mahoro_s様.
岩手のほうは地震で大変でしたね. 仕事日誌を見ると震度4と書かれており,こちら(水戸)と変わらず驚きました.ほんとに岩手は広いですね. さて,写真のハナアブは鈴木さんの御指摘どおりSphegina属の1種の♀です.腹部第1腹板を欠いているように見えるのでAsiosphegina亜属と思われます. Sphegina属は雌雄ともに体色に個体変異がある種類が多く,極端な場合は体が黄色い種類と黒い種類が同種の場合も有ります.写真のように腹部末端が赤くなるのも個体変異と考えています.♂は交尾器で分類が可能ですが,♀は同定が困難です. ヨーロッパでは,Sphegina亜属の♀を腹板各節の形状を元に分類する論文が出ていますので,同様の手法を使って根気良く調べれば判るようになるかもしれませんが,日本には20種近い種類が分布していますので,全ての種類について交尾中のペアを採集して確認するのはかなり難しいと考えています. 高山性と考えられる種類はいないようなので,本州〜四国にかけては各県とも10種を越える種類が分布していると思います.ただし,亜高山帯に近い標高でだけで採集される種類が数種いるので,標高が低い千葉県等はやや少ないと思います.また,北海道や南西諸島には固有種が数種分布しています. アイヅシモツケやコゴメウツギのような,散房状の比較的小さな花を好むようですが,このような花が無い場合はミツバウツギやヤマザクラのようなやや大型の花にも飛来します.
市毛様、御教示ありがとうございました。
やはり♀は難しいのですね。20種近くもいるとは知りませんでした。 自分の調査地では少なくとも4種は認識できると思っているのですが、今後、ペアでの採集を心がけます。 この調査地でSpheginaが訪花するのは、なんと言ってもコバイケイソウです。あとはオニシモツケ、ヒメシロネ、カンボク、ミツガシワなどでも採りました。いずれも白い花ですね。 |
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