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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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メスグロヒラタキノコバエでしょ... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/19(Tue) 17:42:39 No.4303  引用 
7月中旬に,茨城県水戸市近郊(標高50m)で採集した体長12mm程のツノキノコバエ科です.

旧北区の双翅目マニュアルのSciaroideaの検索を引くと,翅脈やLaterotergiteに長毛を備える等の特徴からKeroplatus属と思われます.

日本産昆虫総目録によると,Keroplatus属はK. nipponicusとK. testaceusの2種が記録されており,その後岡田が記載したK. testaceus f.biformisがMatile(1986)により独立種とされて,K. biformisとなっているようです.

Keroplatus biformisと思われますが,如何でしょうか?

なお,標本の交尾器を極東の昆虫の検索に載っている図と比較すると,Gonocoxite腹面の基部中央にある細い切込みを欠くので,K. biformisよりK. lobatusの交尾器に似ているように感じます.

よろしくお願い致します.


Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/19(Tue) 17:43:45 No.4304  引用 
同,交尾器です.

Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/19(Tue) 17:52:54 No.4305  引用 
極東の昆虫の検索に示された交尾器です.

Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/20(Wed) 08:20:29 No.4306  引用 
写真の標本はKeroplatus biformis (Okada, 1938)です.

Matile(1990)は本種のタイプシリーズを研究した上で,本種の雄交尾器を図示しています.その図を添付しました.これで明らかのように,市毛さんの標本もZeitzevがK. lobatusとしたのもK. biformisです.

Zeitzev(1999)がMatileより9年後になぜ本種をK. lobatusとして記載したのかの詳細は今手元の文献ではわかりません.彼のbiformisは全く別の種です.

彼のFungus Gnats of the Fauna of Russia and Adjacent Regions. Part 1(Gribnye Komary Fauny Rossii I Sopredelnykh Regionov)に何らかの情報があるのでしょうが,これを私はもたないのでなんともいえません.

私の手元の標本も全てMatileの交尾器の図の通りです.


Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/20(Wed) 08:56:00 No.4307  引用 
アノニモミイア様,ありがとうございます.

やはり,K. biformisで良いのですね.

極東の昆虫の検索のKeroplatidaeは,Zeitzev(1994)から極東に分布しない種類を除外してあるだけのようです.

どうも,ロシアの研究者はタイプを借りて調べるという作業を避けている気がします.

一時期,キノコバエが沢山採れるので標本を集めたのですが,断片的な文献を見ただけでは同定出来ず困りました.
丁度,北大の院生がキノコバエを研究していたので,そのうち知人を介して,北大の院生に見てもらおうと思っていたのですが,彼も別分野に転向してしまったので,仕舞い込んでいました.

ありがとうございました.

Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/20(Wed) 13:12:20 No.4308  引用 
北大若手のキノコバエ研究者がネマトーダ研究の職務についてしまい,残念至極です.キノコバエ科(広義)は,ツノキノコバエ科,MycomyaとMycetophilaやExechiniなど日本列島だけでも膨大な種が生息しており,これらの研究がこれからの課題です.それにしても,日本で双翅目の分類学の研究で給料を受けている研究者がここ10年ほどで急速に減少して,事態は極めて深刻です.明るい点は中村剛之(ガガンボ科),須島充昭(クロキノコバエ科),山本ジュニア(ユスリカ科),桝永一宏(アシナガバエ科),林利彦(フンコバエ科),岩佐光啓(ツヤホソバエ科など),末吉昌宏(ミバエ科など),舘 卓司(ヤドリバエ科)等の研究者が健闘されていることですが,しかし,これらの人々もまだ就職の見通しが付かない者もおりまして,依然厳しい現実です.

Re: メスグロヒラタキノコバエで... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/20(Wed) 20:05:19 No.4309  引用 
確かに,アノニモミイア様が書かれているように,双翅目の専門家が急激に減っていますね.

何とか,盛り返してもらいたいものです.

かわかみ 投稿者:かわかみ 投稿日:2008/02/04(Mon) 12:19:17 No.4226  引用 
2008年2月4日、岐阜市内で撮影しました。
今日は風も弱く、サザンカの花にきている
ハエやアブをみかけました。こちらは
ヒラタアブのなかま。体長10ミリぐらいで
した。腹部の模様が特徴的ですが、名前
がわかりましたら、お願いいたします。


いきなり答えを教えてくれない・... 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/04(Mon) 16:21:36 No.4228  引用 
昔、学生の頃、某T農業大学の昆虫研で質問のしかたについて教わりました。

昆虫の業界は狭いので、えらい先生(いわゆるその方面の権威)に質問するような場合がままあるのですが、そういう先生はいきなり答えを教えてくれません。

「自分はどの文献とどの文献を調べてこう思うんだけど、いかがでしょうか?」というたずね方をすると、参考となる資料を山ほど教えてくれる。時にはコピーを送ってくれたり、文献を貸してくれたりする(つまりそれを見て勉強しろってことですね)というんですね。良い先生はいきなり答えを教えるのではなく、調べ方や見方、考え方を教えてくれるというんです。(一般的な教育でもそうですよね・・)

この考え方を双翅目に当てはめますと、双翅目の専門的な文献を入手するのは大変ですが、ハナアブ、ムシヒキアブについてはネット上に素晴らしいサイトがありますので、そちらで自分なりに当たりをつけてから質問されるようにするとレスが付きやすいと思います。

ハナアブでしたら市毛さんのサイト「ハナアブの世界ttp://homepage2.nifty.com/syrphidae/index.htm」
ムシヒキアブでしたらtgwさんのサイト「ムシヒキアブ図鑑ttp://www3.kcn.ne.jp/~tgw/」をご参照ください。

Re: いきなり答えを教えてくれな... 投稿者:かわかみ 投稿日:2008/02/04(Mon) 18:23:31 No.4229  引用 
ハエ男さん、ご指導ありがとうございました。
腹部の模様からは、フタスジヒラタアブ属の一種
ではないかと思いますが、いかがでしょうか?

Re: いきなり答えを教えてくれな... 投稿者:pakenya 投稿日:2008/02/18(Mon) 10:56:32 No.4301  引用 
かわかみさま、こんにちは。
半月ほど沖縄に出張しておりました。
だれも、書き込まないので・・・

画像のハナアブは、複眼に毛が無いように見えますのでDasysyrphus属ではありません。おそらく、腹部第3節の斑紋が波を打っているのでフタスジヒラタアブに似て見えたのであろうと想像しますが、フタスジの波は紋の後ろ側ですので逆です。また、フタスジの額は先端が黒色です。

画像のハナアブは、フタホシヒラタアブ Eupeodes corollaeのメスです。斑紋の形状にはずいぶんと変異があって、ナミホシヒラタに似ているものから、この画像のように特異な形のものまで見られます。

ナミホシと共にもっとも普通なヒラタアブです。

Re: いきなり答えを教えてくれな... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/19(Tue) 17:41:51 No.4302  引用 
かわかみ様.

発言を見落としていました;^_^)

pakenya様.

ハナアブ科の一般種は,pakenya様にお任せします;^_^)

ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/10(Sun) 10:17:58 No.4245  引用 
こんにちは。

 かっこいいガガンボダマシの後でお恥ずかしいのですが、以前より悩んでいた種があり、何らかのご教示がいただけないかと 投稿させていただけます。

 江戸川(埼玉平野部)の水際の砂地にへばりついていた種で、ほとんど飛び回らずにじっとしていました。(4月採集)

 ヒメガガンボ科ではないかと思っているのですが、『日本産 水生昆虫』で調べたところ、 図示されている範囲の翅脈相は少しずつ異なっていて、どうもよくわかりません。
 ヒメガガンボ科と仮定して、同文献で検索すると、苦し紛れにTeucholabis となりましたが、あやしいです。

 ヒントでも結構ですので、ご教示いただけましたら ありがたいです。
 宜しくお願い致します。


Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者: 投稿日:2008/02/11(Mon) 09:45:50 No.4249  引用 
翅の膜の部分に毛(macrotrichia)が生えていますか?

Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/11(Mon) 13:27:13 No.4252  引用 
達磨さん、コメントありがとうございます。

 翅の膜の毛(macrotrichia)を確認しましたところ、キノコバエの翅のような感じに、細かい微毛が全面にありました。

 これの情報で、多少 前に進みますでしょうか?
 念のため、画像もつけます。画像では、SCとRのあたりの横脈が見えなくて、誤解されやすいかと思い、当初は添付しませんでした。

 もう一つ、前回の手書きの図で、h脈が書いてありませんでした。根元の方の図簡略化したので、頭から抜けたようです。
 
 以上、宜しくお願い申し上げます。


Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者: 投稿日:2008/02/13(Wed) 09:46:49 No.4271  引用 
C室(CとScの間)に普通みられない横脈があることと
sc-r横脈の位置がちょっと腑に落ちないのですが、
翅の膜全体に毛が生えているということであれば
Ormosia (Oreophila)亜属(ヒメガガンボ科)に
分類されると思います。

Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/13(Wed) 11:44:45 No.4273  引用 
横から割り込み.

翅面に毛が生えているということですが,キノコバエの場合にはMycetophilaやEpicyptaなどではmicrotrichiaだけです.達磨さんの言っている毛は多分macrotrichiaなのでしょうが,これはキノコバエでもLeptomorphusやNeurateliaのような属にしか生えていません.Macrotrichiaはソケットから生じていて,強く触ると抜けます.

二人の間で翅面に生えている毛に誤解があると正しい同定ができないかと,でしゃばり老爺心から.

Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/13(Wed) 21:39:29 No.4283  引用 
アノニモミイア様、達磨様。
 ご教示ありがとうございました。
 
 翅面の毛は、アノニモミイア様のご指摘の通り、私が『ある』としたのはmicrotrichiaで、macrotrichiaではないと思います。
 macrotrichiaは無い、と思います。

 ・・・ということは、ヒメガガンボ科ではないのでしょうか?

 この種は、春にいたガガンボで、当時はいくつもいましたが、地味なので1頭しか採りませんでした。
 今年はいくつか採って、複数比較してみます。

 引き続き、宜しくお願い致します。
 

Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者: 投稿日:2008/02/13(Wed) 22:45:35 No.4285  引用 
アノニモミイア様、ご指摘ありがとうございます。仰るように翅の膜にmacrotrichiaがあるのとないので同定結果が変わってきます。
図をご覧ください。全面に毛が生えているのがOrmosia (Oreophila)、ないほうがHesperoconopaです。毛を取ってしまうと翅脈はよく似ていることが分かります。
Hesperoconopaは北米に何種かいて、日本から未記録です。千島列島にいることが分かっていますし、遠く飛んでインドにも分布していますから、記録がないだけで、ずっといるのでしょう。

いずれにしてもヒメガガンボ科です。


Re: ヒメガガンボ科でしょうか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/17(Sun) 18:49:20 No.4300  引用 
達磨様

 疑問点としてご指摘いただいていました『C室(CとScの間)に普通みられない横脈がある』点ですが、右翅にはありますが、左翅には無いことに気づきました。

 変異のようです。
 今年の追加採集で、どちらが正常か 確認いたします。

 以上、取り急ぎ ご連絡まで。

キノコバエ-Leia billineata? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/16(Sat) 22:19:41 No.4295  引用 
こんちは。

 毎年、冬に越冬中の個体が採れるキノコバエの一種です。
 検索では、Leia 属に行き着きました。

 『皇居、赤坂御用地と常盤松御用邸のキノコバエ、シマバエおよびハモグリバエ』でLeia属の記録を見つけたので、確認してみたところ、Leia billineataフタスジエナガキノコバエの記述と一致しました。
 たぶんこれではないかと思いますが、ご教示やご意見が いただけましたら、ありがたいです。

 何卒宜しくお願い致します。

 


Re: キノコバエ-Leia billineata... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/17(Sun) 00:26:20 No.4296  引用 
「皇居・・・」で本種が正しく同定されているのかどうかは雄交尾器の図が示されていないので,確信がもてませんが,あなたの図示された交尾器の形状はヨーロッパや極東から記録されている本種のそれとは明らかに異なっています.

しかし,キノコバエの場合でも,ヨーロッパ(時には沿海州までを含む大陸旧北区)の集団と日本の集団は雄交尾器にも形態的地理的変異が現われる場合がしばしばあって,これを形態種レベルの認識で別種とするか,亜種とするか,あるいは単に同種内の命名しない地理的変異とするかは各著者の判断にかかわってきています.例えば,Boletina trivittataという種があります.これは笹川・木村の論文では日本産の集団がヨーロッパと同じ種にされていますが,明らかに交尾器の形態に差が見られ,Zeitzevは日本と極東ロシアの集団をsubvittataと言う別種で記載しました.しかし,ヨーロッパでもアルプス系のものと北欧系のものではある程度の変異があり,また北米ではより大きな形態的相違が起っています.一方,ヨーロッパと日本の集団の間でほとんど相違が認められないものもかなりあります.

Handbooks for the Identification of British Insects,MycetophilidaeからL. bifasciata (=bilineata)の交尾器を引用しておきます.Gonostylusがあなたの材料でははるかに幅広い点が異なっています.


Re: キノコバエ-Leia billineata... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/17(Sun) 10:24:21 No.4297  引用 
アノニモミイア様
 ご教示に心より御礼申し上げます。

 ご指摘のとおり、「皇居・・・」に雄交尾器の図が無い点で、正しいのか間違いなのか わからなく行き詰っておりました。
 
 引用いただきました図とは、確かにGonostylusの形状が異なっていると思います。L.bilineataの近似種である事まで確信できたことは、自分にとっては大きな成果です。

 コメントにありました 種か亜種かの解釈などの問題は過去から論議が交わされているように聞いておりますが、変異がある事が生物には当然であることから、大変難しい問題と思います。

 話が変わってしまうのですが、今回の交尾器の画像は、ご覧頂きましたとおり Gonostylusを左右に開いたのですが、この形でよいのかどうか迷っています。
 顕微鏡と、撮影機材の機能から、開かないでの検鏡は、大変見にくい事から工夫したのですが、何か大きな欠点があれば ご指摘いただきたく存じます。

 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

Re: キノコバエ-Leia billineata... 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/17(Sun) 13:40:54 No.4298  引用 
「今回の交尾器の画像は、ご覧頂きましたとおり Gonostylusを左右に開いたのですが、この形でよいのかどうか迷っています。顕微鏡と、撮影機材の機能から、開かないでの検鏡は、大変見にくい事から工夫したのですが、何か大きな欠点があれば ご指摘いただきたく存じます。」

どのようなアングルで写真を撮ったり,作図したりするかは,その際にいつも考え込むことになります.要はその種の形質が確実に判るアングル(もっとも良く分かるアングルの意味ではありません)ということになります.これは他の人がその図を自分の標本と比較する時に同一のアングルがとれて,しかもその種の形質が確実に示されるアングルということになります.そうなると,最もアングルの同一性を保つのが可能なのは真横から見ることになります.これも,注意しないと後方が下がったり,逆に前方が下がったりしますので(もちろん背中線と腹中線が同一平面に来ることは必須です),対在形質が完全に重なり合うようなアングルを顕微鏡の下で決めてから撮影や作図をするように心がけています.真横から書かれたあるいは撮影されたものでは,他の人が自分の材料を同じアングルに保って,図などと比較することが可能になります.また真横の他に材料によっては真上または真下から見るアングルがあります.これもピッチングといいましょうか,仮想体軸が前や後に傾くと,形状がかなり異なってきますので,真横の場合よりアングルが採りにくくなります.また,双眼実体顕微鏡では左右の接眼レンズからの像は当然のことながら変わってきていますので,材料の背中線や腹中線を視野の中で縦方向に採ると,たとえ材料が完全に左右対称になるような位置に調整をしても,右の接眼レンズからの像はより右側面が広く(左側に傾いた状態)になり,左の接眼レンズではその逆になります.背中線などを視野を横切るように設定するとこの点は容易に調整が可能になります.

しかし,このような規定のアングルでは形質が良く表わされない場合は,問題の形質がもっとも良く現われると自分が判断したアングルでの作図や撮影を行うことになります.この場合は他の人が自分の材料をこれらの図と比較するときに,かなり慎重に照合する必要が起ります.

このようにしても,種の重要な形質が表わされない場合は,部分的または全面的な解剖を行って,問題の形質の作図や撮影が可能な状態にしていきます.

切断などの解剖しない場合は,材料を展開させることになります.この方法がしばしば用いられているのが鱗翅目の雄交尾器の場合です.鱗翅目では糸角双翅目の2小節に分節した生殖肢に相当するものがvalva(把握器)と言う単一の袋状構造に融合していまして,この内面にしばしば多様な突起や刺毛を生じ,これが重要な分類形質になっています.そのためにあなたのLeiaの写真と同様に,valvaeを左右に開いて,しかもスライドグラスの上でカバーグラスによって交尾器を押さえて,それに基づいて作図や撮影が行われます.この場合は押し付け方によってvalvaの変形やアングルが変わるので,このような図はかなりその点を考慮しながら参照せざるをえません.しかも鱗翅目では交尾器全体をこのように展開した状態にしますと,第9-10腹節背板系のtegumen-uncusの形状にかなりのゆがみが生じます.これと同様のことがあなたのLeiaの交尾器の写真でも起っています.これらが欠点と言えば欠点になります.しかし,鱗翅類ではこの方法が簡便で,スライドとして保存しやすいと言うことから広く行われています(私は各部の形状や関連など機能形態学的形質があまり正確に把握されないので,この方法はあまり好ましいものとは思いませんから,鱗翅目でこの方法をほとんどとったことはありません).しかし,この展開法で種の形質がはっきり表れるのであれば,その目的の範囲では有効なアングルではないかと思います.

ご質問には以上でよろしいでしょうか.

Re: キノコバエ-Leia billineata... 投稿者:バグリッチ 投稿日:2008/02/17(Sun) 16:27:32 No.4299  引用 
アノニモミイア様

 詳細にわたってご解説いただき本当にありがとうございます。
 『特徴が捉えやすい』だけでなく、後で 別の方が比較しやすい事を充分考えなければいけないのですね。
 これが ある意味『本当にわかりやすい』と言えるのだと認識しました。
 基本は側面図であり、これにプラスして、特徴を現す図を加えることが必要ということとですね。
 この事を頭に入れて検鏡したいと思います。
 一方で、今回の画像ような方法も 自分なりに 併せて使ってみたいと思います。

 キノコバエの仲間は大きくなく、また 交尾器は意外に毛が多くて、形態がすっきりせずに わかりにくい印象を持っています。
 時間はかかるかもしれませんが、少しづつ 勉強していきたいと思います。

 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

ガガンボの1種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/16(Sat) 18:28:13 No.4293  引用 
4月下旬に,茨城県水戸市近郊の公園(alt.130m)で採集した,体長9mm程のガガンボです.

Tipula属と思われるので,亜属まででも判断出来ないかと,Alexander(1935)の亜属の検索とにらめっこをしましたが,まだまだ翅脈名や交尾器構造が理解出来ていないためか,よく判りませんでした.

恐らく,Cu1脈やM4室の形状から,Schummelia亜属の1種と思われますが,如何でしょうか?

よろしくお願い致します.


Re: ガガンボの1種 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/16(Sat) 18:29:12 No.4294  引用 
同交尾器です.

亜属まででも,教えて頂ければ幸いです.

これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/08(Fri) 22:47:35 No.4237  引用 
雪の上を走るガガンボと思われるものです。お教え下さい。
2008年2月2日青森県下北半島でとりました。
同時に走っていたメスと思われるものもとりました。2枚目に貼ります。体長は4ミリから5ミリくらいのものです。
走る様子はhttp://snowmelt.exblog.jp/7187392/に動画もあります。クモガタガガンボも近くにおりました。


Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/08(Fri) 22:49:46 No.4238  引用 
上のメスと思われるものです。
走る速度はメスの方が速いように見えます。


Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/08(Fri) 23:52:13 No.4239  引用 
達磨さんからそのうちに連絡があると思いますが,これはガガンボダマシ科TrichoceridaeのTrichocera imanishii (Tokunaga)イマニシガガンボダマシだと思います.♂の翅はやや基部が細くなり,♀ではほとんど平均棍のような形に退化しています.
おーやぎさん.多めに採集できたら少し分けてください.アルコール浸け標本も欲しいところです.宜しくお願いします.

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/09(Sat) 21:26:31 No.4240  引用 
アノニモミイアさん、ありがとうございます。
科が異なればガガンボの一種といえばだめでしょうか。許容範囲でしょうか。
ガガンボダマシの一種(今は種までお教えいただきましたが)というのが正しいとは思いますがどうでしょう。
北驫ルの8版しか持っていないのですが、これには カ ガンボダマシ科と書いてありますが、 ガ ガンボダマシでいいのですね。さらに、ガガンボダマシ科のなかに、ニッポンフユガガンボというのがかかれていますがダマシがついていませんね。

いま、オス1、メス3の液浸しかありませんので、明日また出かけます。採れると思いますので、お送りします。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 00:19:05 No.4241  引用 
呼ばれて飛び出る達磨です。
以前、アノニモミイアさん(本当はさんでなく先生とつけないと気持ちがよくないのですが、、)のもとでガガンボダマシの勉強をしておりました(今もしております)。
写真の虫はTrichocera imanishiiに違いありません。私の知る限り、最北の記録です。
広い意味でガガンボ類といえばこれを含めてもおかしくはありません。でもガガンボダマシの一種とするほうを推奨いたします。カガンボとガガンボ、図鑑の出版された年代などで変わってくるのですが、最近はガガンボのほうが多く使われているようです。わたしはカガンボという表記は使わないようにしています。
ニッポンフユガガンボの和名は私も頭の痛いところです。いずれもガガンボダマシ科に属すのですが、Trichocera属をガガンボダマシ、Paracladura属をフユガガンボと呼んでいるのです。語幹をそろえたほうが気持ちがいいのですが、サビキコリはコメツキムシ科、オオムラサキはタテハチョウ科、ツクツクボウシはセミ科なわけですから、そういうものだと覚えることにしましょう。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/10(Sun) 01:14:49 No.4244  引用 
和名というのは時折ややこしいことがあります.

1.先ずカガンボとガガンボです.松村松年先生は例えば昆虫分類学(1915)から日本昆虫大図鑑(1931)まで一貫してガガンボを使い,徳永雅明先生は日本動物分類(1939)や原色昆虫大図鑑第三巻(1965)ではカガンボ,日本昆虫図鑑(1957)ではガガンボを使い,同じく江崎悌三先生は日本昆虫図鑑(1957)ではガガンボを使い,高橋三雄氏は原色昆虫大図鑑第三巻(1965)〔上記徳永先生のと同書〕ではガガンボを,伊藤修四郎先生は原色日本昆虫図鑑(保育社,1977)ではカガンボを使っています.このように,カガンボとガガンボは同じような頻度で使われ,時には同人が両語を使っています.語義は「蚊の母」と聞いておりまして,「蚊がん母」となり,本来の仮名表記はカガンボでしょうが,第2音のガに第1音が引かれて濁音になり,その結果ガガンボになったものと思います.近刊の新訂原色昆虫大図鑑第三巻では改訂者中村剛之氏が全てガガンボに統一しています.語源に忠実であればカガンボ,転用されて一般的なのはガガンボということになります.ガガンボの漢字は大蚊で,もちろんこれは当て字です.ガガンボダマシ科には偽大蚊が用いられています.中国でもガガンボには大蚊を用いています.

2.伝統的なガガンボ科Tipulidaeは現在は4科に分割されていますが,これらはいずれもガガンボ上科Tipuloideaに含められる単系統群(単一祖先から分化した全ての子孫のみを含む群)です.しかしガガンボダマシ科Trichoceridaeはこのガガンボ上科とは全く類縁が異なる昆虫群でして,ガガンボ上科の姉妹群でさえもありません.ガガンボ上科とガガンボダマシ科は共に真のA1脈(伝統的なA2脈)を具えることで共通性がありますが,ガガンボダマシ科には単眼があり,また幼虫の構造,特に頭部の形態がガガンボ上科のそれと全く異なっています.ニセヒメガガンボ科,コシボソガガンボ科もそれぞれガガンボ上科やガガンボダマシ科とは類縁が離れた科ですが,それらの概観からガガンボの名称が和名の語幹になっています.

3.上記のような事情にも拘わらず,ガガンボダマシ科のなかで,日本産の2属のうち,Trichocera属にガガンボダマシを用い,付節の第1小節が著しく短縮したParacladura属にフユガガンボを用いています.後者だけが特に冬季(晩秋から早春)に成虫が現われるということではなくて,前者の成虫も主に冬季に出現します.季節的に成虫の発生期が両属で異なると言うことではないので,フユガガンボの名称はその性質から考えるとナンセンスです.ただTrichoceridaeは英名ではwinter crane flyで訳せばもちろん文字通りフユガガンボ(冬鶴蝿)です.このような和名の状況なので混乱を避けるためには,Paracladuraの和名の語幹をガガンボとするのはやめて,私流にいえばPracladuraはヒメガガンボダマシあるいはホソガガンボダマシとでも言ったほうがよさそうです.ただし,Trichocera属にもチビカガンボダマシTrichocera minuta Tokunagaという種がありますので,体の大きさだけで両属を分けるような和名を用いるのも錯綜します.

4.その上さらにややこしいのは,Trichocera imanishii (Tokunaga)イマニシガガンボダマシとParacladura imanishii Tokunagaイマニシフユガガンボがあります.両属に種名のimanishiiが用いられ,命名者Tokunagaは同一で,両種にはさらに和名接頭語イマニシが用いられていることです.

5.もう一つ混同しやすいのは,Trichocera属のT. hiemalis De Geerに対して,フユガガンボダマシの和名があることです.これはParacladura属フユガガンボ属と間違えやすいですね.Paracladuraに類似していると言う意味のダマシではなくて,種名からの直訳でしょう.種名hiemalisはもちろん「冬の」の意味の形容詞です.

6.以上ですから,今回のTrichocera imanishiiイマニシガガンボダマシをガガンボの1種というのは正しくなくて,ガガンボダマシ(科)またはガガンボダマシ属の1種が正しいことになります.しかし,Trichocera属のほかの種は雌雄とも良く発達した翅を具えて飛翔しますので,本種をガガンボダマシ属の1種と呼ぶのは正しいとは言え,そのように呼ぶことで本属全体が押しなべてこのように翅が退化した昆虫であるかのごとき印象を与えなければ,と気がかりではあります.本種の形態と行動はTrichocera属の中でも特異ですから,やはりイマニシガガンボダマシと種の和名で本種を紹介されるほうが適切ではないかと思います.本種に対しては,以前Alexanderによって,その特異な翅(♂の翅脈の退化と翅形の変形,雌の退化翅)の形態を根拠にしてKawasemyia属が創設されたこともあります.

標本につきましてはお手数をおかけしますが宜しくお願いします.

達磨さんからのコメントを期待しています.

追記:これを書いているうちに達磨さんの指摘がありましたね.ご苦労様です.

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 22:33:51 No.4246 ホームページ  引用 
達磨さん、アノニモミイアさん、本当にありがとうございます。プリントアウトしてよくよく読解したいと思います。
最北の記録とありますが、今日、この写真の場所にはみあたらなくて、さらに北10キロぐらいのところで、十数匹とれました。うちメスは二匹でした。アノニモミイアさん、お送りします。
ところで、写真メスのほうの産卵管らしいものは、とがっているのとそうでないのがありますが、とがっていないのは交尾後のなにかでしょうか。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/10(Sun) 23:50:13 No.4247  引用 
詳しい、解説ありがとうございます。
そもそも松村松年先生がこの仲間の和名が付けられたころはそれまで名無しだった様々なグループに(図鑑の出版の都合)大急ぎで和名を付けなくてはいけなかったと想像できます。ガガンボ型類(ガガンボの形をした虫たちという意味、今即興で作った言葉、ガガンボ科の近縁でないグループも含みますので誤解のないように願います)をみても四苦八苦している様子が見て取れます。ガガンボ科の中にナミガタガガンボモドキという和名を持つものがいたり(ガガンボモドキという和名はご存知のように長翅目の一群の和名として使われていますね)、ちょっと後ですがTanyderidaeにガガンボダマシ科という和名が付けられたり(これは後にニセヒメガガンボと言う和名に変えられています)など。ガガンボ型類の科に用いられている和名を挙げるとガガンボモドキ(長翅目)、ガガンボ、シリブトガガンボ、ヒメガガンボ、オビヒメガガンボ、ニセヒメガガンボ、コシボソガガンボ、ガガンボダマシ。正しい知識のない人には混乱のもとのように思えます。その上、頭が痛いことに、こうした科名を種の和名の語幹とすると、どんどん和名が長くなってゆきます。コゲチャトゲフチオオウスバカミキリとかオガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシ、ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウのような長い名前はできれば避けたい。何とかしたいところです。

キリギリスの仲間のカヤ「キリ」、ヒメ「ギス」のようにタケウチ「ンボ」とかカンキツ「ガボ」とかって名前にできないものでしょうかね・・・いや、これは冗談。

>写真メスのほうの産卵管らしいものは、とがっているのとそうでないのがあります
産卵管の先に何かくっついていませんか?毒ビンの中で産卵し、卵を産卵管にはさんだまま標本になるなんてこともよくあります。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者: 投稿日:2008/02/11(Mon) 00:26:45 No.4248 ホームページ  引用 
達磨さん、ありがとうございます。
>産卵管の先に何かくっついていませんか?毒ビンの中で産卵し、卵を産卵管にはさんだまま標本になるなんてこともよくあります。

いま、走っている時の動画を確認しましたが、雪上で見たときからすでに膨らんで(くっついて?)います。

Re: これはガガンボでしょうか 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/16(Sat) 13:20:28 No.4292  引用 
おーやぎさんから標本を送っていただいて,雌の腹の先を顕微鏡でみたところ,膨らんでいる個体は,どういう原因か分りませんが,羽化の時の蛹の産卵管のクチクラが折れて,成虫の産卵管の先に付着したままになっていたようです.雌はそれでも産卵しようとしたのか,産卵管の間に1個の卵が挟まれていました.恐らく羽化したときに産卵管の部分が蛹殻から抜けないので,腹部全体の蛹殻を成虫の腹部につけたまま(頭部や胸部は先に脱げるので)走っているうちに,密着している産卵管の先の脱皮殻だけが成虫の産卵管についてままで,他の部分が破れて落ちたのではないかと,そのいきさつを推定しています.

時々腹の先に蛹の脱皮殻をつけたオドリバエなどが採集されることがあります.今回のガガンボダマシも羽化後は同じような状態だったのでしょう.

茨城@市毛 多忙中でもガガンボに... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/11(Mon) 13:25:59 No.4250  引用 
先月半ばに投稿した,ウスモンガガンボダマシと一緒に採集したガガンボです.(12月中旬,茨城県水戸市の自宅,体長約4.5mm)

16時ぐらいになると,柚子の枝先などでウスモンガガンボダマシが群舞しており,少し離れたやや低い枝先で,本種が群舞してます.

翅脈などからガガンボダマシ科Trichoceridae の1種のようです.

大分種類が多いようなので,種までは落ちないかもしれませんが,よろしくお願い致します.

P.S. 旧北区の双翅目カタログ等を見ると,Trichocera属はいくつかの亜属に分かれるようですが,日本にMetatrichocera亜属やTrichocera亜属以外も分布しているのでしょうか?
また,Trichocera亜属内のグループ分けのようなものは無いのでしょうか?


Re: 茨城@市毛 多忙中でもガガン... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/11(Mon) 13:26:53 No.4251  引用 
同,交尾器です.

Re: 茨城@市毛 多忙中でもガガン... 投稿者: 投稿日:2008/02/11(Mon) 23:32:33 No.4258  引用 
そのうちにこういう難しいのが出てくるのではないかと心配しておりました。
Trichocera属であることは疑う余地がないのですが、このように特徴の少ない種がいくつもあり、これは難問です。しかし、触角が短く、翅のR2+3脈が短いこと、交尾器の形状から、私がニッポンガガンボダマシTrichocera japonica Matsumura, 1915と同定しているものと同じように思えます。ニッポンガガンボダマシは日本から最初に記載された種で図鑑などにも出てくるため、よく知られた名前なのですが、どの種が本当のjaponicaなのかは判断が難しいのです。Matsumuraの原記載文では、体がこげ茶色で触角が細い、と言った程度のことしかかれていない上、タイプの行方が不明です。徳永1938にはタイプを検したとの記述がありますが、京都府大のコレクションにもタイプは含まれていませんでした。
北大には松村先生本人によってT. japonicaの記載以前に採集されたTrichoceraの雌が5頭あります。私はこの雌たちによく似ていて(タイプでないにしても記載に際してはこの標本も参考にしていたであろう事を考慮しました)、徳永1938の記述にもよくあう種を暫定的にT. japonicaと同定しています。なかなか自信は持てませんが、今のところ精一杯の策だと思います。
回りくどい言い方をすると、市毛さんの写真のガガンボダマシは「達磨がT. japonicaの可能性が一番高いと考えている種によく似ている(あるいは、、と同じ種と思われる)」と言うことになりますか。

Re: 茨城@市毛 多忙中でもガガン... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/14(Thu) 21:24:48 No.4291  引用 
達磨様.

どのグループでもタイプ標本の行方不明はあるのですね.

ありがとうございました.

無題 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/12(Tue) 12:19:20 No.4259  引用 
中国農業大学の楊 定さんらが一昨年に世界のアシナガバエ科,昨年末にオドリバエ科のカタログを出版されました.紹介して欲しいとのことですので,ここをお借りして紹介します.

Yang Ding et al., 2006. World Catalog of Dolichopodidae. 704pp, 44 pl. 中国農業大学出版社(北京市海淀区円明園西路2号)発行,定価260元

Yang Ding et al., 2007. World Catalog of Empididae. 699pp, 2 pl.中国農業大学出版社(北京市海淀区円明園西路2号)発行,定価180元

いずれも系統や形態など最新の情報が入っており,両科の分類の現状を知る上で重要な文献です.今1元は約15円です.直接注文できるかどうか知りません.出版社のアドレスは以下の通りです.

http:/www.cau.edu.cn/caup
e-mail cbsszs@cau.edu.cn

Re: 禁止ワードについて 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/12(Tue) 19:28:06 No.4260  引用 
当BBSは禁止語句が設定してあり、東欧、旧社会主義系の国、オランダなどのスパム投稿の温床となっている国を表す文字(これが日本だったら.jp/になります)が入っていると投稿拒否されるようになっております。(今回は「cn/」に引っかかりました)

今回は内容的に問題の無いと思われますので禁止語句を含んではいますが管理者権限で投稿を表示させるように処理をしました。

Re: 禁止ワードについて 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/12(Tue) 20:41:06 No.4261  引用 
中国の本の場合,China Scientific Book Service からの購入が便利と思われます.3回ぐらい利用しています.

http://www.hceis.com/class.asp?aid=31&nid=273&id=83

原価を考えると高めですが,英語でやり取りが可能なことと,クレジットで決済が可能です.

現在,銀行への送金手数料は最低でも2500円と高額です.
また,前回銀行振り込みした際に,中国への小額の送金の場合は別に銀行に手数料を支払わなければならないと指摘され,閉口した覚えがあります.

ハエ男様,もっと安いところ知りませんか?

Re: 無題 投稿者: 投稿日:2008/02/12(Tue) 21:42:56 No.4262  引用 
横浜の中国書籍のネット通販書店「書虫」http://www.frelax.com/sc/
が海外送金の苦労がなくて便利かもしれません。

"World Catalog of Dolichopodidae."は、既に通販カタログに掲載されていました。「世界長足虻科名録(英文)」のタイトルで掲載されています。掲載ページのURLを投稿しようとしたら、迷惑投稿の扱いではねられてしまいましたが・・・

追伸
"World Catalog of Empididae."はまだ登録されていませんが、同じ著者の「中国動物志-昆虫綱-第34巻-双翅目 舞虻科 螳舞虻亜科 駝舞虻亜科」が登録されています。"World Catalog of Empididae."もメールで申し込むと購入できるかもしれません。

Re: 禁止ワードについて 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/13(Wed) 01:04:49 No.4267  引用 
ハエ男さん.いろいろとお世話をおかけしました.管理がさぞかし大変なことがわかりました.不鮮明写真による同定依頼の件も含めてご苦労様です.

さて,昨年末に発行されたオドリバエ科のカタログの中国語表記をウミユスリカさんご指摘の書店に問い合わせる場合のために同書の奥付を下記に引用しておきます.

舞虻科世界名録:英文/楊定等編著.北京:中国農業大学出版社,2007.6  ISBN978-7-81117-423-6

Re: 投稿の設定 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/13(Wed) 01:07:37 No.4268  引用 
すみません・・・現在、投稿時には1つのURLしか書き込めない設定になっております。(スパム防止のための設定なのです。)

あえて複数をカキコみたい場合は「ttp://〜」の形でお願いいたします。

Re: 無題 投稿者: 投稿日:2008/02/13(Wed) 07:45:36 No.4270  引用 
ハエ男様、ありがとうございます。1投稿1つのURLの規定だったんですね。

念のために「世界長足虻科名録(英文)」の購入URLを紹介しておきます。
http://www.frelax.com/cgilocal/getitem.cgi?db=book&ty=id&id=SJCZ209426

現在10750円のようですね。

Re: 無題 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/02/14(Thu) 21:19:25 No.4290  引用 
ウミユスリカ様.

こんな便利な本屋があることは知りませんでした.
聞いてみるものですね.

World Catalog of Empididaeは9400円とのことでした.

ありがとうございました.

東京都のハエ目 追加 投稿者:Arge 投稿日:2008/02/13(Wed) 13:44:38 No.4275  引用 
暇を見て兵庫県のハエ目のリストをまとめようとしているのですが、どうも450種強で頭打ちのようです。ガガンボやユスリカの報告がないので、東京都の記録には遠く及びません。

その途中でTKMのリストにない東京の記録がいくつか見つかりましたので情報を簡単に書いておきます。

タマバエ科
 Jaschhof (2001). ESAKIA, (41): 37-147.
 皇居産がいくつかあります.

ユスリカバエ科
 Okada (1938). Annotationes Zoologicae Japonenses, 17(3-4): 388-394.
 クロズユスリカバエ, Kogesawa, Takao, Tokyo
 セスジユスリカバエ, Kogesawa, Takao, Tokyo

アブラコバエ科
 南川・福原 (1964). Kontyu, 32(4): 503.
 カイガラコバエ,府中市.

ノミバエ科
 笹川 (2002). Jpn. J. Ent. (N. S.), 5(2): 29-34. (日本産双翅目ノート 1)
 この中に,「Schmitz (1952, 1957)は(中略)東京都内で採集した次の4種も・・・」との記述があり,4種の学名が記録されています.原典は「Die Fliegen der palaearktischen Region」のようです.

アブ科
 東北農試研究資料にアブ科の標本目録がいろいろあり、東京都産のデータも結構あります。
 今ホームページがメンテナンス中のようなので、詳しくはまた後ほど書き込みます。

ケシショウジョウバエ科
 Sueyoshi & Mathis (2004). Proc. Entomol. Soc. Wash., 106(1): 74-84.
 東京都産2種.

トゲハネバエ科
 原記載はわかりませんが,センチトゲハネバエの学名がOrbellia tokyoensisなので,東京が模式産地と思われます.

ヤドリバエ科
 福原・真梶 (1964). Kontyu, 32(4): 489.
 キイロハリバエ,「東京付近」と書いてあるので微妙ですが.

Re: 長野県も目録を作りそう・・ 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/13(Wed) 14:38:58 No.4277  引用 
このところ全国各地で昆虫目録が作成されるようになってきました。

長野県でも遅ればせながら松本むしの会内でそういう動きが出てきて(まだ本決まりではありませんが・・・)、多分作ることになると思います。(関連サイトは松本むしの会のサイト内にページが近々出来ると思います・・・)

長野県は文献記録もさることながら、全国から多くの方々が採集に来ているため標本が散逸しています。
もしよろしければ、皆様のお手元の標本のデータをお知らせいただけるとうれしいのですが・・・(今後3〜4年かけて情報収集することになると思います。)

とりあえず、双翅目の記録は私がまとめることになりそうですので、ご協力をお願いいたします。

Re: 兵庫県のハエ目 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/13(Wed) 15:27:46 No.4278  引用 
Argeさん>

兵庫県のシラミバエ科、クモバエ科、コウモリバエ科の記録はご存知ですか?

とりあえず、5例ほどあるようですが・・

Re: 東京都のハエ目 追加 投稿者:Arge 投稿日:2008/02/13(Wed) 19:08:14 No.4281  引用 
農学情報資源システムのホームページが復活したので、URLを書いておきます。
ここにアブ科目録が7編ほどあり、全部まとめると東京と長野は結構な数になると思います(永冨先生の標本もあるので持っとあるかと思ったんですが兵庫県は意外と少なかった)。

http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/library/jnr/tnaes-s.htm

Re: 兵庫県のハエ目 投稿者:Arge 投稿日:2008/02/13(Wed) 19:27:15 No.4282  引用 
> 兵庫県のシラミバエ科、クモバエ科、コウモリバエ科の記録はご存知ですか?
> とりあえず、5例ほどあるようですが・

情報ありがとうございます。

シラミバエは片岡(2000、はなあぶNo.10)のイワツバメシラミバエ、Mogi et al.(2002)のコウモリバエ1種とクモバエ2種、それにデータは未発表のようですが片岡(1999、はなあぶNo.8)のセルリシラミバエを加えて5種の記録が手元にあります。

Re: 東京都のハエ目 追加 投稿者: 投稿日:2008/02/14(Thu) 20:53:39 No.4289 ホームページ  引用 
Arge様
 東京都の双翅目情報ありがとうございます。把握していない情報が多数含まれ大変参考になります。特にアブ科は手薄だったのでありがたいです。
 またお気づきの情報がありましたらよろしくお願いいたします。

嶌 洪先生のサイトのその後 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/13(Wed) 11:39:08 No.4272  引用 
イチモンジセセリとオオリリシジミより出たヤドリバエ科について調べて欲しいとの依頼をされヤドリバエ科について調べようとして、九大の嶌 洪先生のページを見ようとしたら消滅してしまっていました。(退官されたのですから当然といえば当然なのですが・・・)

あのサイト内にはヤドリバエ科の既知の寄生主の一覧みたいなのが見れるページがあったと思うのですが、あのサイトのその後をどなたかご存知ありませんか?

Re: 嶌 洪先生のサイトのその後 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/13(Wed) 12:09:11 No.4274  引用 
サイトの行方は知りませんが,寄主一覧では以下の文献があります.

Shima, H., 2006. A host-parasite catalog of Tachinidae (Diptera) of Japan. Makunagi/Acta Dipterologica, Supplement 2,171pp.

双翅学会は嶌先生がもっぱら動かしていたのですが,退官後どのようになっているか把握していません.しかし,この文献の入手を希望されるのでしたら,下記宛に問い合わせたら連絡が付くかもしれません,

〒810-8560 福岡市中央区六本松4-2-1
九大大学院比較社会文化研究院生物体系学教室内 双翅学会.

なお,あるいはお急ぎでしょうから,同書では:
イチモンジセセリは Argyrophylax apta (Walker) 
          Bessa parallela (Meigen)
Compsilura conscinnata (Meigen)
Exorista japonica (Townsend)
Halidaia aurea Egger
Nemorilla floralis (Fallen)
Sturmia bella (Meigen)
Thecocarcelia oculata (Baranov)
T. sumatrensis (Townsend)

オオルリシジミには Aplomyia confinis (Fallen)

が寄生者としてリストアップされています.Fallenのeにはアクサンテーギュがつきます.
          

Re: 嶌 洪先生のサイトのその後 投稿者:ハエ男 投稿日:2008/02/13(Wed) 14:23:15 No.4276  引用 
アノニモミイアさん>情報どうもありがとうございます。

今度の土曜にその現物の受け渡しをするので、お教えいただいた候補を頭に入れ、調べてみたいと思います。

でもハエ屋以外の方から受け取る標本は♀がなぜか多いんですよね・・今度もそうだったら・・・やっぱしわからないかもしれません・・・ちょっと心配です。

Re: 嶌 洪先生のサイトのその後 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/02/14(Thu) 10:31:02 No.4288  引用 
Calyptrataeというのは私には全く苦手で,見る前から逃げ出したい気持ちです.ヤドリバエの研究者は良く横顔なんかで分かるものかと,その才能にはただただ感嘆するのみです.ましてや,雌のCalyptrataeは大変でしょうね.
篠永先生のイエバエ科も一度ならず検索を試みるのですが,なんとかアプローチできるのはCoenosiinaeくらいでしょうか.Limonophoraなんかは渓流で良くとれるので一杯標本をもっているのですが,本土産のはごく少数しか篠永先生の本にはでていません.これも検索が難しい.
ハエ男さんや皆さんはまあよくもキンバエやニクバエを同定されますね.尊敬です.

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