写真だけではやや分りにくい形質がありますが,ほとんど間違いなくRhamphomyia (Eorhamphomyia) ampla Freyの雄です.本種はR. (E.) jezoensis (=sanguis Frey)に似ていますが,腹部の被毛が黒色で,雄交尾器の尾角葉が後に向かって背が高く盛り上がる点で識別できます.本種は東北地方から関東,中部の山地に分布していまして,これらの地域ではjezoensisと概して同所的です.R. jezoensisは大型のEorhamphomyiaとしては例外的にOrientomyiaの種と同様に,ペアが交尾中に飛翔し続けますが,amplaの配偶行動は観察されていないので,この点は興味あるところです.
写真で一点疑問に思うのは,尾角葉下端部が小さくlobe状に突き出している状態です.乾燥標本でも交尾器が歪みますので,実物を見ないと分りませんが,amplaではこの部分は角ばっていても,突出はしません.
上記で,投稿時に2箇所の尾角葉を背板葉と間違って示しましたので,訂正しておきます.これより前に参照されたらご注意ください.
アノニモミイア様
詳しいご解説に御礼申し上げます。
Rhamphomyia (Eorhamphomyia) ampla Freyを 北隆館図鑑で確認しましたところ、R. jezoensisの解説文中に クロホソオドリバエ(新称)として説明されているのがわかりました。
交尾器の形状は、標本の状態で変わるので、他の形質を充分見ないとだめなことが、改めて 感じられましたが、なかなか難しいです。
それでも、また1歩進めて嬉しいです。
引き続き宜しくお願い致します。