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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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この破線は? (ニクバエ科) 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/14(Sat) 18:07:33 No.5094 ホームページ  引用 
兵庫に負けじと言う訳ではないですが,色々と手元の標本を整理しております.

ニクバエ科について,Fauna Japonicaよりも判り易い交尾器の図を探していたところ,極東の昆虫の検索でRodendorfによる不思議な図を見つけました.

図1,3,5に記されている破線ですが,毛の範囲を表しているのでしょうか?
図の説明には,側面からのsurstylusとcercusとしか書かれていません.

なお,ヨーロッパ部ロシアの昆虫の検索にも同様な図が引用されており,参考文献を見る限りDie Fliegenからの引用と思われます.

よろしくお願い致します.


Re: この破線は? (ニクバエ科) 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/15(Sun) 15:51:22 No.5095  引用 
Sarcophagidaeの専門家のお答えを期待したいところですが,どなたからも返答がないので,Sarcophagidaeにはまったくの門外漢ですが,意見を示しておきます.

Die FliegenのSarcophagidaeの部分のいろいろな図を見て,類推すると,破線はそれぞれの部分から生じているもっとも長い剛毛の先端の位置を結んだものということになります.

部分的に剛毛が描かれて,その先端を破線が通っている図,cercusには破線のみで,surstylusには剛毛があって破線を欠く図,などがあり,これらが上記の類推の根拠です.

ご参考までに.

Re: この破線は? (ニクバエ科) 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/16(Mon) 08:21:21 No.5097 ホームページ  引用 
アノニモミイア様.

やはり,Die Fliegenからの引用で,剛毛等の先端を結んだ線
なのですね.大胆な省略法で,驚いております.

ありがとうございました.

白菜のハエ復元 投稿者:田中川 投稿日:2009/02/15(Sun) 23:32:35 No.5096  引用 
消えたデータの内、私の投稿した「白菜のハエ」を自分のブログで復元してみました。自分が投稿した分はワードに貼り付けて保存しておいたので復元することが出来ました。三枝先生の投稿画像もあえて使わせてもらいました。こちらのデータが画像ともども復活したときには自分のブログの内容も変更するつもりです。
http://blog.goo.ne.jp/tanakagawa_shinogi/e/f3280f3eaa269b3bec15cfb35c596656

また質問に伺いました。 投稿者:Acleris 投稿日:2007/01/29(Mon) 18:41 No.2957 ホームページ  引用 
コンニチワ、ムシヒキアブの話題で思い出したので質問いたします。
昨年、カミキリ狙いの甲虫屋さんと枯れ枝を拾ってきたのですが(私は樹皮下喰いの小蛾目当て)、その1本からイシアブの1種が羽化してきました。
tgw様のムシヒキアブ図鑑を見ると、ムラサキクチブトイシアブというのに似ているような気がしますが、いかがなものでしょう?
わかるようでしたらご教授願います。

枯れ枝の採取:2006年1月24日、
採取地:兵庫県相生市壷根、海に面した海岸林
20リットルのプラスチックコンテナに太さ3〜8cm程度の枯れ枝を詰め込んでおいたところ、同年5月30日に1♀が羽化してきました。


Re: また質問に伺いました。 投稿者:Acleris 投稿日:2007/01/29(Mon) 18:42 No.2958 ホームページ  引用 
蛹の羽化状況です。
他の枯れ枝からは大量のクモガタケシカミキリ、そこそこのタカサゴシロカミキリが出てきましたが、イシアブの出た枝からはカミキリの羽化が見られませんでした。おそらく枯れ枝内を移動しながらカミキリ幼虫を補食していたものと思います。

カミキリはそのほか、ガロアケシ、ケシ、エグリトラ、ズマルトラ、ヒメクロトラ、フタオビミドリトラ、アトジロサビ(カミキリ省略)が羽化していました。

昔、クワガタの幼虫がいる腐朽木からオオイシアブが羽化してきたことがあったのですが、カミキリのいるような比較的硬い枯れ枝からイシアブが羽化してきたので、ちょっと意外でした。

余談ですが、イシアブ類の蛹が回転しながら
出てくるところを一度見てみたいものです^^;
それでは


Re: また質問に伺いました。 投稿者:Arge 投稿日:2009/02/13(Fri) 13:47:12 No.5093  引用 
2年前の記事ですが、市毛さんからムシヒキアブの話題が出ているのと、ちょうど兵庫県の目録作成のためAclerisさんから標本を送っていただいたので、こちらにも書き込んでおきます。

標本を見ると翅脈などの特徴はトゲヒラタイシアブ(トゲツヤイシアブ)のようですが、翅の色が薄いのと、腹部がやや青みを帯びているのが気になります。

いずれにせよ、貴重な記録と思いますので、専門家に問い合わせてみます。

ムシヒキアブ科 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/11(Wed) 19:13:15 No.5085 ホームページ  引用 
久々に,ムシヒキアブの標本を整理しようと思い立ち,リストを作ってみようと思いましたが,すでに「みんなで作る双翅目図鑑」にアップロードされていたのですね.

それにしても,日本産昆虫総目録(1989)で72種だったものが,114種まで増えていたのには驚きました.専門家が3人もいるので羨ましいと感じます.

2006年のはなあぶには,ムシヒキアブ研究入門(1)が書かれていますが,早く続編や各属の解説を書いて頂きたいものです.

Re: ムシヒキアブ科 投稿者:Arge 投稿日:2009/02/13(Fri) 13:42:45 No.5092  引用 
ムシヒキアブ科は、兵庫県のものをまとめる計画があるので、現在日本に何種類ぐらいいるか数えようとしてリストを作っていました。その後、去年末に「みんなで作る双翅目図鑑」にスパムが相次いだ時、他のものにも最新の知見を入れるついでに、ムシヒキアブも作ってしまいました。

これをみていると、まだまだ未記載種や不明種が出そうな気もします。

ヒメフンバエ♀ 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/12(Thu) 11:19:33 No.5087 ホームページ  引用 
 ヒメフンバエの雌で間違いないと思いますが、確認の為。居たのはシナホソカトリバエやウスイロアシブトケバエと同時同所で、東京都世田谷区西部で11月10日です。
 学名はTKMではScopeuma stercoraria、九大や此方のリストではScathophaga stercorariaとなっていますが、何方が正しい学名でしょうか。またScathophagaは意味からすると(随分露骨な名前なので笑ってしまいました)Scatophagaの筈で、実際、この両者が使われています。原記載では何方なのでしょうか。


Re: ヒメフンバエ♀ 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/12(Thu) 11:21:36 No.5088 ホームページ  引用 
 少し斜め前から見た図。interfrontal bristleが無いのが良く分かります。

Re: ヒメフンバエ♀ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/12(Thu) 15:02:24 No.5090  引用 
これらの学名の事情はSabrosky, C. S.(1999) Family-gorup names in Diptera and bibliography, An annotated catalog. Myia, vol. 10に詳しく出ています。

要するに、ヒメフンバエ属の命名者Meigen(1803)は、属の模式種Musca merdaria Fabricius, 1794に基づいて、Scathophaga属を創設しました。この模式種は今のScathophaga stercoraria (Linnaeus, 1758)のことです。この属名の原綴はMeigenの間違いで、本来はScatophagaとすべきでしたので、Meigen自身も、その後の著者もしばしばScatophagaとしていました。しかし、この属名に基づいて科名をScatophagidaeとすると、すでに魚類でもScatophagus属に基づいてScatophagidaeを使っているので、混乱を避けるために科名はMeigenの原綴のScathophagaに基づいてScathophagidaeがつかわれてきました。

Vockerothさんは北米のカタログの中で、属名についてはScatophagaを用い、かつこの綴りが慣用されているので、国際動物命名規約委員会にこれを使うように申請したと示しています。
しかし、おそらくその申請は了承されなかったのでしょう、現在はMeigenの元の綴りのScathophagaが北米のマニュアルでも旧北区のマニュアルでも用いられており、科名Scathophagidaeとの同一性が保たれています。

なお、ScopeumaはMeigenの1800年の名称でこれは国際動物命名規約委員会によって1963年に無効にされているもので、使えません。1800年の名称と1803年の名称はセットになっているものが多く、1803年の名称が知られていたのですが、その後1800年の出版が発見されて、対応する属名を一時はすべて1800年の名称に置き換えましたが、その後、上記のとおり1800年の名称はりジェクトされて、対応する1803年の名称が使われています。このような例は、ヤリバエ属のMusidoraとLonchoptera,ガガンボダマシ属のPetauristaとTrichocera、ヒラタアシバエ属のClythiaとPlatypezaなどなどたくさんあります。

Re: ヒメフンバエ♀ 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/12(Thu) 16:07:03 No.5091 ホームページ  引用 
アノニモミイア様:

 学名の経緯に関する詳細な情報有難う御座いました。一旦綴りを間違えると、簡単に直すことが出来ない場合があると言うことですね。
 アノニモミイア様ならではのお話と存じます。有難う御座いました。

シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 10:50:56 No.5070 ホームページ  引用 
 昨年の11月10〜13日に東京都世田谷区西部で撮ったハエです(先日のウスイロアシブトケバエ(Bibio flavihalter)と同時同所で、近くにかなり水量のある泉が2個所あります)。非常に沢山いたので、何時でも撮れると思って油断をしていたところ、急に居なくなってしまい、結果として余り良い写真がありません。
 高精度で撮影していないので剛毛の有無が明瞭でなく、また、翅を畳んで居るので翅脈も良く分かりません。そこで、Web上で画像を探したところ、カトリバエ類と似ている様です。
 そこで今度はカトリバエ或いはLispeで検索してみると、此方の掲示板でNo.1013から始まる「Presumed Muscidae」と題するスレッドにバグリッチ氏が出されているNo.1020の写真(シナホソカトリバエ Lispe sinica)とよく似ておりました。
 また、Acleris氏が出されている標本写真(No.5169、No.5170:Googleのキャッシュから)と較べてみましたが、頭部、胸部、脚の剛毛は基本的に一致している様に見えます。
 「日本のイエバエ科」(先日遂に買ってしまいました)でLispe属内の検索をすると、些か怪しげではありますが(posterior bristleとは脛節端にある後ろ向きの剛毛なのか、脛節中央近くにある剛毛なのか良く分からないのですが・・・)、一応L. sinicaに落ちました。しかし、この写真から亜科、属レベルの検索をするのは一寸無理です。
 シナホソカトリバエ(L. sinica)で正しいでしょうか?


Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 10:52:51 No.5071 ホームページ  引用 
脚の見える写真

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 10:54:22 No.5072 ホームページ  引用 
斜め前からの図。
前脚の良く見える写真もありますが、3枚までにしておきます。


Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/11(Wed) 12:10:46 No.5073  引用 
アーチャーン様.

ハエのことは判りませんが;^_^)

posterior bristleと書かれているのならば,後面に生えている剛毛のことと思われます.

Manual of Nearctic Diptera の図を貼っておきます.

このように独特の言い回しが多いので,基本的な文献を揃えていないと記載文などを読む場合に困ることがよくあります.


Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 13:23:37 No.5074 ホームページ  引用 
茨城_市毛様:

 わざわざ図を載せていただいて恐縮です。
 少し説明不足だったと思いますので、もう1枚前脚の見える写真も貼ることにしました。
 「日本のイエバエ科」のLispe属内の検索では、先ず最初に上(No.5070)に書いたposterior bristleが前脚脛節にあるか否かで分かれるのですが、写真を見ると、脛節端と脛節中程の2個所に後ろ向きの毛があります(No.5072の写真にもボケていますが写っています)。あるのだから何処でも良いとも言えますが、全然属を間違っている可能性もあるので、この内のどの剛毛が意とするposterior bristleなのかが気になっているのです。普通は脛節端にある方を指すのでしょうか?


Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 15:52:45 No.5075  引用 
あなたの写真の種はほぼ間違いなくシナホソカトリバエでしょう。西日本などではもっとも普通のカトリバエで、水辺に限らずやや湿り気のある低丈の草原には多産します。ご参考までに。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 15:58:09 No.5076  引用 
篠永先生のシナホソカトリバエに関係する形質の写真を数枚添付します。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/11(Wed) 16:03:22 No.5077  引用 
アーチャーン様.

脛節の剛毛の場合,末端部の剛毛は別の名称です(apical bristles端刺, preapical bresitles亜端刺).

5074の前脛節で見えているのは,pv剛毛が1本とpdもしくはd剛毛です.
手前側が後面となり,ソケットらしきものが光っているので,p剛毛があるのではないでしょうか?

詳しくは,新訂大図鑑の脚部の解説に書かれています.

胸部と脚部の剛毛の名称を覚えないことには,一部の双翅目を除き同定が出来ません.また,ここが難関です;^_^)

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 16:10:08 No.5078  引用 
頭部でパルプの色彩です。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 16:11:34 No.5079  引用 
中胸背板のdc剛毛です。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 16:13:20 No.5080  引用 
最後に腹部の第2-5腹節背板の斑紋です。以上の特徴が合えばシナホソカトリバエでしょう。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2009/02/11(Wed) 16:24:12 No.5081  引用 
シナホソカトリバエ雄の全形です。なお、カトリバエ属の前脛節の後剛毛はやや後腹の位置にあります。先端の剛毛との違いは市毛さんの指摘のとおりです。最初の写真が左前脛節の後面の写真です。剛毛の名称を英語で入れるとなぜか迷惑メール扱いをされたので、やむを得ず漢字で書きました。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/11(Wed) 17:15:12 No.5082  引用 
アノニモミイア様.

先日,迷惑メール用のNGワードを新しいファイルに更新したのでエラーとなったようです.該当するNGワードを修正しました.

御迷惑おかけしました<m(__)m>

以下,アノニモミイア様が投稿したオリジナルな文章です.
--------------------------------
シナホソカトリバエ雄の全形です。なお、カトリバエ属の前脛節のposterior bristleはややposteroventralの位置にあります。先端の剛毛との違いは市毛さんの指摘のとおりです。最初の写真が左前脛節の後面の写真です。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 17:44:55 No.5083 ホームページ  引用 
アノニモミイア様:

 詳細な御回答、有難う御座います。

 No.5076の真ん中にある剛毛は、No.5074の前脛節ほぼ中央に見られる剛毛と同一と思われます。
 パルプの色は両者(No.5072とNo.5078)でかなり違いますが、検索表では黄色か黒となっていますから、明らかに黄色の方に分があります。
 横線前のdc剛毛は最初の背面からの写真No.5070で1本であることが確認出来ます。
 腹部の斑紋は良い写真が無く、一寸難しい所ですが、No.5071の第3節後縁側面には白い部分があり、雌の模様に似ております。但し、此処に載せた写真は同一個体を撮ったものではありません。

 我が家の辺り(東京都世田谷区西部)には、シナホソとトウヨウしか居ない様ですし、上記の考察を総合してこのハエはシナホソカトリバエとして問題ないと判断いたします。

 有難う御座いました。

Re: シナホソカトリバエ? 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/11(Wed) 18:00:36 No.5084 ホームページ  引用 
茨城_市毛様:

 御教示有難う御座います。

 apical bristrle,preapical bristleは「The European Families of the Diptera」(数日前に届きました)に出ていました。これらの剛毛の方向を問題とするときは、dorsoapical bristle、或いは、dorsal-apical bristleとでもするのでしょうか。

 脚の刺毛の方向は「脚を横水平に拡げた状態」で判断するとは知りませんでした。よく考えてみると、まだ、新訂大圖鑑の双翅目の解説(三枝先生が執筆されたと記憶しております)をキチンと呼んでいません。英語の本を買う前に、日本語の本をシッカリ読んでおくべきでした。反省、反省・・・。

Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 10:11:30 No.5037 ホームページ  引用 
 昨年11月10日に東京都世田谷区西部で撮ったケバエです。雄はかなりの頭数がおり、群飛と言うほどではありませんが、数頭が空中で待機しているところも見られました。しかし、同種の雌と思われる個体は1頭見ただけです。
 No.4201にアノニモミイア氏の「前脚の脛節の先端に刺があるようにみえますので,この形質があるとすれば,ケバエ科のBibio属ということになります」とのお話がありますので、これもBibioと思われます。しかし、北隆館の圖鑑には該当するものがありませんでした。九大の目録に拠ると本州に産するもので16〜17種、TKMには12種しか記録がありませんし、秋に発生する種は少ない様なので、何とか種まで落ちないものでしょうか。
 雄雌あるので、写真の枚数が多くなってしまいました。


Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 10:12:39 No.5038 ホームページ  引用 
 雌を斜め前方から

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 10:14:07 No.5039 ホームページ  引用 
 雄の背面

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 10:15:46 No.5040 ホームページ  引用 
 雄の頭部胸部側面

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 10:18:29 No.5041 ホームページ  引用 
 ワカバグモに掴まっている個体。翅脈と尾端が見えます。
 他に腹部背面の写真もありますが、枚数が多くなるので遠慮しておきます。


Re: Bibio属の1種 投稿者: 投稿日:2009/02/02(Mon) 13:53:43 No.5042 ホームページ  引用 
お久しぶりです。皆様。
このケバエは仰るとおりBibio属。
前脛節内側の棘が小さく、後脚の第1付小節が膨らむこと、平均棍が黄色く、体を覆う毛が白っぽいことから
Bibio flavihalterだと思います。

Re: Bibio属の1種 投稿者: 投稿日:2009/02/02(Mon) 14:10:24 No.5043 ホームページ  引用 
秋に出現するケバエでよく似たのにBibio gracilipalpusというのがいますが、こちらは写真のとおり、雄は真っ黒といった感じです。
これまで、特に一生懸命収集していたわけではないので、時期尚早という感もありますが、今編集している栃木県立博物館の研究紀要に栃木県産ケバエの収蔵標本をまとめた報告を出します。今のところ、栃木県から14種が見つかっています。この報告をまとめる作業をつうじて、明らかに取りこぼしているものがあるので、実際には20種前後がいるんだろうなという印象を持ちました。


Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/02(Mon) 15:27:47 No.5044 ホームページ  引用 
 達磨様:
 
 初めまして。
 早速の御回答有難う御座います。B.flavihalter(ウスイロアシブトケバエ)は、北隆館の圖鑑に晩秋に発生する唯一のケバエとして載って居ります。多くの特徴は図鑑の記載と一致したのですが、「胸部は・・・♀では全体赤褐色」とあるのに対し、写真のケバエでは中胸盾板に明確な2条黒条があるので違うと判断してしまいました。どうも双翅目の中には、中胸背の模様に変化が多い種がかなりある様で、素人としては判断を誤るときがあります。
 有難う御座いました。

Re: Bibio属の1種 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/02/04(Wed) 00:44:18 No.5052  引用 
本種は達磨大師の仰せのとおり,Bibio flavihalter Hardy & Takahashiです.

本種のtype locality(模式標本の採集地)は九州の九重山です.中部九州の標本でも,雌の胸部は全面的に橙黄色ないし暗赤褐色のものから,あなたの写真に見られる暗条の位置が暗化し始めるものまで個体変異があります.原記載では全面的に橙黄色の個体に基づいた記述があり,北隆館の原色昆虫大図鑑の旧版及び新訂版でも笹川先生によって原記載の記述どおりの説明がされています.なお,あなたは「北隆館の圖鑑に晩秋に発生する唯一のケバエとして載って居ります。」とありますが,前記2図鑑にはこの記述は見当たりません.どの図鑑にこの記述があるのでしょうか.因みに,晩秋に出現するBibio属はHardy & Takahashi (1960)でも本種を含めて3種が記録されており,さらにもう1種B. montanusは秋というより晩夏から初秋にかけて中部山岳地帯の高所で発生します.これら4種の他に秋に出現するBibioは日本で少数の未記載種があります.

Re: Bibio属の1種 投稿者:Arge 投稿日:2009/02/04(Wed) 09:56:07 No.5053  引用 
アーチャーン様

ケバエの文献についてですが、Pacific Insectsは以前も紹介しましたがWeb上で公開されています。

Hardy, D. E. & Takahashi, M., 1960. Revision of the Japanese Bibionidae (Diptera, Namatocera). Pacific Insects, 2(4): 383-449.

http://hbs.bishopmuseum.org/pi/pi2-4.htm

ここでPDFを見ることができます。
ファイルは10MB以上と非常に重たいのでご注意下さい。
全部英文ですが、ゲニタリアや脚などの図も入っているので、参考にはなると思います。

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/04(Wed) 12:41:10 No.5054 ホームページ  引用 
三枝先生:

 専門家ならではの模式標本や個体変異についての情報有難う御座います。No.5053のArge氏に紹介して頂いた論文を早速見てみましたが、やはり「雌の胸部は全面的に赤褐色」と書かれていました[追記:これが原記載論文であることに後で気が付きました]。

 「晩秋に出現する唯一のケバエ」と書きましたのは、北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻に載っているケバエ科昆虫の解説で、出現期に晩秋(11月前後)を含んでいる種がNo.1744のウスイロアシブトケバエ B. flavihalter(10〜11月に成虫出現)のみであったことに拠ります。図鑑には「晩秋」とは書かれておりませんが、少し「意訳」に過ぎたでしょうか。

 有難う御座いました。今後とも宜敷御願い申し上げます。

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/04(Wed) 13:19:11 No.5055 ホームページ  引用 
Arge様:

 文献の紹介有難う御座います。早速Download致しました。
 こちらのケバエ科の目録を見ると、その多くがこの論文(Hardy & Takahashi,1960)により記載された種であることに些か驚かされました。ケバエ類はそれまで殆ど研究されていなかったと言うことです。

 しかし、九大やこちらの目録ではケバエ科は26種ですが、この論文(1960)では5属36種(P. motschulskiiを除くと35種)、また「赤坂御用地と常盤松御用邸のケバエ科昆虫」(2005)ではその後の笹川氏の新種を含めて5属36種、となっています。その後の研究でシノニムとされた種があるのでしょうか。

Re: Bibio属の1種 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/04(Wed) 15:00:56 No.5056  引用 
アーチャーン様.

これは,ケバエ科の範囲の問題です.

Hardyでは,ケバエ科Bibionidaeに次の3つの科を含めて考えています.
ケバエ科Bibionidae + トゲナシケバエ科 Pleciidae + ヒゲナガフルカ科 Hesperinidae

分けるべきか,ケバエ科の中で3亜科として扱うかは,著者の考えかた次第で変わったりするので,よく判りません.

Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/04(Wed) 16:08:43 No.5057 ホームページ  引用 
茨城_市毛様:

 これは不注意でした。こちらや九大の目録では2属しか入っていないことに気が付きませんでした。それだけケバエには知り合いが居ないと言うことを証明している様なものです。

 実は、今までケバエと言う虫は弱々しくだらしがない感じがして、余り興味が持てなかったのですが、今回雌を見て中々精悍な所もあると見直しました。笹川氏の論文も手に入りましたから、今後はこれらの文献でケバエ科は何とかなりそうです。

 御指摘有難う御座いました。

Re: Bibio属の1種 投稿者: 投稿日:2009/02/05(Thu) 09:56:12 No.5060 ホームページ  引用 
flavihalter雌の胸の色を調べたりともたもたしている間に三枝先生はじめ色々な方に関連の書き込みをいただき助かりました。栃木県立博物館収蔵のflavihalter雌は6個体。これらの個体はどれも一様に赤褐色をしておりました。やはり標本は沢山集めなくてはいけませんね。
秋に出現するケバエできれいなのが手元にありましたので、コメントが遅れたお詫びに写真を貼付。
北海道のBibio pomonae iwasugensis Ouchi, 1940です。


Re: Bibio属の1種 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/06(Fri) 10:52:23 No.5066 ホームページ  引用 
達磨様:

 わざわざ標本を探す労を取られたとの由、恐縮です。有難う御座いました。
 全個体一様に赤褐色だったそうですが、この写真の様な中胸背に2黒条ある個体は少ないのでしょうか(此処に投稿する前にWeb上で同じく中胸背に2黒条あるケバエの写真を見付けたのですが、その後どう探しても見つかりません)。

 このケバエについては、昨日私のもう一つのWeblogに掲載致しました(先ず雌のみを)(http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/bibio-flavihalt.html)。これも、皆様の御協力の賜です。有難う御座いました。

 なお、此処で正体が判明した虫をWeblog等に載せる際は、此方に逐次報告するのが御世話になった者としての義務かと思いますが、人によっては自己宣伝に過ぎると感じられる方も居られるかも知れません。皆様(特に管理人様)は如何お考えでしょうか?
 最近は、このことが少し気になって余り報告していないのですが・・・。

Re: ブログへの内容引用について 投稿者:ハエ男 投稿日:2009/02/06(Fri) 13:38:29 No.5067  引用 
管理人のハエ男で@出稼ぎ中です。
双翅目関連のウェブ上の記事の精度については私をはじめ、ここに登場してくださる各方々の大きな懸案事項でありました。

間違った情報をだしてしまって、それが検索エンジンにヒットしてしまい、またその間違った情報が引用されて・・・といった悪循環も一部では起こっていたわけです。

ここで回答してくださる方々はわかっている部分とまだ研究が進んでいない部分、または混乱している部分等も考慮してきちんとして回答してくれていますので、サイトの信憑性を確保するためにも同定者(または同定協力者)の名前とそれの出先は明記していただくのが良いと思います。

ここでの回答は参考資料がしっかりした回答ですので、なにか同定精度についてトラブルがあった場合でも、その内容について再検討が可能となります。

その意味でもアーチャーンさんのサイトのように同定協力者を明記していただけると大変良いと思います。

Re: ブログへの内容引用について 投稿者:アーチャーン 投稿日:2009/02/09(Mon) 13:51:07 No.5068 ホームページ  引用 
管理人様、他皆様:

 管理人様以外からはお答えがありませんが、察するに、皆様やはり質問者がどの様な形で公表しているのか、気にされておられるのではないかと思います。一時、自己宣伝の様な気がして、公表先を書き込むことを控えていたのですが、今後は、公表後出来るだけ速やかに此方に明記することに致します。

 また、此方に載せる写真は出来るだけ枚数が少なくなる様にしています。しかし、Weblogに載せる際にはもっと沢山の写真を出しており、このサイトの閲覧者がその他の写真を見たい場合にも、公表サイトのurlが書かれている方が便利ではないかと思います。

 既に公表しているのにも拘わらず、まだそのことを此方に報告していない虫については、それぞれのスレッドに御礼と公表したサイトを書き込む積もりで居りましたが、最近投稿した虫のスレッドは現在消えたままになっておりますので、以下に纏めて御礼かたがた報告致します。なお、此方では複数のurlは書き込めない筈なので、urlの先頭にある半角小文字の「h」を全角の「H」に書き換えてあります。
 
 1.チビクチナガハリバエの1種 (Siphona paludosa) Http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200901190000/ 三枝先生他皆様有難う御座いました。
 2.シマバエ科(Homoneura sp.?) Http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200812110000/ アノニモミイア様、市毛様有難う御座いました。
 3.センダングサケブカミバエ Http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-4e0b.html ウミユスリカ様有難う御座いました。
 4.ヒゲブトキモグリバエ? Http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-9335.html アノニモミイア様、バグリッチ様有難う御座いました。
 5.キタモンヒゲブトキモグリバエ Http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-9210.html バグリッチ様有難う御座いました。

ハエ男@出稼ぎ中の連絡先 投稿者:ハエ男 投稿日:2009/02/05(Thu) 12:30:35 No.5061  引用 
ただいま白馬のスキー場(ジャンプ台前)に出稼ぎに来てる管理人です。
当サイト関連の連絡事項&古田あての連絡事項はしばらくの間(3月いっぱいまで・・)出来れば@hotmail.comの方にいただけるとありがたいです。

もちろんアドレスのはじめはfurumusiです。
雪の中にへんなハエがいないか見てきたいと思います。

Re: 出稼ぎ中の連絡先 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/05(Thu) 20:58:36 No.5062  引用 
ハエ男様.

ハエと関連の無い変わったタイトルだったので,スパムと勘違いして削除しようと思ってしまいました(^_^;)

日焼けに注意して,稼いでください..

Re: 出稼ぎ中の連絡先 投稿者:アノニモミィア 投稿日:2009/02/05(Thu) 22:25:45 No.5063  引用 
ハエ男様

市毛さんと同様にタイトルからなにかいかがわしい画像でも出るのかと思ってしまいました.

Chioneaなどのほかに,可能性としてはMecopteraのBoreusが雪上にでる可能性がありまし.北海道では発見され,かつて塩尻峠でこれを見たという人もありますので,可能性はかなりあると思います.シリアゲとはいってもいたって小型のほぼ無翅(短翅)昆虫ですから,かなり注意が必要かと思います.生きたのをみたことがないのですが,ぴょんぴょん雪上を跳ねるとか.また,Thyreophorinaも腐肉を使ってでさがしてみてください.

Re: いつかきっと 投稿者:ハエ男 投稿日:2009/02/06(Fri) 02:59:29 No.5064  引用 
タイトルを修正しちゃいました。

いつか雪中のハエのいかがわしい交尾器の画像をだしたいとおもいます。

アブ科でしょうか? 投稿者:風林火山 投稿日:2009/02/03(Tue) 22:18:15 No.5049  引用 
お世話になります。
昨年7月5日に灯火採集でカーテンに飛来した種(愛知県産)です。体長は約15mm、全身黒色で長毛を密生し、脛節および第1ふ節が黄褐色を呈します。
特徴的な斑紋で、翅脈からアブ科かクサアブ科かと考え調べてみましたが、門外漢の私では無理でした。
これは某調査で得たもので、この調査には京都のO先生がDiptera担当で参加されています。近いうちにO先生にお渡しするつもりですが、後学のために質問させていただきました。
ご教示いただけましたら幸いです。


Re: アブ科でしょうか? 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/02/03(Tue) 23:10:49 No.5050  引用 
風林火山様.

恐らく,タマユラアブ科Pelchorhynchidaeのベッコウタマユラアブ Pseudoerinna fuscata Shiraki, 1932 と思われます.

Re: アブ科でしょうか? 投稿者:三枝豊平 投稿日:2009/02/04(Wed) 00:25:13 No.5051  引用 
市毛さんの通り,この写真の種はベッコウタマユラアブです.北隆館発行の新訂原色昆虫大図鑑第3巻(2008)の2273番を参照下さい.この科は私の改訂担当でしたが,写真は旧版のものをそのまま使ったので大変不鮮明ですが,ほぼ本種の特徴を識別することができるでしょう.旧和名はベッコウクサアブです.

本種は比較的稀な種です.できれば採集データを私宛にお知らせ下さい.京都大学では理学部または農学部関係の生物系の教官または院生で日本昆虫学会の会員であれば私への連絡先がわかると思います.

Re: アブ科でしょうか? 投稿者:風林火山 投稿日:2009/02/04(Wed) 21:47:16 No.5058  引用 
市毛様、三枝先生

御教示ありがとうございました。
北驫ルの図鑑は調べたのですが、完全に見落としていました。失礼しました。
稀な種のようで、検索しても情報があまりないようですが、京都府レッドデータブックに掲載されていました。
採集データについては後日お手紙にてお知らせしたいと存じます。

ハナアブの幼虫はどういう場所に... 投稿者:新屋 投稿日:2009/01/30(Fri) 19:33:04 No.5026  引用 
学校のビオトープに深さ約10cm、直径20〜30cmの池(容器に水を入れたもの)があります。中には少量の土や落ち葉があります
(何グラムとか厚さといったことは具体的にはわかりません)。これを池1とします。もう1つ、周囲約30cm×60cm、深さ約20cmの池(衣装ケースを使用)があります。
中には水草と多量のピートモスが入っています。これを池2とします。池1に現れたのはただカの幼虫だけです。冬に凍った池2を探ると
カ・ユスリカの幼虫とコミズムシ類が出ました。濁った水だったらハナアブや近い種の幼虫が現れるのではと思うのですが、
何か産卵場所に条件があるのでしょうか。成虫のハナアブ、シマハナアブ、オオハナアブは何度かビオトープの花に来ています。

Re: ハナアブの幼虫はどういう場... 投稿者:赤塚カケス 投稿日:2009/01/31(Sat) 15:45:29 No.5029  引用 
レスがないので門外漢ですが失礼します。

水深が深いと幼虫の生育環境に適さない可能性が考えられます。

オナガウジの尻尾のような部分は呼吸器官で、この長さは最も伸びたときで15cm(WikipediaでRat-tailed maggotの項)と記載があります。種によって最大長さは異なっていると思いますが、いずれにしろオナガウジが水底に潜んで長くこの呼吸器を伸ばして水面まで届くことが必要ではないかと推察されます。もちろん壁面に張り付き呼吸することも考えられますが安定していないと思います。

池2は水深20cmと記載されていますので、やや深すぎるのかもしれません。

私は、途上国で下水処理施設として使われている酸化安定池(Waste Stabilization Ponds)での蚊の発生防止法として、水深を深く保つことと日陰をつくらないことによって、池が蚊の発生源にならないという文献を読んだことがあります。ボウフラの生育環境で水深が重要な要素だとすると、オナガウジはその形態上、水深が一層問題ではないかと思いました。

なお「蚊」の幼虫(ボウフラ)の生育環境については非常に興味があるので、どなたか水深との関係について文献等の情報があれば教えていたがければ有難く思います。(別に質問すべきですが)

もう1つの影響因子として、池の表面積があるかもしれません。ハナアブではないのですが蚊の幼虫の生息環境(=成虫の好む産卵箇所)では、面積が小さい水溜りほど、蚊の幼虫の数が多いという研究結果も見つけました。
http://www.sove.org/Journal%20PDF/December%202003/Lester%20and%20Pike%2003-07.pdf

これは、蚊の幼虫の天敵との関係で、天敵の好まない環境に卵を生もうとする行動と関係しているようです。

なお新屋さんのご質問に触発されて、ネットでハナアブの幼虫の情報を探してみたら極めて面白い生物で、私も興味が出てきました。

Re: ハナアブの幼虫はどういう場... 投稿者:新屋 投稿日:2009/01/31(Sat) 19:44:36 No.5030  引用 
深すぎなのですか。浮かんでしのぐと思っていましたが這うのみなんですね。
カは面積が小さい方がいるんですね。確かに池2にはわずかにしかいませんでしたし、10cm×10cm、水深10cm未満の
箱にはいっぱい出ました。一般家庭に、そうした浅い濁った水たまりってあるのでしょうか…うちにはないです。

Re: ハナアブの幼虫はどういう場... 投稿者:茨城_市毛 投稿日:2009/01/31(Sat) 20:19:32 No.5031  引用 
新屋様.

詳しくは判りませんが,岸辺の有無も関係するかも知れません.
自宅の池は,深さ20-25cm程ですが,時折オナガウジがいます.(大概,浅い岸辺に近い場所にいますが,時折深い場所で浮くようにしていることもあります.)

親を観察していると,岸辺をうろうろしていますので,適度な場所で産卵しているのだと思われます.

野外での観察でも,シマハナアブやキョウコシマハナアブ,ナミハナアブは湿地の泥っぽいところで産卵しています.

あるいは,親が安定して止まれる場所が必要なのかもれません.
産卵の足場となるだけではなく,幼虫が蛹化するために池を脱出するためにも親が止まれるような爪が引っ掛かる斜面が必要です.

なお,カの場合は,直接水に産卵し,蛹から直接空中に飛び出る生活をするので,このような足場は不要なようです.

Re: ハナアブの幼虫はどういう場... 投稿者:赤塚カケス 投稿日:2009/01/31(Sat) 22:14:19 No.5032  引用 
なぜ少し大き目の池2にはハナアブの幼虫がいないのかを考えてみました。

池2には、ユスリカの幼虫等がいたと報告されています。これらの虫に食われた可能性も考えられます。

ユスリカの幼虫は手元にある"The Chironomidae; The biology and ecology of non-biting midges"を見ると、雑食性で、他の昆虫の幼虫を襲って食べることもあると書いてあります。

Re: ハナアブの幼虫はどういう場... 投稿者:新屋 投稿日:2009/02/01(Sun) 15:19:29 No.5034  引用 
池1には岸がないです。2は衣装ケースのふちまでは土に埋まっていないのでヤゴなどは上陸できないと思われます。オナガウジは
ナメクジのように腹ではりつけ…なさそうですね。成虫が産卵するのは近くの土でできるとして、幼虫が水に入ることは
できなさそうです。なるほどこれではいけませんね。

ユスリカの幼虫って獰猛なものなんですか!?一般的には有機物とかを食べる感じですが、モンユスリカ亜科は肉食だそうですね。
池2から羽に紋のある成虫は発生しています。また、ボウフラの頭も見つかっています…

調べてみると卵はゼリーに包まれているんですね。水深3〜4cm、水槽の側面(もちろん内側です)にサカマキガイの卵みたいなものが
ありましたがユスリカのものかもしれません。泥まゆに入った幼虫を見ていますが珍しいものではないそうです。

似た問題で悩む 投稿者:赤塚カケス 投稿日:2009/02/03(Tue) 12:51:48 No.5046  引用 
新屋様

実は私も似た問題で悩んでいます。

私の場合は蚊です。

庭のテーブルの上に、3つ小さな容器を並べています。

はじめは空でした。そのうち雨が降り、庭の木からは落ち葉が供給され、ひとつの小さな世界が出来上がります。しばらく雨が降らないと干上がることもあります。こんな状態で1年半以上も放置し、どのような生物が発生するのか観察しています。

当然、ボウフラは湧くだろうと期待していたのですが、さっぱりボウフラの発生はありません。庭には蚊がいないわけではありません。むしろ夏などいやになるほど蚊が飛び回っています。しかし、私の観察している小さな容器には全くボウフラが出ないのです。

容器は、白いマグカップ、ジャムの入っていたガラス瓶、いらなくなったお茶碗です。

蜂などの死骸(おぼれたようだ)はありますが、肉眼で見える大きさの生きた生物はこの3つの容器に発生しません。

その理由をあれこれ考えてたのですが、今朝「蚊の不思議」という本を読んでいてp98に「産卵容器に対する嗜好性」という内容が記載されており、容器の色による蚊の産卵の差があるという話が出ていました。

蚊は古タイヤの小さな水たまりにはよく産卵しここが諸外国でマラリヤ蚊や黄熱病の蚊の発生源になったているという話をよく読みます。

確かに、私の庭の容器は白や明るい色ですので、この色の問題があったのかもしれないと、気が付きました。

今度は、黒っぽい色の容器で試してみようと思っています。

新屋さんの問題も産卵場所に対する成虫の嗜好の差が反映されているのかもしれず、色も一つのファクターかもしれません。

Re: 似た問題で悩む 投稿者:新屋 投稿日:2009/02/03(Tue) 19:37:20 No.5048  引用 
池1はビニールで白っぽいし、池2も透明な白ですが、水は黒っぽいです。タイヤの水たまりで増えるというのは
聞いたことがありますが、そんなところで栄養分が足りるとは… 風で飛んできた葉とか死がいとかが栄養源でしょうか。

カなどがどういう条件で産卵するかということは、あまり調べられていないのでしょうか。意外と近くにふしぎがあるものですね。

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