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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/14(Wed) 20:05 No.3010  引用 
再度チャレンジです。先のハナバエと同様に、先日自宅のマレーズに入っていました。

体長は約5mm

翅脈のA1とA2を見る限り、ヒメイエバエ科のようです。

よろしく御願い致します。



Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/14(Wed) 20:06 No.3011  引用 
交尾器です。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/15(Thu) 10:59 No.3013  引用 
記載文などにあるヒメイエバエ科の交尾器の図はほとんどが側面からではなくて後正面?からの図です。後正面からの画像はありませんでしょうか?あればヒメイエバエ科ならほぼわかると思うのですが・・(ニクバエ科やクロバエ科の場合はゲニが側面図が多いので、この点はニクバエ科等とは異なります。)

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/15(Thu) 20:02 No.3014  引用 
ハエ男様。

後ろ側から写してみました。
以前頂いた交尾器図集には載っていないようです。

よろしくお願い致します。


Re: ?? 投稿者: 投稿日:2007/02/15(Thu) 20:51 No.3015  引用 
ヒメイエバエ科にしては中央に見えるcercal plateが長すぎるような気がします。また腹部にも紋が見えますが、ヒメイエバエ科で腹部に紋があることが知られているのはコガタヒメイエバエと最近見つかったワラベヒメイエバエの2種のみです。少なくとも今回の画像は交尾器を見る限りこれらの2種ではありません。(ヒメイエバエ科じゃないかもしれません。)

ちょっと気になるのが頭部のPalpiなのですが、もしかして広がってませんか?

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/15(Thu) 21:20 No.3016  引用 
胸部の画像を拡大してみますと腹胸側板剛毛sternopleural bristlesが3本でほぼ正三角形(二等辺三角形)の配置になっています。

これはヒメイエバエ科ではなくイエバエ科のトゲアシイエバエ亜科やハナレメイエバエ亜科に見られる配置です。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/02/15(Thu) 22:05 No.3017  引用 
こんちは。

 画像の種は、ハナレメイエバエ亜科で良いと思います。
 画像の特徴からは、ハッキリ言えませんが、ホソハナレメイエバエに似てるのではないかと思います。

 ”日本のイエバエ”を人に貸しているのですが、よく似てると思います。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/16(Fri) 00:20 No.3018  引用 
ハエ男様、バグリッチ様、ありがとうございます。

日本のイエバエで検索した結果、ホソハナレメイエバエ?Caricea erythroceaのようですが、体長が5mmと大きいのと腿節が基部しか黄色でないことが気になります。

こうなると交尾器の図が欲しいです。

英文と和文で和名が異なっているのも困りものですね。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/16(Fri) 03:27 No.3019  引用 
Caricea erythroceaのゲニの側面図でしたら中国蝿類(上)のp923 図2126にありますが、これでわかるかは?といったところです。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者:ゴンハエ 投稿日:2007/02/16(Fri) 18:57 No.3020  引用 
『日本のイエバエ科』は力作で,一つの科の総説として大変ありがたく便利なものです.しかし,急いで出版されたのか各所にオヤッという箇所が見られますので,ご注意!

ご指摘されたCaricea erythroceaの和名も英文のローマ字表記のチビハナレメイエバエが和文の検索表ではホソハナレメイエバエになっていますし,Caricea属の英文の検索表の4.『5th sternite large and anterior half yellow』が和文の検索表では『第5腹板は大きく,先端1/2は黄色』となっていて,anterior halfは普通に訳すと前半ですが,和文では先端になっています.

このほかに,英文の各種のRemarkの項目が,文法的に腑に落ちない箇所がしばしばみられます.この英文を作文の参考にするときには注意した方がいいのでは.

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者: 投稿日:2007/02/16(Fri) 22:53 No.3021  引用 
ゴンハエさんご指摘の箇所について、種ごとの解説本文には『posterior half』と書いてあります。おそらく、この部分だけは和文の方が正しい可能性が高いと思います。

このようなくい違いがある場合、概ね英文の検索表が正しくて和文の検索表が間違っているようですが、油断は出来ません。ほんとに難儀な本です(汗)。

Re: 今度こそヒメイエバエか? 投稿者:ゴンハエ 投稿日:2007/02/17(Sat) 12:36 No.3022  引用 
猫又さんご指摘のように検索表は英文の方が正しいようです.でも,英文も前の投稿でRemarks(Remarkは間違いでした,ゴメンナサイ)の項目といいましたが,BionomicsやDistribution,検索表にも腑に落ちない部分が散見されますので要注意.私も英語はダメなほうですが,以下のようなのがフツウの英語では?違ってたらスミマセンm(_ _)m:

p.15のDistributionは,
Widely distributed in the Palaearctic, Nearctic and Neotropical regions. In the Oriental region, this species is not widely distributed, and it is also recorded from various parts of the Ethiopean region.

P. 24のRemarksは,
The present species is closely related to the T. hirtulus and T. cunctans, but it is easily differentiated from them in having golden body and straight hind tibiae.

p. 71のBionomicsは,
Breeding sources of the species are generally phytophagous animal dung.
The adults are collected from deer, Cervis nippon, in Nara city....

p. 298のRemarksは,
This species belongs to the tigrina-group of Hennig (1961) and is closely related to C. aternnuata....

Coenosiaを同定しようとして検索表を引くのも苦労しました.ちゃんと引くには次のようになっていないと.
p.291のCoenosiaのkeyは,
1. Thoracic pleura entirely yellow without dense dust..
Thoracic pleura brown or dark color with grayish dust....
2. Fore femur black.......
Fore femur extensively yellow....
3. Legs entirely black, ventral surfaces of mid and hind legs with numerous long hairs....
Legs bicolored and with entirely black fore femur...

こんな点はたくさんあります.揚げ足を取るつもりはありません.その筋の学者の方が書かれたのですから,安心してついまねしたくなりますので.でもこの本は大変ありがたい本で,アセスで捕れるイエバエ科がようやく同定のメドがつくようになりましたo(^-^)o.でもPhaoniaなんかとても難しくて(>_<).

ヒララアシバエ科 投稿者:ハンマー 投稿日:2007/02/13(Tue) 21:59 No.3003  引用 
ヒラタアシバエ科と思いますが、この写真でそれ以上のことが分かるようでしたらご教示ください。
昨年8月14日、兵庫県川西市で撮影しました。
体長は5mmくらいだったと思います。


Re: ヒララアシバエ科 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/14(Wed) 02:14 No.3007  引用 
ヒラタアシバエ科は間違いないのですが,属まで同定するには翅脈のはっきりした写真が必要です(特に翅の先の方半分くらい).しかし,ぼんやりながらかろうじて見える翅脈で判断するとPlatypeza属の種のようです.

Re: ヒララアシバエ科 投稿者:ハンマー 投稿日:2007/02/14(Wed) 23:02 No.3012  引用 
どうもありがとうございます。
虫を撮るときは、ついつい、目にフォーカスをあわせてしまいます。今度みつけたら翅脈が分かるように撮ってみます。

もしかするとヒメイエバエ科? 投稿者: 投稿日:2007/02/14(Wed) 00:46 No.3005  引用 
先ほど投稿した画像が間違っていたので、再投稿します。
---------------------------------
本日マレーズに入っていた、ヒメイエバエ科?の1種です。
体長5mm。

 いまひとつ、ハナバエ科とヒメイエバエ科の翅脈の違いがわかりません。

 A1がかろうじて翅の外周に届いているのと、A2の曲がりが弱いのでハナバエ科になるのでしょうか?

 旧北区の双翅目マニュアルの"Key to Families"は、図が各Chapterを参照するようになっている場合が多いので、非常に使いづらいです。


Re: もしかするとヒメイエバエ科... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/14(Wed) 02:02 No.3006  引用 
写真の種は多分Anthomyiidaeでしょう.Anthomyiidae, Fanniidae,Muscidaeの相違はかなり明確です.写真を添付します.左上がAnthomyiidae sp.,右上がFannia shirahamae,左下がLimnophora sp. (Muscidae),右下がLispe sp. (Muscidae)です.黒の矢印がA1脈(真のCuP脈),赤の矢印がA2脈(真のA1脈)です.AnthomyiidaeではA1脈が翅縁に達してますが,他の4種は途中で終わっています.Fanniaでは,赤のA2脈がA1脈に向かって湾曲し,あたかもこの脈を横切るかのようにみえます.Muscidaeの2種ではA2脈はほぼまっすぐ翅縁に向かっています.ご参考までに.

Re: もしかするとヒメイエバエ科... 投稿者: 投稿日:2007/02/14(Wed) 02:33 No.3008  引用 
ゲニの側面がなんとか見えてますが、ゲニの形からしても、ハナバエ科それもDelia属の一種であるような気がします。

ヒメイエバエ科だとsurstylusはあそこまで長い種は見たことがないです。(ハナバエ科Deliaはかなり長いのです。)

Re: もしかするとヒメイエバエ科... 投稿者: 投稿日:2007/02/14(Wed) 20:01 No.3009  引用 
アノニモミイア様、ハエ男様、アドバイスありがとうございます。

どうも、Delia echinataのようです。

交尾器を写してみました。

暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/12(Mon) 21:30 No.2993  引用 
本日自宅の庭で採集したブユです。

 珍しく検索をしてみようと、日本産水生昆虫を開いたのですが、成虫の検索で躓きました。

Key 9で中胸側膜の細毛を見なければならないのですが、これは普通何という部位なのでしょうか?

体長3.5mm。

よろしくお願い致します。


Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/12(Mon) 21:46 No.2994  引用 
それと、Key10にある小翅室とは基室のことでしょうか?

また、key 12の生殖器板とは? 図5に描いてあるのですが、いまひとつ8節腹板と関係が良くわかりません。融合しているのでしょうか?

日本語なので、特定の用語を調べようとしても全く判りません。英名を併記して欲しいですね。
付図も少ないのですね。

Re: 暖冬のブユ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/12(Mon) 22:46 No.2995  引用 
写真のブユは多分雌でしょう.雄は通常合眼的ですが,写真では離眼的にみえます.
私もブユには全く弱いのですが,Manual of Nearctic Diptera 1をお持ちでしたら,これを参照されて,以下をご検討してみたらどうでしょう.
中胸側膜ですが,この形質は同書の367ページの検索表の4にanepisternal membrane usually with some setae dorsally というのがあります.353pの13図を見るとanepisternum (以前はmesopleuraといわれていた部分)の中央部に膜質部が生じています.そしてここに毛が生じています.この部分を中胸側膜と訳しているのではないでしょうか.すなわち中胸側板(旧称のmesopleuron中胸側板)の膜で中胸側膜.この名称は素木得一著の昆虫の分類でも用いられている用語です.
小翅室は,やはりMNDの370pの検索表の13を見ると,cell bm absent or greatly reducedがSimulium属,cell bm present and distinguishableがGrenieraやMayacnephiaになっています.この部分は363pの29図に示されているbmではないでしょうか.
生殖器板とは多分genital plateの訳で,MNDで368pの38図にあるhypogynial valve(下雌弁とでも訳せますかね,hypo下,gyne雌,valve弁,葉)のことでしょう.これは第8腹節腹板の後縁が生殖孔の左右を取り囲むように1対の板状葉として伸びだしたものでしょう.
間違っているかもしれませんが,上記を参考にされて検討されたらいかがでしょうか.

Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 12:06 No.2996  引用 
ようやくお役に立てそうなので・・・

とりあえず、やはりブユの同定は緒方一喜、佐々学、鈴木猛 ブユとその駆除 1956、が楽です。(古いので、学名なんかは新しいリストでチェクが必要ですが・・)

疑問の部分に関する図がありましたので貼り付けときます。


Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 12:19 No.2997  引用 
小翅室は左図が無い(見えない)、右図がある(見える)です。



Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 12:23 No.2998  引用 
ついでに全体図も貼り付けときます。

茨城でしたら斉藤,一三; 金山,彰宏
ブユの生態に関する研究 (11) : 茨城県における春期のブユ採集成績  衞生動物 38
にまとまってますね。

生殖器板については食事のアトで・・・


Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 14:21 No.2999  引用 
生殖器板はアニニモミイアさんの書かれた通りでよいと思います。♀の第8腹節の後縁にある葉片状の部位で、種や亜属の特徴をあらわしているとされています。


画像を見る限りはアオキツメトゲブユ Simulium aokiiのように思えます。


Re: 暖冬のブユ 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 20:36 No.3000  引用 
アノニモミイア様、ハエ男様。

色々とありがとうございます。

アオキツメトゲブユ Simulium aokiiのようです。

「ブユとその駆除」はDDT協会が出版元になっているのですね。時代を感じさせますね。

追伸、3000番ゲット!

学名について 投稿者: 投稿日:2007/02/13(Tue) 21:18 No.3001  引用 
 日本産水生昆虫を見ると、アオキツメトゲブユの学名はS. oitanumとなっており、オオイタツメトゲブユがシノニムにされているようですね。

 シノニムとかは、研究者によって扱いが異なる場合もあるので難しい問題となります。新しい昆虫総目録が早く出るのを待つしかないようですね。

オドリバエ科Rhamphomyiaの1種 投稿者: 投稿日:2007/02/03(Sat) 11:17 No.2980  引用 
 7月中旬に、茨城県北部の山間部の沢沿い(alt.380m)で採集したオドリバエです。

体長3.5mm。複眼は合眼的。acrは1〜2列、dcは1列です。Eorhamphomyia亜属か、Pararhamphomyia亜属ではないかと思います。

よろしくお願い致します。


Re: オドリバエ科Rhamphomyiaの1... 投稿者: 投稿日:2007/02/03(Sat) 11:19 No.2981  引用 
あまり特徴的でない交尾器のようです。

Re: オドリバエ科Rhamphomyiaの1... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/06(Tue) 19:58 No.2988  引用 
Pararhamphomyia亜属のことはほぼ確実です.交尾器がR. kashiiensisに類似していますが,何しろ発生期がこれは3月下旬から4月上旬ですから,この写真の種のように低標高地で7月中旬と言うのとは適合しません.いま少し,手持ちのPararhamphomyiaを調べてからお答えします.

Re: オドリバエ科Rhamphomyiaの1... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/06(Tue) 20:00 No.2989  引用 
Pararhamphomyia亜属のことはほぼ確実です.交尾器がR. kashiiensisに類似していますが,何しろ発生期がこれは3月下旬から4月上旬ですから,この写真の種のように低標高地で7月中旬と言うのとは適合しません.いま少し,手持ちのPararhamphomyiaを調べてからお答えします.

Re: オドリバエ科Rhamphomyiaの1... 投稿者: 投稿日:2007/02/07(Wed) 21:12 No.2991  引用 
アノニモミイア様。

急ぎませんので、時間が有るときで結構です。

また、写真だけでは判断出来ないことも多々有ると思われますので、必要があれば後で標本をお送り致します。

ありがとうございます。

クチキカ科Axymyiiidae 投稿者: 投稿日:2007/02/01(Thu) 08:23 No.2971  引用 
 昨年、朽木性のハナアブ狙いに持ち帰った広葉樹材より出てきたクチキカ科Axymyiiidaeです。
材は、茨城県北部の標高800m程のミズナラ林で、半ば沢に浸かってたものです。

 日本産は、ヤマトクチキカ Axymyia japonicaしか記録されていないようですが、旧北区のマニュアルを読むと、翅脈等からProtaxymyia属のようです。

如何でしょうか?


Re: クチキカ科Axymyiiidae 投稿者: 投稿日:2007/02/01(Thu) 08:30 No.2972  引用 
書き忘れましたが、体長は約7.5mm程です。

その他にも、翅脈と縁紋からするとMesaxymyia属ではないかと思われる体長4.5mm程の小型の種類も出ております。

こちらも会社から戻ったらupします。

よろしくお願い致します。

Re: クチキカ科Axymyiiidae 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/01(Thu) 18:28 No.2973  引用 
写真の種は"Axymyia"japonica Ishidaの雄でしょう.日本からはこの1種のみが記録されていますが,このほかに本種に類似した2未記載種と真のProtaxymyia属の1未記載種が棲息しています.既知種のjaponicaと近似の2種は雌の産卵器の構造が従来知られている3属(Axymyia, Mesaxymyia, Protaxymyia)のいずれとも異なり,長く伸長していて,新属を創設する予定です.この未記載属に含まれる種は,他に台湾,中国雲南省,ミャンマーなどにも分布していますし,さらに北米西部の山地にもこれにやや似た1種が秋に発生します.A. japonicaは中胸小楯板が全面的に黄色で,翅がきれいなガラス様透明で,雄の後脛節が先端に向かって肥大し,後腿節や後脛節に生じるsetaeが粗い感じがするので他の2新種から区別できます.これら3種の幼虫や蛹も飼育で確認されており,蛹には種を区別するいくつかの形質を見出しています.ご経験のとおり,渓流などの水がいつもかかるようなところや,かなり湿潤な場所のやや堅い朽木に楕円形の切断面になる孔道を作って生活し,呼吸管と鰓の二つの呼吸器を持っています.幼虫の大顎は朽木を粉砕する構造を持たないので,おそらく孔道の中の微生物を餌にしているとも言われています.雄成虫はjaponicaでは樹間の空間でホバリング型の群飛をし,もう1種の未記載種は水平往復型の群飛を行います.雌は朽木の裂け目に産卵管を挿入して1−数個の楕円形の卵を生みます.
採集されているもう1種の小型の種というのには大変興味があります.

Re: クチキカ科Axymyiiidae 投稿者: 投稿日:2007/02/02(Fri) 00:16 No.2974  引用 
アノニモミイア様、回答ありがとうございます。

これが、ヤマトクチキカAxymyia japonicaなのですね。
近縁種などについての情報も大変ありがたいものです。ある程度は調べてみたのですが、日本固有種になると全く情報が無いものです。旧北区のマニュアルのAxymyiaに書かれていた"possibly also Japan"というのがなんとなく理解出来ました。

同じ材から脱出してきた、小型のクチキカらしき標本の写真を貼ります。触角が太いのが気になります。


Re: クチキカ科Axymyiiidae 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/02/02(Fri) 08:14 No.2975  引用 
小型のクチキカは大変興味ある種です.雌の腹端が伸長していないので,ヤマトクチキカ群ではなくて,Axymyia, Mesaxymyia, Protaxymyiaと同じ形態をしています.九州ではProtaxymyiaの未記載種が棲息していますが,それより遥かに小型ですのでおそらく別種であろうと思います.同じ場所で続いて発生する傾向がありますので,本年も注意してみてください.

Re: クチキカ科Axymyiiidae 投稿者: 投稿日:2007/02/02(Fri) 12:08 No.2976  引用 
アノニモミイア様。

色々な情報ありがとうございます。

やはり、各先生方に双翅目各科の現状と問題点について尋ねずに、海外等の文献だけに頼るのも問題が有るようですね。

今後も色々と写真を貼っていきますので、よろしくお願い致します。

Leptopeza flaviantennalisでし... 投稿者: 投稿日:2007/01/30(Tue) 19:47 No.2966  引用 
 5月下旬に茨城県水戸市郊外の湿地(標高17m)で採集したLeptopeza flaviantennalisと思われるメスです。体長は約5mmです。よろしくお願い致します。


Re: Leptopeza flaviantennalis... 投稿者: 投稿日:2007/01/30(Tue) 19:55 No.2967  引用 
胸背には原記載のように両側が黒くなります。

「埼玉県昆虫誌」にL. flaviantennalisが収録され、当間山のオドリバエ科には小型の未知種が収録されています。それ以外にも未記載種などが日本に分布しているのでしょうか?


Re: Leptopeza flaviantennalis... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/01/31(Wed) 12:04 No.2968  引用 
同定されて通りLeptopeza falviantennalis Kato, 1971の雌です.しかし,本種とLeptopeza flavipes (Meigen, 1820)の間の相違は微妙で今後の検討課題です.また,当間山の小型の種はLeptopeza borealis Zettererstedt, 1842で,これは雌雄とも暗色です.この種は北海道から九州まで広く分布していますが,どちらかと言えば前種より山地性が強いようです.前種は北海道から九州まで低地から山地に広く分布しています,
Leptopezaはスイーピングで採集できますが,雄は林間の空地の地上1−2mの空間を数頭がゆっくりとホバリングしながら群飛します.

Re: Leptopeza flaviantennalis... 投稿者: 投稿日:2007/01/31(Wed) 19:02 No.2970  引用 
アノニモミイア様、早速回答頂きありがとうございました。

きれいな種類なので、オスも採れるように粘ってみます。

オドリバエ質問(Rhamphomyia) 投稿者: 投稿日:2007/01/29(Mon) 20:55 No.2959  引用 
5月上旬に、茨城県の標高約900mのブナ帯で採集したオドリバエ(Rhamphomyia)です。体長は約8.5mm。複眼は合眼的。acrは1〜2列、dcは4列です。よろしくお願い致します。




Re: オドリバエ質問(Rhamphomyia... 投稿者: 投稿日:2007/01/29(Mon) 20:57 No.2960  引用 
交尾器はadeagusが非常に太いのが目立ちます。

Re: オドリバエ質問(Rhamphomyia... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/01/30(Tue) 11:33 No.2964  引用 
 本種はRhamphomyia (Eorhamphomyia) grammoptera Frey, 1922の雄です.本種はカムチャツカとバイカルの材料で記載されたもので,日本では北海道から中部地方の山地から高山帯に棲息し,また中国地方西部の冷温帯にも飛び地状に分布しています.朝鮮半島から沿海州にも広く分布しています. 本種は雄交尾器の形状(太く先端が膨大したphallusや尾角葉の構造)や後腿節の刺毛分布状態がAlpinomyia亜属に類似しており,最終的にはこの亜属に含めるべき種です.Alpinomyia亜属は多数の種が欧州アルプスで分化しており,小数の種が欧州のほかの地域にも生息しています.
雄交尾器の特徴のほかに,翅の翅脈に沿ってかなり暗化することも識別しやすい特徴です.

Re: オドリバエ質問(Rhamphomyia... 投稿者: 投稿日:2007/01/30(Tue) 19:39 No.2965  引用 
アノニモミイア 様、毎回詳細なコメントありがとうございます。

この種類は、亜属も良くわからず難儀しておりました。
引き続きオドリバエについて、よろしくお願い致します。

オドリバエ連打 投稿者: 投稿日:2007/01/29(Mon) 22:02 No.2961  引用 
Rhamphomyia(Calorhamphomyia) longistigmaと思われます。5月上旬に茨城県の標高約630mのブナ帯で採集したました。体長は約7mmです。
よろしくお願い致します。


Re: オドリバエ連打 投稿者: 投稿日:2007/01/29(Mon) 22:06 No.2962  引用 
同じく交尾器です。

 この亜属は交尾器の形状が多様で、オドリバエ入門には御勧めだと思います。


Re: オドリバエ連打 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/01/30(Tue) 11:20 No.2963  引用 
写真の種は同定されたとおり,Rhamphomyia (Calorhamphomyia) longistigma Frey, 1953の雄です.本種は秋田県八幡平黒湯産の2雄に基づいて記載されたものですが,北海道から中部地方にかけて広く冷温帯樹林から寒温帯樹林に亘って棲息しています.北海道では最も普通のRhamphomyiaの一つです.1961年に伊藤修四郎先生がRhamphomyia (Eorhamphomyia) imminuta Ito, 1961を志賀高原から2雄2雌に基づいて記載されています.先生はR harpago(四国から紀伊半島)とR. longistigmaと比較されていますが,longistigmaとの相違点は,脚や腹部の色彩の相違だけです.R. longistigmaは中部地方に向かって淡色部が拡大する傾向がありまして,imminutaはlongistigmaの色彩上の地理的クラインの一つに過ぎません.

Manual of Diptera of Central A... 投稿者: 投稿日:2007/01/24(Wed) 07:31 No.2956  引用 
昨日、調べ物をしていたら"Manual of Diptera of Central America"というタイトルを見つけました。
 詳細は、"Thompson, F. C., Rotheray, G. E. & Zumbado, M. In Press. Family Syrphidae. In Brown, B.(ed.), Manual of Diptera of Central America"と書かれているので数年程度で発行されるとものと思います。

 中央アメリカも面白そうな昆虫が多数生息しているので、早く眺めて見たいと思います。コスタリカから記録されたビルゲイツハナアブEristalis gatesiも載るはずですね。

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