私も、どこが決め手になるか確信はないのですが・・・
手持ちの資料の中では、平凡社の日本動物大百科第9巻 昆虫IIのP136に載っている写真のマツダマダラヒロクチバエ Euprosopia matsudai がいちばん似ていると思います。 マツダマダラヒロクチバエの記載論文はCiNiiで閲覧可能ですので、ご覧になってみて下さい。学名で検索するとヒットします。 http://ci.nii.ac.jp/ 検索表を見ると、マツダマダラは腿節が黒くて丸顔、オオマダラは腿節が明褐色で馬面ということのようですね。 私は、マダラヒロクチバエの仲間の実物を見たことがありませんので、ハズレの可能性もあります。詳しい方がいらっしゃいましたら、フォロー願いますm(_ _)m。 8/24追記:マツダマダラヒロクチバエの学名が間違っていましたので修正しました。大変失礼しました。
有り難うございます。じっくり読んでみます。
pierisさんから,別の写真の投稿があったので改めて見直してみました.
腿節の色が見えないので辛いのですが,上の2頭はマツダマダラヒロクチバエ Euprosopia matsudai Kurahashi, 1974と思われます. 下の個体も同種の♀と思いますが,もしかするとオオマダラヒロクチバエ Euprosopia grahami Malloch, 1931の可能性もあります. |
![]() それが、写真のミズアブです。しかし、管瓶に生きたまま入れ、メガネを掛けて観察したところ、腹部の白毛帯がありません。後で、写真を撮ってみると、触角の色も全く異なり、鞭節の先から黄白色の刺毛が伸びています。 Manural of Nearctic DipteraでStratiomyidaeを検索すると、何と、日本に記録のないBerkshiriaに行き着いてしまいました。Diptera info、BugGuide.net等で調べると、胸背の瘤、触角の形態や色、脚の色など、実際よく似ています。 しかし、このManualには、Kolomaniaは載って居らず、Kolomaniaを検索するとCosmariomyiaに辿り着きます。検索表が古いのか、分類に異説があるのか分かりませんが、他に文献を知らないので、これ以上の判断は私には無理の様です。 一体、このミズアブは何属なのでしょうか。宜敷御教示下さい。
アーチャーン様、投稿ありがとうございます。
確かにKolomania albopilosaではなさそうですね。 では何かという問いですが・・・私も良くわかりません。 体型などはWallacea属に似ているように見えますが・・・ 実物を見ないと何とも言えないですね。 Berkshiria属は新北区の属かもしれませんが、私は知らないので良くわかりません。旧北区のマニュアルで同定するとはっきりするような気がします。返事がいつになるかわかりませんが、ミズアブ科について詳しい双翅目談話会の事務局のO氏に問い合わせておきました。回答があればお知らせします。 ということで。 ケンセイ@ミズアブ科はまだまだ不明種がいろいろいるようです
アーチャーン様.
残念ながら,Manural of Nearctic Dipteraはタイトル通り新北区の双翅目だけを解説しているので,旧北区や東洋区の双翅目の属の検索は出来ません. 写真だけでの判別は困難なのですが,Wallacea albiesta Meijere, 1907と思われます. Wallacea属は,日本周辺からAustralasia区にかけて分布する属で,新北区やエチオピア区,新熱帯区には分布していません. 属名からすると,ウォレス線で有名なA. R. Wallaceに献命されていると思われます.
ケンセイ様.
御回答有難う御座いました。 O氏への問い合わせ、宜敷御願い致します。 東京都本土部昆虫目録を見るとPachygasterinae亜科はネグロミズアブ1種のみなので、種が分かれば1種増えますね。 市毛様. 御回答有難う御座いました。 旧北区のマニュアルが欲しいところなのですが、現在入手可能なのでしょうか? また、Wallcea albiesta は、九大やこちらの目録ではそうなっていますが、W. albiseta で検索した方が沢山ヒットします。意味としても albiseta ならば「白刺毛」で分かり易いのですが・・・。何方が正しいのでしょう。
アーチャーン様.
確かに,W. albisetaの打ち間違いでした. なお,Contributions to a Manual of Palaearctic Dipteraは絶版のようですね. 親戚に考古学者がおり,文献は金を借りてでも買っておけと言われた覚えがありますが,大学生を抱えていると苦しいところがあります. それでも,I Tachinidi della Fauna Italiana や Manual of Central American Dipteraを買っておきたいです(^_^;)
市毛様.
やはりalbisetaでしたか。九大目録も結構綴りの間違いがありますね。 Contributions・・・は、AbebooksにVol.3だけありましたが、3.6万円もしています。仮に全巻有っても果たして幾らになるのやら、現在の経済状況では一寸買えそうにありません。
アーチャーン様.
円高が進んでいるので,思い切ってI Tachinidi della Fauna Italiana を注文したのですが,売り切れという返信が届きました。゜゜(>ヘ<)゜ ゜。ビエェーン イタリア語に躊躇していたのですが,「602 species from 236 genera are illustrated (773 high quality digital photos using a binocular microscope, 503 electron micrographs and 247 line drawings)」という解説にそそられていたので,いつかは買いたいと思っていたのです. イタリア語で書かれたヤドリバエ科の本なんて誰も買わないだろうと思っていたのですが,考えが甘かったようです(^_^;) それにしても,どんな写真か興味があります.
今、http://www.bookfinder.com/ で検索してみたところ、Pemberley Natural History Booksと云う本屋に1冊あると出ます。Biblio.com(Biblio.co.uk)とabebooksの両方に出品している様です。
昔、大学にいた頃、ある特殊な分野で、20世紀初頭のイタリア語の大論文(200ページ位)があり、大学に残れば読むつもりだったのですが、飛び出してしまったので、未だに読んでいません。
アーチャーン様.
アメリカの本屋からドル払いで安く買うつもりでしたが,アドバイス通りイギリスのPemberley Natural History Booksから購入しました. 送料込みで140ポンド,約18000円でした. 電子顕微鏡での剛毛の写真を見ると,卓上電子顕微鏡が買いたくなりますね.日立製,日本電子製共に約520万円と対抗しているようですが,低真空に強いのは日立のようですね. それにしても,いまだに120万画素というのは驚きです.一昔前の3000万円クラスのデジタル式走査電子顕微鏡と変わらない低画質です(^_^;) やはり,卓上型ではなく低真空対応の中級機以上を買わないとがっかりしそうです. P.S. 残念ながら,今年のサマージャンボも外れました(^_^;) |
![]() まず、キタミズギワイエバエと同じ大野池で多く採集された Setacera viridis。池のほとりの泥のぬかるんだ水溜りに群れて、泥の表面に繁殖した藻類を盛んに食んでいます。陽光の元ではまるでキンバエ類のように輝いて見えます。 ![]()
http://www.ingentaconnect.com/content/esa/envent/1977/00000006/00000006/art00013
Setaceraの幼虫は確かにシアノバクテリア(藍藻)を含む雑食の藻類食の様です。 |
![]()
http://www.ingentaconnect.com/content/esa/aesa/1978/00000071/00000003/art00032
幼虫はガマのような水生植物の根に気門を挿入して呼吸しながら、腐植質の微生物を摂取して成長するようですね。 |
![]() |
まあ様.
私としては,まあ様のご指摘通りOxyna属の1種ではないかと思います. 斑紋の細かなところが若干異なっていますが,Oxyna stackelbergi Korneyevという種類が日本から記録されています. 市田(1994)の青森県のミバエ科ではO. amurensisを記録していますが,斑紋は本種とほぼ同じです.市田も再検討が必要と記しています. なお,市田が参考にしたKorneyev(1990)では,日本産はO. amurensisとなっているようですが,Korneyev et Ovchinnikov(2004)による極東の昆虫の検索では,日本の北海道・本州に分布するのはO. stackelbergiとなっています 詳しくは,ほげさんのコメントを待ちましょう.
茨城@市毛様、どうもありがとうございます。
そうなんです。Oxyna flavipennisの画像を見つけて、新たにOxyna flavipennisで検索すると、少し違った種が、たくさんあるように思えましたので、これも近似種がいろいろあるのかなとか、変異が微妙にある種なのか?と。 Oxyna stackelbergi というのがいるのですね。 留まっていた葉はヒメジョオンでしたが、何の植物(?)に依存してるとかいうのは、記録にはまだないでしょうか? Oxyna stackelbergiで検索してみましたが、画像を見つけられませんでした。 近似種がいろいろいるとなると、あと2回以上出会いたいものです(笑)
まあさま、市毛さま、こんばんわ
ほげです。仕事と暑さでしんどいです。うーうー。 お写真のミバエですが、申し訳ありません、私はOxyna属はぜんぜん分からんです。市田(1994)に書かれているものと恐らく同種であろう…と書き込もうと思ったら、市毛さんに先を越されている上に、Oxyna stackelbergiという種については「おー!そんなのいるんスか!」という有様でして(^_^;)。 私の就職以降のミバエ界の動きについては相当疎くなっていることに気づかされました。お恥ずかしい…。 機会があれば末吉先生にでも聞いてみます。
ほげ様、暑さお察しします。
皆様、涼しいことをたくさん想像してなんとか乗り切りましょうね。 この種は、ヒメジョオンの花がたくさん咲き出したころに見つかりました。 ほかにあった植物はヨモギ、ホタルブクロ、ヒメオドリコソウ、タンポポ、ススキ、オカトラノオ、アカツメクサなどです。 (この種が植物に依存するのかしないのかもわかりませんけど。。とりあえず書いてみます)
ほげ様.
確かに,世界中の文献に目を通すのはかなり大変ですよね. ところで,市田氏が引用している Korneyev, V. A. 1990. A review of Sphenella and Paroxyna series of genera (Diptera, Tephritidae, Tephritinae) of eastern Palaearctic. Nasekomye Mongol. 11: 395-470. を所有していませんか? Webcatでは10号までしか九大に無いようです. 基本的に,疑問があるなどは原著を当たらないと気が済まない性分なので気になっています.ページ数が多いのでBritish Libraryに頼むと,著作権料がかなり高くなりそうなので躊躇しています. Dr.Korneyevの論文はモンゴル語で書くことも結構あるのですが,この報文はロシア語なので何とか読めそうなので一読してみたいと考えています. 宜しくお願い致します.
まあさま、市毛さま、
どうもです。ほげです。 お写真のOxynaについて、森林総研九州支所の末吉昌宏氏にお聞きしたところ、以下のようなご回答を得ました。末吉氏ご了承のもと、以下にまとめたものを掲載します。 なお、末吉氏は、沿海州で採集されたものを中心に相当数のOxyna属の標本を見ております: ********** ・翅紋に関しては雌雄で異なるうえに個体変異もあるため、タイプ標本と寸分違わないというものでもなければ、同定は難しい。 ・交尾器による区別(同定)も、安定して使える部位が見つかっていないため現段階では難しい。 ・したがって、日本産の標本に関しては、当面はOxyna sp.としておくほうが無難かも知れない。 ********** 加えて末吉氏は、日本産のOxynaを扱ったKorneyev氏の論文に関しても、検証が必要かもしれないとの見解をお持ちのようです。背景としては上記にもあるとおり、Oxyna属の持つ区別の難しさがあると思われます。 ……… 私は「Oxynaは分からない」と書きましたが、これはつまり「うわぁ〜コレ難しそう!見ないでおこう!」と逃げ続けた結果でございまして(~_~;)。こういうのはイカンですな…。 またKorneyev氏の論文についてですが、Oxynaに限らず、日本産種を含む数多くのミバエの分類に関する論文を発表されています。仕事が早いと思う一方で、思い切って書いちゃうもんだなあという印象も個人的には持っています(時に思い切りは必要ですけどね)。 以上、ご報告まで。
ほげ様、さらなる情報ありがとうございます。
末吉昌宏様にも情報ありがとうございます。 お話を伺って、ハエ目の進化の速さや膨大な種を生んでいく能力に、この変化の多さははずせないなあと感じているところであります。。 Oxyna属は進化の途中過程なのかも知れませんね。 面白いです。 種が分かれる過程に注目していくのも興味深いですね。^^ |
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