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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:23:34 No.4139  引用 
これも,8月に茨城県北部の山間部(標高800m程)の薄暗い沢沿いで採集した,体長9mm程のガガンボです.

北隆館の大図鑑を見ると,オオキマダラガガンボに該当するのではないかと思います.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:24:19 No.4140  引用 
オオキマダラガガンボと思われる個体の交尾器です.

Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:31:50 No.4141  引用 
これも,7月下旬に栃木県境の八溝山中腹(標高800m程)の沢沿いで採集した,体長8mm程のキマダラガガンボの1種と思われます.

前種に比べ翅の暗色部が多く,中胸背の前半が赤褐色です.
恐らく,北隆館の大図鑑に載っている,キマダラガガンボEpiphragma (Epiphragma) trichomeraに該当するのではないかと思います.

こちらは,Alexanderの原記載に交尾器が載っていますが,同属のsubfascipennisとsubinsignisの原記載を持っていないので,違いが判りません.

よろしくお願い致します.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 10:32:54 No.4142  引用 
キマダラガガンボと思われる後者の交尾器です.

よろしくお願い致します.


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/01/02(Wed) 22:27:51 No.4153  引用 
市毛様、皆さん、今年も宜しくお願い致します。

 実は私もガガンボの画像をいくつか準備していてこれから少しずつ聞こうかと思っていました。
 市毛さんのオオキマダラガガンボの画像にそっくりな画像もちょうどありましたので、併せて見てもらえたらありがたいです。
 翅の模様はピッタリに見えますがいかがでしょうか?
 ご教示いただけましたら ありがたいです。
 宜しくお願い申し上げます。


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/05(Sat) 00:04:05 No.4159  引用 
達磨です。
Epiphragmaの和名はちょっと混乱しています。
解説すると、もともとは(江崎、日本昆虫図鑑(北隆館)や昆虫界などでは)E. subinsignisをキマダラヒメガガンボ、E. subfascipennisをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいたのが、後の(北隆館)原色昆虫大図鑑IIIでは、E. trichomeraをキマダラヒメガガンボ、E. evanescensをオオキマダラヒメガガンボと呼んでいます。九州大学でまとめた日本産昆虫総目録では後者の呼び方を採用しています。なぜこんな面倒なことが起こったのかは分かりません。
日本のEpiphragmaにはこの4種のほか、北海道にE. ocellare(ロシアと共通種、未発表)、奄美、沖縄、石垣にそれぞれ別と思しき種(ちゃんと調べていません)などが容易に区別されるので、少なくとも10種程度はいるものと推察されます。本土のものもちゃんと見ていないので、かなりいい加減な推測です。
添付したのは九大の標本箱に合った命名者C.P.Alexanderによって同定された3種の翅の図です。覚え書き程度に描きとめたラフな図なので、脈の長さなどのバランスはいい加減ですが、模様の特徴はつかめると思います。個体変異が大きいのでその点もご注意。
これに照らし合わせると、最初のオオキマダラではないかというのがE. evanescens、キマダラではとお尋ねのものが、E. subinsignisでしょう。


Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/05(Sat) 18:55:31 No.4162  引用 
達磨様,ありがとうございました.
これで,多少Epiphragmaが判るようになりました.

和名についても解説して頂きありがとうございました.
確かに,江崎氏により日本昆虫図鑑(1932, 北隆館)でE. subinsignisやE. subfascipennisに新称として和名が付けられ,1950年版の改訂版に引き継がれましたが,高橋氏が執筆した原色昆虫大図鑑III(1965, 北隆館)で別種の和名に変わってしまっていますね.

時折このようなことがあるので,和名と学名は併記しないと怖いですね.ハナアブ科の場合も,同様なことが起きている種類があり,悩んだことがありました.

ありがとうございました.

Re: 正月はガガンボ三昧? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/05(Sat) 23:24:00 No.4164  引用 
市毛さんが朽木性双翅類に関心をお持ちなので,横から飛び入りで.Epiphragamaの幼虫も水辺の朽木中に生息していて,しばしばかなりの個体が朽木から羽化してきます.前胸呼吸突起がやや湾曲してその先端が鋭く尖っているので,クチキカなどの脱皮殻から区別できます.

はじめまして、よろしくお願いし... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 17:57:42 No.4145  引用 
はじめまして。mushizukiと申します。

写真の虫のことが知りたくて、どの掲示板にお尋ねすればよいものやら迷っていました。こちらでハエのことを扱っているのを知り、投稿させていただきました。(写真の虫がハエの仲間でなかったら済みません)

この虫は何というハエなのか教えていただけますでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

(自分は最初、この虫をイトトンボだと思っていました)


Re: 無題 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 18:01:29 No.4146  引用 
情報の追加があります。

この虫は蚊のようなものを直接捕らえて食べていました。
見つけたのは茨城県の小美玉市(旧美野里町)です。池の近くにある竹薮のなかを飛んでいました。撮影したのは昨年の6月下旬です。大きさは12〜13ミリだったように記憶しています。

どうぞよろしくお願いいたします。


Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/01/02(Wed) 18:20:04 No.4147  引用 
ようこそmushizukiさん>

画像ではちょっと種までの識別はは難しいそうな気がします。
とりあえず、ムシヒキアブ科のホソムシヒキ(Leptogaster)属の一種であろうと思われます。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:39:27 No.4151  引用 
ハエ男さん、こんばんは。新年早々お返事いただきありがとうございます。

さっそく「ホソムシヒキ」で検索してみました。似た虫の画像が出てきたので、その仲間であることが予想できました。種名までわかればスッキリするのですが、素人なのでホソムシヒキという名前が分かっただけで十分です。ありがとうございます。

身の周りにはこんな虫もいるんだぁ…と分かるだけでも楽しいです。また質問させていただくことがあるかもしれません。そのときは、どうぞよろしくお願いいたします。

余談ですが、野山を歩いているとたくさん見知らぬハエを見ます。かなり気になっているのですが、こちらでは「このハエはなに?」といったレベルの質問も受け付けていただけるのでしょうか? ハエに関するお尋ねができる掲示板は無いに等しいので、こちらで教えていただけるととても嬉しいです。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/01/03(Thu) 16:07:29 No.4155  引用 
mushizukiさん>わからないことがあれば遠慮なく質問を投稿してください。わかる範囲でお答えしたいと思います。

ただ、双翅(ハエ)目は種類数が大変多く、外見では区別できずに解剖して♂交尾器を見ないと種名がわからない場合も大変多いのです。また生き生きした画像と同定可能な画像というのは別物で、見るべき場所が写っていないと、どんな専門家でも同定ができませんので、画像同定の質問の場合は出来るだけ多くのアングルからの撮影された画像を入れて入れていただき、また撮影日時、場所などの撮影データ、撮影されたときの状況や生息環境の情報をわかる範囲で、書き込んでいただけると調べる側としましてはありがたいです。

Re: はじめまして、よろしくお願... 投稿者:mushizuki 投稿日:2008/01/05(Sat) 17:56:47 No.4161  引用 
ハエ男さん、こんばんは。

質問投稿の件、ありがとうございます。またお世話になることがあると思います。そのときはどうぞよろしくお願いいたします。

描画用微小材料のアングル固定 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 15:23:10 No.4144  引用 
二つ目,描画の方法です.交尾器などを顕微鏡下でスケッチする場合に方眼ミクロメーターを使って方眼紙に描いていきます.その際にエタノールのシャーレに入れて観察するのが像としてはいいのですが,難しい構造の場合には描画に時間がかかり,時間につれて蒸発して液面が下がって像が視野の中で動きます.水やグリセリンはその心配が少ないか全くないので,私は最近グリセリンを使っています(難点は埃が液面に浮くことです.エタノールでは沈みます;中性洗剤を少量入れると解決するかもしれません).それでも交尾器を期待するアングル(真横とか左右対称の背面とか)に保つのはなかなかうまくいきません.従来は脱脂綿やガーゼをシャーレの底に敷いて,その繊維に材料を絡ませて動かないようにしていましたが,微小な材料の場合は繊維のほうが太すぎて繊維の間に沈んでしまったりしてうまくありません.一時は眼鏡拭き用の超極微細繊維の布を切って繊維を毛羽立てて使っていましたが,あまり感心しません.最近到達したのは,やはり超微細繊維ですが,布ではなくて薄い紙状(?)にしたクロス素材です.これを適当な大きさに切って,尖ったピンセットの先などで繊維をほぐして毛羽立て,これをシャーレの底に動かないように敷いたペフ板に微針などで固定しておきます.これにグリセリンを満たして,グリセリン保存の交尾器などをこの素材の繊維に絡ませると驚くほど安定が良くて,微小な交尾器などでも全く動かないでアングルを保てます.安心して描画が出来るので大変便利です.この素材はたまたま携帯クリーナーとして町角で配布されていたのを用いた結果です.素材が入手できたら是非試みることをお薦めします.描画に限らず写真撮影でももちろん使えます.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:20:54 No.4149  引用 
アノニモミイア様.

私も交尾器の固定には苦労しました.
色々と試行錯誤を重ねた結果,現在はグリセリンゼリー(glycerin jelly)を使用しています.

ホールスライドグラスに,数種類の隙間でカバーガラスを掛けたセットをあらかじめ用意しておき,目的の交尾器よりやや大きめの隙間のセットを少し暖めて交尾器を滑り込ませ,実体顕微鏡下で交尾器の角度を調整しながら冷やした後,描画や撮影をしています.
(ある程度調整した後,きれいに拭いた鉄板などの上に載せてやると早く固定出来ます)

また,このカバーガラスとの隙間を左右で異なるように設定しておくと,殆ど変形させずにカバーガラス直下に交尾器をセット出来ますので,400倍での検鏡もある程度可能です.(私は,Bioquipのプラスチックスペーサーを使用して,1.0-0.75, 0.75-0.5, 0.5-0.25, 0.25-0等の隙間のセットを作ってスライドグラスボックスに保管してます.)

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:ウミユスリカ 投稿日:2008/01/02(Wed) 22:25:06 No.4152  引用 
アノニモミイア様、市毛様

貴重なテクニック情報ありがとうございます。

実は、私も最近グリセリンゼリーを試みてみようと思っていたところでした。私の場合、ハエの幼虫をアルカリで処理して、さまざまな方向から観察するのに際して、特に終気門の形質を幼虫を倒立させて観察するのに、粘性の高い媒体がよさそうだと思ってグリセリンゼリーを考え始めていたのです。

なお、私の古巣の海洋生物の分野ですと、二枚貝の浮遊幼生時代の貝殻をグリセリンゼリーの中に保持して保存・観察を行います。

節足動物分野ですと、昆虫では市毛様以外にグリセリンゼリーを使っておられる方を寡聞にして知らないのですが、ミズダニの標本では通常の封入剤が適せず、グリセリンゼリーで永久プレパラートを作るのが通例です。

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/03(Thu) 06:13:45 No.4154  引用 
市毛さん,グリセリンジェリーの方法,有難うございました.試みてみたいと思います.実体顕微鏡で観察する限りでは,私が示した方法は簡便で,どなたでも容易に入手できるとは思いますが,グリセリンジェリーの方法は光学顕微鏡(透過光の一般的な)での観察の際の材料固定には非常に有効だと推察します.ネットでみると花粉のマウントにはグリセリンジェリーが一般的に使われているようですね.それで二つ質問です.宜しくお願いします.

1.グリセリンジェリーとは何ですか.またその入手方法は.
2.あなたの記述の3番目のパラグラフの部分をより具体的に分りやすく説明してください.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/03(Thu) 22:21:25 No.4156  引用 
1.
 グリセリンゼリーは,市販の家庭用粉末ゼラチンを水に溶かしたものにグリセリン を加えたものです.
防腐剤としてフェノールを少し加えています.

下記HPの,11.グリセリン・ゼラチンの一番上の方法で作っています.
http://www2u.biglobe.ne.jp/~gen-yu/recipe.html#B10

ろ過がうまく出来なかったので,繊維状の異物が多少混じっていますが,あまり気にせずに使用してます.

2.
 3番目のパラグラフの部分は,"左右で異なる"ではなく"手前と奥側とで異なる"でした.

 図のようにスライドグラスとカバーガラスの間に入れるスペーサーを,意図的に手前と奥側の高さを違えたものを用意しておくということです.
しかし,これはユーパラルで固定していた時代の名残で,グリセリンゼリーだと非常に短時間で硬化するので,硬化中に交尾器があまり動かないので必要ないようです.

以前は,ユーパラルで硬化中に交尾器が動いてしまう時に,カバーガラスの高さを違えたものに変えてみると,手前と奥とでホールの傾斜等が異なるためか,何箇所か位置をずらしてみると上手く固定できることが何度もあったので,習慣的に使っていました.

当然,カバーガラス直下に交尾器が位置するように固定出来ますので,作動距離の短い40倍の対物レンズでも交尾器の広い範囲を観察できます.
(通常の40倍対物レンズは作動距離が0.65mm程ですので,交尾器の上側から約0.48mmの位置までが観察可能)

上手く固定出来るなら,このようなおかしなものは必要ないようです.


Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/04(Fri) 16:00:12 No.4157  引用 
市毛様,詳細なご説明有難うございました.実際に使ってみればわかることも多々あるかと思いますので,先ずは試みてみます.それにしても,ご紹介いただいたサイトには多様な封入方法が説明されていて,いずれも参考になります.水あめ法というのもあって,これについては以前に私もハチミツに封入したらどうか,などと考えたことがあるので,納得です.

生物顕微鏡での描画については,安定した角度のものをデジカメで撮影して,この画像をもとにして外形などアウトラインを描いて,それからじっくり細部を観察しながら記入していく,という方法をとっていました.ホールスライドの底面の傾斜とカバーグラスの間隔を適宜利用して,最善のアングルをとるようにしても,どうしても10分,20分とたつと動いてしまうので,上記のようにしていました.

今回の方法ですと,最善なアングルの状態でグリセリンジェリーをどのようにして冷やし,固めるかにテクニックが必要かなと想像しています.

Re: 描画用微小材料のアングル固... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/04(Fri) 18:47:05 No.4158  引用 
ウミユスリカ様.

確かに,日本では昆虫などの固定にグリセリンゼリーを使用している例は聞いたことがなく,この方法にたどり着くまで色々と試行錯誤しました.

海外のMicroscope-UK等を見ると,結構使われているようです.
http://www.microscopy-uk.org.uk/mag/artaug03/wdpart4.html


アノニモミイア様.

グリセリンゼリーを使うようになってからは,描画中に交尾器が動いてしまうことはかなり減りました.

しかし,夏場は室温が高いためか冷却不足となって動く頻度が上がりますので,アイスノンにタオルを巻いた物の上に乗せて十分冷やしてから描画するようにしてました.

また,半ば固まった状態でも多少動かせる場合が多いので,これを利用して微妙な角度を調整する場合もあります.調整後に急冷する必要がある場合があります.

一度,描画を中断して翌日に続きを描いたこともありますが,あまり問題なく描けたような気がします.

KOH処理 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 12:23:08 No.4143  引用 
新しい年が始まりましたが,旧年より少しはましな年になってもらいたいという思いで元旦を迎えました.旧年はこの掲示板で双翅目について多くの未知の知見をみなさんから学ぶことが出来まして,感謝しています.昨暮まで北隆館の大図鑑第3巻改訂にほぼ半年を費やし,現在は東海大出版の日本産水生昆虫の改訂に忙殺されています.それでパグリッチさんのEpicyptaなどへのレスなどもできないでいます.しかし忙中閑ありで,テクニックの一つ.

以前たしか市毛さんから色の黒い交尾器などの脱色法についての問合せにお答えしたと思います.これとの関連で.私は交尾器のKOH処理は次ぎのようにしています.図はバイオ関係で使うスチロールの容器です.これは24穴のものですが,他にもいろいろの穴のサイズがあります.これと,20×30×15cmくらいのアイスクリームなどの輸送に使う発泡スチロール保冷容器です.穴に深さ1ccほど15%KOHをいれてそれに処理すべき交尾器や虫本体をいれて蓋をします.初めにKOH溶液をいれておいてから虫などをいれます.逆にすると静電気で交尾器など小さいものははね飛ばされることがあります.沸騰した熱湯を保冷容器に半分ほどいれて,これに前記したKOH処理用のスチロール処理具を浮かせます.ふたをして通常は10分でKOH処理が完了します.この方法ですと火の心配はないし,沸騰・湯煎処理での毛の変形もないし,しかも多数を間違えることなく(もちろん注意が必要ですが)処理できます.難点は沸騰したビーカーなどの湯煎に比べると急激に処理が行われないのでKOHによる筋肉の軟化膨大で骨化部が破損することがあるのと,材料内の気泡が抜けにくい点です(これは沸騰湯煎でもある程度おこりますが).この方法であと30分から1時間処理を続けると暗く着色して構造が分りにくいものでもかなりの脱色が行われます.数時間も処理するとすっかり色がなくなることがあるので要注意です.色がなくなりすぎて構造が逆に分りにくい時にはデラフィールドヘマトキシリンで着色すると骨化部が鮮明な青に染められます(染め過ぎたら10%くらいの酢酸で退色(弁色)可能です).

KOH処理が終わったら,シャーレなどの水中である程度汚れやKOHを洗い流し,同じタイプの容器に水を入れておいて,同じ位置の穴に移します.10-20分ほどしてから,3番目の容器の水に移し,これに10%くらいの酢酸溶液(酢でもいい)を一滴おとしてKOHの中和をします(これをしっかりやらないと数年するうちに材料は退色が進んで無色透明になる).次に第4の容器に水を入れてこれで酸を洗い流し,第5の容器に80%くらいのグリセリンをいれておいて,これに移してすべての処理が完了.後は観察するのみです.

6個以内の材料ですと,1個の容器に4列6個の穴があるので,上からKOH,水,酢酸溶液,水の順に入れておけば後は別の容器のグリセリンに移せます.4個以内なら左側をKOHにすれば,グリセリンまで1個の容器で処理できます.このスチロール容器は観察が終わった材料のグリセリン中での保存にも適しています.

KOH処理用のスチロール容器は理科器具店から何人かで纏めて買えば安いものです.


Re: KOH処理 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/02(Wed) 20:54:03 No.4148  引用 
アノニモミイア様,今年もよろしくお願い致します.

恐らく,セルカルチャープレートと呼ばれる容器と同じかと思われます.
確かに,一度にたくさんの交尾器を処理出来,便利そうですね.

Re: KOH処理 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/01/02(Wed) 21:25:02 No.4150  引用 
市毛さんの言うとおりセルカルチャー用のプレートです.私はデンマークのNUNCtm社の24穴(カタログNO.143982)と12穴(カタログNo.150628)を主に用いていますが,大型のもの(ガガンボなどの脚の長いものの全体処理)には6穴,単に交尾器のみを保存するのには96穴のもあります.

以前は試験管を使ってビーカーで湯煎で処理していましたが,上記の方法を採ると多数を一気に処理できます.ただし,材料の混同が起らないような細心の注意が必要です.また,KOH溶液の使いまわしがあまり利かない点があります.短時間の処理では蓋をしないほうが良いようです.

材料内に入った気泡を水に溶解させて消えさせる方法(1,2日かかっても良いという余裕がある場合)では,一度沸騰した湯冷ましを使うと気泡の水への溶存が早いようです.(急ぎでは注射器を使った減圧法もあります)

ガガンボ始め 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/01(Tue) 19:45:50 No.4135  引用 
ハエ男様,達磨様,皆様,今年もよろしくお願い致します.

今年の一番乗りに,ガガンボの質問です.

8月に茨城県北部の山間部(標高800m程)の薄暗い沢沿いで採集した,体長8.5mm程のガガンボです.

日本産水生昆虫の検索で調べると,ヒメガガンボ族のDicranoptycha属にたどり着きましたが,合っていますでしょうか?

よろしくお願い致します.

P.S. 特徴的な種類だったので,翅の拡大写真は同時に採集した別個体の翅を使用しています.


Re: ガガンボ始め 投稿者:達磨 投稿日:2008/01/01(Tue) 22:45:17 No.4136  引用 
日本産水生昆虫の検索でちゃんとしかるべきところにいたどり着いてくれる方がいて安心しました。Dicranoptycha属で間違いありません。写真から分かる情報から同定を試みましたところ、日本から記録のある8種のうちD. hasegawai Alexander, 1955 (type-locality: Mt. Norikura)に最も近い。と言うかおそらくこれだろうと思います。本種は原記載に交尾器の図がついていないので、想像力を持って読まなくてはなりません。ところで、写真には翅のM脈などに沿って縦方向にはしる白い筋が移っていますが、これは光の反射でなく、模様ですよね?原記載に"conspicuous white lines in cell R adjoining vein M, behind basal half of vein 1st A"とあります。

Re: ガガンボ始め 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/01/01(Tue) 23:06:49 No.4138  引用 
達磨様,早速回答を頂きありがとうございます.

御指摘の通り,白い筋は模様です.

各地の目録を見ても,Dicranoptycha属というのは記録されていないので,他の属の間違いではないかと疑心暗偽でした.

今年は,ガガンボもがんばりたいと思います.

新年です。 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/01/01(Tue) 11:39:27 No.4134  引用 
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今年こそは「はなあぶ」の原稿を締め切りぎりぎりでなく出したいものです。(密かな願いというか目標・・)この冬はネタがいくつかあるので・・がんばります・・

あと、産卵直前のオオクロバエの様な体型からツヤホソバエ目指してちょっとだけがんばろうかな・・・

ヒロクチバエ科質問 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/25(Tue) 22:47:24 No.4118  引用 
どこかで見たのですが,思い出せません.

体長約7mm.茨城県の山間部で採集しました.
マダラバエに近いヒロクチバエ科だと思います.

よろしくお願い致します.

P.S. 環動昆の絵解き検索で,Platystomatidaeに素直に辿り着けないのは私だけでしょうか?
Cuplet 63のcup室の形が違うと思うのですが・・・・


Re: ヒロクチバエ科質問 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/26(Wed) 21:16:33 No.4120  引用 
市毛さん、こんちは。

 市毛さんの画像と同じと思われる種の写真は、寄せ蛾記(115):1-9 (草間・玉木)2004年5〜6月に採集された新潟県と長野県の双翅類.に載っています。

 報文中では、ヒロクチバエ科のGen.sp.2 とされていて、日本未記録か未記載種 とされています。

 6mm程度と書いてありましたが、意外と小さいのですね。

 環動昆の絵解き検索は、改めて確認してみます。
 ではまた。

Re: ヒロクチバエ科質問 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/26(Wed) 21:19:33 No.4121  引用 
すいません。環動昆の絵解き検索は、持っていませんでした。

Re: ヒロクチバエ科質問 投稿者:sundog 投稿日:2007/12/26(Wed) 23:43:44 No.4122  引用 
おお、どこかで見たなぁ、と思ったら、
新潟の樹液場でチャイロスズメバチ女王を待っている時に飛んできた、
採ろうとするとピンっと飛んで、一瞬で目の前から消えてしまうヤツと同じ模様です。
1日張り付いて、3頭くらい(数日通ったので十数頭)採った記憶があります。

Re: ヒロクチバエ科質問 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/29(Sat) 18:05:21 No.4126  引用 
sundog様
 大分,採れるものですね.
 うらやましいです.

バグリッチ様.
 改めて属を調べ直したところ,Pterogenia属の未記載種のようです.
顔が幅広く触角間の隆起を欠くことや,翅のbm室がbcu室より明らかに長くなること,頬が複眼長の0.5倍程度などが区別点のようです.

 Pterogenia属は旧北区からは殆ど記録されていないようで,2001年に記載されたP. ussurica Korneyevしか見つかりません.

Re: ヒロクチバエ科質問 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/30(Sun) 08:15:48 No.4127  引用 
市毛様

 環動昆の絵解き検索は、年末のバタバタで、まだ使えていませんが、やはり絵解きは嬉しいですね。

 Pterogenia属とのこと、すぐ判明するとはさすがですね。

 しかし、これだけ特徴的な種群(前述の文献には 同属と思われる別種もでてます)が、旧北区でほとんど手付かずとは不思議ですね。

 まだ、こんな群が他にもあるのでしょうね。
 興味深いです。
 

Pacific Insects 投稿者:Arge 投稿日:2007/12/28(Fri) 16:45:13 No.4124  引用 
Pacific Insectsの出版元をインターネットで調べていたのですが、いつのまにかPDFが見られるようになったみたいです。

http://hbs.bishopmuseum.org/pi/

すでにご存知かもしれませんが、一応書き込んでおきます。

Re: Pacific Insects 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/12/29(Sat) 02:03:59 No.4125  引用 
これは結構最近のそうなったみたいですね。以前はだめでしたから・・

またPacific Insects Monographの方もDL可能になったみたいですね・・・うれしいよ〜〜〜〜http://hbs.bishopmuseum.org/pim/

これでMaaのシラミバエ関連がほぼすべてDL出来ることになりそうです。
ただし、モノグラフの方はPDFの容量が大変大きいのでDLするのにかなりの時間が必要でした。(とりあえず一つやったらブロードバンドなのに約1時間かかったし・・)一日一つずつやっていこうかな・・

Argeさん情報有難うございました。

こいつは全く分りません 投稿者:pakenya 投稿日:2007/12/21(Fri) 16:59:13 No.4099  引用 
連貼りで恐縮ですが・・・

南房総で採集されたものです。
こんな翅脈を持っているやつは見たことがありません。

腹部の形状は、メバエ科を彷彿とさせるのですが・・

これはいったいなんでしょう?

よろしくお願いいたします。


Re: こいつは全く分りません 投稿者:pakenya 投稿日:2007/12/21(Fri) 17:00:06 No.4100  引用 
側面です。

Re: こいつは全く分りません 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/22(Sat) 20:48:28 No.4103  引用 
pakenyaさん、こんちは。

 この画像は、どこかで見た記憶があったので、珍しく記憶の森に迷い込んだのですが・・・思い出しました。

 神奈川虫報 第130号円海山の昆虫特集の図版に、きわめてよく似てる種の写真がありました。
 ヤドリバエ科のAlophorophasia sp.とされていました。
 沖縄・奄美・東京都千代田区と記録されて以来、関東でも記録がでてきているようです。
 円海山では少なくない、とされています。

 私は、見たことありません。
 是非みたいです。ではまた。

Re: こいつは全く分りません 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/12/23(Sun) 09:02:05 No.4106  引用 
記事No.3536の画像に似てませんか?これはDr.舘がヤドリバエ科ヒラタハナバエ亜科のHemyda属ではないかとの情報をいただいています。

Re: こいつは全く分りません 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/23(Sun) 12:18:47 No.4107  引用 
ハエ男さん、pakenyaさん、こんちは。

 ハエ男さんのご指摘は、まさに仰るとおりです。
 記事No.3536の画像と、近似種か、同種?に見えます。

 pakenyaさんの画像と、添付画像の種と、記事No.3536の種は、互いに非常に似ています。

 ・・・となると、この種が何者かが問題です。

 ネットでは、Hemyda属の画像が一つ見つかりました。
 http://tachinidae.org.uk/site/photos.php?&pagenumber=10

 この画像で見る限り、翅脈が かなり異なっていて、一見しては『似ている、とは言えない』ようです。
 当然、見るべき特徴を見なければ、判断できませんが、私の持っている文献に、Hemyda属が載っていないので、これ以上わかりません。

 私のわかる範囲は、ヤドリバエ科までという結論となります。
 役に立たないコメントになり、申し訳ありません。
 


Re: こいつは全く分りません 投稿者:pakenya 投稿日:2007/12/25(Tue) 10:45:47 No.4117  引用 
ハエ男様、バグリッチ様、こんにちは。
コメントありがとうございます。

なるほど、No.3536の画像も、バグさんの添付してくれた画像も同じもののように見えますね。

web図鑑のヤドリバエ科のページを見ると、Hemyda属にはobscuripennisとvittataの2種が載っています。これをググったら、Diptera infoというサイトがヒットして、両種とも生態画像が見れました。すごいサイトがあったものです。

ところが、バグさんが書いたとおりHemyda属は翅脈が異なっているようで、R5室は閉じないようです。

R5室が閉じているものには、ダイミョウヒラタが属しているPhasia属などがありますが、これとはだいぶ系統が違うように見えます。

Alophorophasia属にはalataとrubidaの2種が知られているようですが、これらは画像がヒットしませんね。

残念ながら、やはり、この辺が素人の限界でしょうか。
何とか属までたどり着きたいと思うのですが、亜科止まりになってしまいそうです。

コマダラハチモドキバエ? 投稿者:pakenya 投稿日:2007/12/21(Fri) 16:46:41 No.4097  引用 
千葉県南房総市で10月上旬に採集されたハエです。

北隆館に載っているコマダラハチモドキバエ Campilocera thoracalisに該当するようです。

この和名をググッても、僅かしかヒットせず、画像は東奥日報の青森のものが唯一ですね。結構珍品なんでしょうか?埼玉県ではレッドに入っているみたいですね。

翅に模様があるから、バグリッチさんならわかるかなあ。


Re: コマダラハチモドキバエ? 投稿者:pakenya 投稿日:2007/12/21(Fri) 16:48:31 No.4098  引用 
横顔と胸部の剛毛が見える画像も付けます。

合っているようならweb図鑑に使ってやってください。


Re: コマダラハチモドキバエ? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/12/21(Fri) 20:38:05 No.4101  引用 
Campiloceraでググッたら,Korneyev(2004)Genera of Palaearctic Pyrgotidae(Diptera, Acalyptrata), with nomenclatural notes and KeyというPDFがGet出来ました.

これで,属までは調べられそうですが・・・.

謝辞を見ると,韓国までしか協力者がいないので,あちゃらの人にとっては朝鮮半島までが旧北区で,日本は東洋区の島と思われているような気がします.
ハナアブ科でも,同様の論文が結構あります.

文献のリンクを追記します.
http://www.v-zool.kiev.ua/pdfs/2004/1/02.pdf

Re: コマダラハチモドキバエ? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/22(Sat) 21:14:10 No.4104  引用 
pakenyaさん、市毛さん、こんちは。

 とりあえず、私が持っているコマダラハチモドキバエ(と教えられた種)とは、非常によく似ています。
 特に、翅のカッコイイ模様は、ピッタリです(^^;。

 市毛さんの書かれたPDFは、探せなかったのですが、URLわかりませんでしょうか?

 ではまた。
 

Re: コマダラハチモドキバエ? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/12/24(Mon) 14:22:57 No.4110  引用 
市毛さん、すいません。

 文献のURL、初めの書き込みに出てましたね。

 ありがとうございました。

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