追加の画像です。 HM
(最初の画像に添えたコメントのFSをHMに訂正させていただきます。)
画像の双翅類は、オドリバエ科EmpididaeのEmpis属Anacrostichus亜属に含まれるクロツヤハラオドリバエEmpis (Anacrostichus) claricolor Frey と同定してよい種の♂です。図書館などで見ることができれば、北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻419ページに本種に近縁のルリツヤハラオドリバエの項があるのでそれも参照ください。本種は本州中部山岳から発表された種で、少なくとも中部地方には広く分布しています。九州など西日本にも大変よく似た種が生息していますが、本種との種としての違いがあるかはまだ解決していません。
Anacrostichus亜属には、本種のほかに10種足らずの種が日本列島には分布しています。本亜属の種では、♂の外部生殖器が腹の先から下側に曲がって下垂するような状態になっています。また、本種やルリツヤハラオドリバエE. (A.) cyaneiventris Freyなどの1群では後脚の腿節が肥大して、腹面に棘を生じているのも特徴です。腹部が青藍色に輝く種、白い毛を密生する種、♀の翅が純白の種、逆に黒褐色の種など、概形はよく似ていますが、色彩など多様です。静岡では少なくともルリツヤハラオドリバエは生息しているかと思います。この種は年1回、4月に成虫が発生します。
ルリツヤハラオドリバエでは♂は自分とほぼ同じ大きさのミズアブ類を捕えて、これを♀への求愛餌にします。
三枝豊平様
非常に詳しい解説をありがとうございました。
たいへん勉強になりました。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
HM
ルリツヤハラオドリバエ(ルリハラオドリバエ)の配偶行動の記事(Nature Study, 18(4):7-8)を添付しました。解像度が悪いので判読ください。
三枝豊平様
記事を添付していただきありがとうございました。
お礼が遅れ申し訳ございません。
素晴らしい観察記録を読ませていただき心より感謝申し上げます。
HM