こちらは、北大を貫通して流れるサクシュコトニ川の出口のヨシやガマが生い茂る湿地と大野池の双方でのスウィーピングサンプルで優占して出現した Notiphila (Agrolimna) sp. の♂です。まだ種までは落とせておりません。
http://www.ingentaconnect.com/content/esa/aesa/1978/00000071/00000003/art00032
幼虫はガマのような水生植物の根に気門を挿入して呼吸しながら、腐植質の微生物を摂取して成長するようですね。 |
最近、北大総合博物館のボランティアとして、北大構内の双翅目相を調べています。こちらは、工学部と理学部の間の大野池周囲の木道上で数多く見られるキタミズギワイエバエLimnophora septentrionalisの♂です。今の時期、まるでハンミョウの仲間のように木道の上に散開しています。
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まあ様.
私としては,まあ様のご指摘通りOxyna属の1種ではないかと思います. 斑紋の細かなところが若干異なっていますが,Oxyna stackelbergi Korneyevという種類が日本から記録されています. 市田(1994)の青森県のミバエ科ではO. amurensisを記録していますが,斑紋は本種とほぼ同じです.市田も再検討が必要と記しています. なお,市田が参考にしたKorneyev(1990)では,日本産はO. amurensisとなっているようですが,Korneyev et Ovchinnikov(2004)による極東の昆虫の検索では,日本の北海道・本州に分布するのはO. stackelbergiとなっています 詳しくは,ほげさんのコメントを待ちましょう.
茨城@市毛様、どうもありがとうございます。
そうなんです。Oxyna flavipennisの画像を見つけて、新たにOxyna flavipennisで検索すると、少し違った種が、たくさんあるように思えましたので、これも近似種がいろいろあるのかなとか、変異が微妙にある種なのか?と。 Oxyna stackelbergi というのがいるのですね。 留まっていた葉はヒメジョオンでしたが、何の植物(?)に依存してるとかいうのは、記録にはまだないでしょうか? Oxyna stackelbergiで検索してみましたが、画像を見つけられませんでした。 近似種がいろいろいるとなると、あと2回以上出会いたいものです(笑)
まあさま、市毛さま、こんばんわ
ほげです。仕事と暑さでしんどいです。うーうー。 お写真のミバエですが、申し訳ありません、私はOxyna属はぜんぜん分からんです。市田(1994)に書かれているものと恐らく同種であろう…と書き込もうと思ったら、市毛さんに先を越されている上に、Oxyna stackelbergiという種については「おー!そんなのいるんスか!」という有様でして(^_^;)。 私の就職以降のミバエ界の動きについては相当疎くなっていることに気づかされました。お恥ずかしい…。 機会があれば末吉先生にでも聞いてみます。
ほげ様、暑さお察しします。
皆様、涼しいことをたくさん想像してなんとか乗り切りましょうね。 この種は、ヒメジョオンの花がたくさん咲き出したころに見つかりました。 ほかにあった植物はヨモギ、ホタルブクロ、ヒメオドリコソウ、タンポポ、ススキ、オカトラノオ、アカツメクサなどです。 (この種が植物に依存するのかしないのかもわかりませんけど。。とりあえず書いてみます)
ほげ様.
確かに,世界中の文献に目を通すのはかなり大変ですよね. ところで,市田氏が引用している Korneyev, V. A. 1990. A review of Sphenella and Paroxyna series of genera (Diptera, Tephritidae, Tephritinae) of eastern Palaearctic. Nasekomye Mongol. 11: 395-470. を所有していませんか? Webcatでは10号までしか九大に無いようです. 基本的に,疑問があるなどは原著を当たらないと気が済まない性分なので気になっています.ページ数が多いのでBritish Libraryに頼むと,著作権料がかなり高くなりそうなので躊躇しています. Dr.Korneyevの論文はモンゴル語で書くことも結構あるのですが,この報文はロシア語なので何とか読めそうなので一読してみたいと考えています. 宜しくお願い致します.
まあさま、市毛さま、
どうもです。ほげです。 お写真のOxynaについて、森林総研九州支所の末吉昌宏氏にお聞きしたところ、以下のようなご回答を得ました。末吉氏ご了承のもと、以下にまとめたものを掲載します。 なお、末吉氏は、沿海州で採集されたものを中心に相当数のOxyna属の標本を見ております: ********** ・翅紋に関しては雌雄で異なるうえに個体変異もあるため、タイプ標本と寸分違わないというものでもなければ、同定は難しい。 ・交尾器による区別(同定)も、安定して使える部位が見つかっていないため現段階では難しい。 ・したがって、日本産の標本に関しては、当面はOxyna sp.としておくほうが無難かも知れない。 ********** 加えて末吉氏は、日本産のOxynaを扱ったKorneyev氏の論文に関しても、検証が必要かもしれないとの見解をお持ちのようです。背景としては上記にもあるとおり、Oxyna属の持つ区別の難しさがあると思われます。 ……… 私は「Oxynaは分からない」と書きましたが、これはつまり「うわぁ〜コレ難しそう!見ないでおこう!」と逃げ続けた結果でございまして(~_~;)。こういうのはイカンですな…。 またKorneyev氏の論文についてですが、Oxynaに限らず、日本産種を含む数多くのミバエの分類に関する論文を発表されています。仕事が早いと思う一方で、思い切って書いちゃうもんだなあという印象も個人的には持っています(時に思い切りは必要ですけどね)。 以上、ご報告まで。
ほげ様、さらなる情報ありがとうございます。
末吉昌宏様にも情報ありがとうございます。 お話を伺って、ハエ目の進化の速さや膨大な種を生んでいく能力に、この変化の多さははずせないなあと感じているところであります。。 Oxyna属は進化の途中過程なのかも知れませんね。 面白いです。 種が分かれる過程に注目していくのも興味深いですね。^^ |
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