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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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知らなんだ・・でも覚えた・・ 投稿者: 投稿日:2006/09/11(Mon) 23:10 No.2678  引用 
蜂板を見てたらいつのまにかインセクタ・マツムラーナがネット公開されてることを知りました。(う〜む・・・ワシが遅れてるのか、ただ単に情報収集を怠っただけなのか・・?)

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/8947
ハナバエ始め双翅目関連でも貴重、重要な論文も多いので、皆様もぜひチェックしてみてはいかがでしょうか・・・(ワシはめぼしいものみんなDLしちゃいました。)

Re: 知らなんだ・・でも覚えた・... 投稿者: 投稿日:2006/09/11(Mon) 23:38 No.2679  引用 
ハエ男様、知りませんでしたか・・

みんな知っているものと思い、書き込みしませんでしたm(__)m

Re: 知らなんだ・・でも覚えた・... 投稿者: 投稿日:2006/09/12(Tue) 09:18 No.2680  引用 
インセクタ・マツムラーナのシリーズは濃大にあったもんで、行く度に少しずつコピーしてたんですよ・・(古典的文献収集法)

ただ、最近、置き場にも困り始めてたので、双翅以外のこれも面白そうってのは、コピーしてこなかったんですが、PDFでしたら置き場はいらないので、容赦なくDLできました。

最近、CiNiiをはじめ便利な文献DBが増えてきて手軽に文献が読めるようになったのは良いのですが・・・きちんと読まねば・・・(手に入れたことで満足しちゃって、眠ってる文献もありそうなので・・)

ニトベハラボソツリアブでしょう... 投稿者:kuwachan 投稿日:2006/09/10(Sun) 11:43 No.2670 ホームページ  引用 
 こんにちは。お久しぶりです。
 昨日栃木県那須塩原市の小巻川で撮った画像です。ニトベハラボソツリアブが近いように思うのですが,この画像で決められるでしょうか。よろしくお願いします。


Re: ニトベハラボソツリアブでし... 投稿者: 投稿日:2006/09/11(Mon) 07:34 No.2671  引用 
kuwachanさん、こんにちは。

ハラボソツリアブの見分け方については、このBBSの2005年10月の過去ログ(1752〜)で、市毛さんが検索票を掲載しています(1767)。

後脚第1付節の後半が黒く、触角第1節が褐色なので、ニトベハラボソツリアブで正解です。

Re: ニトベハラボソツリアブでし... 投稿者:kuwachan 投稿日:2006/09/11(Mon) 21:32 No.2676 ホームページ  引用 
 こんばんは。
 pakenyaさんありがとうございました。前に市毛さんが書いていたと思って古い記事を探したのですが,見つからずに質問となってしまいました。番号が分かってもう一度調べたら,[20]の中にありました。今になって,ワード検索を使えばよかったと気がついたのですが,後の祭りです。また分からずに質問することがあると思いますが,よろしくお願いします。

タイワンハラボソかな? 投稿者: 投稿日:2006/09/06(Wed) 19:43 No.2657  引用 
山形県小国町で採集したハラボソツリアブです。

小楯板や後胸腹板は黒く、後脚第1付節は後半が黒く、過去ログやWeb図鑑に示されたタイワンハラボソツリアブとよく似ていますが、中胸背板肩部の黄色模様は不鮮明です。ぼんやりと後方へ延びているようにも見えます。



Re: タイワンハラボソかな? 投稿者: 投稿日:2006/09/06(Wed) 19:45 No.2658  引用 
中胸背板の黄色斑が後方へ伸びるのがニトベですが、これより腹部が均一に太めである点で異なっています。

なお、ニトベとスズキは同所に多数見られました。


Re: タイワンハラボソかな? 投稿者: 投稿日:2006/09/06(Wed) 19:48 No.2659  引用 
Web図鑑のArgeさん提供のタイワンハラボソツリアブととてもよく似ていると思います。

タイワンハラボソなら東北地方初記録になるのでしょうか。

参考に尾端と後脚付節の写真もつけます。

2006/8/21採集です。


Re: タイワンハラボソかな? 投稿者: 投稿日:2006/09/07(Thu) 11:54 No.2664  引用 
pakenya様。

胸背の模様を見ると、退色して不鮮明ですが明らかに後に伸びています。

また、タイワンハラボソならば中腿節も黒ずむはずです。

残念ながら別種のようです。

Re: タイワンハラボソかな? 投稿者: 投稿日:2006/09/07(Thu) 19:14 No.2665  引用 
市毛様

やはり別種ですよね。
胸部等の色彩の他には、触角の長さなどに違いが見出せるようです。
・・てゆうことは、日本初記録or newの可能性ありですか。

秋の関東同定会に持ち込んで見ましょうか。

四国のニクバエ 投稿者:Arge 投稿日:2006/09/06(Wed) 14:52 No.2651  引用 
先日高知県南西部に旅行に行ってきました。
私の専門の虫はすでに時期が終わっているので、採集がメインではなかったのですが、海岸を中心にニクバエが結構捕れました。
全部で9種類ほどいるようですので、後でまとめて「はなあぶ」に投稿しようと思います。

それと、ヤブガラシの花の前でハチの待ち伏せをしていたのですが、ニクバエも結構集まっているようです。

トゲニクバエ 投稿者:Arge 投稿日:2006/09/06(Wed) 14:55 No.2652  引用 
うちの機材では今のところこの程度の写真しか撮れないのですが、トゲニクバエだと思います。
ただ、双翅目Web図鑑では、四国からの記録がないようですが。


センチニクバエ? 投稿者:Arge 投稿日:2006/09/06(Wed) 15:19 No.2653  引用 
これも写真がよくないですが・・
ゲニタリアの形状はセンチニクバエに似ていますが、生殖背板が赤いです。
単なる変異でしょうか。


Re: 四国のニクバエ 投稿者: 投稿日:2006/09/06(Wed) 16:08 No.2654  引用 
前のがトゲニクバエ、後のもセンチニクバエでよいと思います。
ときどき未熟な個体と思われる生殖背板が赤いのが採集されることがありますよね・・・でも、いわゆるシリアカやヒメシリアカ、キタシリアカとは交尾器の形状はまったく異なるので単なる未熟個体だと思います。

FJSの方にもトゲニクバエの四国からの記録は出てませんね・・・

Re: 四国のニクバエ 投稿者:Arge 投稿日:2006/09/06(Wed) 19:17 No.2655  引用 
ハエ男様

ありがとうございました。
残りはまだ同定中ですが、トゲニクバエは四国未記録のようですので、はなあぶNo.23に投稿したいと思います。

Re: 四国のニクバエ 投稿者:Arge 投稿日:2006/09/06(Wed) 19:21 No.2656  引用 
ところで、FJSにもオスの検索表しか載っていませんが、メスは今のところ同定できないのでしょうか。
それとも、図版の図と絵合わせで見ていけば何とかなるのでしょうか。

トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/29(Tue) 17:44 No.2627  引用 
古い標本を軟化して持ってきました。
1995年6月の新潟県(現在の魚沼市)の標本です。

r-mが斜めで、r4+5は真っ直ぐ、R1室は開いており、cua2が長い翅脈の特徴から、Spilomyia:トゲナガハナアブ属と思われます。しかし、既知の邦産種4種とはどれにも一致しません。

全長は14.5mmです。


Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/29(Tue) 17:46 No.2628  引用 
側面です。
トゲナガハナアブ属としては太い腿節を持つのですが、トゲも突起もありません。


Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/29(Tue) 17:47 No.2629  引用 
顔です。
複眼は接しておらず、わずかに離れます。
後頭部が膨れており、特徴的な形状です。


Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/29(Tue) 17:50 No.2630  引用 
交尾器です。
Surstylusが長く突出し、先端が少し曲がっています。
途中に分枝する傾向が見えず、はなあぶ14号に図示されたいずれの種とも一致しません。

これはなんでしょう?


Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/29(Tue) 20:25 No.2631  引用 
pakenya様。

おめでとうございます(^_^)

恐らく、日本で3頭目のSpilomyia近縁属の標本が出ましたね。
インセクト(栃木)の、56(1)に2004年に栃木県で採集された個体の写真が載っています。

交尾器は初めて見ました。やはり新属ですかね!

「はなあぶ」の原稿締切りが今月末ですので、間に合えば投稿してください。

Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/30(Wed) 09:17 No.2632  引用 
ええっ!!
これってnewなんですか!

「栃木県でオオナガハナアブに近縁な新属新種」の情報は、「みんなで作る・・・」の双翅目情報欄で見ていましたが、この情報の個体は20mm以上もあるとされていたので別物であろうと思っていました。

「はなあぶ」22号の締切りは明日ですね。
インセクトも入手していないので、さすがに間に合いそうにありません。もう少し情報を収集してから、投稿したいと思います。


Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/30(Wed) 10:31 No.2633  引用 
pakenya様。

体長の件は、私も多少気に掛かりました。

栃木は、写真と新属新種との情報しか書かれていません。

しかし、写真の腹部斑紋パターンと後腿節が著しく肥大していることから同種と判断しました。

以前、O先生から新潟で採れた複眼が離眼のSpilomiyaの話は聞いていたので、この2つの特徴を備えたこの写真を見て二つの話が結びつきました。

まさか、このサイズの新属新種が本州に2種も未記録のままだったということは無いだろうと考えております。

新属かどうかについては、良く判りませんが、北海道のH氏が新属と伝えたと栃木に書かれているので、恐らく間違いないのでしょう。

Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/08/30(Wed) 12:44 No.2634  引用 
茨城@市毛様

コメントありがとうございます。
また、別便で文献を送っていただき、大変恐縮です。

栃木の文中には、北海道のH氏が近く学会誌に発表との記述がありますが、これはまだなのでしょうか、情報がありません。

O先生の採集も近年なのでしょうか?これだけ顕著なものであれば、「日本のハナアブ ver.1」や「はなあぶ」に投稿記事があってもよさそうですが・・。

種名が判らない状態で投稿記事にするのは少し難しいです。

とりあえず眼鏡屋さんにメールして見ます。二日で投稿できるとは思えないのですが・・

Re: トゲナガハナアブ属 投稿者: 投稿日:2006/09/05(Tue) 09:33 No.2650  引用 
投稿のご報告です。

この標本について、はなあぶ22号に投稿いたしました。
眼鏡屋さんから、無事に入力完了の連絡を頂いております。
写真はカラーで入るようです。
ご協力ありがとうございました。

Hybosの1種 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 20:49 No.2642  引用 
アノニモミイア様、毎回詳細なコメントありがとうございます。何も御礼が出来ませんが、ハナアブのほうでがんばります。

今回は、Hybos属です。「新潟県のオドリバエ科」を見るとHybos sp.1とsp.2の中間のように思えます。

近年発行された、Fauna Sinica Hybotinaeを見ると、Hybos属は収録種の約半分(84種)を占めており、しかも既知種5種を除いて全て新種という状態でした。(彼も九大に留学していたのですね))

写真の個体は、体長約4.5mm。5月中旬に茨城県北部(標高約400m)の谷沿いで採りました。

標本の特徴は、
・後腿節は黒色、脛節は暗褐色で付節は褐色。各付節先端節は暗化し、後付節は先端3節が暗化する。
・胸背の毛は黒色、腹部は淡色。胸部は灰白色粉で覆われる。
・脚部は多数の長白色毛を備え、中脛節はadに2本avに1本の長い剛毛がある。
・後腿節は肥大して湾曲し、その最大幅は腿節長の1/4であり、また中脛節の剛毛の長さもとほぼ等しい。

アドバイスよろしく御願い致します。


Re: Hybosの1種 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 20:51 No.2643  引用 
腹部末端です。
だいぶ交尾器が捩れていますが、90度というわけでもなく、中途半端な角度ですね。


Re: Hybosの1種 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 20:53 No.2644  引用 
普通の撮影では、交尾器が見づらいので分解してみました。

オドリバエの良い点は、交尾器が露出している種類が多いので、あまり解剖しなくても判る種類が結構あることですね。


Re: Hybosの1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/09/04(Mon) 11:36 No.2645  引用 
写真の種はHybos sp. 1と示されたものに相当すると思います.大型種で脚などに白色の長毛を生じる日本産の種はこれだけです.交尾器の構造も同じです.本種は未記載種で,FreyがHybos tibialis Bezziとして日本から記録したものですが,本物のH. tibilisは模式標本に基づきますと交尾器を含めて多くの相違点があり,まったく別の種です.
本種の近縁種は台湾のみならず中国大陸などに分布しています.

Hybos属は日本列島に20種あまり生息しており,これらと楊 定の中国種との関係がこれからの検討課題の一つです.中国にはまだまだ多くの未記載種があります.Hybos属はSyneches属に比べてより温帯性の属で,主要な分布圏は暖温帯ですが,冷温帯や亜熱帯にもある程度の種が生息し,更に熱帯にも少数ですが分布しています.成虫は常に林床などの草や潅木の上に静止し,近くを飛翔する小昆虫を短距離飛翔して捕獲し,葉上で捕獲脚(raptorial leg)の後脚ではさんで吸汁します.配偶行動はほとんど分かっていません.
写真の種は邦産種の中で最も早期に出現するもので,他の種は初夏から夏にかけて成虫が発生します.本種が捕食している写真は熊本の同好者が撮影したものがありますので(撮影者には断ってありませんが,ホームページにしめされていましたので),添付しておきます.

Re: Hybosの1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/09/04(Mon) 11:38 No.2646  引用 
画像添付の仕方を失敗したようです.どなたか教えてください.

Re: Hybosの1種 投稿者: 投稿日:2006/09/04(Mon) 15:29 No.2647  引用 
アノニモミイア様、早速の回答ありがとうございます。

画像添付については、
・添付可能ファイル : GIF, JPEG, PNG, TEXT, MIDI
・最大投稿データ量 : 100 KB
となっております。

恐らく、ファイル形式がTIFFであるか、サイズが100kBを越えていると思われます。

Re: Hybosの1種 投稿者: 投稿日:2006/09/04(Mon) 17:46 No.2648  引用 
画像を添付するときは、まず画像のタイトルは小文字アルファベットのみにしておきます。

市毛さんが書いてくれてますようにHPの管理上の問題であまり大きな画像は投稿できないようになっていますので、容量を100kb以下にしておいてください。

投稿メッセージを入れた後、その下のほうに出てる添付ファイルの欄の右の参照キーより、投稿したい画像を探し出して、入力(多分・・「開く」またはダブルクリックでいけると思います。)

そして投稿すればできると思います。

Re: Hybosの1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/09/04(Mon) 18:37 No.2649  引用 
添付方法について教えていただき有難うございました.試みてみます.うまく送れればいいのですが.

Rhamphomyia(Calorhamphomyia) f... 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 08:33 No.2638  引用 
アノニモミイア様、毎回詳細なコメントありがとうございます。時間が空くとオドリバエを見るようになりました。ハナアブそっちのけです(^_^;)

今まで、良くわからないからと思っていましたが、「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」を参考にして色々調べております。

写真のオドリバエ(体長9mm)は交尾器などからRh.(Calorhamphomyia) formidabilisと思われますが如何でしょうか。

5月中旬に茨城県北部(標高約400m)の谷沿いのカエデの花で採りました。

また、この種のメスと思われる個体も採集しましたが、脚の羽状剛毛が見当たりませんし、腹部側面に黒い房状の毛の束を持っています。(新潟県の・・にこの特徴が書かれていなかったのでちょっと不安です。Freyの原記載にも書かれていないようです。)

よろしく御願い致します。


Re: Rhamphomyia(Calorhamphomyi... 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 08:34 No.2639  引用 
同、交尾器です。

Re: Rhamphomyia(Calorhamphomyi... 投稿者: 投稿日:2006/09/03(Sun) 08:36 No.2640  引用 
メスと思われる個体です。

翅の縁紋が写真のように明瞭な個体と、まったく判らない個体が採れてます。


Re: Rhamphomyia(Calorhamphomyi... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/09/03(Sun) 13:17 No.2641  引用 
写真の雌雄は同定されたとおりRhamphomyia (Calorhamphomyia) formidabilis Frey, 1951です.本種は青森から四国,九州中部まで分布していますが,一般的傾向として,北部の集団は腿節がほとんど黄色で,九州や四国の手段では先端を除いて黒褐色になります.その間はほぼクライン状に変わりますが,例外的な地域もあります.また,黒化の程度に伴って,雌では中腿節,後腿節,後脛節の上下両面に半羽状剛毛(semipennate bristles)が発達します.また,本種にはあまり顕著なものではないですが,雄交尾器にも地理的変異がある程度あります.このような交尾器に見られる地理的変異は本種に限らず,列島内で広域分布する種に時折観察されるものです.

本種もそうですが,Rhamphomyia属やEmpis属の多くの種や,Hilara属の極少数の種では雌の腹部中央の側域の膜状部から反転可能な膜質の円錐状突起を生じ,これには黒などの微細なビロード状の軟毛が密生しています.雌は群飛中にこの突起を出していることが多く,その機能については,自分が卵巣が発達しているかのように見せて,求愛給餌をもってきた雄を惹きつけるためという説もあります.あるいは合っているのかもしれませんが,むしろ形状からして,群飛の為の集合フェロモンを発散しているのかとも思われます.

Rhamphomyia(Megacyttarus) 投稿者: 投稿日:2006/09/02(Sat) 09:25 No.2635  引用 
小形の黒いRhamphomyiaです。

茨城県水戸市近郊(alt.50m)の雑木林縁のカエデに飛来していたものを4月中旬に採集しました。

Rh.(Megacyttarus) pilosifaciesの近縁種と思われます。

Rhamphomyia属は亜属の検索表が無いので、亜属にたどり着くのが大変ですね。

よろしく御願い致します。


Re: Rhamphomyia(Megacyttarus) 投稿者: 投稿日:2006/09/02(Sat) 09:42 No.2636  引用 
交尾器です。

Saigusa(1963)のRh.(M.) pilosifaciesの交尾器に似ていますが、交尾器下部のHypandrium?(第8腹板)が図のようには細長く伸びていません。
(勉強不足なため交尾器形状が変わると、相同性が良くわかりません。Rh. deformicaudaなどもすごい形をしていますが、図に名称が書き込まれているので助かります。)


Re: Rhamphomyia(Megacyttarus) 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/09/02(Sat) 15:42 No.2637  引用 
写真の標本はRhamphomyia (Megacyttarus) brunneostriata Frey, 1950の雄です.この個体はFrey(1953)がvar. monstrosa Freyとして記載したもので,中脚第二付小節が著しく肥大する点で,正常型(一般型)と区別できます.両型は共存します.
R. brunneostriataは顔面が有毛,雄の第8腹節腹板が光沢がある1群に属し,これにはR. pilosifacies Saigusa, 1963と R. trimaculata Saigusa, 1963が日本産の既知種では所属します.
R. brunneostriataは雄の中脚第1付小節が著しく短い点,雌の中央室が翅縁近くまで拡大し,その横脈が内側に弱く屈曲し,翅に顕著な暗斑を欠くことで,上記2種から容易に識別可能です.しかし,R, brunneostriataには地域によって雄中脚付節の変形が軽微な状態になる地理的集団があり,種分化の途上にあるようです.
R.brunneostriataは地域によりますが,3月下旬から5月上旬に成虫が発生し,水辺や近くの路上の2−4mくらいの空間で水平ジグザグ飛翔を2m位してから直線的に戻るという群飛飛翔を繰り返します.カエデなどの花にも飛来・吸蜜します.またMegacyttarus亜属の多くの種の雄はHilara属と同様に水面を水上飛行機のように滑走型飛翔を行って,水面の落下昆虫を捕らえて,雌への婚姻贈呈餌にします.交尾対は群飛のやや下で飛翔しながら交尾を続けます.
Rhamphomyia属は日本列島だけでも約300種分布しており,北半球には恐らく1500種くらいはいると思われます.亜属の分類はユーラシアのものではCalorhamphomyia, Orientomyia, Megacyttarus, Dasyrhamphomyia,Ctenempis,Aclonempis,Rhamphomyia(Collinariaを含む)等の単系統群は明確な派生形質を持っていますが,Eorhamphomyia, Pararhamphomyiaのような混成群があり,亜属の分類を著しく困難にしています.北米のものが入ると更に錯綜します.

写真撮影のノウハウについてご教示戴き有難うございました.デジカメ高級機種を考えていまして,大変参考になりました.

Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/27(Sun) 13:55 No.2618  引用 
再びオドリバエです。

写真の種類は、Rhamphomyia属の1種です。恐らくCalorhamphomyia亜属ではないかと思います。

体長約10mm。7月末に茨城県の標高1000mのブナ帯で採集しました。

極東の昆虫の検索Empididaeで調べると、Rh.(C.) nipponensis Freyに辿り着きましたが如何でしょうか?


Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/27(Sun) 13:57 No.2619  引用 
腹部末端の拡大です。

Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/27(Sun) 19:11 No.2620  引用 
先ほど、「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」を思い出し調べてみました。

この文献の検索で調べると、
・前脚基付節の下面には10本程度の剛毛が混じる。
・後腿節のav剛毛(anteroventral)は長く、全体に亘って粗生する。(剛毛は途中からほぼ腹面中央側に列がずれてくる。)
・オス交尾器(aedeagus)はほぼP.194図3のように第1湾曲が強く角張っている。

このような特徴を持っているので、写真の種はRh.(C.) flavobasalis Freyとなるのでしょうか?

Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/27(Sun) 21:49 No.2621  引用 
検索されたとおり,写真の種はRhamphomyia (Calorhamphomyia) flavobasalis Frey,1951のオスです.本種は東北各県と群馬,新潟の標本を検しています.しかし,茨城県のものは初めてみました.主に産地ブナ帯で6月を中心として成虫が出現する普通種です.R. nipponensisは大阪,京都など近畿地方北部に分布する種で,今回のものとは別の種です.
Calorhamphomyia亜属は未記載種を含めて日本列島に役45種生息し,主に本州のブナ帯を主要生息地としていますが,少数の種は瀬戸内の低地(R, itoi)や中部山岳の高地(R. pretiosa)に進出する種もあります.北海道は3種,九州は10種未満です.極東からは日本列島のみ(北海道から九州本島と対馬)で,ずっと飛んで北米頭部のアパラチア山脈からその北縁のカナダにまた役40種が生息しているもので,典型的な東亜・北米東部型の分布を示す昆虫群です.

Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/27(Sun) 22:40 No.2622  引用 
アノニモミイア様、早速の回答ありがとうございます。

連続で申し訳ないのですが、この写真のRhamphomyia属の1種はRhamphomyia(Orientomyia) spirifera Freyで良いのでしょうか? Ito&Saigusa(1967)A revision of the Japanese species of the Subgenus Orientomyia Saigusaの交尾器の図とはほぼ合致します。

よろしく御願い致します。


Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/27(Sun) 22:46 No.2623  引用 
交尾器付近の拡大です。

採集地は茨城県北部の標高約600mのブナ林で、6月下旬の採集です。

同地では、現在森林総研九州に在籍する末吉氏が報告書をまとめております。
・末吉昌宏他(2003)皆伐後の温帯落葉樹林の二次遷移に伴う双翅目昆虫群集の変化 http://ss.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/388-4.pdf#search=%22%E6%9C%AB%E5%90%89%20%E5%8C%97%E8%8C%A8%E5%9F%8E%22


Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/28(Mon) 15:11 No.2624  引用 
あなたが同定されたようにRhamphomyia (Orientomyia) spirifera Freyの雄です.本種は本州中部から九州までの低山地ないし山地に生息していて,個体数はあまり多くはありません.その結果,群飛や捕食性の観察もほとんど行われていません.
Orientomyia亜属は日本列島から台湾,中国中部にかけて分布しており,Calorhamphomyia亜属に比べるとどちらかといえば暖温帯性のRhamphomyiaです.北米やヨーロッパには分布していません.日本には既知種のほかに,6種の未記載種が生息しています.交尾したペアはHilara属の大部分の種やRhamphomyia属Megacyttarus亜属のように,交尾中ずっと空中を飛翔する性質があります.低い位置で飛翔中のペアが発見された場合は近くの上空で群飛が観察されます.

Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2006/08/28(Mon) 16:18 No.2625  引用 
かなり精緻な写真です.これらの写真を撮影されたカメラの機種,撮影方法(光源,使用レンズ,接写方法など)について教えてください.

Re: Rhamphomyia属の1種 投稿者: 投稿日:2006/08/28(Mon) 23:19 No.2626  引用 
アノニモミイア様、毎回詳しい説明ありがとうございます。

ますますオドリバエが面白くなってきました。

オドリバエの写真は、ズーム付きデジカメ(Panasonic DMC-FZ7)に実体顕微鏡の対物レンズ(Leica 1.0X Planapo)とリングライト照明を取り付けたカメラで撮影しております。
デジカメをマニュアルフォーカスに設定しておき、顕微鏡スタンドを上下させて微妙にピントの違う10-15枚の写真を撮影します。
撮影した写真をHeliconFocusで自動的に合成処理をしています。http://heliconfilter.com/pages/index.php?id=509

今後ともよろしく御願い致します。

目と胸の赤いハエ 投稿者:ハンマー 投稿日:2006/08/24(Thu) 22:48 No.2608  引用 
この目と胸の赤いハエは何でしょうか?
よろしくお願いします。

兵庫県三田市、2006年8月6日撮影です。


Re: 目と胸の赤いハエ 投稿者: 投稿日:2006/08/25(Fri) 19:10 No.2611  引用 
ハンマー様。

スズキベッコウハナアブかニトベベッコウハナアブと思われますが、翅の紋が見えないので判別が困難です。

胸背後側部〜小楯板後縁の剛毛が淡色に見えるので、恐らくスズキベッコウハナアブと思われます。

Re: 目と胸の赤いハエ 投稿者:ハンマー 投稿日:2006/08/26(Sat) 06:26 No.2617  引用 
市毛さま。
どうもありがとうございました。
検索してみると大変面白い生態のアブのようですね。

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