日本及びその周辺のアシナガバエ科ホソアシナガバエ亜科Sciapodinaeの属の検索表           [ Bickel (1994)より三枝豊平が作成(2009)] 1.中腿節と後腿節,または後腿節に顕著な前亜端剛毛を生じる・・・・・・・・・・2   腿節は強い前亜端剛毛を欠く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 2.後腿節のみに前亜端剛毛を生じる;前胸側板は強い腹剛毛を欠く;ac刺毛は短いかない; 小楯板側剛毛は短いか毛状(全北区,台湾)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Sciapus   中,後腿節が共に前亜端剛毛を生じる;前胸側板は強い腹剛毛を生じる;ac刺毛は2-4 対の長い剛毛として存在する;小楯板側剛毛は強い(東洋区)・・・・・・・・・・Amesorhaga 3.M2脈を欠く(M1+2脈は分岐しない),溝ないしその痕跡としても存在しない;dcは両性    とも強い;触角刺毛は通常背位置;両性とも強い頭頂剛毛を持つ;頭盾は複眼の縁に    隣接する(全世界)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Mesorhaga   M2はたとえ溝ないし翅膜上の痕跡程度であっても存在する(M1+2脈は中ほどで分岐し,    前枝は前方に湾曲し,後枝は著しく弱くなることもある);他の特徴は変化あり・・    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 4.前額は毛を生じる盛り上がったマウンドをもち,ここに強い頭頂剛毛生じる;M1脈    (M1+2脈が分岐した前枝)はM2脈(後枝)から分かれた後に通常強く基方に湾曲する;    小楯板剛毛は2対とも長い;翅はしばしば暗褐色帯を生じ,これは時には透明な窓を    囲む;触角刺毛は背位置ないし亜背(dorsoapical)位;触角梗節は長い背,腹刺毛を    生じる;両性ともに4-5対の強いdc剛毛を生じる;♂交尾器はしばしばどちらかと言え    ば小型(新世界,熱帯アフリカ,東洋区,東ポリネシア)・・・・・・・・・・Condylostylus   前額は頭頂剛毛を持つか欠く,持つ場合もこれらは毛を生じたマウンドからは生じな い;M1脈(M1+2脈の分岐した前枝)は先端に向かって緩やかな弧を描くか,せいぜい    湾曲部は直角的であって,翅の基方に向かって曲がることはない;他の特徴は様々で    ある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 5.中室横脈は強く波状に曲がり,ほとんどS字状で,時々外側に短いトゲ状の脈を生じる    (オーストラリア,インド,スリランカ)・・・・・・・・・・・・・・・・・Heteropsilopus   中室横脈は直線状,弓形,ないし弱く波状(もし強く波状の場合は前腿節と前脛節ま たは前脛節のみに極めて長い黒色の腹刺毛列を生じる)・・・・・・・・・・・・・・6 6.触角刺毛は三角形の第1鞭小節(第3触角節)の通常先端から生じる(もし♀が時折 はっきり背位置の刺毛を生じるが,その場合は前脛節が強い背,腹剛毛を生じ,ま た小楯板側剛毛は強い);中室横脈はしばしば波状;触角刺毛は通常長く,♀でも体 長の半分より長い;♂の触角刺毛は先端に旗状の拡大部を持つ;前脛節はしばしば 長い剛毛を生じる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7   触角刺毛は通常はほぼ矩形の第1鞭小節の顕著に背位置から生じ,頭部の幅より長い のは稀である;もし触角刺毛が先端ないし亜先端であれば次のような特徴をもつ: ♂の触角刺毛は稀に先端に旗状の拡大部をもつ;脛節の刺毛はしばしば弱く特に♂ ではその傾向がる;中室横脈は直線状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 7. 中室横脈は直線状;頭部はFig. 100fの通り;2本の長いac剛毛を生じる;側板は通 常黄色;脚は細長く,強い剛毛はきわめてすくない;♂の前脛節は強く曲がった後 亜端剛毛を生じる(オーストラロアジア;東洋区;太平洋地域)・・・・・・・・・・・    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Amblypsilopus pallidicornis Group    中室横脈は湾曲する;脛節はしばしば強い剛毛を生じる;♂尾毛突起は深く分岐す  る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 8.頭頂や前額は通常粉で被われる;♂の前額は側部の斜面にしばしば毛を生じる;♂の 触角柄節はまれにしか膨大して花瓶状にならない;前基節は強い側部の棘状の剛毛 を生じない;前腿節と前脛節は通常長い剛毛を生じる;触角梗節はしばしば長い背, 腹刺毛を生じる;♂の前額にはしばしば毛を密生する(旧世界熱帯)・・・・・・・Chrysosoma   前額は著しく金属光沢のある青−緑色;♂の前額は裸か弱い一本の頭頂刺毛を具える のみ;♂の触角柄節はしばしば膨大して花瓶状;前基節は3-7本の強い棘状の側剛 毛を生じる(♀の方が♂より強い)か,前基節は3本の強い黒色の側端剛毛を生じ る;両性とも前腿節と前脛節は通常強い刺毛を生じない(旧世界熱帯)・・・・・Plagiozopelma 9.♂の前額は著しく扁平になり,淡色または黒色の毛を多数生じる;前付節の第2小節 は第3小節より短い;中室横脈は少し波状;前付節の第2-5小節はきわめて短い; 触角刺毛は背位置ないし背端位置;平均棍は黄色または黒色(オーストラロアジア; 東洋区)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Krakatauia(部分)   ♂の前額は平圧されない;触角刺毛は通常背位置;中室横脈は直線状・・・・・・・・10 10.♂の頭盾は細長く,複眼から離れている;♂の頭頂刺毛は通常退化している;体は 時々デリケートな感じで,長く伸びた脚を持つ(西ユーラシアを除く全世界)・・Amblypsilpus   ♂の頭盾は複眼縁に接する;頭頂刺毛は通常両性とも強い;体はより太い(オースト ラリア,太平洋諸島)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Austrospiapus