はじめまして。先日、近畿の山でタイトルのハエを採集しました。背面のボーダー柄の模様と特徴的なM1脈が気になり、MNDで検索したところ、Strongygaster属になりました。
日本昆虫目録によると、Strongygaster属には、S.globulaのみが記載されていましたので、本種をネットで検索したところ、Diptera.infoに写真(参照URL)がありました。これがS.globulaであるかは分かりませんが、そうであるなら、タイトルのハエとは違う種に見えます。 検索が間違っているのかと思い、ネットでヤドリバエの写真を眺めていたところ、Graphogaster vestitaという似たハエが見つかりました。ただ、MNDではStrongygaster属とGraphogaster属は最初の選択肢(Prosternumに刺毛があるかないか)で分かれ、タイトルのハエにProsternumに刺毛がないので、Graphogaster属とするには違和感があります。 同定が行き詰まった上、そもそもヤドリバエなのかというところから自信がなくなってきました。タイトルのハエについて、何かご教示いただけないでしょうか?
フルグラ様.
色々なHPで新北区の検索で調べている方が多いので仕方がないのでしょうが,下記の旧北区の検索で調べてみては如何でしょうか? http://www.naturkundemuseum-bw.de/sites/default/files/forschung/user_129/TschorsnigRichter1998.pdf その他,東洋区のキーも公開されています. https://www.biodiversitylibrary.org/part/78194#/summary ヤドリバエ科の場合,新北区には303属1345種(Wood,2004),旧北区には398属1552種(Herting, 1984)と多数の属が分布しており,旧北区に分布する属のうち176属は固有の属とされています(Tschorsnig & Richter, 1998)ので,新北区の検索に含まれていない属が多すぎます. なお,日本昆虫目録(2014)には183属503種が収録されていますが,その後嶌・篠永(2014)や嶌・原(2016)やでいくつかの属が追加されています.
茨城@市毛様
お返事ありがとうございます。MNDでヤドリバエを検索することの難しさがよく分かりました。教えていただいた旧北区と東洋区の検索表で再度検索し直してみようと思います。 旧北区の検索表をパラパラと見た感じでは、Rondania属になるかもしれないなと思いました。本属は、同じく教えていただいた嶌・篠永(2014)で追加された属で、北海道と岩手で未記載種が捕獲されているということなので、両先生にお聞きすると、更に進展があるかもしれないなと思いました。 またよろしくお願いいたします。
Arcona nishijimai (Mesnil)ではないかと思います(実物を見ないと正確にはわかりませんが).これはStrongygasterと近いか同じ属です(原記載ではStrongygasterです).非常に稀な種だろうと思います.A. nishijimaiはエゾマイマイカブリに寄生するとして記載されました.
ハエどしより様.
残念ながら,新北区と異なり旧北区のStrongygasteriniはr4+5脈の柄(petiole)が短いのです(CMPD Couplet 227). 理由は不明です. 西島氏が採集したエゾマイマイカブリに寄生していたという標本も見たことがあります.petioleは短かったです.
それにしてもよく似ていますね。Petioleの長さはともかくとして、Arconiaの新種では?まだこんなものが採れるのが驚きです.実物を見たら案外つまらないものだったりして……
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HMさま
これはHelophilus eristaloideus;アシブトハナアブのメスです。最も身近な種のひとつで、成虫で越冬するため冬でも暖かい日には姿が見られます。ほとんど年中見られるといってもいいかな。 なお、学名は比較的最近変わっており、古くからの図鑑とは一致しませんのでご注意を。
pakenya様
ご教示ありがとうございます。 学名の変遷についてまで教えていただき、たいへん勉強になりました。 今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。 |
HMさま
このハナアブは、Syrphus torvus ケヒラタアブです。 この画像でも複眼に毛が生えているのが確認できます。
pakenya様
ご教示ありがとうございます。 毛が確認でき、たいへん勉強になりました。 今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。 HM |
HM様.
写真のハナアブは,Criorhina takaoensisタカオハナアブです. フキノトウへの訪花は初めてみました.通常,ヤナギやカエデの花など木本の花で見ています.
茨城@市毛様
ご教示ありがとうございます。 訪花の傾向についても知ることができ、たいへん勉強になりました。 今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。 |
はじめまして。自分は昔から虫が好きで、最近本格的に採集を始めました。しかし、双翅目は微小な種が多く、同定を困難に感じたので、双翅目について色々とご教示お願いしたく投稿させていただきます。これからよろしくお願いします。
今日、さいたま市桜区の田畑の多い地区の自宅内にて採集した個体で、大きさは3mmくらいです。 複眼が赤いこと、翅脈は、中室と第2基室がつながり、肩切目とsc切目があり、Sc脈がR1脈と融合していること、触覚に長い刺毛があることなどからショウジョウバエ科かと考えているのですが、触覚の刺毛が少ないことなどに違和感を覚え、他の科も疑っています。 ご存知の方がおりましたら教えて頂けると有り難いです。どうかよろしくお願いいたします。
虫校生 様.
翅脈以外の情報が少なく,中々写真では判断が難しいです. 下記のURLからダウンロード出来る「双翅目の科の検索表」を参考に調べて頂ければと思います. https://ci.nii.ac.jp/naid/110007724383
茨城@市毛 様
返信有難うございます。 北隆館の大図鑑三巻の検索表では、書かれた体の各部が手持ちの器具と技術では上手く観察できず、大雑把な検索をしてショウジョウバエ科にたどり着いてしまい、合っているか不安だったので、別の検索表を教えて下さり有難うございました。 |
蝿好物様.
投稿に際しては,採集時期と体長を書いてください.
茨城@市毛様
ご連絡ありがとうございます。 体長は12mm 採集時期は9月中旬です。
蝿好物
恐らく南方系のPlatystomatidaeと思われます. 日本のPlatystomatidaeは11属しか記録されていませんが,東洋区には40属以上が分布しております. 主要文献がドイツ語のため,よくわかりません.
茨城@市毛 様
情報をありがとうございました。 見たことのないPlatystomatidaeでしたので、日本産既知種の属を調べてみましたが、納得のいく属に行きつきませんでした。東洋区には、そんなに属があるのですね。ドイツ語は難ですが、文献を探してみます。 ありがとうございました。 |
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