたのに気づきませんでした. 還暦間近になってから,うっかりが多くて困ってます. ちょうど発生時期なので,追加個体を狙ってみます. ありがとうございました. |
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