誰も食いつかないところを見ると、やはりブームは来ないかな?
TKMではガガンボダマシは科自体が未認定なのでなんとかしたいなと思っているのですが、なかなかとっつきにくいですね。やはりもっと布教活動が必要だと思います。
モンガガンボダマシの模式産地が東京目黒とのこと。出典を教えていただけるとありがたいです。
食いつきたいことは食いつきたいんですが、冬は雪に閉ざされる札幌では何月ごろに採れるんでしょうか・・・?
春がそこまで近づいた晩冬の夕暮れ,軒先や枯れ木の枝先の下で群飛しているガガンボダマシの群れを飽かず眺めるのは,時の経つのも忘れて,没頭できる時間です.
真直ぐ一気に上昇し,それから翅の動きがわかるくらいゆっくり下降し,また再び上昇していくことの,単純な繰り返しなのだけれど,まず眺めていて飽きないものですね.首を上下に動かしながら,1頭の飛翔を眼で追い続けると,体の角度,翅の動き,脚の状態などいろいろと面白いことに気付きます.
時には雌が群飛に入ってきて,もつれ合いながら地上に落ちて交尾するのもあるし,雄同士でもつれることも.
私のマンションの4階の外階段の庇でも,近頃は小群群飛がみられます.
TKM様.
横レスですが,Trichocera pictipennis (= T. maculipennis pictipennis)の原記載は,Alexander,C.P., 1930. Records and descriptions of Trichoceridae from the Japanese Empire (Ord. Diptera)., Konowia, 9: 103-108です.
市毛さんありがとうございます。
調べてみたらNo.4082(2007/12/14)で達磨さんにご教示いただいてますね。うっかりしていました。すみません。忘れないうちにTKMリストに加えておきます。
ところで「Konowia」とは何やら日本語っぽい響きがあるけどどこの雑誌だろうと思い調べてみました。ウィーンで1922年に創刊されたもので以下のようなサブタイトルがあります。
Konowia :
Zeitschrift fuer systematische Insektenkunde, mit Ausschluss von Coleopterologie und Lepidopterologie
何と問題の論文をPDFで読むことができました。
ttp://www.biologiezentrum.at/pdf_frei/KON_9_0103-0108.pdf
「Konowia」のトップはこちらから
ttp://www.biologiezentrum.at/biophp/de/konowia.php
便利な世の中であります。
おっと、この掲示板の周辺に誰もいないのかと思ったら、皆さん、見ていたんですね。
布教活動が足りない、食いつきたくても食いつけないとのご指摘、ごもっとも。反省。
九州でも4月いっぱいくらいは生き残りがいましたから、北海道であれば、もっと遅くまで見られるでしょう。沿海州の山の上では7月にも採集しています。日本からはまだ見つかっていませんがDiazosmaという大型のガガンボダマシ(A1脈が中途半端に短い)がいて、この虫はガガンボダマシかでは例外的に夏に出現するようです。ただし、既知種はどれも極珍です。
ガガンボダマシブームへのお手伝い.
達磨大師の話ではDiazosmaは夏に出現とのことですが,Paracladuraも本州の高山では真夏でも採集できます.
それにしても,平地のTrichoceraやParacladuraは寒冷期の成虫発生期以外はどの発育段階でどうしてるのでしょうね.庭の隅に放置した果物や野菜のかすなどには寒冷期にガガンボダマシの幼虫が見られます.オオクロバエやガガンボダマシ,さらにセンチトゲハネバエ,ツヤホソバエ科のThemira属のある種のように寒冷期が成虫の主要な活動期の双翅類は,冬の間に1世代だけ子世代を作るのか,それとも複数世代を繰り返すのでしょうか.どなたか観察結果をお持ちかこれに関する論文などご存知でしたら教えてください.
アノニモミイア先生
オオクロバエに関しては、倉橋弘先生が新しい知見を出し続けておられます。
1996年の段階では長崎における調査で、3月から7月にかけて羽化した新成虫は未成熟、未交尾のまま卵巣休眠に入って越夏、10月に入って成熟を開始するという結果を出しておられた
倉橋弘・末永斂(1996), 長崎地方におけるオオクロバエの生活史. 衛生動物, 47(2):195.
(大会発表要旨)
のですが、その後2007年になって山口県での調査から5月に得られた新成虫に交尾済みで卵巣が産卵体制に入るまでに成熟したものが含まれることが確認され、西日本の個体群の一部に、従来の結果から考えられていた年1化だけではなく年2化を経過するものも含まれることが推測されるに至っている
倉橋弘・林利彦・津田良夫(2007), オオクロバエの生活史についての新知見. 衛生動物, 58(Supplement):56.
(大会発表要旨)
そうです。
また、北方での生活史は不明なものの、短日性の性成熟を示すため北海道で周年世代を繰り返しているとは考えにくいと現状では考えられているのですが、北海道では6月上旬に採集された個体の翅が痛んでいたことから南方からの移動個体であると推測されている
倉橋弘・津田良夫(2005), 日本の北と南におけるオオクロバエの記録. はなあぶ. 20:17-18.
一方で、6月下旬に根室で羽化後間もないと思われるテネラルな個体が採集されている
倉橋弘・津田良夫(2007), 日本の北におけるオオクロバエの記録. はなあぶ. 23:54.
というデータが出てきています。
私も苫小牧で得られた標本を若干持っていますが、まだ夏発生性のキンバエ類の解析にかまけていて冬発生性のハエの標本をしっかり見ていないので、あまり多くのことは言えません。ただ、2002年に行ったルートセンサスから、苫小牧では夏7月半ばから9月半ばにかけては姿を消しているという結果が得られており、加納六郎先生らが昔出された、北海道では夏に一山型の発生経過をたどるとされた結果とは少々異なる形になっています。苫小牧が道南だからなのかもしれませんが。
オオクロバエはアノニモミイア先生の発表されたように、日本列島の枠を超えるほどの季節的長距離移動を行うハエですので、まだその生活史の全体像は十分明らかになっていないといっていいと思います。昨今はオオクロバエが鶏インフルエンザウイルスの媒介昆虫として注目され始めておりますので、知見が次第に集まってくるのではないでしょうか。
達磨様、皆様
しばらく見ていなかったら、すごいことになっていて驚きました。
これって、『ホントに ブームが始まっる!』ということでしょうか!
今日も、ガガンボダマシ科の1種とガガンボ類が5種採れました。
ガガンボダマシの方は、これまでにアップしたのと違う種と思いますが、今日は検鏡できませんでした。
採れたガガンボ類の内の一種は、画像のような頭部で、印象としてはGeranomyiaの様ですが、Venationなどはまだ確認していませんので、似てる分類分があるのかも知れません。
引き続き、宜しくお願い申し上げます。
似てると思うんですが、どうでしょうか?