記載文などにあるヒメイエバエ科の交尾器の図はほとんどが側面からではなくて後正面?からの図です。後正面からの画像はありませんでしょうか?あればヒメイエバエ科ならほぼわかると思うのですが・・(ニクバエ科やクロバエ科の場合はゲニが側面図が多いので、この点はニクバエ科等とは異なります。)
ヒメイエバエ科にしては中央に見えるcercal plateが長すぎるような気がします。また腹部にも紋が見えますが、ヒメイエバエ科で腹部に紋があることが知られているのはコガタヒメイエバエと最近見つかったワラベヒメイエバエの2種のみです。少なくとも今回の画像は交尾器を見る限りこれらの2種ではありません。(ヒメイエバエ科じゃないかもしれません。)
ちょっと気になるのが頭部のPalpiなのですが、もしかして広がってませんか?
胸部の画像を拡大してみますと腹胸側板剛毛sternopleural bristlesが3本でほぼ正三角形(二等辺三角形)の配置になっています。
これはヒメイエバエ科ではなくイエバエ科のトゲアシイエバエ亜科やハナレメイエバエ亜科に見られる配置です。
こんちは。
画像の種は、ハナレメイエバエ亜科で良いと思います。 画像の特徴からは、ハッキリ言えませんが、ホソハナレメイエバエに似てるのではないかと思います。 ”日本のイエバエ”を人に貸しているのですが、よく似てると思います。
ハエ男様、バグリッチ様、ありがとうございます。
日本のイエバエで検索した結果、ホソハナレメイエバエ?Caricea erythroceaのようですが、体長が5mmと大きいのと腿節が基部しか黄色でないことが気になります。 こうなると交尾器の図が欲しいです。 英文と和文で和名が異なっているのも困りものですね。
Caricea erythroceaのゲニの側面図でしたら中国蝿類(上)のp923 図2126にありますが、これでわかるかは?といったところです。
『日本のイエバエ科』は力作で,一つの科の総説として大変ありがたく便利なものです.しかし,急いで出版されたのか各所にオヤッという箇所が見られますので,ご注意!
ご指摘されたCaricea erythroceaの和名も英文のローマ字表記のチビハナレメイエバエが和文の検索表ではホソハナレメイエバエになっていますし,Caricea属の英文の検索表の4.『5th sternite large and anterior half yellow』が和文の検索表では『第5腹板は大きく,先端1/2は黄色』となっていて,anterior halfは普通に訳すと前半ですが,和文では先端になっています. このほかに,英文の各種のRemarkの項目が,文法的に腑に落ちない箇所がしばしばみられます.この英文を作文の参考にするときには注意した方がいいのでは.
ゴンハエさんご指摘の箇所について、種ごとの解説本文には『posterior half』と書いてあります。おそらく、この部分だけは和文の方が正しい可能性が高いと思います。
このようなくい違いがある場合、概ね英文の検索表が正しくて和文の検索表が間違っているようですが、油断は出来ません。ほんとに難儀な本です(汗)。
猫又さんご指摘のように検索表は英文の方が正しいようです.でも,英文も前の投稿でRemarks(Remarkは間違いでした,ゴメンナサイ)の項目といいましたが,BionomicsやDistribution,検索表にも腑に落ちない部分が散見されますので要注意.私も英語はダメなほうですが,以下のようなのがフツウの英語では?違ってたらスミマセンm(_ _)m:
p.15のDistributionは, Widely distributed in the Palaearctic, Nearctic and Neotropical regions. In the Oriental region, this species is not widely distributed, and it is also recorded from various parts of the Ethiopean region. P. 24のRemarksは, The present species is closely related to the T. hirtulus and T. cunctans, but it is easily differentiated from them in having golden body and straight hind tibiae. p. 71のBionomicsは, Breeding sources of the species are generally phytophagous animal dung. The adults are collected from deer, Cervis nippon, in Nara city.... p. 298のRemarksは, This species belongs to the tigrina-group of Hennig (1961) and is closely related to C. aternnuata.... Coenosiaを同定しようとして検索表を引くのも苦労しました.ちゃんと引くには次のようになっていないと. p.291のCoenosiaのkeyは, 1. Thoracic pleura entirely yellow without dense dust.. Thoracic pleura brown or dark color with grayish dust.... 2. Fore femur black....... Fore femur extensively yellow.... 3. Legs entirely black, ventral surfaces of mid and hind legs with numerous long hairs.... Legs bicolored and with entirely black fore femur... こんな点はたくさんあります.揚げ足を取るつもりはありません.その筋の学者の方が書かれたのですから,安心してついまねしたくなりますので.でもこの本は大変ありがたい本で,アセスで捕れるイエバエ科がようやく同定のメドがつくようになりましたo(^-^)o.でもPhaoniaなんかとても難しくて(>_<). . |
ヒラタアシバエ科は間違いないのですが,属まで同定するには翅脈のはっきりした写真が必要です(特に翅の先の方半分くらい).しかし,ぼんやりながらかろうじて見える翅脈で判断するとPlatypeza属の種のようです.
どうもありがとうございます。
虫を撮るときは、ついつい、目にフォーカスをあわせてしまいます。今度みつけたら翅脈が分かるように撮ってみます。 |
本種はRhamphomyia (Eorhamphomyia) grammoptera Frey, 1922の雄です.本種はカムチャツカとバイカルの材料で記載されたもので,日本では北海道から中部地方の山地から高山帯に棲息し,また中国地方西部の冷温帯にも飛び地状に分布しています.朝鮮半島から沿海州にも広く分布しています. 本種は雄交尾器の形状(太く先端が膨大したphallusや尾角葉の構造)や後腿節の刺毛分布状態がAlpinomyia亜属に類似しており,最終的にはこの亜属に含めるべき種です.Alpinomyia亜属は多数の種が欧州アルプスで分化しており,小数の種が欧州のほかの地域にも生息しています.
雄交尾器の特徴のほかに,翅の翅脈に沿ってかなり暗化することも識別しやすい特徴です.
アノニモミイア 様、毎回詳細なコメントありがとうございます。
この種類は、亜属も良くわからず難儀しておりました。 引き続きオドリバエについて、よろしくお願い致します。 |
写真の種は同定されたとおり,Rhamphomyia (Calorhamphomyia) longistigma Frey, 1953の雄です.本種は秋田県八幡平黒湯産の2雄に基づいて記載されたものですが,北海道から中部地方にかけて広く冷温帯樹林から寒温帯樹林に亘って棲息しています.北海道では最も普通のRhamphomyiaの一つです.1961年に伊藤修四郎先生がRhamphomyia (Eorhamphomyia) imminuta Ito, 1961を志賀高原から2雄2雌に基づいて記載されています.先生はR harpago(四国から紀伊半島)とR. longistigmaと比較されていますが,longistigmaとの相違点は,脚や腹部の色彩の相違だけです.R. longistigmaは中部地方に向かって淡色部が拡大する傾向がありまして,imminutaはlongistigmaの色彩上の地理的クラインの一つに過ぎません.
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昨日、調べ物をしていたら"Manual of Diptera of Central America"というタイトルを見つけました。
詳細は、"Thompson, F. C., Rotheray, G. E. & Zumbado, M. In Press. Family Syrphidae. In Brown, B.(ed.), Manual of Diptera of Central America"と書かれているので数年程度で発行されるとものと思います。 中央アメリカも面白そうな昆虫が多数生息しているので、早く眺めて見たいと思います。コスタリカから記録されたビルゲイツハナアブEristalis gatesiも載るはずですね。 |
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