写真の種は同定されたようにRhamphomyia (Orientomyia) spirifera Freyのオスです.Orientomyia亜属のなかでも本種は分布が広い(本州中部から九州まで)わりにはどこでも個体数が少なく,散発的に少数個体が採集されるだけで,その結果群飛や配偶行動の詳細は全く不明です.雄交尾器背板葉が著しく前背方に伸びる点と挿入器がほとんど細い針金状に伸びる点ではもっとも特化しているといえます.
Orientomyia亜属は多系統的なPararhamphomyiaを除いてもっとも暖地性の亜属で,北限は本州中部ないし朝鮮半島中部で,南方では台湾平地,中国大陸南部まで分布しています.R. spiriferaの最近縁種はR. heterogynaだろうと思います.中部・関東には体肢とも黒色のR. retorsusやR. nigraccipitrinaが生息していますので,これらも埼玉県山地で採集可能かと思います.
本亜属の交尾中のペアは群飛の下の地上1m位の空間を飛翔し続けるので,ペアを見つけたらその近くの上空を注意深く探すと樹の枝の下に群飛集団を見つけることができると思います.大群飛の下には多数のペアが飛翔していて,これらを採集すると求愛餌も同時に手に入り,この中には高所で飛翔する昆虫が含まれていて,傷んではいるが稀な虫が採れることもあります.
アノニモミイア様
ご教示に御礼申し上げます。
写真の種はRhamphomyia (Orientomyia) spiriferaとのこと、正しく同定できていて 嬉しいです。
群飛集団は探してみたいです。
大群飛の中に、高所飛翔の種が採れることがあるとは知りませんでした。
ほんとに知らないことだらけです。
引き続き宜しくお願い申し上げます。