アノニモミイア様、はじめまして。
双翅目談話会のケンセイと申します。 お役に立つかどうかわかりませんが私の見解を述べさせていただきます。 最初の奴はクシヒゲムシヒキ亜科(Ommatiinae)のOmmatius sp. だと思われます。私も熊本の阿蘇の周辺の調査のときに本種と思われる奴をたくさん採集しました。関東周辺でもたまに採れます。双翅目談話会の同定会の際に春澤さんに聞いたところ、本種のグループは東洋区で繁栄しているグループのため日本の標本だけでの記載は非常に危険であり、東洋区の標本を中心に検討する必要があるため、現状では種名を確定できないとのことでした。 2番目の奴はヒゲボソムシヒキアブ亜科(Stenopogoninae )のサヤノムシヒキ Scylaticus sayano Nagatomi,1983に近似の別種のような気がしますがあまり自信はありません。 なお、ムシヒキアブについては田川さんのウェブサイト http://www3.kcn.ne.jp/~tgw/ でいろいろな画像や情報を得ることができますので、見に行かれたらよろしいかと思います。 ケンセイ@生息地:小平市
ケンセイ様 ムシヒキアブ2種の名称についてご教示有難うございました.ムシヒキアブ図鑑にOmmatius sp.が掲載されているのですが,名称だけで,この仲間が日本でどのようになっているのか全く知らなかったものです.阿蘇でも採集されたとのことで,大変参考になりました.第二の種は脚が全面的に黄色なので,サヤノムシヒキのような感じではあったのですが,図鑑の写真ですと翅が良く見えていないので,どんなものかと思っていました.八重山の種ですし,こちらの標本は翅端が暗色になっていまして,この点が図鑑では分かりにくいところです.採集地でも少ないようで,4年間ほど通った場所ですがこの1頭だけでした.有難うございました.
久しぶりに訪問しました.
ムシヒキアブについての投稿があるとのことでお誘いをいただきましたので、割り込んで申し訳ないですが書き込ませていただきます. 2種目についてですが、これは未記録種です.翅脈の特徴からか埼玉昆虫誌(?)でしたか、それにはOrthogonis sp.と記録されたことがありますが、Orthogonisではないと思います.それ以後長く気になっている種なのですが、なかなか手につきません.一昨年、写真でしか見ていませんが、同種もしくは近似種らしきものが韓国で採集され(♀のみ)、その標本を手に入れたチェコの研究者が新属新種ということで記載しようとしています.♀のみでの記載はやめてほしいとお願いしており、♂が採集されて日本産と比較してから発表されると思います.族の扱いも難しく、Laphriini族の所属にするのかAtomosini族にするのか意見が分かれるほど難解な種です.
tgwさんコメント有難うございました.第二の種は触角の形状からはLaphriinaeかとも思ったのですが,脚が全面的に黄色なのでサヤノムシヒキに外観的に似ていると思った次第です.本種はすでに日本で雄も採集されているのでしょうか.また,Laphriinaeに属することは確実なのでしょうか.ご連絡いただければありがたいです.
以前に四国のAsiniinaeの論文の別刷をいただいたのですが,あるいはお礼の返事をお出ししていなかったかもしれません.とすれば失礼しました.また,あなたの図鑑は大変有用でありがたいです.
アノニモミイア様
もう25年ほどが経つでしょうか.四国産Asilinaeをまとめる際にはムシヒキアブの獲物を同定していただきありがとうございました.大勢の方の協力をいただいてまとめることができました.その後はしばらくムシヒキから遠ざかっていましたが、このところ少しずつですが関わっています. さて、この種の♂は国内で採集されています.私の手元にも四国産と本州産のがいくらかあります.すでにデジカメで撮影をしていますので近いうちにホームページにアップしておきます.(久しく更新していません.お役に立てば幸いです) Atomosini族をAtomosinae亜科と扱う研究者もいますが、Laphriinae亜科でいいと思います. |
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